JPH0521233A - トロイド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、組立て工数を少なくできると
ともに、自動挿入機を用いての自動組立ても可能であ
り、安価なトロイド装置を得ることにある。 【構成】トロイダルコア１と、このコア１が取付けられ
ると共に、取付けられた前記コア１の近傍に位置するラ
ンド５ａ，６ａを有した導電パターン５，６、およびラ
ンド５ａ，６ａ内に位置する通孔７，８が多数設けられ
たプリント配線基板３と、絶縁物１１に折曲げ可能な棒
状導電体１２を貫通してなり、その絶縁物１１を前記コ
ア１に当接させると共に、通孔７，８に通した導電体１
２の両端部をランド５ａ，６ａに電気的に接続してプリ
ント回路基板３に取付けられ、導電パターン５，６とと
もにトロイダルコア１を取巻くコイルを形成する多数の
絶縁形ジャンパー抵抗９，１０とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば電気機器のトラ
ンスやノイズフィルター等として使用されるトロイド
（閉成磁気回路）装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】トロイダルコアに対してコイルを巻き付
ける手間を不要としたトロイド装置は、従来において実
開昭６１−４２８１０号公報で知られている。

【０００３】すなわち、この公報に記載の技術は、プリ
ント配線基板にトロイダルコアを載置し、このコアの胴
部に略Ｕ字形状に湾曲された複数個の導電体を外嵌する
とともに、これら導電体の両方の脚の先端をプリント配
線基板に形成した導電パターンに電気的に接続したもの
で、導電体と導電パターンとにより、トロイダルコアの
胴部外周を取巻くスパイラル状の電流通路、すなわちコ
イルを構成している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来において
は、複数個の導電体はその取付け前の状態では、ブリッ
ジ部を介して所定間隔で一体につながっており、ブリッ
ジ部はプリント配線基板への取付け後に切断されて複数
個の導電体を個々に独立させる。そのため、前記切断の
際に、トロイダルコアを傷付けることがないようにし、
かつ、トロイダルコアと導電体との間の絶縁を図る必要
から、トロイダルコアのプリント配線基板と接する面以
外のすべての面が樹脂絶縁物で被覆されている。

【０００５】このように従来のものでは、トロイダルコ
アに対して予め樹脂絶縁物を被覆する手間が必要である
とともに、導電体をプリント配線基板に取付けた後にブ
リッジ部を切断する手間が必要である。したがって、組
立てに要する工数が多いという問題があった。

【０００６】しかも、ブリッジ部で一体につなげられた
複数個の導電体は、その両端部を予め折曲げられた状態
のままで、トロイダルコアに被さるようにしてプリント
配線基板に挿入されて取付けられる。そのため、この挿
入を自動化するには、ブリッジ部で一体につなげられた
複数個の導電体を取扱うことができるように設計された
専用の自動機が必要であり、既に提供されている横形の
抵抗器やダイオード用の自動挿入機を用いて導電体の取
付け作業を行うことはできなかった。本発明の目的とす
るところは、組立て工数を少なくできるとともに、自動
挿入機を用いての自動組立ても可能な安価なトロイド装
置を得ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のトロイド装置は、トロイダルコアと、この
コアが取付けられるとともに、取付けられた前記トロイ
ダルコアの近傍に位置するランドを有した導電パター
ン、および前記ランド内に位置する通孔が多数設けられ
たプリント配線基板と、絶縁物に折曲げ可能な棒状導電
体を貫通してなり、その絶縁物を前記トロイダルコアに
当接させるとともに、前記通孔に通した前記導電体の両
端部を前記ランドに電気的に接続して前記プリント回路
基板に取付けられ、前記導電パターンとともに前記トロ
イダルコアを取巻くコイルを形成する多数の絶縁形ジャ
ンパー抵抗とを備えたものである。

