JPH05192637A - 溶接可能な黒色鋼板 - Google Patents

溶接可能な黒色鋼板

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JPH05192637A
JPH05192637A JP2899592A JP2899592A JPH05192637A JP H05192637 A JPH05192637 A JP H05192637A JP 2899592 A JP2899592 A JP 2899592A JP 2899592 A JP2899592 A JP 2899592A JP H05192637 A JPH05192637 A JP H05192637A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接可能な膜厚の範囲内で優れた黒色外観が
得られ、また耐食性、密着性、加工性にも優れた黒色鋼
板を提供することにある。 【構成】 亜鉛または亜鉛系合金めっきの表面に所定の
クロム付着量のクロメ−ト皮膜を有し、このクロメ−ト
皮膜の上部に、熱硬化性樹脂を基体樹脂とし、この基体
樹脂に対して、黒色付与剤として特定の黒色錯化合物を
特定の配合量で配合し、さらに必要に応じて固形潤滑
剤、粒子状防錆顔料を配合した所定の膜厚の黒色皮膜を
有する溶接可能な黒色鋼板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家電製品、事務機器、
複写機、自動車、建材製品等に好適な溶接可能で且つ黒
色外観の優れた黒色鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、家電製品や事務機器等の分野で、
亜鉛または亜鉛合金めっき等の鋼板に連続的且つ短時間
の処理を施すことにより得られる、溶接可能で且つ外観
の優れた黒色鋼板のニーズが増加している。このため、
黒色化処理方法、黒色化処理液、あるいはそれによって
得られる黒色鋼板の開発が種々試みられている。
【0003】従来、鋼板上に黒色皮膜を形成するための
方法としては、次のようなものがある。 (a)カーボンブラック等の黒色顔料を含む樹脂皮膜を
スプレーまたはロールコーターなどによって数十μmの
膜厚に塗装する方法。 (b)皮膜としてあらかじめ形成されているめっき層自
体を反応または電解させることによって黒色皮膜を形成
する方法。 (1) Agイオンを含むクロメート浴によって黒色ク
ロメート皮膜を得る方法(特開昭58−193376
号)。 (2) カーボンブラックを主成分とした黒色樹脂皮膜
を電析する方法(特開昭56−62996号)。 (3) Zn−Co,NiまたはMo系合金電気めっき
をした後、陽極処理する方法(特公昭61−38276
号)。 (4) Zn−Ni合金めっき鋼板に硝酸または硝酸根
を含む浴による浸漬処理、スプレー処理、陽極処理を施
して、黒色外観を得る方法(特公昭62−30262
号)。 (5) 陰極処理により、黒色めっき皮膜を形成させる
方法(例えば特開昭62−263995号)。 (6) ZnまたはZn合金めっき上に置換めっきを施
して、より貴な電位を有する金属を析出させる方法(例
えば、特開昭62−89879号)。 (c) 耐食性および密着性を目的として、カリ水ガラ
ス水溶液中に有機染料を加えた処理液を亜鉛または亜鉛
めっき表面に塗布する方法(特公昭55−30593
号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術には以下のような問題点がある。まず、
(a)の方法は一般的な塗装方法であるが、外装用の塗
装膜厚は単層で通常10μm以上であるために、溶接が
不可能である。また、塗膜中の黒色付与剤はカーボンブ
ラックであり、溶接可能な範囲内の膜厚(0.2〜3μ
m)で塗装をした場合、仮に黒色顔料濃度を塗料として
の限界まで増加したとしても黒色度が不十分であり、塗
膜のみで十分な黒色皮膜を得るのは困難である。すなわ
ち、従来の黒色付与剤では、溶接可能な範囲内の膜厚
(0.2〜3μm)で十分な黒色性を得ることは不可能
であった。
【0005】また、(b)の各種方法についても、次の
ような問題がある。このうち、まず(1)の方法は、処
理浴中にAgイオンを含むために製造コストが高く、し
かも黒色化に必要な処理時間が数十秒と長いため、スト
リップの連続処理(5秒以下)には不適である。(2)
の方法は、黒色皮膜の加工性が十分でなく、また、カー
ボンブラックは導電性顔料であるために黒色皮膜が電気
伝導性を有し、その結果として耐食性に乏しい。しかも
黒色性も不十分である。
【0006】(3)および(4)の方法は、いずれもあ
らかじめ形成させためっきの一部を黒色処理の際に溶出
させるために、非経済的であるばかりでなく、めっきか
ら溶出した金属イオンが黒色化処理を劣化させ、連続操
業において大きな問題となる。また、(3)の方法はZ
n−Co,Ni,Mo系合金めっきに限られ、(4)の
方法はZn−Ni合金めっきに限られるなど、下地金属
の種類が限定されてしまうという難点がある。また、
(5)の方法は、黒色皮膜の加工性が十分でないという
問題がある。
【0007】(6)の方法は、黒色皮膜の密着性が十分
でなく、また、電位がより貴な金属を、より卑な金属
(ZnまたはZn合金)めっきの上に形成させるため
に、耐食性が低下してしまうという問題がある。次に
(c)の方法は、優れた黒色性を有する皮膜を目的とし
たものではなく、また、皮膜の厚さなども特定されてい
ないことから、溶接性付与を目的としたものでもない。
さらに、皮膜の基本物質としてカリ水ガラスを用いてい
るため、硬化後の皮膜はプレス加工時における潤滑性が
十分でなく、家電用、事務機器等を目的とする鋼板用と
しては不向きである。
【0008】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、カーボンブラック等の黒色顔料
を黒色付与剤とする従来の黒色塗膜(上記(a)の方法
による塗膜)では不可能であった溶接性を付与するため
に、溶接可能な膜厚の範囲内で、優れた黒色外観が得ら
れる黒色鋼板の提供をその第一の目的とする。このよう
な上記(a)の方法の問題点を解決することによって、
従来の反応または電解による方法(上記(b)の方法)
のような、金属イオン溶出による処理浴劣化やめっき損
失という問題や、黒色化のために下地めっきが限定され
るという問題は全く生じない。また、既存のストリップ
連続塗布、焼付設備を用いることにより、短時間での連
続処理が可能となる。また、本発明の他の目的は、溶接
可能で且つ黒色外観に優れるだけでなく、耐食性、密着
性、加工性にも優れた黒色鋼板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明は以下のような構成を有する。 〔1〕 亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の表面にクロム付
