JPH05204008A - 波長変換素子 - Google Patents

波長変換素子

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JPH05204008A
JPH05204008A JP3425092A JP3425092A JPH05204008A JP H05204008 A JPH05204008 A JP H05204008A JP 3425092 A JP3425092 A JP 3425092A JP 3425092 A JP3425092 A JP 3425092A JP H05204008 A JPH05204008 A JP H05204008A
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JP
Japan
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waveguide
light
wavelength
fundamental wave
short
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JP3425092A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Fukuda
浩章 福田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、短波長光を効率良く出射できる
と同時に光変調をも行なうことが可能である。 【構成】 基板1上に非線形光学媒質からなる2本の
導波路2,3が交差して形成され、交差部には、導波路
を導波する基本波の光路を変更するための電位差を印加
可能な電極5が設けられている。また、1本の導波路3
には、導波路3を導波する基本波に基づき短波長光を生
成する分極反転層6が形成されている。この場合、導波
路2を導波する基本波BMは、交差部に達すると、電極
5の電位差に応じて光路をAまたはBのように変え、光
路がBに変わるとき短波長光が出射されるので、これに
よって、短波長光を変調することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形光学媒質を用い
て光ビームの波長をより短波長のものに変換する波長変
換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザ光源等からの光の波長を非
線形光学媒質を用いてより短波長のものに波長変換する
波長変換素子として第2高調波発生(SHG)素子が知
られており、例えば特開昭63−44781号には、薄
膜導波路型のSHG素子が開示されている。
【0003】図8はこの種の薄膜導波路型のSHG素子
の構成図であり、このSHG素子では、例えばLiNb
3の非線形光学結晶材料からなる基板101上にTi
を拡散して導波路102が形成され、さらにこの導波路
102の上面には所定のピッチで回折格子103が形成
されている。このような構成のSHG素子では、レーザ
光源からの波長λの光BMを導波路102の一方の側か
ら入射させ導波路102に基本波として導波させると、
この基本波に基づきこの半分の波長(λ/2)の第2高
調波(SH光)を発生させ導波路102の他方の側から
出射させることができる。この際、導波路102の上面
に設けられている回折格子103は、導波路102中で
の基本波の屈折率とSH光の屈折率との差を相殺する機
能を有し、回折格子103によって基本波とSH光との
位相を整合させ、SH光の変換効率を高めることができ
る。なお、このためには、回折格子103のピッチを導
波路102を導波する基本波の波長と同じに設定し、ブ
ラック条件を満足させておく必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、SHG素子
等の波長変換素子は、短波長光を出射可能であるので、
光ディスク等の大容量化に適しており、このため光ディ
スク装置やレーザプリンタ装置などへの適用が要望され
ているが、光ディスク装置等に波長変換素子を適用する
場合には、光ディスク装置等の小型化に支障がないこと
と、短波長光を変調できること,すなわちON/OFF
できることとが不可欠となる。光ディスク装置等の小型
化は、波長変換素子のレーザ光源にガスレーザではな
く、小型化に適した半導体レーザを使用し、またガスレ
ーザに比べて低出力の半導体レーザをレーザ光源として
用いたときにも高い変換効率を期待できる上述のような
導波路型のものとして波長変換素子を構成することによ
り、ある程度達成できる。
【0005】しかしながら、従来では、短波長光を変調
して出力することは難かしく、このため、短波長光を効
率良く出射できると同時に光変調をも行なうことの可能
