JPH0521321B2 - - Google Patents

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JPH0521321B2
JPH0521321B2 JP59223459A JP22345984A JPH0521321B2 JP H0521321 B2 JPH0521321 B2 JP H0521321B2 JP 59223459 A JP59223459 A JP 59223459A JP 22345984 A JP22345984 A JP 22345984A JP H0521321 B2 JPH0521321 B2 JP H0521321B2
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cobalt
iron oxide
water
treatment
slurry
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Kazuo Nakada
Seigo Maruo
Kyoshi Asano
Masatoshi Amano
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Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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Publication of JPH0521321B2 publication Critical patent/JPH0521321B2/ja
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【発明の詳細な説明】
(発明の技術分野) 本発明は、コバルト含有磁性酸化鉄粉末の製造
方法に関する。 (発明の技術的背景とその問題点) 磁気記録媒体は、一般に磁性粉末を樹脂結合剤
中に分散させてなる磁性塗料を、プラチツクのフ
イルムやシートの基板上に塗布して磁性層を形成
させたものであるが、磁性粉粒子が二次凝集をお
こしたりして該塗料中で十分分散されないと、充
填度の大きな均一で平滑な磁性層を形成させるこ
とはできない。磁性粉粒子の凝集による磁性層の
不均一化は、磁気記録媒体の磁気特性や電磁変換
特性をいちじるしく損ない易い。すなわち、角形
比や磁場配向性の低下がさけられず、さらに出力
の低下、ノイズの増大、ドロツプアウトの原因と
なり易い。 磁性粉の分散性の改良に関しては、従来から
種々の観点から研究がなされてきており、それに
ついて数多くの提案がなされている。最も一般的
には、種々の分散剤例えばレシチン、脂肪酸、脂
肪酸アミド、脂肪酸エステル、金属石ケン、高級
アルコールやそのエステル、ポリエチレンオキサ
イドやその酸エステル、オルガノシリコーンなど
を磁性塗料中に配合することによつておこなわれ
ることが多いが、場合によつてはこれらの分散剤
を磁性粉に表面処理したものを塗料化することに
よつておこなわれたりしている。一方、近年磁気
記録の高密度化にともなつて、保磁力や飽和磁化
の大きい針状のコバルト含有磁性酸化鉄粉末の需
要が増大してきているが、このものは通常の磁性
酸化鉄粉末に比して、粒子間の相互作用によるい
わゆる磁気凝集を起し易く、そのために結合剤樹
脂中での均一分散が非常に難しく、その結果磁気
記録媒体における所望の特性の改善が十分奏せら
れない場合が少なくない。しかして、前記磁気記
録媒体の高密度化の傾向はますます強まつてきて
おり、特に最近の8ミリビデオやマイクロカセツ
トへの指向にともなつて、高比表面積の微小粒子
径のコバルト含有磁性酸化鉄粉末を使用すること
によつてS/N比、出力、情報容量等の増大をは
