JPH05202620A - コンクリート構造物類の亀裂の補修工法 - Google Patents

コンクリート構造物類の亀裂の補修工法

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JPH05202620A
JPH05202620A JP3290092A JP3290092A JPH05202620A JP H05202620 A JPH05202620 A JP H05202620A JP 3290092 A JP3290092 A JP 3290092A JP 3290092 A JP3290092 A JP 3290092A JP H05202620 A JPH05202620 A JP H05202620A
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cracks
polyurethane prepolymer
hydrophilic polyurethane
crack
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JP3290092A
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Minoru Sawaide
稔 沢出
Junichi Iketani
純一 池谷
Tsutomu Makino
勉 牧野
Takayuki Nagura
貴之 名倉
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 コンクリート構造物類の亀裂が乾燥状態、あ
るいは十分に湿潤していない場合であっても、満足し得
る発泡及び反応硬化が生起し、全ての亀裂を発泡硬化ポ
リウレタン樹脂で密封、接着することができる。 【構成】 一液型親水性ポリウレタンプレポリマー5と
吸水膨潤した高吸水性樹脂4をコンクリート構造物類1
の亀裂2内に供給した後、表面を封止することにより、
該一液型親水性ポリウレタンプレポリマー5が吸水膨潤
した高吸水性樹脂4の膨潤水と反応して発泡・硬化し、
この時の発泡圧及び体積膨張によって該コンクリート構
造物類1中の亀裂2の狭間中に浸入して亀裂2を密封、
接着する。吸水膨潤した高吸水性樹脂として、吸水膨潤
した高吸水性樹脂4が表面に接着されてなる紙又は高吸
水性樹脂糸で織られた布、綿あるいは紐に高吸水性樹脂
を用いることも好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンクリート構造物
類の亀裂補修工法に関し、特に、コンクリート構造物類
の亀裂中に注入された一液型親水性ポリウレタンプレポ
リマーと吸水膨潤した高吸水性樹脂の膨潤水との反応に
よる発泡圧及び体積膨張により、コンクリート構造物中
の全ての亀裂を密封、接着するコンクリート構造物類の
亀裂の補修工法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】湿気硬
化型ポリウレタンプレポリマーは水と反応して硬化し、
その化学反応の過程で炭酸ガスを生成して発泡及び体積
が膨張することは良く知られており、その発泡圧力は拘
束状態では50Kg/cm2以上にも達すると言われている。
この性質を利用して、岩盤の亀裂箇所やコンクリート構
造物類の漏水箇所に主に前記プレポリマーから成る注入
剤を止水剤として高圧力で注入し、水と反応させて急速
に硬化させ、ポリウレタンの発泡硬化体で岩盤やコンク
リート構造物(以下、コンクリート構造物類という)の
亀裂、間隙を充填することにより漏水を止める止水方法
が、従来から行なわれている。
【0003】また、一液型親水性ポリウレタンプレポリ
マーからなる止水用注入剤をコンクリート構造物類の漏
水箇所に形成した密閉室内に注入、封止することによ
り、該一液型親水性ポリウレタンプレポリマーがコンク
リート構造物類中の漏水と反応して発泡・硬化し、この
時の発泡圧及び体積膨張によって該コンクリート構造物
類中の漏水箇所の全ての亀裂の狭間中に侵入して亀裂を
