JPH05214175A - 安定性の改良されたポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

安定性の改良されたポリオレフィン樹脂組成物

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JPH05214175A
JPH05214175A JP6275392A JP6275392A JPH05214175A JP H05214175 A JPH05214175 A JP H05214175A JP 6275392 A JP6275392 A JP 6275392A JP 6275392 A JP6275392 A JP 6275392A JP H05214175 A JPH05214175 A JP H05214175A
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JP
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polyolefin resin
group
resin composition
oxygen
compound
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JP6275392A
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English (en)
Inventor
Atsuo Tokutake
▲あつ▼夫 徳竹
Motoyuki Shibayama
基之 柴山
Toshitsune Yoshikawa
利常 吉川
Katsutoshi Noguchi
勝利 野口
Fumio Sato
文男 佐藤
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Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光、酸素などの化学的作用による長期保存中
の黄変および加熱時の劣化を防止し、金属腐食性を低減
したポリオレフィン組成物を提供する。 【構成】 ポリオレフィン樹脂に、特定構造のリン化合
物とハイドロタルサイトと所望により脂肪酸金属塩等を
配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン樹脂組成
物に関し、詳しくは、ポリオレフィン樹脂に特定のリン
化合物および酸吸収剤を添加して得られる組成物または
さらにフェノール系酸化防止剤およびまたはチオエーテ
ル系酸化防止剤を添加して得られる色安定性、熱安定性
および耐腐食性の改善されたポリオレフィン組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィンは比較的安価であり、優れた機械的性
質を有するので、射出成形品、中空成形品、シート、フ
ィルム等の各種成形品の製造に用いられている。しかし
ながら、これらポリオレフィンは成形加工時に、熱、酸
素などの化学的作用、剪断力などの機械的作用によって
劣化し、着色や機械的強度が低下して、使用に耐えられ
なくなる。このため、従来より成形加工時の熱劣化を防
止する目的で、各種の酸化防止剤が広く用いられている
が、これらの添加剤、特にフェノール系酸化防止剤を含
有するポリオレフィンは、長期間保管すると黄変する欠
点をもっている。また近年高活性触媒を用いて、触媒除
去工程を省略したプロセスで、ポリオレフィンが製造さ
れているが、触媒残渣のために、製品ポリマーの熱安定
性、色、耐候性などの悪化を促進するといわれている。
【0003】このような諸特性を有するポリオレフィン
成形品の品質の低下を防止する目的で、ホスファイト等
の含リン化合物を添加する方法が提案されている。(例
えば特公昭59−21343、特開昭62−4344
2、特公昭62−4418)。しかし良好な酸化防止性
能を有するリン化合物は、吸湿しやすく取扱いが困難で
あったり、金属の腐食を起こしやすいなどの欠点を有す
る等まだ充分でなく、改良が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は光、酸素など
の化学的作用による長期保存中の黄変および加熱時の劣
化を防止し、金属腐食性を低減したポリオレフィン組成
物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した同
課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィ
ン樹脂に対して、次の一般式(I)で表されるリン化合
物の1種または2種以上と、ハイドロタルサイト類、所
望により脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂肪酸金属塩、脂肪
酸の1種または2種以上とを添加することにより、耐熱
性、長期保存時の黄変防止、金属腐食防止などの極めて
優れたポリオレフィン樹脂組成物が得られることを見い
だした。
【0006】すなわち、本発明はポリオレフィン樹脂
