JPH05203358A - 穀粒乾燥機の乾燥制御方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】熱風乾燥から休止乾燥への切換を、穀粒の品位
状態の胴割れ及び未熟粒の混入率によって選定しようと
するものである。 【構成】乾燥中の穀粒が所定水分に達すると、熱風乾燥
から休止乾燥への切換を、この乾燥中の穀粒の品位状態
を検出し、この検出の内の胴割れ及び未熟粒の混入率に
よって、休止乾燥への切換を選定する構成である。 【効果】乾燥中の穀粒の品位状態によって乾燥制御が行
われることにより、乾燥効率が向上するし、又良質な乾
燥済穀粒を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、穀粒乾燥機の乾燥制
御方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来は、上部の穀粒貯留室から下部の穀
粒乾燥室へ穀粒を繰出し流下させながら、この乾燥室へ
熱風を通過させてこの乾燥室内を流下中の穀粒は、この
熱風に晒されて乾燥されながら、穀粒水分が設定された
仕上目標水分より、設定された所定水分高い水分値に達
すると、熱風乾燥が停止されて所定時間は休止乾燥さ
れ、その後再度熱風乾燥が開始されて穀粒は乾燥される
乾燥制御方式であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】穀粒乾燥機の穀粒貯留
室内へ収容された穀粒は、この貯留室から穀粒乾燥室内
を繰出し流下する循環が行われながら、熱風が該乾燥室
を通過することにより、この乾燥室内を流下中の穀粒
は、この熱風に晒されて乾燥されながら、穀粒水分が設
定された仕上目標水分より、設定された所定水分高い水
分値に達すると、熱風乾燥が停止されて所定時間は休止
乾燥され、この休止乾燥が所定時間経過すると、再度熱
風乾燥が開始され、穀粒水分が仕上目標水分に達する
と、該乾燥機が停止されて穀粒の乾燥が停止される。

【０００４】この乾燥作業中に、有効な休止乾燥をする
ことにより、穀粒の胴割れ等が防止できて穀粒の品位は
向上するとされているが、この休止乾燥を乾燥中に玄米
の品位を検出して、胴割れ及び未熟粒の混入率を検出
し、この検出によって休止乾燥への切換を選定して有効
な乾燥作業をしようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上部の穀粒
貯留室１から下部の穀粒乾燥室２へ穀粒を繰出し流下さ
せながら熱風を通風して乾燥する穀粒乾燥機において、
この乾燥中の穀粒の胴割れ、及び未熟粒等による穀粒の
品位状態を検出してこれら検出した胴割れ、及び未熟粒
の混入率に基づいて熱風乾燥を停止して休止乾燥への切
換を乾燥制御手段により決定することを特徴とする乾燥
乾燥制御方式の構成とする。

【０００６】

【発明の作用】穀粒乾燥機の穀粒貯留室１内へ収容され
た穀粒は、この貯留室１から穀粒乾燥室２内を繰出し流
下する循環が行われながら、熱風が該乾燥室２を通過す
ることにより、この乾燥室２内を流下中の穀粒は、この
熱風に晒されて乾燥されながら、穀粒水分が設定された
仕上目標水分より、設定された所定水分高い水分値に達
すると、この乾燥中の一部の穀粒が籾摺されて玄米とな
り、この玄米の品位が検出され、被害粒の内の胴割れ混
入率及び未熟粒混入率が検出され、これら検出された混
入率によって、熱風乾燥を停止して所定時間は休止乾燥
に切換するか、熱風乾燥を継続するか、又は熱風乾燥の
乾燥速度を所定速度低下させて乾燥するかが選定され
る。

【０００７】休止乾燥が決定されると、熱風乾燥が停止
され、設定された所定時間は休止乾燥され、この休止乾
燥が所定時間経過すると、再度熱風乾燥が開始され、穀
粒水分が仕上目標水分に達すると、該乾燥機が停止され
て穀粒の乾燥が停止される。熱風乾燥の乾燥速度の低下
が決定されると、今までの熱風温度が設定された所定温
度低温度に変更制御され、穀粒の乾燥速度が設定された
所定速度に減少されて、穀粒は仕上目標水分に達するま
で乾燥される。又熱風乾燥継続が決定されると、今まで
と同じ熱風温度で穀粒は仕上目標水分に達するまで乾燥
される。

