JPH05202112A - ハロメチル基を有するアゾ系重合開始剤及びこの重合剤を用いて得た高分子重合開始剤とこれ等の重合開始剤を用いたブロック重合体の製造方法 - Google Patents

ハロメチル基を有するアゾ系重合開始剤及びこの重合剤を用いて得た高分子重合開始剤とこれ等の重合開始剤を用いたブロック重合体の製造方法

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JPH05202112A
JPH05202112A JP36127991A JP36127991A JPH05202112A JP H05202112 A JPH05202112 A JP H05202112A JP 36127991 A JP36127991 A JP 36127991A JP 36127991 A JP36127991 A JP 36127991A JP H05202112 A JPH05202112 A JP H05202112A
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JP36127991A
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Shunichi Himori
俊一 檜森
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温重合開始基と高温重合開始基とを同一分
子内に有する、開始剤およびどちらか一方の開始基を有
する高分子重合開始剤とこれ等の重合開始剤を用いてブ
ロック共重合体を製造する方法を提供する。 【構成】 一般式(1)で示されるハロメチル基を有す
るアゾ系重合開開始剤一般式(1) 【化1】 (ここでRは−CO−O−C2m−、−C
2n−CO−O−C2m−又は、−C2n−O
−CO−C2m−を示し(nmは1〜10の自然数
を示す)、Rは単素数1〜5のアルキル基を示し、Y
は少なくとも1個以上のハロゲンを有する、ハロメチル
基を示す。)と、この重合開始剤を用いて重合して得た
どちらか一方の開始基を有する高分子重合開始剤と、こ
れ等の重合開始剤を用いてブロック重合体を製造する方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロメチル基を有するア
ゾ系重合開始剤に関するものである。更に詳しくは本発
明は分子内のハロメチル基に還元剤を作用させエチレン
性不飽和単量体をレドックスラジカル重合させることに
よりアゾ基含有高分子を合成でき、又一方、分子内のア
ゾ基を用いてエチレン性不飽和単量体をラジカル熱重合
させることによりハロメチル基含有高分子を合成できる
アゾ系重合開始剤およびその製造方に関するものであ
る。これ等アゾ基含有高分子、ハロメチル基含有高分子
ともそれぞれ熱や還元剤の作用により重合開始能を有す
る高分子重合開始剤である。さらにこれ等の重合開始剤
を用いて重合を行ない、ブロック共重合体を製造する方
法も含まれる。
【0002】
【従来の技術】分子内に開始温度あるいは開始機構のこ
となる開始基を有する重合開始剤は、ブロックポリマー
を合成するために有用である。即ち、低温開始基A及び
高温開始基Bを同一分子内に有する重合開始剤を用い
て、Aが開始し、Bは保存される条件で第1のモノマー
を重合し、開始基Bを分子内に有する高分子重合開始剤
を合成する。この高分子重合開始剤を用いて、開始基B
が開始する条件で第2のモノマーを重合し、ブロック共
重合体を得るのである。このような異種の開始基を有す
る開始剤としてはアゾ基と過酸化基を有する開始剤が提
案されている(J.S.N.Su、I.Piirma、
JournalofApplied Polymer
Science 33巻、(1987年)727頁以下
参照)程度であり、その具体例はほとんど報告されてい
ない。その理由は以下に述べるようにこのような開始剤
は本質的に合成困難だからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この異種の開始基を有
する開始剤は以下の条件を満足する必要がある。
【0004】 両者の開始基の開始温度に両者充分な
差異があること。通常30℃以上の差が望まれる。 低温開始基Aは、室温でも充分安定であることが望
ましく、保存安定上は開始温度は高ければ高いほど良
い。 高温開始基Bの開始温度は重合時の副反応を防止す
る意味から、あまり高くないことが望ましい。通常は8
0℃以下が望まれる。これ等の条件のうち、を満足
させようと思うとと矛盾し、一方を満足させようと
するとあるいはを犠牲にしなければならず、この三
者は互いにトレードオフの関係になっており、原理的に
、、を同時に満足させることは極めて困難であ
る。
【0005】この3条件をある程度満足させるべく例え
ば、低温開始温度を50℃、高温開始温度を80℃に選
んで開始剤の分子設計を計画したとしても、その条件を
満足させる化合物を見出したり、分子設計するのは、開
始基の組み合わせがアゾ基か、パーオキサド基に限られ
