JPH0521310Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は搬入口において部品の噛み込みをなく
すように改良した昇降搬送装置に関する。

（従来の技術） 一般に、部品を、例えば粗加工工程から仕上工
程までのように各工程間を自動的に搬送するとき
に、搬送面に高低差がある場合には、部品を上下
に搬送する昇降搬送装置が用いられる。

そして、ギヤなどの円柱形状の部品を上下に搬
送する昇降搬送装置としては、従来第３図乃至第
５図に示すものがあつた。

これは、搬送装置本体１内の上下にスプロケツ
ト２，３を配設し、このスプロケツト２，３にト
ツプチエン４を巻回させ、下側のスプロケツト３
に連結されたモータ５によりトツプチエン４が駆
動されるようになつている。そして、トツプチエ
ン４の一定間隔毎にアタツチメント６が取付けら
れている。

そして、モータ５の回転制御により前加工工程
と後加工工程の加工時間に合わせて搬送速度を調
節し、自動加工ラインの時間の釣り合いを維持し
て生産性を向上するようにしている。

また、アタツチメント６の移動する周りにはガ
イド７，８，９が設けられていて、このガイド
７，８，９に案内されてアタツチメント６上に載
せられた部品Ｗが搬送される。

搬送装置本体１の下側で、トツプチエン４が上
昇する側には、搬入口１０が設けられており、搬
送装置本体１の上側で、トツプチエン４が下降す
る側には搬出口１１が設けられている。

搬入口１０は第５図に示すように、アタツチメ
ント６の側方に位置するガイド７の一部に開口１
２が設けられており、その開口１２の下側に開口
１２側になるにつれて低くなる傾斜面１３ａを有
する突起部１３が形成されている。そして、部品
Ｗは自重により傾斜面１３ａに沿つて開口１２側
へ移動し、順次開口１２から内部に入つてアタツ
チメント６に載つて上方へ搬送される。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記従来の搬入口１０におい
て、例えば、加工ラインが始動するときなどに、
最初の部品Ｗが傾斜面１３ａにより勢いがついて
搬入され、前方のガイド８ではね返つて開口１２
側に戻つてしまうことがある。また、部品Ｗに付
着した塵埃や前工程の切粉などで、開口１２側で
部品Ｗが停止してしまうこともある。そして、こ
のような場合に、アタツチメント６が上昇してく
ると、第５図に斜線で示す部品W₁のようにアタ
ツチメント６の上側端部（Ａ点）と開口１２の上
側のガイド７の内側端部（Ｂ点）とで噛み込まれ
てしまい、破損させられたり、表面に傷を付けら
れる等の問題点があつた。

また、この昇降搬送装置は前加工工程から後加
工工程に至る中間の搬送装置であるので、前後加
工工程に要する時間と搬送時間とが丁度釣り合い
がとれるようにしなければならず、このように部
品が噛み込んだ場合には昇降搬送装置を停止して
その部品を除去しなければならないので、上記時
間の釣り合いがとれなくなり生産性の点で問題が
ある。

また、噛み込みを防止するために、噛み込みの
原因を究明し部品Ｗに合わせて部品Ｗ毎に搬入口
１０の形状を換えるようにすることも試みられて
いるが、段取り替えの時間がかかり、かつ設備コ
ストが高くなる等の問題点が生じた。

本考案は、以上の問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは搬入口において、部
品の噛み込みをなくし上記問題を解決した昇降搬
送装置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決する手段の概略を第１図を
用いて説明すると、ガイド７，８によつて囲まれ
た空間内を上下に移動可能なチエーン４にアタツ
チメント６を取付け、前記ガイド７，８によつて
ガイドしながら該アタツチメント６により搬入口
１０から搬出口まで部品を移送する昇降搬送装置
において、前記搬入口１０の上部であつて上記搬
入口１０およびガイド７の一部を形成するよう
に、弾性材料からなり、かつ、前記アタツチメン
ト６側に凹部１４ａを形成することにより弾性変
形を可能にした形状の噛み込み防止装置１４を設
けたものである。

