JPH05212440A - 電縫溶接角管製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 円形鋼管から角鋼管を製造するときにシーム
部を辺の中央より側方へズラせるようにし、その際のロ
ール変更を容易にできるようにする。 【構成】 帯状鋼板を円形に形成し、縁辺部を突き合わ
せて電縫して円形鋼管を成形した後に角形に成形する角
管製造装置において、成形母材を通す上下左右に円筒形
のロールをそれぞれ上下左右に位置調整可能に配置し、
該上下左右のロールを支持するフレームを任意に角度変
更可能に構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は帯状の金属板を電縫溶接
して円形に成形し、更に、角管に成形する角管製造装置
において、溶接部（シーム部）を同一辺上の任意位置に
変更可能とする技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から角管を製造する技術は公知とな
っており、まず、図１１に示すように、連続的に長い帯
状の金属板をコイル状に巻かれてある素材１を、アンコ
イラー２により順次巻戻して、レベラー３で均平し、更
にロール成形機４に挿入し、図１２のように円形のパイ
プに成形してから角形のパイプに成形するのである。該
ロール成形機４は図１３に示すように、曲率半径の異な
るロール５ａ・５ｂ・５ｃ・・・を順次配置し、該ロー
ル５ａ・５ｂ・５ｃ・・・の曲率半径は徐々に小さくし
て（ｂ〜ｅ）、円弧状から円に近付けて、両側の端面を
一致させて縁辺部１ａを通電加熱して溶融状態になるま
で加熱して、ただちに圧着ロール６・６にて圧着して溶
接装置にて溶接して円状に形成し（ｆ）、そして更に進
行方向に走らせながらシーム（溶接）部の温度を下げる
ために冷却装置を通過させて、素材１が常温になると断
面が所定の規格の範囲に入るように絞りロールを通過さ
せて所定の円長精度の円形断面に仕上げるのである。そ
して、次に図１６に示す角管成形機にて矩形に成形さ
れ、該角管成形機には数段配置されてそれぞれロール７
ａ・７ｂ・８ａ・８ｂ・・・を上下左右に配置して、こ
のロール７ａ・７ｂ・８ａ・８ｂ・・・を通過させて
（ｇ・ｈ）所望の角形断面に成形して図１４に示すよう
な角管１’が得られるのである。

【０００３】このように成形した角管は縁辺部１ａを溶
接したシーム部１ｂが図１４に示すように常に上面中央
に位置しており、建築構造物や機械構造物等に用いたと
きにボルト等を通すときには図１５の如く殆ど中央に孔
加工をするのである。このような場合、シーム部１ｂは
母材よりも少し厚くなっており、その厚さも裏側では均
一でなかったりするので、その孔の中心がズレたり、ド
リルの消耗が速くなったりして問題があったのである。
従って、シーム部の位置をズラせることが望ましいので
ある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで、シーム部の位
置をズラせるように図１７、図１８に示す如く、ロール
の形状を断面視で変位したＶ字状とすることにより、傾
斜した状態で角管に成形することができるようになり、
シーム部の位置も中心からズレた位置に成形できるので
ある。しかし、このような技術であると、シーム部の位
置はロールの形状によって決まってしまい、孔加工する
孔の大きさに合わせることができず、また、角管の寸法
が異なればその寸法毎の専用のロールを必要とし、ロー
ルを交換する場合に、ロール工具及び交換作業に要する
コストが非常に大きくなるという欠点があったのであ
る。そこで、ロール変更及びシーム部の位置変更が容易
に行えるようにする成形装置を提供しようとするもので
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点を解消するために、帯状鋼板を円形に形成し、縁辺部
を突き合わせて電縫して円形鋼管を成形した後に角形に
成形する角管製造装置において、成形母材を通す上下左
右に円筒形のロールをそれぞれ上下左右に位置調整可能
に配置し、該上下左右のロールを支持するフレームを任
意に角度変更可能に構成したものである。

【０００６】

【実施例】本発明が解決しようとする課題及び解決する
ための手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示し
た実施例の構成を説明すると。図１は本発明の角管製造
装置全体正面図、図２は同じく要部正面図、図３は同じ
く拡大正面断面図、図４は同じく側面断面図、図５はス
タンド部の正面断面図、図６は製造過程を示す図、図７
はシーム部の変更範囲を示す図、図８は製造後の正面
図、図９は同じく斜視図、図１０は角管製造装置を傾斜
した状態の正面図である。

