JPH0520171U - コイン排出用回転板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動販売機やスロットマシンの、コイン補給
槽の底面部に回転自在に設けたコイン排出用の回転円板
に略長円形の開口部を少なくとも３回対称の位置に開口
することによって、補給槽のコイン排出装置部分でのコ
インの噛み込みを無くし、回転円板の破損を防止し、揚
送されるコインの溢れ落ち量を少なくし、コインの姿勢
を整え、単位時間当たりのコイン供給量が遊戯台側の要
求量に十分応じられ、補給ラインに乗せるコインの量を
ほぼ均一にするコイン補給槽のコイン排出装置を提供す
る。 【構成】 傾斜状態に設けられた底面上部にコインの排
出口を有するコイン補給槽と、底面部の面上に回転自在
に設けられ且つコインを保持しつつ前記排出口に搬送す
る回転体とを有するものに於いて、回転体が略長円形の
開口部を少なくとも３回対称の位置に有する円形回転板
とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、切符などの自動販売機の釣銭ストッカに投入コインを補給したり、 メダル（コインの一種である）を用いたスロットマシンなどの遊戯台にメダルを 供給する、コイン補給槽のコイン排出用回転板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、乗り物の切符や缶飲料などを発売する自動販売機では、釣銭不足を補う ため投入コインを釣銭に転用すべく、投入コインを釣銭ストッカに補給する機構 を有するものがあり、この機構の中にコイン排出装置なるものが組み込まれてい る。またスロットマシンなどでは、各遊戯台より回収されたコインに合成樹脂製 ペレットを混入し、メダルを揚送しつつ洗浄し、ペレットを分離した後メダルを 補給槽に蓄積し、当該蓄積槽から各遊戯台に通ずる補給ラインにメダルを補給す る一連の作業工程に於いて、前記補給槽にメダル排出装置なるものが取り付けら れている。

【０００３】 これらのコイン排出装置を、スロットマシンを例に上げて詳細に説明すると、 図７及び図８で示すように傾斜状態に設けられた底面部１０の円周上部の１箇所 に略長方形のメダル排出口１１を有するメダル補給槽１と、底面部１０の内面上 に回転自在に設けられ且つメダルを保持しつつ前記排出口１１に搬送する回転体 としての撹拌棒２とを有するものがあり、前記撹拌棒２は、その中心部をモータ などの駆動装置の回転軸２０に取り付けたものであり、メダル補給槽１の底面部 １０で回転して補給槽底部に蓄積されたメダルを前記排出口１１まで掬い上げて ここより落下させるように動作するものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしこのタイプのものには前記撹拌棒２に起因する幾つかの問題点を有して いる。即ち、前記撹拌棒２はメダルを掬うように回転するため、メダルが撹拌棒 ２とメダル補給槽１の側壁１２との間に噛み込んで撹拌棒２の回転を停止させる ようなことが発生する。また撹拌棒２が単なる棒状のものであるため、撹拌棒２ に過大な力が加わって撹拌棒２が折れてしまうような事態も起こる。こうなると メダルの補給が完全に出来なく成ってしまう訳である。また単なる棒状のものが 回転し且つ半回転分のメダルを掬い上げ揚げようとするため、撹拌棒２から溢れ 落ちるメダルの量も多く、メダルの前記排出口１１への供給量がまちまちであり 効率が悪ものと成っている。前記駆動装置の回転軸２０が１回転する間にメダル は撹拌棒２により２回掬い上げられるが、これでは単位時間当たりのメダル供給 量が遊戯台側の要求量に対して不足し勝ちであると共に、補給ラインに乗せられ るメダルの量が均一には成らいものと成っている。またメダルの姿勢がまちまち のままで排出口１１へ送られてしまう欠点もある。

【０００５】 本考案はこのような問題点の解決を目指すものであり、自動販売機やスロット マシンに付いて、補給槽のコイン排出装置部分でコインの噛み込みが起こらず、 回転体が破損してしまうようなことが起こらず、揚送されるコインの溢れ落ち量 が少なく、コインの姿勢を整えることが出来、単位時間当たりのコイン供給量が 遊戯台側の要求量に十分応じられるものであると共に、補給ラインの上に乗せる コインの量をほぼ均一にすることが出来るような、コイン補給槽のコイン排出用 回転板を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため本考案では、傾斜状態に設けられた底面上部にコイン の排出口を有するコイン補給槽と、当該底面部の面上に回転自在に設けられ且つ コインを保持しつつ前記排出口に搬送する回転体とを有するものに於いて、前記 回転体が略長円形の開口部を少なくとも略３回対称の位置に有する円形の回転板 であることを特徴とする、コイン排出用回転板としている。