（作用） 本考案はこのように構成したので次の通りの作
用がある。すなわち、ガイドによつて囲まれた空
間内を上下に移動可能なチエーンにアタツチメン
トを取付け、前記ガイドによつてガイドしながら
該アタツチメントにより搬入口から搬出口まで部
品を移送する昇降搬送装置の前記搬入口の上部で
あつて上記搬入口およびガイドの一部を形成する
ように噛み込み防止装置を設けたので、搬入口か
ら搬入される部品をアタツチメントに直接搬入す
ることが可能であり、かつ、アタツチメントによ
り搬送される部品を噛み込み防止装置に案内させ
て搬送することが可能である。

そして、搬入口およびガイドの一部を形成する
ように噛み込み防止装置を設け、噛み込み装置は
弾性材料からなり、かつ、前記アタツチメント側
に凹部を形成することにより弾性変形を可能にし
た形状であるので、例え部品が搬入口に噛み込ん
でも、搬入口およびガイド部の一部が噛み込み防
止装置により形成されていることから噛み込み防
止装置を弾性変形させることが可能になり、この
弾性変形はアタツチメント側に形成した凹部によ
り変形するので、この弾性力は噛み込まれた部品
をアタツチメント側に押すように働くことにな
り、昇降搬送装置を停止させないでその部品をア
タツチメントに載せることが可能になる。

（実施例） つぎに、本考案の実施例を第１図および第２図
に基づいて説明する。なお、本実施例において
は、昇降搬送装置のトツプチエン４、スプロケツ
ト２，３、モータ５等の構成は従来のものと同じ
であるため説明を省略し、従来の部材と同一また
は相当する部材には同一の符号を付して詳細な説
明を省略する。

本実施例の噛み込み防止装置１４は、搬送装置
本体１に設けられているガイド７の下方側に形成
されている開口１２の上部に取付けられており、
図面から明らかな通りこの噛み込み防止装置１４
は搬入口１０の一部を形成し、かつ、ガイド７と
同一ガイド面を形成している。そしてこの噛み込
み防止装置１４はウレタンまたは可撓性の合成樹
脂などの弾性を有する材料を用いて作られてい
る。さらに、噛み込み防止装置１４は搬送装置本
体１の内部側から凹部１４ａが形成されており、
下側の薄肉部１４ｂが全体的に弾性変形できる形
状となつている。

なお、図中、突起部１３の前方の上部に設けら
れている近接スイツチ１５および開口１２と対向
するガイド８に設けられている近接スイツチ１６
は、部品Ｗの有無を検出するものであり、これか
らの検出信号により、モータ５の制御が行なわれ
る。

以上のように構成した本実施例の作用について
次に説明する。先ず、部品Ｗが搬入口１０に噛み
込まない通常の状態にあつては、ガイド７，８，
９によつて囲まれた空間内を上下に移動可能なト
ツプチエーン４にアタツチメント６を取付け、前
記ガイド７，８，９によつてガイドしながらアタ
ツチメント６により搬入口１０から搬出口１１ま
で部品Ｗを移送する昇降搬送装置の搬入口１０の
上部であつてこの搬入口１０およびガイド７の一
部を形成するように噛み込み防止装置１４を設け
たので、搬入口１０から搬入される部品Ｗを通常
通りにアタツチメント６に直接搬入することが可
能であり、かつ、アタツチメント６により搬送さ
れる部品Ｗを噛み込み防止装置１４に案内させて
搬送することが可能である。

