JPH05200956A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JPH05200956A
JPH05200956A JP4013888A JP1388892A JPH05200956A JP H05200956 A JPH05200956 A JP H05200956A JP 4013888 A JP4013888 A JP 4013888A JP 1388892 A JP1388892 A JP 1388892A JP H05200956 A JPH05200956 A JP H05200956A
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JP
Japan
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layer
film
density polyethylene
laminated
low density
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Application number
JP4013888A
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Inventor
Toshio Fujii
敏雄 藤井
Kazuhiro Kato
和広 加藤
Toyomitsu Kondo
豊光 近藤
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品包装用フィルムとして好適な、横裂け性
に優れた、更には、成形性及び低温シール性にも優れた
積層フィルムを提供する。 【構成】 脂肪族ポリアミド樹脂層と、線状低密度ポリ
エチレン50〜100重量部並びに分岐状低密度ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリエチレ
ンエラストマーよりなる群から選ばれる1種又は2種以
上0〜50重量部を含む樹脂層とからなる積層原反フィ
ルムを、該原反フィルムの引取方向に2〜5倍の延伸倍
率で延伸してなる積層フィルム。 【効果】 線状低密度ポリエチレンを使用して形成され
る層は、シール強度や挾雑物シール性に優れる。脂肪族
ポリアミド樹脂本来の特性を損なうことなく、フィルム
の横裂け性が著しく高められる。分岐状低密度ポリエチ
レン等を配合することにより、フィルム成形時の成形
性、低温シール性が大幅に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層フィルムに係り、特
に食品包装用フィルムとして好適な、横裂け性に優れ
た、更には、成形性、低温シール性にも優れた積層フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品包装用フィルムとしては、ナ
イロン二軸延伸フィルムをベースフィルムとし、このベ
ースフィルムに、シール性を付与するために低密度ポリ
エチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体等のシーラン
トフィルムを貼り合わせた複合フィルムが良く知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の複合フィル
ムでは、それを包装袋とした場合、開封時のカット性、
特に横裂け性において更に改善すべき点がある。
【0004】即ち、例えば、ピロー袋、三方シール袋、
四方シール袋、ストリップ包装等の包装袋を開封する場
合は、横から裂いていくが、従来の複合フィルムによる
ものでは、フィルムが伸びて容易に裂けなかったり、裂
け目が斜めに入ってしまい、開封後、袋として用をなさ
なかったりする場合がある。
【0005】また、ドライラミネート加工等の貼り合わ
せ工程を経て得られる複合フィルムの場合には、工程数
増によるコストアップの問題もある。
【0006】本発明は上記従来の複合フィルムの問題点
を解決し、横裂け性に優れた、更には、成形性、低温シ
ール性にも優れた、食品包装用フィルムとして好適な積
層フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の積層フィルム
は、脂肪族ポリアミド樹脂層と、線状低密度ポリエチレ
ンを含む樹脂層とを備える積層原反フィルムを、該原反