かることが試みられている。しかしながら、該磁
性酸化鉄粒子の比表面積が例えば35m2/gを超え
ると表面エネルギーの増大にともなつて分散性が
急激に低下し、前記所望の特性の磁気記録媒体を
形成させることが、いちじるしく困難となること
はよく知られている。このため例えば種々の分散
剤の使用による表面処理法の改善提案がなされて
いるが、未だ十分満足すべき改良をみるに至つて
おらず、その解決が希求されている。 (発明の目的) 本発明は、高保磁力特性と優れた電磁変換特性
を有する高比表面積磁性粉末であつて、かつ分散
性、配向性、充填性などの特性のいちじるしく改
善し得るコバルト含有磁性酸化鉄粉末の製造方法
を提供することにある。 (発明の概要) 本発明者等は、上記目的を達成するべく種々研
究を重ねた結果、特定のジアミンの脂肪酸塩化合
物を、高比表面積のコバルト含有磁性酸化鉄粒子
表面で特定の処理方法で反応生成させて吸着処理
することによつて、該磁性酸化鉄粉末の分散性を
いちじるしく改善し得、前記問題点をいずれも解
決しうることの知見にもとづいて本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、BET値が35m2/g以
上の比表面積を有するコバルト含有磁性酸化鉄粒
子の水性スラリー中で、一般式R1NH(CH2o
NH2(式中R1は炭素数6以上のアルキル基、アル
ケニル基またはアリール基であり、nは1〜10の
整数である)で示されるジアミンの水溶性化合物
の少なくとも1種と、一般式R2COOH(式中R2
炭素数6以上のアルキル基、アルケニル基または
アリール基である)で示される脂肪酸の水溶性化
合物の少なくとも1種とを反応させて、該酸化鉄
粒子表面に該反応生成物であるジアミンの脂肪酸
塩を吸着させることを特徴とするコバルト含有磁
性酸化鉄粉末の製造方法である。 本発明方法において、分散剤を処理するコバル
ト含有磁性酸化鉄粒子としては、γ−Fe2O3
Fe3O4又はγ−Fe2O3を部分還元して得られるよ
うなベルトライド化合物などを基本粒子として使
用することができる。このものは、通常針状晶な
いしこれと類似の形状を有するものである。前記
基本粒子表面にコバルト化合物、またはコバルト
化合物と第一鉄、マンガン、亜鉛、クロム、ニツ
ケルなどのその他の金属化合物とを被着させてコ
バルト含有磁性酸化鉄粒子とする。前記コバルト
含有化合物の被着量は、基本粒子に対する重量基
準で、コバルトとして0.5〜30%、好ましくは1
〜10%であり、第一鉄の場合は、1〜30%、好ま
しくは2〜20%、その他の金属の場合は0.05〜10
%である。高保磁力のものを得るにはコバルト化
合物と第一鉄化合物とを組合せるのが好ましい。 前記コバルト含有化合物の被着方法としては、
種々の方法によつておこなうことができるが、通
常、前記基本粒子を水、アルカリ水溶液または少
なくともコバルトを含む金属塩の処理剤水溶液に
分散させて、水性スラリーとし、前記スラリーへ
さらにアルカリ水溶液または(および)前記処理
剤水溶液を一部もしくは全部を同時または順次添
加して基本粒子表面に前記金属塩の水酸化物を沈
殿させることによつておこなうことができる。前
記被着処理は、可及的に空気の混入を排除して実
質的に非酸化性雰囲気下、通常沸点以下好ましく
は50℃以下で0.1〜10時間反応させることによつ
ておこなうことが望ましい。なお、前記反応系内
のアルカリ濃度は通常0.01〜3モル/、好まし
くは0.5〜2モル/である。 本発明方法において、前記のようにして得られ
たコバルト含有磁性酸化鉄粒子に対して分散剤処
理をおこなうには、前記コバルト含有化合物の被
着処理スラリーを瀘過、水洗してアルカリ分など
を除去し、得られた湿ケーキを、(1)水に懸濁させ
