JPH05193509A - 油圧パワーステアリング装置 - Google Patents

油圧パワーステアリング装置

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JPH05193509A
JPH05193509A JP4267975A JP26797592A JPH05193509A JP H05193509 A JPH05193509 A JP H05193509A JP 4267975 A JP4267975 A JP 4267975A JP 26797592 A JP26797592 A JP 26797592A JP H05193509 A JPH05193509 A JP H05193509A
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修 佐野
Yasuhiro Hogo
泰宏 蓬郷
Hiroto Sasaki
裕人 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 操舵補助力を付与する油圧アクチュエータへ
の高圧油の流路を低圧側に接続するバイパス流路50が設
けられる。このバイパス流路50を開閉可能な第1開閉部
材51が油室70の内部に設けられる。この油室70に高圧油
を導入する導入路71を開閉可能な第2開閉部材72が設け
られる。この第2開閉部材72と操舵部材5とが、操舵部
材5が移動端に近接すると第2開閉部材72が導入路71を
開く方向に移動すると共に移動端から離反すると第2開
閉部材72が導入路71を閉じる方向に移動する。第2開閉
部材72によって導入路71が開かれると、第1開閉部材51
が高圧油の油圧により移動してバイパス流路50を開く。
その第1開閉部材51と第2開閉部材72とが、第2開閉部
材72が導入路71を閉じる方向に移動すると第1開閉部材
51がバイパス流路50を閉じる方向に移動する。 【効果】 運転者は操舵限界に至ったことを明確に感じ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、操舵限界近傍において
操舵補助力を解除することのできる油圧パワーステアリ
ング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】操向操作入力をピニオンとラックを介し
て操向用車輪に伝達すると共に、操舵補助力を付与する
油圧シリンダを備えるラックピニオン式油圧パワーステ
アリング装置や、操向操作入力をボールスクリューとボ
ールナットを介して操向用車輪に伝達すると共に、操舵
補助力を付与する油圧アクチュエータを備えたボールス
クリュー式油圧パワーステアリング装置等の油圧パワー
ステアリング装置が従来より用いられている。
【0003】そのような油圧パワーステアリング装置に
あっては、操舵角度を一定範囲に規制するため、操向操
作入力により往復移動するラックやボールナットの移動
範囲を一定範囲に規制する規制手段が設けられている。
例えばラックピニオン式ステアリング装置にあっては、
ラックと同行移動する被当接部と、この被当接部に当接
することでラックの移動を一定範囲に規制するストッパ
ーを設けている。
【0004】このような油圧パワーステアリング装置に
おいて、被当接部がストッパーに当接するまで油圧アク
チュエータに高圧油を供給すると、その当接の際に大き
な打撃音や衝撃を生じる。また、不必要に操舵補助力を
付与することになるため省エネルギー化に反することに
なる。
【0005】このような問題を解決するものとして実開
昭60‐122277号公報に開示されたラックピニオ
ン式油圧パワーステアリング装置が提案されている。こ
れは、操舵補助力を付与する油圧シリンダのシリンダチ
ューブの内周面に凹部を形成し、ラックが移動端に達す
る直前に油圧シリンダのピストンが凹部内に入り込むよ
うにしたものである。これにより、ラックが移動端に達
する直前に油圧シリンダの左右の油室を連通し、操舵補
助力を解除するようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】操舵補助力を付与する
油圧シリンダのピストンの外周には、シリンダチューブ
の内周に接するシールリングが取り付けられる。そのた
め、上記従来のパワーステアリング装置のようにシリン
ダチューブの内周面に凹部を形成すると、その凹部に入
り込んだピストンが移動する際にシールリングが凹部の
縁に引っ掛かり破損してしまい、実用に供することがで
きない。
【0007】このような問題を解決するものとして、本
件出願人が先に提案したラックピニオン式油圧パワース
テアリング装置がある。これは、車両幅方向移動により
操向用車輪を操舵するラックと、このラックの車両幅方
向移動を一定範囲に規制する規制手段と、操舵補助力を
付与する油圧シリンダとを備えるラックピニオン式油圧
パワーステアリング装置において、前記油圧シリンダに
供給される高圧油の流路を低圧側に接続するバイパス流
路と、このバイパス流路を開閉可能とする開閉部材とが
設けられている。その開閉部材とラックとが、ラックが
移動端に近接すると開閉部材がバイパス流路を開く方向
に移動し、ラックが移動端から離反すると開閉部材がバ
イパス流路を閉鎖する方向に移動するように、カムを介
し係合する(特願平3‐1576865号参照)。
【0008】これにより、ラックが移動端に近接すると
開閉部材がバイパス流路を開く方向に移動し、油圧シリ
ンダに供給される高圧油が低圧側に流れることから、操
