JPH05209088A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH05209088A
JPH05209088A JP4011692A JP4011692A JPH05209088A JP H05209088 A JPH05209088 A JP H05209088A JP 4011692 A JP4011692 A JP 4011692A JP 4011692 A JP4011692 A JP 4011692A JP H05209088 A JPH05209088 A JP H05209088A
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浩二 野田
Masato Kusakabe
正人 日下部
Kazuhide Fujimoto
和秀 藤本
Kazuya Yonezawa
和弥 米沢
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の4成分(A)〜(D)を主成分とする
硬化性組成物; (A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有する
化合物、 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
る化合物、 (C)ヒドロシリル化触媒、 (D)表面タック改質剤。 【効果】 硬化後の表面タックが大巾に改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性組成物に関す
る。さらに詳しくは、(A)分子中に少なくとも1個の
アルケニル基を有する化合物、(B)分子中に少なくと
も2個のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロ
シリル化触媒及び(D)表面タック改質剤を主成分とす
る、硬化後の表面タックが改良された硬化性組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記(A)〜(C)成分を主成分
とする硬化性組成物は高温で速硬化性を有するため、種
々の用途への展開が期待される組成物として考えられて
いる。しかしながら、この組成物は、多くの場合、硬化
後にその表面に粘着性(表面タック)が残るという大き
な欠点があった。このように、表面タックが残っている
と、密封剤、シーリング材、塗料、プリント基板用耐熱
マスキングテープ等の用途に用いた場合、塵埃や土砂な
どの付着、または基板同志の粘着等の問題が生じ好まし
くない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑み、硬化後の表面タックが残らない硬化性組成物を提
供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記の
4成分(A)〜(D)を主成分とする硬化性組成物を内
容とするものである。 (A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有する
化合物、 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
る化合物、 (C)ヒドロシリル化触媒、 (D)表面タック改質材。
【0005】本発明の(A)成分である、分子中に少な
くとも1個のアルケニル基を有する化合物としては特に
制限はなく、低分子化合物から有機重合体に至る各種の
ものを用いることができる。アルケニル基としては特に
制限はないが、式(I)
【0006】
【化1】
【0007】(式中、R1は水素またはメチル基)で示さ
れるアルケニル基が好適である。 (A)成分を具体的に記述すると、まず、式(II)
【0008】
【化2】
【0009】(R1は水素またはメチル、R2は炭素数1〜
20の2価の炭化水素基で1個以上のエーテル結合が含
有されていてもよい。R3は脂肪族または芳香族の有機
基、aは正の整数。)で表されるエーテル結合を有する
化合物が挙げられる。式(II)中、R2は炭素数1〜20
の2価の炭化水素基を表すが、R2の中には、1個以上の
エーテル結合が含有されていても構わない。具体的に
は、
【0010】
【化3】
【0011】などが挙げられる。合成上の容易さから−
CH2 −が好ましい。式(II)中、R3は芳香族または脂肪
族系の有機基である。具体的に示すならば、
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】などが挙げられる。これらのうちで、下記
のものが好ましい。
【0015】
【化6】
【0016】R3は有機重合体であってもよく、各種のも
のを用いることができる。まず、ポリエーテル系重合体
としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプ
ロピレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチ
レン−ポリオキシプロピレン共重合体等が好適に使用さ
れる。その他の主鎖骨格を持つ重合体としては、アジピ