密封、接着し、これによってコンクリート構造物類の水
密性の復元及び強度の回復を行うというコンクリート構
造物類の止水方法が実施されている。しかしながら、コ
ンクリート構造物類の亀裂が乾燥状態の場合、あるいは
十分に湿潤していない場合には、(1)一液型親水性ポ
リウレタンプレポリマーと反応する水分が無いか又は少
ないこと、(2)仮に、一液型親水性ポリウレタンプレ
ポリマーに水を添加、撹拌して用いると、その混合物は
撹拌後、1〜2分間で発泡を開始し、十分な作業時間が
確保できないこと、また(3)一液型親水性ポリウレタ
ンプレポリマーと水を撹拌せずに適用しても、乾燥した
コンクリート類中へ水が吸収されてしまうため、一液型
親水性ポリウレタンプレポリマーに対する最適量の水の
供給がコントロールできないこと、等の問題点があり、
発泡及び反応硬化が不適当となって、コンクリート構造
物類中の全ての亀裂を発泡硬化体で密封、接着すること
が困難である。
【0004】さらに、コンクリート構造物類中の亀裂が
乾燥した状態のもであっても亀裂が横方向の場合には、
亀裂内部に予め十分量の水を注入して濡らすことによっ
て反応水を確保することも可能であるが、亀裂が縦方向
の場合、特に天井部に亀裂が形成されているような場合
には、水を上方へ注入維持することは非常に困難であっ
て、必要な発泡及び反応硬化が得られない。さらにま
た、建物の天井や床の亀裂を補修すべく、亀裂部に水を
注入すると、それら表面の内装材を濡らして汚すことと
なり、採用され難い。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、前
記のような問題点を解決すべく研究を重ねた結果、コン
クリート構造物類の亀裂が乾燥状態、あるいは十分に湿
潤していない場合であっても、満足し得る発泡及び反応
硬化が生起し、全ての亀裂を発泡硬化ポリウレタン樹脂
で密封、接着することができるコンクリート構造物類の
亀裂補修工法を開発した。すなわち本発明は、一液型親
水性ポリウレタンプレポリマーと吸水膨潤した高吸水性
樹脂をコンクリート構造物類の亀裂内に供給した後、表
面を封止することにより、該一液型親水性ポリウレタン
プレポリマーが吸水膨潤した高吸水性樹脂の膨潤水と反
応して発泡・硬化し、この時の発泡圧及び体積膨張によ
って該コンクリート構造物類中の亀裂の狭間中に浸入し
て亀裂を密封、接着し、これによってコンクリート構造
物類の水密性の復元と強度の回復を行うことを特徴とす
るコンクリート構造物類の亀裂の補修工法である。
【0006】本発明工法を実施するには、まずコンクリ
ート構造物類の亀裂箇所の調査を行い、亀裂箇所に削孔
した後、該削孔部へ亀裂補修剤を注入するための注入管
を取り付け、その周辺を急結剤で定着して亀裂箇所表層
部に密閉室を形成し、該注入管に注入端子を取り付け、
該注入管より一液型親水性ポリウレタンプレポリマーと
吸水膨潤した高吸水性樹脂からなる亀裂補修剤を注入
し、注入した亀裂補修剤が外部へ流出しないように注入
管をシールし、最後に、亀裂補修剤の発泡・硬化による
亀裂封止を確認してからコンクリート構造物類の表面処
理を行うことが好ましい。その際においては、注入管に
注入端子を取り付けた後、該注入管よりまず吸水膨潤し
た高吸水性樹脂を注入し、次いで一液型親水性ポリウレ
タンプレポリマーを注入してもよい。
【0007】また、吸水膨潤した高吸水性樹脂が表面に
接着されている紙又は高吸水性樹脂糸で織られた布、綿
あるいは紐と一液型親水性ポリウレタンプレポリマーと
をコンクリート構造物類の亀裂内に供給した後、表面を
封止することによって行うこともできる。あるいはま
た、コンクリート構造物類の亀裂箇所の調査を行い、亀
裂箇所に削孔し、該削孔内に吸水膨潤した高吸水性樹脂
が表面に接着されている紙又は高吸水性樹脂糸で織られ
た布、綿あるいは紐を挿入した後、次いで一液型親水性
ポリウレタンプレポリマーを注入し、しかる後表面を封
止し、最後に、亀裂補修剤の発泡・硬化による亀裂封止
を確認してからコンクリート構造物類の表面処理を行う