ているため、事実上極めて困難なのが実状である。その
ため、上述の文献にあるジターシャリーブチル−4,
4′−アゾビス−(4−シアノパーオキシバレレート)
以外ほとんど報告がないのである。なおこの化合物は分
子内にパーオキサイドを有しているため微量の金属や衝
撃によっても容易に分解する欠点もある。以上のように
上記3条件を満足する開始剤は原理的にも合成上も極め
て困難なのである。
【0006】本発明者は、鋭意検討した結果、低温開始
基は還元剤を添加することにより低温で重合開始し、一
方高温開始基は還元剤に対して反応しないアゾ系開始基
であり、熱によって重合開始するような化合物が上述の
3つの条件を満足すること、またこの化合物が比較的容
易に合成出来ることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「 (1) 一般式(1)で示されるハロメチル基を有
するアゾ系重合開始剤一般式(1)
【化2】 (ここでRは−CO−O−C2m−、−C
2n−CO−O−C2m−又は、−C2n−O
−CO−C2m−を示し、(n、mは1〜10の自
然数を示す)、Rは単素数1〜5のアルキル基を示
し、Yは少なくとも1個以上のハロゲンを有する、ハロ
メチル基を示す。) (2) 両末端に水酸基を有するアゾ系重合開始剤に、
ハロメチル基を有するカルボン酸ハライドを反応させる
ことを特徴とする1項に記載のアゾ系重合開始剤の製造
法。 (3) 両末端にカルボン酸ハライドを有するアゾ系重
合開始剤に、ハロメチル基を有するアルコールを反応さ
せることを特徴とする1項に記載のアゾ系重合開始剤の
製造法。 (4) 1項に記載のハロメチル基を有するアゾ系重合
開始剤に還元剤を作用させ、エチレン性不飽和単量体を
レドックスラジカル重合させて得た分子の主鎖中にアゾ
基を有する重合体からなる、アゾ基含有高分子重合開始
剤。 (5) 1項に記載のハロメチル基を有するアゾ系重合
開始剤を用いて、エチレン性不飽和単量体をラジカル熱
重合させて得た分子の両端部又は1端部にハロメチル基
を有する重合体からなるハロメチル基含有高分子重合開
始剤。 (6) 1項に記載された重合開始剤を用いて重合開始
基の一方を用いてエチレン性不飽和単量体を重合させ、
次に他方の重合開始基を使用して他のエチレン性不飽和
単量体を重合させることを特徴とするブロック重合体の
製造方法。 (7) 4項または5に記載された高分子重合開始剤を
使用し、開始剤の高分子を形成する単量体とは異なるエ
チレン性不飽和単量体を重合させることを特徴とするブ
ロック重合体の製造方法。」に関する。
【0008】本発明のハロメチル基を有するアゾ系重合
開始剤(以下低分子開始剤と言うことがある。)は低温
開始基としてハロメチル基を両末端に有しており、高温
開始基としてはアゾ基を分子中央に有している。このハ
ロメチル基は比較的強力な還元剤、亜二チオン酸塩やス
ルフィン酸塩等と接触しない限りラジカル解離せず、そ
のような還元剤不在化では200℃以下では事実上ラジ
カル開始はせず、一方強力な還元剤存在下では0〜20
℃でも容易にレドックス的に開始するのである。アゾ基
は60〜80℃の熱により開始し、還元剤の存在により
開始温度が下がったり、開始速度が増大することがな
い。
【0009】従って、本発明の低分子重合開始剤は還元
剤を避けさえすれば高温開始基を保護できる温度条件で
保存すればよく、30〜50℃に保存すれば事実上失活
することはないのであり保存性は良好である。なお本発
明の低分子開始剤の低温開始基は、還元剤が存在すれば
低温でも開始するという意味であり、その基自体が低温
で開始するという意味ではない。
【0010】本発明の低分子開始剤を用いてブロック共
重合体を合成する手法としてハロメチル基を還元剤を
作用させ低温でレドックス的にエチレン性不飽和単量体
を重合させ、主鎖中にアゾ基を有する高分子開始剤を合
成する。この高分子開始剤を用いて他のエチレン性不飽
和単量体を重合させる手法。又はアゾ基を利用し60
〜80℃の比較的高温下でエチレン性不飽和単量体を重
合し、一端および/または両末端にハロメチル基を有す
る高分子開始剤を合成する。この高分子開始剤を用いて
他のエチレン性不飽和単量体を重合させる手法の2種が
あり、いずれの手法でもかまわない。
【0011】
【作用】以下、本発明を具体的に説明する。
【0012】〈本発明の低分子重合開始剤〉本発明の重
合低分子開始剤は、次の一般式(1)で示されるハロメ
チル基を有するアゾ系開始剤である。一般式(1)
【化3】 (ここでRは−CO−O−C2m−、−C
2n−CO−O−C2m−又は、−C2n−O
−CO−C2m−を示し(n、mは1〜10の自然
数を示す)、Rは単素数1〜5のアルキル基を示し、
Yは少なくとも1個以上のハロゲンを有する、ハロメチ
ル基を示す。)
【0013】n,mは1〜10であるが溶解性の面から
1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。Rはアル
キル基であり炭素数1〜5の中でも1〜3がより好まし
