JPH05192953A - モールドプレス装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 製品に質の向上，耐環境性の向上を図るモ
ールドプレス装置を提供する。 【効果】 サーボモータの動力をネジを介し移動プレ
ートを上昇させることにより下型を上型に型合せし、ト
ランスファ装置下部のトグル式リンクを空圧シリンダー
でサーボモータ駆動のストッパまで作動させ型締めを行
なう。この一連の動作にてサーボモータは移動プレー
ト，下型，トランスファ装置のプラス余裕の推力を有し
ておればよく、これに比し動作距離は少ないが１０倍以
上の推力を要する型締めには、トグル式リンクによる倍
力機構を空圧シリンダーにて作動させるものである。
尚、その時空圧シリンダーの動作限をサーボモータ駆動
のストッパにて調整し、型締圧を調整するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体の樹脂成
形に用いられるモールドプレス装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、例えば半導体の樹脂成形に用
いられるモールドプレス装置としては図６に示すように
下プレート１と上プレート２とが４本のタイバー３をガ
イドとして、上下移動可能に設けられている。上プレー
ト２の下面中央には上型５が配設され、移動プレート４
の下面中央には、トランスファ装置７が配設されてい
る。前記下プレート１と移動プレート４との間にはトラ
ンスファ装置７の周囲に例えば左右に位置して油圧シリ
ンダ８が設けられている。

【０００３】上記構成のものに於て、モールドプレスを
行なう場合、まず、上型５及び下型６を一定温度に加熱
した後、油圧シリンダ８，８を同時に作動させて移動プ
レート４を上昇させ、下型６を上型５に押し付けて型締
めを行なう。この状態でトランスファ装置７により溶融
樹脂を量型５．６内に注入し、一定の時間保持して溶融
樹脂を固化させ、その後移動プレート４従って下型６を
下降させ、樹脂成形した製品を離形させる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで移動プレート
４、従って下型６の上下駆動には油圧シリンダを用いて
おり、使用油圧も型締め力を大きくする為に２００〜５
００ｋｇｆ／ｃｍ²と高くなっている。このような高い
圧力で使用する場合、油の流れを変える為にバブル切換
えを行うと配管系統に大きな振動が発生すると共に大き
な音が出る。このような状況で長期間使用すると配管継
手からの油洩れが必ず発生すると共に油圧シリンダに於
てもパッキンの摩耗から油のもれが起る。また、この洩
れた油の気化により樹脂成形品である半導体へ影響が懸
念される。最近設備に要求されるクリーン化、低騒音、
低振動に対しても問題となる。従って、本発明の目的
は、製品に質の向上，耐環境性の向上を図るモールドプ
レス装置を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上下に対向状
態に配置固定された上プレート及び下プレートと、この
上プレート及び下プレートとの間に上下移動可能に設け
られた移動プレートと、前記上プレート下面中央に設け
られた上型と、前記移動プレート上面中央に前記上プレ
ートと対向するように設けられた下型と、前記移動プレ
ートの下面中央にもうけられたトランスファ装置と、前
記下プレートと移動プレートの間にあって、前記トラン
スファ装置の周囲に複数個配設され、この移動プレート
を上昇及び下降させて前記上型と下型とを型合せ及び型
開きさせるサーボモータにより駆動のネジと、前記トラ
ンスファ装置の下方に位置して空圧シリンダーにて作動
されるトグル式リンク及び空圧シリンダーに対向して配
設されるサーボモータ駆動のストッパからなる型締め装
置から成るものである。

【０００６】

【作用】サーボモータの動力をネジを介し移動プレート
を上昇させることにより下型を上型に型合せし、トラン
スファ装置下部のトグル式リンクを空圧シリンダーでサ
ーボモータ駆動のストッパまで作動させ型締めを行な
う。