て水性スラリーとして供しても、(2)密閉容器に入
れ、水蒸気の存在下に60〜200℃で加熱処理をお
こなつた後、この処理ケーキを水に懸濁させて水
性スラリーとして供してもよい、なお、前記加熱
処理は非酸化性雰囲気下でおこなうのが好まし
い。さらに(3)通常の乾燥をおこなつて付着水分を
脱水した後、次いで非酸化性雰囲気下で100〜300
℃で乾式熱処理をおこない、この処理粉末を水に
懸濁させて水性スラリーとして供してもよい。あ
るいは(4)前記(2)の水蒸気処理後、次いで前記(3)の
乾式加熱処理をおこなつた後、水性スラリーとし
て供してもよく、いづれの方法をも適用できる。
前記のようにして加熱処理をおこなう場合、基本
粒子表面にコバルトフエライト層をより均一に成
長させることができ、高保磁力で角形比、配向
性、飽和磁束密度の一層優れたものを得ることが
でき、このものに分散剤処理を施すことによつて
コバルト含有磁性酸化鉄の有する前記特性が記録
媒体中で十分維持され、きわめて高性能の記録媒
体を形成させることができる。 本発明方法における分散剤処理において、該分
散剤処理を適用する磁性酸化鉄粉末は、前記のよ
うに磁性酸化鉄の基本粒子コバルト含有化合物を
被着させたものであるが、比表面積がBET値で
35m2/g以上のような微細粒子粉末に対してとり
わけ好適である。処理に供する一般的R1NH
(CH2oNH2(R1は炭素数6以上のアルキル基、
アルケニル基またはアリール基、nは1〜10の整
数)で示されるジアミンの水溶性化合物として
は、前記範囲の種々のものを使用し得るが、なる
べくは、アルキル基、アルケニル基またはアリー
ル基の炭素数が6〜20であり、またnは2〜6の
整数であるのが好ましい。それらの具体例として
は、例えば (1) C6H13NH(CH23NH2、 (2) C8H17NH(CH23NH2、 (3) C10H21NH(CH23NH2、 (4) C12H25NH(CH23NH2、 (5) C14H29NH(CH23NH2、 (6) C14H29NH(CH24NH2、 (7) C16H33NH(CH23NH2、 (8) C18H35NH(CH23NH2、 (9) C18H37NH(CH23NH2、 (10) C18H37NH(CH24NH2、 (11) C20H41NH(CH24NH2、 (12) C20H41NH(CH26NH2、 (13)
【式】な どのN−置換トリ、テトラ、ペンタまたはヘキサ
メチレンジアミンの塩酸塩、酢酸塩、乳酸塩、ア
ジピン酸塩等を挙げることができる。前記ジアミ
ンは、それらが単独であつてもあるいはそれらの
2種もしくはそれ以上の混合物として使用しても
よい。また、本発明方法において、前記一般式
R2COOH(R2は炭素数6以上のアルキル基、アル
ケニル基またはアリール基)で示される脂肪酸の
水溶性化合物としては、種々のものを使用し得る
が、なるべくはアルキル基、アルケニル基または
アリール基の炭素数が6〜20であるのが好まし
い。それらの具体例としては、例えば、 C6H13COOH、C8H17COOH、C10H21COOH、
C11H23COOH、C13H27COOH、C15H31COOH、
C17H33COOH、C17H35COOH、C20H41COOH、
【式】などの脂肪酸のアルカリ金属 塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などを
挙げることができる。 本発明方法において、前記のジアミンの水溶性
化合物と脂肪酸の水溶性化合物とを、コバルト含
有磁性酸化鉄粒子表面上で反応させて反応生成物
であるジアミンの脂肪酸塩を被覆処理するには、
先ず該酸化鉄粒子を水などの水性媒液に懸濁させ
て固形濃度が通常100〜200g/の水性スラリー
を形成させる。次いでこの水性スラリーへ、前記