こともできる。
【0008】本発明における高吸水性樹脂は、その10
0〜1000倍量の水を吸水して膨潤するものであり、
長期にわたって膨潤保水状態を維持し得るものである。
したがって、水を流体ではない、ゲル状物となして取り
扱うことを可能とするものである。高吸水性樹脂として
は、ポリアクリル酸ソーダ系、デンプン/ポリアクリル
酸系、ポリビニルアルコール系、カルボキシメチルセル
ロース系等が挙げられる。また、一液型親水性ポリウレ
タンプレポリマーは周知のものであるが、水に接触する
と、それと反応して炭酸ガスを生成して発泡すると同時
に架橋重合して硬化するものであり、ポリエステルグリ
コール、ポリエーテルグリコール等のポリオールと、末
端にイソシアネート基を有する化合物とを反応させた反
応生成物であって、例えばエチレングリコールにエチレ
ンオキシドとプロピレンオキシドとを重合させて得られ
る共重合体と、トリレンジイソシアネートとの反応物で
ある。 本工法に用いる一液型親水性ポリウレタンプレ
ポリマーは、ポリエーテルと芳香族ポリイソシアネート
を主原料とし、分子端末にイソシアネート基を有する一
液型親水性ポリウレタンプレポリマー(一液型水架橋ポ
リウレタンプレポリマー)が好ましい。
【0009】本発明に用いる一液型親水性ポリウレタン
プレポリマーは、本発明にあるように自由発泡させる場
合には、一液型親水性ポリウレタンプレポリマーの自由
発泡させた発泡硬化体は水の量が少ないと大きな収縮を
示す。また、水の量が多きすぎると発泡硬化体の強度が
大幅に低下すると共に、発泡硬化体の独立気泡率が低下
し、止水・密封能力に問題が生じる恐れがある。本発明
においては、一液型親水性ポリウレタンプレポリマーと
吸水膨潤した高吸水性樹脂との重量混合比は、1:0.
2〜4.0(ただし、高吸水性樹脂の100倍吸水物と
して算出)であることが好ましい。一液型親水性ポリウ
レタンプレポリマーと吸水膨潤した高吸水性樹脂との重
量混合比が1:0.2よりも低い場合は、一液型親水性
ポリウレタンプレポリマーの発泡硬化体は大きな収縮を
示し、体積が1/3〜1/2になってしまう。一液型親
水性ポリウレタンプレポリマーと吸水膨潤した高吸水性
樹脂との重量混合比が1:4.0よりも大きな場合は、
得られた発泡硬化体の強度が低くなると共に、独立気泡
率が低くなる。100倍吸水の高吸水性樹脂を用いた場
合、最大発泡倍率が得られる重量混合比は1:0.4付
近である。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 実施例1:本例は、コンクリート構造物類の上方へ伸び
ている乾燥亀裂を、吸水膨潤した高吸水性樹脂と一液型
親水性ポリウレタンプレポリマーを用いて密封、接着す
る場合を示す。図1に示す実施例の工程図A〜Iにした
がって詳しく説明する。まず、予め補修すべき乾燥亀裂
2を有するコンクリート構造物1面を掃除して、付着
物、不要物、水あか、こけ、アルカリ生成物等を取り除
き、コンクリートの地肌を露出させ、亀裂箇所を正確に
探して調べ、マークする。そこで、削孔作業工程(A)に
おいて、亀裂2の中心部にコンクリートの厚さから考慮
して強度に悪影響を与えない範囲でドリル7で削孔し
て、凹部6’を形成(凹部形成工程B)する。次いで、
注入管挿入工程(C)において、中空の銅管又はアルミ
管製の補修剤注入管8を凹部6’へ挿入し、密閉工程
(D)において、削孔により形成された凹部6’の中に
挿入された注入管8の中間部周辺を急結モルタル等の急
結剤3でシールすると同時に、コンクリート構造物1表
層部に蓋をするようにして築盛して密閉室6を形成す
る。次に、ニップル取付工程(E)において、注入管8
の入口端部にニップル8’を取付け、さらに吸水膨潤し
た高吸水性樹脂注入工程(F)において、同ニップル
8’の他端に吸水膨潤した高吸水性樹脂4を収容した圧
入容器(例えば、グリースガン)9を取付けて、注入調
整弁9aを手指で押圧しながら、適当量の吸水膨潤した
高吸水性樹脂4を密閉室6内へ注入する。その後、吸水
膨潤した高吸水性樹脂入りの圧入容器9を取り外し、こ