【０００７】この一連の動作にてサーボモータは移動プ
レート，下型，トランスファ装置のプラス余裕の推力を
有しておればよく、これに比し動作距離は少ないが１０
倍以上の推力を要する型締めには、トグル式リンクによ
る倍力機構を空圧シリンダーにて作動させるものであ
る。尚、その時空圧シリンダーの動作限をサーボモータ
駆動のストッパにて調整し、型締圧を調整するものであ
る。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例につき、図１乃至図５
を参照して説明する。図１乃至図５は前述の図６と同一
部分に同一符号を付している。従って、１及び２はタイ
バー３によって上下対向状態に配置固定された下プレー
ト及び上プレート、４は両プレート１・２間に位置して
タイバー３をガイドとして上下移動可能に設けられた移
動プレート、５は上プレート２の下面中央に設けられた
上型、６は移動のプレート４の上面中央に設けられた下
型、７は移動プレート４の下面中央に設けられたトラン
スファ装置、９は前記プレート１と移動プレート４との
間にトランスファ装置７の周囲例えば左右に位置して設
けられた移動プレート４、下型６を上下方向に駆動する
ネジ、１０はサーボモータでこの軸端にはプーリ１１、
前記ネジ９の下部軸端にはプーリ１２が取り付けられ、
これらの両プーリ１１，１２はベルト１３で連結されて
いる。

【０００９】前記トランスファ装置７の下面と下プレー
ト１の間には図４乃至図５に詳細を示すトグル式リンク
の型締め機構が設けられ、これはトランスファ装置７の
下部にナット１４で上下方向に微調整できる構造の上部
軸受１５が設けられ、該軸受１５と半径Ｒ１のリンク１
６はヒンジピン１７で連結されている。

【００１０】一方下プレート１の上面には下部軸受１８
が取り付けられ、前述のリンク１６と半径Ｒ１＝Ｒ２の
関係を有するリンク１９とはヒンジピン２０にて連結さ
れている。前述のリンク１６の他端と該リンク１９の他
端はヒンジピン２１にて連結され、連結部中央にローク
２２を有する。前記リンク１９とヒンジピン２０はピン
２３にて固定され、ヒンジピン２０の一端にはプーリ２
４が固定される。

【００１１】一方、下プレート１上に設置した回転位置
検出器２５の軸端に固定した前記プーリ２４と同歯数の
プーリ２６がベルト２７により連結され、リンク１９の
揺動角度と同じ回転位置検出器２５が廻る関係をとる。
２８は型締めの為にローラ２２を押しつけるプレートで
あり、２９の型締め用空圧シリンダーのロッド端に固定
される。

【００１２】ストッパ３０はプレート２８がローラ２２
を押したとき、同動作軸上で対向して停止しており、ス
トッパとして働くもので、その停止位置はサーボモータ
３１からギア３２，ネジ３３による動力伝達により微妙
な位置設定ができる様になっている。さらにストッパ３
０は、型締めを開放する為にローラ２２を押すこともで
きる様になっている。

【００１３】さて、上記構成に於て、モールドプレスを
行なう場合、図２に示す移動プレート４が下降の状態に
てサーボモータ１０を回動すると、この動力はプーリ１
１，ベルト１３を介してプーリ１２，１２を回動し、ネ
ジ９，９を回動させ下型６を上昇させて上型５に型合わ
せする。この時トランスファ装置７も上昇し、下プレー
ト１から上記ストロークＳ分離間する。これに合わせト
ランスファ装置７の下面に取り付けられた上部軸受１５
も上昇し、リンク１６，１７及びローラ２２は図４に示
す２点鎖線の状態から実線の形となる。この状態にて図
３に示すように空圧シリンダー２９を作動させプレート
２８をローラ２２を介してストッパ３０に押し当てトグ
ル作用にてトランスファ装置７を上方に押し付け、この
上方に位置する下型６を上型５に押し付け型締めをす
る。