舵補助力の付与が解除される。また、油圧シリンダのピ
ストンの外周のシールリングが破損するといった問題が
生じることはない。
【0009】しかし、この先の提案の構成ではバイパス
流路を開閉する開閉部材の動きはカムの輪郭面の形状に
依存する。すなわち、開閉部材はカムの輪郭面に沿って
バイパス流路を開く方向に移動することになるため、操
舵補助力は除々に低減されることになる。そうすると、
操舵限界近傍において除々に操舵に要する力が大きくな
るため、運転者は操舵限界に至ったのか否かを明確に感
じることができない。そのため、操舵限界に至っている
にも拘わらず操舵を続けようとして無駄な労力を費やす
ことにもなりかねない。また、開閉部材によりバイパス
流路が除々に開かれると、その開き開始当初においては
高圧油の絞り度が大きいために油温の上昇や流動音が発
生するという問題がある。また、不必要に操舵補助力を
付与する時間が長くなり省エネルギー化に反するもので
ある。
【0010】また、前記従来技術によれば油圧シリンダ
の左右の油室が操舵限界近傍において連通することで、
操舵補助力が瞬時に低下するが、その低下程度が過大で
あると、操舵により弾性的に捩じられた車両のタイヤが
操舵補助力の低下時に復元し、操舵フィーリングが悪く
なるという問題がある。
【0011】また、油圧シリンダに供給される高圧油を
低圧側にバイパスさせて操舵補助力の付与を解除する場
合、操舵補助力を完全になくしてしまうと、操舵限界か
ら直進方向に操舵する際に大きな操舵力を要する。その
ため、操舵限界近傍において高圧油を低圧側にバイパス
させる場合、そのバイパス路に高圧油の絞り部を設けて
油圧シリンダに多少の油圧を作用させ、操舵補助力の解
除後も多少の操舵補助を行なっている。しかし、バイパ
ス路に設けられる絞り部の開度は一定であるため、油温
変化により油の粘性が変化すると操舵補助力の低下程度
が変動し、適正な程度に操舵補助力を低下させることが
できないという問題がある。
【0012】本発明は上記技術的課題を解決することの
できる油圧パワーステアリング装置を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、操向操作により往復移動する操舵部材と、この操
舵部材の移動を一定範囲に規制する規制手段と、操舵補
助力を付与する油圧アクチュエータとを備える油圧パワ
ーステアリング装置において、前記油圧アクチュエータ
に高圧油を供給する流路を低圧側に接続するバイパス流
路と、このバイパス流路に連通する油室の内部に配置さ
れると共にバイパス流路を開閉可能な第1開閉部材と、
この第1開閉部材をバイパス流路の開き方向に押すこと
ができるように油室に高圧油を導入する導入路と、この
導入路を開閉可能な第2開閉部材とが設けられ、この第
2開閉部材と前記操舵部材とが、操舵部材が移動端に近
接すると第2開閉部材が導入路を開く方向に移動すると
共に移動端から離反すると第2開閉部材が導入路を閉じ
る方向に移動するよう連動し、その第1開閉部材と第2
開閉部材とが、第2開閉部材が導入路を閉じる方向に移
動すると第1開閉部材がバイパス流路を閉じる方向に移
動するよう連動する点にある。
【0014】その第1開閉部材をバイパス流路の閉じ方
向に付勢する手段と、導入路から油室に導入される高圧
油を低圧側に導くオリフィスとが設けられ、導入路の開
度が一定以上になると第1開閉部材がバイパス流路を開
くようにするのが良い。
【0015】その第1開閉部材をバイパス流路の閉じ方
向に付勢する手段と、導入路から油室に導入される高圧
油を低圧側に導くオリフィスとが設けられ、第1開閉部
材によるバイパス流路の開度を油温が高くなると小さく
すると共に油温が低くなると大きくするように、第1開
閉部材の付勢力とオリフィスの開度が定められ、バイパ
ス流路の開度に応じ操舵補助力が変化するのが好まし
い。
【0016】その導入路から油室に導入される高圧油を
低圧側に導くオリフィスが、第1開閉部材と第2開閉部
材に亘り形成された流路の途中に設けられているのが好
ましい。
【0017】
【作用】本発明の構成によれば、操向操作入力により操
舵部材が移動端に近接すると、第2開閉部材により導入
路が開かれ、油室に高圧油が導入される。油室に高圧油
が導入されると、その油圧により第1開閉部材はバイパ
ス流路の開き方向に瞬時に移動する。すなわち、第1開
閉部材は従来のようにカムの輪郭面の形状に応じて移動
するのではなく、油圧により移動するものであるからバ
イパス流路を瞬時に開くことができる。これにより、油
圧アクチュエータに供給される高圧油を低圧側に流し、
操舵補助力の付与を瞬時に解除することができる。
【0018】操舵部材が移動端から離反すると、第2開
閉部材により導入路が閉じられるので、第1開閉部材を
バイパス流路の開き方向に押す油圧が作用することはな
く、また、第1開閉部材がバイパス流路を閉じるので、
再び油圧アクチュエータに高圧油を供給して操向操作の
補助力を付与することができる。
【0019】その第1開閉部材をバイパス流路の閉じ方
向に付勢する手段と、導入路から油室に導入される高圧
油を低圧側に導くオリフィスとが設けられ、導入路の開
度が一定以上になると第1開閉部材がバイパス流路を開
くようにすることで、操舵補助力が瞬時に低下する際の
低下程度を小さくすることができる。すなわち、操向操
作入力により操舵部材が移動端に近接して第2開閉部材
により導入路が開かれ、油室に高圧油が導入されても、
導入路の開度が小さい間は、第1開閉部材をバイパス流
路の閉じ方向に付勢する力が開き方向に押す油圧よりも
