JPH05193510A - 車両用舵角制御装置 - Google Patents
車両用舵角制御装置Info
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- JPH05193510A JPH05193510A JP766192A JP766192A JPH05193510A JP H05193510 A JPH05193510 A JP H05193510A JP 766192 A JP766192 A JP 766192A JP 766192 A JP766192 A JP 766192A JP H05193510 A JPH05193510 A JP H05193510A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 車輪横滑り角が大となる高速・大舵角時の領
域でも、操安性の一層の向上が図れ、制御領域を拡大し
得て制御効果を十分に発揮させる装置を得る。 【構成】 制御装置は、走行中の車両の前輪及び後輪の
横滑り角を算出する機能、算出横滑り角に応じ車輪のコ
−ナリングパワ−に相当する値を推定または補正する機
能、予め車両諸元及び運動方程式によって設定され、か
つ前記の推定または補正されたコ−ナリングパワ−相当
値に応じて可変する車両モデルを有する。車両運動目標
設定部5aは、車両モデルに操舵角、車速検出値を与えた
とき定常的に発生する値を目標定常値とする。車輪横滑
り角が大となる高速・大舵角時においても車両の運動に
関する被制御量の目標値は現実的な値となり、オーバシ
ュートなどが生じず、車両操縦性、安定性を改善でき
る。制御領域は拡大する。
域でも、操安性の一層の向上が図れ、制御領域を拡大し
得て制御効果を十分に発揮させる装置を得る。 【構成】 制御装置は、走行中の車両の前輪及び後輪の
横滑り角を算出する機能、算出横滑り角に応じ車輪のコ
−ナリングパワ−に相当する値を推定または補正する機
能、予め車両諸元及び運動方程式によって設定され、か
つ前記の推定または補正されたコ−ナリングパワ−相当
値に応じて可変する車両モデルを有する。車両運動目標
設定部5aは、車両モデルに操舵角、車速検出値を与えた
とき定常的に発生する値を目標定常値とする。車輪横滑
り角が大となる高速・大舵角時においても車両の運動に
関する被制御量の目標値は現実的な値となり、オーバシ
ュートなどが生じず、車両操縦性、安定性を改善でき
る。制御領域は拡大する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の操安性を向上させ
るための舵角制御装置に関する。
るための舵角制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の舵角制御装置として、例えば特開
昭61-67665号公報に記載の如くの舵角制御が、本出願人
によって提案されている。上記技術においては、例え
ば、後輪舵角制御の場合なら、車速及び操舵角等から走
行状態を判別し、この走行状態から、狙いとすべき車両
平面運動に関する被制御量としての目標ヨ−レイト (挙
動目標値) を演算し、発生ヨ−レイトをその目標値とな
すのに必要な後輪舵角を、車輪コ−ナリングパワ−を含
む車両諸元に基づく運動方程式 (車両モデル) により算
出し、その算出舵角だけ後輪を補助操舵して車両の挙動
を上記挙動目標値で狙った通りのものにするようになす
ものである。これによれば、2WS 車の場合と比較して、
操縦性、安定性に新たな車両性能を付加するのに寄与で
きる。
昭61-67665号公報に記載の如くの舵角制御が、本出願人
によって提案されている。上記技術においては、例え
ば、後輪舵角制御の場合なら、車速及び操舵角等から走
行状態を判別し、この走行状態から、狙いとすべき車両
平面運動に関する被制御量としての目標ヨ−レイト (挙
動目標値) を演算し、発生ヨ−レイトをその目標値とな
すのに必要な後輪舵角を、車輪コ−ナリングパワ−を含
む車両諸元に基づく運動方程式 (車両モデル) により算
出し、その算出舵角だけ後輪を補助操舵して車両の挙動
を上記挙動目標値で狙った通りのものにするようになす
ものである。これによれば、2WS 車の場合と比較して、
操縦性、安定性に新たな車両性能を付加するのに寄与で
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかして、こうした舵
角制御において、車輪コ−ナリングパワ−を車輪横滑り
角によらず一定であるとして制御車輪である後輪の補助
舵角の算出を行うと、車速、操舵角の大きさ、制御領域
等如何によっては、実際の車輪のコ−ナリングパワ−と
車両モデル中のコ−ナリングパワ−にずれが生じ、発生
ヨ−レイトを目標ヨ−レイトに一致させにくくなる場合
がある。特に、車輪の横滑り角が大となる高速・大舵角
入力時は、それらコ−ナリングパワ−が一致しない結
果、目標ヨ−レイトの設定が不適切なものとなり、非現
実的な値となってしまい、そうしたときは発生ヨ−レイ
トを一致させることができなくなり、十分な制御効果を
得にくいものとする。従って、例えば車速150Km/h 、操
舵角60deg 程度の領域まででも舵角制御を行わんとする
ときは、その意味で限界があり、改良の余地がある。
角制御において、車輪コ−ナリングパワ−を車輪横滑り
角によらず一定であるとして制御車輪である後輪の補助
舵角の算出を行うと、車速、操舵角の大きさ、制御領域
等如何によっては、実際の車輪のコ−ナリングパワ−と
車両モデル中のコ−ナリングパワ−にずれが生じ、発生
ヨ−レイトを目標ヨ−レイトに一致させにくくなる場合
がある。特に、車輪の横滑り角が大となる高速・大舵角
入力時は、それらコ−ナリングパワ−が一致しない結
果、目標ヨ−レイトの設定が不適切なものとなり、非現
実的な値となってしまい、そうしたときは発生ヨ−レイ
トを一致させることができなくなり、十分な制御効果を
得にくいものとする。従って、例えば車速150Km/h 、操
舵角60deg 程度の領域まででも舵角制御を行わんとする
ときは、その意味で限界があり、改良の余地がある。
【0004】本発明の目的は、上記を改良し、たとえ車
輪横滑り角が大となる高速・大舵角時の領域でも、操安
性の一層の向上が図れ、制御領域を拡大することのでき
る車両用舵角制御装置を提供することにある。
輪横滑り角が大となる高速・大舵角時の領域でも、操安
性の一層の向上が図れ、制御領域を拡大することのでき
る車両用舵角制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記の
車両用舵角制御装置が提供される。前輪または後輪の少
なくとも一方の舵角を補助操舵可能で、制御手段により
制御舵角が目標値に一致するよう制御をする車両におい
て、車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、車
両の前後方向速度を検出する速度検出手段と、走行中の
車両の前輪及び後輪の横滑り角を算出する車輪の横滑り
角算出手段と、該横滑り角算出手段より算出される前後
輪の横滑り角に応じて車輪のコ−ナリングパワ−に相当
する値を推定または補正する手段と、予め車両諸元及び
運動方程式によって設定され、かつ前記の推定または補
正されるコ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する車
両モデルと、前記操舵状態検出手段及び速度検出手段の
検出値に基づいて車両の運動に関する被制御量の定常特
性及び過度特性の目標値を設定する目標設定手段であっ
て、前記車両モデルに該操舵状態検出値及び速度検出値
を与えたとき定常的に発生する値を目標定常値とする車
両運動目標設定手段と、該車両運動目標設定手段で設定
される運動目標値を制御対象となる車両で実現するため
に必要な補助操舵角を前記車両モデルに基づく演算によ
り算出して目標値とする目標補助舵角算出手段とを具備
してなる車両用舵角制御装置、前輪または後輪の少なく
とも一方の舵角を補助操舵可能で、制御手段により制御
舵角が目標値に一致するよう制御をする車両において、
車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、車両の
前後方向速度を検出する速度検出手段と、走行中の車両
の前輪及び後輪の横滑り角を算出する車輪の横滑り角算
出手段と、該横滑り角算出手段より算出される前後輪の
横滑り角に応じて車輪のコ−ナリングパワ−に相当する
値を推定または補正する手段と、予め車両諸元及び運動
方程式によって設定され、かつ前記の推定または補正さ
れるコ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する非線形
車両モデルと、前記操舵状態検出手段及び速度検出手段
の検出値に基づいて車両の運動に関する被制御量の定常
特性及び過度特性の目標値を設定する目標設定手段であ
って、前記非線形車両モデルに、該操舵状態検出値と、
該速度検出値と、車両諸元及び運動方程式によって設定
される線形車両モデルから計算される線形定常被制御量
とを与えて得られる制御車輪の定常舵角が、所定のしき
い値以下のときは線形車両モデルから計算される定常値
を目標定常値とし、また該しきい値をこえるときは非線
形車両モデルから計算される定常値を目標定常値とする
車両運動目標設定手段と、該車両運動目標設定手段で設
定される運動目標値を制御対象となる車両で実現するた
めに必要な補助操舵角を前記非線形車両モデルに基づく
演算により算出して目標値とする目標補助舵角算出手段
とを具備してなる車両用舵角制御装置、前輪または後輪
の少なくとも一方の舵角を補助操舵可能で、制御手段に
より制御舵角が目標値に一致するよう制御をする車両に
おいて、車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段
と、車両の前後方向速度を検出する速度検出手段と、予
め車両諸元及び運動方程式によって設定される線形車両
モデルと、前記操舵状態検出手段及び速度検出手段の検
出値に基づいて車両の運動に関する被制御量の定常特性
及び過度特性の目標値を設定する目標設定手段であっ
て、予めタイヤの横滑り角に対するコ−ナリングフォ−
ス特性を考慮した非線形車両モデルと線形モデルとの両
車両モデルから夫々操舵角に対して計算される目標定常
値がともに等しくなるように非線形車両モデルより制御
車輪の定常舵角を求め、この定常舵角と操舵角を線形車
両モデルに入力して得られる定常値を目標値とする車両
運動目標設定手段と、該車両運動目標設定手段で設定さ
れる運動目標値を制御対象となる車両で実現するために
必要な補助操舵角を前記線形車両モデルに基づく演算に
より算出して目標値とする目標補助舵角算出手段とを具
備してなる車両用舵角制御装置である。
車両用舵角制御装置が提供される。前輪または後輪の少
なくとも一方の舵角を補助操舵可能で、制御手段により
制御舵角が目標値に一致するよう制御をする車両におい
て、車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、車
両の前後方向速度を検出する速度検出手段と、走行中の
車両の前輪及び後輪の横滑り角を算出する車輪の横滑り
角算出手段と、該横滑り角算出手段より算出される前後
輪の横滑り角に応じて車輪のコ−ナリングパワ−に相当
する値を推定または補正する手段と、予め車両諸元及び
運動方程式によって設定され、かつ前記の推定または補
正されるコ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する車
両モデルと、前記操舵状態検出手段及び速度検出手段の
検出値に基づいて車両の運動に関する被制御量の定常特
性及び過度特性の目標値を設定する目標設定手段であっ
て、前記車両モデルに該操舵状態検出値及び速度検出値
を与えたとき定常的に発生する値を目標定常値とする車
両運動目標設定手段と、該車両運動目標設定手段で設定
される運動目標値を制御対象となる車両で実現するため
に必要な補助操舵角を前記車両モデルに基づく演算によ
り算出して目標値とする目標補助舵角算出手段とを具備
してなる車両用舵角制御装置、前輪または後輪の少なく
とも一方の舵角を補助操舵可能で、制御手段により制御
舵角が目標値に一致するよう制御をする車両において、
車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、車両の
前後方向速度を検出する速度検出手段と、走行中の車両
の前輪及び後輪の横滑り角を算出する車輪の横滑り角算
出手段と、該横滑り角算出手段より算出される前後輪の
横滑り角に応じて車輪のコ−ナリングパワ−に相当する
値を推定または補正する手段と、予め車両諸元及び運動
方程式によって設定され、かつ前記の推定または補正さ
れるコ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する非線形
車両モデルと、前記操舵状態検出手段及び速度検出手段
の検出値に基づいて車両の運動に関する被制御量の定常
特性及び過度特性の目標値を設定する目標設定手段であ
って、前記非線形車両モデルに、該操舵状態検出値と、
該速度検出値と、車両諸元及び運動方程式によって設定
される線形車両モデルから計算される線形定常被制御量
とを与えて得られる制御車輪の定常舵角が、所定のしき
い値以下のときは線形車両モデルから計算される定常値
を目標定常値とし、また該しきい値をこえるときは非線
形車両モデルから計算される定常値を目標定常値とする
車両運動目標設定手段と、該車両運動目標設定手段で設
定される運動目標値を制御対象となる車両で実現するた
めに必要な補助操舵角を前記非線形車両モデルに基づく
演算により算出して目標値とする目標補助舵角算出手段
とを具備してなる車両用舵角制御装置、前輪または後輪
の少なくとも一方の舵角を補助操舵可能で、制御手段に
より制御舵角が目標値に一致するよう制御をする車両に
おいて、車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段
と、車両の前後方向速度を検出する速度検出手段と、予
め車両諸元及び運動方程式によって設定される線形車両
モデルと、前記操舵状態検出手段及び速度検出手段の検
出値に基づいて車両の運動に関する被制御量の定常特性
及び過度特性の目標値を設定する目標設定手段であっ
て、予めタイヤの横滑り角に対するコ−ナリングフォ−
ス特性を考慮した非線形車両モデルと線形モデルとの両
車両モデルから夫々操舵角に対して計算される目標定常
値がともに等しくなるように非線形車両モデルより制御
車輪の定常舵角を求め、この定常舵角と操舵角を線形車
両モデルに入力して得られる定常値を目標値とする車両
運動目標設定手段と、該車両運動目標設定手段で設定さ
れる運動目標値を制御対象となる車両で実現するために
必要な補助操舵角を前記線形車両モデルに基づく演算に
より算出して目標値とする目標補助舵角算出手段とを具
備してなる車両用舵角制御装置である。
【0006】
【作用】請求項1 記載の舵角制御では、走行中の車両の
前輪及び後輪の横滑り角を算出する車輪の横滑り角算出
手段、かく算出される前後輪の横滑り角に応じて車輪の
コ−ナリングパワ−に相当する値を推定または補正する
手段、予め車両諸元及び運動方程式によって設定され、
かつ前記の推定または補正されたコ−ナリングパワ−相
当値に応じて可変する車両モデル、操舵状態検出手段及
び速度検出手段の検出値に基づいて車両の運動に関する
被制御量の定常特性及び過度特性の目標値を設定する車
両運動目標設定手段を有して、目標補助舵角算出手段
が、車両運動目標設定手段で設定される運動目標値を制
御対象となる車両で実現するために必要な補助操舵角を
前記車両モデルに基づく演算により算出してこれを指令
目標値とするが、その場合に車両運動目標設定手段は、
前記車両モデルに該操舵状態検出値及び速度検出値を与
えたとき定常的に発生する値を目標定常値とする。これ
により、たとえ車輪横滑り角が大となる高速・大舵角時
においても車両の運動に関する被制御量の目標値は現実
的な値となり、よって発生値にオーバシュートなどが生
じず、本制御非採用車に比べ車両操縦性、安定性を改善
でき、制御領域を更に拡大することを可能ならしめる。
前輪及び後輪の横滑り角を算出する車輪の横滑り角算出
手段、かく算出される前後輪の横滑り角に応じて車輪の
コ−ナリングパワ−に相当する値を推定または補正する
手段、予め車両諸元及び運動方程式によって設定され、
かつ前記の推定または補正されたコ−ナリングパワ−相
当値に応じて可変する車両モデル、操舵状態検出手段及
び速度検出手段の検出値に基づいて車両の運動に関する
被制御量の定常特性及び過度特性の目標値を設定する車
両運動目標設定手段を有して、目標補助舵角算出手段
が、車両運動目標設定手段で設定される運動目標値を制
御対象となる車両で実現するために必要な補助操舵角を
前記車両モデルに基づく演算により算出してこれを指令
目標値とするが、その場合に車両運動目標設定手段は、
前記車両モデルに該操舵状態検出値及び速度検出値を与
えたとき定常的に発生する値を目標定常値とする。これ
により、たとえ車輪横滑り角が大となる高速・大舵角時
においても車両の運動に関する被制御量の目標値は現実
的な値となり、よって発生値にオーバシュートなどが生
じず、本制御非採用車に比べ車両操縦性、安定性を改善
でき、制御領域を更に拡大することを可能ならしめる。
【0007】請求項2 の場合は、同様に、その車輪の横
滑り角算出手段、車輪のコ−ナリングパワ−に相当する
値を推定または補正する手段、予め車両諸元及び運動方