ン酸などの2塩基酸とグリコールとの縮合、または、ラ
クトン類の開環重合で得られるポリエステル系重合体、
エチレン−プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、
イソブチレンとイソプレン等との共重合体、ポリクロロ
プレン、ポリイソプレン、イソプレンとブタジエン、ア
クリロニトリル、スチレン等との共重合体、ポリブタジ
エン、ブタジエンとスチレン、アクリロニトリル等との
共重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエン、イソプレ
ンあるいはブタジエンとアクリロニトリル、スチレンな
どとの共重合体を水素添加して得られるポリオレフィン
系重合体、エチルアクリレート、ブチルアクリレートな
どのモノマーをラジカル重合して得られるポリアクリル
酸エステル、エチルアクリレート、ブチルアクリレート
などのアクリル酸エステルと、酢酸ビニル、アクリロニ
トリル、メチルメタクリレート、スチレンなどとのアク
リル酸エステル系共重合体、前記有機重合体中でのビニ
ルモノマーを重合して得られるグラフト重合体、ポリサ
ルファイド系重合体、ε−カプロラクタムの開環重合に
よるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸
の縮重合によるナイロン66、ヘキサメチレンジアミン
とセバシン酸の縮重合によるナイロン610、ε−アミ
ノウンデカン酸の縮重合によるナイロン11、ε−アミ
ノラウロラクタムの開環重合によるナイロン12、上記
のナイロンのうち、2成分以上の成分を有する共重合ナ
イロンなどのポリアミド系重合体、例えばビスフェノー
ルAと塩化カルボニルより縮重合して製造されるポリカ
ーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体など
が例示される。次に、一般式(III)
【0017】
【化7】
【0018】(R1は水素またはメチル基、R2は炭素数1
〜20の2価の炭化水素基で1個以上のエーテル結合を
含有していてもよい。R4は脂肪族または芳香族の有機
基、aは正の整数。)で表されるエステル結合を有する
化合物が挙げられる。式(III)中、R2は式(II)におけ
るR2と同一である。また、R4は、芳香族系まては脂肪族
系の1〜4価の有機基である。具体的に示すならば、
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】などが挙げられる。これらのうちで下記の
ものが好ましい。
【0022】
【化10】
【0023】R4は有機重合体であってもよく、式(II)
のエーテル系化合物で例示した有機重合体をすべて好適
に用いることができる。次に、一般式(IV)
【0024】
【化11】
【0025】(R1は水素またはメチル基、R5は脂肪族ま
たは芳香族の有機基、aは正の整数)で示される化合物
が挙げられる。式(IV)中、R5は脂肪族または芳香族の
有機基を表すが、具体的には、
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】R5は有機重合体であってもよく、式(II)
の説明で例示した有機重合体をすべて好適に用いること
ができる。 (A)成分の具体例としては、さらに一般式(V)
【0029】
【化14】
【0030】(R1は水素またはメチル基、R2は炭素数1
〜20の2価の炭化水素基で1個以上のエーテル結合を
含有していてもよい。R6は脂肪族または芳香族の有機
基、aは正の整数。)で表されるカーボネート結合を有
する化合物が挙げられる。式中、R2は式(II)中のR2
同じである。また、R6としては、
【0031】
【化15】
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】などが挙げられる。これらのうち下記のも
のが特に好ましい。
【0035】
【化18】
【0036】R6は有機重合体であってもよく、式(II)
の説明で例示した有機重合体をすべて好適に用いること
ができる。(A)成分として、有機重合体を使用する場
合、アルケニル基を重合体に導入する方法については、
種々提案されているものを用いることができるが、重合
後に導入する方法と重合中に導入する方法に大別するこ
とができる。
【0037】重合後にアルケニル基を導入する方法とし
ては、例えば末端、主鎖あるいは側鎖に水酸基、アルコ
キシド基等の官能基を有する重合体に、上記官能基に対
して反応性を示す活性基、及び、アルケニル基を有する
有機化合物を反応させることにより、アルケニル基を末
端、主鎖あるいは側鎖に導入することができる。上記官
能基に対して反応性を示す活性基及びアルケニル基を有
する有機化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、ビニル酢酸、アクリル酸クロライド、アクリル酸ブ
ロマイド等のC3 −C20の不飽和脂肪酸、酸ハライド、
酸無水物や、アリルクロロホルメート、アリルブロモホ
ルメート等のC3 −C20の不飽和脂肪酸置換炭酸ハライ
ド、アリルクロライド、アリルブロマイド、ビニル(ク
ロロメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)ベンゼ
ン、アリル(ブロモメチル)ベンゼン、アリル(クロロ
メチル)エーテル、アリル(クロロメトキシ)ベンゼ
ン、1−ブテニル(クロロメチル)エーテル、1−ヘキ
セニル(クロロメトキシ)ベンゼン、アリルオキシ(ク
ロロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
【0038】重合中にアルケニル基を導入する方法とし
ては、例えばラジカル重合法で製造する場合に、アリル
メタクリレート、アリルアクリレート等の分子中にラジ
カル反応性の低いアルケニル基を有するビニルモノマ
ー、アリルメルカプタン等のラジカル連鎖移動剤を用い
ることにより、重合体の主鎖、または、末端にアルケニ
ル基を導入することができる。
【0039】アルケニル基含有有機重合体は、線状で
も、枝分かれ状でもよく、分子量は500〜50000
の任意のものが好適に使用できるが、1000〜200
00のものが特に好ましい。アルケニル基は分子末端に
あっても分子中にあっても良いが、本発明の組成物を用
いてゴム状硬化物を作成する場合には、分子末端にある
方が有効網目鎖長が長くなるので好ましい。
【0040】本発明の(B)成分である、分子中に少な
くとも2個のヒドロシリル基を有する有機化合物として
は特に制限はないが、ヒドロシリル基を含む基を具体的
に例示するならば、
【0041】
【化19】
【0042】などのケイ素原子を2個含む基、
【0043】
【化20】
【0044】(式中、RはH, OSi(CH3)3および炭素数が
1〜10の有機基より選ばれる基であり各々のRは同じ
でも異なっていてもよい。m,nは正の整数で、且つ2
≦m+n≦50)
【0045】
【化21】
【0046】(式中、Rは上記に同じ、mは正の整数、
n、p、qは0または正の整数で、且つ1≦m+n+p
+q≦50)
【0047】
【化22】
【0048】(式中、Rは上記に同じ、mは正の整数、
nは0または正の整数で、且つ2≦m+n≦50)など
で示される鎖状、枝分かれ状、環状の各種の多価ハイド
ロジェンシロキサンより誘導された基などが挙げられ
る。上記の各種のヒドロシリル基のうち、本発明のヒド
ロシリル基含有化合物の、(A)成分に対する相溶性を
損なう可能性が少ないという点から、ヒドロシリル基を
構成する基の部分の分子量は500以下が望ましく、さ
らにヒドロシリル基の反応性も考慮すれば、下記のもの
がものが好ましい。
【0049】
【化23】
【0050】(式中、pは正の整数、qは0または正の
整数であり、かつ2≦p+q≦4)
【0051】
【化24】
【0052】同一分子中にヒドロシリル基含有基が2個
以上存在する場合には、それらは互いに同一でも異なっ
ても構わない。(B)成分中に含まれるトータルのヒド
ロシリル基の個数については、少なくとも、1分子中に
2個あれば良いが、2〜15個が好ましく、3〜12個
が特に好ましい。本発明のヒドロシリル基含有化合物
を、ヒドロシリル化触媒存在下に、アルケニル基を含有
する化合物((A)成分)と混合してヒドロシリル化反
応により硬化させる場合には、該ヒドロシリル基の個数
が2より少ないと硬化不良を起こす場合が多い。また、
該ヒドロシリル基の個数が15より多くなると、(B)
成分の安定性が悪くなり、そのうえ、硬化後も多量のヒ
ドロシリル基が硬化物中に残存し、ボイドやクラックの
原因となる。(B)成分のヒドロシリル基含有化合物と
しては特に制限はないが、低分子量のものから重合体に
いたる各種の化合物を用いることができる。具体的に例
示すると、式(VI)
【0053】
【化25】
【0054】(式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基、R1, R2, R3は、式(II)におけるR1,
R2, R3とそれぞれ同じものを用いることができる。)で
表されるエーテル結合を有する化合物、式(VII)
【0055】
【化26】
【0056】(式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基、R1, R2, R4は、式(III)におけるR1,
R2, R4とそれぞれ同じものを用いることができる。)で
表されるエステル結合を有する化合物、式(VIII)
【0057】
【化27】
【0058】(式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基、R1, R5は、式(IV)におけるR1, R5とそ
れぞれ同じものを用いることができる。)で表される炭
化水素系の化合物、さらに、式(IX)
【0059】
【化28】
【0060】(式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基、R1, R2, R6は、式(V)におけるR1,
R2, R6とそれぞれ同じものを用いることができる。)で
表されるカーボネート結合を有する化合物を挙げること
ができる。
【0061】(B)成分として有機重合体を用いる場
合、重合体は線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は5