い。Yはハロメチル基であり、トリハロメチルないし、
ジハロメチルが好ましく、特にトリハロメチルが好まし
い。開始能力はハロメチル基中のハロゲン数が多いほど
大きいからである。この際ハロゲンは同一でも異種であ
ってもよい。好ましいハロゲンの種類としては塩素、臭
素及びヨウ素であるが塩素、臭素が特に好ましい。これ
は、開始能力が炭素−ハロゲン元素の結合エネルギーに
依存し、上述のハロゲン元素が最も好ましいエネルギー
範囲にあるからである。本発明の開始剤は具体的には以
下の化合物等が挙げられる。
【0014】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【0015】〈製造法〉前述の本発明の重合開始剤はい
ずれも低温における水酸基とカルボン酸ハライドのエス
テル化反応により合成できる。具体的には原料の違いに
より2種類の製造経路がある。
【0016】 両末端に水酸基を有するアゾ系重合開
始剤に、ハロメチル基を有するカルボン酸ハライドを反
応させる手法
【0017】 両末端にカルボン酸ハライドを有する
アゾ系重合開始剤に、ハロメチル基を有するアルコール
を反応させる手法
【0018】上記の反応とも同種の化学反応である
ため、反応条件は同様である。これ等の反応は定量的に
進行し、カルボン酸ハライドに対して当モルのアルコー
ルの比率で充分な収率が得られるので、反応経路自体で
どちらが好ましいといういうことはなく、もっぱら原料
の種類、目的重合開始剤の性能等に応じて適宜選ばれ
る。以下原料、製造条件、触媒等について説明する。
【0019】(原料)で用いられる両末端に水酸基を
有するアゾ系重合開始剤は下記一般式(2)で示される
ものである。一般式(2)
【化28】 (ここでm,Rは一般式(1)と同様の意味を示す)
具体的には
【0020】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】 等が挙げられる。
【0021】又、で用いられるハロメチル基を有する
カルボン酸ハライドは下記一般式(3)又は(4)で示
されるものである。 Y−CO−X (3) (ここでYは一般式(1)と同様の意味を示し、Xはハ
ロゲン元素を示す)
【0022】具体的にはCClCOCl、CCl
OBr、CClCOI、CBrCOCl、CBr
COBr、CBrCOI、HCClCOCl、HC
ClCOBr、HCClCOI、HCBrCOC
l、HCBrCOBr、HCBrCOI、BrCC
COCl、BrCClCOBr、BrCCl
OI、ClCBr2COCl、ClCBr2COBr、
ClCBr2COI、等が挙げられる。
【0023】 YC2nCOX (4) (ここでn,Yは一般式(1)とXは一般式(3)と同
様の意味を示す)
【0024】具体的にはCClCHCOCl、CC
CHCOBr、CClCHCOI、CBr
CHCOCl、CBrCHCOBr、CBr
COI、CClCHCHCOCl、CCl
CHCHCOBr、CClCHCHCOI、
CBrCHCHCOCl、CBrCHCH
COBr、CBrCHCHCOI、HCCl
COCl、HCClCHCOBr、HCCl
CHCOI、HCBrCHCOCl、HCBr
CHCOBr、HCBrCHCOI、BrCCl
CHCOCl、BrCClCHCOBr、Br
CClCHCOI、ClCBrCHCOCl、
ClCBrCHCOBr、ClCBrCHCO
I、等が挙げられる。
【0025】で用いられる両末端にカルボン酸ハライ
ドを有するアゾ系重合開始剤は下記一般式(5)で示さ
れるものである。一般式(5)
【化33】 (ここでm,Rは一般式(1)と、Xは一般式(3)
と同様の意味を示す。)
【0026】具体的には
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】 等が挙げられる。
【0027】又、で用いられる、ハロメチル基を有す
るアルコールは下記一般式(6)で示されるものであ
る。
【0028】YC2nOH (6) (ここでn,Yは一般式(1)と同様の意味を示す)
【0029】具体的にはCClCHOH、CBr
CHOH、HCClCHOH、HCBrCH
OH、BrCClCHOH、ClCBrCH
H、CClCHCHOH、CBrCHCH
OH、HCClCHCHOH、HCBrCH
CHOH、BrCClCHCHOH、ClCB
CHCHOH、等が挙げられる。
【0030】(製造条件)この反応に用いられる試薬、
溶剤、気体等は充分乾燥し、脱水したものを用いなけれ
ばならない。なぜならば、カルボン酸ハライドは容易に
水と反応しカルボン酸及び塩酸を生じ、このカルボン酸
はカルボン酸ハライドに比して、アルコールに対する反
応性が著しく低く、結果的に目的開始剤の純度、収率を
下げるからである。
【0031】この反応の反応温度は用いるアゾ系開始剤
の10時間半減期温度より30℃以上低い温度を用いる
べきである。なぜならばこの範囲以上低い温度で反応を
行なえば、事実上、用いるアゾ系開始剤のアゾ基の分解
がほとんど問題にならないからである。具体的には反応