な光ディスク装置等に適した波長変換素子を実現するこ
とは極めて困難であった。すなわち、短波長光を変調す
るのに、例えば、半導体レーザ自体を変調しようとする
と、基本波の波長が安定せず、この場合には、短波長光
を効率良く出射できなくなる場合があった。
【0006】本発明は、短波長光を効率良く出射できる
と同時に光変調をも行なうことの可能な光ディスク装置
等に適した波長変換素子を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、非線形光学媒質からなる複数本の導波路が
基板に交差して形成され、該交差部には、導波路を導波
する基本波の光路を変更するための電位差を印加可能な
電位差印加手段が設けられており、また複数本の導波路
のうちの少なくとも1本の導波路には、導波路を導波す
る基本波に基づき短波長光を生成する短波長光生成部ま
たは発生した短波長光を消滅させる短波長光消滅部が設
けられていることを特徴としている。
【0008】また、前記複数本の導波路は、LiTaO
3の非線形光学媒質により形成されていることを特徴と
している。
【0009】また、前記短波長光生成部は、基本波とこ
れに基づき発生する短波長光との位相を整合させる位相
整合部により構成されていることを特徴としている。
【0010】また、前記複数本の導波路は、LiNbO
3の非線形光学媒質により、またはMgOがドープされ
たLiNbO3の非線形光学媒質により形成されている
ことを特徴としている。
【0011】また、前記位相整合部は、所定周期をもつ
分極反転構造として形成されているか、あるいは非線形
光学媒質の複屈折性により形成されていることを特徴と
している。
【0012】また、前記複数本の導波路には、プロトン
交換光導波路が用いられていることを特徴としている。
【0013】
【作用】複数本の導波路の少なくとも1本の導波路を導
波する基本波または短波長光は、交差部に達すると、電
位差に応じて光路を変える。例えば電位差が所定電位の
ときにはこの導波路に交差する他の導波路に移行し、電
位差が“0”のときには移行せず、元の導波路を直進す
る。従って、基本波が交差部に導波するような場合に、
元の導波路または他の導波路の光出射側に短波長光生成
部を形成しておけば、電位差を変化させることで、短波
長光を変調することができる。すなわち、例えば、他の
導波路の光出射側に短波長光生成部が形成されている場
合、電位差が所定値のときには基本波を他の導波路に移
行させ、それに形成されている短波長光生成部から短波
長光を出射させることができ、電位差が“0”のときに
は基本波の移行が起きないので短波長光は出射されな
い。従って、電位差を変化させて、素子からの短波長光
の出射をON/OFF制御することができる。
【0014】また、基本波が交差部に達する時点で短波
長光が効率良く生成される場合には、少なくとも1本の
導波路に短波長光消滅部を形成しておく。この場合に
は、少なくとも1本の導波路を伝搬する短波長光は、交
差部の電位差が所定値のときに他の導波路に移行し、電
位差が“0”のときには移行せず、元の導波路を伝搬す
る。従って、元の導波路または他の導波路の光出射側に
短波長光消滅部を形成しておけば、電位差を変化させる
ことで、短波長光生成部を形成する場合と反対の原理で
短波長光を変調することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係る波長変換素子の第1の実施例
の構成図である。図1の波長変換素子では、LiTaO
3の非線形光学材料(方位が−C板の単結晶)からなる
基板1上に、基板1よりも高い屈折率をもつ2本の導波
路2,3が交差して形成されており、また、その交差部
にプレーナ電極5(5a,5b)が配置されている。こ
のプレーナ電極5は、これに正の電圧を印加するとき
に、ポッケルス効果によって基板1内に生じる電界に比
例して屈折率を減少させ電極直下に全反射の境界面を形
成させるために設けられている。基板1として図1のよ
うに−C板のLiTaO3を用いたりあるいは後述する
C板のLiNbO3を用いる場合には、図2により詳細
に示すように、電極直下に発生する表面に垂直な電界成
分を利用するため、プレーナ電極5の一方の電極5aに
ついてはそのエッジを導波路交差部の中心に合せて導波
路上に配置してこれに所定電圧を印加し、他方の電極5
bについてはこれを導波路外に配置して接地電位に保持
する。
【0016】ここで、導波路2,3の交差部で全反射が
起きる条件は、スネルの法則により次式のようになる。
【0017】
【数1】cosθ>(ni−Δni)/ni Δn0=n0 313E/2 , Δne=ne 333E/2
【0018】なお、数1において、niは媒質の屈折
率、Eは基板内に生じる電界、r13,r33はポッケルス
定数であり、例えばLiTaO3基板では、r13は7.