が、下記のリン化合物の1種または2種以上とハイドロ
タルサイトとを含有してなる、安定性が改善されたポリ
オレフィン樹脂組成物を提供するものである。
【0007】一般式(I):
【化2】
【0008】〔式中R、R、RおよびRはそれ
ぞれ同一かまたは異なる水素、炭化水素基または含酸素
炭化水素基であり、これを構成する基の例としてはアル
キル、シクロアルキル、アリール、またはアルキルアリ
ール、アリールアルキル、アルケニル、アリールアルケ
ニル、アリールアルキルアリールのようなこれらを2個
以上組合せた基、またはエーテル基、エポキシ基もしく
はヒドロキル基を含有するこれらの基、−(C
2mO)−Z(ここにZは水素、アルキル、シク
ロアルキルまたはアリールを有する基であり、mは2〜
9の整数であり、xは1〜10の整数である。)または
−Z−OC2n+1(ここにZはアリーレンを
有する基であり、nは1〜9の整数である。)を含む基
がある。Yは2価の炭化水素残基または2価の含酸素炭
化水素残基を示し、1は1以上の整数である。〕
【0009】本発明を更に具体的に説明する。本発明の
ポリオレフィンとは、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン−1、1
−オクテンなどのα−オレフィンの単独重合体あるいは
その相互重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの
エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−不飽和
カルボン酸またはその誘導体共重合体またはそれらの混
合物からなる郡から選ばれた少なくとも1種のオレフィ
ン重合体であって、特に限定されるものではないが、特
にチーグラー系高活性触媒で重合され、かつ触媒除去工
程を経ていないポリオレフィンを使用した場合に著しい
効果を示す。
【0010】本発明においてチーグラー系高活性触媒と
は少なくともマグネシウム及びチタンを含有する固体触
媒成分と有機アルミニウム化合物とからなるものであ
る。該固体触媒成分としては、金属マグネシウム;水酸
化マグネシウム;酸化マグネシウム;塩化マグネシウム
などのマグネシウム塩;ケイ素、アルミニウム、カルシ
ウム;炭酸マグネシウムから選ばれる元素とマグネシウ
ム原子とを含有する複塩、複酸化物、炭酸塩、塩化物、
あるいは水酸化物など;さらにはこれらの無機質固体化
合物を含酸化化合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水素、
ハロゲン含有物質で処理または反応させたものなどマグ
ネシウムを含む無機質固体化合物にチタン化合物を公知
の方法により担持させたものが挙げられる。
【0011】上記の含酸素化合物としては、たとえば
水;アルコール、フェノール、ケトン、アルデヒド、カ
ルボン酸、エステル、ポリシロキサン、酸アミドなどの
有機含酸素化合物;金属アルコキシド、金属のオキシ塩
化物などの無機系含酸素化合物を例示することができ
る。
【0012】含硫黄化合物としては、チオール、チオエ
ーテルのような有機、含硫黄化合物、二酸化硫黄、三酸
化硫黄、硫酸のような無機硫黄化合物を例示することが
できる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、アントラセン、フェナントレンのような
各種の単環および多環および多環の芳香族炭化水素化合
物を例示することができる。ハロゲン含有物質として
は、塩素、塩化水素、金属塩化物、有機ハロゲン化物の
ような化合物を例示することができる。一方マグネシウ
ムを含む無機質固体化合物に担持させるチタン化合物と
しては、チタンのハロゲン化物、アルコキシハロゲン化
物、アルコキシド、ハロゲン化酸化物などを挙げること
ができる。チタン化合物としては4価のチタン化合物と
3価のチタン化合物が好適であり、4価のチタン化合物
としては具体的には一般式Ti(OR)4−n(こ
こでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基また
はアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは
0≦n≦4の整数である)で示されるものが好ましく、
四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、モノメ
トキシトリクロロチタン、ジメトキシジクロロチタン、
トリメトキシモノクロロチタン、テトラメトキシチタ
ン、モノエトキシトリクロロチタン、ジエトキシジクロ
ロチタン、トリエトキシモノクロロチタン、テトラエト
キシチタン、モノイソプロポキシトリクロロチタン、ジ
イソプロポキシジクロロチタン、トリイソプロポキシモ
ノクロロチタン、テトライソプロポキシチタン、モノブ
トキシトリクロロチタン、ジブトキシジクロロチタン、
モノペントキシトリクロロチタン、モノフェノキシトリ
クロロチタン、テトラフェノキシチタンなどを挙げるこ
とができる。3価のチタン化合物としては、四塩化チタ
ン、四臭化チタンなどの四ハロゲン化チタンを水素、ア