大きいため、バイパス路は開かれない。一方、導入路か
ら油室に導入される高圧油を低圧側に導くオリフィスが
設けられることにより、操向操作入力により操舵部材が
移動端に近接して第2開閉部材により導入路が開かれる
と、そのオリフィスを通って高圧油が低圧側に流れるた
め、油圧アクチュエータに作用する高圧油圧力が低下し
て操舵補助力が減少する。しかる後に、操舵部材がさら
に移動端に近接して第2開閉部材が導入路の開き方向に
移動し、導入路の開度が一定以上になると、油室に導入
される高圧油の流量が増大し、第1開閉部材をバイパス
流路の開き方向に押す油圧が閉じ方向に付勢する力より
も大きくなり、第1開閉部材はバイパス流路の開き方向
に瞬時に移動する。これにより、操舵補助力を瞬時に解
除することができ、しかも、その解除前に操舵補助力を
ある程度低下させているため、その解除時の操舵補助力
の低下程度が過大になるのを防止できる。
【0020】その第1開閉部材をバイパス流路の閉じ方
向に付勢する手段と、導入路から油室に導入される高圧
油を低圧側に導くオリフィスとを設け、第1開閉部材に
よるバイパス流路の開度を油温が高くなると小さくする
と共に油温が低くなると大きくするように、第1開閉部
材の付勢力とオリフィスの開度とを定め、バイパス流路
の開度に応じ操舵補助力を変化させることで、油温変化
に対する温度補償を行ない、油温が変化しても適正な程
度に操舵補助力を低下させることができる。すなわち、
第1開閉部材にはバイパス流路の閉じ方向への付勢力
と、導入路から油室に導入される高圧油によるバイパス
流路の開き方向への油圧とが作用し、その付勢力と油圧
の差により第1開閉部材の位置が定まる。よって、油温
が高い場合は、オリフィスを介し低圧側に導かれる高圧
油流量が多くなるため、第1開閉部材をバイパス流路の
開き方向へ押す油圧が低下し、第1開閉部材はバイパス
流路の閉じ方向に移動する。また、油温が低い場合は、
オリフィスを介し低圧側に導かれる高圧油流量が少なく
なるため、第1開閉部材をバイパス流路の開き方向へ押
す油圧が上昇し、第1開閉部材はバイパス流路の開き方
向に移動する。これにより、第1開閉部材によりバイパ
ス流路が開かれ操舵補助力が解除される際、油温が高い
場合はバイパス流路の開度を小さくすることで操舵補助
力の低下程度が過大になるのを防止でき、油温が低い場
合はバイパス流路の開度を大きくすることで操舵補助力
の低下程度が過少になるのを防止できる。
【0021】その導入路から油室に導入される高圧油を
低圧側に導くオリフィスが、第1開閉部材と第2開閉部
材に亘り形成された流路の途中に設けられることによ
り、そのオリフィスを油室の内部に配置でき、オリフィ
スの配置スペースが別途不要になり小型化できる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0023】図1および図2に示すラックピニオン式油
圧パワーステアリング装置1は、自動車のハンドル(図
示省略)に連結される入力軸2と、この入力軸2にトー
ションバー3を介して連結されるピニオン4と、このピ
ニオン4に噛み合うラック(操舵部材)5とを備えてい
る。このラック5の両端にはボールジョイント6、7を
介して操向用車輪Wが連結されている。これにより、ハ
ンドルの操作により入力軸2の回転がトーションバー3
を介してピニオン4に伝達され、このピニオン4の回転
によりラック5が車両幅方向に往復移動して操向用車輪
Wの操舵がなされる。
【0024】そのラック5の車両幅方向移動を一定範囲
に規制するため、ラックハウジング11の両端にストッ
パー40、41が形成されている。これにより、ラック
5が移動端に達すると、そのストッパー40、41にラ
ック5の両端に取り付けられた前記ボールジョイント
6、7が当接し、ラックの車両幅方向移動が規制され
る。そのストッパー40、41は、例えばラックハウジ
ング11の内周に一体形成する段部や、ラックハウジン
グ11の内周に嵌合されるラック支持用ブッシュにより
構成する。
【0025】その操舵補助力を付与する油圧シリンダ
(油圧アクチュエータ)10が設けられている。この油
圧シリンダ10のシリンダチューブはラックハウジング
11により構成されると共に、ピストン12はラック5
の外周に固定されている。そのピストン12により仕切
られる油室13、14に、操向方向と路面からラック5
に作用する反力とに応じて高圧油を供給するため、前記
入力軸2の外周囲にロータリーバルブ20が形成されて
いる。このロータリーバルブ20は、ラックハウジング
11と一体化されたバルブハウジング21と、このバル
ブハウジング21の内部において入力軸2を囲む筒状の
弁部材22とを備えている。この弁部材22は前記ピニ
オン4に同行回転するよう連結されている。また、バル
ブハウジング21にはポンプ23に接続される入口ポー
ト24と、タンク25に接続される出口ポート26と、
前記油圧シリンダ10の一方の油室13に接続される第
1シリンダポート27と、他方の油室14に接続される
第2シリンダポート28とを備えている。各ポート2
4、26、27、28は、入力軸2と弁部材22との相
対回転により開閉される流路を介し連通する。すなわ
ち、操舵を行なっていない状態では入口ポート24と出
口ポート26とが連通し、ポンプ23から供給される高
圧油はタンク25に還流し、操舵補助力が作用すること
はない。また、ハンドルを回転させて操舵を行なうと、
操向用車輪Wを介し路面からラック5に作用する反力に
応じてトーションバー3が捻じれ、ピニオン4と一体の