0/106(μm/V),r33は30.3/106(μm
/V)である。従って、導波路2,3の交差部上の電極
5,すなわち5aに電圧を印加していない状態のときに
は、例えば導波路2を導波する基本波BMは矢印Aのよ
うに交差部で全反射されずに、導波路2を直進するが、
電極5aに所定の電圧Vを印加している状態では、導波
路2を導波する基本波BMは、矢印Bのように交差部で
全反射されて導波路3に移行し、導波路2から導波路3
に光路が切り替わるようになっている。また、この際
に、導波路2,3とプレーナ電極5との交差角度θが小
さい程、数1に従って、光路の切り替えに必要な印加電
圧Vは小さくて済む。
【0019】また、図1の例では、導波路3上には、導
波路3を導波する基本波をこれよりも短波長の光,例え
ばSH光に効率良く変換するための位相整合部6が設け
られている。位相整合部6は、例えば、プロトン交換
後、熱処理することによって形成された分極反転層から
なっており、この分極反転層6によって基本波及びこれ
に基づき発生するSH光に対し、非線形定数の周期的変
化を与えるようになっている。なお、導波路3中での基
本波,SH光の周波数をそれぞれω,2ωとし、また導
波路3における基本波,SH光の伝搬定数をそれぞれβ
(ω),β(2ω)とすると、基本波とSH光との位相
を整合させるためには、分極反転の周期Λは、次式の関
係を満たす必要がある。
【0020】
【数2】 β(2ω)−2β(ω)=2π・(2m−1)/Λ (m:自然数)
【0021】導波路3において基本波に対する等価屈折
率をN(ω)、SH光に対する等価屈折率をN(2ω)
とすると、等価屈折率Nと伝搬定数βとはβ=2πN/
λの関係があるので、上記数2はさらに、次式のように
置き換えられる。
【0022】
【数3】 Λ=(2m−1)λ/2{N(2ω)−N(ω)} (m:自然数)
【0023】上記数3の関係を満たす周期Λの分極反転
構造があれば、SH光を効率良く得ることができるの
で、分極反転層6は、この周期Λのピッチで分極ドメイ
ンが作成されているのが良い。
【0024】例えば、基本波が0.83μmの波長λの
ものであり、さらにその電界方向がx軸方向のExoo
ードのもの(常光)を用いると、この基本波の導波路3
(LiTaO3)における等価屈折率の波長分散は2.
1538となる。また、この基本波に基づき非線形光学
結晶材料の非線形定数d31により発生する0.415μ
mの波長(λ/2)のEzooモードのSH光の導波路3
における等価屈折率の波長分散は2.2814となる。
従って、この場合の屈折率変化の周期Λは、数3により
約3.3μmとなり、この場合、約3.3μmのピッチ
で分極反転層6の分極ドメインを作成すれば、分極反転
層6において基本波とSH光との位相を整合させること
ができる。
【0025】また、例えば、基本波が0.83μmの波
長λのものであり、さらにその電界方向がz軸方向のE
zooモードのもの(異常光)を用いると、この基本波の
導波路(LiTaO3)における等価屈折率の波長分散
は2.1578となる。また、この基本波に基づき非線
形光学結晶材料の非線形定数d33により発生する0.4
15μmの波長(λ/2)のEzooモードのSH光の導
波路における等価屈折率の波長分散は2.2814とな
る。従って、この場合の分極反転の周期Λは、数3によ
り約3.4μmとなり、この場合、約3.4μmのピッ
チで分極反転層6の分極ドメインを作成すれば、分極反
転層6において基本波とSH光との位相を整合させるこ
とができる。
【0026】また、例えば、基本波が1.2μmの波長
λのものであり、さらにその電界方向がx軸方向のE
xooモードのもの(常光)を用いると、この基本波の導
波路(LiTaO3)における等価屈折率の波長分散は
2.1305となる。また、この基本波に基づき非線形
光学結晶材料の非線形定数d31により発生する0.6μ
mの波長(λ/2)のEzooモードのSH光の導波路に
おける等価屈折率の波長分散は2.1878となる。従
って、この場合の分極反転の周期Λは、数3により約1
0.5μmとなり、この場合、約10.5μmのピッチ
で分極反転層6の分極ドメインを作成すれば、分極反転
層6において基本波とSH光との位相を整合させること
ができる。
【0027】また、例えば、基本波が1.2μmの波長
λのものであり、さらにその電界方向がz軸方向のE