【０００８】

【発明の効果】この発明により、乾燥中の穀粒の品位が
検出され、検出された被害粒の内の穀粒の胴割れ混入率
及び未熟粒混入率等によって、熱風乾燥を休止乾燥に変
更、熱風乾燥の乾燥速度低下及び熱風乾燥の継続が選定
されることにより、乾燥中の穀粒の品位に応じた乾燥制
御が行われることとなり、このため効率的な穀粒乾燥が
できると同時に、良質な乾燥済穀粒を得ることができ
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図例は、穀粒を乾燥する循環型の穀粒乾燥機５
に穀粒水分を検出する水分センサ３及びバーナ４等を装
着した状態を示すものである。前記乾燥機５は、前後方
向に長い長方形状で機壁６上部には、移送螺旋を回転自
在に内装した移送樋７及び天井板８を設け、この天井板
８下側には穀粒を貯留する穀粒貯留室１を形成してい
る。

【００１０】前記貯留室１下側において、左右両側の排
風室９，９と中央部の送風室１０との間には左右の穀粒
乾燥室２，２を設けた構成であり、この乾燥室２，２下
部には穀粒を繰出し流下させる繰出バルブ１１，１１を
回転自在に軸支している。この乾燥室２，２下側には移
送螺旋を回転自在に内装した集穀樋１２を連通させた構
成としている。

【００１１】前記機壁６正面側において、前記送風室１
０入口側に対応すべくこの前側の機壁６外側面には、前
記バーナ４を内装したバーナケース１３を着脱自在に装
着すると共に、このバーナ４、前記水分センサ３及び前
記乾燥機５を張込、乾燥及び排出の各作業別に始動及び
停止操作する操作装置１４を着脱自在に装着して設けて
いる。

【００１２】又前記機壁６の背面側には左右の前記排風
室９，９に連通しうる排風路室１５を形成し、この排風
路室１５中央後部側排風胴１６には排風機１７及びこの
排風機１７を回転駆動する排風機モータ１８を設けてい
る。１９はバルブモータで前記繰出バルブ１１，１１を
減速機構を介して回転駆動する構成としている。

【００１３】前記バーナケース１３下板外側には、燃料
バルブを有する燃料ポンプ２０を設け、この燃料バルブ
の開閉によりこの燃料ポンプ２０で燃料タンク２１内の
燃料を吸入して前記バーナ４へ供給する構成であり、又
上板外側には、送風機２２を変速回転駆動する変速用の
送風機モータ２３を設け、供給燃料量に見合った燃焼用
空気を該バーナ４へこの送風機２２で送風する構成とし
ている。

【００１４】前記移送樋７底板の前後方向中央部には、
移送穀粒を前記貯留室１内へ供給する供給口を設け、こ
の供給口の下側にはこの貯留室１内へ穀粒を均等に拡散
還元する拡散盤２４を設けた構成としている。昇穀機２
５は、前記機壁６前外部に設けられ、内部にはバケット
コンベア２６付ベルトを張設してなり、上端部は、前記
移送樋７始端部との間において投出筒２７を設けて連通
させ、下端部は、前記集穀樋１２終端部との間において
供給樋２８を設けて連通させた構成としている。

【００１５】２９は昇穀機モータで、該バケットコンベ
ア２６付ベルト、前記移送樋７内の前記移送螺旋、前記
拡散盤２４及び前記集穀樋１２内の前記移動螺旋等を回
転駆動する構成としている。前記昇穀機２５の上下方向
ほぼ中央部には、穀粒水分を検出する前記水分センサ３
を設けている。この水分センサ３は前記操作装置１４か
らの電気的測定信号の発信により、水分モータ３０が回
転してこの水分センサ３の各部が回転駆動される構成で
あり、前記バケットコンベア２６で上部へ搬送中に落下
する穀粒を受け、この穀粒を挾圧粉砕すると同時に、こ
の粉砕穀粒の水分を検出する構成としている。

