JPH0520147Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は釣竿の穂先に関する。

（従来の技術） 一般に釣竿の穂先は、その先端部に例えばリリ
アンから成る結糸具を取付けて、該結糸具に釣糸
を結んで用いるようにしているが、釣糸が釣竿に
絡み付いた場合には、その都度釣竿全体を釣糸の
絡みが解消される方向に回転させる必要があり、
非常に面倒である。

しかして懸かる不具合を解消するために従来に
おいては例えば実開昭47−7387号公報に開示され
且つ第２図に概略的に示した如く、穂先Ｈの先端
部外周に嵌合する嵌合孔Ａを備えた嵌合筒部Ｂと
該嵌合筒部Ｂの長さ方向一端から該筒部Ｂと同軸
状に延び且つ外径が前記嵌合筒部Ｂの外径よりも
小径とした小径軸部Ｃとから成る支持体Ｄと、結
糸部Ｅを備えた回転筒Ｆとを形成して、該回転筒
Ｆを前記小径軸部Ｃに回転自由に挿嵌すると共
に、前記小径軸部Ｃの先端部に前記回転筒Ｆの抜
け止め部Ｇを設け、該抜け止め部Ｇと前記嵌合筒
部Ｂの端縁との間で、前記回転筒Ｆの軸方向移動
を規制するように成す一方、前記支持体Ｄを前記
嵌合孔Ａを介して穂先Ｈの先端部外周に嵌合固定
し、釣糸が釣竿に絡んだ場合、釣竿を引張るだけ
で前記回転筒Ｆが穂先Ｈに対して回転して、釣糸
の絡みを解消できるようにしたものが提案されて
いる。

（考案が解決しようとする課題） ところが、以上の構造のものでは、前記穂先の
他に前記支持体Ｄを別途形成しなければならず、
それだけ部品点数が増えるのは勿論のこと、重量
も増大するしまた前記支持体Ｄにしても前記嵌合
筒部Ｂと小径軸部Ｃとの境界に、前記回転筒Ｆの
前記小径軸部Ｃに対する軸方向移動を規制する段
部Ｉを設ける必要があり、また前記嵌合筒部Ｂに
穂先Ｈを嵌める嵌合孔Ａを必要とすることから、
例えば構造が非常に複雑であつてコスト高となる
のでなる。

本考案は以上の実情に鑑みて開発したもので、
目的とするところは、軽くてしかも釣糸の絡みを
簡単に解消することの出来る穂先を安価に提供す
るにある。

（課題を解決するための手段） しかして、本考案は、中実の穂先本体１の先端
部外周を、先端縁から所定長さに亙つて欠除して
前記穂先本体１の先端部に小径軸部１１を設け、
この小径軸部１１の外周に、柔軟性の結糸具５を
保持した回転筒２を回転自由に支持すると共に、
前記小径軸部１１の先端部分に、前記穂先本体１
の先端縁との間で前記回転筒２の軸方向移動を規
制する規制手段を設けたことを特徴とするもので
ある。また、前記小径軸部１１における規制手段
と回転筒２の端縁との間に、滑り抵抗の小さい材
料から成る遊動リング３を遊動可能に介装するの
が好ましい。

（作用） 本考案によれば、前記小径軸部１１に挿通する
前記回転筒２を、該小径軸部１１の先端部に設け
る規制手段と前記小径軸部１１の基端側段部との
間で回転自由に支持するようにしているので、前
記回転筒２を回転自由に支持するための特別の支
持部材を別途形成する必要がない。また、一般
に、前記結糸具５に釣糸を結糸すると、釣り仕掛
けなどの荷重により前記穂先本体１が撓み、回転
筒２は前記規制手段側に移動することになるが、
前記小径軸部１１における規制手段と回転筒２の
端縁との間に、滑り抵抗の小さい材料から成る遊
動リング３を遊動可能に介装した場合には、前記
規制手段の構成に関係なく前記回転筒２の回転性
を良好にできるのである。

（実施例） 図において１は、高強度繊維に合成樹脂を含浸
して成るプリプレグを巻回した後に含浸し、加圧
焼成して、先端に向つて細くなる中実のロツド状
に形成した穂先本体であつて、図に示す実施例で
は、この穂先本体１の先端部外周を、その先端か
ら所定長さ（例えば１cm）に渡つて切削により欠
除し、該穂先本体１の外径よりも一回り小径とし
た断面円形の小径軸部１１を、前記穂先本体１の
先端に同軸状に形成して、前記穂先本体１におけ
る前記小径軸部１１との境に段部１２を設けてい
る。