zooモードのもの(異常光)を用いると、この基本波の
導波路(LiTaO3)における等価屈折率の波長分散
は2.1341となる。また、この基本波に基づき非線
形光学結晶材料の非線形定数d33により発生する0.6
μmの波長(λ/2)のEzooモードのSH光の導波路
における等価屈折率の波長分散は2.1878となる。
従って、この場合の屈折率変化の周期Λは、数3により
約11.2μmとなり、この場合、約11.2μmのピ
ッチで分極反転層6の分極ドメインを作成すれば、分極
反転層6において基本波とSH光との位相を整合させる
ことができる。
【0028】なお、図1のような波長変換素子は以下の
ような仕方で作成することができる。すなわち、例えば
LiTaO3の非線形光学材料からなる基板1表面にT
i,Cu等を約1000℃程度の温度で拡散して導波路
2,3を形成する。導波路2,3としては、単一モード
のものに作成されるのが望ましい。その後、切出したチ
ップのC軸方向にキュリー点近くの温度で電場を印加
し、ポーリングを行ない分極方向をそろえる。さらに、
基板1上面の斜線部(図1参照)以外をマスクした後、
安息香酸溶液中において約250℃程度の温度でプロト
ン交換し、これをLiTaO3のキュリー点(Tc〜6
00℃)直下の温度で熱処理することにより、マスクさ
れていない部分に位相整合部,すなわち分極反転層6を
形成することができる。分極反転層6の厚さは、昇温速
度を変化させることにより調整でき、また、分極反転層
6の導波路3の幅方向の長さは、導波路3の幅と必ずと
も一致していなくても良い。すなわち、導波路3上だけ
でなく、基板上面y方向にわたって分極反転層6を形成
しても良い。
【0029】また、プレーナ電極5(5a,5b)は、
プラズマCVD法を使って形成したシリコン酸化膜のバ
ッファ層上に電解めっき法を用いて形成することができ
る。すなわち、バッファ層上に接着層としてNiCr−
Auを蒸着した後、厚膜レジストをパターニングし、そ
のパターンをガイドにしてAuを電解めっきで成長さ
せ、しかる後、レジストを除去し、Auめっき部分以外
をエッチング除去することにより、電極5(5a,5
b)を作成できる。
【0030】導波路2,3については、上記のような作
成の仕方以外にも、Ti,CU等のかわりに、Rb,C
s,Ag等の約300〜400℃付近で拡散できる金属
を用いることができる。このときには、最初に分極反転
層6を上記と同様の手順で形成し、しかる後、金属イオ
ンをイオン拡散するか、あるいは安息香酸,ピロリン酸
等でプロトン交換することにより、導波路2,3を形成
することができる。また、電極5(5a,5b)の材料
としてAuのかわりにAuやNiを用いることもでき
て、この場合、電極5(5a,5b)は、リフトオフ法
やフォトリソグラフィー,電解めっき法等で形成され
る。
【0031】次に図1のような構成の波長変換素子の動
作について説明する。導波路2に例えばレーザ光源から
の光を入射し、導波路2に基本波BMを導波させると、
この基本波は導波路2をプレーナ電極5の位置まで,す
なわち交差部まで伝搬する。いま、電極5aに電圧が印
加されていないときには、導波路2を伝搬する基本波は
交差部で反射されずに矢印Aに示すように同じ導波路2
を直進し、導波路2から出射され、導波路2から導波路
3への基本波の移行は生じない。なお、この際に、導波
路2中を伝搬する基本波に基づいて導波路2中にはSH
光も発生するが、導波路2においては基本波とSH光と
の位相整合がなされていないので、SH光への変換効率
は極めて悪く、従って、導波路2からは実質上、基本波
のみが出射され、SH光は出射されない。また、導波路
3への基本波の移行がないので、導波路3からもSH光
は出射されない。
【0032】このような状態において、電極5aへの印
加電圧を上昇させると、2本の導波路2,3の交差部に
はポッケルス効果により反射面が形成され、導波路2か
ら導波路3への基本波の移行が生じ、電極5aへの電圧
を所定電圧Vにすると、交差部には全反射面が形成され
るので、導波路2上を交差部まで伝搬した基本波は、交
差部のところで矢印Bに示すように導波路3に全て移行
する。導波路3に移行した基本波は、導波路3を伝搬
し、位相整合部,すなわち分極反転層6のところで実質
的にSH光を生成する。すなわち、分極反転層6のとこ
ろでは、基本波とこれに基づき発生するSH光との位相