ルミニウム、チタンあるいは周期律表I〜III族金属
の有機金属化合物により還元して得られる三ハロゲン化
チタンが挙げられる。また一般式Ti(OR)
4−m(ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリ
ール基またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を
示し、mは0≦m≦4の整数である)で示される4価の
ハロゲン化アルコキシチタンを周期律表I〜III族金
属の有機金属化合物により還元して得られる3価のチタ
ン化合物が挙げられる。
【0013】これらのチタン化合物のうち、4価のチタ
ン化合物がとくに好ましい。他の触媒系の例としては、
固体触媒成分としていわゆるグリニャール化合物などの
有機マグネシウムとチタン化合物との反応生成物を用い
ることができる。
【0014】また他の触媒系の例としては、固体触媒成
分としてSiO、Alなどの無機酸化物と前記
の少なくともマグネシウム及びチタンを含有する固体触
媒を接触させて得られる固体物質を用いることもでき
る。
【0015】上記した固体触媒成分と組み合わせるべき
有機アルミニウム化合物の具体的な例としては、一般式
Al,RAlx,RAlX,RAlOR,R
Al(OR)XおよびRAlの有機アルミニウ
ム化合物(ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、ア
リール基またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子
を示し、Rは同一でもまた異なってもよい)で示される
化合物が好ましく、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ
オクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニ
ウムセスキクロリドおよびこれらの混合物などが挙げら
れる。
【0016】有機アルミニウム化合物の使用量は特に制
限されないが、通常チタン化合物に対して0.1〜1,
000モル倍使用することができる。重合反応は通常の
チグラー型触媒によるオレフィンの重合反応と同様にし
て行なわれる。すなわち反応はすべて実質的に酸素、水
などを絶った状態で、気相または不活性溶媒の存在かも
しくはモノマー自体を溶媒とする液相で行われる。オレ
フィンの重合反応は温度20〜300℃、好ましくは4
0〜200℃であり、圧力は常圧ないし70kg/cm
G、好ましくは2kg/cmGないし60kg/c
Gである。分子量の調節は重合温度、触媒のモル比
などの重合条件を変えることによってもある程度可能で
あるが、重合系中に水素を添加することにより効果的に
行われる。もちろん水素濃度、重合温度などの重合条件
の異なった2段階またはそれ以上の多段階の重合反応も
なんら支障なく実施できる。
【0017】本発明に用いるポリオレフィンは、固体触
媒成分として従来のバナジウムを主体とする固体触媒成
分を使用して得られるポリオレフィンとは明確に区別さ
れる。両者は共重合体を構成するモノマーが同一であ
り、かつ密度が同一であっても、DSCによるTは本
発明のポリオレフィンの方が高い。またC不溶分は本
発明の共重合体が10重量%以上であるのに対し、バナ
ジウム含有触媒を用いた場合は同不溶分が存在しない
か、または極めて少量である。
【0018】本発明の有機亜燐酸化合物を構成する2価
の炭化水素残基または含酸素炭化水素残基は2価以上の
多価アルコール又は多価フェノールから誘導される。多
価アルコールの代表的なものを例示すると、2価アルコ
ールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコー
ル、ポリエチレングルコール、ジイソプロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ペンタンジオール、チオジエチレングリコール、ト
リメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、1,4−シクロヘキサンジオール等、3価アル
コールとしてグリセリン、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン等、4価以上のアルコールとしてペ
ンタエリスリトール、ジトリメチロールエタン、マンニ
ット等が挙げられる。多価フェノールの代表的なものと
して、2価フェノールには、ピロカテコール、レゾルシ
ン、ヒドロキノン、クレゾルシン、オルシン、m−キシ
ロルシン、4−n−ヘキシルレゾルシン、2,5−ジ−
第3−アミルヒドロキノン、2,5−ジエトキシヒドロ
キノン、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6
−第3−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3
−メチル6−第3ブチルフェノール)、2,2′−メチ
レン−ビス(4−メチル6−シクロヘキシルフェノー