程式によって設定され、かつ前記の推定または補正され
たコ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する非線形車
両モデル、車両運動目標設定手段、及び目標補助舵角算
出手段をもって、指令目標値の設定をするが、その場合
において車両運動目標設定手段は、前記非線形車両モデ
ルに、操舵状態検出値と、速度検出値と、車両諸元及び
運動方程式によって設定される線形車両モデルから計算
される線形定常被制御量とを与えて得られる制御車輪の
定常舵角が、所定のしきい値以下のときは線形車両モデ
ルから計算される定常値を目標定常値とし、また該しき
い値をこえるときは非線形車両モデルから計算される定
常値を目標定常値とする。これにより、この場合も、た
とえ車輪横滑り角が大となる高速・大舵角時においても
本制御非採用車に比し車両の運動に関する被制御量を目
標値によく一致させることができ、よって車両操縦性、
安定性を改善でき、制御領域を更に拡大することを可能
ならしめる。
滑り角算出手段、車輪のコ−ナリングパワ−に相当する
値を推定または補正する手段、予め車両諸元及び運動方
程式によって設定され、かつ前記の推定または補正され
たコ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する非線形車
両モデル、車両運動目標設定手段、及び目標補助舵角算
出手段をもって、指令目標値の設定をするが、その場合
において車両運動目標設定手段は、前記非線形車両モデ
ルに、操舵状態検出値と、速度検出値と、車両諸元及び
運動方程式によって設定される線形車両モデルから計算
される線形定常被制御量とを与えて得られる制御車輪の
定常舵角が、所定のしきい値以下のときは線形車両モデ
ルから計算される定常値を目標定常値とし、また該しき
い値をこえるときは非線形車両モデルから計算される定
常値を目標定常値とする。これにより、この場合も、た
とえ車輪横滑り角が大となる高速・大舵角時においても
本制御非採用車に比し車両の運動に関する被制御量を目
標値によく一致させることができ、よって車両操縦性、
安定性を改善でき、制御領域を更に拡大することを可能
ならしめる。
【0008】請求項3 記載のものでは、予め車両諸元及
び運動方程式によって設定される線形車両モデル、操舵
状態検出手段及び速度検出手段の検出値に基づいて車両
の運動に関する被制御量の定常特性及び過度特性の目標
値を設定する車両運動目標設定手段を有して、その目標
補助舵角算出手段が、車両運動目標設定手段で設定され
る運動目標値を制御対象となる車両で実現するために必
要な補助操舵角を前記車両モデルに基づく演算により算
出してこれを指令目標値とするが、その場合に車両運動
目標設定につき、予めタイヤの横滑り角に対するコ−ナ
リングフォ−ス特性を考慮した非線形車両モデルと線形
モデルとの両車両モデルから夫々操舵角に対して計算さ
れる目標定常値がともに等しくなるように非線形車両モ
デルより制御車輪の定常舵角を求め、この定常舵角と操
舵角を線形車両モデルに入力して得られる定常値を目標
値とする。これにより、たとえ車輪横滑り角が大となる
高速・大舵角時においても本制御非採用車に比べ定常特
性が改善でき、よって同様に車両操縦性、安定性の向上
が図れて制御領域を更に拡大することを可能ならしめ、
また、舵角演算に線形車両モデルを用いても上記を実現
することを可能ならしめる。
び運動方程式によって設定される線形車両モデル、操舵
状態検出手段及び速度検出手段の検出値に基づいて車両
の運動に関する被制御量の定常特性及び過度特性の目標
値を設定する車両運動目標設定手段を有して、その目標
補助舵角算出手段が、車両運動目標設定手段で設定され
る運動目標値を制御対象となる車両で実現するために必
要な補助操舵角を前記車両モデルに基づく演算により算
出してこれを指令目標値とするが、その場合に車両運動
目標設定につき、予めタイヤの横滑り角に対するコ−ナ
リングフォ−ス特性を考慮した非線形車両モデルと線形
モデルとの両車両モデルから夫々操舵角に対して計算さ
れる目標定常値がともに等しくなるように非線形車両モ
デルより制御車輪の定常舵角を求め、この定常舵角と操
舵角を線形車両モデルに入力して得られる定常値を目標
値とする。これにより、たとえ車輪横滑り角が大となる
高速・大舵角時においても本制御非採用車に比べ定常特
性が改善でき、よって同様に車両操縦性、安定性の向上
が図れて制御領域を更に拡大することを可能ならしめ、
また、舵角演算に線形車両モデルを用いても上記を実現
することを可能ならしめる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は、本発明舵角制御装置の一実施例であ
る。適用できる車両の舵角制御システムは前輪及び/ 又
は後輪の舵角を補助的に操舵可能な補助操舵手段と、そ
の補助操舵手段の舵角を制御可能な補助操舵制御手段を
有し、その補助操舵制御手段が目標補助舵角と補助操舵
手段の舵角が一致するよう、制御を行うシステムによる
ものとでき、ここでは後輪を操舵する舵角制御システム
に適用した場合を示す。
説明する。図1は、本発明舵角制御装置の一実施例であ
る。適用できる車両の舵角制御システムは前輪及び/ 又
は後輪の舵角を補助的に操舵可能な補助操舵手段と、そ
の補助操舵手段の舵角を制御可能な補助操舵制御手段を
有し、その補助操舵制御手段が目標補助舵角と補助操舵
手段の舵角が一致するよう、制御を行うシステムによる
ものとでき、ここでは後輪を操舵する舵角制御システム
に適用した場合を示す。
【0010】図1 中、20L,20R は夫々左右後輪を示す。
図1 では図示しない前輪は、ステアリングホイ−ル21に
よりステアリングギヤを介して転舵可能とする。前輪舵
角は、ステアリングホイ−ル操舵角をθ、ステアリング
ギヤ比をN とすると、θ/Nで表される。
図1 では図示しない前輪は、ステアリングホイ−ル21に
よりステアリングギヤを介して転舵可能とする。前輪舵
角は、ステアリングホイ−ル操舵角をθ、ステアリング
ギヤ比をN とすると、θ/Nで表される。
【0011】後輪舵角制御系は、ここでは、後輪操舵用
のアクチュエ−タとしての後輪操舵用油圧シリンダ22を
有し、これにより後輪20L,20R を転舵可能とする。油圧
シリンダ22は、制御弁としての圧力サ−ボ弁23を介して
圧力源に接続する。圧力源には、シリンダ22の油圧源と
してエンジン24によって駆動されるオイルポンプ (後輪
操舵用循環ポンプ)25 を設ける。該ポンプは、オイルリ
ザ−バ (後輪操舵用リザ−バ)26 の作動油を吸入して吐
出し、吐出油をアンロ−ド弁27により調圧してアキュム
レ−タ (後輪操舵用アキュムレ−タ)28 に蓄圧する。か
かる圧力源の油圧供給路29及びドレン路30と、油圧シリ
ンダ22の室22L,22R との間に前記圧力サ−ボ弁23を介装
接続する。
のアクチュエ−タとしての後輪操舵用油圧シリンダ22を
有し、これにより後輪20L,20R を転舵可能とする。油圧
シリンダ22は、制御弁としての圧力サ−ボ弁23を介して
圧力源に接続する。圧力源には、シリンダ22の油圧源と
してエンジン24によって駆動されるオイルポンプ (後輪
操舵用循環ポンプ)25 を設ける。該ポンプは、オイルリ
ザ−バ (後輪操舵用リザ−バ)26 の作動油を吸入して吐
出し、吐出油をアンロ−ド弁27により調圧してアキュム
レ−タ (後輪操舵用アキュムレ−タ)28 に蓄圧する。か
かる圧力源の油圧供給路29及びドレン路30と、油圧シリ
ンダ22の室22L,22R との間に前記圧力サ−ボ弁23を介装
接続する。
【0012】圧力サ−ボ弁23は、舵角制御でのサ−ボ系
を構成し、そのため、シリンダ22のストロ−ク、即ち後
輪舵角 (実舵角) δr を検出する後輪舵角センサ31を設
けて、当該センサからのフィ−ドバック信号が示す後輪
舵角値が後述の後輪目標舵角算出手法での演算値 (目標
後輪舵角) と一致するよう、サ−ボ弁を制御する。即
ち、圧力サ−ボ弁23は、そのソレノイドのOFF 時図示の
位置となり、シリンダ室22L,22R を供給路29及びドレン
路30から遮断してシリンダ22のストロ−クを禁じ、後輪
舵角を保持する。また、圧力サ−ボ弁23は一方向の電流
でONされる時、上側図示のポ−ト位置となり、供給路29
の圧力をシリンダ室22L に供給して後輪を左転舵し、他
方向の電流でONされる時、下側図示のポ−ト位置とな
り、供給路29の圧力をシリンダ室22R に供給して後輪を
右転舵するものとする。かかる転舵により、後輪舵角セ
ンサ31で検出した後輪舵角が前記演算値に一致すると
き、サ−ボ弁23をOFF して当該後輪舵角を維持する。
を構成し、そのため、シリンダ22のストロ−ク、即ち後
輪舵角 (実舵角) δr を検出する後輪舵角センサ31を設
けて、当該センサからのフィ−ドバック信号が示す後輪
舵角値が後述の後輪目標舵角算出手法での演算値 (目標
後輪舵角) と一致するよう、サ−ボ弁を制御する。即
ち、圧力サ−ボ弁23は、そのソレノイドのOFF 時図示の
位置となり、シリンダ室22L,22R を供給路29及びドレン
路30から遮断してシリンダ22のストロ−クを禁じ、後輪
舵角を保持する。また、圧力サ−ボ弁23は一方向の電流
でONされる時、上側図示のポ−ト位置となり、供給路29
の圧力をシリンダ室22L に供給して後輪を左転舵し、他
方向の電流でONされる時、下側図示のポ−ト位置とな
り、供給路29の圧力をシリンダ室22R に供給して後輪を
右転舵するものとする。かかる転舵により、後輪舵角セ
ンサ31で検出した後輪舵角が前記演算値に一致すると
き、サ−ボ弁23をOFF して当該後輪舵角を維持する。
【0013】圧力サ−ボ弁23に対する上記の制御はコン
トローラ40により行い、該コントローラには、操舵角を
検出する操舵角センサ3 からの信号、車速を検出する車
速センサ4 からの信号を入力すると共に、前記後輪舵角
センサ31からの信号を入力する。コントローラは、操舵
角入力と車速によって設定される運動目標値を後輪舵角
の制御によって実現させるにあたり、車両運動目標値と
して、検出操舵角及び検出車速値に基づいて車両の運動
の目標値を設定し、かく設定される目標値を制御対象と
なる車両で実現するために必要な後輪の補助操舵量を車
両モデルに基づく演算により算出する。
トローラ40により行い、該コントローラには、操舵角を
検出する操舵角センサ3 からの信号、車速を検出する車
速センサ4 からの信号を入力すると共に、前記後輪舵角
センサ31からの信号を入力する。コントローラは、操舵
角入力と車速によって設定される運動目標値を後輪舵角
の制御によって実現させるにあたり、車両運動目標値と
して、検出操舵角及び検出車速値に基づいて車両の運動
の目標値を設定し、かく設定される目標値を制御対象と
なる車両で実現するために必要な後輪の補助操舵量を車
両モデルに基づく演算により算出する。
【0014】この場合において、コントローラは、第一
には、予め車両諸元及び運動方程式によって設定される
車両モデルとしては、走行中の車両の車輪横滑り角を算
出し、算出横滑り角に応じて車輪のコ−ナリングパワ−
に相当する値を推定または補正し、かく推定または補正
されたコ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する車両
モデルを用い、また第二には、車両運動目標値の設定に
おいて、上記車両モデルに検出操舵角値と検出車速値を
与えたとき定常的に発生する値を目標定常値とする。上
記において、車両の運動目標値はヨ−レイトとできる。
には、予め車両諸元及び運動方程式によって設定される
車両モデルとしては、走行中の車両の車輪横滑り角を算
出し、算出横滑り角に応じて車輪のコ−ナリングパワ−
に相当する値を推定または補正し、かく推定または補正
されたコ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する車両
モデルを用い、また第二には、車両運動目標値の設定に
おいて、上記車両モデルに検出操舵角値と検出車速値を
与えたとき定常的に発生する値を目標定常値とする。上
記において、車両の運動目標値はヨ−レイトとできる。
【0015】図 2をみると、これは機能ブロック線図と
して表した制御系の構成を示すもので、1aは車両、2aは
補助操舵機構 (ここでは、後輪操舵機構) を示す。補助
操舵機構2aは、図 1のシステムにおける油圧シリンダ2
2、サ−ボ弁23を含んで構成される。本実施例におい
て、車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段3a、車
両の前後方向を検出する速度検出部4aは、夫々、該当す
るセンサ3,4 及びコントローラ40の一部を含んで構成さ
れる。更に、コントローラ40は、ここでは、目標ヨ−レ
イト設定部としての車両運動目標設定部5aと、該設定部
で設定される運動目標値(ヨ−レイト目標値) を実現す
るための後輪の舵角を計算する舵角演算部6aの各機能を
有する。
して表した制御系の構成を示すもので、1aは車両、2aは
補助操舵機構 (ここでは、後輪操舵機構) を示す。補助
操舵機構2aは、図 1のシステムにおける油圧シリンダ2
2、サ−ボ弁23を含んで構成される。本実施例におい
て、車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段3a、車
両の前後方向を検出する速度検出部4aは、夫々、該当す
るセンサ3,4 及びコントローラ40の一部を含んで構成さ
れる。更に、コントローラ40は、ここでは、目標ヨ−レ
イト設定部としての車両運動目標設定部5aと、該設定部
で設定される運動目標値(ヨ−レイト目標値) を実現す
るための後輪の舵角を計算する舵角演算部6aの各機能を
有する。
【0016】目標設定部5aは、規範モデルを用い、車両
の定常特性及び過度特性の目標値を設定する。具体的に
は、検出部3a,4a の検出値に基づき定常ゲイン (ここで
は、規範モデル中のヨ−レイトゲイン) 及び過度応答特
性を設定するが、この場合に、規範モデルのコ−ナリン
グパワ−特性をタイヤ (車輪) の横滑り角に基づき修正
し、設定する。
の定常特性及び過度特性の目標値を設定する。具体的に
は、検出部3a,4a の検出値に基づき定常ゲイン (ここで
は、規範モデル中のヨ−レイトゲイン) 及び過度応答特
性を設定するが、この場合に、規範モデルのコ−ナリン
グパワ−特性をタイヤ (車輪) の横滑り角に基づき修正
し、設定する。
【0017】舵角演算部6aは、本制御例に従うときは、
走行中の車両の前輪及び後輪の横滑り角を算出する車輪
の横滑り角算出手段、該横滑り角算出手段より算出され
る前後輪の横滑り角に応じて車輪のコ−ナリングパワ−
に相当する値を推定または補正する推定手段、予め車両
諸元及び運動方程式によって設定され、かつ該推定手段
により推定 (補正) されるコ−ナリングパワ−相当値に
応じて可変する車両モデル、目標設定部5aで設定される
目標ヨ−レイトを自車で実現するのに必要な後輪補助舵
角 (目標補助舵角) を前記車両モデルに基づく演算によ
り算出する目標補助舵角算出手段をもって、後輪の制御
舵角を計算する (なお、他の例では、舵角演算部は、上
記に代え、予め車両諸元及び運動方程式によって設定さ
れる車両モデル (線形車両モデル) に基づく演算により
後輪補助舵角を算出する方法によるものとされる) 。
走行中の車両の前輪及び後輪の横滑り角を算出する車輪
の横滑り角算出手段、該横滑り角算出手段より算出され
る前後輪の横滑り角に応じて車輪のコ−ナリングパワ−
に相当する値を推定または補正する推定手段、予め車両
諸元及び運動方程式によって設定され、かつ該推定手段
により推定 (補正) されるコ−ナリングパワ−相当値に
応じて可変する車両モデル、目標設定部5aで設定される
目標ヨ−レイトを自車で実現するのに必要な後輪補助舵
角 (目標補助舵角) を前記車両モデルに基づく演算によ
り算出する目標補助舵角算出手段をもって、後輪の制御
舵角を計算する (なお、他の例では、舵角演算部は、上
記に代え、予め車両諸元及び運動方程式によって設定さ
れる車両モデル (線形車両モデル) に基づく演算により
後輪補助舵角を算出する方法によるものとされる) 。
【0018】舵角演算部6aは、かように、本例では、前
後輪の車輪横滑り角が算出可能で、かつその横滑り角と
の関係に応じてモデルの車輪コ−ナリングパワ−が可変
となる車両モデル (非線形モデル) を舵角計算に用い
る。更に、この場合において、当該舵角演算部6aでの演
算に適用される目標ヨ−レイトの設定に関しては、かか
る車両モデルに操舵角と車速を与えて定常的に発生する
ヨ−レイトを目標ヨ−レイトとして設定する。
後輪の車輪横滑り角が算出可能で、かつその横滑り角と
の関係に応じてモデルの車輪コ−ナリングパワ−が可変
となる車両モデル (非線形モデル) を舵角計算に用い
る。更に、この場合において、当該舵角演算部6aでの演
算に適用される目標ヨ−レイトの設定に関しては、かか
る車両モデルに操舵角と車速を与えて定常的に発生する
ヨ−レイトを目標ヨ−レイトとして設定する。
【0019】以下、図3 〜図5 をも参照し、図2 に示し
た制御ブロック図における目標とするヨ−レイト(d/dt)
φの設定方法及び目標後輪舵角値の算出方法等につい
て、夫々具体的に述べるに、これらは下記する如き演算
によって行うことができる。
た制御ブロック図における目標とするヨ−レイト(d/dt)
φの設定方法及び目標後輪舵角値の算出方法等につい
て、夫々具体的に述べるに、これらは下記する如き演算