弁部材22が入力軸2に対し相対回転する。すると、入
口ポート24と出口ポート26との間の油路が閉鎖さ
れ、入口ポート24から油圧シリンダ10の油室13、
14の一方に操向方向に応じて高圧油が供給され、ま
た、油室13、14の他方から油が出口ポート26を通
ってタンク25に還流する。これにより油圧シリンダ1
0は、操向方向と操向用車輪Wを介し路面からラック5
に作用する反力とに応じた操舵補助力を付与する。
【0026】そのピニオン4とラック5との噛み合い状
態の調節のため、ラックハウジング11に形成された挿
入孔11aに筒状のサポートヨーク30とバネ31が挿
入され、また挿入孔11aは調節部材32がねじ込まれ
ることで閉鎖されている。そのサポートヨーク30は図
1において左右方向に移動可能とされ、バネ31の弾性
力によりラック5をピニオン4に押し付ける。その押し
付け力は調節部材32のラックハウジング11へのねじ
込み量を変更することで調節可能とされている。
【0027】そして、前記油圧シリンダ10に供給され
る高圧油の流路を低圧側に接続するバイパス流路50が
形成されている。このバイパス流路50は本実施例で
は、前記ロータリーバルブ20の入口ポート24とタン
ク25とを接続するものであって、バルブハウジング2
1に形成された第1流路50aと、この第1流路50a
に通じるようにラックハウジング11に形成された第2
流路50bと、この第2流路50bに通じるようにサポ
ートヨーク30に形成された第3流路50cと、この第
3流路50cに油室70を介し連通するようにサポート
ヨーク32に形成された第4流路50dと、この第4流
路50dに連通するようにラックハウジング11に形成
された第5流路50eと、この第5流路50eに連通す
るようにバルブハウジング21に形成された第6流路5
0fとで構成される。その第1流路50aが入口ポート
24に接続され、第6流路50fがタンク25に接続さ
れている。
【0028】その第3流路50cと第4流路50dとを
連通する油室70はサポートヨーク30の内部に形成さ
れている。この油室70にバイパス流路50を開閉する
円柱状の第1開閉部材51が図1において左右方向に移
動可能に挿入されている。この開閉部材51の移動方向
はサポートヨーク30の移動方向と等しくされている。
図1の状態で第1開閉部材51は第3流路50cと第4
流路50dとの間を閉鎖する。図1の状態から第1開閉
部材51が左方に移動すると、図3に示すように第3流
路50cと第4流路50dとの間が開かれ、油圧シリン
ダ10に供給される油がタンク25に流れ込む。
【0029】その油室70に高圧油を導入し、第1開閉
部材51をバイパス流路50の開き方向(図1において
左方)に押すことができるように導入路71が設けられ
ている。この導入路71は、第3流路50cと油室70
とを連通するようにサポートヨーク30に形成されてい
る。この導入路71を開閉する円柱状の第2開閉部材7
2が油室70に挿入されている。本実施例では、第2開
閉部材72は連結部75を介し第1開閉部材51と一体
化され、第1開閉部材51と同行移動する。図1の状態
で第2開閉部材72は導入路71を閉鎖する。この図1
の状態から第2開閉部材72が左方移動すると、図3に
示すように導入路71が開かれ、高圧油が油室70に導
入され、第1開閉部材51に第2開閉部材72を介して
高圧油の油圧が作用し、第1開閉部材51はバイパス流
路の開き方向に押される。
【0030】その第2開閉部材72とラック5とが、ラ
ック5が移動端に近接すると第2開閉部材72が導入路
71を開く方向(図1において左方)に移動すると共
に、ラック5が移動端から離反すると第2開閉部材71
が導入路71を閉じる方向に移動するよう連動する。す
なわち、油室70に円柱形の移動部材73が挿入され、
この移動部材73は、第2開閉部材72から図1におい
て右方に突出する突出部72aに当接可能とされてい
る。この移動部材73とラック5の背面の間にボール7
4が介在されている。このボール74をラック5の背面
に押し付けることができるように、前記調節部材32と
第1開閉部材51との間にバネ76が介在されている。
また、そのラック5の背面の左右に突出部77、78が
形成されている。各突出部77、78は、ラック5が車
両幅方向に移動してボールジョイント6、7がストッパ
ー40、41に当接する直前になると、ボール74が突
出部77、78に乗り上げる位置に形成されている。ま
た、油室70の第1開閉部材51と調節部材32との間
の部分と、油室70の第2開閉部材72と移動部材73
との間の部分とを連通する連通路80が、サポートヨー
ク30に形成されている。また、油室70の第1開閉部
材51と調節部材32との間の部分と、第4流路50d
とを連通する連通路81がサポートヨーク30に形成さ
れている。
【0031】上記構成において、ラック5が移動端に近
接すると、ボール74が突出部77、78に乗り上げる
ので移動部材73はバネ76の弾性力に抗して図1にお
いて左方に移動する。この移動部材73により第2開閉
部材72が左方に押され、導入路71が開かれ、高圧油
が油室70の第2開閉部材72と移動部材73との間に
導入される。この際、連通路80は移動部材73により
閉鎖される。すると、高圧油の油圧が第2開閉部材72
に作用し、第2開閉部材72は瞬時にスプリング76の
弾性力に抗して左方に移動し、移動部材73から離反す
る。これにより、第2開閉部材72に同行して第1開閉
部材51が左方に移動すると、油室70の両開閉部材5
1、72の間を介して第3流路50cと第4流路50d