温度は−10℃〜30℃が好ましくー5℃〜20℃がよ
り好ましい。この反応は水酸基を有しない低沸点の有機
溶剤中で行なうことが好ましい。なぜなら水酸基を有し
ていると原料中に含まれるカルボン酸ハライドと反応す
るからであり、高沸点だと溶剤を除去する際の温度でア
ゾ基の分解が起るからである.好ましい溶剤としては、
低級炭化水素、低級ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水
素、ケトン類、エーテル類、エステル類が挙げられ、具
体的には、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジク
ロロエタン、ベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチ
ル、等が挙げられる。
【0032】なお、この低分子開始剤を開始剤溶液、も
しくは開始剤分散液として用いる場合や、高分子開始剤
製造あるいはブロック共重合体製造という一連の連続し
た過程を溶液あるいは分散液状態のまま行なう場合は分
散媒をその過程で除去しないので、必ずしも溶剤は低沸
点である必要はない。これ等の有機溶剤は単独でも又は
混合して用いてもかまわない。反応熱除去のためには原
料物質の合計重量に対して同重量以上用いることが好ま
しく、2倍重量以上用いることがより好ましい。
【0033】(触媒)この反応自体は無触媒でも充分進
行するが、アミン類、アルカリ性化合物を触媒に用いて
もよい。具体的にはトリエチルアミン、トリメチルアミ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を原料物質に
対して0.1〜2倍モル用いることが好ましい。
【0034】〈本発明の高分子重合開始剤〉本発明は重
合開始基を含む高分子、即ち高分子重合開始剤にも関す
る。以下高分子重合開始剤について説明する。
【0035】(アゾ基含有高分子開始剤)本発明の低分
子重合開始剤はハロメチル基およびアゾ基を含有した開
始剤であることは前述した通りである。本発明の前記の
低分子重合開始剤のアゾ基を低温で保持したままハロメ
チル基に還元剤を作用させ、エチレン性不飽和単量体を
重合させることにより分子中央にアゾ基を有する高分子
重合開始剤を得ることができる。この重合機構は酸化還
元(レドックス)を伴うので一般にレドックス重合と呼
ばれている。
【0036】 還元剤 ハロメチル基中のハロゲン元素を還元できかつ、アゾ基
に対して不活性であれば、どの様な還元剤も用いること
ができる。例えば亜二チオン酸塩、ホスフィン酸塩、ア
ミノ化合物が挙げられ、具体的には、亜二チオン酸ナト
リウム、亜二チオン酸カリウム、ホスフィン酸ナトリウ
ム、ホスフィン酸カルシウム、N,N−ジメチルトルイ
ジン、N,N−ジエチルトルイジン、等が挙げられる。
いずれも本発明の低分子開始剤1モルに対して0.01
〜10モル用いられる。なお本発明の低分子開始剤は疎
水性であるため、親水性の亜二チオン酸塩あるいはホス
フィン酸塩を還元剤として用いる場合は相互拡散を促す
ために開始剤1モルに対して0.01〜10モルの相間
移動触媒を用いるとよい。相間移動触媒としてはオニウ
ム化合物、イオノフォア類が挙げられ、具体的には、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアン
モニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウム
クロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライ
ド等の4級アンモニウム塩、テトラフェニルホスホニウ
ムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、
トリオクチルエチルホスホニウムブロマイド等の4級ホ
スホニウム塩、18−クラウン−6等のクラウンエーテ
ル、アザクラウン、チアクラウン、クリプタンド等が挙
げられる。
【0037】 エチレン性不飽和単量体 エチレン性不飽和単量体としては、ラジカル重合可能な
エチレン性二重結合をもつものであるならば、いずれも
用いることができる。本発明では、これ等単量体の中か
ら一種又は二種以上を適宜選択して用いることができ
る。用いるエチレン性不飽和単量体としては、たとえ
ば、(イ)芳香族モノビニル単量体、例えばスチレン、
p−クロロメチルスチレン、o−アミノスチレン、α−
メチルスチレン等、(ロ)(メタ)アクリル系単量体、
例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n
−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)ア
クリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)ア
クリル酸i−オクチル、(メタ)アクリル酸l−メチル
−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)
アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、(メタ)アクリル
アミド等、(ハ)ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニル
等、(ニ)ハロゲン化ビニリデン、例えば塩化ビニリデ
ン等、(ホ)その他、例えば酢酸ビニル、イソブチレ
ン、シアン化ビニリデン、ビニルピロリドン、ビニルピ
リジン、N−ビニルカルバゾール、メチルビニルケト
ン、ビニルイソシアナート、無水マレイン酸、N置換マ
レイミド等、があげられる。さらに、ラジカル重合性ビ
ニル基を1分子中に1個有し、主鎖がスチレン、(メ
タ)アクリル酸エステル、ポリシロキサンなどから構成
されたマクロモノマーもあげられる。なお、本明細書に
記載の「(メタ)アクリル」は、それぞれアクリルおよ
びメタクリルの総称である。
【0038】 重合 前述の重合機構が行われるのであれば、どの様な反応態
様でも本発明の低分子開始剤を用いる重合は可能であ
る。すなわち、塊状重合、液状重合、懸濁重合、分散重
合、エマルジョン重合等のいずれでもかまわない。特
に、相間移動触媒を用いる際は、イオン解離を促進させ
るために水、あるいはアルコール、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシドのような極性溶媒を一定量以
上用いることが好ましい。特に水は、衛生性、後処理の
簡便さ、コスト等の面で最も好ましい媒体である。すな
わち具体的には、水性溶媒、すなわち水単独または水溶
性極性溶媒と水との混合物中に、本発明の低分子開始剤
およびエチレン性不飽和単量体を分散させ、重合を行な
うことが好ましい。この際、用いるエチレン性不飽和単
量体の重量と同量以上の媒体を用いることが好ましく、
特に2〜5倍程度が好ましい。
【0039】重合雰囲気は空気でもそれほど大きな重合
阻害にはならないが、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の
不活性気体を用いることが好ましい。重合温度は、用い
る本発明の開始剤中のアゾ基の安定性によるが一般的に
0〜30℃が好ましい。重合に際してハロゲン不含の分
散助剤、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸
ソーダ、界面活性剤、を用いることができる。又架橋防
止、分子量調節のため、ハロゲン不含分子量調整剤、ハ
ロゲン不含の連鎖移動剤、例えばn−ブチルメルカプタ
ン、α−メチルスチレンダイマー等を用いることもでき
る。本発明の低分子開始剤は一般の重合開始剤と同様エ
チレン性不飽和単量体100重量部に対して0.01〜
10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部用いられ
る。この範囲未満では重合収率が低いし、この範囲超過
では、未反応開始剤の残存が無視できないからである。
こうして主鎖にアゾ基を有する高分子重合開始剤が得ら
れる。
【0040】(ハロメチル基含有高分子開始剤)本発明
の低分子開始剤のハロメチル基を保持したままアゾ基を
熱によりラジカル解離させ、エチレン性不飽和単量体を
重合させることにより、両末端あるいは、片末端にハロ
メチル基を有する高分子重合開始剤を得ることができ
る。この機構はごく一般的なラジカル熱重合である。
【0041】 エチレン性不飽和単量体 前述の(アゾ基含有高分子開始剤)の項で述べたエチレ
ン性不飽和単量体と全く同じ単量体を用いることができ
る。
【0042】 重合 ごく一般的な熱重合であるため、熱重合に用いられる重
合態様ならいずれも用いることができる。即ち、塊状重
合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、エマルジョン重合
等である。重合温度は、用いる本発明の開始剤の10時
間半減期温度程度ないしはそれ以上が好ましい。具体的
には本発明の開始剤においては40〜150℃、より好
ましくは60〜100℃が用いられる。重合雰囲気、本
発明の開始剤及び媒体のエチレン性不飽和単量体に対す
る量は前述の(アゾ基含有高分子開始剤)の項で述べた
条件と同一である。又、一般の熱重合で用いられる分散
助剤、分子量調整剤、連鎖移動剤も用いることができ
る。なおハロメチル基保護のため還元作用のあるものは
系内に持ちこんではならない。
【0043】〈ブロック共重合体の製造〉本発明の開始
剤を用いて得られる高分子重合開始剤は、アゾ基含有高
分子開始剤とハロメチル基含有高分子開始剤の2種類あ
るためブロック共重合体の製造経路も2種類ある。
【0044】 アゾ基含有高分子開始剤を用いる方法 アゾ基含有高分子自体を熱重合開始剤として、該高分子
開始剤を構成する単量体と異なるエチレン性不飽和単量
体を重合させることによってブロック共重合体を得るこ
とができる。該高分子開始剤を用いる重合は、用いるエ
チレン性不飽和単量体、重合態様、重合温度、重合雰囲