が整合し、基本波をSH光に効率良く変換できる。これ
により、導波路3からはSH光が出射される。
【0033】このように図1の例では、電極5aへの電
圧Vを変化させることにより、導波路2から導波路3へ
の基本波の移行を制御し、SH光を実質的に変調させる
ことができる。すなわち、電圧VをON/OFFさせる
ことにより、SH光の出射をON/OFFさせることが
可能となる。
【0034】より具体的には、導波路とプレーナ電極5
との交差角度θを1/100ラジアンとし、波長λが例
えば0.83μmでExooモードの基本波を導波路2に
導波させて、EzooモードのSH光を導波路3から出射
させたいときには、交差部での基本波の全反射に必要な
電界強度は3.0V/μm以上である。また、波長λが
例えば0.83μmで、Ezooモードの基本波を導波路
2に導波させて、EzooモードのSH光を導波路3から
出射させたいときには、交差部での基本波の全反射に必
要な電界強度は0.7V/μm以上である。また、波長
が例えば1.2μmでExooモードの基本波を導波路2
に導波させるときには、全反射に必要な電界強度は3.
1V/μm以上であり、波長が例えば1.2μmでE
zooモードの基本波を導波路2に導波させるときには、
全反射に必要な電界強度は0.72V/μm以上であ
る。
【0035】図3乃至図4は図1に示した波長変換素子
の変形例を示す図である。なお図3乃至図4において、
図1と同様の箇所には同じ符号を付している。
【0036】図3に示す波長変換素子では、図1の波長
変換素子に形成されている位相整合部6と同様の位相整
合部11が導波路2に形成されている。この場合にも、
図1の例と同様に、電極5aへの電圧を変化させること
により、導波路2から導波路3への基本波の移行を制御
し、SH光を実質的に変調させることができるが、図3
の波長変換素子では図1の波長変換素子とは反対に、電
圧が所定電圧Vのときには、SH光は出射されず、電圧
が“0”のときに導波路2からSH光を出射させること
ができる。すなわち、電圧をON/OFFさせることに
より、SH光の出射をOFF/ONさせることができ
る。
【0037】また、図4に示す波長変換素子では、交差
部に対して光の入射側に位相整合部,すなわち分極反転
層20が設けられている。この場合には、導波路2にお
いて基本波が交差部に達する前に、分極反転層20のと
ころでSH光を効率良く発生させ、電極5aの電圧によ
りSH光自体の経路を制御することができて、SH光を
導波路2,3のいずれか一方から常に出射させることが
できる。すなわち電圧が“0”のときにはSH光を導波
路2から出射させ、また電圧が所定値V以上のときには
SH光を導波路3から出射させることができる。なお、
交差角度θが1/100ラジアンであるとき、基本波が
波長0.83μmである場合には、全反射に必要な電界
強度は0.63V/μm以上であり、また、基本波が波
長1.2μmである場合には、全反射に必要な電界強度
は0.68V/μm以上である。
【0038】上述した第1の実施例では、基板1にLi
TaO3を用いており、LiTaO3は光損傷閾値が一般
に高いので、光損傷の度合が小さく、従って、基板1に
LiTaO3を用いることにより長期間使用したとして
も、素子の性能を差程劣化させずに済む。また、LiT
aO3のキュリー点Tcは、600℃程度と低いので、
波長変換素子を比較的低い温度で作成することができ
る。
【0039】これに対し、従来非線形光学結晶として良
く用いられているLiNbO3,またはMgOドープの
LiNbO3は、LiTaO3よりも光損傷閾値が低いの
で、光損傷を受け易く、また、これらのキュリー点Tc
は、約1100℃と高いので、波長変換素子の作成にL
iTaO3に比べて高温の処理を必要とする。しかしな
がら、LiNbO3,MgOドープのLiNbO3を基板
に用いて第1の実施例の波長変換素子と同様の機能をも
つ波長変換素子を作成することはもちろん可能である。
【0040】図5は本発明に係る波長変換素子の第2の
実施例の構成図であって、この第2の実施例では、Li
NbO3,またはMgOドープのLiNbO3の非線形光
学材料(方位がC板の単結晶)を基板21として用いて
いる。図5の波長変換素子は図1に対応した構成となっ
ており、上記基板21上には、2つの導波路22,23
が交差して形成され、また、その交差部にはプレーナ電