のジアミンの水溶性化合物と脂肪酸の水溶性化合
物とを添加する。前記処理剤の添加はそれらを順
次または同時いづれでもよいが、順次添加してそ
れぞれの処理剤を水性スラリーに十分混合させな
がらおこなうと一層望ましい、なお前記処理は通
常、常温下で反応させることができるが、必要に
応じ加熱下で反応させてもよい。また前記反応は
反応系のスラリーのPHが通常6〜13、とりわけ
6.5〜12であるのが望ましく、前記PHが6より低
くなると被着されたコバルト化合物の溶出が起つ
たり、一方前記PHが13より大きくなると反応生成
物の酸化鉄粒子表面への被覆が不均一になり易く
望ましくない。 本発明方法において、コバルト含有磁性酸化鉄
粒子表面における前記反応生成物は、前記ジアミ
ン1モルに対して前記脂肪酸がほぼ1〜2モルの
反応によつて形成されるものであつて、該酸化鉄
粒子の重量基準に対して該反応生成物が通常0.1
〜10%望ましくは0.5〜5%被覆されるのが好ま
しい。前記のジアミンの水溶性化合物と脂肪酸の
水溶性化合物は、前記被覆量に応じてそれぞれ添
加されるが、通常該酸化鉄粒子の重量基準に対し
て前者は0.2〜2%、また後者は0.3〜3%添加す
る。添加量がいづれも、前記範囲より少なきにす
ぎると所望の効果が得られず、また前記範囲より
多きにすぎると例えばブルーミング現象を発生し
たりして磁性塗膜の性能を低下させるなど好まし
くない。前記反応処理スラリーは、所定時間反応
後、瀘過、水洗、乾燥して処理品を回収する。ま
た、コバルト含有化合物の被着後、前記したよう
な熱処理を施すことなく、分散剤処理をおこなつ
た場合は、前記の乾燥処理に引きつづいては例え
ば非酸化性雰囲気中で乾式熱処理をおこなうなど
の熱処理を施すことによつて磁気特性をさらに高
めることもできる。なお、本発明の分散剤処理の
場合にあつては、前記の分散剤処理後に熱処理を
おこなつても、分散剤の処理効果はなんら損なわ
れることはない。 実施例 1 保磁力(Hc);370 OE、軸比(L/W);10で
比表面積(BET値);40m2/gを有するγ−
Fe2O3の針状磁性酸化鉄微粉末の100gを、水1
に分散させて水性スラリーとし、該スラリーに
室温(30℃)で窒素ガスを吹込みながら0.85モ
ル/の硫酸コバルト水溶液63mlと0.9モル/
の硫酸第一鉄水溶液126とを添加し、次いで10
モル/の水酸化ナトリウム水溶液169mlを添加
して、室温(30℃)で5時間撹拌して該酸化鉄粒
子表面にコバルト及び第一鉄の金属水酸化物を沈
澱させて被着処理をおこなつた。この処理スラリ
ーを瀘過水洗した後、得られたケーキを容器に入
れ、別の容器に入れた水と共にオートクレーブ中
に密閉して窒素ガスで置換した後、130℃で6時
間飽和水蒸気の存在下で加熱処理した。(得られ
たコバルト含有磁性酸化鉄粉末の比表面積
(BET値)は35m2/gであつた) 次いで前記加熱処理湿ケーキを水に分散させて
水性スラリーとし、該スラリーに対して主成分が
例示化合物(7)、(8)及び(9)の混合物よりなるジアミ
ン(デユオミンT:ライオン・アクゾ社製)の塩
酸塩水溶液(濃度2重量%)30mlを添加し、室温
下(30℃)で十分撹拌した。次いでオレイン酸ナ
トリウム水溶液(濃度5重量%)18.4mlを添加し
反応させて、コバルト含有磁性酸化鉄粒子表面に
該反応生成物を吸着させた。なお、前記反応時の
スラリーのPHは7であつた。該反応処理スラリー
は瀘過、水洗した後、湿ケーキを常法により乾燥
して含水分を除去して本発明方法による処理品を
得た。(試料A) 実施例 2 前記実施例1において、オレイン酸ナトリウム
水溶液に代えてラウリン酸ナトリウム水溶液(濃
度5重量%)16mlを使用すること及び前記デユオ
ミンTの塩酸塩水溶液(濃度2重量%)を36ml使
用することのほかは、同例の場合と同様に処理し