が連通し、図3に示すようにバイパス流路50が瞬時に
開かれ、入口ポート24から油がバイパス流路50を通
ってタンク25に還流し、操向操作の補助力の付与が瞬
時に解除される。
【0032】本実施例では、第1開閉部材51によりバ
イパス流路50が開かれた状態で、油室70から第4流
路50dに流入する油が多少絞られ、前記移動部材73
をラック5の背面に押し付けるための僅かの油圧が生じ
るものとされている。これにより、ラック50が移動端
から離反してボール74の突出部77、78への乗り上
げが解除されると、移動部材73は油圧の作用により図
中右方に移動する。この移動部材73の移動により連通
路80が開かれ、油室70の第2開閉部材72と移動部
材73との間の部分が、第1開閉部材51と調節部材3
2との間の部分に連通する。これにより、各開閉部材5
1、72に左右から作用する油圧が等しくなるので、バ
ネ76の弾性力により両開閉部材51、72は右方に移
動し、第2開閉部材72により導入路71が閉じられる
と共に、第1開閉部材51によりバイパス流路50が閉
じられ、再び図1の状態となる。なお、油室70の第1
開閉部材51と調節部材32との間の部分が連通路81
を介し第4流路50dに連通することで、各開閉部材7
2の右方移動が許容されている。
【0033】上記実施例の油圧パワーステアリング装置
1によれば、ラック5が移動端近傍に至ると油圧シリン
ダ10による操舵補助力の付与が解除されるため、ボー
ルジョイント6、7とストッパー40とが激しく当接す
ることはなく、大きな打撃音や衝撃の発生が防止され
る。また、油圧シリンダのピストンの外周のシールリン
グが破損するといった問題が生じることもなく実用的な
ものである。また、操舵補助力の付与はラック5が移動
端近傍に達すると瞬時に解除されるため、運転者は操舵
限界に至ったことを確実に感じることができ、不必要な
操舵労力を費やすことがない。また、バイパス流路50
は瞬時に開かれるため、高圧油を絞ることによる油温上
昇や流動音の発生を防止することができる。また、不必
要に操舵補助力を付与する時間をなくして省エネルギー
化を図ることができる。また、上記実施例ではサポート
ヨークに油室70を形成して各開閉部材51、72を挿
入しているので、コンパクトな構造とされている。
【0034】図4〜図10は第2実施例のラックピニオ
ン式油圧パワーステアリング装置101に関し、第1実
施例と同様に、自動車のハンドル(図示省略)に連結さ
れる入力軸102と、この入力軸102にトーションバ
ー103を介して連結されるピニオン104と、このピ
ニオン104に噛み合うラック(操舵部材)105とを
備えている。このラック105の両端にボールジョイン
ト106(他端は図示省略)を介して操向用車輪が連結
される。これにより、ハンドルの操作により入力軸10
2の回転がトーションバー103を介してピニオン10
4に伝達され、このピニオン104の回転によりラック
105が車両幅方向に往復移動して操向用車輪の操舵が
なされる。
【0035】そのラック105の車両幅方向移動を一定
範囲に規制するため、第1実施例と同様に、ラックハウ
ジング111の両端にストッパー140(他端は図示省
略)が形成されている。これにより、ラック105が移
動端に達すると、そのストッパー140にラック105
の両端に取り付けられた前記ボールジョイント106が
当接し、ラック105の車両幅方向移動が規制される。
そのストッパー140は、例えばラックハウジング11
1の内周に一体形成する段部や、ラックハウジング11
1の内周に嵌合されるラック支持用ブッシュにより構成
する。
【0036】その操向操作の補助力を付与する油圧シリ
ンダ(油圧アクチュエータ)110が第1実施例と同様
に設けられている。すなわち、その油圧シリンダ110
のシリンダチューブはラックハウジング111により構
成されると共に、ピストン112はラック105の外周
に固定されている。そのピストン112により仕切られ
る油室113、114に、操向方向と路面からラック1
05に作用する反力とに応じて高圧油を供給するため、
前記入力軸102の外周囲に第1実施例と同様のロータ
リーバルブ120が形成されている。このロータリーバ
ルブ120は、ラックハウジング111と一体化された
バルブハウジング121と、このバルブハウジング12
1の内部において入力軸102を囲む筒状の弁部材12
2とを備えている。この弁部材122は前記ピニオン1
04に同行回転するよう連結されている。また、バルブ
ハウジング121にはポンプ123に接続される周溝状
の入口ポート124と、タンク125に接続される出口
ポート126と、前記油圧シリンダ110の一方の油室
113に接続される第1シリンダポート127と、他方
の油室114に接続される第2シリンダポート128と
を備えている。各ポート124、126、127、12
8は、入力軸102と弁部材122との相対回転により
開閉される流路を介し連通する。すなわち、操舵を行な
っていない状態では入口ポート124と出口ポート12
6とが連通し、ポンプ123から供給される高圧油はタ
ンク125に還流し、操舵補助力が作用することはな
い。また、ハンドルを回転させて操舵を行なうと、操向
用車輪を介し路面からラック105に作用する反力に応
じてトーションバー103が捻じれ、ピニオン104と
一体の弁部材122が入力軸102に対し相対回転す
る。すると、入口ポート124と出口ポート126との
間の油路の開度が変化し、入口ポート124から油圧シ
リンダ110の油室113、114の一方に操向方向に