00〜50000の任意のものが好適に使用できるが、
500〜20000のものが特に好ましい。(B)成分
のヒドロシリル基は、分子末端にあっても分子中にあっ
ても良いが、本発明の組成物を用いてゴム状硬化物を作
製する場合には、分子末端にある方が有効網目鎖長が長
くなるので好ましい。(B)成分の製造方法としては特
に制限はなく、任意の方法を用いればよい。例えば、
(i)分子内にSi−Cl基をもつ有機化合物をLiAlH4, Na
BH4 などの還元剤で処理して該化合物中のSi−Cl基をSi
−H 基に還元する方法、(ii)分子内にある官能基Xを
持つ有機化合物と分子内に上記官能基と反応する官能基
Y及びヒドロシリル基を同時にもつ化合物とを反応させ
る方法、(iii)アルケニル基を持つ有機化合物に対して
少なくとも2個のヒドロシリル基を持つポリヒドロシラ
ン化合物を選択ヒドロシリル化することにより、反応後
もヒドロシリル基を該化合物の分子中に残存させる方法
などが考えられる。これらのうち(iii)の方法が特に好
ましい。
【0062】(A)成分と(B)成分の組合せとして
は、任意のものを組み合わせることができるが、(A)
成分と(B)成分のいずれか一方または両方が有機重合
体であることが好ましく、そのなかでも、(A)成分が
ポリプロピレンオキシド系重合体であることが好まし
い。(A)成分と(B)成分の両方が低分子量化合物で
あると、得られる硬化物の架橋密度が高くなり、脆くな
るのでプリント基板耐熱マスキングテープ用硬化性組成
物としては好ましくない。
【0063】本発明の(C)成分であるヒドロシリル化
触媒としては、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボ
ンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化
白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン
等との錯体、白金−オレフィン錯体{例えば、Pt(CH2=C
H2)2(PPh3)2Pt(CH2=CH2)2Cl2};白金−ビニルシロキサ
ン錯体{例えば、Ptn (ViMe2SiOSiMe2Vi)m 、 Pt〔(MeV
iSiO)4m };白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh
3)4 、 Pt(PBu3)4 };白金−ホスファイト錯体(例え
ば、Pt〔P(OPh34 )(式中、Meはメチル基、Buはブチ
ル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、m、 nは
整数を表す)、ジカルボニルジクロロ白金、また、アシ
ュビー(Ashby)の米国特許第3159601および、3
159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複
合体、並びにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第322
0972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒
も挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許
第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オ
レフィン複合体も本発明において有用である。また、白
金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh3)3, RhC
l3, RhlAl2O3,RuCl3, IrCl3, FeCl3, AlCl3, PdCl2 ・2H
2O, NiCl2, TiCl4 等が挙げられる。これらの触媒は単
独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触
媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白
金−アセチルアセトナート錯体、白金−ビニルシロキサ
ン錯体が好ましい。
【0064】触媒量としては特に制限はないが、(A)
成分中のアルケニル基1mol に対して10-1〜10-8mo
l の範囲で用いるのがよい。好ましくは10-3〜10-6
molの範囲で用いるのがよい。10-8mol より少ないと
硬化が充分に進行しない。またヒドロシリル化触媒は一
般に高価で腐蝕性であり、また、水素ガスが大量に発生
して硬化物が発泡してしまう場合があるので10-1mol
より多量に用いない方がよい。本発明においては、硬化
性組成物が貴金属触媒を用いた、アルケニル基に対する
Si−H 基の付加反応によって硬化するので、硬化速度が
非常に速く、ライン生産を行なう上で好都合である。
【0065】(B)成分であるヒドロシリル基含有化合
物を上記の選択ヒドロシリル化により製造する場合、反
応後にも(B)成分中にヒドロシリル化触媒が含まれて
いるので、一般にその安定性が良好でなく、長期間放置
したり、湿分が混入したりするとSi−H基のSi−OH基へ