て本発明方法による処理品を得た。(試料B) 実施例 3 前記実施例1において、オレイン酸ナトリウム
水溶液に代えて安息香酸ナトリウム水溶液(濃度
5重量%)12.7mlを使用すること及び前記デユオ
ミンTの塩酸塩水溶液(濃度2重量%)を41.8ml
使用することのほかは、同例の場合と同様に処理
して本発明方法による処理品を得た。(試料C) 実施例 4 前記実施例1において、前記デユオミンTなる
ジアミンの水溶性化合物に代えて、主成分が例示
化合物(4)と(5)との混合物よりなるジアミン(デユ
オミンC、ライオン・アクゾ社製)の塩酸塩水溶
液(濃度2重量%)26.3mlを使用すること及び前
記オレイン酸ナトリウム水溶液(濃度5重量%)
19.9mlを使用することのほかは、同例の場合と同
様に処理して本発明方法による処理品を得た。
(試料D) 実施例 5 前記実施例1の場合と同様にしてコバルト化合
物と第一鉄化合物とを被着処理した後、その処理
スラリーを瀘過、水洗して得られた湿ケーキを水
に分散させて、コバルト含有磁性酸化鉄の水性ス
ラリーを形成した。該スラリーに対して実施例1
の場合と同様にして分散剤の吸着処理をおこなつ
た。なお前記吸着処理時のスラリーのPHは10であ
つた。次いで前記吸着処理スラリーを瀘過、水洗
し、得られた湿ケーキを、実施例1の場合と同様
にして飽和水蒸気の存在下で130℃で6時間加熱
処理して本発明方法による処理品を得た。(試料
E) 実施例 6 前記実施例5において、分散剤の吸着剤のスラ
リーPHを12に調節したことのほかは、同例の場合
と同様にして処理して、本発明方法による処理品
を得た。(試料F) 実施例 7 前記実施例1において、コバルト化合物と第一
鉄化合物とを被着処理したスラリーを瀘過、水洗
した後、得られた湿ケーキを飽和水蒸気による加
熱処理に代えて、窒素ガス雰囲気中で130℃で5
時間乾式加熱処理したことのほかは、同例の場合
と同様に処理して本発明方法による処理品を得
た。(試料G) 実施例 8 前記実施例5において、分散剤の吸着処理をお
こなつた後、処理スラリーを瀘過、水洗し、得ら
れた湿ケーキを常法により乾燥し、次いで窒素ガ
ス雰囲気中で130℃で5時間乾式加熱処理したこ
とのほかは、同例の場合と同様に処理して本発明
方法による処理品を得た。(試料H) 実施例 9 保磁力(Hc);340 Oe、軸比(L/W);10で
比表面積(BET値);45m2/gを有するγ−
Fe2O3の針状磁性酸化鉄微粉末の100gを、水1
に分散させて水性スラリーとし、該スラリーに
室温(30℃)で窒素ガスを吹込みながら、10モ
ル/の水酸化ナトリウム水溶液169mlを添加し、
次いで0.9モル/の硫酸第一鉄水溶液126mlを添
加し、しかる後に0.85モル/の硫酸コバルト水
溶液63mlを添加して、室温(30℃)で5時間撹拌
して該酸化鉄粒子表面に第一鉄の水酸化物を沈殿
させ、次いでコバルトの水化物を沈殿させて被着
処理した。該被着処理スラリーは、瀘過、水洗し
た後その湿ケーキを常法により乾燥後、次いで窒
素ガス雰囲気中で120℃で5時間乾式加熱処理し
た。得られた前記コバルト含有化合物を被着した
磁性酸化鉄粉末(比表面積、BET値41m2/gで
あつた)100gを、水1に分散させて、水性ス
ラリーとし、該スラリーに対して前記実施例1の
場合と同様にして、デユオミンT(ライオン・ア
クゾ社製)の塩酸塩水溶液(濃度2重量%)39.6
mlと、オレイン酸ナトリウム水溶液(濃度2重量
%)24.2mlとを添加して反応させて、コバルト含
有磁性酸化鉄粒子表面に該反応生成物を吸着処理
して、本発明方法による処理品を得た。(試料) 実施例 10 前記実施例9において、デユオミンTなるジア
ミンの水溶性化合物に代えて、例示化合物(8)オレ