応じて高圧油が供給され、また、油室113、114の
他方から油が出口ポート126を通ってタンク125に
還流する。これにより油圧シリンダ110は、操向方向
と操向用車輪を介し路面からラック105に作用する反
力とに応じた操舵補助力を付与する。
【0037】そのピニオン104とラック105との噛
み合い状態の調節のため、第1実施例と同様に、ラック
ハウジング111に形成された挿入孔111aに筒状の
サポートヨーク130とバネ131が挿入され、また挿
入孔111aは調節部材132がねじ込まれることで閉
鎖されている。そのサポートヨーク130は図4におい
て左右方向に移動可能とされ、バネ131の弾性力によ
りラック105をピニオン104に押し付ける。
【0038】そして、前記油圧シリンダ110に供給さ
れる高圧油の流路を低圧側に接続するバイパス流路15
0が形成されている。このバイパス流路150は本第2
実施例ではバルブハウジング121に形成され、前記ロ
ータリーバルブ120の入口ポート124とタンク12
5とを接続するものであって、第1流路150aと、こ
の第1流路150aに油室170と周溝150cを介し
接続される第2流路150bとで構成され、その第1流
路150aは入口ポート124に接続され、第2流路1
50bはタンク125に配管を介し接続され、油室17
0と周溝150cはバルブハウジング121に形成され
ている。
【0039】そのバイパス流路150の途中においてバ
ルブハウジング121に形成された油室170の内部
に、バイパス流路150を開閉する円柱状の第1開閉部
材151が、図において上下方向に移動可能に挿入され
ている。図4〜図8の状態で第1開閉部材151は第1
流路150aと周溝150cとの間を閉鎖する。この状
態から第1開閉部材151が上方に移動すると、図9、
図10に示すように第1流路150aと周溝150cと
の間が第1開閉部材151の外周の周溝151aを介し
開かれ、油圧シリンダ110に供給される油がタンク1
25に流れ込む。この際、油室70から周溝150cに
流入する油を絞ることで、操舵補助力の解除後も油圧シ
リンダ110に油圧を作用させ、多少の操舵補助を行な
う。すなわち、バイパス流路150の開度に応じ、低圧
側に流れる高圧油の絞り度が変化し、温度一定の下で
は、その開度が大きくなると操舵補助力の低下程度が大
きくなり、開度が小さくなると操舵補助力の低下程度が
小さくなる。
【0040】その油室170に高圧油を導入し、第1開
閉部材151をバイパス流路150の開き方向(図にお
いて上方)に押すことができるように導入路171が設
けられている。この導入路171は、本第2実施例では
第1流路150cと油室170とを連通するようにバル
ブハウジング121に形成されている。この導入路17
1を開閉する第2開閉部材172が油室170にシール
リング172aを介し挿入されている。本第2実施例で
は、その第2開閉部材172は第1開閉部材151とは
別部材とされ、段付円柱形状であって大径部172′と
小径部172″を有し、第1開閉部材151の図におい
て下方に配置され、第1開閉部材151とは独立して移
動する。図4〜図6の状態で第2開閉部材172は導入
路171を閉鎖する。この状態から第2開閉部材172
が上方に移動すると、図7〜図10に示すように導入路
171が開かれる。すなわち、第2開閉部材172の外
周に形成された周溝172bを介し高圧油が油室170
に導入される。この油室170に導入された高圧油は、
第2開閉部材172に径方向にそって形成された流路1
72cと軸線に沿って形成された流路172dを介し第
1開閉部材151と第2開閉部材172の間に至り、こ
れにより、第1開閉部材151をバイパス流路150の
開き方向に押すと共に第2開閉部材172を導入路17
1の閉じ方向(図において下方)に押す油圧が作用す
る。
【0041】その第2開閉部材172とラック105と
が、ラック105が移動端に近接すると第2開閉部材1
72が導入路171を開く方向(図において上方)に移
動すると共に、ラック105が移動端から離反すると第
2開閉部材171が導入路171を閉じる方向に移動す
るよう連動する。すなわち、第2開閉部材172の小径
部172″はラックハウジング111を貫通し、また、
油室170の上端において第1開閉部材151とバルブ
ハウジング121との間に圧縮コイルバネ176が介在
され、そのバネ176の弾性力により第1開閉部材15
1は下方すなわちバイパス流路150の閉じ方向に付勢
されている。また、図4〜図6のように第1開閉部材1
51がバイパス流路150を閉じ、第2開閉部材172
が導入路171を閉じている状態において、そのバネ1
76の弾性力により第2開閉部材172は第1開閉部材
151を介し下方すなわち導入路171の閉じ方向に付
勢され、ラック105に押し付けられる。そのラック1
05の背面の左右端に突出部177(他端は図示省略)
が形成されている。各突出部177はラック105の背
面と傾斜面177aを介し連なり、ラック105が車両
幅方向に移動してボールジョイント106がストッパー
140に当接する直前になると、第2開閉部材172の
下端が突出部177に乗り上げる位置に形成され、第2
開閉部材172が傾斜面177aに沿って上方移動する
に従い導入路171の開度が大きくなる。
【0042】その導入路171から油室170に導入さ
れる高圧油を低圧側に導くオリフィスが設けられてい
る。本第2実施例では、第1開閉部材151に軸線に沿
って流路151cが形成され、この流路151cを介し
