JPS6222142Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は釣竿、詳しくは、釣用リールを装着
し、キヤステイング操作により前記リールのスプ
ールに巻装した釣糸を、該釣糸の先端に取付けた
仕掛けの重さで引出して投擲するごとくした釣竿
に関する。

一般に、ナイロンなどの合繊糸から成る釣糸
を、スピニングリール、両軸受リール、クローズ
ドフエースリールなどのスプールに繰返し巻回す
ると、該釣糸に巻癖がついて、絡み易くなるばか
りか、釣竿に装着する釣糸ガイドのガイド孔内を
螺旋状に通つて、釣糸ガイドによる抵抗が大きく
なり、投擲距離が短かくなる問題があつた。

本考案は以上の如き従来の問題点に鑑み考案し
たもので、目的は、釣糸の巻癖を容易に解消する
ことのできる釣竿を提供する点にある。

しかして本考案は、リールシートをもつた釣竿
であつて、前記リールシートの前方側に、釣糸に
テンシヨンを与える摩擦面をもつた抵抗体を取付
け、前記リールシートに取付けるリールの釣糸巻
取操作により、前記釣糸の巻癖を解消すべく成し
たことを特徴とするものである。

以下本考案釣竿の実施例を図面に基づいて説明
する。

図示した釣竿は、径の異なる５本のテーパー状
を呈する中空竿体１〜５をそれぞれ継合して、太
径竿体１の基端側部分にリールシート６を細紐な
どの取付手段により取付けて、該リールシート６
にリールＲを取付けるごとく成すと共に、前記太
径竿体１を除く他の竿体２〜５にそれぞれ釣糸ガ
イド７を取付けて、前記リールＲのスプールＳに
巻装した釣糸ａを、前記釣糸ガイド７のガイド孔
７ａ内を通過させるごとく成したものであつて、
前記リールシート６の前方側に、前記スプールＳ
に巻回する釣糸ａにテンシヨンを与える摩擦面８
ａをもつた抵抗体８を取付け、前記スプールＳか
ら引出した釣糸を、前記抵抗体８の摩擦面８ａ部
分を通過させるようにし、前記リールＲのハンド
ル操作により、前記釣糸ａを前記スプールＳに巻
取る際、前記スプールＳから引出した釣糸ａを前
記抵抗体８の摩擦面８ａに沿わせて前記ハンドル
Ｈを回転操作し、前記摩擦面８ａにより、前記ス
プールＳと抵抗体８との間の釣糸にテンシヨンを
与え、前記釣糸の巻癖を解消するごとく成したの
である。

以上の構成において、前記抵抗体８は、摩擦抵
抗の大きい材料、例えばゴムにより円板状に形成
して、その外周面に、所定深さの切溝８ｂを設
け、この切溝部分を前記摩擦面８ａとするのであ
つて、前記スプールＳから引出した釣糸を前記切
溝８ｂに挿入して、該切溝部分の摩擦面８ａによ
り前記釣糸に抵抗を与えるごとく成すのである。

又、前記抵抗体８には、中心に対し偏位した位
置に偏心孔８ｃを設けて、この偏心孔８ｃの部分
を前記中空竿体１〜５の一つに回転可能に支持
し、巻癖取りをしない時は、前記抵抗体８の摩擦
面８ａ側部分を前記釣糸ガイド７のガイド孔７ａ
部分と離反した位置に配置して抵抗体８が邪魔と
なるのを防ぎ、巻癖取時は、前記抵抗体８の摩擦
面８ａ側部分を前記釣糸ガイド７のガイド孔７ａ
と近接した位置に配置するごとく成すのである。

本考案は以上の如く構成するもので、釣糸の巻
癖を取るには、リールＲのスプールＳに巻装した
釣糸を引出して投擲した後、前記抵抗体８の摩擦
面８ａ側部分を、釣糸ガイド７のガイド孔７ａと
近接する位置に配置して、前記釣糸の引出側部分
を、前記抵抗体８の切溝８ｂに挿入し、該切溝部
分の摩擦面８ａにより、前記釣糸に抵抗を与え、
そして前記リールのハンドルＨを回転操作して、
スプールＳと抵抗体８との間の釣糸にテンシヨン
を与えるのであつて、このテンシヨン力により、
釣糸の巻癖を取ることができるのである。

以上説明した実施例では、抵抗体８を、中空竿
体１〜５の一つに支持したが、その他前記竿体に
支持する装備品に設けてもよいし、又回転可能に
支持する他、回転不能に支持してもよい。又、嵌
込みにより支持すり他、止ねじなどの取付手段に
より支持してもよい。

又、抵抗体８の摩擦面８ａは、切溝８ｂにより
形成する他、筒体内に挿嵌可能とした截頭円錐形
の弾性を有する抵抗体の外周面を摩擦面としても
よい。この場合抵抗体８の外周面に前記釣糸の外
径より小さい深さの凹溝を設けるのが好ましい。

又、図示した釣竿のリールシート６には、スピ
ニングリールを取付けているが、その他両軸受リ
ール、クローズドフエイスリールなどのリールを
取付けてもよい。

以上の如く本考案は、リールシートの前方側
に、釣糸にテンシヨンを与える摩擦面をもつた抵
抗体を取付け、前記リールシートに取付けるリー
ルの釣糸巻取操作により、前記リールのスプール
と前記抵抗体との間の釣糸にテンシヨンを与え、
前記釣糸の巻癖を解消すべく成したから、釣糸の
巻癖を、リールのハンドルを回転操作するだけの
簡単な操作で極めて容易に、かつ確実に解消する
ことができるのである。従つて巻癖による釣糸の
絡みをなくすることができるし、釣糸ガイドによ
る抵抗も小さくでき、投擲距離を伸すことができ
るのである。

しかも既存の釣竿をそのまゝ利用でき、単に抵
抗体を設けるだけでよいから、安価なコストで巻
癖を解消でき、極めて経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案釣竿の一実施例を示す概略側面
図、第２図は部分拡大側面図、第３図は部分拡大
斜視図、第４図は巻癖取りをしないときの状態を
示す説明図である。 ６……リールシート、８……抵抗体、８ａ……
摩擦面、ａ……釣糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リールシートをもつた釣竿であつて、前記リー
   ルシートの前方側に、釣糸にテンシヨンを与える
   摩擦面をもつた抵抗体を取付け、前記リールシー
   トに取付けるリールの釣糸巻取操作により、前記
   釣糸の巻癖を解消すべく成したことを特徴とする
   釣竿。