着量(金属クロム換算)1〜200mg/m2のクロメ
ート皮膜を有し、該クロメート皮膜の上部に、熱硬化性
樹脂を基体樹脂とし、この基体樹脂100重量部に対し
て、黒色付与剤として下記の構造式(1)で表される黒
色錯化合物の1種以上を合計量で1〜200重量部配合
してなる膜厚0.3〜3.0μmの黒色皮膜を有する溶
接可能な黒色鋼板。
【化13】 ……(1) [一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立してH、C
l、NO2、SO2NH2、CH3を表し、R3はH、
【化14】 (R4はH、CH3、NO2、OCH3、Clを表す。)を
表し、MはCr、Co、Feを表し、
【化15】 は水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオ
ン、脂肪族アンモニウムイオン、置換された脂肪族アン
モニウムイオンを表す。]
【0010】〔2〕 亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の表
面にクロム付着量(金属クロム換算)1〜200mg/
2のクロメート皮膜を有し、該クロメート皮膜の上部
に、熱硬化性樹脂を基体樹脂とし、この基体樹脂100
重量部に対して、黒色付与剤として上記〔1〕に記載の
黒色錯化合物の1種以上を合計量で1〜200重量部、
さらに固形潤滑剤を1〜100重量部配合してなる膜厚
0.3〜3.0μmの黒色皮膜を有する溶接可能な黒色
鋼板。
【0011】〔3〕 亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の表
面にクロム付着量(金属クロム換算)1〜200mg/
2のクロメート皮膜を有し、該クロメート皮膜の上部
に、熱硬化性樹脂を基体樹脂とし、この基体樹脂100
重量部に対して、黒色付与剤として上記〔1〕に記載の
黒色錯化合物の1種以上を合計量で1〜200重量部、
さらに粒子状防錆顔料を1〜100重量部配合してなる
膜厚0.3〜3.0μmの黒色皮膜を有する溶接可能な
黒色鋼板。
【0012】〔4〕 亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の表
面にクロム付着量(金属クロム換算)1〜200mg/
2のクロメート皮膜を有し、該クロメート皮膜の上部
に、熱硬化性樹脂を基体樹脂とし、この基体樹脂100
重量部に対して、黒色付与剤として上記〔1〕に記載の
黒色錯化合物の1種以上を合計量で1〜200重量部、
さらに固形潤滑剤を1〜100重量部、粒子状防錆顔料
を1〜100重量部配合してなる膜厚0.3〜3.0μ
mの黒色皮膜を有する溶接可能な黒色鋼板。
【0013】〔5〕 上記〔2〕または〔4〕に記載の
黒色鋼板において、固形潤滑剤として、ポリオレフィン
ワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹脂系化合物、
脂肪酸アミド系化合物、金属石けん類、二硫化モリブデ
ン等の金属硫化物、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホ
ウ素、ポリアルキレングリコールの群の中から選ばれる
1種または2種以上を含む溶接可能な黒色鋼板。
【0014】〔6〕 上記〔3〕、〔4〕または〔5〕
に記載の黒色鋼板において、粒子状防錆顔料として、難
溶性クロム化合物、シリカの群の中から選ばれる1種ま
たは2種以上を含む溶接可能な黒色鋼板。
【0015】
【作用】以下、本発明の詳細とその限定理由を説明す
る。本発明の黒色鋼板は、亜鉛めっきまたは亜鉛合金め
っき鋼板を出発素材とし、その表面にクロメート皮膜、
さらにその上部に、熱硬化性樹脂をベースとし、これに
特定の錯化合物を配合した組成物から成る黒色皮膜を有
するものである。
【0016】出発素材たる亜鉛系めっき鋼板としては、
亜鉛めっき鋼板、亜鉛−鉄合金めっき鋼板、亜鉛−ニッ
ケル合金めっき鋼板、亜鉛−マンガン合金めっき鋼板、
亜鉛−アルミ合金めっき鋼板、亜鉛−コバルト−クロム
合金めっき鋼板、さらにはこれら任意の鋼板のめっき成
分に、Ni,Fe,Mn,Mo,Co,Al,Cr等の
元素を1種または2種以上添加したものを用いることが
できる。また、上記の任意のめっき中に粒子状樹脂、シ
リカ、クロム化合物等を共析させた分散めっきを有する
鋼板を用いることができる。さらに上記したようなめっ
きのうち同種または異種のものを2層以上施した複合め
っき鋼板であってもよい。例えば、Fe含有量の異なる
Fe−Zn合金めっきを2層以上施したようなめっき皮
膜を下地とすることができる。
【0017】なお、黒色性の観点からは、下地鋼板の種
類に関係なく同様の黒色皮膜が得られるため、めっき皮
膜を有しない熱延鋼板または冷延鋼板を出発素材とする
ことも可能であり、また、同様の理由でステンレス鋼
板、アルミ合金板、チタン合金板を素材とすることも可
能である。しかし、家電用黒色鋼板として成形加工して
未塗装使用するという用途を考慮すると、コストや耐食
性等の性能の面から、出発素材は上記亜鉛系めっき鋼板
とすることが望ましく、このため本発明では、出発素材
は亜鉛めっき鋼板または亜鉛系合金めっき鋼板に限定し
た。これらの亜鉛系めっき鋼板のめっき方法は、電解
法、溶融法、気相法等のうち実施可能ないずれの方法を
採用することもできる。
【0018】以上の素材めっき鋼板の表面にはクロム酸
処理によるクロメート皮膜が形成される。本発明の黒色
鋼板では、このクロメート皮膜と後述するような特定の
黒色付与剤を含む黒色皮膜との組み合せにより、極めて
優れた耐食性が得られる。このクロメート皮膜は、クロ
ム付着量(dry)として1〜200mg/m2、好ま
しくは10〜80mg/m2(以上、金属クロム換算)
とする。クロム付着量が200mg/m2を超えると加
工性、溶接性が劣化する傾向がある。また、クロム付着
量が1mg/m2未満では皮膜が不均一となって耐食性
が劣化する可能性がある。また、クロメート皮膜には6
価のCrが存在したほうが好ましい。6価Crイオンは
補修作用があり、鋼板に傷がついた場合そこからの腐食
を抑制する作用をする。このような下地皮膜のためのク
ロメート処理は、反応型、塗布型、電解型等の公知のい
ずれの方法によってもよい。
【0019】塗布型クロメート処理液は、部分的に還元
されたクロム酸溶液を主成分とし、必要に応じこれに水
分散性または水溶性のアクリル樹脂等の有機樹脂及び/
又は粒径数mμ〜数百mμのシリカ(コロイダルシリ
カ、フュームドシリカ)を含有せしめたものである。こ
の場合、3価Crイオン/6価Crイオンの割合は1/
1〜1/3、pHは1.5〜4.0(より好ましくは2
〜3)が好ましい。3価Crイオン/6価Crイオンの
割合は一般の有機還元剤(例えば糖類、アルコール類
等)や無機還元剤を使用して所定の割合に調節する。ま
た塗布型クロメート処理としては、ロールコーター法、