気、分散助剤、分子量調整剤、連鎖移動剤については前
述の(ハロメチル基含有高分子開始剤)の項で述べた条
件と同様であり、低分子重合開始剤の代りにアゾ基含有
高分子重合開始剤を用いればよい。ただし該高分子開始
剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体の1/9〜9よ
り好ましくは1/4〜4が用いられる。なぜならこの範
囲外では得られたブロック共重合体がブロック共重合体
としての性質を充分発揮できないからである。
【0045】 ハロメチル基含有高分子開始剤を用い
る方法 ハロメチル基含有高分子開始剤自体に対して還元剤を作
用させ、該高分子開始剤を構成する単量体と異なるエチ
レン性不飽和単量体を重合させることによってブロック
共重合体を得ることができる。
【0046】該高分子開始剤を用いる重合は還元剤、エ
チレン性不飽和単量体、重合態様、重合雰囲気、分散助
剤、分子量調整剤、連鎖移動剤については(アゾ基含有
高分子開始剤)の項で述べた条件と同様、それぞれ、低
分子重合開始剤の代りにハロメチル基含有高分子重合開
始剤を用いればよい。この工程では該高分子開始剤中に
事実上アゾ基は存在せず又、保護する必要もないため、
重合温度は低温である必要はなく0〜150℃より好ま
しくは30〜100℃が用いられる。ただし該高分子開
始剤の使用量はアゾ基含有高分子開始剤を用いる場合と
同一の理由により同様の範囲が好ましい。
【0047】本発明のブロック共重合体の製造は、高分
子重合開始剤を製造し、この開始剤を用いてブロック共
重合体を製造する方法の他、高分子重合開始剤の製造と
ブロック共重合体の製造を連続して行なうことも出来
る。本発明の低分子重合開始剤を用いて高分子重合開始
剤とブロック共重合体を連続して製造する経路は二種類
考えられる。
【0048】(1) 第1工程 本発明の低分子重合開始剤のアゾ基を用いてエチレン性
不飽和単量体をラジカル熱重合し、ハロメチル基含有高
分子開始剤を製造する。 第2工程 引き続き前ラジカル熟重合工程と異なるエチレン性不飽
和単量体を導入し、高分子開始剤に充分含浸せしめ、レ
ドックスラジカル重合させることによりブロック共重合
体を得る。
【0049】(2) 第1工程 本発明の低分子重合開始剤のトリハロメチル基を用いて
エチレン性不飽和単量体をレドックスラジカル重合させ
て、アゾ基含有高分子開始剤を製造する。 第2工程 引き続き前レドクッスラジカル重合工程と異なるエチレ
ン性不飽和単量体を導入し、高分子開始剤を充分含浸せ
しめ、ラジカル熱重合させることによりブロック共重合
体を得る。
【0050】ここで(2)の手法はでレドックスラジ
カル重合を行なわせるために用いた、還元剤、相間移動
触媒等が、の重合の重合禁止ないし重合抑制効果を持
ちうるため、それらを除去しなければならないので、工
業的には(1)の手法が好ましい。
【0051】具体的には、第1工程は重合態様としては
分散媒を用いた溶液重合、懸濁重合、分散重合、エマル
ジョン重合で、エチレン性不飽和単量体をラジカル熱重
合を行ない、トリハロメチル基含有高分子開始剤溶液又
は分散液を製造する。この際重合温度、重合雰囲気、本
発明の開始剤及び媒体のエチレン性不飽和単量体に対す
る量はハロメチル基含有高分子の項で述べた条件と同一
である。又、分散助剤、分子量調整剤、連鎖移動剤につ
いても、ハロメチル基含有高分子開始剤の項で述べたの
と同様の条件である。
【0052】次に、第2工程として高分子重合開始剤を
製造する際に用いた単量体と異なるエチレン性不飽和単
量体を同一の重合装置中でレドックスラジカル重合を行
なうのである。第2工程として具体的には、該高分子開
始剤溶液あるいは分散液の高分子開始剤に対して充分、
単量体を含浸させ、かかる後に還元剤を作用させレドッ
クスラジカル重合を行なわせるのである。含浸時間は、
該高分子開始剤の組成、分子量、結晶化度、用いる単量
体と、分散媒の種類、量等により種々異なるが、通常2
0〜80℃の温度範囲で0.5〜30時間必要とする。
該高分子開始剤を用いるレドックスラジカル重合は還元
剤、エチレン性不飽和単量体、重合温度、重合雰囲気、
分散助剤、分子量調整剤、連鎖移動剤については「ハロ
メチル基含有高分子開始剤を用いる方法」の項で述べた
のと同一の理由により、同様の範囲が好ましい。なお、
この第2工程で第1工程で用いた分散媒と同一あるいは
異種の分散媒を追加して行なうことが好ましい。この場
合、分散媒の合計の重量は、生成するブロック共重合体
の重量と同量以上が好ましく、特に2〜5倍程度が好ま
しい。
【0053】
【実施例】次に実施例について本発明を具体的に説明す
る。
【0054】実施例1 氷水を入れ、0℃に保ったウォーターバス内に撹拌機、
窒素導入用キャピラリー管、及びコンデンサーを備えた
500mlのセパラブルフラスコを設置する。このセパ
ラブルフラスコに脱水したクロロホルム100g、2,
2−アゾビス(2−シアノプロパノール)9.81g及
びトリエチルアミン10.12gを仕込み、微量の窒素
ガスを導入しながら、トリクロロアセチルクロイド9.