によって行うことができる。
【0020】まず、上記についての説明に先立ち、車両
の運動を図 3に示すヨ−イング及び横方向の2 自由度と
考え、運動方程式について説明すると、次のようであ
る。なお、ヨ−イングと横方向の2 自由度をもつ車両運
動モデル (線形2 自由度車両モデル) の説明図である図
3中、並びに後出の該当式における該当する各符号は、
夫々次を意味するものである。
の運動を図 3に示すヨ−イング及び横方向の2 自由度と
考え、運動方程式について説明すると、次のようであ
る。なお、ヨ−イングと横方向の2 自由度をもつ車両運
動モデル (線形2 自由度車両モデル) の説明図である図
3中、並びに後出の該当式における該当する各符号は、
夫々次を意味するものである。
【表1】 M: 車両重量 IZ : 車両ヨ−慣性モ−メント Cf : 前輪コ−ナリングフォ−ス Cr : 後輪コ−ナリングフォ−ス Lf : 車両重心〜前車軸間距離 Lr : 車両重心〜後車軸間距離 Vx : 車両前後方向速度 (車速) Vy : 車両横方向速度 (横速度) L : Lf + Lr
【0021】車両のヨ−イング及び横方向に関する運動
方程式は、時間t の連続系で表現した場合、以下の(1),
(2) 式で表せることが知られている。
方程式は、時間t の連続系で表現した場合、以下の(1),
(2) 式で表せることが知られている。
【数1】 IZ ・(d2/dt2)φ(t) = Cf ・ Lf − Cr ・ Lr ---(1)
【数2】 M・ (d/dt)V y (t)=2( Cf + Cr ) − M・ Vx (t) ・(d/dt)φ ---(2) ここで、 Cf , Cr の各々前輪、後輪コ−ナリングフォ
−スは、前輪コ−ナリングパワ− Kf , 後輪コ−ナリン
グパワ− Kr 、前輪横滑り角βf , 後輪横滑り角βr を
用いて、次式で表せる。
−スは、前輪コ−ナリングパワ− Kf , 後輪コ−ナリン
グパワ− Kr 、前輪横滑り角βf , 後輪横滑り角βr を
用いて、次式で表せる。
【数3】Cf = Kf ・βf ---(3)
【数4】Cr = Kr ・βr ---(4) また、前後輪横滑り角βf , βr は、次式で定義される
量である。
量である。
【数5】 βf =θ(t)/N −(Vy + Lf ・(d/dt)φ)/ Vx (t) ---(5)
【数6】 βr =δr (t) −(Vy − Lr ・(d/dt)φ)/ Vx (t) ---(6)
【0022】ここで、上記(3) 〜(6) 式を(1),(2) 式に
代入し、ヨ−レイト(d/dt)φ、横速度 Vy に関する微分
方程式と考えると、次の(7) 、(8) 式のように表現でき
る。
代入し、ヨ−レイト(d/dt)φ、横速度 Vy に関する微分
方程式と考えると、次の(7) 、(8) 式のように表現でき
る。
【数7】 (d2/dt2)φ(t) =a11 (d/dt)φ(t) +a12Vy (t) + bf1θ(t) + br1δr (t) ---(7)
【数8】 (d/dt)Vy (t) =a21 (d/dt)φ(t) +a22Vy (t) + bf2θ(t) + br2δr (t) ---(8) ただし、上記各式中の各係数は以下を表す。
【数9】 a11=− 2・ ( Kf ・ Lf 2 + Kr ・ Lr 2 )/(IZ ・ Vx ) ---(9)
【数10】 a12=− 2・ ( Kf ・ Lf − Kr ・ Lr )/(IZ ・ Vx ) ---(10)
【数11】 a21=− 2・ ( Kf ・ Lf − Kr ・ Lr )/(M・ Vx ) − Vx ---(11)
【数12】 a22=− 2・ ( Kf + Kr )/(M・ Vx ) ---(12)
【数13】 bf1= 2・ Kf ・ Lf /( IZ ・ N) ---(13)
【数14】 bf2= 2・ Kf /(M ・ N) ---(14)
【数15】 br1=−2 ・ Kr ・ Lr /IZ ---(15)
【数16】 br2= 2・ Kr /M ---(16) こうして、車両のヨ−イング及び横方向に関する運動方
程式を線形2 自由度モデルで表現し、ヨ−レイトと横速
度に関する微分方程式として整理すると、上記(7) 及び
(8) 式のように表現できる。
程式を線形2 自由度モデルで表現し、ヨ−レイトと横速
度に関する微分方程式として整理すると、上記(7) 及び
(8) 式のように表現できる。
【0023】ここで、操舵角入力に対するヨ−レイト、
横速度の特性を考える。前記(7),(8) 式より、まず、操
舵角入力θ(t) に対する発生ヨ−レイト(d/dt)φ(t) の
関係は、微分演算子S を用いると、次の(17)式のように
表せる。
横速度の特性を考える。前記(7),(8) 式より、まず、操
舵角入力θ(t) に対する発生ヨ−レイト(d/dt)φ(t) の
関係は、微分演算子S を用いると、次の(17)式のように
表せる。
【数17】 (d/dt)φ(S)/θ(S) ={ bf1S + (a12bf2−a22bf1) }/ { S2 −(a11+a22)S +(a11a22 −a12a21) } ---(17) 一方、同様に、操舵角入力θ(t) に対する発生横速度 V
y (t) の関係は、微分演算子S を用いて次の(18)式のよ
うに表せる。
y (t) の関係は、微分演算子S を用いて次の(18)式のよ
うに表せる。
【数18】 Vy (S)/θ(S) ={ bf2S + (a21bf1−a11bf2) }/ { S2 −(a11+a22)S +(a11a22 −a12a21) } ---(18) ここに、上記(17),(18) 式をみると、これら式は、いず
れも(1次)/(2次) の形であり、車速 Vx が大きくなるほ
ど操舵角入力に対する発生ヨ−レイト(d/dt)φ(t) 及び
横速度 Vy (t) は振動的になり、車両操縦性、安定性が
悪化することが分かる。
れも(1次)/(2次) の形であり、車速 Vx が大きくなるほ
ど操舵角入力に対する発生ヨ−レイト(d/dt)φ(t) 及び
横速度 Vy (t) は振動的になり、車両操縦性、安定性が
悪化することが分かる。
【0024】そこで、例えば目標ヨ−レイト(d/dt)φr
(t) を操舵角入力に対してオ−バ/アンダシュ−トのな
い1次遅れ系とし、かつ定常値をノ−マル(ベース車
両) と等しくなるよう設定すれば、下記にて定義される
スタビリティファクタA,及び下記にて定義される定常ヨ
−レイトゲインH0を用いることにより、目標ヨ−レイト
(d/dt)φr (t) は下記(19)式にて定義される。
(t) を操舵角入力に対してオ−バ/アンダシュ−トのな
い1次遅れ系とし、かつ定常値をノ−マル(ベース車
両) と等しくなるよう設定すれば、下記にて定義される
スタビリティファクタA,及び下記にて定義される定常ヨ
−レイトゲインH0を用いることにより、目標ヨ−レイト
(d/dt)φr (t) は下記(19)式にて定義される。
【数19】 (d/dt)φr (t) = H0 θ(t)/(1+τS) ---(19) τ: 時定数
【数20】 H0= Vx /(1 +A ・ Vx 2)LN ---(20)
【数21】 A=−M (Lf Kf0− Lr Kr0)/(2L2 Kf0 Kr0) ---(21) 上記(19)式で表される目標ヨ−レイト(d/dt)φr (t)
は、その Kf , Kr ((21) 式中) を一定 (線形領域) と
して扱っており、従ってまた(20)式の定常ヨ−レイトゲ
インH0も車速 Vx が一定なら一定値となることから、操
舵角入力に比例する線形ヨ−レイトである。
は、その Kf , Kr ((21) 式中) を一定 (線形領域) と
して扱っており、従ってまた(20)式の定常ヨ−レイトゲ
インH0も車速 Vx が一定なら一定値となることから、操
舵角入力に比例する線形ヨ−レイトである。
【0025】しかして、車輪コ−ナリングパワ−を車輪
横滑り角によらず一定とすると、他方、横滑り角の大き
い大舵角入力時など目標値が非現実的な値となる場合が
あり、発生ヨ−レイトを一致させることができず、結
果、車両挙動が不安定な傾向のものとなるケースが生じ
てしまい、その意味で制御領域に限界がある。これがた
め、本制御では、目標ヨ−レイト(d/dt)φr (t) の設定
を一次遅れ系は同じとし、定常値をコ−ナリングパワ−
の横滑り角依存性を考慮した上でベース車両の2WS 特性
と等しくなるように設定する。
横滑り角によらず一定とすると、他方、横滑り角の大き
い大舵角入力時など目標値が非現実的な値となる場合が
あり、発生ヨ−レイトを一致させることができず、結
果、車両挙動が不安定な傾向のものとなるケースが生じ
てしまい、その意味で制御領域に限界がある。これがた
め、本制御では、目標ヨ−レイト(d/dt)φr (t) の設定
を一次遅れ系は同じとし、定常値をコ−ナリングパワ−
の横滑り角依存性を考慮した上でベース車両の2WS 特性
と等しくなるように設定する。
【0026】以下、目標ヨ−レイトの算出方法を説明す
る。まず、2WS の定常特性は、前述の2 自由度運動方程
式より、前記 (1),(2),(5),(6)式において、(d2/dt2)φ
(t) 、(d/dt)V y (t) 、δr (t) を夫々ゼロとおくと、
これら式は次のようになる。
る。まず、2WS の定常特性は、前述の2 自由度運動方程
式より、前記 (1),(2),(5),(6)式において、(d2/dt2)φ
(t) 、(d/dt)V y (t) 、δr (t) を夫々ゼロとおくと、
これら式は次のようになる。
【数22】 Cf ・ Lf = Cr ・ Lr ---(1A)
【数23】 M・ Vx (t) ・(d/dt)φ(t) = 2( C f + Cr ) ---(2A)
【数24】 βf =θ/N−(Vy + Lf ・(d/dt)φ(t)/ V x(t) ---(5A)
【数25】 βr =−(Vy0− Lr ・(d/dt)φ(t)/ V x(t) ---(6A)
【0027】また、前後輪コ−ナリングパワ− Kf 、 K
r の車輪横滑り角依存性は図4 で説明することができ、
一般に、車輪横滑り角とコ−ナリングフォ−スは、同図
で代表される特性となっており、コ−ナリングパワ−は
横滑り角の増大に伴い、減少傾向を示す。そこで、前後
輪コ−ナリングパワ− Kf 、 Kr を車輪横滑り角βf ,
βr 依存の変数として取扱、目標定常特性は、かように
車輪横滑り角に応じて車輪コ−ナリングパワ−が変化す
ることを考慮して、定常的に発生するヨ−レイトを演算
する。例えば図5 (a),(b) に示す特性のように、夫々前
輪、後輪各々につき夫々前輪横滑り角βf 、後輪横滑り
角βr の図示の該当する範囲において、下記(22)式、
(23)式の如くに近似する。
r の車輪横滑り角依存性は図4 で説明することができ、
一般に、車輪横滑り角とコ−ナリングフォ−スは、同図
で代表される特性となっており、コ−ナリングパワ−は
横滑り角の増大に伴い、減少傾向を示す。そこで、前後
輪コ−ナリングパワ− Kf 、 Kr を車輪横滑り角βf ,
βr 依存の変数として取扱、目標定常特性は、かように
車輪横滑り角に応じて車輪コ−ナリングパワ−が変化す
ることを考慮して、定常的に発生するヨ−レイトを演算
する。例えば図5 (a),(b) に示す特性のように、夫々前
輪、後輪各々につき夫々前輪横滑り角βf 、後輪横滑り
角βr の図示の該当する範囲において、下記(22)式、
(23)式の如くに近似する。
【数26】 Cf = Kfi・βf − Cfi (i=0,1,2) ---(22)
【数27】 Cr = Krj・βr − Crj (j=0,1,2) ---(23) ただし、上記近似式において、βf , Kfi , Cfiの関
係、βr , Krj, Crjの関係は、同図(a),(b) に示す各
定数を下記の如くにとるものとする。
係、βr , Krj, Crjの関係は、同図(a),(b) に示す各
定数を下記の如くにとるものとする。
【0028】
【数28】 0 ≦|βf |≦βf1 Kfi= Kf0、 Cfi=0 ---(24a)
【数29】 βf1<|βf |≦βf2 Kfi= Kf1、 Cfi= Cf1 ---(24b) (βf <0 のとき、 Cfi=-Cf1)
【数30】 βf2<|βf | Kfi= Kf2、 Cfi= Cf2 ---(24c) (βf <0 のとき、 Cfi=-Cf2)
【数31】 0 ≦|βr |≦βr1 Krj= Kr0、 Cri=0 ---(24d)
【数32】 βr1<|βr |≦βr2 Krj= Kr1、 Cri= Cr1 ---(24e) (βr <0 のとき、 Cri=-Cr1)
【数33】 βr2<|βr | Krj= Kr2、 Cri= Cr2 ---(24f) (βr <0 のとき、 Cri=-Cr2) なお、各定数の大小関係については以下の条件を満たす
値である。
値である。
【数34】 Kf0> Kf1> Kf2>0 Kr0> Kr1> Kr2>0
【数35】Cf2> Cf1>0 Cr2> Cr1>0
【数36】βf2>βf1>0 βr2>βr1>0
【0029】前記(22),(23) 式で算出されるコ−ナリン
グフォ−ス Cf 、 Cr より、前後輪コ−ナリングパワ−
Kf , Kr は下記(25),(26) 式にて算出される。
グフォ−ス Cf 、 Cr より、前後輪コ−ナリングパワ−
Kf , Kr は下記(25),(26) 式にて算出される。
【数37】(25)式 Kf = Cf / βf (βf ≠0) ---(25a)
【数38】Kf = Kf0 (βf =0) ---(25b)
【数39】(26)式 Kr = Cr / βr (βr ≠0) ---(26a)
【数40】Kr = Kr0 (βr =0) ---(26b)
【0030】次に、目標定常ヨ−レイトの算出方法を説
明する。まず、前記(1A),(2A),(5A),(6A) 式に基づき定
常横滑り角を求める。前記(1A),(2A) 式に照らし、(d/d
t)φ0 を目標定常ヨ−レイトとして、
明する。まず、前記(1A),(2A),(5A),(6A) 式に基づき定
常横滑り角を求める。前記(1A),(2A) 式に照らし、(d/d
t)φ0 を目標定常ヨ−レイトとして、
【数41】 ( M ・ Vx (t) ・(d/dt)φ0)/2=(1+ Lf / Lr ) Cr が得られ、よって、上式から(d/dt)φ0 は、次式で表さ
せる。
せる。
【数42】 (d/dt)φ0 =2(1 +p) Cf / M Vx ---(27) ただし、、p = Lf /L r
【0031】一方、(5A)式−(6A)式に照らし、
【数43】 βf −βr =θ/N− L(d/dt)φ0/ V x ---(28) であり、上記(28)式に前記(27)式の(d/dt) φ0 を代入
し、前輪コ−ナリングフォ−ス Cf に注目して整理する
と、次のようになる。
し、前輪コ−ナリングフォ−ス Cf に注目して整理する
と、次のようになる。
【数44】 βf −βr =θ/N− 2L(1 +p) Cf / M Vx 2d
【数45】 ∴ Cf =k0・θ/N−( βf −βr ) ---(29) ただし、k0=MVx 2/2L(1+p)
【0032】また、後輪コ−ナリングフォ−ス Cr は、
前記(1A)及び上記(29)式より、次式のようになる。
前記(1A)及び上記(29)式より、次式のようになる。
【数46】 Cr = p Cf = pk0・θ/N−( βf −βr ) ---(30) 従って、これら(29),(30) 式、及び前述した近次式であ
る(23),(24) 式をまとめると、次の行列式が得られる。
る(23),(24) 式をまとめると、次の行列式が得られる。
【0033】
【数47】
【数48】
【0034】上記(31)式より Kfi , Cfi, Krj , Crjを
順次与えて得られたβf , βr が(24a) 〜(24f) 式で定
義された存在条件を満たす値を選択する。βf , βr が
求められれば前記(22),(23) 式より定常的なコ−ナリン
グフォ−ス Cf ,Cr が求まり、更に(27)式より定常発生
ヨ−レイト(d/dt)φ0 が得られる。そして、目標ヨ−レ
イトは、(27)式の定常値に対してオ−バ/ アンダシュ−
トのない一次遅れ系に設定するので次の(32)式のように
表せる。
順次与えて得られたβf , βr が(24a) 〜(24f) 式で定
義された存在条件を満たす値を選択する。βf , βr が
求められれば前記(22),(23) 式より定常的なコ−ナリン
グフォ−ス Cf ,Cr が求まり、更に(27)式より定常発生
ヨ−レイト(d/dt)φ0 が得られる。そして、目標ヨ−レ
イトは、(27)式の定常値に対してオ−バ/ アンダシュ−
トのない一次遅れ系に設定するので次の(32)式のように
表せる。
【数49】 (d/dt)φr (t) =(d/dt)φ0(t)/(1+τS) ---(32) ここに、上記(32)式において、前記(19)式に対し、(d/d
t)φ0 が前述の(27)式による定常ヨ−レイトである。こ
うして目標ヨ−レイトは、その定常値を、コ−ナリング
パワ−が車輪横滑り角に応じ変化するのを考慮した上で
ベース車両の2WS 特性と等しくなるように設定すること
ができる。
t)φ0 が前述の(27)式による定常ヨ−レイトである。こ
うして目標ヨ−レイトは、その定常値を、コ−ナリング
パワ−が車輪横滑り角に応じ変化するのを考慮した上で
ベース車両の2WS 特性と等しくなるように設定すること
ができる。
【0035】更に、後輪舵角δr (t) を用いて車両の発