浸漬法、スプレー法等、いずれの方法を使用してもよ
い。塗布型クロメート処理では、クロメート処理後水洗
することなく乾燥して皮膜を得る。このように水洗する
ことなく乾燥するのは、通常行われる水洗では6価Cr
イオンが除去されるためであり、3価Crイオン/6価
Crイオンの割合をそのまま安定して維持させ、上部に
形成される樹脂皮膜により腐食環境下での6価Crイオ
ンの過剰流出を抑制し、長期間に亘って効果的に不働態
化作用を維持させ高耐食性能を得ることができる。
【0020】一方、電解型クロメート処理では、無水ク
ロム酸と、硫酸、リン酸フッ化物またはハロゲン酸素酸
等のアニオンの1種または2種以上を含有する浴で陰極
電解処理を施し、水洗・乾燥して皮膜を形成せしめる。
以上の2つの処理方式によるクロメート皮膜を比較する
と、塗布型クロメートは電解型クロメートと比較して皮
膜中に6価クロムを多く含有しているため耐食性が優れ
ており、その上、後述するように加熱処理した場合、皮
膜が緻密で且つ強固になるため、電解型クロメートに較
べより耐食性が良好になる。一方、電解型クロメートは
加熱処理の有無に拘らず皮膜の完成度が高いという長所
があり、また、皮膜付着量コントロールが容易であると
いう利点がある。耐食性を考慮すると塗布型クロメート
が最も望ましい。
【0021】次に黒色皮膜の成分について説明する。本
発明の黒色鋼板の黒色皮膜は、熱硬化性樹脂を基体樹脂
とし、これに特定の黒色付与剤、すなわち、一般式、
【化16】 ……(1) [一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立してH、C
l、NO2、SO2NH2、CH3を表し、R3はH、
【化17】 (R4はH、CH3、NO2、OCH3、Clを表す。)を
表し、MはCr、Co、Feを表し、
【化18】 は水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオ
ン、脂肪族アンモニウムイオン、置換された脂肪族アン
モニウムイオンを表す。]で表される黒色錯化合物を含
むことを最大の特徴としている。
【0022】さらに、本発明では上記成分に加え、黒色
皮膜の加工性向上を目的として固形潤滑剤を、また耐食
性向上を目的として粒子状防錆顔料をそれぞれ含有させ
ることができる。以下の説明において、黒色皮膜の黒色
度は明度L値によって評価する。L値は、その値が小さ
いほど黒色度は良好であり、本発明における黒色皮膜の
目標をL≦25、望ましくはL≦20、より望ましくは
L≦18とする。なお、L値の測定はスガ試験機(株)製
多光源分光光度計(型式MSC)によって行った。
【0023】黒色付与剤として必要とされる機能は、溶
接可能な厚さ(3μm以下)の皮膜において、十分な黒
色度を示すことができるという点にある。しかも、その
黒色付与剤を十分な黒色性が得られる混合比で基体樹脂
に混合した場合に、黒色皮膜に必要とされる他の性能、
例えば加工性、耐食性などに悪影響を及ぼすようなもの
があってはならない。
【0024】一般に用いられる着色剤として顔料(無機
顔料、有機顔料)がある。無機顔料の黒色付与剤として
は、カーボンブラックが代表的であり、安価であること
などから、黒色付与剤の中でも最も多く使用され、目的
に応じたグレードも数多く取揃えられている。しかしな
がらこのカーボンブラックは、通常の塗料のような数十
μmの膜厚の場合と異なり、本発明が目標としているよ
うな厚さ3μm以下の薄膜においては隠蔽力が十分でな
いため黒色度が不十分であり、しかも、導電性顔料であ
るために、黒色皮膜が通電性をもち、鋼板の耐食性が劣
るため適当ではない。また、この他の黒色無機顔料、例
えば酸化鉄、チタンブラック等も黒色度が十分でない。
【0025】また、黒色の有機顔料としては、アニリン
ブラックが代表的であるが、これもやはり隠蔽力が劣る
ために、十分な黒色性を得ることはできない。その他の
黒色有機顔料として、ペリレンブラックがあるが、これ
も同様に十分な黒色度を得ることができない。また、上
述のような無機顔料および有機顔料を2種類以上組み合
わせた場合においても、やはり黒色度は十分ではない。
【0026】そこで、本発明者らは、以下の機能を有す
る着色剤を見い出すべく検討を行った。 (1) 基体樹脂(熱硬化性樹脂)および溶媒(水系、
有機溶剤系を問わず)への溶解または分散が可能である
こと。 (2) 形成された黒色皮膜が、溶接可能な薄い厚さ
(〜3μm)においても十分な黒色度を有すること。 (3) 様々な光源に照らされる家電、事務機器等の鋼
板に使用する場合でも、色が劣化しないこと。すなわ
ち、良好な耐光堅牢性を有する染料であること。 黒色付与剤としては、これら3つの機能をすべて満たす
ものでなければならない。
【0027】検討の結果、特定の化合物すなわち、下記
一般式(1)で表される黒色錯化合物が本発明の目的と
する黒色皮膜の黒色付与剤として適していることが判っ
た。
【化19】 ……(1) [一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立してH、C
l、NO2、SO2NH2、CH3を表し、R3はH、
【化20】 (R4はH、CH3、NO2、OCH3、Clを表す。)を
表し、MはCr、Co、Feを表し、
【化21】 は水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオ
ン、脂肪族アンモニウムイオン、置換された脂肪族アン
モニウムイオンを表す。]
【0028】一般式(1)の化合物に用いられるジアゾ
成分としては、例えば、3−クロロ−2−アミノフェノ
ール、4−クロロ−2−アミノフェノール、3,5−ジ
クロロ−2−アミノフェノール、4,6−ジクロロ−2
−アミノフェノール、3,4,6−トリクロロ−2−ア
ミノフェノール、4−ニトロ−2−アミノフェノール、
5−ニトロ−2−アミノフェノール、6−クロロ−4−
ニトロ−2−アミノフェノール、4−クロロ−5−ニト
ロ−2−アミノフェノール、4−クロロ−6−ニトロ−
2−アミノフェノール、4−メチル−2−アミノフェノ
ール、4,5−ジメチル−2−アミノフェノール、4−
メチル−5−ニトロ−2−アミノフェノール、4,6−
ジニトロ−2−アミノフェノール、4−アミノスルホニ
ル−2−アミノフェノール等があげられる。
【0029】また、一般式(1)の化合物に用いられる
カップリング成分としては、例えば、2−ヒドロキシナ
フタレン、2−ヒドロキシ−3−フェニルカルバモイル
ナフタレン、2−ヒドロキシ−3−(2−メチルフェニ
ル)カルバモイルナフタレン、2−ヒドロキシ−3−
(4−クロロフェニル)カルバモイルナフタレン、2−
ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)カルバモイ
ルナフタレン、2−ヒドロキシ−3−(3−ニトロフェ
ニル)カルバモイルナフタレン等が挙げられる。