【００１６】前記乾燥機５前側には、箱形状の穀粒検査
装置３１を設置し、この検査装置３１と前記昇穀機２５
との間には、穀粒水分が所定水分に達すると、前記バケ
ットコンベア２６で上部へ搬送中に落下する穀粒を受け
て、この検査装置３１へ供給する流下筒３２を設けた構
成としている。前記検査装置３１は、上部より、前記昇
穀機２５から該流下筒３２を経て供給される穀粒を受け
て、籾摺する籾摺装置３３を設け、この籾摺装置３３下
側には籾摺された穀粒を籾殻と玄米とに選別する選別装
置３４及び選別送風機３５を設け、この選別装置３４下
側には、該選別装置３４で選別された小米を機外へ流下
排出する流下棚３６及び選別された精玄米を受けて、こ
の精玄米の穀粒、被害粒、着色粒、死米、異品種穀粒及
び異物等を検出して品位を検出する玄米品位計３７を設
けた構成であり、この玄米品位計３７は、玄米の品位が
検出され、例えば、検出された被害粒の内の胴割れ粒か
ら同割れ混入率及び検出され、又精粒内の検出された未
熟粒の未熟粒混入率等が算出される構成であり、これら
算出された混入率は、前記操作装置１４へ通信される構
成であり、この検査装置３１の各部は検査モータ３７′
で回転駆動する構成としている。

【００１７】前記操作装置１４は、箱形状でこの箱体の
表面板には、前記乾燥機５を張込、乾燥及び排出の各作
業別に始動操作する始動スイッチ３８、停止操作する停
止スイッチ３９、該乾燥機５で乾燥する穀粒の仕上目標
水分を操作位置により設定する水分設定抓み４０、前記
バーナ４から発生する熱風温度を操作位置により設定す
る穀物種類設定抓み４１及び張込量設定抓み４２を設
け、又各種項目をデジタル表示するデジタル表示部４３
を設けた構成としている。

【００１８】又内部には、前記水分センサ３及び前記玄
米品位計３７が検出する検出値を入力するＣＰＵ４４等
よりなる乾燥制御手段の制御装置４５を設けた構成であ
り、このＣＰＵ４４により、前記各モータ１８，１９，
２３，２９，３０，３７′及び前記燃料ポンプ２０等を
始動、停止及び制御する構成であり、又該ＣＰＵ４４に
は前記以外に前記始動・停止スイッチ３８，３９の操
作、前記設定抓み４０，４１，４２の操作の入力及び前
記バーナ４から発生する熱風温度を熱風温センサ４６が
検出し、この検出値も入力される構成としている。

【００１９】前記制御装置４５による熱風乾燥から休止
乾燥への切換制御は、下記の如く行われる構成である。
即ち、前記水分設定抓み４０を操作して設定した仕上目
標水分の、例えば、３％〜５％高い穀粒水分を前記水分
センサ３が検出して前記ＣＰＵ４４へ入力されると、前
記検査装置３１の前記玄米品位計３７で精玄米の胴割及
び未熟粒が検出され、胴割れ混入率及び未熟粒混入率が
算出されて、該ＣＰＵ４４へ入力され、これらの入力に
よって、図２の如く、熱風乾燥を休止乾燥に切換制御
か、休止乾燥に切換は行われないが、乾燥速度を０．５
％／Ｈ以下に制御か、又は同じ熱風温度で継続熱風乾燥
かに選定されて、区分けされた乾燥に制御される構成と
している。

【００２０】休止乾燥の制御は、休止乾燥時間が前記Ｃ
ＰＵ４４へ設定して記憶させた、例えば、２時間行われ
た後に、又再熱風乾燥に切換える構成であり、乾燥速度
の制御は、前記設定抓み４１，４２の操作で設定された
熱風温度が５３℃であったとすると、この５３℃で乾燥
されて、乾燥速度が０．８％／Ｈであったとすると、こ
の乾燥速度０．８％／Ｈ以下になるように変更する構成
であり、このため設定されたこの熱風温度５３℃を所定
温度低温度に変更されて乾燥する構成であり、又継続熱
風乾燥制御は、設定された５３℃の熱風温度で継続され
て乾燥する構成としている。