【０００７】角管を製造する前工程である長い帯状の金
属板から円形の鋼管を製造する工程は図６に示すａ〜ｆ
のように従来と同一であり、所定の精度の円形に形成さ
れた管１０は角管製造装置に挿入され、該角管製造装置
は数段の成形装置からなり、その一つの成形装置につい
て説明すると、図１〜図５に示すように、ベッド１１上
に固定スタンド１２が立設され、該固定スタンド１２は
図５に示すように中央に矩形の開口部１２ａが開口さ
れ、該開口部１２ａ内にインナースタンド１３が配設さ
れて、該開口部１２ａの内側面にライナー１４が貼設さ
れてインナースタンド１３を昇降可能としている。

【０００８】前記インナースタンド１３下面中央には昇
降ネジ１９が回動自在に垂設されて、該昇降ネジ１９に
ウォームホィール１５が螺装され、該ウォームホィール
１５の下部は固定スタンド１３の支持部１２ｂにベアリ
ング１７を介して支持され、該ウォームホィール１５は
ウォーム１６と噛合し、該ウォーム１６は昇降モーター
２０の回動軸２０ａに固設され、該昇降モーター２０を
正転或いは逆転させることによりインナースタンド１３
を昇降可能として、管１０の成形時に上ソリ或いは下ソ
リ等が生じたときに矯正できるようにしているのであ
る。

【０００９】前記インナースタンド１３中央には軸受メ
タル２２を介して旋回フレーム２３の軸部２３ａが回転
自在に軸支され、該軸部２３ａ端に旋回板２３ｂが設け
られて、該旋回板２３ｂ後面に旋回駆動ギヤ２４が固設
されて、該旋回駆動ギヤ２４はインナースタンド１３に
固定された駆動モーター２５の駆動軸上のギヤ２８と噛
合し、旋回フレーム２３を回動可能としている。

【００１０】そして、該旋回フレーム２３前面に角管に
成形する上下左右のロールが配設され、該それぞれのロ
ールは位置調整可能であり、図１、図２、図３に示すよ
うに、左右の円筒形ロール２６・２６及び上下のロール
２７・２７はそれぞれ対称に配設されているので一方に
ついて説明すると、ロール２６は軸受２９を介して支持
軸３０に回転自在に軸支され、該支持軸３０はスライド
フレーム３１に固定され、該スライドフレーム３１はネ
ジ軸３２先端に枢支され、該ネジ軸３２はウォームホィ
ール３３に螺装され、該ウォームホィール３３はギヤボ
ックス３４に回転自在に支持され、ウォーム３５と噛合
している。また、ウォーム軸３５ａ上にはスパイラルギ
ヤ３６が固設され、連結軸３７に連結したスパイラルギ
ヤ３９と噛合し、前記連結軸３７は左右位置調整用のモ
ーター４０の駆動軸に連結されて、一つのモーターにて
左右のロール２６・２６の位置調整を同時にできるよう
にしている。但し、ロール３０は互いに反対方向に移動
すべく構成するので、ネジ軸３２は一方を逆ネジとする
必要がある。

【００１１】上下方向のロール２７は回動軸４２に固設
され、該回動軸４２の一端にはユニバーサルジョイント
４３・４３を介してモーター４１・４１の駆動軸と接続
され、ロール２７が上下動や旋回されても管１０を送る
ための動力を伝達できるようにしている。但し、上下の
ロール２７・２７の回転方向は互いに逆向きに回動され
ている。そして、前記回動軸４２の両側はスライドフレ
ーム４４に回転自在に軸支され、該スライドフレーム４
４は平行に配置したネジ軸４５・４５先端に枢支され、
該ネジ軸４５・４５はウォームホィール４６・４６に螺
装され、該ウォームホィール４６・４６はギヤボックス
４７・４７に回転自在に支持されてウォームと噛合し、
該ウォームのウォーム軸上のスパイラルギヤから連結軸
４８上のスパイラルギヤを介して上下位置調整用のモー
ター４９の駆動軸と連動連結され、該モーター４９の駆
動によりロール２７を上下位置調節可能としているので
ある。但し、前記ロール２６・２７の位置調整用のモー
ターからスライドフレームを摺動させるための動力の伝
達手段はウォームホィールやスパイラルギヤを使用して
いるが限定するもではなく、ベベルギヤやボールネジ等
を用いたり、モーターから直接駆動することも、油圧シ
リンダー等を用いて位置調整するように構成することも
可能である。