フィルムの引取方向に2〜5倍の延伸倍率で延伸してな
ることを特徴とする。
【0008】請求項2の積層フィルムは、脂肪族ポリア
ミド樹脂層と、線状低密度ポリエチレン50重量部以上
並びに分岐状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体及びポリエチレンエラストマーよりなる群か
ら選ばれる1種又は2種以上50重量部以下を含む樹脂
層とからなる積層原反フィルムを、該原反フィルムの引
取方向に2〜5倍の延伸倍率で延伸してなることを特徴
とする。
【0009】即ち、本発明者らは、従来の複合フィルム
の問題点が解決された、食品包装用として好適な積層フ
ィルムを製造すべく鋭意検討を重ねた結果、ベースフィ
ルムとして脂肪族ポリアミド樹脂を用い、シーラントフ
ィルムとして、従来のエチレン−酢酸ビニル共重合体等
に代えて、線状低密度ポリエチレンを使用し、且つ、フ
ィルムの引取方向に特定の延伸倍率で延伸した積層フィ
ルムを使用することにより、ベースフィルムの脂肪族ポ
リアミド樹脂本来の特性である耐熱性及び機械的強度等
の特性を損なうことなく、横裂け性に優れた包装用フィ
ルムに好適な延伸積層フィルムが得られること、更に、
シーラントフィルムに、分岐状低密度ポリエチレン又は
エチレン−酢酸ビニル共重合体若しくはそのエラストマ
ーを併用することにより、成形性、低温シール性が向上
することを見出し、本発明を完成させた。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
積層フィルムは、少なくとも脂肪族ポリアミド樹脂層
(以下「A層」と称する。)及び線状低密度ポリエチレ
ン層或いはこれを含有する樹脂層(以下「B層」或いは
「線状低密度ポリエチレン含有樹脂層」と称する。)と
から構成されている。
【0011】A層の脂肪族ポリアミド樹脂層に使用され
る脂肪族ポリアミドとしては、例えば、ナイロン−6、
ナイロン−6,6、ナイロン−6,10及びナイロン−
6/6,6共重合体、ナイロン−6/6,10共重合体
等を例示することができる。これらのうち、特に、26
0℃での溶融粘度が5000poise以上のフィルム
用グレードのものが、フィルム成形性の観点から好まし
い。
【0012】一方、B層に含有される線状低密度ポリエ
チレンとは、エチレンと他のα−オレフィンとを、中低
圧法高密度ポリエチレン製造に用いられるチーグラー型
触媒又はフィリップス型触媒を用いて共重合することに
より製造されたものであり、従来の高密度ポリエチレン
を共重合成分により短い枝分かれ構造とし、密度もこの
短鎖枝分かれを利用して適当に低下させ0.91〜0.
95g/cm3 程度としたものである。従って、従来の
高圧法により製造された低密度ポリエチレンより直鎖性
があり、かつ、高密度ポリエチレンより枝分かれが多い
構造のポリエチレンである。
【0013】なお、エチレンと共重合させる他のα−オ
レフィンとしては、ブテン、ヘキセン、オクテン、デセ
ン、4−メチルペンテン−1等が挙げられ、これらを4
〜17重量%程度、好ましくは5〜15重量%程度共重
合することによって得られたものが好ましい。
【0014】また、この線状低密度ポリエチレンとして
は、好ましくは、メルトインデックスが0.3〜10g
/10分、特に好ましくは0.5〜3g/10分の範囲
であり、かつ、密度が好ましくは0.915〜0.93
5g/cm3 、特に好ましくは0.918〜0.925
g/cm3 の範囲のものが好適である。
【0015】請求項2の積層フィルムにおけるB層にお
いて、上記線状低密度ポリエチレンに分岐状低密度ポリ
エチレンを併用すると、特に成形性が向上するので好ま
しい。かかる分岐状低密度ポリエチレンとしては、通常
の高圧法ポリエチレン、即ち、有機過酸化物又は酸素等
のラジカル発生剤を用いて、圧力1000〜3000k
g/cm2 、温度150〜400℃の条件下でエチレン
を単独重合又はエチレンと他の共重合成分とを共重合さ
せて得られた、通常、メルトインデックスが0.3〜2
0g/10分のものが挙げられる。ここで、共重合成分
としては、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、
4−メチルペンテン−1等のα−オレフィン、酢酸ビニ
ル、エチルアクリレート、メチルアクリレート等のビニ
ル化合物等が挙げられる。これらの共重合成分の共重合