【0030】一般式(1)、(2)中の
【化22】 で表される脂肪族アンモニウムイオン、置換された脂肪
族アンモニウムの例としては、例えば、次のようなもの
を挙げることができる。
【0031】
【化23】
【0032】
【化24】
【0033】
【化25】
【0034】
【化26】
【0035】
【化27】
【0036】
【化28】
【0037】
【化29】
【0038】
【化30】
【0039】
【化31】
【0040】
【化32】
【0041】このような特定の錯化合物を黒色付与剤と
して配合した場合の特徴を以下に述べる。まず、上記錯
化合物は厚さが3μm以下の薄い皮膜でも、黒色性に優
れ、ムラがなく均一で、しかも光沢のある外観を付与す
ることが可能となる。これは、黒色顔料の場合、薄い皮
膜中では顔料どうしの接触・凝集によって十分な隠蔽性
が得られず、ムラになったり、光沢のない外観性の悪い
皮膜となるのに対し、この錯化合物の場合には、その化
学構造特有の性質から、400nm〜700nmの可視
光領域の電磁波に対して優れた吸収特性を持つために黒
色性に優れ、さらに、薄い樹脂皮膜中において分子レベ
ルの非常に細かい状態で均一に溶解(または分散)でき
るため、ムラのない均一な皮膜が形成されるという、こ
の錯化合物特有の性質によるものである。
【0042】また、形成された黒色皮膜は、家電用事務
機器、OA機器等の鋼板として室内照明などの様々な光
源に照らされた場合にも、色が劣化することがない。こ
れは、この特定の錯化合物が、光源から受ける光のエネ
ルギーによって励起されても、何ら変化することがない
という極めて安定な化学構造によるものである。
【0043】さらに、形成された黒色皮膜は、先に述べ
た黒色顔料を黒色付与剤として配合するよりも、さらに
は、無添加のクリアー皮膜よりも良好な耐食性を有す
る。これは、黒色顔料の場合には薄い皮膜中にある濃度
以上添加すると、顔料粒子が接触して凝集するためにそ
の隙間から水やイオンの透過が促進される等の理由か
ら、耐食性が低下してしまうのに対し、この非導電性の
特定の錯化合物は、分子レベルの非常に細かい状態で皮
膜中に均一に分散(溶解)し、水やイオンの透過を促進
することなく、むしろ防食効果を向上する機能があるか
らである。そして、このような黒色皮膜を先に述べたク
ロメート皮膜の表面に形成することにより、クロメート
皮膜と黒色皮膜の双方の防食作用の相乗的効果により優
れた耐食性が得られる。
【0044】また、本発明の黒色皮膜はロールコーター
等の塗布処理によって形成させることができるため、従
来のエッチング処理や陽極処理等の処理液との反応によ
る黒色化とは異なり、めっきの溶解が生じないことか
ら、処理液の劣化という従来技術の欠点を克服すること
が可能となる。このように、黒色付与剤として上述した
ような特定の錯化合物を用いることにより、優れた機能
を持つ従来にない黒色皮膜を形成することが可能とな
る。
【0045】次に、本発明の黒色皮膜において、基体樹
脂100重量部に対する黒色染料の配合比は、1〜20
0重量部、望ましくは4〜120重量部とする。1重量
部未満では黒色錯化合物の着色効果が乏しく、また、2
00重量部を超えると非経済的であるだけでなく、未溶
解の錯化合物が残存してしまう。また、黒色皮膜の厚さ
は0.3〜3.0μm、望ましくは0.7〜2.5μm
とする。膜厚が0.3μm未満では黒色錯化合物の着色
効果が乏しく、一方、2.5μmを超えるとスポット溶
接性が低下し、特に3.0μmを超えると溶接性が著し
く低下する。
【0046】本発明鋼板の黒色皮膜の基体樹脂は熱硬化
性樹脂である。基体樹脂をこのような樹脂に規定したの
は、熱可塑性樹脂を使用した場合、形成された黒色皮膜
の耐傷付性に問題が生じるからである。熱硬化性樹脂と
しては、例えば、アクリル系共重合体樹脂、アルキド樹
脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹
脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、およびこれら樹脂
の2種以上の混合物、他のモノマーとの付加縮合物若し
くは他の樹脂による変性誘導体などが挙げられる。これ
らのうち、アクリル系共重合体樹脂、アルキド樹脂、エ
ポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂などが
好適である。
【0047】上記アクリル系共重合体は、通常の不飽和
エチレン性単量体を用い、溶液重合法、エマルジョン重
合法または懸濁重合法等によって合成される樹脂類であ
って、メタクリレート系、アクリルニトリル、スチレ
ン、アクリル酸、アクリルアミド、ビニルトルエン等の
硬質の単量体を必須成分とし、これに樹脂の硬さ、柔軟
性、架橋性を付与する目的で不飽和ビニル単量体を適宜
配合することによって得られる。また、この樹脂を他の
アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などによ
って変性させた樹脂とすることもできる。また、アルキ
ド樹脂は、通常の合成方法によって得られる公知のもの
を使用することができ、例えば、油変性アルキド樹脂、
ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹
脂、スチレン化アルキド樹脂、シリコン変性アルキド樹
脂、アクリル変性アルキド樹脂、オイルフリーアルキド
樹脂(ポリエステル樹脂)などを挙げることができる。
【0048】エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリ
ン型、グリシジルエーテル型等のストレートエポキシ樹
脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂(エポキシエステル樹
脂)、多塩基性酸変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂変性
エポキシ樹脂、アルキド(またはポリエステル)変性エ
ポキシ樹脂、ポリブタジエン変性エポキシ樹脂、フェノ
ール変性エポキシ樹脂、アミンもしくはポリアミン変性
エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂などが用いら
れる。
【0049】フッ素樹脂としては、フルオロオレフィン
系共重合体のものがあり、これには例えば、モノマーと
してアルキルビニルエーテル、シンクロアルキルビニル
エーテル、カルボン酸変性ビニルエステル、ヒドロキシ
アルキルアリルエーテル、テトラフルオロプロピルビニ
ルエーテル等と、フッ素モノマー(フルオロオレフィ
ン)との共重合体がある。これらフッ素樹脂を用いた場
合、優れた耐候性を期待できる。
【0050】アクリルシリコン樹脂としては、主剤とし
てアクリル系共重合体の側鎖又は末端に加水分解性アル
コキシシリル基を含み、これに硬化剤を配合したものが