一方、内径が前記小径軸部１１の外径よりも
やゝ大径で且つ前記穂先本体１の外径よりも小径
とした円筒状の回転筒２を、アルミニウム製のパ
イプから形成して、この回転筒２及び該回転筒２
の長さ方向両端と対向する一対の滑り抵抗の小さ
いジユラコン樹脂製遊動リング３を、前記小径軸
部１１に回転自由に遊挿した後、前記小径軸部１
１の先端部外周に糸４１を適当回数巻回すると共
に、該糸４１を接着剤４２で固め て、該小径軸
部１１の先端部に、前記回転筒２の軸方向移動を
規制する規制手段として抜け止部４を、前記糸４
１と接着剤４２から形成して、該抜け止部４と前
記段部１２とで前記回転筒２の軸方向移動を規制
し、又、前記遊動リング３を、前記回転筒２と抜
け止部４との間及び回転筒２と前記段部１２との
間で遊動可能としている。

そして以上の如く前記小径軸部１１に回転自由
に支持した前記回転筒２の外周には、リリアンか
る成る柔軟性の結糸具５を接着剤で固着してい
る。

尚、前記遊動リング３を設けることにより、前
記回転筒２の回転性を高めることができるのであ
る。又、この遊動リング３を設ける場合、先側の
遊動リング３は、第１図の如く前記抜け止部４の
外径よりも大径に形成して、このワツシヤ３の外
周面で前記結糸具５を受止め、この結糸具５が前
記抜け止部４の先端、又は小径軸部１１の先端に
接触するのを防止するのが好ましい。斯くするこ
とにより、前記結糸具５が前記抜け止部４先端縁
及び小径軸部１１先端縁とこすれて擦切れるのを
防ぐことができるのである。

斯くして前記結糸具５に結んだ釣糸（図示せ
ず）が釣竿に絡んだ場合には、釣糸を引張るだけ
で、前記回転筒２が前記小径軸部１１に対して回
転して釣糸の絡みが解消される。

以上の実施例では、前記小径軸部１１の先端部
に設ける規制手段としての抜け止部４を、糸４１
と接着剤４２から形成したが、これに限定される
ものではなく、例えば合成樹脂から形成したリン
グを前記小径軸部１１の先端部外周に挿嵌して接
着剤で固着し、該リングを前記抜け止部４として
用いるようにしてもよい。

（考案の効果） 本考案によれば、穂先本体１に一体形成した小
径軸部１１に回転筒２を回転自由に支持して、該
小径軸部１１の先端部に設ける規制手段と前記小
径軸部の基端側段部との間で、前記回転筒２が軸
方向に移動するのを規制するようにしたので、従
来の如く前記回転筒２を回転自由に支持するため
の特別の支持部材を必要とすることがなく、それ
だけ穂先を軽量とすることが出来、しかも釣糸の
絡みを簡単に解消することの可能な穂先を安価に
提供することが出来るに至つたのである。

また、前記小径軸部１１における規制手段と回
転筒２の端縁との間に、滑り抵抗の小さい材料か
ら成る遊動リング３を遊動可能に介装した場合に
は、釣り仕掛けなどの荷重により前記穂先本体１
が撓み、結糸具５を保持した回転筒２が前記規制
手段側に移動しても、前記規制手段の構成に関係
なく前記回転筒２の回転性を良好にできるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかゝる穂先の一実施例を示す
要部の一切切欠正面図、第２図は従来の穂先の一
例を示す概略断面図である。 １……穂先本体、１１……小径軸部、２……回
転筒、５……結糸具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 中実の穂先本体１の先端部外周を、先端縁か
   ら所定長さに亙つて欠除して前記穂先本体１の
   先端部に小径軸部１１を設け、この小径軸部１
   １の外周に、柔軟性の結糸具５を保持した回転
   筒２を回転自由に支持すると共に、前記小径軸
   部１１の先端部分に、前記穂先本体１の先端縁
   との間で前記回転筒２の軸方向移動を規制する
   規制手段を設けたことを特徴とする釣竿の穂
   先。 ２ 小径軸部１１における規制手段と回転筒２の
   端縁との間に、滑り抵抗の小さい材料から成る
   遊動リング３を遊動可能に介装している請求項
   １記載の釣竿の穂先。