油室170における第1開閉部材151の上方側と下方
側とが連通し、その流路151cの途中に第1オリフィ
ス180が形成され、また、油室170における第1開
閉部材151の上方側を出口ポート126に連通する第
2オリフィス181がバルブハウジング121に形成さ
れている。これにより、導入路171から油室170に
導入された高圧油は、第2開閉部材172の流路172
c、流路172d、第1開閉部材151の流路151c
および各オリフィス180、181を介し低圧側である
出口ポート126に導かれる。
【0043】上記構成において、ラック105が移動端
に近接すると、図7に示すように、第2開閉部材172
の下端が突出部177の傾斜面177aに乗り上げるの
で、第2開閉部材172はバネ176の弾性力に抗して
図中上方に移動する。この移動により導入路171が開
かれ、高圧油が油室170に導入される。この高圧油の
油圧は第1開閉部材151を上方に押し上げるよう作用
するが、導入路171の開度が小さい間は、第1開閉部
材151をバイパス流路150の閉じ方向に付勢するバ
ネ176の弾性力が開き方向に押す油圧よりも大きくさ
れている。よって、導入路171の開度が小さい間はバ
イパス流路150は開かれない。一方、導入路171か
ら油室170に導入された高圧油は、オリフィス18
0、181から低圧側に流れるので、油圧シリンダ11
0に作用する高圧油圧力が低下して操舵補助力が減少す
る。しかる後に、図8に示すようにラック105がさら
に移動端に近接して第2開閉部材172が導入路171
の開き方向に移動し、導入路171の開度が一定以上に
なると、油室170に導入される高圧油の流量が増大
し、第1開閉部材151をバイパス流路150の開き方
向に押す油圧が閉じ方向に付勢するバネ176の弾性力
よりも大きくなるものとされている。これにより、導入
路171の開度が一定以上になると、第1開閉部材15
1はバイパス流路150の開き方向に瞬時に移動し、す
なわち図8の状態から図9の状態に移行し、操舵補助力
を瞬時に解除することができる。しかも、その解除前に
操舵補助力をある程度低下させているため、その解除時
の操舵補助力の低下程度が過大になるのを防止できる。
すなわち、図11はハンドル回転角と操舵補助力を発生
させる油圧との関係を表し、(1)が第1実施例の場合
の関係を示し、(2)が第2実施例の場合の関係を示
し、第2実施例の場合の方が操舵補助力を瞬時に解除す
る場合における油圧の低下程度Dが小さくなる。
【0044】上記構成によれば、油温変化に対する温度
補償を行ない、油温が変化しても適正な程度に操舵補助
力を低下させることができる。すなわち、第1開閉部材
151にはバイパス流路150の閉じ方向へのバネ17
6による付勢力と、導入路171から油室170に導入
される高圧油によるバイパス流路150の開き方向への
油圧とが作用し、その付勢力と油圧の差により第1開閉
部材151の位置が定まるように、バネ176の弾性力
と各オリフィス180、181の開度が定められてい
る。よって、油温が高く油の粘度が低い場合は、オリフ
ィス180、181を介し低圧側に導かれる高圧油流量
が多くなるため、第1開閉部材151をバイパス流路1
50の開き方向へ押す油圧が低下し、図10に示すよう
に第1開閉部材151はバイパス流路150の閉じ方向
に移動する。また、油温が低く油の粘性が高い場合は、
オリフィス180、181を介し低圧側に導かれる高圧
油流量が少なくなるため、第1開閉部材151をバイパ
ス流路150の開き方向へ押す油圧が上昇し、図9に示
すように第1開閉部材151はバイパス流路150の開
き方向に移動する。これにより、操舵限界近傍において
第1開閉部材151によりバイパス流路150が開かれ
操舵補助力が解除される際、油温が高い場合はバイパス
流路150の開度を小さくすることで操舵補助力の低下
程度が過大になるのを防止でき、油温が低い場合はバイ
パス流路150の開度を大きくすることで操舵補助力の
低下程度が過少になるのを防止できる。また、その一方
のオリフィス180が第1開閉部材151に形成される
ことで、オリフィスの配置スペースが別途不要になり、
装置を小型化できる。
【0045】上記構成においては、ラック105が移動
端にあって油室170に高圧油が導入されている状態で
は、第1開閉部材151と第2開閉部材172の間の高
圧油の圧力が第2開閉部材172に作用しているため、
その油圧により第1開閉部材151は上方に押され、第
2開閉部材172は下方に押されてラック105に押し
付けられている。よって、ラック150が移動端から離
反し、第2開閉部材172の突出部177への乗り上げ
が解除されると、第2開閉部材172は下方移動し、こ
の移動により導入路171が閉じられる。導入路171
が閉じられると、第1開閉部材151と第2開閉部材1
72の間の油圧の作用が解除され、第1開閉部材151
はバネ176の弾性力により下方に移動し、この移動に
よりバイパス流路150は閉じられる。これにより、再
び図4〜図6の状態となる。
【0046】上記第2実施例の油圧パワーステアリング
装置101によれば、第1実施例と同様の効果を奏する
ことができ、さらに、操舵補助力を解除する際、装置を
大型化することなく操舵補助力の低下程度が過大になる
のを防止し、その操舵補助力の低下程度を油温が変化し
ても常に適正な程度にし、操舵フィーリングが悪くなる
のを防止できる。
【0047】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではない。例えば、上記実施例では操舵部材として