極25(25a,25b)が設けられ、さらに、導波路
23上には位相整合部としての分極反転層26が形成さ
れている。
【0041】分極反転層26の分極ドメインのピッチ
は、分極反転層6におけるのと同様に、数3によって定
まる周期Λで作成されている。但し、いまの場合、基板
1にLiTaO3ではなく、LiNbO3,またはMgO
ドープのLiNbO3を用いているので、周期Λは図1
の場合と異なっている。
【0042】すなわち、例えば、基本波が0.83μm
の波長λのものであり、さらその電界方向がx軸方向の
xooモードのもの(常光)を用いると、この基本波の
導波路(LiNbO3)における等価屈折率の波長分散
は2.22となる。また、この基本波に基づき非線形光
学結晶材料の非線形定数d31により発生する0.415
μmの波長(λ/2)のEzooモードのSH光の導波路
における等価屈折率の波長分散は2.22となる。従っ
て、この場合の分極反転の周期Λは、数3により約7μ
mとなり、この場合、約7μmのピッチで分極反転層2
6の分極ドメインを作成すれば、分極反転層26におい
て基本波とSH光との位相を整合させることができる。
【0043】また、例えば、基本波が0.83μmの波
長λのものであり、さらその電界方向がz軸方向のE
zooモードのもの(異常光)を用いると、この基本波の
導波路(LiNbO3)における等価屈折率の波長分散
は2.17となる。また、この基本波に基づき非線形光
学材料の非線形定数d31により発生する0.415μm
の波長(λ/2)のEzooモードのSH光の導波路にお
ける等価屈折率の波長分散は2.28となる。従って、
この場合の屈折率変化の周期Λは、数3により約3.8
μmとなり、この場合、約3.8μmのピッチで分極反
転層26の分極ドメインを作成すれば、分極反転層26
において基本波とSH光との位相を整合させることがで
きる。
【0044】図5のような構成の波長変換素子も図1の
波長変換素子と同様に動作し、電極25aへの電圧を変
化させることにより、導波路22から導波路23への基
本波の移行を制御してSH光を実質的に変調させること
ができる。この場合、ポッケルス定数は、r13が8.6
/106(μm/V),r33が30.8/106(μm/
V)である。従って、導波路とプレーナ電極25との交
差角度θを1/100ラジアンとし、基本波に例えば波
長0.83μm,Exooモードのものを用いる場合、全
反射に必要な電界強度は2.3V/μm以上であり、ま
た、基本波に例えば波長0.83μm,Ezooモードの
ものを用いる場合、全反射に必要な電界強度は0.68
V/μm以上である。
【0045】なお、この第2の実施例では、基板にLi
NbO3のC板を用いているので、全反射を生じさせる
ための印加電圧は、第1の実施例と異なり、負の電圧で
ある。また、第2の実施例においても図5の波長変換素
子を第1の実施例における図3乃至図4のような構成の
ものに変形することもできる。
【0046】図6は本発明に係る波長変換素子の第3の
実施例の構成図である。なお図6において図5と同様の
箇所には同じ符号を付している。この第3の実施例で
は、第2の実施例と同様に、LiNbO3またはMgO
ドープのLiNbO3の基板21上に2本の導波路2
2,23が交差して形成され、交差部には、電極25
(25a,25b)が設けられているが、導波路22,
23上には、分極反転層が形成されていない。すなわ
ち、この構成においては、基本波として約1μm以上の
波長λのExooのものが使用されることを前提としてお
り、基本波が約1μm以上の波長λのExooモードのも
のでSH光にEzooモードのものを用いる場合には、L
iNbO3の複屈折性を用いて位相整合をとることがで
きるため導波光の等価屈折率の周期的変化を与える分極
反転層を必要とせずに、導波路22,23のいずれにお
いてもSH光を効率良く発生させることができる。但
し、この場合には、電極25aへの電圧を変化させても
導波路22,23のいずれか一方から常にSH光が出射
されてしまうので、SH光の変調を行なうため、導波路
22の一部の表面にはクラッディングされた金属層27
を形成している。金属層27としては、Alを用いるこ
とができ、またAlのかわりにNb25スパッタ膜を用
いることができる。
【0047】このような構成では、基本波として、波長
