JPH0519124Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は圧延機のオンラインロール研削装置の
改良に関する。

〈背景技術〉 熱間圧延機においては、生産能率向上及び圧延
板材の品質向上を図るため、圧延中にロール表面
を所要のプロフイルに研削するオンラインロール
研削装置が種々開発実用化されている。

一般的な研削装置の概要を第６図に基づき説明
する。第６図は四段圧延機における上ワークロー
ル用研削装置の一部断面を含む正面図である。尚
下ワークロール用の研削装置は第６図のものと略
上下対称であるため説明は省略する。

図中１，１′は上下のワークロール、３はワー
クロール１の軸線方向に配列された複数の研削体
（砥石）で、複数の砥石３はそれぞれフレーム９
に収納されたホルダ６の先端に回転自在に支持さ
れている。ホルダ６の後部は押圧装置（図示省
略）に連結され、押圧装置のシリンダの作用によ
り砥石３は個々に任意の設定圧力でワークロール
１に圧着される。砥石３の形状はワークロール１
との接触面（研削面）Ｃがリング状をなす筒状体
のカツプ形で、砥石３の回転中心はワークロール
１の表面の法線に対しロール軸線方向に適宜傾斜
され、且つロール軸心ORに対し任意の設定値ａ
だけ上方（下ワークロール１′の場合は下方）へ
オフセツトされている。

フレーム９の下部の略中間部分はフレーム９に
突設された一対のブラケツト３０を介して案内棒
３３に揺動可能且つロール軸方向に摺動自在に支
持され、案内棒３３はフレーム支持台３１上に固
設されている。フレーム９の反ロール側下端部は
ロール軸方向に設置された一対の位置決め装置３
４（ねじジヤツキ等）を介してフレーム支持台３
１に摺動自在に支持され、フレーム９のロール側
下端部はロール軸方向に設置された一対の押上装
置３６（ばね、シリンダ等）を介してフレーム支
持台３１上に摺動自在に支持されている。

位置決め装置３４及び押上装置３６の支持面
は、フレーム９が任意の角度θに傾斜した状態で
フレーム９が円滑に往復動できるように適当な円
弧をもつた半円形となつている。押上装置３６の
押上力は、研削中に砥石３が受ける研削抵抗力に
対向して研削面Ｃを保持し、且つフレーム９の往
復動を円滑に行なわせるように設定してある。フ
レーム支持台３１はハウジング２１に設けたガイ
ド４１上をロール軸線に対し直角方向へ移動可能
となつており、フレーム支持台３１はリトラクタ
シリンダ４０によりロール組替時に後退動する。
尚、図中３７はフレーム９をロール軸方向へ往復
させるための駆動シリンダである。

以上の構成であるので、研削に際しては、回転
中のワークロール１に砥石３を圧着させたまま往
復動させると、砥石３の研削面Ｃは常にワークロ
ール１の表面と線状接触をなすと共に、ワークロ
ール１の表面は砥石３とワークロール１間の相対
すべり速度により研削される。このため砥石３の
研削面Ｃは常にリフレツシユされて砥石３の目詰
りが防止され、研削能率を高能率に保持すること
ができる。また、ワークロール１の径、ロールギ
ヤツプの変動に対応させて砥石３の研削面Ｃの位
置を所定位置にセツトする場合、例えば第６図中
一点鎖線状態にセツトする場合には、位置決め装
置３４とフレーム９に内蔵した押圧用シリンダを
適宜併用して砥石３を下方に傾けると共にロール
側へ前進させることにより容易に実施可能であ
る。

ところが上述した研削装置では、位置決め装置
３４及び押上装置３６とフレーム９の摺動面が線
状接触のため、研削時に摺動面に高い面圧が加わ
り摺動部材が摩耗し易くなり、そのため、研削時
にしばしば振動が発生して砥石３が破損したり摺
動面が焼損し研削不能にいたる等の問題点があつ
た。