ラックを有するラックピニオン式油圧パワーステアリン
グ装置に本発明を適用したが、操舵部材としてボールナ
ットを有するボールスクリュー式油圧パワーステアリン
グ装置にも本発明を適用することができ、また、操舵部
材はラックやボールナットに限定されず、操向操作によ
り往復移動する部材であればよい。
【0048】
【発明の効果】本発明による油圧パワーステアリング装
置によれば、油圧アクチュエータにより付与される操舵
補助力の付与を操舵部材の移動端近傍において解除する
ことができるので、操舵部材の移動規制のために大きな
打撃音や衝撃が発生するのを防止することができる。ま
た、油圧アクチュエータのシールリングが破損するとい
った問題が生じることはなく実用的なものである。さら
に、操舵部材が移動端近傍に近接すると、油圧による第
1開閉部材の移動により高圧油を低圧側に接続するバイ
パス流路が開かれるので、操舵補助力の付与を瞬時に解
除することができる。これにより、運転者は操舵限界に
至ったことを明確に感じることができて無駄な操舵労力
を費やすことがなく、油温の上昇や圧油の流動音の発生
を防止でき、不必要に操舵補助力を付与する時間をなく
して省エネルギー化を図ることができる。
【0049】また、操舵補助力を解除する際、装置を大
型化することなく操舵補助力の低下程度が過大になるの
を防止し、その操舵補助力の低下程度を油温が変化して
も常に適正な程度にし、操舵フィーリングが悪くなるの
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る油圧パワーステア
リング装置の縦断面図
【図2】 本発明の第1実施例に係る油圧パワーステア
リング装置の横断面図
【図3】 本発明の第1実施例に係る油圧パワーステア
リング装置の要部の縦断面図
【図4】 本発明の第2実施例に係る油圧パワーステア
リング装置の縦断面図
【図5】 本発明の第2実施例に係る油圧パワーステア
リング装置の横断面図
【図6】 本発明の第2実施例に係る油圧パワーステア
リング装置の要部の縦断面図
【図7】 本発明の第2実施例に係る油圧パワーステア
リング装置の要部の縦断面図
【図8】 本発明の第2実施例に係る油圧パワーステア
リング装置の要部の縦断面図
【図9】 本発明の第2実施例に係る油圧パワーステア
リング装置の要部の縦断面図
【図10】 本発明の第2実施例に係る油圧パワーステ
アリング装置の要部の縦断面図
【図11】 第1実施例および第2実施例における操舵
補助力を発生する油圧とハンドル回転角との関係を示す
【符号の説明】
4、104 ピニオン 5、105 ラック 10、110 油圧シリンダ 50、150 バイパス流路 51、151 第1開閉部材 70、170 油室 71、171 導入路 72、172 第2開閉部材 176 バネ 180、181 オリフィス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向操作により往復移動する操舵部材
    と、この操舵部材の移動を一定範囲に規制する規制手段
    と、操舵補助力を付与する油圧アクチュエータとを備え
    る油圧パワーステアリング装置において、前記油圧アク
    チュエータに高圧油を供給する流路を低圧側に接続する
    バイパス流路と、このバイパス流路に連通する油室の内
    部に配置されると共にバイパス流路を開閉可能な第1開
    閉部材と、この第1開閉部材をバイパス流路の開き方向
    に押すことができるように油室に高圧油を導入する導入
    路と、この導入路を開閉可能な第2開閉部材とが設けら
    れ、この第2開閉部材と前記操舵部材とが、操舵部材が
    移動端に近接すると第2開閉部材が導入路を開く方向に
    移動すると共に移動端から離反すると第2開閉部材が導
    入路を閉じる方向に移動するよう連動し、その第1開閉
    部材と第2開閉部材とが、第2開閉部材が導入路を閉じ
    る方向に移動すると第1開閉部材がバイパス流路を閉じ
    る方向に移動するよう連動する油圧パワーステアリング
    装置。
  2. 【請求項2】 第1開閉部材をバイパス流路の閉じ方向
    に付勢する手段と、導入路から油室に導入される高圧油
    を低圧側に導くオリフィスとが設けられ、導入路の開度
    が一定以上になると第1開閉部材がバイパス流路を開く
    ことを特徴とする請求項1に記載の油圧パワーステアリ
    ング装置。
  3. 【請求項3】 第1開閉部材をバイパス流路の閉じ方向
    に付勢する手段と、導入路から油室に導入される高圧油
    を低圧側に導くオリフィスとが設けられ、第1開閉部材
    によるバイパス流路の開度を油温が高くなると小さくす
    ると共に油温が低くなると大きくするように、第1開閉
    部材の付勢力とオリフィスの開度が定められ、バイパス
    流路の開度に応じ操舵補助力が変化することを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の油圧パワーステアリ
    ング装置。
  4. 【請求項4】 導入路から油室に導入される高圧油を低
    圧側に導くオリフィスが、第1開閉部材と第2開閉部材
    に亘り形成された流路の途中に設けられていることを特
    徴とする請求項2または請求項3に記載の油圧パワース
    テアリング装置。
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