ある。これらアクリルシリコン樹脂を用いた場合、優れ
た耐候性を期待できる。これらの樹脂に対して、公知の
所定の硬化剤が用いられる。この硬化剤としては、例え
ば、メラミン、ブロックイソシアネート、尿素樹脂など
がある。
【0051】以上述べた本発明鋼板の黒色皮膜は、その
ままでも必要な特性を十分備えたものであるが、以下に
述べる添加剤を添加することにより、より優れた特性が
得られる。
【0052】まず、黒色皮膜に良好な自己潤滑性を付与
するために、皮膜組成物に固形潤滑剤を加えることが望
ましい。本発明に適用できる固形潤滑剤としては、以下
のようなものがあげられる。 ・炭化水素系滑剤類:例えば、天然のパラフィン、合成
パラフィン、マイクロワックス、ポエチレンワックス、
塩素化炭化水素等。 ・フッ素樹脂:例えば、ポリフルオロエチレン樹脂、ポ
リフッ化ビニル樹脂、ポリ4フッ化エチレン樹脂、ポリ
フッ化ビニリデン樹脂等。 ・脂肪酸アミド系滑剤:例えば、ステアリン酸アミド、
パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エ
チレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、エシル
酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等。 ・金属石けん類:例えば、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸鉛、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸カ
ルシウム等。 ・金属硫化物類:二硫化モリブデン、二硫化タングステ
ン。 ・その他:グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、グ
リース、アルカリ金属硫酸塩等。
【0053】上記固形潤滑剤は、熱硫化性樹脂100重
量部に対して、1〜100重量部、好ましくは3〜60
重量部の範囲で配合する。配合量が10重量部未満、特
に1重量部未満であると、固形潤滑剤添加による黒色皮
膜の潤滑向上効果が乏しく、一方、60重量部超、特に
100重量部超であると、硬化後の黒色皮膜の強度が低
下し、皮膜の一部がプレス加工の型に付着するため適当
でない。
【0054】基体樹脂と黒色染料とからなる黒色皮膜組
成物を塗布して得られた黒色皮膜は、下地めっきとクロ
メート皮膜との相乗効果により十分な耐食性を有してい
るが、加工部における耐食性を一層向上させるために、
黒色皮膜組成物中に防錆顔料を添加することができ、こ
れによってより一層優れた耐食性が得られ、且つ黒色鋼
板の用途も広がるので好ましい。
【0055】防錆顔料としては、難溶性クロム酸塩、シ
リカの中から選ばれる1種または2種以上が用いられ
る。難溶性クロム酸塩としては、クロム酸バリウム(B
aCrO4)、クロム酸ストロンチウム(SrCr
4)、クロム酸鉛(PbCrO4)、クロム酸亜鉛(Z
nCrO4・4Zn(OH)2)、クロム酸カルシウム
(CaCrO4)、クロム酸亜鉛カリウム(K2O・4Z
nO・4CrO3・3H2O)、クロム酸銀(AgCrO
4)がある。
【0056】本発明で使用するシリカとしては、乾式シ
リカ(例えば、日本アエロジル(株)製のAEROSIL 13
0、AEROSIL 200、AEROSIL 300、AEROSIL 38
0、AEROSIL R972、AEROSIL R811、AEROSIL R
805、AEROSIL R974等)、コロイダルシリカ(溶
剤型の有機樹脂に対しては、例えば日産化学工業(株)
製のMA-ST、IPA-ST、NBA-ST、IBA-ST、EG-ST、XBA-ST、
ETC-ST、DMAC-ST等。水分散型・水溶性の有機樹脂に
は、例えば日産化学工業(株)のスノーテックス20、
スノーテックスC、スノーテックスN、スノーテックス
O、スノーテックスS等)、湿式シリカ・沈降法(例え
ば、徳山曹達(株)製T−32(S)、K−41、F−
80)、湿式シリカ・ゲル法(例えば、富士デヴィソン
化学(株)製サイロイド244、サイロイド150、サ
イロイド72、サイロイド65、SHIELDEX等)などを使
用することができる。また、上記のシリカを2種以上混
合して使用することも可能である。
【0057】以上の防錆顔料を1種または2種以上、上
記黒色皮膜組成物にその構成成分として配合する。防錆
顔料の配合比は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、
1〜100重量部、好ましくは3〜60重量部の範囲と
する。防錆顔料の配分比が1重量部未満では、防錆顔料
を配合したことによる防錆効果が現れず、一方、100
重量部を超えると、防錆顔料自体に黒色以外の黒色効果
があるため、例えば黄色の難溶性クロム酸塩の場合に
は、黒色性を低下させてしまうという問題が生じる。
【0058】また、上記固形潤滑剤と粒子状防錆顔料と
を複合添加すれば、加工性、加工部の耐食性ともに優れ
た黒色皮膜を形成することが可能となる。その際、基体
樹脂100重量部に対し、固形潤滑剤および粒子状防錆
顔料は、それぞれ1〜100重量部、好ましくは3〜6
0重量部の範囲で添加される。
【0059】また、黒色の微妙な色調を好みに応じて調
整するため、他の顔料(無機顔料、有機顔料)を添加し
てもよい。例えば、黒色無機顔料のカーボンブラック、
グラファイト、アニリンブラック、ペリレンブラック、
黒色酸化チタン等を添加することによって、光沢度を調
整したり、漆黒度を増したりすることができる。
【0060】以上の黒色皮膜は、その組成物を必要に応
じて溶媒に希釈し、ロール絞り、ロールコーター、或い
はエアナイフ等の方法により所定膜厚に塗布した後、板
温80〜300℃(好ましくは120〜250℃)で加
熱硬化させることにより得られる。塗布方法および焼付
方法は、一般的な方法で行われ、特に制限はないが、本
発明鋼板の製造では、鉄鋼メーカーが有する高耐食性表
面処理鋼板を製造するためのコーティング設備がそのま
ま使用できるという大きなメリットがある。
【0061】
【実施例】家電、事務機器用対応の鋼板として、本発明
に基づく実施例(1)〜(6)、およびこれら実施例に
それぞれに対応した比較例(1)〜(6)を以下に示
す。各鋼板のめっき成分は以下の通りであり、これをア
ルカリ脱脂後、水洗・乾燥し、これに塗布型クロメート
処理液をロールコーターで塗布し或いは電解クロメート
処理浴に浸漬して電解クロメート皮膜を形成し、乾燥後
第2層として樹脂液をロールコーターで塗布した。さら
に乾燥後、加熱処理し空冷した。 Ni−Zn合金電気めっき…Ni含有量12% Fe−Zn合金電気めっき…Fe含有量25%
【0062】上記塗布型クロメート処理および電解クロ
メート処理の各条件は以下の通りである。 ・塗布型クロメート処理条件 3価Crイオン:6価Crイオン=2:3、pH=2.