ル)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3−
ブチルベンジル)サルファイト等が挙げられ、3価のフ
ェノールとしてピロガロール、フロロギリシン、エチル
ガルレート、2,4,5−トリヒドキシブチロフェノ
ン、2,6−ビス(2′−ヒドロキシー3′−第3−ブ
チル−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルなど
が挙げられる。
【0019】本発明での一般式(I)で表される代表的
な有機亜リン酸化合物を例示すると以下のとおりであ
る。
【化3】
【化4】
【化5】
【0020】本発明に使用する上記成分の配合組成は、
ポリオレフィン100重量部に対して、0.005〜5
重量部、好ましくは0.01〜2重量部である。本発明
に使用されるハイドロタルサイト類は次式で示される複
塩化合物である。
【0021】 (M2+1−xAl(OH)(An−x/n・mHO (ここで 0<X≦0.5、m:実数 M2+:Mg,CaまたはZn、 An−:n価の陰イオン) この化合物としては天然品及び合成品のいずれも用いら
れるが、とくにM2+がMg、An−がCO 2−であ
る合成品が望ましい。本発明に使用する上記成分の配合
組成は、ポリオレフィン100重量部に対して、0.0
1〜1重量部、好ましくは0.02〜0.08重量部で
ある。この成分を配合することによって、上記リン化合
物の単独の添加より大幅に酸化防止性能が相乗的に改善
されるものである。
【0022】本発明には、脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂
肪酸金属塩または脂肪酸を合わせて使うことが好まし
い、脂肪酸金属塩、ヒドロキシ脂肪酸金属塩、脂肪酸を
例示すると、脂肪酸金属塩としては、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸などの脂肪酸とリチウム、ナト
リウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等金属との塩
が挙げられるが、特にステアリン酸カルシウムが望まし
い。また色安定性を改善するためにこれらの金属塩と脂
肪酸との混合物を用いることも好ましく、混合比として
は2:8〜8:2の範囲、好ましくは1:2〜2:1の
範囲が望ましい。脂肪酸としては上記脂肪酸などが例示
され、ステアリン酸とステアリン酸カルシウムの混合物
が最も好ましく使用される。本発明に使用する上記成分
の配合組成は、ポリオレフィン100重量部に対して、
0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部であ
る。
【0023】本発明の組成物は、さらにフェノール系酸
化防止剤および/またはチオエーテル系酸化防止剤を添
加することによって、一層熱安定性を向上させることが
できる。
【0024】フェノール系酸化防止剤の具体例として
は、2,6−第3ブチル−4−メチルフェノール、2−
第3ブチル−4−メトキシ−フェノール、n−オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、2,2′−エチリデン−ビ
ス(2,4−第3ブチルフェノール)、4,4′−チオ
ビス(3−メチル−6−第3ブチルフェノール)、1,
3,5−トリメチル、2,4,6−トリス(3,5−ジ
第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリ
ス(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、トリス(4−第3ブチル−2,
6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレ
ート、テトラキス−〔メチレン−3−(3′,5′−ジ
−第3ブチル)−4′−ヒドロキシ−フェニル)プロピ
オネート〕メタン、3,9−ビス〔1,1−ジ−メチル
−2−{β−(3−第3−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−
2,4,8,10−テトラオキザスピロ〔5,5〕ウン
デカン、4,4′−チオ−ビス(3−メチル−6−第3
ブチルフェノール)などがある。これらの酸化防止剤は
0.01〜0.15重量部添加され使用される。
【0025】チオエーテル系酸化防止剤としては、ジラ
ウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリ
ル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル−
3,3′−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトー
ル−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネー
ト)、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール
等が例示される。これらの酸化防止剤は0.01〜0.