量としては0.5〜18重量%、特に2〜10重量%程
度であることが好ましい。
【0016】なお、本発明におけるメルトインデックス
は、JIS K6760に準拠し、190℃で測定した
値(g/10分)である。
【0017】エチレン−酢酸ビニル共重合体を併用する
と、特に成形性、低温シール性(特に挟雑物シール性)
が向上するので好ましい。かかるエチレン−酢酸ビニル
共重合体としては、通常、メルトインデックスが0.3
〜15g/10分、好ましくは、0.5〜5g/10分
の範囲のものが使用され、その酢酸ビニル含有量として
は2〜25モル%のものが好ましい。
【0018】また、ポリエチレンエラストマーを併用す
ると特に低温シール性(特に挟雑物シール性)が向上す
るので好ましい。かかるポリエチレンエラストマーとし
ては、エチレン−α−オレフィン共重合体等があり、こ
こで、α−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン
−1等が挙げられる。更には、エチレンと炭素数3以上
のα−オレフィンと非共役ジエンとを共重合して得られ
る三元共重合体も使用できる。なお、エラストマー中の
共重合成分の割合は、通常、1〜50モル%の範囲から
選ばれる。
【0019】本発明の積層フィルムにおいて、B層を構
成する線状低密度ポリエチレンと、分岐状低密度ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリエチレ
ンエラストマーよりなる群から選ばれる1種又は2種以
上(以下「分岐状低密度ポリエチレン等」と称する場合
がある。)との配合の割合は、線状低密度ポリエチレン
50〜100重量部、分岐状低密度ポリエチレン等50
重量部以下、好ましくは、線状低密度ポリエチレン70
〜95重量部、分岐状低密度ポリエチレン等30〜5重
量部の範囲から選ばれる。
【0020】分岐状低密度ポリエチレン等の配合割合が
50重量部より多いと、線状低密度ポリエチレンによる
良好なシール性向上効果が十分に得られず、好ましくな
い。
【0021】本発明の積層フィルムを製造するには、ま
ず、公知の種々の積層方法によって、少なくともA層と
B層とからなる未延伸の積層原反フィルムを形成する。
次いで、該未延伸積層原反フィルムを該原反フィルムの
引取方向(縦方向)に2〜5倍の延伸倍率で延伸する。
【0022】具体的には、例えば、次のような方法が採
用される。未延伸の積層原反フィルムの製造法(積層
法)としては、熱接着法、押出又はドライラミネーショ
ン法、共押出法等が挙げられるが、特に好ましいのは共
押出法による成形法である。
【0023】この共押出成形としては、Tダイ成形法、
空冷式又は水冷式インフレーション成形法が採用される
が、この内ではTダイ成形法又は水冷式インフレーショ
ン成形法が好ましい。即ち、この成形法により溶融押出
しされた樹脂を急冷することにより、透明性がより優れ
たフィルムが得られる。
【0024】共押出成形法等により得られた未延伸の積
層原反フィルムは、次いでフィルムの引取方向(縦方
向)に延伸倍率2〜5倍、好ましくは2.5〜4倍に一
軸延伸する。この延伸倍率が2倍未満では、得られるフ
ィルムの横裂け性が不十分であり、また5倍より大きい
と延伸性が低下し、破断もしくはフィルムに延伸むらが
できるので望ましくない。
【0025】この延伸処理は上記未延伸の積層原反フィ
ルムをそのまま或いは所定の幅にスリットしたものを加
熱し、例えば延伸ロールの周速度を変化させることによ
りフィルムの引取方向、即ち縦方向に延伸させる方法等
により行なわれる。
【0026】なお、この延伸処理における予熱温度とし
ては、通常、B層の線状低密度ポリエチレン含有樹脂層
の融点より少なくとも5℃低い温度、望ましくは40〜
100℃の範囲で行なうのが好適である。
【0027】また、延伸後の熱固定温度は、上記予熱温
度より高い温度とし、更にフィルムのしわ防止、横強度
向上のためには、できるだけ高い温度とすることが好ま
しく、望ましくは80〜120℃の範囲で行なうのが好
適である。
【0028】予熱及び熱固定温度が上記範囲より高い場
合には、延伸ロールにフィルムが溶融付着し易くなり、
また、予熱温度が上記範囲未満では、A層の脂肪族ポリ
アミド樹脂が予熱不十分のために延伸困難となり、フィ
ルム破断が起こり易くなる。
【0029】かくして得られる本発明の積層フィルムの
厚さは、全体として通常200μm以下、好ましくは2