【０００７】

【作用】

従来のような撹拌棒ではなくて、コイン補給槽の底部側壁面すれすれに回転す る円形の回転板とし、撹拌棒のようにコインを掬うのではなく回転板の開口部に 落とし込むようにしたため、コインの噛み込みが起こらないように成る。円形の 回転板であるとコインの抵抗を直接受けることがなく、耐久性が高いものと成っ ている。またコインは略長円形の開口部分に落ち込んでから抱え込まれ掬われる 形で揚送されるため、排出量全体の増加が起こる。また前記駆動装置の回転軸が １回転する間にコインは開口部により少なくとも３回掬い上げられるため、単位 時間当たりのコイン供給量が遊戯台側の要求量に対して十分対応可能に成ると共 に、補給ラインに乗るコイン量を均すことが出来る。更にコイン補給槽内で水平 姿勢をとっているコインもうまく拾うことが可能で、コイン排出用回転板が回転 するに連れコインの姿勢が整えられる効果を生じている。

【０００８】 尚、本考案は前記コイン排出用回転板の略長円形の開口部を４回対称の位置に 開口したものであっても良く、コイン補給槽と共にコイン排出用回転板の直径が 大きく成れば５回対称、更には６回対称の位置に設けることなども可能であり、 且つ実用的である。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を説明するが、本考案はこの実施例にのみ限定されるも のではない。説明で用いた図面は図１が第１実施例の島９の構成図、図２が島端 ９０の構成図、図３がメダル排出用回転板３の正面図、図４が同断面図、図５が 第２実施例の部分断面図、図６が第３実施例の平面図である。

【００１０】 第１実施例の島９は、複数のスロットマシン８と台間メダル貸機８０とを並設 して成り、島９の島端９０に景品メダルの計数器５及び各スロットマシン８から 下の回収ライン４を経て集められたメダルを研磨して上の補給ライン４０に乗せ る研磨装置を一体に設けている。当該研磨装置は、回収ライン４及びメダル計数 器５で集めたメダルに合成樹脂ペレットを混入して揚送パイプ６内で研磨しつつ 揚送した後、分離器６０でメダルとペレットを分離してメダルをメダル補給槽１ に蓄積し、メダル排出用回転板３によってメダルを供給ライン４０へ定量送りす る構成と成っている。

【００１１】 さて、供給ライン４０へメダルを定量送りするメダル排出用回転板３に関して 説明すると、回転板３に略長円繭形の開口部３０を３回対称の位置に設けて成る ものである。このメダル排出用回転板３は、傾斜状態に設けられた底面部１０に 円形の開口部１３を有するメダル補給槽１の当該底面部１０の外面上に回転自在 に設けられ、更にその外側に前記開口部３０がメダルを保持しつつ上方向に搬送 する頂上位置にメダル排出口１１を開口した当接板１４が取り付けられている。 この当接板１４にはモータ２１が固定されており、モータ２１の回転軸２０に前 記メダル排出用回転板３の中心部が取り付けられている。

【００１２】 次に、本実施例の動作状態を説明すると、メダル排出用回転板３はメダル補給 槽１の底部側壁面１２を摺動する円形の回転板であるため、この部位には隙間が 生ぜずメダルの噛み込みが起こらずに回転が継続される。メダルが略長円繭形の 開口部３０に落ち込むと、開口部３０により抱え込まれ掬われて揚送されるが、 前記モータ２１の回転軸２０が１回転する間に３回掬い上げられ、メダル排出口 １１から補給樋１５を経て補給ライン４０へと均一に送られる。前記メダル排出 用回転板３はこれに伸し掛るメダルの重量に対する許容力が大きく、略長円繭形 の開口部３０は円形のものに比してメダルを拾い易いことが分かっている。

【００１３】 ところで、一般的に島９に於ける補給ライン４０の配置位置はメーカーや遊戯 店側の事情によりまちまちであり、また補給ライン４０が１本のものから２本の ものまで様々である。すると図２で表わすように補給樋１５が固定的に設けられ ている場合には前記事情に一々対応することが全く不可能である。そこで補給樋 １５を可動式にしたのが次に説明する第２及び第３実施例である。