【００２１】併せて、前記制御装置４５は次の機能を有
する。乾燥制御は上記以外に、下記の如く行なわれる構
成であり、前記水分設定抓み４０を操作して設定した仕
上目標水分と同じ穀粒水分を前記水分センサ３が検出す
ると、穀粒の乾燥が終了したとして、前記乾燥機５を自
動停止して、穀粒の乾燥を停止する構成としている。又
乾燥開始時は、前記設定抓み４１，４２の操作によって
設定される前記バーナ４から発生する設定熱風温度と、
前記熱風温度センサ４６が検出する検出熱風温度とが比
較され、相違していると設定熱風温度と同じ温度になる
ように、前記燃料バルブの開閉回数が制御されて、前記
燃料ポンプ２０で前記燃料タンク２１より吸入する燃焼
用燃料量が制御される構成であり、又所定水分値に達す
ると、上記の如く、制御が行われる構成としている。

【００２２】以下、上記実施例の作用について説明す
る。操作装置１４の設定抓み４０，４１，４２を所定位
置へ操作し、穀粒の乾燥作業を開始する始動スイッチ３
８を操作することにより、穀粒乾燥機５の各部、バーナ
４及び水分センサ３等が始動し、該バーナ４から設定し
た熱風が発生し、この熱風は送風室１０から穀粒乾燥室
２，２を通過して排風室９，９及び排風路室１５を経て
排風機１７で吸引排風されることにより、穀粒貯留室１
内へ収容された穀粒は、この貯留室１から該乾燥室２，
２内を流下中にこの熱風に晒されて乾燥され、繰出バル
ブ１１，１１で下部へと繰出されて流下して集穀樋１２
から供給樋２８を経て昇穀機２５内へ下部の移送螺旋で
移送供給され、バケットコンベア２６で上部へ搬送され
て投出筒２７を経て移送樋７内へ供給され、この移送樋
７から拡散盤２４上へ上部の移送螺旋で移送供給され、
この拡散盤２４で該貯留室１内へ均等に拡散還元されて
循環乾燥され、該水分設定抓み４０を操作して設定した
仕上目標水分と同じ穀粒水分を該水分センサ３が検出す
ると、穀粒の乾燥が終了したと検出され、制御装置４５
で自動制御して該乾燥機５が自動停止され、穀粒の乾燥
が停止される。

【００２３】この乾燥作業中に、該水分センサ３が検出
する穀粒水分が、該水分設定抓み４０を操作して設定し
た仕上目標水分より所定水分高水分を検出すると、この
乾燥中の穀粒は穀粒検査装置３１の籾摺装置３３で籾摺
され、籾摺されて選別されたこの玄米を玄米品位計３７
で玄米の品位が検出され、品位の内の胴割れ及び未熟粒
の検出から、同割れ混入率及び未熟粒混入率が検出さ
れ、これらの検出値によって熱風乾燥を休止乾燥に切換
されて、この休止乾燥が所定時間行われた後に再度熱風
乾燥に切換られて穀粒は乾燥されるか、休止乾燥には切
換られないが、穀粒乾燥速度は所定速度低速度に変更さ
れて穀粒は乾燥されるか、又は休止乾燥には切換られな
いで同じ熱風温度で穀粒は乾燥されるか、上記の内のい
ずれかが選定されて穀粒は乾燥される。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明の一実施例を示す。

【図１】ブロック図。

【図２】熱風乾燥と休止乾燥との一覧表。

【図３】穀粒乾燥機の全体側面、及び穀粒検査装置の一
部断面せる全体側面図。

【図４】図３のＡ−Ａ拡大断面図。

【図５】穀粒乾燥機の一部の一部破断せる拡大正面図。

【符号の説明】

１ 穀粒貯留室 ２ 穀粒乾燥室

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部の穀粒貯留室１から下部の穀粒乾燥
   室２へ穀粒を繰出し流下させながら熱風を通風して乾燥
   する穀粒乾燥機において、この乾燥中の穀粒の胴割れ、
   及び未熟粒等による穀粒の品位状態を検出してこれら検
   出した胴割れ、及び未熟粒の混入率に基づいて熱風乾燥
   を停止して休止乾燥への切換を乾燥制御手段により決定
   することを特徴とする乾燥乾燥制御方式。