0〜150μmの範囲である。なお、A層の脂肪族ポリ
アミド樹脂層の厚さはフィルム全体の厚さに対し10〜
90%、好ましくは20〜80%の範囲であり、B層の
線状低密度ポリエチレン含有樹脂層の厚さはフィルム全
体の厚さに対し90〜10%、好ましくは80〜20%
の範囲である。
【0030】本発明の積層フィルムの層構造は、通常、
A層の脂肪族ポリアミド樹脂層及びB層の線状低密度ポ
リエチレン含有樹脂層の2層からなるものであるが、本
発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、更に他の樹脂層
を加えて3層以上の構造とすることも差し支えない。
【0031】このような3層以上の構造としては、A層
とB層との間に接着層や再生層等を有するもの、或いは
A層のB層と反対側の面にガスバリアー層としてPVD
C(ポリ塩化ビニリデン)層を設けたものや、B層のA
層と反対側の面に、更にヒートシール性の改良のために
アイオノマー樹脂層を設けたものが挙げられる。
【0032】また、A層及びB層よりなる本発明の積層
フィルムを2つ以上重ねた多層構造、或いは、A層及び
B層よりなる本発明の積層フィルムのA層(又はB層)
のB層(又はA層)と反対側の面に、更にB層(又はA
層)を積層した多層構造を形成しているものであっても
良い。
【0033】なお、上記接着層としては、例えば、ポリ
エチレンを無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸又はそ
の誘導体等で0.01〜10重量%程度変性した変性ポ
リエチレン等を使用することができる。
【0034】また、再生層としては、例えば、フィルム
両端をトリミングして得られたトリムくずをチップ化し
た再生品等を使用することができる。
【0035】また、接着層用原料に再生品をブレンドし
て再利用する、接着層及び再生層としての作用を兼ね備
える中間層をA層とB層との間に設ける場合も考えられ
る。
【0036】これらA層及びB層以外の他の樹脂層の厚
さは、本発明の積層フィルム全体の厚さの2〜50%程
度となるように設ける。特に、接着層の厚さは、積層フ
ィルム全体の厚さの2〜50%、好ましくは5〜30%
となるように設けるのが良い。
【0037】なお、本発明においては、A層及びB層の
各層に適当な接着成分を配合添加することにより、接着
層を設けずに2層構成のままで、各層間の剥離を防止す
ることもできる。
【0038】次に、本発明の積層フィルムを用いて包装
袋を製袋する方法について説明する。
【0039】包装袋のタイプとしては、ピロータイプ
(胴貼重ね貼り、胴貼合掌貼りのそれぞれに平袋とガセ
ット付きがある)、三方シールタイプ(平袋、ガセット
付き)、四方シールタイプ(袋、ストリップ包装)等が
一般に知られている。これらの包装袋は通常知られてい
る各種の製袋機を用いて得られる。
【0040】シールの方法としては、ヒートシールや接
着剤を用いた接着シール等があるが、本発明において
は、コスト面等からはヒートシールを行なうのが好まし
い。
【0041】ヒートシール方法としては、2本のヒータ
ーバーにて一定温度、圧力、時間で挾み込むインパルス
方式や、ベルトを介して挾み込み融着させるベルトシー
ル方式がある。
【0042】なお、シール面は内層側とするB層の線状
低密度ポリエチレン含有樹脂層側であり内層同士が合う
様に重ねてシールを行なうが、先に挙げた包装袋のタイ
プのうち、胴貼重ね貼り式のピロータイプの袋は、構造
上、外層と内層とが重なる様にシール部が構成される。
従って、このタイプの袋に適用する積層延伸フィルムと
しては、内層と同じ構成の層を外層の外側に設けたも
の、即ち、B層/A層/B層の3層積層タイプのフィル
ムを用いる必要がある。
【0043】
【作用】本発明の積層フィルムにおいて、線状低密度ポ
リエチレンを使用して形成されるB層は、シール強度や
挾雑物シール性に優れた層である。この挾雑物シール性
とはヒートシールされる一対のフィルムの間にゴミ、ホ
コリ等の挾雑物が挾まった場合のシール性であり、不良
なケースでは融着不良、剥離などを起こす。
【0044】しかして、このような線状低密度ポリエチ
レンを含有するB層を脂肪族ポリアミド樹脂層のA層に
積層したものを、フィルムの引取方向に2〜5倍の延伸
倍率で延伸することにより、A層の脂肪族ポリアミド樹
脂本来の特性を損なうことなく、フィルムの横裂け性が