15重量部添加され使用される。
【0026】本発明の組成物に、紫外線吸収剤、ヒンダ
ードアミン化合物などの光安定剤を添加することによっ
て、その耐候性を改善することができる。紫外線吸収剤
の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,
5′−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類、
2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−第3
オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒ
ドロキシ−3′,5′−ジ第3ブチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′−第3ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス(4−
第3オクチル−6−ベンゾトリアゾル)フェノール等の
ベンゾトリアゾール類、レゾルシノールモノベンゾエー
ト、2,4−ジ−第3ブチルフェニル−3′−5′−ジ
第3ブチル−4′−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデ
シル−3−5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンゾエ
ート等のベンゾエート類が挙げられる。
【0027】またヒンダ−ドアミン系光安定剤として
は、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−
1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1−
(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジノールとコハク酸ジエチルの重縮合
物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジルアミノ)ヘキサンと2,4−ジクロロ−6
−第3オクチルアミノ−s−トリアジンの重縮合物等が
挙げられる。
【0028】その他必要に応じて、本発明の組成物には
重金属不活性剤、造核剤、顔料、充填剤、可塑剤、エポ
キシ化合物、発砲剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、加工
助剤等を包含させることができる。
【0029】
【実施例及び比較例】以下に、本発明を実施例および比
較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに
よって限定されるものではない。なお実施例及び比較例
における性状の測定は、下記の方法によった。
【0030】(試料) ポリオレフィン樹脂 実質的に無水の塩化マグネシウム、1,2−ジクロロエ
タンおよび四塩化チタンから得られた固体触媒とトリエ
チルアルミニウムとからなる触媒を用いて、ェチレンと
1−ブテンとを共重合させてエチレン・1−ブテン共重
合体を得た。触媒成分はMg量で20ppm残留してい
た。
【0031】このエチレン・α−オレフィン共重合体
は、1−ブテン含量4モル%、密度0.922g/cm
、MFR2g/10minであった。
【0032】(初期色相)ポリオレフィン樹脂に各種添
加剤を配合した後、厚さ2mmのプレスシートを作成
し、その黄色度(JISK7103による)を測定して
初期色相とした。
【0033】(色安定性)フェノール系酸化防止剤を配
合した組成では、長期保管によってペレットまたは成形
品が黄変することが実用上問題となる。フェノール系酸
化防止剤を併用する実施例では、この長期保管時の黄変
の程度を推定するための加速試験を行った。すなわち、
調製した組成物で作製した厚さ2mmのプレスシート
を、温度80℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に2週間
暴露した後、黄色変(JISK7103による)を測定
した。
【0034】(熱安定性)組成物を溶融混練する際の熱
安定性の目安として、混練中の粘度変化に対応する変化
を測定した。すなわち、調製した組成物を東洋精機
(株)製のラボプラストミルを用いて210℃、40r
pmで混練を行い、ポリエチレンについては定常トルク
値が急激に上昇変化を示すに至るまでの時間(分)を測
定し、ポリブロピレンについては20分間混練した後の
トルク値の低下率(%)を測定した。これを熱劣化度と
する。
【0035】(耐腐食性)リン化合物をシャーレにと
り、その粉末の上にゼムクリップを放置して、温度30
℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に暴露し、錆の発生す
るまでの時間を測定した。
【0036】
【実施例1〜7及び比較例1〜4】上記ポリオレフィン
の無添加粉末に、各種添加剤をドライブレンドした後、
押出機によって混練し、ペレット化した。(a)成分で
ある一般式(I)のリン化合物として例示化合物No.