れに代えて一液型親水性ポリウレタンプレポリマーを収
容した圧入容器9’を取り付け、注入調整弁9bを手指
で押圧しながら、適当量の一液型親水性ポリウレタンプ
レポリマー5を密閉室6内の吸水膨潤した高吸水性樹脂
4の上に注入・供給する。
【0011】さらに注入管シール工程(H)において、注
入を終わった注入管8からニップル8’と一液型親水性
ポリウレタンプレポリマーを収容した圧入容器9’を取
り外し、注入管8の基部を押しつぶして折り曲げて、シ
ールする。発泡・硬化工程(I)において、コンクリー
ト構造物内の小亀裂や毛細管状の亀裂内に高吸水性樹脂
の吸水膨潤水と一液型親水性ポリウレタンプレポリマー
とが化学反応して発泡しながら序々に体積を増大し、侵
入して硬化し、全ての亀裂2を密封、接着する。一液型
親水性ポリウレタンプレポリマーと吸水膨潤した高吸水
性樹脂との化学反応によって硬化物が形成される時間及
び発泡体の強度発現の状況は、亀裂の幅、コンクリート
の含水率の多少、高吸水性樹脂によるゲル水の量の多
少、一液型親水性ポリウレタンプレポリマーの量の多少
などで変動するので一概にはいえないが、一般に常温時
において、3〜12時間であり、以後24時間経過する
と硬化物の強度はほぼ一定となる。なお以上の全作業工
程が終わって数日〜10日以上経過して、漏水等が認め
られる時はその漏水箇所についてもう一度前記作業を繰
り返して行う。最後に、注入管を切断し、表面を平面化
処理し、全作業工程を終了する。なお、注入した補修剤
は注入口を完全に閉鎖されているのでコンクリート構造
物中にとじ込められた状態となり、表面へ流失すること
はできない。本実施例の亀裂補修剤の1成分である、一
液型親水性ポリウレタンプレポリマーとしては、ポリエ
ーテルと芳香族ポリイソシアネートを主原料とし、分子
端末にイソシアネート基を有する一液型親水性ポリウレ
タンである「N.Lペースト」(商品名:武田薬品工業
株式会社製)を用いた。その性状を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】また、高吸水性樹脂としては、ポリアクリ
ル酸ソーダ系のものである「土壌改質材」(商品名:三
菱油化株式会社製)のヒドロゲル(吸水膨潤高吸水性樹
脂)を用いた。その100倍吸水物(高吸水性樹脂の水
膨潤物)の性状は表2に示すとおりである。
【0014】
【表2】
【0015】本工法のための試験において、水道水を吸
水させた高吸水性樹脂(ポリアクリル酸ソーダ系)「土
壌改質材」(商品名:三菱油化株式会社製)の100倍
吸水物と一液型親水性ポリウレタンプレポリマー「N.
Lペースト」(商品名:武田薬品工業株式会社製)とを
各種接触方法で接触反応させ、その発泡開始時間、発泡
終了硬化時間、発泡倍率、比重等を測定した。その試験
結果は、表3に示すとおりであった。なお、表中では一
液型親水性ポリウレタンプレポリマーを単に「ウレタ
ン」と表した。また、「高吸水性樹脂」は100倍吸水
物を意味する。
【0016】
【表3】
【0017】なお、このようにして発泡・硬化したウレ
タン発泡物は独立気泡率が82%以上となっており、優
れた止水効果があるので亀裂から水がモレ出てくるよう
なことはない。上記実施例においては、一液型親水性ポ
リウレタンプレポリマーとヒドロゲルとの重量混合比
は、1:0.2〜4.0(ただし、ヒドロゲルは高吸水
性樹脂の100〜1000倍吸水物の場合)が特に好ま
しいことが解った。
【0018】一液型親水性ポリウレタンプレポリマーと
ヒドロゲル水溶液との重量混合比が1:0.2よりも低
い場合は、一液型親水性ポリウレタンプレポリマーの発
泡硬化体は大きな収縮を示し、体積が1/3〜1/2に
なってしまう。一液型親水性ポリウレタンプレポリマー
とヒドロゲルとの重量混合比が1:4.0よりも大きな
場合は、得られた発泡硬化体の強度が低くなると共に、
独立気泡率が低くなる。100倍吸水のヒドロゲルを用
いた場合、最大発泡倍率が得られる重量混合比は1:
0.4付近であった。
【0019】実施例2:本例は、コンクリート構造物中