5(KOHでpH調整)、固形分20g/lのクロメー
ト処理液を常温ロールコーターにて塗布し、乾燥させ
た。 ・電解クロメート処理条件 CrO3:50g/l、H2SO4:0.5g/l、浴温
50℃の浴により、電流密度4.9A/dm2、電解時
間20秒で陰極電解処理し、水洗・乾燥した。
【0063】各実施例および比較例において用いられた
めっき原板、黒色皮膜形成用の基体樹脂、黒色付与剤、
固形潤滑剤、粒子状防錆顔料を表1〜表5に示す。ま
た、表3中の黒色付与剤No.1〜No.8(いずれも
黒色錯化合物)の構造式は以下の通りあでる。
【0064】黒色付与剤No.1:
【化33】
【0065】黒色付与剤No.2:
【化34】
【0066】黒色付与剤No.3:
【化35】
【0067】黒色付与剤No.4:
【化36】
【0068】黒色付与剤No.5:
【化37】
【0069】黒色付与剤No.6:
【化38】
【0070】黒色付与剤No.7:
【化39】
【0071】黒色付与剤No.8:
【化40】
【0072】表6ないし表33は、本実施例および比較
例に用いためっき鋼板、クロメート皮膜、黒色皮膜形成
用の組成物および得られた黒色鋼板についての試験結果
を示している。黒色皮膜形成用組成物は、上記黒色付与
剤および表2〜表5に示す成分を表6以下に示す配合量
で配合したもので、必要に応じて溶媒を添加して希釈し
た。なお、黒色付与剤の合成方法の代表例として、表3
の黒色付与剤No.1及びNo.2の実験室にて行われ
た合成例を以下に示す。
【0073】〔黒色付与剤No.1の合成例〕 ・媒染の合成 水150mlに15.4gの5−ニトロ−2−アミノフ
ェノールを仕込み、撹拌しながら35%塩酸23.6g
を注加する。この溶液を10℃以下に保ちながら、同溶
液中に水20ml、亜硝酸ソーダ7.2gからなる水溶
液を注加する。同温度でさらに2時間撹拌した後、過剰
の亜硝酸をスルファミン酸で分解してジアゾニウム液を
調整した。水150mlに14.9gのβ−ナフトール
を仕込み、撹拌しながらさらに苛性ソーダ4gと炭酸ソ
ーダ5.3gを加え、カップラー液を調整する。このカ
ップラー液中に砕氷を投入して10℃以下に保ちつつ、
先に調整したジアゾニウム液を注加し、カップリングを
行う。カップリング終了後、濾過し、92gの中間化合
物を得る。 ・錯塩化反応 水150mlに上記中間化合物92gを分散し、これに
40%硫酸クロム29.5g、サリチル酸20g及び苛
性ソーダで調整したサリチル酸クロム液を、pH10〜
11で加え90〜100℃で約10時間反応させ、冷却
後、濾過、乾燥して目的物35gを得た。
【0074】〔黒色付与剤No.2の合成例〕黒色付与
剤No.1の錯化合物37.5gを水300mlに分散
後、水100ml、35%塩酸5.7g、3−メトキシ
プロピルアミン12.6gからなる水溶液を加え、pH
6〜7で60〜70℃に加熱し2時間撹拌する。冷却
後、濾過、乾燥し48gの対イオンを交換した目的物を
得た。
【0075】また、上記により作成した黒色鋼板の試験
は以下のようにして行った。 (1)黒色度 スガ試験機株式会社製の多光源分光光度計(形式MS
C)を用いて、黒色皮膜のL値を測定した。その評価基
準は、以下の通りである。 ◎ : L≦18 ○+: 18<L≦20 ○ : 20<L≦25 × : L>25
【0076】(2)溶接性試験 以下の条件でスポット溶接を行い、連続打点数で評価を
行った。 電極 : Cr−Cu、D型 電極径 : 6mmφ 溶接電流 : 10kA 通電加圧力: 200kg 通電時間 : 12サイクル/60Hz また、評価基準は以下の通りである。 ◎ : 1000打点以上 ○ : 700打点以上 × : 700打点未満
【0077】(3)平板部および加工部の耐食性試験 平板部およびエリクセン7mm押出し部の塩水噴霧試験
(JIS−Z−2371)を480時間行った。耐食性
の評価は、白錆の発生した量が面積率で5%に達するま
での時間で評価した。その評価基準は以下の通りであ
る。 ◎ : 白錆発生なし +○ : 240時間超、480時間以内 ○ : 120時間超、240時間以内 −○ : 72時間超、120時間以内 △ : 24時間超、72時間以内 × : 24時間以内
【0078】(4)黒色皮膜の密着性 黒色皮膜面に1mm間隔で100個のゴバン目を刻み、
接着テープをこのゴバン目に貼着・剥離することにより
行った。その評価基準は以下の通りである。 ◎ : 剥離面積0% ○ : 剥離面積10%未満 △ : 剥離面積10%以上20%未満 × : 剥離面積20%以上
【0079】(5)加工性試験 ブランク径φ120mm、ダイス径φ50mmで10m
m押出しによるハット絞り加工を行い、鋼板の側面加工
部を接着テープで剥離し、皮膜のテープへの剥離の程度
および黒色皮膜の外観の変化について評価を行なった。
その評価基準は以下の通りである。 ◎ : 粉状剥離が全くない。 +○ : 局部的に若干の粉状剥離が生じるが、黒色皮
膜の外観はほとんど変らない。 ○ : 粉状剥離によりテープが極く薄く黒色となる
が、黒色皮膜の外観はほとんど変らない。 −○ : 粉状剥離によりテープが薄く黒色となり、黒
色皮膜の外観がわずかに白色化する。 △ : 粉状剥離によりテープが黒色となり、黒色皮膜