生ヨ−レイト(d/dt)φ(t) を、上記の目標ヨ−レイト(d
/dt)φr (t) に一致させる方法について述べる。上記(3
2)式を変形すれば、その目標ヨ−レイトの微分値(d2/dt
2)φr (t)(ヨ−角加速度)は、次の(33)式にて求めら
れる。
生ヨ−レイト(d/dt)φ(t) を、上記の目標ヨ−レイト(d
/dt)φr (t) に一致させる方法について述べる。上記(3
2)式を変形すれば、その目標ヨ−レイトの微分値(d2/dt
2)φr (t)(ヨ−角加速度)は、次の(33)式にて求めら
れる。
【数50】 (d2/dt2)φr (t) ={(d/dt)φ0(t)−(d/dt)φr (t) }/ τ ---(33) ここで、操舵角θ(t) 、後輪舵角δr (t) の2 入力によ
る発生ヨ−レイト(d/dt)φ(t) が、目標ヨ−レイト値(d
/dt)φr (t) と一致すると仮定すれば、夫々、その微分
値(d2/dt2)φ(t) と(d2/dt2)φr (t) も一致する。従っ
て、(d/dt)φr (t) =(d/dt)φ(t) 、かつ(d2/dt2)φr
(t) =(d2/dt2)φ(t) と仮定し、また(d/dt)φr (t) =
(d/dt)φ(t) が成り立つ時の車両横方向速度 Vy (t) を
Vyr(t)と定義すれば、前記の運動方程式の(7),(8) 式
より、下記(34),(35) 式が得られる。
る発生ヨ−レイト(d/dt)φ(t) が、目標ヨ−レイト値(d
/dt)φr (t) と一致すると仮定すれば、夫々、その微分
値(d2/dt2)φ(t) と(d2/dt2)φr (t) も一致する。従っ
て、(d/dt)φr (t) =(d/dt)φ(t) 、かつ(d2/dt2)φr
(t) =(d2/dt2)φ(t) と仮定し、また(d/dt)φr (t) =
(d/dt)φ(t) が成り立つ時の車両横方向速度 Vy (t) を
Vyr(t)と定義すれば、前記の運動方程式の(7),(8) 式
より、下記(34),(35) 式が得られる。
【数51】 (d2/dt2)φr (t) =a11 (d/dt)φr (t) +a12Vyr(t) + bf1θ(t) + br1δr (t) ---(34)
【数52】 (d/dt)Vyr(t) =a21 (d/dt)φr (t) +a22Vyr(t) + bf2θ(t) + br2δr (t) ---(35) 従って、上記より、次の(36)式でδr (t) が求められ
る。
る。
【数53】 δr (t) ={(d2/dt2)φr (t) −a11 (d/dt)φr (t) −a12Vyr(t) − bf1θ(t) }/br1 ---(36) 上記(36)式で求められる後輪舵角を入力することによ
り、車両の発生ヨ−レイトを目標ヨ−レイトに一致させ
ることができる。
り、車両の発生ヨ−レイトを目標ヨ−レイトに一致させ
ることができる。
【0036】従って、本制御による目標後輪舵角の算出
は、これを上述のようにして行うものであり、これを目
標値として後輪舵角制御を実行する。
は、これを上述のようにして行うものであり、これを目
標値として後輪舵角制御を実行する。
【0037】以上 (1)〜(36)式に基づいて説明した目標
後輪舵角算出までに必要な演算は、コントローラ40内の
マイクロコンピュ−タで行うことができ、例えば、図6
乃至図 8に示すフロ−チャ−トに従って目標後輪舵角を
演算する。本プログラムは、一定時間ΔT 毎に実行さ
れ、かつマイクロコンピュ−タでの処理に対応させるた
め、これまでの説明に用いた連続系演算 (t)に代えて、
以下のプログラム処理では、離散系演算であることを示
す(n) を付した記号を用いている。ここに、該当する演
算値について (n-1)を付記したものは、今回値(n) に対
する前回値を表す。以下、フロ−チャ−トでの処理と、
前述した式を対応させつつ説明する。
後輪舵角算出までに必要な演算は、コントローラ40内の
マイクロコンピュ−タで行うことができ、例えば、図6
乃至図 8に示すフロ−チャ−トに従って目標後輪舵角を
演算する。本プログラムは、一定時間ΔT 毎に実行さ
れ、かつマイクロコンピュ−タでの処理に対応させるた
め、これまでの説明に用いた連続系演算 (t)に代えて、
以下のプログラム処理では、離散系演算であることを示
す(n) を付した記号を用いている。ここに、該当する演
算値について (n-1)を付記したものは、今回値(n) に対
する前回値を表す。以下、フロ−チャ−トでの処理と、
前述した式を対応させつつ説明する。
【0038】図6 において、まず、ステップ200 では、
各センサ3,4 からの出力を基に車速Vx (n) 、操舵角θ
(n) を読込む。次に、ステップ201 〜203 で車輪コ−ナ
リングパワ−演算を実行する。即ち、ステップ201 で
は、夫々後述の如くに求められている前回の前後輪の車
輪横滑り角算出値( 図8のステップ209 の演算値) より
コ−ナリングフォ−スの近次式(前記(22),(23) 式)の
各係数 Kfi, Cfi , Krj, Crjを選択する。具体的に
は、夫々の前回値βf (n-1) , βr (n-1) に応じ、それ
が図 5の近似特性上いづれかの領域に該当するものかを
判断し((24a) 〜(24f) 式) 、当該各係数を決定す
る。
各センサ3,4 からの出力を基に車速Vx (n) 、操舵角θ
(n) を読込む。次に、ステップ201 〜203 で車輪コ−ナ
リングパワ−演算を実行する。即ち、ステップ201 で
は、夫々後述の如くに求められている前回の前後輪の車
輪横滑り角算出値( 図8のステップ209 の演算値) より
コ−ナリングフォ−スの近次式(前記(22),(23) 式)の
各係数 Kfi, Cfi , Krj, Crjを選択する。具体的に
は、夫々の前回値βf (n-1) , βr (n-1) に応じ、それ
が図 5の近似特性上いづれかの領域に該当するものかを
判断し((24a) 〜(24f) 式) 、当該各係数を決定す
る。
【0039】ステップ202 では、上記ステップ201 で決
定した係数に基づいて、前記(22),(23) 式より前後輪の
コ−ナリングフォ−ス Cf (n) , Cr (n) 値を算出す
る。更に、ステップ203 で上記の前回値βf (n-1) , β
r (n-1) 、及び算出値 Cf (n) , Cr (n) に応じ、前記
の(25),(26) 式の基づく演算を行い、次のステップ204
の演算に用いる前後輪のコ−ナリングパワ− Kf (n) ,
Kr (n) を算出する。
定した係数に基づいて、前記(22),(23) 式より前後輪の
コ−ナリングフォ−ス Cf (n) , Cr (n) 値を算出す
る。更に、ステップ203 で上記の前回値βf (n-1) , β
r (n-1) 、及び算出値 Cf (n) , Cr (n) に応じ、前記
の(25),(26) 式の基づく演算を行い、次のステップ204
の演算に用いる前後輪のコ−ナリングパワ− Kf (n) ,
Kr (n) を算出する。
【0040】ステップ204(図 7) は、かく計算された K
f (n) , Kr (n) に応じ、車両モデルの各係数を補正す
るもので、 Kf, Kr に夫々算出値 Kf (n) , Kr (n) を
用い、また車速 Vx (n) を用いて、前記の(9) 〜(16)式
に基づく演算を行い、後記のステップ207 以降で実行す
る目標後輪舵角演算に適用する係数a11 〜a22, bf1〜b
r2を算出する。
f (n) , Kr (n) に応じ、車両モデルの各係数を補正す
るもので、 Kf, Kr に夫々算出値 Kf (n) , Kr (n) を
用い、また車速 Vx (n) を用いて、前記の(9) 〜(16)式
に基づく演算を行い、後記のステップ207 以降で実行す
る目標後輪舵角演算に適用する係数a11 〜a22, bf1〜b
r2を算出する。
【0041】ここに、上述の算出前回値βf (n-1) , β
r (n-1) に基づく Kf (n) , Kr (n) 値までの一連の処
理は、次の目標ヨ−レイト演算での処理も含めて、車両
モデルを用いて前輪及び後輪の横滑り角を算出し、算出
された横滑り角と前輪及び後輪各々独立に予め設定した
横滑り角とコ−ナリングパワ−の関係( 本例では、図5)
に応じ車両モデルのコ−ナリングパワ−を補正し、こ
の車両モデルに操舵角と車速を与え定常的に発生するヨ
−レイトを目標ヨ−レイトと設定することを意味する。
r (n-1) に基づく Kf (n) , Kr (n) 値までの一連の処
理は、次の目標ヨ−レイト演算での処理も含めて、車両
モデルを用いて前輪及び後輪の横滑り角を算出し、算出
された横滑り角と前輪及び後輪各々独立に予め設定した
横滑り角とコ−ナリングパワ−の関係( 本例では、図5)
に応じ車両モデルのコ−ナリングパワ−を補正し、こ
の車両モデルに操舵角と車速を与え定常的に発生するヨ
−レイトを目標ヨ−レイトと設定することを意味する。
【0042】即ち、次のステップ205(図 7) において、
前記(27),(31) 式に従い目標定常ヨ−レイト(d/dt)φ
0(n)を計算する処理が実行される。該定常ヨ−レイト算
出サブル−チンは図9 〜11に示すもので、図 9における
ステップ300 は、前記の(31)式に基づく演算を行う際の
後輪横滑り角の存在範囲の条件を設定するステップ、ス
テップ311 は、前記の(31)式に基づく演算を行い前後輪
の横滑り角βf,βr を算出すると共に、その算出値βf,
βr を用いて前記の(22),(23)式の演算を行うことで前
後輪の定常的なコ−ナリングフォ−ス Cf, C r を算出す
るためのステップであり、また図10のステップ320 は、
上記ステップ311 で算出した横滑り角値βf,βr が、上
記ステップ300 で仮定した存在条件を満たすかについて
のチェックをするステップである。
前記(27),(31) 式に従い目標定常ヨ−レイト(d/dt)φ
0(n)を計算する処理が実行される。該定常ヨ−レイト算
出サブル−チンは図9 〜11に示すもので、図 9における
ステップ300 は、前記の(31)式に基づく演算を行う際の
後輪横滑り角の存在範囲の条件を設定するステップ、ス
テップ311 は、前記の(31)式に基づく演算を行い前後輪
の横滑り角βf,βr を算出すると共に、その算出値βf,
βr を用いて前記の(22),(23)式の演算を行うことで前
後輪の定常的なコ−ナリングフォ−ス Cf, C r を算出す
るためのステップであり、また図10のステップ320 は、
上記ステップ311 で算出した横滑り角値βf,βr が、上
記ステップ300 で仮定した存在条件を満たすかについて
のチェックをするステップである。
【0043】ステップ300 は、例えば図示の如きステッ
プ301 〜305 からなる。ステップ301 の処理は、読み込
み値車速 Vx (n) を用い、βf,βr 算出 (ステップ311)
に適用すべき値p 及び値k0を演算すると共に、同じくそ
の算出( 及び Cf, Cr 算出)に適用する Kfi, Cfi , K
rj , Crjに関し、最初のル−プでは Kf0 , Kr0をまず選
択し、これを適用することを内容とする( Cfi , C
rjは、0)。ステップ301 でのi =0,j =0 は、このこと
を意味するものとする。また、同様にして、ステップ30
1 、ステップ304 の夫々の答がNOの場合になされるステ
ップ303 、ステップ305 ( これらステップ302 〜305 に
ついては、図10のステップ323 〜325 、327 〜329 の判
別結果に応じて選択される) におけるi=i+1 、j =j+1
についての処理は、適用する Kfi, Cfi, Krj , Crj
として、前記 (22),(23),(24a)〜(24f) 式の説明並びに
近似特性図 5 (a),(b)で示された各定数のうち、夫々該
当するものに順次切換え変更して適用していくことを意
味するものとする。
プ301 〜305 からなる。ステップ301 の処理は、読み込
み値車速 Vx (n) を用い、βf,βr 算出 (ステップ311)
に適用すべき値p 及び値k0を演算すると共に、同じくそ
の算出( 及び Cf, Cr 算出)に適用する Kfi, Cfi , K
rj , Crjに関し、最初のル−プでは Kf0 , Kr0をまず選
択し、これを適用することを内容とする( Cfi , C
rjは、0)。ステップ301 でのi =0,j =0 は、このこと
を意味するものとする。また、同様にして、ステップ30
1 、ステップ304 の夫々の答がNOの場合になされるステ
ップ303 、ステップ305 ( これらステップ302 〜305 に
ついては、図10のステップ323 〜325 、327 〜329 の判
別結果に応じて選択される) におけるi=i+1 、j =j+1
についての処理は、適用する Kfi, Cfi, Krj , Crj
として、前記 (22),(23),(24a)〜(24f) 式の説明並びに
近似特性図 5 (a),(b)で示された各定数のうち、夫々該
当するものに順次切換え変更して適用していくことを意
味するものとする。
【0044】ステップ311 では、上述のようにして得ら
れるp ,k0 並びに Kfi, Cfi, Krj, Crj、及び読み込
み値操舵角θ(n) を用いて横滑り角βf,βr についての
算出を行い、また、ここでは、該βf 値, βr 値を基に
その算出に適用した Kfi, C fi, Krj , Crjに応じて、
前記(22),(23) 式によって、前後輪の定常的なコ−ナリ
ングフォ−ス Cf , Cr を算出することとする。しかし
て、かく算出された C f 値 , Cr 値は、一旦記憶され
る。
れるp ,k0 並びに Kfi, Cfi, Krj, Crj、及び読み込
み値操舵角θ(n) を用いて横滑り角βf,βr についての
算出を行い、また、ここでは、該βf 値, βr 値を基に
その算出に適用した Kfi, C fi, Krj , Crjに応じて、
前記(22),(23) 式によって、前後輪の定常的なコ−ナリ
ングフォ−ス Cf , Cr を算出することとする。しかし
て、かく算出された C f 値 , Cr 値は、一旦記憶され
る。
【0045】ステップ320 は、図示の如きステップ321
〜329 からなり、ここでは図 5(a),(b) の近似特性上車
輪横滑り角に関して設定した各定数βf1, βf2, βr1,
βr2を判別値として用いて、前記ステップ311 での算出
βf,βr 値が、その演算において適用した Kfi, Cfi,
Krj , Crjに対応する図 5(a),(b) の夫々のβf,βr 存
在範囲内の値に当てはまるものであるかどうか、チェッ
クが行われる。
〜329 からなり、ここでは図 5(a),(b) の近似特性上車
輪横滑り角に関して設定した各定数βf1, βf2, βr1,
βr2を判別値として用いて、前記ステップ311 での算出
βf,βr 値が、その演算において適用した Kfi, Cfi,
Krj , Crjに対応する図 5(a),(b) の夫々のβf,βr 存
在範囲内の値に当てはまるものであるかどうか、チェッ
クが行われる。
【0046】Kfi, Cfi, Krj , Crjを与えて得られた
βf,βr 値が前記(24a) 〜(24f) 式で定義された存在条
件を満たす値のものとして得られて、かつその算出βf,
βr 値を用いて対応関係式で Cf ,Cr 値が求められてい
るなら、それは次の処理( ステップ331)で適用できる定
常的なコ−ナリングフォ−ス( 前記の(27)式に基づき、
θ(n) 、 Vx (n) のときに定常的に発生するヨ−レイト
を算出 (推定) するのに用いることのできるコ−ナリン
グフォ−ス Cf ,Cr ) とすることができる。
βf,βr 値が前記(24a) 〜(24f) 式で定義された存在条
件を満たす値のものとして得られて、かつその算出βf,
βr 値を用いて対応関係式で Cf ,Cr 値が求められてい
るなら、それは次の処理( ステップ331)で適用できる定
常的なコ−ナリングフォ−ス( 前記の(27)式に基づき、
θ(n) 、 Vx (n) のときに定常的に発生するヨ−レイト
を算出 (推定) するのに用いることのできるコ−ナリン
グフォ−ス Cf ,Cr ) とすることができる。
【0047】従って、上記ステップ320 で条件を満たし
ていると判断された場合は、前記のステップ311 の処理
で算出し、一時記憶した Cf ,Cr 値を、次の目標定常ヨ
−レイト算出処理に適用させるべく、処理を次のステッ
プ330 での演算処理に進め、他方、満たしていなければ
前記ステップ300 に戻り、既に述べた通り、 Kfi,
C fi, Krj , Crjに関し別の条件を設定し、前述のステ
ップ311,320 の処理を実行する。かかる過程でβf,βr
が、またそれに伴い Cf ,Cr が新たに算出され、β f,β
r につき存在範囲内の値に当てはまると判断された場合
に、処理が上記と同様次のステップ330 に進められる。
ていると判断された場合は、前記のステップ311 の処理
で算出し、一時記憶した Cf ,Cr 値を、次の目標定常ヨ
−レイト算出処理に適用させるべく、処理を次のステッ
プ330 での演算処理に進め、他方、満たしていなければ
前記ステップ300 に戻り、既に述べた通り、 Kfi,
C fi, Krj , Crjに関し別の条件を設定し、前述のステ
ップ311,320 の処理を実行する。かかる過程でβf,βr
が、またそれに伴い Cf ,Cr が新たに算出され、β f,β
r につき存在範囲内の値に当てはまると判断された場合