【００１２】以上のように構成することにより、モータ
ー４０を正転或いは逆転することにより、スパイラルギ
ヤ３６・３９、ウォーム３５を介してウォームホィール
３３を回動してネジ軸３２を左右方向に摺動して、スラ
イドフレーム３１に軸支されたロール２６が管１０の径
及び所望の角管の幅に合わせて、ロール２６・２６間の
長さを変更することができ、モーター４９を正転或いは
逆転することにより、スパイラルギヤ、ウォームを介し
てウォームホィール４６を回動してネジ軸４５を上下方
向に摺動して、スライドフレーム４４に軸支されたロー
ル２７が管１０の径及び所望の角管の高さに合わせて、
ロール２７・２７間の長さを変更することができるので
ある。

【００１３】また、駆動モーター２５を正転或いは逆転
することにより旋回駆動ギヤ２４を介して図１０の如く
旋回フレーム２３を傾斜させることができ、図７、図８
のように、この傾斜角αを変更することにより、管１０
のシーム部１０ａの位置を左右方向に任意に変更できる
ようになり、図９のように孔加工をする場合でもシーム
部１０ａを避けることができるのである。尚、旋回フレ
ーム２３の傾斜によりロール２７の回動軸４２も傾斜す
るが、ユニバーサルジョイント４３により対応できて動
力も確実に伝達されるのである。そして、モーター２０
を正転或いは逆転することによりインナースタンド１３
を上下に位置調整でき、上ソリ或いは下ソリ等が生じた
ときに矯正できるようにしているのである。

【００１４】

【発明の効果】以上のように構成したので本発明は次の
ような効果を奏するものである。即ち、電縫鋼管を角管
に成形するときにシーム部の位置を辺の中心より側方へ
任意の距離だけズラせることができるようになり、角管
を建造物等に利用する場合にボルト孔加工位置や溶接位
置等から外すことができるようになり、シーム部により
位置がズレたりすることがなく、溶接も温度等を上げず
に容易に行うことができ、強度も所定の強度で施工でき
るようになるのである。そして、シーム部の位置変更は
傾斜角度を変更するだけでよいので、ロール鋼管等の作
業を省くことができ、省力化とコスト低減化を図ること
ができたのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の角管製造装置全体正面図である。

【図２】同じく要部正面図である。

【図３】同じく拡大正面断面図である。

【図４】同じく側面断面図である。

【図５】スタンド部の正面断面図である。

【図６】製造過程を示す図である。

【図７】シーム部の変更範囲を示す図である。

【図８】製造後の正面図である。

【図９】同じく斜視図である。

【図１０】角管製造装置を傾斜した状態の正面図であ
る。

【図１１】鋼管製造装置の模式図である。

【図１２】帯板を角管に成形される状態を示す斜視図で
ある。

【図１３】従来の角管の製造過程を示す図である。

【図１４】従来の角管正面図である。

【図１５】従来の角管に孔加工を施した斜視図である。

【図１６】従来の角管成形機正面図である。

【図１７】シーム部をズラす従来の角管成形ロール正面
断面図である。

【図１８】同じく他の角管成形ロール正面断面図であ
る。

【符号の説明】

１０ 管 ２３ 旋回フレーム ２５ 駆動モーター ２６・２７ ロール ３１・４４ スライドフレーム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 帯状鋼板を円形に形成し、縁辺部を突き
   合わせて電縫して円形鋼管を成形した後に角形に成形す
   る角管製造装置において、成形母材を通す上下左右に円
   筒形のロールをそれぞれ上下左右に位置調整可能に配置
   し、該上下左右のロールを支持するフレームを任意に角
   度変更可能に構成したことを特徴とする電縫溶接角管製
   造装置。