が約1μm以上でExooモードのものを導波路22に入
射させると、導波路22にはSH光が効率良く発生し、
このSH光は交差部のところまで達する。ここで、電極
25aへの電圧が所定電圧Vのときには、交差部に達し
たSH光は、導波路23に移行し、導波路23から出射
される。これに対し、電極25aへの電圧が“0”のと
きには、交差部に達したSH光は導波路23に移行せ
ず、導波路22をさらに伝搬するが、このときにクラッ
ディングされた金属層27により吸収され、導波路22
からはSH光は出射されない。これにより、電圧VのO
N/OFFによりSH光の出射をON/OFFさせるこ
とができる。
【0048】図7は本発明に係る波長変換素子の第4の
実施例の構成図である。この第4の実施例では、LiN
bO3,LiTaO3等の非線形光学材料からなる基板3
1上にプロトン交換のなされた導波路32,33が交差
して形成され、交差部には電極35(35a,35b)
が設けられており、また導波路32の一部の表面には、
クラッディングされた金属層37が形成されている。
【0049】このような構成では、導波路32,33に
プロトン交換光導波路が用いられているので、分極反転
層が別途設けられておらずとも、導波路32,33にお
いてチェレンコフ放射を利用してSH光を発生させるこ
とができる。この場合も、導波路32上にクラッディン
グされた金属層37が形成されるので、導波路32から
出射されようとするSH光をこの金属層37により吸収
し、電圧VのON/OFFによりSH光の出射をON/
OFFさせることができる。
【0050】以上のように、上述の各実施例では、短波
長光を生成する機能とこの短波長光を変調する機能とを
同一の基板上に簡単な構成でコンパクトに実現できるの
で、波長変換素子の小型化を維持することができる。ま
た、短波長光を容易に変調できるので、光ディスク装置
に適した波長変換素子を提供することができる。
【0051】なお、上述の各実施例では、導波路の本数
を2本としたが、さらにそれ以上の本数の導波路を用い
て、より複雑な光変調制御を行なうことも可能である。
また、上述の各実施例において、導波路2,22,32
に光を入射させる場合には、導波路3,23,33の交
差部より手前側は、基板端面まで形成されていなくとも
良い。さらに基板中央についてy軸に対称な構造となる
よう導波路を交差させることもできる。
【0052】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の波長変換
素子によれば、非線形光学媒質からなる複数本の導波路
の交差部には電位差が印加可能に構成されており、複数
本の導波路のうちの少なくとも1本の導波路には、導波
路を導波する基本波に基づき短波長光を効率良く生成さ
せる短波長光生成部または発生した短波長光を消滅させ
る短波長光消滅部が設けられているので、複数本の導波
路において少なくとも1本の導波路に基本波となる光を
入射させ、交差部の電位差を変化させて、基本波または
短波長光の光路を変更することにより、この波長変換素
子から変調された短波長光を効率良く出射させることが
できる。
【0053】上記複数本の導波路をLiTaO3の非線
形光学媒質により形成することによって、長時間使用に
よる素子の性能劣化を抑え、また素子を比較的低い温度
で作成することができる。
【0054】また、上記短波長光生成部が、基本波とこ
れに基づき発生する短波長光との位相を整合させる位相
整合部により構成されている場合には、これにより、短
波長光を効率良く生成することができる。また、上記短
波長光消滅部が、基本波に基づき発生した短波長光を吸
収するクラッディング金属層から構成されている場合に
は、これにより、短波長光を確実に吸収し消滅させるこ
とができる。
【0055】また、複数本の導波路をLiNbO3の非
線形光学媒質により、またはMgOがドープされたLi
NbO3の非線形光学媒質により形成することによっ
て、導波路においてLiNbO3の複屈折性を用いて位
相整合をとることができ、この場合には、短波長光生成
部を別途設けずとも短波長光を効率良く生成できて、こ
れを変調するには短波長光消滅部を設ければ良い。
【0056】また、前記複数本の導波路にプロトン交換
光導波路を用いているときには、チェレンコフ放射を利
用して短波長光を生成でき、この場合に、複数本の導波
路のうちの少なくとも1本の導波路に短波長光消滅部を