著しく高められる。
【0045】また、B層の線状低密度ポリエチレン含有
樹脂層に、特定の割合で分岐状低密度ポリエチレン等を
配合することにより、フィルム成形時の成形性、低温シ
ール性が大幅に向上する。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の
具体的態様について更に詳しく説明するが、本発明はそ
の要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定され
るものではない。なお、実施例中の各測定は下記の方法
で行なった。
【0047】(1)透湿性(透湿度) JIS Z 0208に準じ、40℃、90%RHの条
件で測定した。
【0048】(2)透明性(ヘーズ値) JIS K 6714に準拠し、ヘーズメーターにより
測定した。
【0049】(3)横裂け性 50cm角の正方形状にカットしたフィルムを用意す
る。この時、各辺はフィルムの機械方向に対して平行又
は直交する向きになる様にカットする。機械方向に対し
て平行になっている辺の中央にハサミで約5mmノッチ
(切り込み)を入れて、そこをスタート地点として機械
方向に対して直交する方向に裂け目を入れる。この際、
そのまま直角方向にスムーズに裂けるものを「良好」、
斜めに入るものを「やや不良」、機械方向に対して平行
に近い裂け目が入るものを「不良」と判定した。
【0050】(4)ヒートシール性(シール強度) インパルス式シーラーにて内層同士が融着する向きに2
枚のサンプルを重ねてシールを実施する。この際、フィ
ルムの機械方向と直交する方向にシールを行なう。シー
ル幅は10mm、シール温度は160℃、シール圧力は
1kg/cm2、シール時間は1秒としてシールし、サ
ンプルをシール部分を含むように、機械方向に15mm
幅で打ち抜き、この打ち抜き片についてシール強度を測
定する。シール強度測定条件は、引っ張り速度300m
m/分、チャック間距離100mmとする。
【0051】実施例1 A層用原料 ポリアミド樹脂(ナイロン−6/6,6共重合体:三菱
化成(株)製,商品名「ノバミッド2030」(260
℃の溶融粘度15,000poise)) 接着層用原料 接着性ポリオレフィン樹脂(変性ポリエチレン:三菱化
成(株)製,商品名「ノバテックAP228L」(メル
トインデックス1.0g/10分,密度0.920g/
cm3 )) B層用原料 線状低密度ポリエチレン:三菱化成(株)製,商品名
「三菱ポリエチUF330」(メルトインデックス1.
0g/10分,密度0.922g/cm3 ) 上記各原料を3種3層共押出Tダイ成形機に夫々仕込ん
だ。A層及びB層用原料は直径50mmの押出機に、接
着層用原料は直径40mmの押出機に各々投入し、ダイ
ス温度280℃で同時押し出し、チルロール温度25
℃、引取速度5m/分の条件で成形し、A層(ポリアミ
ド樹脂)/接着層(接着性ポリオレフィン樹脂)/B層
(ポリオレフィン樹脂)からなる未延伸の3種3層原反
フィルムを得た。
【0052】夫々の層厚はA層=95μm、接着層=9
μm、B層=47μmであった。
【0053】次いで該未延伸の原反フィルムをロール延
伸により予熱温度50℃、熱固定温度100℃、倍率
3.3倍にて引取方向に一軸延伸し、厚み50μmの多
層フィルム(層厚比10/1/5)を得た。得られた積
層フィルムを前述の方法で評価し、結果を表1に示し
た。また、この積層フィルムは、良好な挟雑物シール性
を示した。
【0054】実施例2 引取速度を遅くして延伸(倍率3.3倍)後のフィルム
厚みを100μm(層比10/1/5)としたこと以外
は実施例1と同様に行なった。得られた積層フィルムを
前述の方法で評価し、結果を表1に示した。
【0055】実施例3 層構成をA層:脂肪族ポリアミド樹脂層とB層:線状低
密度ポリエチレン層との2種2層フィルムとし、層厚比
10/5、延伸(倍率3.3倍)後の全フィルム厚みを
50μmとしたこと以外は、実施例1と同様に行なっ
た。得られた積層フィルムを前述の方法で評価し、結果
を表1に示した。
【0056】実施例4 B層用原料として下記のものを用いたこと以外は、実
施例1と同様に行なって同様の厚さ及び層厚比の3層積
層フィルムを得た。得られた積層フィルムを前述の方法
で評価し、結果を表1に示した。
【0057】B層用原料 線状低密度ポリエチレン:三菱化成(株)製,商品名
「三菱ポリエチUF330」(メルトインデックス1.