に、処理が上記と同様次のステップ330 に進められる。
【0048】ステップ330(図11) に進むと、ここでは、
前記ステップ311 で算出された定常的なコ−ナリングフ
ォ−ス Cf ,Cr ( βf,βr の領域、及びその大きさに応
じて求められている Cf ,Cr 値) を用いて、前記の(27)
式に基づく演算、即ち、ここでは、 Cf ・ Lf = Cr ・
Lr の関係( 前記(1A)式) を用いて表される次の(d/dt)
φ0(n)
前記ステップ311 で算出された定常的なコ−ナリングフ
ォ−ス Cf ,Cr ( βf,βr の領域、及びその大きさに応
じて求められている Cf ,Cr 値) を用いて、前記の(27)
式に基づく演算、即ち、ここでは、 Cf ・ Lf = Cr ・
Lr の関係( 前記(1A)式) を用いて表される次の(d/dt)
φ0(n)
【数54】 (d/dt)φ0(n)=2( Cf +Cr )/(M・ Vx (n)) ---(41) なる演算を行い、θ(n) 、 V x (n)に対する目標定常ヨ
−レイト(d/dt)φ0(n)を算出する(ステップ331)。更
に、操舵の方向性をθ(n) の正負で判断し(ステップ33
2)、θ(n) <0 でないならそのまま本サブル−チンを終
了する一方、θ(n)<0 なら(d/dt)φ0(n)を−(d/dt)φ0
(n)に設定して(ステップ333)、本サブル−チンを終了
する。
−レイト(d/dt)φ0(n)を算出する(ステップ331)。更
に、操舵の方向性をθ(n) の正負で判断し(ステップ33
2)、θ(n) <0 でないならそのまま本サブル−チンを終
了する一方、θ(n)<0 なら(d/dt)φ0(n)を−(d/dt)φ0
(n)に設定して(ステップ333)、本サブル−チンを終了
する。
【0049】こうして、目標ヨ−レイトの目標定常特性
については、上記の Cf ,Cr 値が用いられる結果、車輪
横滑り角に応じて車輪コ−ナリングパワ−が変化するこ
とを考慮して、定常的に発生するヨ−レイトの演算がな
されることになる。
については、上記の Cf ,Cr 値が用いられる結果、車輪
横滑り角に応じて車輪コ−ナリングパワ−が変化するこ
とを考慮して、定常的に発生するヨ−レイトの演算がな
されることになる。
【0050】図 7に戻り、次のステップ202 では、上記
で得られる(d/dt)φ0(n)を用い、前記の(32)式に基づく
演算を行い、目標ヨ−角加速度、目標ヨ−レイトを算出
する。具体的には、目標ヨ−角加速度、目標ヨ−レイト
の夫々の今回値(d2/dt2)φr (n),(d/dt)φr (n) の算出
は、夫々、
で得られる(d/dt)φ0(n)を用い、前記の(32)式に基づく
演算を行い、目標ヨ−角加速度、目標ヨ−レイトを算出
する。具体的には、目標ヨ−角加速度、目標ヨ−レイト
の夫々の今回値(d2/dt2)φr (n),(d/dt)φr (n) の算出
は、夫々、
【数55】 (d2/dt2)φr (n) =(1/ τ) {(d/dt)φ0(n)−(d/dt)φr (n-1)} ---(42)
【数56】 (d/dt)φr (n) =(d/dt)φr (n-1)+(d2/dt2)φr (n) ・ΔT ---(43) によって行うものとする。目標ヨ−レイトは、目標ヨ−
角加速度を積分することにより算出するが、ここでは離
散系の矩形積分により、積分動作を行っており((43)
式) 、これで近似させる( かかる方法は、以後の同様な
処理が必要な場合も、同様の手法で行う)。
角加速度を積分することにより算出するが、ここでは離
散系の矩形積分により、積分動作を行っており((43)
式) 、これで近似させる( かかる方法は、以後の同様な
処理が必要な場合も、同様の手法で行う)。
【0051】次のステップ207(図 8) では、前記の(35)
式に基づく演算により横速度の微分値 (d/dt)Vyr(n) を
算出し、及びその積分により横速度 Vyr(n) を算出し、
また続くステップ208 で前記(36)式に基づく演算により
目標ヨ−レイトに一致するように目標後輪舵角δrm(n)
を算出する。具体的には、これらは、前記ステップ204
で算出の各係数値( 即ち、ステップ201 〜203 の演算で
得られる Kf (n), Kr (n) に応じて補正される車両モデ
ルの各係数) を用い、次のように行っている。
式に基づく演算により横速度の微分値 (d/dt)Vyr(n) を
算出し、及びその積分により横速度 Vyr(n) を算出し、
また続くステップ208 で前記(36)式に基づく演算により
目標ヨ−レイトに一致するように目標後輪舵角δrm(n)
を算出する。具体的には、これらは、前記ステップ204
で算出の各係数値( 即ち、ステップ201 〜203 の演算で
得られる Kf (n), Kr (n) に応じて補正される車両モデ
ルの各係数) を用い、次のように行っている。
【数57】 (d/dt)Vyr(n) =a21 (d/dt)φr (n) +a22Vyr(n-1) + bf2θ(n) + br2δrm(n-1) ---(44)
【数58】 Vyr(n) = Vyr (n-1)+ (d/dt)Vyr(n) ・ΔT ---(45)
【数59】 δrm(n) ={(d2/dt2)φr (n) −a11 (d/dt)φr (n) −a12Vyr(n) − bf1θ(n) }/br1 ---(46) かくして、目標後輪舵角δrmFF(n) が設定される。
【0052】目標後輪舵角δrm(n) 算出後、本プログラ
ム例では、次回演算サイクルにおいて前記のステップ20
1 〜203 による車輪コ−ナリングパワ−演算に用いる車
輪横滑り角を、前記(5),(6) 式に照らし、上記で得られ
た Vyr(n) 、δrm(n) 、及び(d/dt)φr (n)(前記(45)、
(46)、(43)式) を用い、次式により求めておくものとす
る。
ム例では、次回演算サイクルにおいて前記のステップ20
1 〜203 による車輪コ−ナリングパワ−演算に用いる車
輪横滑り角を、前記(5),(6) 式に照らし、上記で得られ
た Vyr(n) 、δrm(n) 、及び(d/dt)φr (n)(前記(45)、
(46)、(43)式) を用い、次式により求めておくものとす
る。
【数60】 βf (n) =θ(n)/N −{(Vyr(n) + Lf ・(d/dt)φr (n) }/Vx (n)---(47)
【数61】 βr (n) =δrm(n) −{(Vyr(n) − Lr ・(d/dt)φr (n) }/Vx (n)---(48)
【0053】かくて、図1 のシステムにおいて、コント
ローラ40は図 6〜11のフロ−チャ−トの実行で得られる
目標後輪舵角δrm(n) に基づき、舵角センサ31の検出後
輪舵角δr が上記目標値δrm(n) に一致するよう、圧力
サ−ボ弁23を制御する。
ローラ40は図 6〜11のフロ−チャ−トの実行で得られる
目標後輪舵角δrm(n) に基づき、舵角センサ31の検出後
輪舵角δr が上記目標値δrm(n) に一致するよう、圧力
サ−ボ弁23を制御する。
【0054】以上のような舵角制御によれば、予め制御
対象の車両諸元と運動方程式によって設定され、かつ前
輪・後輪の横滑り角に応じたコ−ナリングパワ−の推定
値により可変とした車両モデルを用い、操舵角と車速の
検出値を与えたとき定常的に発生するヨ−レイトを目標
ヨ−レイトとすることができる。このため、たとえ車輪
横滑り角が大となる高速・大舵角時においても目標ヨ−
レイトは現実的な値となり、発生値にオーバシュートな
どが生じず、車両操縦性及び安定性を改善できる。
対象の車両諸元と運動方程式によって設定され、かつ前
輪・後輪の横滑り角に応じたコ−ナリングパワ−の推定
値により可変とした車両モデルを用い、操舵角と車速の
検出値を与えたとき定常的に発生するヨ−レイトを目標
ヨ−レイトとすることができる。このため、たとえ車輪
横滑り角が大となる高速・大舵角時においても目標ヨ−
レイトは現実的な値となり、発生値にオーバシュートな
どが生じず、車両操縦性及び安定性を改善できる。
【0055】図12には本制御による場合の制御効果の一
例を表すシミュレーション計算結果が示されている。ま
た、図13は、前記(19)〜(21)式で定義される目標ヨ−
レイトを与えて後輪舵角の制御をする場合の制御方法に
よる効果を図12と対比させるべくシミュレーション計算
によって求めた比較例を示してある。いずれも、シミュ
レーション条件は、車速 Vx =150Km/h 、操舵角θ=60
degで、レーンチェンジの場合である。比較例では、図1
3( イ) 〜( ハ) にみるように、上記の如くの高速・大
舵角の走行条件のため、目標ヨ−レイトの設定が不適切
になって発生ヨ−レイトにオーバシュートが生じている
( 同( ハ))。これに対し、本制御による場合は、前記図
6 〜11のフロ−チャ−トに基づき制御を行った場合の結
果を図12( イ) 〜( ハ) に示すように、発生ヨ−レイト
にオーバシュートが抑えられていることが分かる( 同(
ハ))。
例を表すシミュレーション計算結果が示されている。ま
た、図13は、前記(19)〜(21)式で定義される目標ヨ−
レイトを与えて後輪舵角の制御をする場合の制御方法に
よる効果を図12と対比させるべくシミュレーション計算
によって求めた比較例を示してある。いずれも、シミュ
レーション条件は、車速 Vx =150Km/h 、操舵角θ=60
degで、レーンチェンジの場合である。比較例では、図1
3( イ) 〜( ハ) にみるように、上記の如くの高速・大
舵角の走行条件のため、目標ヨ−レイトの設定が不適切
になって発生ヨ−レイトにオーバシュートが生じている
( 同( ハ))。これに対し、本制御による場合は、前記図
6 〜11のフロ−チャ−トに基づき制御を行った場合の結
果を図12( イ) 〜( ハ) に示すように、発生ヨ−レイト
にオーバシュートが抑えられていることが分かる( 同(
ハ))。
【0056】こうして、上述の結果にも示される通り、
本制御に従えば、比較例による比し更に車両操縦性及び
安定性の向上を図ることができる。制御領域は広がり、
高速・大舵角時でも、車両の発生ヨ−レイトを目標値に
一致させ得て、車両の挙動を安定したものとすることが
できる。
本制御に従えば、比較例による比し更に車両操縦性及び
安定性の向上を図ることができる。制御領域は広がり、
高速・大舵角時でも、車両の発生ヨ−レイトを目標値に
一致させ得て、車両の挙動を安定したものとすることが
できる。
【0057】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。本実施例も、コ−ナリングフォ−ス特性をタイヤの
横滑り角に基づき修正し、横滑り角が大となる高速・大
舵角においても過度・定常時に車両運動の被制御量の目
標値に一致させるように後輪舵角を制御するもので、ま
た、同様に、走行中の車輪横滑り角算出手段、かく算出
される横滑り角に応じて車輪のコ−ナリングパワ−に相
当する値の推定または補正をする手段、推定( 補正) さ
れたコ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する車両モ
デルを用いるが、車両運動目標値の設定については、前
記の例に係る手法によるものに対し、次のようにする。
即ち、上記コ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する
非線形車両モデルに操舵状態検出値と速度検出値及び線
形車両モデル (予め車両諸元及び運動方程式によって設
定される線形車両モデル) から計算される線形定常被制
御量を与えて得られる定常後輪舵角を目標値設定のため
に導入し、該定常後輪舵角を所定のしきい値と比較し、
しきい値以下の時は、目標定常値として、線形車両モデ
ルから計算される定常値を、またしきい値を超える時は
非線形車両モデルから計算される定常値を、夫々選択し
て、車両運動目標値の設定をするようになすものであ
り、本実施例による場合、図 2の車両運動目標値の設定
部5aは上記機能を有するものとする。
る。本実施例も、コ−ナリングフォ−ス特性をタイヤの
横滑り角に基づき修正し、横滑り角が大となる高速・大
舵角においても過度・定常時に車両運動の被制御量の目
標値に一致させるように後輪舵角を制御するもので、ま
た、同様に、走行中の車輪横滑り角算出手段、かく算出
される横滑り角に応じて車輪のコ−ナリングパワ−に相
当する値の推定または補正をする手段、推定( 補正) さ
れたコ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する車両モ
デルを用いるが、車両運動目標値の設定については、前
記の例に係る手法によるものに対し、次のようにする。
即ち、上記コ−ナリングパワ−相当値に応じて可変する
非線形車両モデルに操舵状態検出値と速度検出値及び線
形車両モデル (予め車両諸元及び運動方程式によって設
定される線形車両モデル) から計算される線形定常被制
御量を与えて得られる定常後輪舵角を目標値設定のため
に導入し、該定常後輪舵角を所定のしきい値と比較し、
しきい値以下の時は、目標定常値として、線形車両モデ
ルから計算される定常値を、またしきい値を超える時は
非線形車両モデルから計算される定常値を、夫々選択し
て、車両運動目標値の設定をするようになすものであ
り、本実施例による場合、図 2の車両運動目標値の設定
部5aは上記機能を有するものとする。
【0058】その場合も、車両の運動目標値はヨ−レイ
トとし、規範モデル中の定常ゲインはヨ−レイトゲイン
とする。好ましくはまた、上記において、定常後輪舵角
がしきい値を超えた場合は、後輪舵角=しきい値とおい
た時に生じる定常ヨ−レイトを目標定常値とする。
トとし、規範モデル中の定常ゲインはヨ−レイトゲイン
とする。好ましくはまた、上記において、定常後輪舵角
がしきい値を超えた場合は、後輪舵角=しきい値とおい
た時に生じる定常ヨ−レイトを目標定常値とする。
【0059】本例による場合の目標ヨ−レイトの設定は
次のようである。既に述べたように、前記(17),(18) 式
によるときは車両操縦性、安定性が悪化することから、
そこで、例えば目標ヨ−レイト(d/dt)φr (t) の設定に
ついて、オ−バ/ アンダシュ−トのない1次遅れ系と
し、定常値をコ−ナリングパワ−の横滑り角依存性を考
慮した上でベース車両の2WS 特性と設定するが、その場
合に以下のような観点からこれを行う。
次のようである。既に述べたように、前記(17),(18) 式
によるときは車両操縦性、安定性が悪化することから、
そこで、例えば目標ヨ−レイト(d/dt)φr (t) の設定に
ついて、オ−バ/ アンダシュ−トのない1次遅れ系と
し、定常値をコ−ナリングパワ−の横滑り角依存性を考
慮した上でベース車両の2WS 特性と設定するが、その場
合に以下のような観点からこれを行う。
【0060】まず、4WS 、2WS 車両の定常横滑り角を考
え、それらを前述の2 自由度運動方程式より算出する。
定常状態なので微分項をゼロとおくと、前記(1),(2) 式
については、既に示した前述の(1A),(2A) 式のようにな
る。 「2WS の定常横滑り角」さて、2WS の定常横滑り角につ
いてであるが、前記(1A),(2A) 式より、前記例と同様、
M・ Vx ・(d/dt)φ0/2 =(1+ Lf /Lr ) Cf が得られ
((d/dt) φ0:定常ヨ−レイト) 、ここでは、かかる関係
を基に Cf に着目して上式を変形することとすると、次
のようになる。
え、それらを前述の2 自由度運動方程式より算出する。
定常状態なので微分項をゼロとおくと、前記(1),(2) 式
については、既に示した前述の(1A),(2A) 式のようにな
る。 「2WS の定常横滑り角」さて、2WS の定常横滑り角につ
いてであるが、前記(1A),(2A) 式より、前記例と同様、
M・ Vx ・(d/dt)φ0/2 =(1+ Lf /Lr ) Cf が得られ
((d/dt) φ0:定常ヨ−レイト) 、ここでは、かかる関係
を基に Cf に着目して上式を変形することとすると、次
のようになる。
【数62】Cf = k01・(d/dt)φ0/(1+p) ---(50) ただし、k01 = M Vx /2、p = Lf /Lr
【0061】更に、本例でも、前記図5 、並びに前記(2
2),(23),(24a) 〜(24f) 式で説明した如くの近似特性を
適用することとし、上記(50)式を前記(22)式に代入し、
前輪の横滑り角についてまとめると、次式となる。
2),(23),(24a) 〜(24f) 式で説明した如くの近似特性を
適用することとし、上記(50)式を前記(22)式に代入し、
前輪の横滑り角についてまとめると、次式となる。
【数63】 βf ={ k01・(d/dt)φ0/(1+p)− Cfi}/Kfi ---(51) また、後輪横滑り角は、上記(51)式、及び前記(1A),(2
2),(23)式から、次の(52)式となる。
2),(23)式から、次の(52)式となる。
【数64】 βr =( pKfi・βf + p Cfi− Cfj)/ Krj ={ pk01 ・(d/dt)φ0/(1+p)− Cri}/Kfj ---(52) こうして、2WS の定常横滑り角は、(d/dt)φ0 を含んだ
上記式で表される。
上記式で表される。
【0062】「4WS の定常横滑り角」次に、4WS の定常
横滑り角は、次のようになる。4WS の定常横滑り角は、
後輪舵角が既知量として与えられるので、δr0を定常後
輪舵角として、前記(5),(6) 式に照らし、βf , βr は