【００１４】 第２実施例は、図５の部分断面図で示される通り補給樋７が第１の排出アーム ７０と第２の排出アーム７１とを回動部７２で回動自在に直列結合した構成と成 っている。即ち第２の排出アームを左右に回動させ前記補給ライン４０の真上に 位置させてから固定するものである。

【００１５】 次に第３実施例を説明すると、前述の第１実施例では補給ライン４０が１本の ものを取り上げたが、図６の平面図にて表わされるように、島９の補給ラインが 島９の前面の前ライン４１と背面の背ライン４２との２本有るものでは、これに 対応して前記補給樋７を２本設けている。即ち２本の補給樋７の夫々を、２本の 補給ライン上に移動させてから固定するものである。

【００１６】 尚本考案は上記実施例に限定されないから、メダル排出用回転板３の略長円形 の開口部を４回対称の位置に開口したものとしたり、メダル補給槽１と共に当該 メダル排出用回転板３の直径が大きくとって５回対称、更には６回対称の位置に 開口するなども、メダルの排出量を増加させ且つ定量均し送りさせるために好ま しい。また略円形の開口部の形状は前記繭形開口部３０以外にもメダルを拾い易 い形状であれば扇形状など任意である。またメダル排出用回転板３の取付位置に 関して、上述した３実施例では何れもメダル排出用回転板３をメダル補給槽１の 底面部１０の外面側で回転するように構成されているが、内面側で回転するよう に構成しても実質的には同一の構成である。即ちメダル補給槽１の円形の開口部 １３を有する底面部１０と、頂上位置にメダル排出口１１を開口した当接板１４ との両者を併せて、メダル補給槽の底面部であると考えるものである。尚、上述 実施例はスロットマシンを取り上げたためにコインをメダルと称している。

【００１７】

【考案の効果】

以上、本考案は傾斜状態に設けられた底面上部にコイン排出口を有するコイン 補給槽と、当該底面部の面上に回転自在に設けられ且つコインを保持しつつ前記 排出口に搬送する回転体とを有するものに於いて、前記回転体が略長円形の開口 部を少なくとも３回の回転対称の位置に有する円形の回転板であることを特徴と するコイン補給槽のコイン排出用回転板としたので、円形の回転板がコイン補給 槽の底部側壁面すれすれに回転し、撹拌棒のようにコインを掬うのではなく回転 板の開口部に落とし込むようにしたため、コインの噛み込みが起こらないように 成り、円形の回転板であるためコインの抵抗を直接受けることがなく、耐久性が 高いものと成っており、またコインは略長円形の開口部分に落ち込んでから抱え 込まれる形で揚送されるため、排出量全体の増加が起こり、また前記駆動装置の 回転軸が１回転する間にコインは撹拌棒によって少なくとも３回掬い上げられる ため、単位時間当たりのコイン供給量が遊戯台側の要求量に対して十分対応可能 と成ると共に、補給ラインに乗るコイン量を均すことが出来、更にはコイン補給 槽内で水平姿勢をとっているコインもうまく拾うことが可能で、コイン排出用の 回転板が回転するに連れコインの姿勢が整えられる、というように幾つもの効果 を生じ所期の目的が達成された。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の島９の構成図である。

【図２】同実施例の島端９０の構成図である。

【図３】同実施例のメダル排出用回転板３の正面図であ
る。

【図４】同断面図である。

【図５】第２実施例の部分断面図である。

【図６】第３実施例の平面図である。

【図７】従来例の正面図である。

【図８】同断面図である。

【符号の説明】 １ メダル補給槽 １０ 底面部 １１ メダル排出口 １２ 側壁 １３ 開口部 １４ 当接板 １５ 補給樋 ２０ 回転軸 ３ メダル排出用回転板 ３０ 開口部 ４０ 補給ライン ４１ 前ライン ４２ 背ライン ６ 揚送パイプ ７ 補給樋 ７０ 排出アーム ７１ 排出アーム ７２ 回動部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 傾斜状態に設けられた底面部の上部にコ
   イン排出口を有するコイン補給槽と、底面部の面上に回
   転自在に設けられ、且つコインを保持しつつ前記排出口
   に搬送する回転体とを有するものに於いて、前記回転体
   が略長円形の開口部を少なくとも３回対称の位置に有す
   る円形の回転板であることを特徴とするコイン排出用回
   転板。