の転化が起こり、粘度増大やゲル化等の現象が見られ
る。従って、(B)成分の中に貯蔵安定性改良剤を含有
させることが好ましい。このような化合物としては、脂
肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有
機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過
酸化物などを好適に用いることができる。具体的には、
ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、2
−ペンテンニトリル、2、3−ジクロロプロペンなどが
挙げられ、特に、ポットライフ/速硬化性の両立という
点でチアゾールが好ましいが、これらに限定されるわけ
ではない。貯蔵安定性改良剤の使用量は(A)成分及び
(B)成分に均一に分散する限りにおいて、ほぼ任意に
選ぶことができるが、(B)成分のSi−H基含有化合物
1molに対し、10-6〜10-1molの範囲で用いることが
好ましい。これは、10-6mol未満では(B)成分の貯
蔵安定性が充分に改良されず、10-1molを越えると硬
化を阻害するからである。貯蔵安定性改良剤は単独で用
いても、また2種以上を混合して用いてもよい。
【0066】本発明の(D)成分である表面タック改質
剤としては、不飽和高級脂肪酸とアルコールとのエステ
ルを主成分とするエステル化合物、または結晶性を有す
る分子量1000〜20000のオリゴマー類が挙げら
れ、これらは、本組成物の硬化後の表面タックを消失さ
せる顕著な効果を持っている。エステル化合物の具体例
を挙げると、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エ
レオステアリン酸、リカン酸、リシノール酸、アラキド
ン酸などの高級不飽和脂肪酸と、メタノール、エタノー
ル等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール等の2価アルコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリメチロ
ールエタン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール
等の4価アルコール、ソルビッド等の6価アルコール、
ケイ素原子に結合した有機基を介して水酸基を有する有
機ケイ素化合物などから選択されるアルコールとの反応
縮合物からなるエステル化合物がある。上記のように、
不飽和高級脂肪酸とアルコールとを縮合反応させて
(D)成分を製造してもよいが、(D)成分として実用
上、安価で、簡便で最も好ましいのは、不飽和高級脂肪
酸とグリセリンとのエステルであるトリグリセリルエス
テルを主成分とする亜麻仁油、桐油、大豆油、ヒマシ
油、脱水ヒマシ油、魚油、麻実油、綿実油、トール油等
の天然不飽和油脂である。
【0067】オリゴマー類の具体例としては、その主鎖
骨格がポリカプロラクトン、ポリテトラメチレングリコ
ールのような結晶性を有する分子量1000〜2000
0のオリゴマー類が挙げられる。(D)成分の使用量
は、前記(A)+(B)成分100重量部に対して0.
1〜50重量部の範囲が望ましい。その理由は(D)成
分が0.1重量部より少ないと硬化後の表面タック消失
の効果が十分でなく、また50重量部より多いと本組成
物の硬化後の物性が著しく低下するためである。
【0068】本発明の硬化性組成物には必要に応じて、
充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性
剤、可塑剤、シランカップリング剤などを適宜添加して
よい。前記充填剤の具体例としては、例えばシリカ微粉
末、炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、亜
鉛華、ケイソウ土、硫酸バリウム、カーボンブラックな
どが挙げられる。
【0069】
【実施例】次に実施例により本発明の組成物を具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。 合成例1 特開昭53−134095に開示された方法に従って、
末端にアリル型オレフィン基を有するポリオキシプロピ
レンを合成した。平均分子量3000であるポリオキシ
プロピレングリコールと粉末苛性ソーダを60℃で撹拌
し、ブロモクロロメタンを加えて、反応を行い、分子量
を増大させた。次に、アリルクロライドを加えて、11
0℃で末端をアリルエーテル化した。これをケイ酸アル
ミニウムにより処理して、精製末端アリルエーテル化ポ
リオキシプロピレンを合成した。このポリエーテルの平
均分子量は7960であり、ヨウ素価から末端の92%
がオレフィン基であった。E型粘度系による粘度は13
0ポイズ(40℃)であった。
【0070】合成例2 200mlの4つ口フラスコに、3方コック付冷却管を、
均圧滴下ロート、温度計、マグネチック・チップ、ガラ
スストッパーを取りつけたものを用意した。N2 雰囲気
下で環状ポリハイドロジェンシロキサン
【0071】
【化29】
【0072】(信越化学株式会社製、LS 8600 )12.