〈考案の目的〉 本考案は上記状況に鑑みてなされたもので、研
削時における研削体のフレームのロール軸方向の
摺動面の面圧を極めて低く保ち、摺動部材の摩耗
を減少させて摺動面の焼損事故を防止したフレー
ム支持機構を有する圧延機のオンラインロール研
削装置を提供することを目的とする。

〈目的を達成するための手段・作用〉 上記目的を達成するための本考案の構成は、ハ
ウジングの内側面に設けられた一対のガイドと、
該一対のガイドに嵌合し板材の通板方向に沿つて
進退自在に設けられたフレーム支持台と、該フレ
ーム支持台に設けられロール軸方向と平行な案内
棒と、該案内棒に嵌合され揺動自在且つロール軸
方向へ往復動自在なフレームと、該フレームのロ
ール軸方向に複数設けられロール表面に押圧され
る研削体と、前記フレームと前記フレーム支持台
との間におけるロール側端部及び反ロール側端部
にそれぞれ設けられる一対の押上装置及び一対の
位置決め装置とからなる圧延機のオンラインロー
ル研削装置において、前記一対の押上装置または
前記一対の位置決め装置の上に載架され摺動面が
円弧状または半球状の凹凸嵌合となる上ライナ及
び下ライナを有する揺動ライナと、該揺動ライナ
の上ライナもしくは下ライナに一端が固着され他
端が前記案内棒に嵌合されるアームとを備え、前
記上ライナと前記フレームの下面との当接面及び
前記下ライナと前記押上装置または前記位置決め
装置の上面との当接面を平面にしたことを特徴と
し、フレームは傾動角度に関係なく押上装置及び
位置決め装置を介して常に面接触でもつてフレー
ム支持台に支持される。

〈実施例〉 第１図には本考案の一実施例に係る圧延機のオ
ンラインロール研削装置の一部断面にして表わす
正面、第２図には第１図中の−線矢視、第３
図には第２図中の−線矢視、第４図には第３
図中の−線矢視、第５図にはフレームの作動
概念を示してある。尚、第６図に示したものと同
一又は類似部材には同一符号を付して重複する説
明は省略する。

ワークロール１側のフレーム９の下部と押上装
置３６との支持面間には、それぞれ支持面が互い
に平面をなしワークロール１の軸方向に延設され
た上下一組のライナ５０ａ，５０ｂからなる揺動
ライナ５０が設置されている。揺動ライナ５０の
上部ライナ５０ａはその長手方向（ワークロール
１の軸線方向）の中央部にアーム５０ｃがＴ字状
に突設され、このアーム５０ｃの先端部は支持軸
５１に回転自在且つ軸方向に移動不能に支持され
ている。支持軸５１は、案内棒３３の軸心と同一
軸心を有しフレーム支持台３１上に固設され、フ
レーム９の揺動中心と揺動ライナ５０の揺動中心
は同一となつている。上部ライナ５０ａの下面に
は、その長手方向の直角断面形状が円弧状の溝５
２が上部ライナ５０ａの長手方向の全長より若干
短かい区間にわたつて穿設され、溝５２にはこの
溝５２に嵌合する半円状の下部ライナ５０ｂが円
弧方向に摺動自在且つ長手方向に移動不能に装着
されている。下部ライナ５０ｂは第３図に示すよ
うに、略半球状の溝５３と長穴５４を有し、下部
ライナ５０ｂはボルト５５と球面座を有するスリ
ーブ５６を介して上部ライナ５０ａに取付けられ
ている。尚、図中３２は案内棒３３及び揺動ライ
ナ５０の支持軸５１をフレーム支持台３１に固定
するためのブラケツトである。

一方、反ワークロール１側のフレーム９の下端
部には下部ライナ５０ｂと同一構成の半円状の下
部ライナ５０b′がロール軸方向に移動不能に装着
され、下部ライナ５０b′と一対の位置決め装置３
４間の支持面とは互いに平面接触となつている。
下部ライナ５０b′は下部ライナ５０ｂと同一機能
を備えているため、詳細な図示及び詳細な説明は
省略する。尚、フレーム９と上部ライナ５０ａと
の間及び下部ライナ５０b′と位置決め装置３４と
の間の支持面にはグリース等が供給可能となつて
いる。