の白色化が目立つ。 × : 粉状剥離によりテープが著しく黒色となり、黒
色皮膜が完全に剥離する。
【0080】(6)耐光堅牢度 黒色皮膜をJIS L−0842 第2露光法によりフ
ェードメーター照射し、ブルースケールで等級判定を行
った。 ◎ : ブルースケール7〜8級 ○ : ブルースケール5〜6級 △ : ブルースケール3〜4級 × : ブルースケール1〜2級
【0081】実施例(1)および比較例(1) 表6〜表8に示すような異なる黒色付与剤を配合した黒
色皮膜を有する本発明材について、黒色度、溶接性、加
工性、密着性、耐食性および耐光堅牢性を調べた。その
結果を表10〜表12に示す。この実施例では、黒色皮
膜の組成は基体樹脂100重量部に対して黒色付与剤を
70重量部で一定とし、ロールコーターによる黒色皮膜
の塗布条件を変えることにより、厚さの異なる黒色皮膜
を作成した。また、比較材として表9に示す各鋼板につ
いても黒色度、溶接性、耐食性および耐光堅牢性の測定
・試験を行った。その結果を表13に示す。図1に、実
施例(1)および比較例(1)の黒色度の測定結果を示
す。これによれば、黒色付与剤として黒色錯化合物を用
いた本発明剤は、溶接可能な皮膜厚さの範囲で目標とす
る黒色度が得られている。これに対し、カーボンブラッ
ク、アニリンブラックを黒色付与剤として用いた比較例
では、黒色度が不十分であったり、耐食性が非常に劣っ
ていることが判る。。
【0082】実施例(2)および比較例(2) 表14に示すように、異なる黒色皮膜組成(黒色付与剤
濃度)と膜厚の本発明材について、黒色度、溶接性、加
工性、密着性、耐食性および耐光堅牢性を調べた。その
結果を表16に示す。また、比較材として表15に示す
ような各鋼板についても黒色度及び溶接性の測定・試験
を行った。その結果を表17に示す。また、図2は、実
施例(1)、(2)、比較例(1)、(2)の溶接性の
測定結果を示すもので、溶接性は皮膜厚2.5μmを超
えると低下し始め、特に3μmを超える皮膜厚では適切
な溶接が不可能となる。
【0083】実施例(3)および比較例(3) 表18に示すように、素材めっき鋼板の種類、クロメー
トの種類と付着量および黒色皮膜の組成を変えた本発明
材について、黒色度、溶接性、加工性、耐食性および耐
光堅牢性をそれぞれ調べた。その結果を表20に示す。
また、比較材として、表19に示すような各鋼板につい
ても同様の測定・試験を行った。その結果を表21に示
す。
【0084】実施例(4)および比較例(4) 表22および表23に示すような異なる組成の黒色皮膜
を有する本発明材について、黒色度、溶接性、加工性、
耐食性および耐光堅牢性を調べた。その結果を表25お
よび表26に示す。また、比較材として、表24に示す
ような各鋼板についても同様の測定・試験を行った。そ
の結果を表27に示す。
【0085】実施例(5)および比較例(5) 表28に示すように、黒色錯化合物を配合した黒色皮膜
を有する本発明材と、黒色錯化合物を配合しないクリア
ー皮膜を有する比較材について、耐食性を調べた。その
結果を表29に示す。なお比較のため、同表には比較例
(3)のNo.3(クロメートなしの黒色皮膜材)も併
せて記載した。
【0086】同表からも明らかなように、本発明材(Z
nめっきベース+クロメート50mg/m2+黒色皮膜
1.5μ)は、クリアー皮膜を有する比較材(Znめっ
きベース+クロメート50mg/m2+クリアー皮膜)
に較べ優れた耐食性を示している。このように、本発明
材が比較材に較べて優れた耐食性が得られるのは、クロ
メート皮膜と樹脂皮膜のバリアー効果に加え、樹脂に配
合された黒色錯化合物が分子レベルで黒色皮膜内に均一
且つ緻密に分布し、樹脂皮膜のバリアー効果を向上させ
ることがまずあげられる。さらに、本発明材では、単に
黒色皮膜だけによる耐食性だけでなく、黒色皮膜と下地
クロメートとの相互作用によって優れた耐食性が得られ
るものと推定され、このことは、比較例(3)No.3
のクロメートなしの黒色皮膜材の耐食性と較べても明ら
かである。
【0087】すなわち、Znめっき鋼板に下地クロメー
トを形成することなく黒色皮膜だけを形成させた上記比
較材は、その耐食性が本発明材に較べ大幅に劣ってい
る。このような本発明材の比較材と較べた耐食性は、単
にクロメート皮膜によるバリアー効果が付加されただけ
のものではなく、下地クロメートと黒色錯化合物が配合
された黒色皮膜との相乗的な作用によるものであること
は明らかである。
【0088】実施例(6)および比較例(6) 予め表面に脱脂処理したZn−12%Ni合金めっき鋼
板の表面に、連続ロールコーター設備によりクロム付着
量50mg/m2の塗布型のクロメート皮膜を形成さ
せ、さらにアミン変性エポキシ樹脂(表2No.1)1
00重量部に対して黒色錯化合物(表3No.1)70
重量部からなる組成物を連続ロールコーター設備により
塗布し、140℃で熱硬化させて1.5μmの厚さの黒
色皮膜を有する本発明材を作成した。
【0089】また、比較材として表面を脱脂処理したZ
n−12%Ni合金めっき鋼板を5重量部%、25℃の
硝酸水溶液(以下、黒色化処理浴という)中で5秒間浸
漬反応させ、その後、水洗・乾燥することにより、黒色
皮膜を形成させた。比較例では、処理液1l当り約0.