次のようになる。
横滑り角は、次のようになる。4WS の定常横滑り角は、
後輪舵角が既知量として与えられるので、δr0を定常後
輪舵角として、前記(5),(6) 式に照らし、βf , βr は
次のようになる。
【数65】 βf =θ(t)/N −(Vy + Lf ・(d/dt)φ0(t))/V x (t) ---(5B)
【数66】 βr =δr0−(Vy − Lr ・(d/dt)φ0(t))/V x (t) ---(6B) ここで、これら式の差((5B) 式−(6B)式) を考えると、
βf −βr は次のように表すことができる。
βf −βr は次のように表すことができる。
【数67】 βf −βr =θ/N−δr0− L(d/dt)φ0/ Vx ---(53) 更に、前記(23)式、及び上記(53)式をβf について整理
した式より、 Cr は次の(54)式となる。
した式より、 Cr は次の(54)式となる。
【数68】 Cr = Krj{βf −θ/N+δr0+L(d/dt) φ0/ Vx }+ Crj ---(54)
【0063】よって上記(54)式、及び前記(2A),(22) 式
をまとめると、次のようになる。
をまとめると、次のようになる。
【数69】 k01・(d/dt)φ0 =(Kfi+ Krj) βf +(Cfi+ Crj) − Krj{θ/N−δr0− L(d/dt)φ0/ Vx }
【数70】 ∴βf = k01(d/dt) φ0- Cfi-Crj+ K rj{θ/N -δr0-L(d/dt)φ0/ Vx } /(Kfi+ Krj) ---(55)
【数71】 βr =βf −{θ/N−δr0− L(d/dt)φ0/ Vx } ---(56) こうして、4WS の定常横滑り角は、上記(55),(56) 式の
関係で表される。本実施例では、これらの関係に着目
し、目標ヨ−レイトの設定を行う。
関係で表される。本実施例では、これらの関係に着目
し、目標ヨ−レイトの設定を行う。
【0064】設定すべき目標ヨ−レイトの具体的な算出
方法は、以下の如きものとすることができる。まず、車
速と操舵角及びコ−ナリングパワ−( 線形値:Kf =
Kf0,Kr = Kr0)から線形定常ヨ−レイトを、次により算
出する。即ち、(d/dt)φL0を線形定常ヨ−レイト、H0を
定常ヨ−レイトゲインH0、A をスタビリティファクタと
して、次式で算出する。
方法は、以下の如きものとすることができる。まず、車
速と操舵角及びコ−ナリングパワ−( 線形値:Kf =
Kf0,Kr = Kr0)から線形定常ヨ−レイトを、次により算
出する。即ち、(d/dt)φL0を線形定常ヨ−レイト、H0を
定常ヨ−レイトゲインH0、A をスタビリティファクタと
して、次式で算出する。
【数72】 (d/dt)φL0= H0 ・θ ---(19)
【数73】 H0= Vx /((1+A ・ Vx 2)LN) ---(20)
【数74】 A=−M (Lf Kf0− Lr Kr0)/(2L2 Kf0 Kr0) ---(21)
【0065】しかして、算出された定常ヨ−レイトを前
記(51),(52) 式の(d/dt)φ0 に適用し、夫々の式に従い
前後輪の横滑り角を次のように求める。
記(51),(52) 式の(d/dt)φ0 に適用し、夫々の式に従い
前後輪の横滑り角を次のように求める。
【数75】 βf ={ k01・(d/dt)φL0/(1 +p)− Cfi}/Kfi ---(51A)
【数76】 βr ={ pk01 ・(d/dt)φL0/(1 +p)− Cri}/Kfj ---(52A) 実際の計算( コントローラ内) にあたっては、上記(51
A),(52A) 式中の Kfi,C fi,Kfj,Crjを順次与えて計算さ
れたβf , βr が前記(24a) 〜(24f) 式で定義された存
在条件を満足する時の各値(K,C, β) を選択する( その
手順の一例は、前記実施例に係る図 9,10 の手法に準じ
たものであってよい) 。
A),(52A) 式中の Kfi,C fi,Kfj,Crjを順次与えて計算さ
れたβf , βr が前記(24a) 〜(24f) 式で定義された存
在条件を満足する時の各値(K,C, β) を選択する( その
手順の一例は、前記実施例に係る図 9,10 の手法に準じ
たものであってよい) 。
【0066】更に、上記(51A),(52A) 式で得られた横滑
り角値βf , βr を前記(53)式の関係に適用し、定常
後輪舵角δr0を計算して、そのδr0値が或るしきい値(
δr0 max ) 以下の場合は、上記(51A),(52A) 式のβf ,
βr ,Kfi,Cfi,Kfj,Crjを用いてコ−ナリングフォ−ス C
f ,Cr ( 前記(22),(23) 式) を計算する。一方、δr0値
がそのしきい値をこえる場合は、値δr0=しきい値とし
て前記(55),(56) 式の関係を用いて、横滑り角につき次
の如くに再計算する。
り角値βf , βr を前記(53)式の関係に適用し、定常
後輪舵角δr0を計算して、そのδr0値が或るしきい値(
δr0 max ) 以下の場合は、上記(51A),(52A) 式のβf ,
βr ,Kfi,Cfi,Kfj,Crjを用いてコ−ナリングフォ−ス C
f ,Cr ( 前記(22),(23) 式) を計算する。一方、δr0値
がそのしきい値をこえる場合は、値δr0=しきい値とし
て前記(55),(56) 式の関係を用いて、横滑り角につき次
の如くに再計算する。
【数77】 βf = k01(d/dt) φL0- C fi-Crj+ K rj{θ/N -δr0-L(d/dt)φL0/ V x } /(Kfi+ Krj) ---(55A)
【数78】 βr =βf −{θ/N−δr0− L(d/dt)φL0/Vx } ---(56A) そして、この場合は、上記(55A),(56A) 式で再計算した
βf , βr からコ−ナリングフォ−ス Cf ,Cr を求める
こととする。
βf , βr からコ−ナリングフォ−ス Cf ,Cr を求める
こととする。
【0067】かくして、本例では以上の手順により
Cf ,Cr を求めるものであり、こうして得られる Cf ,C
r と、前記(2A)式の関係からヨ−レイトを計算し、これ
を次式で目標ヨ−レイトの定常値とする。
Cf ,Cr を求めるものであり、こうして得られる Cf ,C
r と、前記(2A)式の関係からヨ−レイトを計算し、これ
を次式で目標ヨ−レイトの定常値とする。
【数79】 (d/dt)φrS(t) =2( Cf + Cr )/(M・ Vx (t)) ---(60) 更に、過度特性については、上記(60)式の定常値に対し
てオ−バ/ アンダシュ−トのない1次遅れ系に設定する
ため目標ヨ−レイト(d/dt)φr (t) は、次式のようにな
る。
てオ−バ/ アンダシュ−トのない1次遅れ系に設定する
ため目標ヨ−レイト(d/dt)φr (t) は、次式のようにな
る。
【数80】 (d/dt)φr (t) =(d/dt)φrS(t)/(1+τS) ---(61) 本例では、こうして目標ヨ−レイトを設定する。
【0068】図14〜16には、上記で説明した目標ヨ−レ
イト設定処理を含んだ目標後輪舵角値算出プログラムの
一例が示されている。設定された目標ヨ−レイトに対
し、後輪舵角を用いて発生ヨ−レイトを一致させるため
の目標後輪舵角の計算については、前記実施例と同様の
方法((33) 〜(36)式) であってよく、以下、要部につき
説明する。
イト設定処理を含んだ目標後輪舵角値算出プログラムの
一例が示されている。設定された目標ヨ−レイトに対
し、後輪舵角を用いて発生ヨ−レイトを一致させるため
の目標後輪舵角の計算については、前記実施例と同様の
方法((33) 〜(36)式) であってよく、以下、要部につき
説明する。
【0069】図14において、まず、ステップ400 で前記
例と同様の車速 Vx (n) 及び操舵角θ(n) の読込みを実
行し、次のステップ401 で、予め設定しておいた車両諸
元(L,N,A) と読込み Vx (n) 値から、前記(58)式に基づ
く定常ヨ−レイトゲイン H0 を計算する。更に、ステッ
プ402 で前記()式に基づき上記の定常ヨ−レイトゲイン
H0 値と読込みθ(n) 値より定常ヨ−レイト(d/dt)φL0
(n) を計算する。こうして、 Vx (n),θ(n) に応じ線形
定常ヨ−レイトを得ることができ、次に、これから線形
定常横滑り角と定常後輪舵角を算出する。
例と同様の車速 Vx (n) 及び操舵角θ(n) の読込みを実
行し、次のステップ401 で、予め設定しておいた車両諸
元(L,N,A) と読込み Vx (n) 値から、前記(58)式に基づ
く定常ヨ−レイトゲイン H0 を計算する。更に、ステッ
プ402 で前記()式に基づき上記の定常ヨ−レイトゲイン
H0 値と読込みθ(n) 値より定常ヨ−レイト(d/dt)φL0
(n) を計算する。こうして、 Vx (n),θ(n) に応じ線形
定常ヨ−レイトを得ることができ、次に、これから線形
定常横滑り角と定常後輪舵角を算出する。
【0070】ステップ403 では、前記(51A),(52A) 式に
従い、上記定常ヨ−レイト(d/dt)φ L0(n) 値を基に定常
横滑り角βf (n) , βr (n) を求め、ステップ404 にお
いて、次式で定常後輪舵角δr0(n) を算出する。
従い、上記定常ヨ−レイト(d/dt)φ L0(n) 値を基に定常
横滑り角βf (n) , βr (n) を求め、ステップ404 にお
いて、次式で定常後輪舵角δr0(n) を算出する。
【数81】 δr0(n) =θ(n)/N −{L(d/dt) φL0/Vx (n) } −( βf (n)-βr (n)) ---(71) 次のステップ405(図15)では、上記ステップ404 で計算
した定常後輪舵角δr0(n) の絶対値が所定のしきい値δ
r0max ( >0)以下か否かをチェックし、δr0max 以下で
あれば直接ステップ408 以降の処理へ進む一方、δ
r0max を上回るときはステップ406,407 による横滑り角
の再計算を経てステップ408 以降へ進む。
した定常後輪舵角δr0(n) の絶対値が所定のしきい値δ
r0max ( >0)以下か否かをチェックし、δr0max 以下で
あれば直接ステップ408 以降の処理へ進む一方、δ
r0max を上回るときはステップ406,407 による横滑り角
の再計算を経てステップ408 以降へ進む。
【0071】ステップ408 は、前記(22),(23) 式による
近似式( 図 5) に基づく前後輪のコ−ナリングフォ−ス
Cf (n) , Cr (n) の算出、及びその算出値を用いた前
後輪のコ−ナリングパワ− Kf (n) = Cf (n)/βf (n),
Kr (n) = Cr (n)/βr (n)の算出処理であり、ステッ
プ409 が目標ヨ−レイトの算出処理であるが、上記のよ
うに、直接ステップ408 へ進むときは、前述のステップ
403 で算出のβf (n),βr (n) がそのまま適用される結
果、定常後輪舵角δr0(n) に応じ、それがδr0 max 以下
のときは Cf (n) , Cr (n) の算出に際し、その線形定
常横滑り角βf (n),βr (n) を用い、予めモデル化した
コ−ナリングフォ−ス特性に応じて補正したコ−ナリン
グフォ−スから計算されるヨ−レイトを目標値として設
定することとなる。他方、δr0max を超えるケースで
は、上記の線形定常横滑り角ではなく、後輪舵角をδ
r0max として生じる定常横滑り角を用いて、予めモデル
化したコ−ナリングフォ−ス特性に応じて補正したコ−
ナリングフォ−スから計算されるヨ−レイトを目標値と
して設定することとなる。即ち、ステップ405 からステ
ップ406 以下へ進められるとき、それらステップでは、
δr0(n) =δr0max とおいて、前記(55A),(56A) 式に基
づく演算を行い、後輪をδr0切った状態で定常的に生じ
る横滑り角βf (n),βr (n) を計算するのである。
近似式( 図 5) に基づく前後輪のコ−ナリングフォ−ス
Cf (n) , Cr (n) の算出、及びその算出値を用いた前
後輪のコ−ナリングパワ− Kf (n) = Cf (n)/βf (n),
Kr (n) = Cr (n)/βr (n)の算出処理であり、ステッ
プ409 が目標ヨ−レイトの算出処理であるが、上記のよ
うに、直接ステップ408 へ進むときは、前述のステップ
403 で算出のβf (n),βr (n) がそのまま適用される結
果、定常後輪舵角δr0(n) に応じ、それがδr0 max 以下
のときは Cf (n) , Cr (n) の算出に際し、その線形定
常横滑り角βf (n),βr (n) を用い、予めモデル化した
コ−ナリングフォ−ス特性に応じて補正したコ−ナリン
グフォ−スから計算されるヨ−レイトを目標値として設
定することとなる。他方、δr0max を超えるケースで
は、上記の線形定常横滑り角ではなく、後輪舵角をδ
r0max として生じる定常横滑り角を用いて、予めモデル
化したコ−ナリングフォ−ス特性に応じて補正したコ−
ナリングフォ−スから計算されるヨ−レイトを目標値と
して設定することとなる。即ち、ステップ405 からステ
ップ406 以下へ進められるとき、それらステップでは、
δr0(n) =δr0max とおいて、前記(55A),(56A) 式に基
づく演算を行い、後輪をδr0切った状態で定常的に生じ
る横滑り角βf (n),βr (n) を計算するのである。
【0072】かくして、ステップ408 へ進むと、ここで
は、ステップ403 または407 で計算された横滑り角と夫
々そのとき適用( 選択))された近似特性の定数 Kfi, K
rj ,Cfi, Crjから、前後輪のコ−ナリングフォ−ス C
f (n) , Cr (n) を求め((22),(23)式) また、ここで、
それら Cf (n) , Cr (n) とβf (n),βr (n) 値より、
後述のステップ410 の演算に適用する Kf (n) , K
r (n) を求めてステップ409 へ進む。ステップ409 で
は、上記算出値 Cf (n) , Cr (n) を用い、前記(60)式
に基づき目標ヨ−レイトの定常値(d/dt)φrS(n) を算出
するとともに、これを基に目標ヨ−角加速度(d2/dt2)φ
r (n) 及び目標ヨ−レイト(d/dt)φr (n) についての演
算を前記実施例におけると同様の手法( 図 7のステップ
206)で行う。
は、ステップ403 または407 で計算された横滑り角と夫
々そのとき適用( 選択))された近似特性の定数 Kfi, K
rj ,Cfi, Crjから、前後輪のコ−ナリングフォ−ス C
f (n) , Cr (n) を求め((22),(23)式) また、ここで、
それら Cf (n) , Cr (n) とβf (n),βr (n) 値より、
後述のステップ410 の演算に適用する Kf (n) , K
r (n) を求めてステップ409 へ進む。ステップ409 で
は、上記算出値 Cf (n) , Cr (n) を用い、前記(60)式
に基づき目標ヨ−レイトの定常値(d/dt)φrS(n) を算出
するとともに、これを基に目標ヨ−角加速度(d2/dt2)φ
r (n) 及び目標ヨ−レイト(d/dt)φr (n) についての演
算を前記実施例におけると同様の手法( 図 7のステップ
206)で行う。
【0073】次いで、ステップ410(図16) で、前記ステ
ップ408 で計算された Kf (n) , K r (n) 値及び車速 V
x (n) を用いて前記実施例と同様にして車両モデルの各
希有数( 前記(9) 〜(16)式) の補正をし、更にステップ
411,412 において、上記目標ヨ−レイト、及び係数を適
用して、前記実施例の図 8のステップ207,208 と同様の
演算処理を実行し、目標ヨ−レイトに一致するように目
標後輪舵角δrm(n) を算出して本プログラムを終了す
る。こうして算出される目標後輪舵角に基づき、図 1の
システムにおいて圧力サ−ボ弁により舵角制御が行われ
る。
ップ408 で計算された Kf (n) , K r (n) 値及び車速 V
x (n) を用いて前記実施例と同様にして車両モデルの各
希有数( 前記(9) 〜(16)式) の補正をし、更にステップ
411,412 において、上記目標ヨ−レイト、及び係数を適
用して、前記実施例の図 8のステップ207,208 と同様の
演算処理を実行し、目標ヨ−レイトに一致するように目
標後輪舵角δrm(n) を算出して本プログラムを終了す
る。こうして算出される目標後輪舵角に基づき、図 1の
システムにおいて圧力サ−ボ弁により舵角制御が行われ
る。
【0074】図17,18 が、上記の制御による場合の効果
をシミュレーション計算によって求めた例を示すもの
で、図17がステップ操舵による場合、図18がレーンチェ
ンジの場合であり、また、図19は図17と対比して示す前
記と同様の比較例( 目標ヨ−レイトを前記(19)〜(21)式
によるものとする場合) での結果である。いずれも、走
行条件( シミュレーション条件) は、車速 Vx =150Km/
h 、操舵角θ=60deg の場合である。ステップ状の操舵
の場合、比較例では図19にみるように、発生ヨ−レイト
と目標値が一致せず、定常偏差が生じているのに対し、
本制御による場合は図17のように目標値とよく一致して
いることが分かる。また、図18のレーンチェンジの結果
でも、前記図13の場合に比し、本制御によるときは、同
様に、ヨ−レイトにオーバシュートなどが発生せず、高
速・大舵角の走行条件でも車両の挙動が安定しているこ