以上、上部のワークロール１用の研削装置に関
して述べたが、下部のワークロール１′用の研削
装置は前記各構成部材を上下方向に対称形に配置
したものであるので、説明は省略する。

以上の構成であるので、ワークロール１の径や
ロールギヤツプの変動に対応して砥石３の研削面
Ｃの位置をワークロール１，１′に対し所定の位
置にセツトするため、例えば第１図中に一点鎖線
で示すように、フレーム９を任意の傾斜角θ傾動
させると、押上装置３６側は揺動ライナ５０がフ
レーム９と一体的に傾斜角θ傾動すると同時に、
下部ライナ５０ｂは円弧面に沿つて傾動する。こ
のためフレーム９と揺動ライナ５０間及びフレー
ム９と押上装置３６間の支持面は、それぞれ常時
平面接触を保持することができる。また、位置決
め装置３４の支持部も前記同様下部ライナ５０
b′が円弧面に沿つて傾動し、下部ライナ５０b′と
位置決め装置３４の支持部との間も平面接触とな
る。

従つて、ロール研削時には、ワークロール１側
のフレーム９は揺動ライナ５０の上面を、また反
ワークロール１側のフレーム９は下部ライナ５０
b′を介して位置決め装置３４の上面を、それぞれ
フレーム９の傾斜角θに関係なく常時平面接触を
保持した状態でロール軸方向へ往復動することに
なり、研削時の摺動面圧を低減することが可能で
ある。

尚、上述した装置では揺動ライナ５０の下部ラ
イナ５０ｂを断面半円状としたが、これを半球状
のライナとし、この半球状のライナを介してフレ
ーム９のワークロール１側を押上装置３６に支持
するようにしても良い。

〈考案の効果〉 本考案の圧延機のオンラインロール研削装置
は、フレームと研削体の位置決め装置との支持面
間、及びフレームと押上装置との支持面間に、フ
レームの傾斜角度に関係なく常時面接触する揺動
ライナ及び円弧ライナを設けたので、フレームの
摺動面の面圧が極めて低くなる。その結果、摺動
部材の摩耗が大幅に低減され焼損事故を完全に防
止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る圧延機のオン
ライン研削装置の一部断面にした正面図、第２図
は第１図中の−線矢視図、第３図は第２図中
の−線矢視図、第４図は第３図中の−線
矢視図、第５図はフレームの作動状態の概念図、
第６図は一般的な上ワークロール用研削装置の正
面図である。 図面中、１，１′はワークロール、３は研削体
（砥石）、９はフレーム、３１はフレーム支持台、
３３は案内棒、３４は位置決め装置、３６は押上
装置、５０は揺動ライナ、５０ａは上部ライナ、
５０ｂ，５０b′は下部ライナである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングの内側面に設けられた一対のガイド
   と、該一対のガイドに嵌合し板材の通板方向に沿
   つて進退自在に設けられたフレーム支持台と、該
   フレーム支持台に設けられロール軸方向と平行な
   案内棒と、該案内棒に嵌合され揺動自在且つロー
   ル軸方向へ往復動自在なフレームと、該フレーム
   のロール軸方向に複数設けられロール表面に押圧
   される研削体と、前記フレームと前記フレーム支
   持台との間におけるロール側端部及び反ロール側
   端部にそれぞれ設けられる一対の押上装置及び一
   対の位置決め装置とからなる圧延機のオンライン
   ロール研削装置において、前記一対の押上装置ま
   たは前記一対の位置決め装置の上に載架され摺動
   面が円弧状または半球状の凹凸嵌合となる上ライ
   ナ及び下ライナを有する揺動ライナと、該揺動ラ
   イナの上ライナもしくは下ライナに一端が固着さ
   れ他端が前記案内棒に嵌合されるアームとを備
   え、前記上ライナと前記フレームの下面との当接
   面及び前記下ライナと前記押上装置または前記位
   置決め装置の上面との当接面を平面にしたことを
   特徴とする圧延機のオンラインロール研削装置。