03g(50mmol)及びトルエン20mlをフラスコ内に
仕込んだ。1,9−デカジエン2.76g(20mmo
l)、塩化白金酸触媒溶液(H2PtCl6 ・6H2O 1gをエタ
ノール1g、1,2−ジメトキシエタン9gに溶かした
溶液)20μlをトルエン30mlに溶解したものを滴下
ロート内へ仕込んだ。フラスコを50℃のオイルバスに
つけ、N2 雰囲気下にて該トルエン溶液をフラスコ内へ
2時間かけて滴下した。滴下終了後50℃でさらに1時
間反応させた時点で、IRスペクトルを測定したとこ
ろ、1640cm-1の付近のオレフィンの吸収が完全に消
失していたのでこの時点で反応を終了した。反応が終了
した該トルエン溶液を塩化アンモニウム飽和水溶液(1
00ml×2)、交換水(100ml×1)で洗浄後、Na2S
O4で乾燥した。Na2SO4を濾過して取り除き、ベンゾチア
ゾール(13μl、0.12mmol)を加え、揮発分をエ
バポレートして除去後、80℃で減圧脱気することによ
り9.11gの無色透明の液体を得た。該炭化水素系化
合物中のヒドロシリル基は2170cm-1の強い吸収とし
て確認された。また300MHz のNMR でSi−のピー
クとSi−C 3 とのプロトンの強度比(実測値0.2
16)と計算上の強度比を比較することによって該化合
物は平均して下記式の構造を有する〔n=1(MW=998)が
53%、n=2(MW=1377)が47%〕混合物であること
がわかった。これをもとに単位重量中のSi−H基の数
を計算すれば0.769mol /100gであった。
【0073】実施例1〜8 合成例1で得た有機重合体((A)成分)、合成例2で
得たSi−H基含有化合物((B)成分)、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤(チバガイギー社製イルガノッ
クス1010)、1%塩化白金酸触媒溶液((C)成
分)、(H2PtCl6・6H2O 1.0gをエタノール99gに
溶解したもの)、チアゾール、及び表面タック改質剤
((D)成分)を表1に示す量を計量し、よく混合した
後、減圧下脱泡した。脱泡後の組成物を約2mm厚の型枠
の中に流し込み、130℃のオーブン中で10分間硬化
させ、シート状硬化物を作成した。得られたシートの表
面を指触により表面タックを調べ、結果を表1に示し
た。
【0074】比較例1 表面タック改質剤を用いない以外は実施例1と同様に行
い、結果を表1に併せて示した。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、表1の結果か
らも明かなように、硬化後の表面タックが大巾に改善さ
れることがわかる。表面タックが大巾に減少されること
により、シーリング材、密封剤、塗料、コーティング
剤、注型用ゴム及びプリント基板用耐熱マスキングテー
プ等の広汎な用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/10 G 9159−4H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の4成分(A)〜(D)を主成分と
    する硬化性組成物; (A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有する
    化合物、 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
    る化合物、 (C)ヒドロシリル化触媒、 (D)表面タック改質剤。
  2. 【請求項2】 更に貯蔵安定性改良剤を含有する請求項
    1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 分子内に少なくとも1個のアルケニル共
    を有する化合物が、数平均分子量が500〜50000
    のポリエーテル主鎖により構成されるオリゴマーである
    請求項1記載の組成物。
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