とが分かる。
をシミュレーション計算によって求めた例を示すもの
で、図17がステップ操舵による場合、図18がレーンチェ
ンジの場合であり、また、図19は図17と対比して示す前
記と同様の比較例( 目標ヨ−レイトを前記(19)〜(21)式
によるものとする場合) での結果である。いずれも、走
行条件( シミュレーション条件) は、車速 Vx =150Km/
h 、操舵角θ=60deg の場合である。ステップ状の操舵
の場合、比較例では図19にみるように、発生ヨ−レイト
と目標値が一致せず、定常偏差が生じているのに対し、
本制御による場合は図17のように目標値とよく一致して
いることが分かる。また、図18のレーンチェンジの結果
でも、前記図13の場合に比し、本制御によるときは、同
様に、ヨ−レイトにオーバシュートなどが発生せず、高
速・大舵角の走行条件でも車両の挙動が安定しているこ
とが分かる。
【0075】本実施例によっても、同様に、車輪横滑り
角が大となる高速・大舵角時に実際のコ−ナリングパワ
−と車両モデル中のコ−ナリングパワ−が一致せずに目
標ヨ−レイトが非現実的な値となってしまうことが避け
られる。予め制御対象の車両諸元と運動方程式によって
設定された非線形車両モデルに車速・操舵角を与えて得
られる線形定常ヨ−レイトから線形定常横滑り角及び定
常後輪舵角を求め、この後輪舵角がしきい値以下の場合
はその線形定常横滑り角を用いて、また後輪舵角がしき
い値を超える場合は、後輪舵角をしきい値として生じる
定常横滑り角を求めそれを用いて、予めモデル化したコ
−ナリングフォ−ス特性より上記の適用すべきこととな
った横滑り角に応じたコ−ナリングフォ−スから計算さ
れるヨ−レイトを目標ヨ−レイトとすることのできる本
制御では、たとえ高速・大舵角時においても過度・定常
時に発生ヨ−レイトを目標値に一致させることができ、
比較例に比し更に車両操縦性及び安定性を改善できる。
角が大となる高速・大舵角時に実際のコ−ナリングパワ
−と車両モデル中のコ−ナリングパワ−が一致せずに目
標ヨ−レイトが非現実的な値となってしまうことが避け
られる。予め制御対象の車両諸元と運動方程式によって
設定された非線形車両モデルに車速・操舵角を与えて得
られる線形定常ヨ−レイトから線形定常横滑り角及び定
常後輪舵角を求め、この後輪舵角がしきい値以下の場合
はその線形定常横滑り角を用いて、また後輪舵角がしき
い値を超える場合は、後輪舵角をしきい値として生じる
定常横滑り角を求めそれを用いて、予めモデル化したコ
−ナリングフォ−ス特性より上記の適用すべきこととな
った横滑り角に応じたコ−ナリングフォ−スから計算さ
れるヨ−レイトを目標ヨ−レイトとすることのできる本
制御では、たとえ高速・大舵角時においても過度・定常
時に発生ヨ−レイトを目標値に一致させることができ、
比較例に比し更に車両操縦性及び安定性を改善できる。
【0076】次に例をもって示すのは、車両運動目標設
定手段が、予めタイヤの横滑り角に対するコ−ナリング
フォ−ス特性を考慮した車両モデル( 非線形モデル) と
車両諸元及び運動方程式によって設定される線形モデル
との両車両モデルから各々舵角に対して計算される目標
定常値がともに等しくなるように非線形車両モデルより
定常後輪舵角を求め、この定常後輪舵角と前輪舵角を線
形モデルに入力して得られる定常値を目標値とする場合
のものである。この場合も、運動目標値はヨ−レイトと
し、規範モデル中の定常ゲインはヨ−レイトゲインとす
る。好ましくはまた、規範モデルは、上記で定義される
目標定常値を、各車速、各操舵角に対応したデ−タとし
て記憶しておくようにする。
定手段が、予めタイヤの横滑り角に対するコ−ナリング
フォ−ス特性を考慮した車両モデル( 非線形モデル) と
車両諸元及び運動方程式によって設定される線形モデル
との両車両モデルから各々舵角に対して計算される目標
定常値がともに等しくなるように非線形車両モデルより
定常後輪舵角を求め、この定常後輪舵角と前輪舵角を線
形モデルに入力して得られる定常値を目標値とする場合
のものである。この場合も、運動目標値はヨ−レイトと
し、規範モデル中の定常ゲインはヨ−レイトゲインとす
る。好ましくはまた、規範モデルは、上記で定義される
目標定常値を、各車速、各操舵角に対応したデ−タとし
て記憶しておくようにする。
【0077】本実施例は、以下のような観点からのもの
である。前記に示した(19)〜(21)式で目標ヨ−レイトを
設定して後輪舵角の制御をする比較例の場合は、定常制
御なし、即ち定常時に後輪舵角はゼロとなる( 前記図19
( ロ))制御則である。また、コ−ナリングパワ− (
Kf ,Kr ) を先に触れた如く一定( 線形領域) とした線
形規範モデルから目標ヨ−レイト((d/dt) φr (t))を操
舵角に比例するよう計算しおり( 後輪舵角の算出方法
は、前記(7) 〜(16)式で示される運動方程式中のコ−ナ
リングパワ−を固定( 線形値) として定義される線形車
両モデルから計算する) 、車輪横滑り角が大となる大舵
角入力時はコ−ナリングフォ−スが飽和してしまい、そ
の分ヨ−レイトについて発生値と目標値に定常誤差が生
じてしまう( 例えば、前記図19( ハ) 参照) 。本実施例
は、コ−ナリングフォ−スが飽和する非線形領域で、ヨ
−レイトが線形目標値になるよう定常後輪舵角を計算し
定常制御をすることによって定常特性を改善せんとす
る。
である。前記に示した(19)〜(21)式で目標ヨ−レイトを
設定して後輪舵角の制御をする比較例の場合は、定常制
御なし、即ち定常時に後輪舵角はゼロとなる( 前記図19
( ロ))制御則である。また、コ−ナリングパワ− (
Kf ,Kr ) を先に触れた如く一定( 線形領域) とした線
形規範モデルから目標ヨ−レイト((d/dt) φr (t))を操
舵角に比例するよう計算しおり( 後輪舵角の算出方法
は、前記(7) 〜(16)式で示される運動方程式中のコ−ナ
リングパワ−を固定( 線形値) として定義される線形車
両モデルから計算する) 、車輪横滑り角が大となる大舵
角入力時はコ−ナリングフォ−スが飽和してしまい、そ
の分ヨ−レイトについて発生値と目標値に定常誤差が生
じてしまう( 例えば、前記図19( ハ) 参照) 。本実施例
は、コ−ナリングフォ−スが飽和する非線形領域で、ヨ
−レイトが線形目標値になるよう定常後輪舵角を計算し
定常制御をすることによって定常特性を改善せんとす
る。
【0078】この場合において、規範目標値はタイヤの
非線形性を考慮した舵角と車速による定常特性をマップ
化して実現する。これは、以下による。比較例に示した
ような定常誤差等に対する改善は、タイヤの非線形特性
を考慮した非線形規範モデル及び非線形車両モデルを用
いることでも実施できるところ、非線形モデルをコント
ローラで実現する場合に、ソフトウェアは線形モデルの
場合に比し複雑となり、メモリや演算時間もその分必要
とされる。そこで、これらの点を重視する場合、非線形
モデルによるソフトウェアの複雑化等を避けつつ、上記
の定常特性の改善を達成するため、車両モデルには線形
モデルを用いる一方で、規範モデルは下記する如き定常
ヨ−レイト特性についてのデ−タをマップ化して記憶さ
せておくこととしたものであり、かような方法を採るこ
ともでき、本実施例ではそうしている。従って、本実施
例の場合、図 2の目標値設定部5aはマップからの検索で
目標値の設定が行われ、舵角演算部6aでは線形車両モデ
ルに基づく演算により目標舵角が算出される。
非線形性を考慮した舵角と車速による定常特性をマップ
化して実現する。これは、以下による。比較例に示した
ような定常誤差等に対する改善は、タイヤの非線形特性
を考慮した非線形規範モデル及び非線形車両モデルを用
いることでも実施できるところ、非線形モデルをコント
ローラで実現する場合に、ソフトウェアは線形モデルの
場合に比し複雑となり、メモリや演算時間もその分必要
とされる。そこで、これらの点を重視する場合、非線形
モデルによるソフトウェアの複雑化等を避けつつ、上記
の定常特性の改善を達成するため、車両モデルには線形
モデルを用いる一方で、規範モデルは下記する如き定常
ヨ−レイト特性についてのデ−タをマップ化して記憶さ
せておくこととしたものであり、かような方法を採るこ
ともでき、本実施例ではそうしている。従って、本実施
例の場合、図 2の目標値設定部5aはマップからの検索で
目標値の設定が行われ、舵角演算部6aでは線形車両モデ
ルに基づく演算により目標舵角が算出される。
【0079】以下、規範モデルのマップ化方法等につい
て、図20以下を参照し説明する。なお、図20,21 は規範
モデルのマップ計算のフロ−チャ−トの一例であり、図
22は或る車速における操舵角−定常ヨ−レイト特性図の
一例である。まず、2WS の定常特性を求めるにあたっ
て、前記各実施例と同様に、タイヤ特性のモデル化を行
うことを考える。本例でも、前記図 4の特性に対し前記
図 5の如き近似特性を適用することとすれば、前記(2
2),(23),(24a) 〜(24f) 、及び(25),(26) 式で示した各
式が夫々成り立つ。また、2WS の定常特性は、同様に前
述の2 自由度運動方程式より、(d2/dt2)φ(t) 、(d/dt)
Vy (t) 、δr (t) をゼロとおくと、前記で示した(1
A),(2A),(5A),(6A) 式が成り立ち、これらから前記第1
実施例の説明において示した(27),(28),(29),(30) 式に
基づき、定常横滑り角についての前記(31)式が誘導され
る。即ち、定常横滑り角βf , βr は、前記(31)式か
ら、
て、図20以下を参照し説明する。なお、図20,21 は規範
モデルのマップ計算のフロ−チャ−トの一例であり、図
22は或る車速における操舵角−定常ヨ−レイト特性図の
一例である。まず、2WS の定常特性を求めるにあたっ
て、前記各実施例と同様に、タイヤ特性のモデル化を行
うことを考える。本例でも、前記図 4の特性に対し前記
図 5の如き近似特性を適用することとすれば、前記(2
2),(23),(24a) 〜(24f) 、及び(25),(26) 式で示した各
式が夫々成り立つ。また、2WS の定常特性は、同様に前
述の2 自由度運動方程式より、(d2/dt2)φ(t) 、(d/dt)
Vy (t) 、δr (t) をゼロとおくと、前記で示した(1
A),(2A),(5A),(6A) 式が成り立ち、これらから前記第1
実施例の説明において示した(27),(28),(29),(30) 式に
基づき、定常横滑り角についての前記(31)式が誘導され
る。即ち、定常横滑り角βf , βr は、前記(31)式か
ら、
【数82】 βf ={( pCfi+ Krjθ/N− Crj) k0− Krj Cfi}/a0 ---(81)
【数83】 βr ={( pCfi+pKfiθ/N− Crj) k0− Kfi Crj}/a0 ---(82) ただし、a0=(Krj+pKfi) k0+ Kfi・ Krjである。
【0080】上記(81),(82) 式から車速 Vx と舵角θを
与え( 上記において k0 は、 k0 =MVx 2 /2L(1 +p)で
表される車速 Vx の変数( 前記(29)式)) 、前記第1 実
施例で説明したのと同様に、 Kfi , Cfi, Krj , Crjを
順次入力して計算されるβf , βr が前記(24a) 〜(24
f) 式で定義された存在条件を満たした時の値を選択す
る。そして、βf , βr が求められれば、これも同様に
前記(22),(23) 式より定常的なコ−ナリングフォ−ス C
f ,Cr が求まり、更に前記(2A)式より2WS 時の定常ヨ−
レイト(d/dt)φ0 が、
与え( 上記において k0 は、 k0 =MVx 2 /2L(1 +p)で
表される車速 Vx の変数( 前記(29)式)) 、前記第1 実
施例で説明したのと同様に、 Kfi , Cfi, Krj , Crjを
順次入力して計算されるβf , βr が前記(24a) 〜(24
f) 式で定義された存在条件を満たした時の値を選択す
る。そして、βf , βr が求められれば、これも同様に
前記(22),(23) 式より定常的なコ−ナリングフォ−ス C
f ,Cr が求まり、更に前記(2A)式より2WS 時の定常ヨ−
レイト(d/dt)φ0 が、
【数84】(d/dt)φ0 =2( Cf + Cr )/MVx ---(83) で計算できる。
【0081】ここで、上記定常ヨ−レイトは、上述のよ
うに車速と舵角の2 変数関数であるため、マップ化にあ
たっては、図22の如く或る車速毎に舵角を変化させたヨ
−レイト特性を求める。また、同様の条件形式で線形定
常ヨ−レイト(d/dt)φL0を、
うに車速と舵角の2 変数関数であるため、マップ化にあ
たっては、図22の如く或る車速毎に舵角を変化させたヨ
−レイト特性を求める。また、同様の条件形式で線形定
常ヨ−レイト(d/dt)φL0を、
【数85】(d/dt)φL0=H0θ ---(84) ただし、定常ヨ−レイトゲイン:H0 = Vx /((1+A ・ V
x 2)LN)で求める。
x 2)LN)で求める。
【0082】しかして、実ヨ−レイトが線形定常ヨ−レ
イト(d/dt)φL0になるべく定常後輪舵角δr0は、前記
(5),(6) 式、及び(81)〜(83)式より次式のように表せ
る。
イト(d/dt)φL0になるべく定常後輪舵角δr0は、前記
(5),(6) 式、及び(81)〜(83)式より次式のように表せ
る。
【数86】 δr0=θ/N− L・(d/dt)φL0/Vx −( βf −βr ) ---(85) 上記後輪舵角を定常的に車両に与えればコ−ナリングフ
ォ−スが飽和する領域においても線形定常ヨ−レイトに
等しくなる。従って、規範モデルのマップは線形モデル
にこの後輪舵角を入力したときの定常ヨ−レイトを目標
定常値とし、その目標定常値は次式となる。
ォ−スが飽和する領域においても線形定常ヨ−レイトに
等しくなる。従って、規範モデルのマップは線形モデル
にこの後輪舵角を入力したときの定常ヨ−レイトを目標
定常値とし、その目標定常値は次式となる。
【数87】 (d/dt)φr0= Vx ・( θ/N−δr0)/(L・ (1 +A ・ Vx 2) ---(86) 以上で説明した目標定常値(d/dt)φr0を各車速毎にマッ
プ化し規範モデルのデ−タとすることで定常特性を改善
できる。
プ化し規範モデルのデ−タとすることで定常特性を改善
できる。
【0083】図20,21 では、上記のマップ化を次の手順
で行っている。車速 Vx として任意の車速値 Vにおける
(d/dt)φr0デ−タを得る場合、まず、θ=0 、 Vx =0
の条件を設定し( ステップ500)、次にステップ501 〜50
5 の処理を行う。ここに、定常横滑り角計算( ステップ
502)を含むこれらの処理の具体的な内容は、前記図 9,1
0 と基本的に同じである( 本プログラム例のように、β
f , βr 境界条件判断後に、 Cf ,Cr 演算をしてもよ
い) 。前後輪コ−ナリングフォ−ス Cf ,Cr の計算( ス
テップ505)後、前記(83),(84) 式による定常ヨ−レイト
(d/dt)φ0 の計算( 非線形) 、定常ヨ−レイト(d/dt)φ
L0の計算( 線形) を行い( ステップ506,507)、更に定常
後輪舵角δr0の計算を行い(ステップ508)、前記(86)式
による目標定常ヨ−レイト計算をする( ステップ509)。
上記の演算を、θ値が例えば360degになるまでθを代え
て繰り返し( ステップ510,511)、その過程でステップ50
9 で求められる値(d/dt)φr0をデ−タとして得る。更
に、車速 Vx として順次他の値V に代えて設定し( ステ
ップ500)、車速毎のθの0 〜360degの範囲での(d/dt)φ
r0をデ−タとして得る。
で行っている。車速 Vx として任意の車速値 Vにおける
(d/dt)φr0デ−タを得る場合、まず、θ=0 、 Vx =0
の条件を設定し( ステップ500)、次にステップ501 〜50
5 の処理を行う。ここに、定常横滑り角計算( ステップ
502)を含むこれらの処理の具体的な内容は、前記図 9,1
0 と基本的に同じである( 本プログラム例のように、β
f , βr 境界条件判断後に、 Cf ,Cr 演算をしてもよ
い) 。前後輪コ−ナリングフォ−ス Cf ,Cr の計算( ス
テップ505)後、前記(83),(84) 式による定常ヨ−レイト
(d/dt)φ0 の計算( 非線形) 、定常ヨ−レイト(d/dt)φ
L0の計算( 線形) を行い( ステップ506,507)、更に定常
後輪舵角δr0の計算を行い(ステップ508)、前記(86)式
による目標定常ヨ−レイト計算をする( ステップ509)。
上記の演算を、θ値が例えば360degになるまでθを代え
て繰り返し( ステップ510,511)、その過程でステップ50
9 で求められる値(d/dt)φr0をデ−タとして得る。更
に、車速 Vx として順次他の値V に代えて設定し( ステ
ップ500)、車速毎のθの0 〜360degの範囲での(d/dt)φ
r0をデ−タとして得る。
【0084】こうして、予めタイヤ特性を考慮した日線
形車両モデルとコ−ナリングパワ−を一定とした線形規
範モデルの両モデルから得られる操舵角−定常ヨ−レイ
ト特性がともに一致するように非線形車両モデルから定
常後輪舵角を計算し、この後輪舵角を線形車両モデルに
入力して得られる操舵角−定常ヨ−レイト特性を規範モ
デル中にマップ化して目標定常値の設定をする。規範モ
デルとして、かかる目標定常値が車速、操舵角に対応し
たデ−タとして記憶されているコントローラでは、後輪