09gを脱水クロロホルム100gに溶解した溶液を滴
下ろうとにて約1時間で加える。その後15℃で1時
間、更に30℃で1時間反応させる。反応液を11の分
液ろうとに入れ、200gの純水を加え水洗する。同様
の水洗をさらに2回繰返し、常温にてロータリーエバポ
レーターにより蒸発乾固させる。その結果、8.95g
の褐色粘調液体を得た。元素分析の結果は塩素43.7
重量%、窒素11.5重量%、酸素13,1重量%、炭
素29.6重量%、水素2.1重量%であった。これを
開始剤Aとする。
【0055】実施例2 2,2−アゾビス(2−シアノプロパノール)の代りに
2,2−アゾビス(2−シアノペンタノイッククロリ
ド)14.45gを用い、トリクロロアセチルクロリド
の代りに、トリクロロエタノール7.42gを用いる他
は合成例1同様の操作を行なった。その結果、9.05
gの褐色粘調液体を得た。元素分析の結果、塩素39.
2重量%、窒素10.3重量%、酸素11.8重量%、
炭素35.4重量%、水素3.3重量%であった。これ
を開始剤Bとする。
【0056】実施例3 温調器付きのウォーターバス内に、撹拌機、窒素導入用
キャピラリー管及びコンデンサーを備えた500mlの
セパラブルフラスコを設置する。このセパラブルフラス
コにメタクリル酸メチル100g、トルエン200g、
及び開始剤Aを1.6gを仕込み、微量の窒素を導入し
ながら70℃で4時間重合させ、更に80℃で4時間重
合させる。反応液を3Kgのヘキサン中で沈澱させ、▲
ろ▼過後固形分を80℃に保った減圧乾燥器で10時間
乾燥させた。その結果、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子
量(Mn)32,000、同重量平均分子量(Mw)6
5,000のポリメタクリル酸メチル94.8gを得
た。これをポリマーAとする。
【0057】実施例4 メタクリル酸メチルの代りにスチレンを用いる他は実施
例3と同様の操作を行なった。その結果GPCによるポ
リスチレン換算のMnが33,000、Mwが66,5
00のポリスチレン93.1gを得た。これをポリマー
Bとする。
【0058】実施例5 開始剤Aの代りに開始剤Bを1.8g用いる他は実施例
3と同様の操作を行なった。その結果GPCによるポリ
スチレン換算のMnが32,000、Mwが65,50
0のポリメタクリル酸メチル94.5gを得た。これを
ポリマーCとする。
【0059】実施例6 実施例3同様のセパラブルフラスコにメタクリル酸メチ
ル100g、開始剤A1.6g、純水200g、ホスフ
ィン酸ナトリウム−水和物8g、テトラブチルアンモニ
ウムブロマイド3.2gを仕込み、微量の窒素を導入し
ながら、30℃で8時間重合させる。反応分散液を▲ろ
▼過し、固形分を水洗した後、更にメタノールでリンス
し、その後、30℃に保った減圧乾燥器で20時間乾燥
させた。その結果GPCによるポリスチレン換算のMn
が43,000、Mwが88,000のポリメタクリル
酸メチルを95.2gを得た。これをポリマーDとす
る。
【0060】実施例7 メタクリル酸メチルの代りにスチレンを用いる他は実施
例6と同様の操作を行なった。その結果GPCによるポ
リスチレン換算のMnが46,000、Mwが93,0
00のポリスチレン94.8gを得た。これをポリマー
Eとする。
【0061】実施例8 実施例3と同様のセパラブルフラスコに、ポリマーA5
0g、スチレン50g、純水200gを仕込み、微量の
窒素を導入しながら70℃で3時間、モノマーをポリマ
ーに含浸させる。その後、ホスフィン酸ナトリウム−水
和物8gテトラブチルアンモニウムブロマイド3.2g
を加え更に70℃で5時間重合させる。反応分散液を▲
ろ▼過し、固形分を水洗した後、更にメタノールでリン
スし、その後80℃に保った減圧乾燥器で10時間乾燥
させた。その結果GPCによるポリスチレン換算のMn
は71,000、Mwが145,000の共重合体9
5.8gを得た。この共重合体をアセトニトリとシクロ
ヘキサンで順次抽出分離する方法(抽出分離法)によ
り、ブロック化率を求めたところ65.3重量%であっ
た。
【0062】実施例9 ポリマーAのかわりにポリマーB、スチレンの代りにメ
タクリル酸メチルを用いる他は実施例8と同様の操作を
行なった。その結果GPCによるポリスチレン換算のM
nは73,000、Mwが148,000の共重合体9
6.6gを得た。抽出分離法によると、ブロック化率6
6.3重量%であった。
【0063】実施例10 ポリマーAの代りにポリマーCを用いる他は実施例8と
同様の操作を行なった。その結果GPCによるポリスチ
レン換算のMnは72,000、Mwが148,000
の共重合体95.5gを得た。抽出分離法によると、ブ
ロック化率64.2重量%であった。
【0064】実施例11 実施例3と同様のセパラブルフラスコに、ポリマーD5
0g、スチレン50g、純水200gを仕込み、微量の
窒素を導入しながら30℃で3時間、モノマーをポリマ
ーに含浸させる。その後70℃で3時間重合させ、更に
80℃で2時間重合させる。反応分散液を▲ろ▼過し、
固形分を水洗した後、更にメタノールでリンスし、その
後80℃に保った減圧乾燥器で10時間乾燥させた。そ
の結果GPCによるポリスチレン換算のMnは70,0