の亀裂内に、吸水膨潤した高吸水性樹脂(実施例1の高
吸水性樹脂と同一種のもの)が表面に接着されている紙
又は高吸水性樹脂糸で織られた布、綿あるいは紐を挿入
した後、コンクリート構造物表面を封止することによ
り、該一液型親水性ポリウレタンプレポリマーが上記紙
布等表面の水と反応して発泡・硬化し、この時の発泡圧
及び体積膨張によって該コンクリート構造物類中の亀裂
の狭間中に発泡物が浸入して亀裂を密封、接着し、これ
によってコンクリート構造物類の水密性の復元と強度の
回復を行う方法である。図2に示す実施例の工程図a〜
eにしたがって詳しく説明する。まず、実施例1の場合
と同様に、予め補修すべき乾燥亀裂2を有するコンクリ
ート構造物1面を掃除して、付着物、不要物、水あか、
こけ、アルカリ生成物等を取り除き、コンクリートの地
肌を露出させ、亀裂箇所を正確に探して調べ、マークす
る。そこで、削孔作業工程(a)において、亀裂2の中心
部にコンクリートの厚さから考慮して強度に悪影響を与
えない範囲でドリル7で斜め下方へ削孔して、削孔部1
0を形成する。次いで、水分挿入工程(b)において、
削孔分10内に吸水膨潤した高吸水性樹脂糸で作った紐
4’を挿入する。なお、該紐4’は、強度のあるポリエ
ステルとの混紡で作り、補強性を高めた。
【0020】その後、一液型親水性ポリウレタンプレポ
リマー注入工程(c)において、削孔部10内に前記紐
4’の上部を覆うようにして、一液型親水性ポリウレタ
ンプレポリマー5を注入する。その注入は、圧入容器
(例えば、グリースガン)9を用いて注入調整弁9aを
手指で押圧しながら行う。次いで、密閉工程(d)にお
いて、削孔部10入口部周辺を急結モルタル等の急結剤
3でシールし、放置による発泡・硬化工程(e)におい
て、コンクリート構造物内の小亀裂や毛細管状の亀裂内
に前記紐の吸水膨潤水と一液型親水性ポリウレタンプレ
ポリマーとが化学反応して発泡しながら序々に体積を増
大し、コンクリート内の小亀裂や毛細管状の亀裂にまで
侵入して硬化し、全ての亀裂2を密封、接着してゆく。
なお、(b)工程と(c)工程は逆順であってもよい。
すなわち、一液型親水性ポリウレタンプレポリマー5を
注入した後、その上に前記紐4’を挿入してもよい。最
後に、急結剤3シール部を平面化処理し、全作業工程を
終了する。
【0021】本発明は、以上実施例に挙げたほか、各種
建造物、文化財等に生じた亀裂を補修するのにも適用で
きるものである。
【0022】
【発明の効果】以上実施例等において説明したとおり、
本発明によれば以下のような優れた作用効果が得られ
る。 親水性ー液型ポリウレタンプレポリマーと発泡反応
するに必要な量の水分を、過不足無く、供給することが
でき、コンクリート構造物類中の亀裂を充分にかつ適切
強度の発泡硬化物で、密封、接着して補修することがで
きる。しかも、発泡反応は緩急適宜調整して進行させる
ことができ、発泡・硬化物の体積を増大させ、全ての亀
裂を閉塞させることができる。 亀裂が縦方向の場合、特に天井部に亀裂が形成され
ているような場合であっても、水分を上方で維持するこ
とができるので、一液型親水性ポリウレタンプレポリマ
ーとの適当な発泡及び反応硬化を達成できる。さらにま
た、建物の天井や床の亀裂の補修も内装材を濡らして汚
すことなしに、実施することができる。 吸水膨潤した高吸水性樹脂、一液型親水性ポリウレ
タンプレポリマーの両者は充填作業中には適度の流動性
を有し、充填作業が容易であり、しかも得られる密封、
接着体が充分な強度と止水効果を奏する。 高吸水性樹脂に吸収された膨潤水は、一液型親水性
ポリウレタンプレポリマーと徐々に反応するので、十分
な作業時間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリート構造物類の上方へ伸びている乾燥
亀裂を、吸水膨潤した高吸水性樹脂と一液型親水性ポリ
ウレタンプレポリマーを用いて密封、接着する場合の作
業工程(A〜I)図を示す。
【図2】吸水膨潤した高吸水性樹脂糸で織られた紐と一