次に、搬入口１０に部品Ｗが噛み込まれた時の
作用について、第２図ａ，ｂ，ｃを用いて説明す
る。先ず、第２図ａに示すように何らかの原因で
搬入されてきた部品Ｗが開口１２側で停止する。
すなわち、噛み込み防止装置１４が搬入口１０お
よびガイド７の一部を形成するようになつている
ので、アタツチメント６の上側端部と噛み込み防
止装置１４ととの間で部品Ｗを挟むことが可能に
なる。そして、噛み込み装置１４は弾性材料から
なり、かつ、アタツチメント６側に凹部１４ａを
形成しているので、ｂに示すようにアタツチメン
ト６の上昇に伴つて部品Ｗにおされて噛み込み防
止装置１４の薄肉部１４ｂが上方に弾性変形し、
この弾性変形による弾性力により部品Ｗがアタツ
チメント６側に押されて、部品Ｗを自動的にアタ
ツチメント６に載せることが可能になる。

そして、噛み込み防止装置１４は弾性部材で形
成されているので、薄肉部１４ｂは部品Ｗが離れ
ることにより第２図ｃに示すように元の形状に戻
り次の部品Ｗの搬入時の搬入口１０の一部を形成
し、かつ、ガイドの一部を形成して通常の搬送を
自動的に行うことが可能になる。

そして当然のことではあるが、噛み込み防止装
置１４は弾性部材であるので部品Ｗに傷がつくこ
とはない。

（考案の効果） 以上詳述した通り本考案によれば、ガイドによ
つて囲まれた空間内を上下に移動可能なチエーン
にアタツチメントを取付け、前記ガイドによつて
ガイドしながら該アタツチメントにより搬入口か
ら搬出口まで部品を移送する昇降搬送装置の前記
搬入口の上部であつて上記搬入口およびガイドの
一部を形成するように噛み込み防止装置を設けた
ので、搬入口から搬入される部品を通常通りアタ
ツチメントに直接搬入することができ、かつ、ア
タツチメントにより搬送される部品を噛み込み防
止装置に案内させて搬送することができる。

これにより、自動加工ラインの時間のバランス
を通常通りとることができ、生産性を向上するこ
とができる。

そして、噛み込み防止装置により搬入口および
ガイドの一部形成するようにしているので、何ら
かの原因で噛み込まれた部品を噛み込み防止装置
とアタツチメントとの間で挟むことができ、更に
噛み込み装置は弾性材料からなり、かつ、前記ア
タツチメント側に凹部を形成することにより弾性
変形を可能にした形状であるので、例え部品が搬
入口に噛み込んだ状態になつても噛み込み防止装
置が弾性変形し、この弾性変形はアタツチメント
側に形成した凹部により変形するので、この弾性
力は噛み込まれた部品をアタツチメント側に押す
ように働くことになり、昇降搬送装置を停止させ
ることなく、かつ、その部品に傷をつけることな
くアタツチメントに載せることができ、部品の噛
み込みを自動的に防止して自動加工ラインの時間
のバランスをとり生産性を向上することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の噛み込み防止装
置を昇降搬送装置への取付けた状態での縦断面
図、第２図ａ，ｂ，ｃは、それぞれ第１図に示し
た噛み込み防止装置の作動状態を示す図、第３図
ａは、昇降搬送装置の一例を示す正面図、第３図
ｂは、第３図ａに示す昇降搬送装置の右側面図、
第４図は、第３図ａの−線断面図、第５図
は、第３図に示す昇降搬送装置の搬入口を示す第
４図の−線断面図である。 ４……トツプチエン、６……アタツチメント、
１０……搬入口、１４……噛み込み防止装置、Ｗ
……部品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガイドによつて囲まれた空間内を上下に移動可
   能なチエーンにアタツチメントを取付け、前記ガ
   イドによつてガイドしながら該アタツチメントに
   より搬入口から搬出口まで部品を移送する昇降搬
   送装置において、前記搬入口の上部であつて上記
   搬入口およびガイドの一部を形成するように、弾
   性材料からなり、かつ、前記アタツチメント側に
   凹部を形成することにより弾性変形を可能にした
   形状の噛み込み防止装置を設けたことを特徴とす
   る昇降搬送装置。