0g/10分,密度0.922g/cm3 )90重量部
と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(三菱油化
(株)製,商品名「三菱ポリエチ−EVA V213
M」(メルトインデックス8.0g/10分,酢酸ビニ
ル含有量7重量%)10重量部との2種を配合したも
の。
【0058】実施例5 B層用原料として下記のものを用いたこと以外は、実
施例1と同様に行なって同様の厚さ及び層厚比の3層積
層フィルムを得た。得られた積層フィルムを前述の方法
で評価し、結果を表1に示した。
【0059】B層用原料 線状低密度ポリエチレン(三菱化成(株)製,商品名
「三菱ポリエチUF330」(メルトインデックス1.
0g/10分,密度0.922g/cm3 )90重量部
と分岐状低密度ポリエチレン(三菱化成(株)製,商品
名「三菱ポリエチLD,F120」(メルトインデック
ス0.8g/10分,密度0.924g/cm3 ))1
0重量部との2種を配合したもの。
【0060】実施例6 層構成をA層:脂肪族ポリアミド樹脂層とB層:線状低
密度ポリエチレン及び分岐状低密度ポリエチレンの配合
物との2種2層フィルムとし、層厚比10/5、延伸
(倍率3.3倍)後の全フィルム厚みを50μmとした
こと以外は、実施例5と同様に行なった。得られた積層
フィルムを前述の方法で評価し、結果を表1に示した。
【0061】
【表1】
【0062】比較例1,2 延伸倍率を1.5倍としたこと以外は実施例1(比較例
1)又は実施例4(比較例2)と同様に行なった。その
結果、得られたフィルムの横裂け性は裂け目が斜めに入
ってやや不良であった。
【0063】比較例3,4 延伸倍率を5.5倍としたこと以外は実施例1(比較例
3)又は実施例4(比較例4)と同様に行なったが、延
伸時にフィルム破断が起きてしまい、サンプリング不可
であった。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の積層フィ
ルムによれば、シール性、透明性、耐熱性、水蒸気バリ
ア性、非熱収縮性及び食品安全性に優れる上に、横裂け
性が著しく改善された、食品包装袋等に好適な積層フィ
ルムが提供される。
【0065】請求項2の積層フィルムによれば、成形
性、低温シール性がより一層改善された積層フィルムが
提供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 23:00 77:00 B29L 9:00 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ポリアミド樹脂層と、線状低密度
    ポリエチレンを含む樹脂層とを備える積層原反フィルム
    を、該原反フィルムの引取方向に2〜5倍の延伸倍率で
    延伸してなることを特徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリアミド樹脂層と、線状低密度
    ポリエチレン50重量部以上並びに分岐状低密度ポリエ
    チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリエチレ
    ンエラストマーよりなる群から選ばれる1種又は2種以
    上50重量部以下を含む樹脂層とからなる積層原反フィ
    ルムを、該原反フィルムの引取方向に2〜5倍の延伸倍
    率で延伸してなることを特徴とする積層フィルム。
JP4013888A 1992-01-29 1992-01-29 積層フィルム Pending JPH05200956A (ja)

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