設けることにより、短波長光を変調することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る波長変換素子の第1の実施例の構
成図である。
【図2】プレーナ電極に電圧を印加したときの状態を説
明するための図である。
【図3】図1に示す波長変換素子の変形例を示す図であ
る。
【図4】図1に示す波長変換素子の変形例を示す図であ
る。
【図5】本発明に係る波長変換素子の第2の実施例の構
成図である。
【図6】本発明に係る波長変換素子の第3の実施例の構
成図である。
【図7】本発明に係る波長変換素子の第4の実施例の構
成図である。
【図8】従来の導波路型のSHG素子の構成図である。
【符号の説明】
1,21,31 基板 2,3,22,23,32,33 導波路 5,25,35 電極 6,11,20,26 位相整合部(分極
反転層) 27,37 クラッディングさ
れた金属層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形光学媒質からなる複数本の導波路
    が基板に交差して形成され、該交差部には、導波路を導
    波する基本波の光路を変更するための電位差を印加可能
    な電位差印加手段が設けられており、また複数本の導波
    路のうちの少なくとも1本の導波路には、導波路を導波
    する基本波に基づき短波長光を生成する短波長光生成部
    または発生した短波長光を消滅させる短波長光消滅部が
    設けられていることを特徴とする波長変換素子。
  2. 【請求項2】 前記複数本の導波路は、LiTaO3
    非線形光学媒質により形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の波長変換素子。
  3. 【請求項3】 前記短波長光生成部は、基本波とこれに
    基づき発生する短波長光との位相を整合させる位相整合
    部により構成され、前記短波長光消滅部は、基本波に基
    づき発生した短波長光を吸収するクラッディング金属層
    から構成されていることを特徴とする請求項1記載の波
    長変換素子。
  4. 【請求項4】 前記複数本の導波路は、LiNbO3
    非線形光学媒質により、またはMgOがドープされたL
    iNbO3の非線形光学媒質により形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の波長変換素子。
  5. 【請求項5】 前記位相整合部は、所定周期をもつ分極
    反転構造として形成されているか、あるいは非線形光学
    媒質の複屈折性により形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の波長変換素子。
  6. 【請求項6】 前記複数本の導波路には、プロトン交換
    光導波路が用いられており、この場合に、複数本の導波
    路のうちの少なくとも1本の導波路には、短波長光消滅
    部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の波
    長変換素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013069908A1 (en) * 2011-11-11 2013-05-16 Korea Advanced Institute Of Science And Technology Optical modulator using waveguides
WO2013069909A1 (en) * 2011-11-11 2013-05-16 Korea Advanced Institute Of Science And Technology Optical path-changing device having curved waveguide
US9213214B2 (en) 2011-11-11 2015-12-15 Korea Advanced Institute Of Science And Technology Optical path-changing device having curved waveguide

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