【０００８】

【作用】上記の構成において、プリント配線基板ととも
にコイルを形成する多数の絶縁形ジャンパー抵抗は、そ
の絶縁物をトロイダルコアに当接させるとともに、その
導電体の両端部をプリント回路基板の通孔に通して、こ
の回路基板に取付けられる。ところで、絶縁形ジャンパ
ー抵抗は、それ自体は既に公知の横形電気部品（すなわ
ち、リード端子が両端より横方向に突出されている電気
部品。）であって一般に市販されている。そのため、こ
のジャンパー抵抗を既存の横形の抵抗器やダイオード用
の自動挿入機を用いて、プリント配線基板に自動挿入す
ることができる。そして、プリント配線基板に取付けら
れた各ジャンパー抵抗の絶縁物は、隣接するジャンパー
抵抗の導電体相互の短絡を防止するとともに、導電体と
トロイダルコアとの間の短絡を防止して、各ジャンパー
抵抗相互を一定間隔に配置させる。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図１〜図４中１はトロイダルコアである。この
コア１は、図１および図２に示すように一対の相対向す
るコイル取付け部１ａ，１ｂと、これら取付け部１ａ，
１ｂの端部間を一体に連続させて相対向する一対のつな
ぎ部１ｃとを有して、四角枠形状に形成されている。両
つなぎ部１ｃの長さ方向中央部の下面には夫々ボス状の
凸部２（図３および図４参照）が一体に突設されてい
る。

【００１０】このトロイダルコア１はプリント配線基板
３の表面に図示しない接着剤を介して取付けられてい
る。プリント配線基板３は図３および図４に示すように
一対の穴４を有している。これら穴４に前記凸部２が嵌
合されて、トロイダルコア１がプリント配線基板３に位
置決めされている。なお、この位置決めは、トロイダル
コア１に穴４を設け、これに嵌合する凸部２をプリント
配線基板３に設けて行ってもよい。

【００１１】プリント配線基板３の裏面には図４に示す
ように多数の導電パターン５，６が夫々設けられてい
る。導電パターン５群は一方のコイル取付け部１ａと対
応して形成されており、各導電パターン５がその端部に
有したランド５ａは、夫々前記一方のコイル取付け部１
ａを挟むようにしてその近傍に位置されている。同様
に、導電パターン６群は他方のコイル取付け部１ｂと対
応して形成されており、各導電パターン６がその端部に
有したランド６ａは、夫々前記他方のコイル取付け部１
ｂを挟むようにしてその近傍に位置されている。

【００１２】プリント配線基板３には、各ランド５ａ内
に夫々別々に位置して多数の通孔７が開けられていると
ともに、各ランド６ａ内に夫々別々に位置して多数の通
孔８が開けられている。

【００１３】プリント配線基板３には前記導電パターン
５群とともに一次側のコイルを形成する多数の絶縁型ジ
ャンパー抵抗９、および導電パターン６群とともに二次
側のコイルを形成する多数の絶縁型ジャンパー抵抗１０
が取付けられている。すなわち、これらジャンパー抵抗
９，１０は、図１および図３に示すように円柱状の絶縁
物１１に棒状の導電体１２を貫通してなり、その導電体
１２は折曲げ可能であって、絶縁物１１から突出した両
端部はリード端子として用いられるものである。

【００１４】これらジャンパー抵抗９，１０は、その両
端部を通孔７または８に通して、図３に示すように折曲
げた後に、半田付けによりランド５ａまたは６ａと電気
的に接続することによって、プリント配線基板３に取付
けられている。その取付けによって、導電パターン５群
と多数の絶縁型ジャンパー抵抗９とからなる一次側のコ
イルは、トロイダルコア１の第１コイル取付け部１ａを
めぐるスパイラル状の電流回路を形成する。同様に、導
電パターン６群と多数の絶縁型ジャンパー抵抗１０とか
らなる二次側のコイルは、トロイダルコア１の第２コイ
ル取付け部１ｂをめぐるスパイラル状の電流回路を形成
する。

【００１５】以上説明した構成のトロイド装置は例えば
電気機器のトランスとして使用される。そして、このト
ロイド装置において、プリント配線基板３にトロイダル
コア１の各コイル取付け部１ａ，１ｂを跨いで取付けら
れた各ジャンパー抵抗９，１０の絶縁物１１は、隣接し
た各ジャンパー抵抗９の導電体１２相互の短絡と、同じ
く隣接した各ジャンパー抵抗１０の導電体１２相互の短
絡とを防止するとともに、導電体１２とトロイダルコア
１との間の短絡を防止して、各ジャンパー抵抗９相互お
よびシャンパー抵抗１０相互を一定間隔に配置させる。

【００１６】したがって、前記各部間の短絡防止のため
に、コイル１のプリント配線基板３と接する面以外の各
外面を樹脂絶縁物で被覆する必要がなく、そのための工
程を省略できる。しかも、夫々のジャンパー抵抗９，１
０は予め独立しているから、トロイド装置の組立てに切
断工程を必要とすることもない。このようにして前記ト
ロイド装置の構成によれば、その組立て工数が少ないか
ら、容易に組立てることができる。