2,3,4および8を選び、各種添加剤を配合した。比
較例1および2には、それぞれ他のリン化合物であるビ
ス(2,4−ジ−第3ブチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイトおよびテトラキス(2,4−ジ第
3ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレン・ジホスフ
ォナイトトにステアリン酸カルシウムを添加した例を示
した。また比較例3には例示化合物No.2に(c)成
分としてステアリン酸カルシウムを添加した例を示し
た。実施例1には、この燐化合物に成分(b)を添加し
た例を、また実施例2にはこれらリン化合物に(c)成
分としてステアリン酸カルシウムと(b)成分を、実施
例3には(c)成分としてヒドロキシステアリン酸カル
シウムと(b)成分を、実施例4には(c)成分として
ステアリン酸カルシウムとステアリン酸の混合物と
(b)成分を配合した例を示した。いずれの実施例も比
較例に比べ、酸化防止性能が大幅に改善され、錆も発生
していない。また初期色相も黄味を帯びていない。
【0037】比較例4には、フェノール系酸化防止剤と
してテトラキス−〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−
第3ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタンとステアリン酸カルシウムを添加した例を示
した。実施例5〜7にはリン化合物No.2に(c)成
分としてステアリン酸カルシウムと(b)成分を添加
し、更に実施例5にはフェノール系酸化防止剤としてテ
トラキス−〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−第3ブ
チル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メ
タンを添加した例を、実施例6にはチオエーテル系酸化
防止剤としてジラウリル−3,3′−チオジプロピオネ
ートを添加した例を、実施例7にはフェノール系酸化防
止剤としてテトラキス−〔メチレン−3−(3′,5′
−ジ−第3ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕メタン、チオエーテル系酸化防止剤としてジ
ラウリル−3,3′−チオジプロピオネートを併用添加
した例を示した。比較例4では長期保管時の色相が悪く
なると推定されるが、実施例5〜7では酸化防止性能、
色相とも大幅に改善されている。
【0038】
【効果】上記のようなリン系物質、ハイドロタルサイト
をポリオレフィンに用いることによって耐熱性、耐腐食
性等にすぐれ、黄変しないポリオレフィン樹脂組成物を
えることができる。
【0039】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/5398

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂に (A)下記一般式(I)で表されるリン化合物の1種ま
    たは2種以上と (B)ハイドロタルサイト類とを添加してなるポリオレ
    フィン樹脂組成物。一般式(I): 【化1】 〔式中R、R、RおよびRはそれぞれ同一かま
    たは異なる水素、炭化水素基または含酸素炭化水素基で
    あり、Yは2価の炭化水素残基または含酸素炭化水素残
    基を示し、lは1以上の整数である。〕
  2. 【請求項2】 さらに(C)脂肪酸金属塩、ヒドロキシ
    脂肪酸金属塩および脂肪酸からなる群から選ばれる1種
    または2種以上の化合物を添加してなる請求項1記載の
    ポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 さらに(D)ヒンダードフェノール系酸
    化防止剤および/またはチオエーテル系酸化防止剤を添
    加してなる請求項1又は2記載のポリオレフィン樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 前記ポリオレフィン樹脂が高活性チーグ
    ラー系樹脂を用いて重合され、かつ脱灰工程を経ていな
    いものである請求項1〜3のいづれか1項記載のポリオ
    レフィン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記一般式中R、R、RおよびR
    がそれぞれ同一かまたは異なる水素、またはアルキ
    ル、シクロアルキル、アリール、アルケニルもしくはエ
    ポキシのいづれかを有する基、−(C2mO)
    −Z(ここにZは水素、アルキル、シクロアルキル
    アリールもくしはアリーレンのいづれかを有する基であ
    り、mは2〜9の整数であり、xは1〜10の整数であ
    る。)または−Z−OC2n+1(ここにZ
    はアリーレンを有する基であり、nは1〜9の整数であ
    る。)を示すものである請求項1〜4のいずれか1項記
    載のポリオレフィン樹脂組成物。
JP6275392A 1992-02-04 1992-02-04 安定性の改良されたポリオレフィン樹脂組成物 Pending JPH05214175A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011527357A (ja) * 2008-07-11 2011-10-27 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア オキシアルキレン架橋したビス−亜リン酸エステル及びトリス−亜リン酸エステルの液体混合物
JP2013533891A (ja) * 2010-02-19 2013-08-29 ドーヴァー ケミカル コーポレイション アルキルフェノールを含まない液体高分子ホスファイトポリマー安定剤

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