イル・トリメチレン・ジアミンの塩酸塩水溶液
(濃度2重量%)39.6mlを使用することのほかは、
同例の場合と同様に処理して本発明方法により処
理品を得た。(試料J) 実施例 11 保磁力(Hc);335 Oe、軸比(L/W);10で
比表面積(BET値);50m2/gを有するγ−
Fe2O3の針状磁性酸化鉄微粉末の100gを、水1
に分散させて水性スラリーとし、該スラリーに
室温(30℃)で窒素ガスを吹き込みながら、撹拌
下に10モル/の水酸化ナトリウム水溶液181ml
を添加し、次いで0.90モル/の硫酸第一鉄水溶
液139mlを添加し、さらに0.85モル/の硫酸コ
バルト水溶液70mlを添加して、室温(30℃)で5
時間撹拌してコバルト化合物と第一鉄化合物とを
被着処理した。次いで前記被着処理スラリーを瀘
過、水洗した後、該湿ケーキを窒素ガス雰囲気中
で125℃で4時間乾式加熱処理した。得られたコ
バルト含有磁性酸化鉄粉末(比表面積、BET値
46m2/gであつた)100gを、水1に分散させ
て、水性スラリーとし、該スラリーに対して前記
実施例1の場合と同様にしてデユオミンT(ライ
オン・アクゾ社製)の塩酸塩水溶液(濃度2重量
%)79.0mlを添加し、室温下で十分撹拌した。次
いでオレイン酸ナトリウム水溶液(濃度5重量
%)48.4mlを添加し、反応させてコバルト含有磁
性酸化鉄粒子の表面に該反応生成物を吸着処理し
本発明方法による処理品を得た。なお、前記吸着
処理時のスラリーのPHは7であつた。(試料K) 比較例 1 前記実施例1において、ジアミン及び脂肪酸に
よる分散剤処理をおこなわないことのほかは、同
例の場合と同様に処理した。(試料L) 比較例 2 前記実施例1において、分散剤の吸着処理時の
スラリーのPHを5としたことのほかは、同例の場
合と同様にして処理した。(試料M) 比較例 3 前記実施例5において、コバルト含有化合物を
被着処理後、該処理スラリー(アルカリ濃度;
OH基1モル/)を瀘過、水洗することなく分
散剤の吸着処理をおこなつたことのほかは、同例
の場合と同様に処理した。(試料N) 比較例 4 前記実施例9において、分散剤の吸着処理時に
オレイン酸ナトリウム水溶液を添加しないことの
ほかは、同例の場合と同様に処理した。(試料P) 比較例 5 前記実施例9において、ジアミン及び脂肪酸の
分散剤処理に代えて、アルキルモノアミン化合物
(ライオン・アクゾ社製;アーミンCD;ヤシ油脂
肪酸系アルキル置換のモノアミン)の塩酸塩水溶
液(濃度2重量%)を100ml使用することのほか
は、同例の場合と同様に処理した。(試料Q) 比較例 6 前記実施例1におけるコバルト含有化合物を被
着処理して得られた湿ケーキを飽和水蒸気の存在
下で130℃で6時間加熱処理し、該加熱処理ケー
キを水に分散させた水性スラリーに対して、ジア
ミンの脂肪酸塩(ライオン・アクゾ社製;デユオ
ミンTDO;牛脂脂肪酸系アルキル置換のトリメ
チレンジアミンのオレイン酸塩)の塩酸塩水溶液
(20重量%)を75.9ml添加し、室温下(30℃)で
十分撹拌後、該処理スラリーを瀘過、水洗し、得
られた湿ケーキを常法により乾燥した。(試料R) なお、デユオミンTDOは水不溶性であり、水
性スラリーとの混和がむずかしく、実質的に処理
効果がみられず、またデユオミンTDOの塩酸塩
水溶液は粘稠性であり、水性スラリーとの均一な
混和が容易でなかつた。 比較例 7 前記実施例11において、ジアミン及び脂肪酸に
よる分散剤処理をおこなわないことのほかは、同
例の場合と同様に処理した。(試料S) 比較例 8 前記実施例1において、コバルト含有磁性酸化
鉄粉末(試料L)に対して、ジアミンの脂肪酸塩
(ライオン・アクゾ社製;デユオミンTDO)を、
後記磁性塗料の調製時に磁性酸化鉄粉末100重量