【００１７】しかも、コイルを形成するために使用する
各絶縁型ジャンパー抵抗９，１０は、一般に市販されて
いる横形電気部品を使用可能であるから、特別に設計し
た自動挿入機が不要であり、横形の抵抗器やダイオード
用の自動挿入機を用いて、プリント配線基板３にジャン
パー抵抗９，１０を自動挿入できる。

【００１８】すなわち、各絶縁型ジャンパー抵抗９，１
０は、図５および図６に示すように絶縁物１１の軸方向
に導電体１２が延びた状態で、導電体１２の先端部を径
方向両側から挟むようにして設けられた左右の接着テー
プ１３により整列して連結されるものであり、この帯状
をなすジャンパー抵抗９，１０の部品帯は、巻き取る
か、またはつづら折りした状態でアキシャル型自動挿入
機にセットされる。したがって、この自動挿入機は、そ
の内部で接着テープ１３からジャンパー抵抗９または１
０を分離させるとともに、その全体形状が略Ｕ字形状と
なるように導電体１２の両端部を夫々曲げながら、プリ
ント配線基板３に挿入するものである。

【００１９】そのため、設備費を少なくできるととも
に、組立てが容易であり、しかも、使用する各ジャンパ
ー抵抗９，１０の絶縁物１１の使用量も、トロイダルコ
ア１を樹脂絶縁物で被覆する場合に比較して少量ですむ
から、トロイド装置を安価に得ることができる。

【００２０】勿論、既述の横型電気部品の自動挿入技術
は既に知られているものであり、したがって前記部品帯
にプリント配線基板３に装着される他の横型電気部品を
予め所定の位置に組込んで置くことにより、必要とする
横型電気部品のプリント基板３への自動挿入も次々に行
わせることもできる。

【００２１】

【発明の効果】以上詳記したように本発明のトロイド装
置によれば、多数の絶縁形ジャンパー抵抗をプリント配
線基板に取付けて、この基板の導電パターンとともにコ
イルを形成して、前記ジャンパー抵抗が備える絶縁物に
より、隣接したジャンパー抵抗の導電体相互間、および
導電体とトロイダルコアとの間の短絡を防止したから、
コイルの外面を樹脂絶縁物で被覆する必要がないととも
に、夫々のジャンパー抵抗は予め独立しており、したが
って切断の必要もないので、組立て工数が少なくなっ
て、容易に組立てることができる。その上、絶縁形ジャ
ンパー抵抗には一般に市販されている横形電気部品を使
用可能とするので、自動挿入機を用いて、プリント配線
基板にジャンパー抵抗を自動挿入できる。そのため、設
備費を少なくできるとともに、既述のようにコイルの外
面を被覆する樹脂絶縁物の省略と組立てが容易であるこ
とにより、安価に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るトロイド装置を示す斜
視図。

【図２】同実施例のトロイド装置を示す平面図。

【図３】同実施例のトロイド装置を図２中Ｚ−Ｚ線に沿
って示す断面図。

【図４】同実施例のトロイド装置が備えるプリント配線
基板の一部の裏面図。

【図５】同実施例に係りジャンパー抵抗が接着テープに
支持された状態を示す平面図。

【図６】同実施例に係り図５のＹ−Ｙ線に沿う断面図。

【符号の説明】

１…トロイダルコア、３…プリント配線基板、５，６…
導電パターン、５ａ，６ａ…ランド、７，８…通孔、
９，１０…ジャンバー抵抗、１１…絶縁物、１２…導電
体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 トロイダルコアと、 このコアが取付けられるとともに、取付けられた前記ト
   ロイダルコアの近傍に位置するランドを有した導電パタ
   ーン、および前記ランド内に位置する通孔が多数設けら
   れたプリント配線基板と、 絶縁物に折曲げ可能な棒状導電体を貫通してなり、その
   絶縁物を前記トロイダルコアに当接させるとともに、前
   記通孔に通した前記導電体の両端部を前記ランドに電気
   的に接続して前記プリント回路基板に取付けられ、前記
   導電パターンとともに前記トロイダルコアを取巻くコイ
   ルを形成する多数の絶縁形ジャンパー抵抗とを備えたト
   ロイド装置。