03m2のZn−Niめっき鋼板を黒色化した時点で、
次第に鋼板の黒色度が低下し、約0.04m2処理した
時点で黒色度L値が20を上回り、その後、急激にL値
の増加が認められた。一方、本発明材の場合には、作成
した黒色皮膜組成物が供給できる限り連続処理が可能で
あった。
【0090】それそれの供試材を作成後、本発明材の皮
膜形成に用いた黒色皮膜組成物液の残渣の一部をロール
コーターのトレーから採取し、また、比較材黒色化処理
に用いた硝酸水溶液の一部を採取し、それぞれの液の亜
鉛量を原子吸光法(日立製作所製 Z−8100)によ
り測定し、めっき皮膜からの亜鉛の溶出量を調べた。そ
の結果、本発明材の皮膜形成に用いた液では亜鉛の量は
トレース以下であったが、比較材の処理に用いた液から
は処理面積1m2当り約5gのZn−12%Niめっき
の溶出に相当する亜鉛が検出された。
【0091】次に、上記本発明材および比較材につい
て、前記と同じ方法(塩水噴霧試験)によって耐食性試
験を行った。この結果、本発明材は平板部で480時間
後も白錆は全く発生しなかったが、比較材は1〜2時間
程度で全面白錆となった。比較材について、黒色化処理
後、クロム付着量50mg/m2の塗布型クロメート皮
膜を形成させ、さらに表2No.1のクリアー樹脂皮膜
を1.5μmの厚さに形成させて、再度耐食性試験を行
ったところ、塩水噴霧240時間で白錆が5%程度とな
り、クロメート皮膜および樹脂皮膜を形成させない比較
材よりも耐食性の向上が認められた。しかし本発明によ
る黒色鋼板の場合、「めっき鋼板→クロメート皮膜形成
→黒色皮膜形成」という処理工程であるのに対し、上記
比較材の場合、家電用に十分な耐食性の黒色鋼板を製造
するためには、「Zn−Ni合金めっき鋼板→反応型黒
色化処理→(水洗・乾燥)→クロメート皮膜形成→クリ
アー樹脂皮膜形成」を必要とし、両者の工程を比較する
と、本発明では反応型黒色化処理工程およびその直後の
水洗・乾燥工程が全く不要であるため、処理工程の上で
も本発明材は極めて有利である。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】
【表7】
【0099】
【表8】
【0100】
【表9】
【0101】
【表10】
【0102】
【表11】
【0103】
【表12】
【0104】
【表13】
【0105】
【表14】
【0106】
【表15】
【0107】
【表16】
【0108】
【表17】
【0109】
【表18】
【0110】
【表19】
【0111】
【表20】
【0112】
【表21】
【0113】
【表22】
【0114】
【表23】
【0115】
【表24】
【0116】
【表25】
【0117】
【表26】
【0118】
【表27】
【0119】
【表28】
【0120】
【表29】
【0121】*1:表1参照 *2:表2参照 *3:表3参照 *4:基体樹脂100重量部に対する黒色剤の重量部を
表わす。 *5:表4参照 *6:基体樹脂100重量部に対する固形潤滑剤の重量
部を表わす。 *7:表5参照 *8:基体樹脂100重量部に対する粒子状防錆顔料の
重量部を表わす。
【0122】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、黒色皮膜が
従来の塗装鋼板よりも薄膜(〜3μm)のため溶接が可
能であり、しかも黒色度の優れた黒色鋼板が得られる。
また、この黒色鋼板は、黒色度、溶接性の他に、黒色皮
膜の密着性、加工性、耐食性、耐光堅牢性においても優
れているとともに、既存ロールコーター設備等による塗
布および焼付で製造することができるため、反応エッチ
ングタイプの黒色鋼板と比較して、めっきの溶出による
浴劣化の問題がなく、このため生産性を大きく向上させ
ることができ、諸性能、生産性の両面で極めて優れた黒
色鋼板を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】黒色皮膜厚さと黒色度との関係を示したもので
ある。
【図2】黒色皮膜厚さと溶接性との関係を示したもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 22/24 (72)発明者 渡辺 豊文 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 服部 良和 東京都港区虎ノ門一丁目4番2号 保土谷 化学工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の表面にク
    ロム付着量(金属クロム換算)1〜200mg/m2
    クロメート皮膜を有し、該クロメート皮膜の上部に、熱
    硬化性樹脂を基体樹脂とし、この基体樹脂100重量部
    に対して、黒色付与剤として下記の構造式(1)で表さ
    れる黒色錯化合物の1種以上を合計量で1〜200重量
    部配合してなる膜厚0.3〜3.0μmの黒色皮膜を有
    する溶接可能な黒色鋼板。 【化1】 ……(1) [一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立してH、C
    l、NO2、SO2NH2、CH3を表し、 R3はH、 【化2】 (R4はH、CH3、NO2、OCH3、Clを表す。)を
    表し、 MはCr、Co、Feを表し、 【化3】 は水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオ
    ン、脂肪族アンモニウムイオン、置換された脂肪族アン
    モニウムイオンを表す。]
  2. 【請求項2】 亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の表面にク
    ロム付着量(金属クロム換算)1〜200mg/m2
    クロメート皮膜を有し、該クロメート皮膜の上部に、熱
    硬化性樹脂を基体樹脂とし、この基体樹脂100重量部
    に対して、黒色付与剤として下記の構造式(1)で表さ
    れる黒色錯化合物の1種以上を合計量で1〜200重量
    部、さらに固形潤滑剤を1〜100重量部配合してなる
    膜厚0.3〜3.0μmの黒色皮膜を有する溶接可能な
    黒色鋼板。 【化4】 ……(1) [一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立してH、C
    l、NO2、SO2NH2、CH3を表し、 R3はH、 【化5】 (R4はH、CH3、NO2、OCH3、Clを表す。)を
    表し、 MはCr、Co、Feを表し、 【化6】 は水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオ
    ン、脂肪族アンモニウムイオン、置換された脂肪族アン
    モニウムイオンを表す。]
  3. 【請求項3】 亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の表面にク
    ロム付着量(金属クロム換算)1〜200mg/m2
    クロメート皮膜を有し、該クロメート皮膜の上部に、熱
    硬化性樹脂を基体樹脂とし、この基体樹脂100重量部
    に対して、黒色付与剤として下記の構造式(1)で表さ
    れる黒色錯化合物の1種以上を合計量で1〜200重量
    部、さらに粒子状防錆顔料を1〜100重量部配合して
    なる膜厚0.3〜3.0μmの黒色皮膜を有する溶接可
    能な黒色鋼板。 【化7】 ……(1) [一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立してH、C
    l、NO2、SO2NH2、CH3を表し、 R3はH、 【化8】 (R4はH、CH3、NO2、OCH3、Clを表す。)を
    表し、 MはCr、Co、Feを表し、 【化9】 は水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオ
    ン、脂肪族アンモニウムイオン、置換された脂肪族アン
    モニウムイオンを表す。]
  4. 【請求項4】 亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の表面にク
    ロム付着量(金属クロム換算)1〜200mg/m2
    クロメート皮膜を有し、該クロメート皮膜の上部に、熱
    硬化性樹脂を基体樹脂とし、この基体樹脂100重量部
    に対して、黒色付与剤として下記の構造式(1)で表さ
    れる黒色錯化合物の1種以上を合計量で1〜200重量
    部、さらに固形潤滑剤を1〜100重量部、粒子状防錆
    顔料を1〜100重量部配合してなる膜厚0.3〜3.
    0μmの黒色皮膜を有する溶接可能な黒色鋼板。 【化10】 ……(1) [一般式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立してH、C
    l、NO2、SO2NH2、CH3を表し、 R3はH、 【化11】 (R4はH、CH3、NO2、OCH3、Clを表す。)を
    表し、 MはCr、Co、Feを表し、 【化12】 は水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオ
    ン、脂肪族アンモニウムイオン、置換された脂肪族アン
    モニウムイオンを表す。]
  5. 【請求項5】 固形潤滑剤として、ポリオレフィンワッ
    クス等の炭化水素系化合物、フッ素樹脂系化合物、脂肪
    酸アミド系化合物、金属石けん類、二硫化モリブデン等
    の金属硫化物、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ
    素、ポリアルキレングリコールの群の中から選ばれる1
    種または2種以上を含む請求項2または4に記載の溶接
    可能な黒色鋼板。
  6. 【請求項6】 粒子状防錆顔料として、難溶性クロム化
    合物、シリカの群の中から選ばれる1種または2種以上
    を含む請求項3、4または5に記載の溶接可能な黒色鋼
    板。
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