部に対して2重量部添加して塗料化した。 前記の実施例及び比較例で得られた各試料につ
いて、下記の割合で配合し、サンドグラインダー
で混練して磁性塗料を調製した。 (1) 磁性酸化鉄粉末 100重量部 (2) ビニル樹脂(塩化ビニル:酢酸ビニル共重合
体) 21〃 (3) ウレタン樹脂 5〃 (4) メチルエチルケトン 123〃 (5) トルエン 123〃 (6) シクロヘキサン 4〃 前記のように調製された各磁性塗料をポリエス
テルフイルム上に塗布し、配向処理した後乾燥し
て約6μ厚の磁性塗膜を有する磁気記録媒体を作
成した。この記録体について常法によ磁気特性と
して保磁力(Hc)、残留磁束密度(Br)、角形比
(Br/Bm)及び配向比(OR)を、電磁変換特性
として入力−20dBに対する400Hz出力を、それぞ
れ測定した。その結果を次表に示す。
【表】
【表】 なお、比較例2の場合には、Hcが分散剤の処
理前のものに比し大巾に低下をきたしたため、そ
の他の測定はおこなわなかつた。 上表の結果から明らかなように、本発明方法に
よつて得られるコバルト含有磁性酸化鉄粉末は、
比較例の場合に比して分散性が向上し、その結果
Br、Br/Bm、ORの磁気特性、400Hz出力の電
磁変換特性のいずれもが改善され、高密度記録媒
体を作成させる上できわめて好適なものであるこ
とがわかる。また本発明方法によつて得られるコ
バルト含有磁性酸化鉄粉末は、該分散剤が強固に
吸着しているため塗料化時に分散剤を添加した場
合に比べてブルーミング、磁性粉の粉落ち(磁気
ヘツドの目づまり)などがほとんどみられないも
のであつた。 (発明の効果) 以上の説明から明らかな通り、本発明方法は、
凝集性の強い比表面積の大きな微粒子のコバルト
含有磁性酸化鉄を、水性懸濁中で、ジアミンの水
溶性化合物と脂肪酸の水溶性化合物との反応で得
られたジアミンの脂肪酸塩分散剤を該粒子表面に
反応吸着させるため分散剤を強固に担持させるこ
とができ該粒子の凝集性をきわめて効果的に改質
することができるものである。 本発明方法によつて得られるコバルト含有磁性
酸化鉄粉末を用いて磁気記録媒体を作成すると、
記録媒体の結合剤樹脂との濡れがよく均一な分散
性がもたされるために配向性よく高充填性磁性層
を形成させることが、磁気特性および電磁変換特
性がいちじるしく改善された高密度記録媒体とす
ることができる。 さらに本発明方法は、磁性酸化鉄のコバルト含
有化合物の披着処理後の水性スラリーを、熱処理
してコバルト含有化合物の被着層を変成処理する
前後で任意におこなうことができ、工程の煩雑化
をともなうことなく、また熱処理時の凝集を効果
的に回避し得るものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 BET値が35m2/g以上の比表面積を有する
    コバルト含有磁性酸化鉄粒子の水性スラリー中
    で、一般式R1NH(CH2oNH2(式中R1は炭素数6
    以上のアルキル基、アルケニル基またはアリール
    基であり、nは1〜10の整数である)で示される
    ジアミンの水溶性化合物の少なくとも1種と、一
    般式R2COOH(式中R2は炭素数6以上のアルキル
    基、アルケニル基またはアリール基である)で示
    される脂肪酸の水溶性化合物の少なくとも1種と
    を反応させて、該酸化鉄粒子表面に該反応生成物
    であるジアミンの脂肪酸塩を吸着させることを特
    徴とするコバルト含有磁性酸化鉄粉末の製造方
    法。
JP59223459A 1984-10-24 1984-10-24 コバルト含有磁性酸化鉄粉末の製造方法 Granted JPS61101010A (ja)

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