液型親水性ポリウレタンプレポリマーをコンクリート構
造物類の亀裂内に挿入して亀裂を密封、接着し、コンク
リート構造物類の水密性の復元と強度の回復を行う作業
工程(a〜e)図を示す。
【符号の説明】
1:コンクリート構造物 2:乾燥亀裂 3:急結剤 4:高吸水性樹脂 4’:吸水膨潤した高吸水性樹脂糸で織られた紐 5:一液型親水性ポリウレタンプレポリマー 6:密閉室 6’:凹部 7:ドリル7 8:補修剤注入管 8’:ニップル 9、9’:圧入容器 9a、9b:注入調整弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名倉 貴之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一液型親水性ポリウレタンプレポリマー
    と吸水膨潤した高吸水性樹脂をコンクリート構造物類の
    亀裂内に供給した後、表面を封止することにより、該一
    液型親水性ポリウレタンプレポリマーが吸水膨潤した高
    吸水性樹脂の膨潤水と反応して発泡・硬化し、この時の
    発泡圧及び体積膨張によって該コンクリート構造物類中
    の亀裂の狭間中に浸入して亀裂を密封、接着し、これに
    よってコンクリート構造物類の水密性の復元と強度の回
    復を行うことを特徴とするコンクリート構造物類の亀裂
    の補修工法。
  2. 【請求項2】 コンクリート構造物類の亀裂箇所の調査
    を行い、亀裂箇所に削孔し、該削孔部へ亀裂補修剤を注
    入するための注入管を取り付け、その周辺を急結剤で定
    着して亀裂箇所表層部に密閉室を形成し、該注入管に注
    入端子を取り付け、該注入管より一液型親水性ポリウレ
    タンプレポリマーと吸水膨潤した高吸水性樹脂からなる
    亀裂補修剤を注入し、注入した亀裂補修剤が外部へ流出
    しないように注入管をシールし、最後に、亀裂補修剤の
    発泡・硬化による亀裂封止を確認してからコンクリート
    構造物類の表面処理を行うことを特徴とするコンクリー
    ト構造物類の亀裂補修工法。
  3. 【請求項3】 注入管に注入端子を取り付けた後、該注
    入管よりまず吸水膨潤した高吸水性樹脂を注入し、次い
    で一液型親水性ポリウレタンプレポリマーを注入するこ
    とを特徴とする請求項2記載のコンクリート構造物類の
    亀裂補修工法。
  4. 【請求項4】 吸水膨潤した高吸水性樹脂が表面に接着
    されている紙又は高吸水性樹脂糸で織られた布、綿ある
    いは紐と一液型親水性ポリウレタンプレポリマーとをコ
    ンクリート構造物類の亀裂内に供給した後、表面を封止
    することにより、該一液型親水性ポリウレタンプレポリ
    マーが吸水膨潤した高吸水性樹脂の膨潤水と反応して発
    泡・硬化し、この時の発泡圧及び体積膨張によって該コ
    ンクリート構造物類中の亀裂の狭間中に浸入して亀裂を
    密封、接着し、これによってコンクリート構造物類の水
    密性の復元と強度の回復を行うことを特徴とするコンク
    リート構造物類の亀裂の補修工法。
  5. 【請求項5】 コンクリート構造物類の亀裂箇所の調査
    を行い、亀裂箇所に削孔し、該削孔内に吸水膨潤した高
    吸水性樹脂が表面に接着されている紙又は高吸水性樹脂
    糸で織られた布、綿あるいは紐と一液型親水性ポリウレ
    タンプレポリマーを挿入し、次いで一液型親水性ポリウ
    レタンプレポリマーを注入し、しかる後表面を封止し、
    最後に、前記挿入物と注入物との発泡・硬化による亀裂
    封止を確認してからコンクリート構造物類の表面処理を
    行うことを特徴とするコンクリート構造物類の亀裂補修
    工法。
JP3290092A 1992-01-24 1992-01-24 コンクリート構造物類の亀裂の補修工法 Pending JPH05202620A (ja)

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