00、Mwが143,000の共重合体95.2gを得
た。抽出分離法によると、ブロック化率66.5重量%
であった。
【0065】実施例12 ポリマーDの代りにポリマーE、スチレンの代りにメタ
クリル酸メチルを用いる他は実施例11と同様の操作を
行なった。その結果GPCによるポリスチレン換算のM
nは73,000、Mwが148,000の共重合体9
6.0gを得た。抽出分離法によると、ブロック化率6
7・0重量%であった。
【0066】実施例13 温調器付きのウォーターバス内に、撹拌機、窒素導入用
キャピラリー管及びコンデンサーを備えた1リットルの
セパラブルフラスコを設置する。このセパラブルフラス
コにスチレン100g、純水200g、及び開始剤Aを
1.6g仕込み、微量の窒素を導入しながら70℃で4
時間重合させ、更に80℃で4時間重合させる。引き続
き、撹拌しながら、純水200gを加え、更にメタクリ
ル酸メチル100gを加え、70℃で2時間、重合物に
単量体を含浸させる。その後、ホスフィン酸ナトリウム
1水和物16g、テトラブチルアンモニウムブロマイド
6.4gを加え、70℃で5時間重合させる。反応分散
液を▲ろ▼過し、固形分を水洗いした後、更にメタノー
ルでリンスし、その後80℃に保った減圧乾燥器で10
時間乾燥させた。その結果、GPCによるポリスチレン
換算のMnは73,100Mwが149,000の共重
合体193.5gを得た。抽出分離法によるとブロック
化率は64.4重量%であった。
【0067】
【発明の効果】本発明の開始剤は、30℃程度の熱や衝
撃に対して安定であり、かつエチレン性不飽和単量体を
用いて容易にブロックポリマーを合成することが出来
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示されるハロメチル基を
    有するアゾ系重合開始剤一般式(1) 【化1】 (ここでRは−CO−O−C2m−、−C
    2n−CO−O−C2m−又は、−C2n−O
    −CO−C2m−を示し(n,mは1〜10の自然
    数を示す)、Rは単素数1〜5のアルキル基を示し、
    Yは少なくとも1個以上のハロゲンを有する、ハロメチ
    ル基を示す。)
  2. 【請求項2】 両末端に水酸基を有するアゾ系重合開始
    剤に、ハロメチル基を有するカルボン酸ハライドを反応
    させることを特徴とする請求項1に記載のアゾ系重合開
    始剤の製造法。
  3. 【請求項3】 両末端にカルボン酸ハライドを有するア
    ゾ系重合開始剤に、ハロメチル基を有するアルコールを
    反応させることを特徴とする請求項1に記載のアゾ系重
    合開始剤の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のハロメチル基を有する
    アゾ系重合開始剤に還元剤を作用させ、エチレン性不飽
    和単量体をレドックスラジカル重合させて得た分子の主
    鎖中にアゾ基を有する重合体からなる、アゾ基含有高分
    子重合開始剤。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のハロメチル基を有する
    アゾ系重合開始剤を用いて、エチレン性不飽和単量体を
    ラジカル熱重合させて得た分子の両端部又は1端部にハ
    ロメチル基を有する重合体からなるハロメチル基含有高
    分子重合開始剤。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載された重合開始剤を用い
    て重合開始基の一方を用いてエチレン性不飽和単量体を
    重合させ、次に他方の重合開始基を使用して他のエチレ
    ン性不飽和単量体を重合させることを特徴とするブロッ
    ク重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4または5に記載された高分子重
    合開始剤を使用し、開始剤の高分子を形成する単量体と
    は異なるエチレン性不飽和単量体を重合させることを特
    徴とするブロック重合体の製造方法。
JP36127991A 1991-12-26 1991-12-26 ハロメチル基を有するアゾ系重合開始剤及びこの重合剤を用いて得た高分子重合開始剤とこれ等の重合開始剤を用いたブロック重合体の製造方法 Pending JPH05202112A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008074909A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Nippon Shokubai Co Ltd 重合開始剤又はその溶液及び電子情報材料用重合体の製造方法
JP2009114461A (ja) * 1997-03-11 2009-05-28 Carnegie Mellon Univ 原子または原子団転移ラジカル重合の改良
CN105399873A (zh) * 2014-09-03 2016-03-16 中国石油化工股份有限公司 水溶性偶氮引发剂和丙烯酰胺聚合物及其制备方法和应用

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