舵角制御時、検出操舵角及び車速値に応じてこれを読み
出すことができ、それを制御対象となる車両で実現する
ために必要な目標後輪舵角を車両モデルに基づく演算に
より算出して、舵角制御が行われることになる。
形車両モデルとコ−ナリングパワ−を一定とした線形規
範モデルの両モデルから得られる操舵角−定常ヨ−レイ
ト特性がともに一致するように非線形車両モデルから定
常後輪舵角を計算し、この後輪舵角を線形車両モデルに
入力して得られる操舵角−定常ヨ−レイト特性を規範モ
デル中にマップ化して目標定常値の設定をする。規範モ
デルとして、かかる目標定常値が車速、操舵角に対応し
たデ−タとして記憶されているコントローラでは、後輪
舵角制御時、検出操舵角及び車速値に応じてこれを読み
出すことができ、それを制御対象となる車両で実現する
ために必要な目標後輪舵角を車両モデルに基づく演算に
より算出して、舵角制御が行われることになる。
【0085】図23が本実施例による場合の効果をシミュ
レーション計算によって求めた例を示すものである。シ
ミュレーション条件は、車速 Vx =150Km/h 、操舵角θ
=60deg と高速・大舵角であるが、同様の条件の場合の
前記図19の比較例による場合のものに対し、本制御では
定常状態が改善されていることが分かる。また、コント
ローラでのソフトウェアの複雑化などを避けつつ上記を
実現することもできもので、予め制御対象の車両諸元と
運動方程式及びタイヤ特性から或る車速、舵角における
定常ヨ−レイト特性と、線形規範モデルから得られる定
常ヨ−レイトを基に、タイヤのコ−ナリングフォ−スが
飽和する領域でもヨ−レイトが一致する定常後輪舵角を
求め、この後輪舵角と操舵角より計算される線形定常ヨ
−レイトを規範モデルの目標定常値とするため、コント
ローラに線形車両モデルを用いても車輪横滑り角が大と
なる高速・大舵角時でも定常特性が改善できる。
レーション計算によって求めた例を示すものである。シ
ミュレーション条件は、車速 Vx =150Km/h 、操舵角θ
=60deg と高速・大舵角であるが、同様の条件の場合の
前記図19の比較例による場合のものに対し、本制御では
定常状態が改善されていることが分かる。また、コント
ローラでのソフトウェアの複雑化などを避けつつ上記を
実現することもできもので、予め制御対象の車両諸元と
運動方程式及びタイヤ特性から或る車速、舵角における
定常ヨ−レイト特性と、線形規範モデルから得られる定
常ヨ−レイトを基に、タイヤのコ−ナリングフォ−スが
飽和する領域でもヨ−レイトが一致する定常後輪舵角を
求め、この後輪舵角と操舵角より計算される線形定常ヨ
−レイトを規範モデルの目標定常値とするため、コント
ローラに線形車両モデルを用いても車輪横滑り角が大と
なる高速・大舵角時でも定常特性が改善できる。
【0086】なお、本発明は、以上に述べた実施例に限
定されるものではない。例えば、各実施例は、後輪舵角
を制御する方式を例に採り説明したが、前輪の操舵機構
に舵角の増減を行える機構を追加することにより、前輪
舵角により同様の制御を行うことも可能である。また、
車速センサ (4)の代わりに、車輪速度、車両前後方向加
速度等を検知して車両前後方向速度を算出することも可
能である。
定されるものではない。例えば、各実施例は、後輪舵角
を制御する方式を例に採り説明したが、前輪の操舵機構
に舵角の増減を行える機構を追加することにより、前輪
舵角により同様の制御を行うことも可能である。また、
車速センサ (4)の代わりに、車輪速度、車両前後方向加
速度等を検知して車両前後方向速度を算出することも可
能である。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、操舵状態検出値と車両
前後方向速度検出値に基づき設定される運動目標値を補
助舵角の制御によって実現させる舵角制御において、適
切に目標値を設定して操安性の向上を図ることができ
る。請求項1 では、予め車両諸元及び運動方程式によっ
て設定され、かつ前輪・後輪の横滑り角に応じたコ−ナ
リングパワ−相当値により可変する車両モデルを用い
て、それに操舵状態検出値及び速度検出値を与えたとき
定常的に発生する値を車両の運動に関する被制御量の目
標定常値とすることができ、たとえ車輪横滑り角が大と
なる高速・大舵角時においても被制御量の目標値は適切
なものとなり、その発生値にオーバシュートなどを生ず
るのを抑制し得、車両操縦性及び安定性を改善できる。
請求項2 では、予め車両諸元及び運動方程式によって設
定された線形車両モデルに操舵状態検出値及び速度検出
値を与えて得られる線形定常被制御量から線形定常横滑
り角、定常舵角を求め、この定常舵角がしきい値以下の
ときは線形車両モデルから計算される定常値を、またし
きい値をこえるときは非線形車両モデルから計算される
定常値を、夫々選択して、車両の運動に関する被制御量
の目標定常値とすることができ、たとえ車輪横滑り角が
大となる高速・大舵角時においてもその発生値を被制御
量の目標値に一致させることができ、車両操縦性及び安
定性を改善できる。請求項3 の場合、車両の運動に関す
る被制御量の目標定常値につき、予めタイヤの横滑り角
に対するコ−ナリングフォ−ス特性を考慮した非線形車
両モデルと線形モデルとの両車両モデルから夫々操舵角
に対して計算される目標定常値がともに等しくなるよう
に非線形車両モデルより制御車輪の定常舵角を求め、こ
の定常舵角と操舵角を線形車両モデルに入力して得られ
る定常値を目標値とするとしたため、たとえ線形車両モ
デルを用いても車輪横滑り角が大となる高速・大舵角時
でも定常特性が改善でき、これによる車両操縦性及び安
定性の向上を図ることができる。
前後方向速度検出値に基づき設定される運動目標値を補
助舵角の制御によって実現させる舵角制御において、適
切に目標値を設定して操安性の向上を図ることができ
る。請求項1 では、予め車両諸元及び運動方程式によっ
て設定され、かつ前輪・後輪の横滑り角に応じたコ−ナ
リングパワ−相当値により可変する車両モデルを用い
て、それに操舵状態検出値及び速度検出値を与えたとき
定常的に発生する値を車両の運動に関する被制御量の目
標定常値とすることができ、たとえ車輪横滑り角が大と
なる高速・大舵角時においても被制御量の目標値は適切
なものとなり、その発生値にオーバシュートなどを生ず
るのを抑制し得、車両操縦性及び安定性を改善できる。
請求項2 では、予め車両諸元及び運動方程式によって設
定された線形車両モデルに操舵状態検出値及び速度検出
値を与えて得られる線形定常被制御量から線形定常横滑
り角、定常舵角を求め、この定常舵角がしきい値以下の
ときは線形車両モデルから計算される定常値を、またし
きい値をこえるときは非線形車両モデルから計算される
定常値を、夫々選択して、車両の運動に関する被制御量
の目標定常値とすることができ、たとえ車輪横滑り角が
大となる高速・大舵角時においてもその発生値を被制御
量の目標値に一致させることができ、車両操縦性及び安
定性を改善できる。請求項3 の場合、車両の運動に関す
る被制御量の目標定常値につき、予めタイヤの横滑り角
に対するコ−ナリングフォ−ス特性を考慮した非線形車
両モデルと線形モデルとの両車両モデルから夫々操舵角
に対して計算される目標定常値がともに等しくなるよう
に非線形車両モデルより制御車輪の定常舵角を求め、こ
の定常舵角と操舵角を線形車両モデルに入力して得られ
る定常値を目標値とするとしたため、たとえ線形車両モ
デルを用いても車輪横滑り角が大となる高速・大舵角時
でも定常特性が改善でき、これによる車両操縦性及び安
定性の向上を図ることができる。
【図1】本発明の一実施例を示すシステム構成図であ
る。
る。
【図2】同例における舵角制御系の一例を示す機能ブロ
ック線図である。
ック線図である。
【図3】ヨ−イングと横方向の2 自由度をもつ車両運動
モデルの説明図である。
モデルの説明図である。
【図4】車輪横滑り角とコ−ナリングフォ−スの一般的
な特性を示す図である。
な特性を示す図である。
【図5】実施例装置に適用できる前輪横滑り角と前輪コ
−ナリングフォ−スの近似特性、及び後輪横滑り角と後
輪コ−ナリングフォ−スの近似特性の夫々の一例を示す
図である。
−ナリングフォ−スの近似特性、及び後輪横滑り角と後
輪コ−ナリングフォ−スの近似特性の夫々の一例を示す
図である。
【図6】コントローラにより実行される制御プログラム
の後輪目標舵角算出フロ−チャ−トの一例を分割して示
す図にして、その一部を示す図である。
の後輪目標舵角算出フロ−チャ−トの一例を分割して示
す図にして、その一部を示す図である。
【図7】同じく、他の一部を示す図である。
【図8】同じく、更に他の一部を示す図である。
【図9】図7 中のサブル−チンの一例のフロ−チャ−ト
を分割して示す図にして、その一部を示す図である。
を分割して示す図にして、その一部を示す図である。
【図10】同じく、他の一部を示す図である。
【図11】同じく、更に他の一部を示す図である。
【図12】実施例装置による制御効果の一例をシミュレ
−ション計算により示す図である。
−ション計算により示す図である。
【図13】比較例での制御内容を示す図である。
【図14】本発明の他の実施例に係る後輪目標舵角算出
フロ−チャ−トの一例を分割して示す図にして、その一
部を示す図である。
フロ−チャ−トの一例を分割して示す図にして、その一
部を示す図である。
【図15】同じく、他の一部を示す図である。
【図16】同じく、更に他の一部を示す図である。
【図17】同例での制御効果の一例をシミュレ−ション
計算により示す図である。
計算により示す図である。
【図18】同じく、制御効果の他の例をシミュレ−ショ
ン計算により示す図である。他の一部を示す図である。
ン計算により示す図である。他の一部を示す図である。
【図19】比較例での制御内容を示す図である。
【図20】本発明の更に他の実施例に係るマップ化のた
めのフロ−チャ−トの一例を分割して示す図にして、そ
の一部を示す図である。
めのフロ−チャ−トの一例を分割して示す図にして、そ
の一部を示す図である。
【図21】同じく、他の一部を示す図である。
【図22】同例で説明に供するヨ−レイト特性等を示す
図である。
図である。
【図23】同例での制御効果の一例をシミュレ−ション
計算により示す図である。
計算により示す図である。
【符号の説明】 1a 車両 2a 補助操舵機構 3 操舵角センサ 3a 操舵状態検出部 4 車速センサ 4a 前後方向速度検出部 5a 車両運動目標設定部 6a 舵角演算部 20L,20R 左右後輪 21 ステアリングホイ−ル 22 後輪操舵用油圧シリンダ 23 圧力サ−ボ弁 31 後輪舵角センサ 40 コントローラ
Claims (3)
- 【請求項1】 前輪または後輪の少なくとも一方の舵角
を補助操舵可能で、制御手段により制御舵角が目標値に
一致するよう制御をする車両において、 車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、 車両の前後方向速度を検出する速度検出手段と、 走行中の車両の前輪及び後輪の横滑り角を算出する車輪
の横滑り角算出手段と、 該横滑り角算出手段より算出される前後輪の横滑り角に
応じて車輪のコ−ナリングパワ−に相当する値を推定ま
たは補正する手段と、 予め車両諸元及び運動方程式によって設定され、かつ前
記の推定または補正されるコ−ナリングパワ−相当値に
応じて可変する車両モデルと、 前記操舵状態検出手段及び速度検出手段の検出値に基づ
いて車両の運動に関する被制御量の定常特性及び過度特
性の目標値を設定する目標設定手段であって、前記車両
モデルに該操舵状態検出値及び速度検出値を与えたとき
定常的に発生する値を目標定常値とする車両運動目標設
定手段と、 該車両運動目標設定手段で設定される運動目標値を制御
対象となる車両で実現するために必要な補助操舵角を前
記車両モデルに基づく演算により算出して目標値とする
目標補助舵角算出手段とを具備してなることを特徴とす
る車両用舵角制御装置。 - 【請求項2】 前輪または後輪の少なくとも一方の舵角
を補助操舵可能で、制御手段により制御舵角が目標値に
一致するよう制御をする車両において、 車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、 車両の前後方向速度を検出する速度検出手段と、 走行中の車両の前輪及び後輪の横滑り角を算出する車輪
の横滑り角算出手段と、 該横滑り角算出手段より算出される前後輪の横滑り角に
応じて車輪のコ−ナリングパワ−に相当する値を推定ま
たは補正する手段と、 予め車両諸元及び運動方程式によって設定され、かつ前
記の推定または補正されるコ−ナリングパワ−相当値に
応じて可変する非線形車両モデルと、 前記操舵状態検出手段及び速度検出手段の検出値に基づ
いて車両の運動に関する被制御量の定常特性及び過度特
性の目標値を設定する目標設定手段であって、前記非線
形車両モデルに、該操舵状態検出値と、該速度検出値
と、車両諸元及び運動方程式によって設定される線形車
両モデルから計算される線形定常被制御量とを与えて得
られる制御車輪の定常舵角が、所定のしきい値以下のと
きは線形車両モデルから計算される定常値を目標定常値
とし、また該しきい値をこえるときは非線形車両モデル
から計算される定常値を目標定常値とする車両運動目標
設定手段と、 該車両運動目標設定手段で設定される運動目標値を制御
対象となる車両で実現するために必要な補助操舵角を前
記非線形車両モデルに基づく演算により算出して目標値
とする目標補助舵角算出手段とを具備してなることを特
徴とする車両用舵角制御装置。 - 【請求項3】 前輪または後輪の少なくとも一方の舵角
を補助操舵可能で、制御手段により制御舵角が目標値に
一致するよう制御をする車両において、 車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、 車両の前後方向速度を検出する速度検出手段と、 予め車両諸元及び運動方程式によって設定される線形車
両モデルと、 前記操舵状態検出手段及び速度検出手段の検出値に基づ
いて車両の運動に関する被制御量の定常特性及び過度特
性の目標値を設定する目標設定手段であって、予めタイ
ヤの横滑り角に対するコ−ナリングフォ−ス特性を考慮
した非線形車両モデルと線形モデルとの両車両モデルか
ら夫々操舵角に対して計算される目標定常値がともに等
しくなるように非線形車両モデルより制御車輪の定常舵
角を求め、この定常舵角と操舵角を線形車両モデルに入
力して得られる定常値を目標値とする車両運動目標設定
手段と、 該車両運動目標設定手段で設定される運動目標値を制御
対象となる車両で実現するために必要な補助操舵角を前
記線形車両モデルに基づく演算により算出して目標値と
する目標補助舵角算出手段とを具備してなることを特徴
とする車両用舵角制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP766192A JP2861571B2 (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | 車両用舵角制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP766192A JP2861571B2 (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | 車両用舵角制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05193510A true JPH05193510A (ja) | 1993-08-03 |
JP2861571B2 JP2861571B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=11671999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP766192A Expired - Fee Related JP2861571B2 (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | 車両用舵角制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2861571B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113928402A (zh) * | 2021-11-29 | 2022-01-14 | 安徽合力股份有限公司 | 一种自动驾驶车辆人机共驾转向装置以及控制方法 |
-
1992
- 1992-01-20 JP JP766192A patent/JP2861571B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113928402A (zh) * | 2021-11-29 | 2022-01-14 | 安徽合力股份有限公司 | 一种自动驾驶车辆人机共驾转向装置以及控制方法 |
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Publication number | Publication date |
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JP2861571B2 (ja) | 1999-02-24 |
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