【００１４】このトグル方式は少ない力で大きな推力を
出す機構であるがストロークが少ないと言う欠点があ
り、モールド型の熱により上下の型５，６、移動プレー
ト４、トランスファ装置７により僅かではあるが寸法変
化を生じさせる。この変化による型締め力の変化を防ぐ
為には型締め初めのリンク１６，１９の角度θ１，θ２
を略一定にする必要がある。この為に前述のサーボモー
タ１０にて下型６を上型に型合せした後、ナット１４を
回動させリンクの角度θ１，θ２が当初計画値となる様
リンク１９の動揺角に応じヒンジピン２０，プーリ２
４，ベルト２７，プーリ２６を介して連動する回転位置
検出器２５の値（図示しない）を読みとり調整する。型
締め力の変更はストッパ３０の停止位置を変更する事に
より容易に行なうことができる。

【００１５】次に型開きをする場合、リンク１６，１９
の型締め時の角度が０に近い場合、空圧シリンダー２９
を後退させても軸受部の摩擦抵抗に比し、復元力が弱
く、この補助としてサーボモータ１０にてネジ９，９を
逆転させ、型開き作動すると同時にサーボモータ３１を
作動させてストッパ３０にてローラ２２を押し、トグル
式リンクのロック状態を外す。

【００１６】本実施例によれば比較的少ない推力で良い
が高速で且つ高い位置精度を要求する型合わせにサーボ
モータを用い、型締めと言う大きな推力を要する部分に
トグル式リンクを空圧シリンダー駆動とした２系統とす
ることにより、油圧レス化が計られ装置のクリーン化，
低振動，低騒音化が計れるようになる。又、トグル式リ
ンクのストッパをサーボモータ駆動としたため、こめ細
かい型締圧力設定ができる様になる事から製品品質上に
おいても有効となる。 （他の実施例）

【００１７】型締め初めの角度調整を自動で行なう為に
第７図ａ，ｂに示すようにナットの外周をウォームホイ
ル３４とし、ウォーム軸３５をモータ３６にて回転する
機構をとることも可能である。

【００１８】

【発明の効果】本発明は以上の記述で明かな様に、推力
は小さいが、高速で且つ制御の容易なサーボモータ駆動
とすることにより、上型と下型の型合わせ時に上下型の
間に異物をはさみこんだ場合でも、型の損傷を防止でき
ると共に正規の型締め位置に対し異物による移動量の変
化をサーボモータのパルスカウントで検出する事ができ
る。

【００１９】従って薄い異物の検出ができると共に型締
めは高出力の出せるトグル式リンク機構を大きな出力が
容易に出せる空圧シリンダ駆動とし、サーボモータ駆動
のストッパでそのストロークを制御する事によりクリー
ンで且つ低振動，低騒音，高精度型締め圧力設定可能が
計れるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示し型締め状態における全
体の正面図、

【図２】型開き状態における全体の一部を断面した側面
図、

【図３】図２と同方向から見た全体の型締め図、

【図４】図２および図３に示す型締め部の拡大詳細断面
図、

【図５】図４の正面図、

【図６】従来例を示す図１相当図、

【図７】型締め高さ調整の変形例を示した図。

【符号の説明】

１は下プレート、 ２は上プレート、４は
移動プレート、 ５は上型、６は下型、
７はトランスファ装置、９はネジ、
１０はサーボモータ、２５は回転位
置検出器、 ２９は空圧シリンダー、３０はスト
ッパー、 ３１はサーボモータ、３３はネ
ジ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下に対向状態に配置固定された上プレ
   ート及び下プレートと、この上プレート及び下プレート
   との間に上下移動可能に設けられた移動プレートと、前
   記上プレート下面中央に設けられた上型と、前記移動プ
   レート上面中央に前記上プレートと対向するように設け
   られた下型と、前記移動プレートの下面中央に設けられ
   たトランスファ装置と、前記下プレートと移動プレート
   との間にあって前記トランスファ装置の周囲に複数配置
   され、この移動プレートを上昇及び下降させて前記上型
   と下型とを型合せ及び型開きさせるサーボモータにより
   駆動されるネジと、前記下プレートに前記トランスファ
   装置の下方に位置して配設されたサーボ駆動ストッパを
   有するシリンダ駆動によるトグル型締め装置を具備して
   なることを特徴とするモールドプレス装置。