JPH0518343U - 車両用シートの回転機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両用シートの回転機構のガタをなくす。回
転機構の作動時にアッパーベースの回転を容易にすると
共に、回転機構のロック時に回転のためのクリアランス
をなくし、ガタの発生のない状態とする。 【構成】 ロアーベース１２とアッパーベース１４との
間にベアリング１６を配設する。前記アッパーベース１
４をロアーベース１２との間で挟持するホルダープレー
ト１８をロアーベース１２に固着する。前記アッパーベ
ース１４のロアーベース１２に対する複数のロック位置
に対応する位置の前記ホルダープレート１８にアッパー
ベース１４を押圧するエンボス２６を形成する。ロック
位置でホルダープレート１８のエンボス２６によりアッ
パーベース１４をベアリング１６に押圧させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両用シートの回転機構に関し、更に詳細に説明すると、車室床面側 に取付けられるロアーベースにアッパーベースを回転可能に取付け、該アッパー ベース側にシートクッションが取付けられ、シートが回転調整可能となされた車 両用シートの回転機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、車両用シートなどにあっては、そのシートの向きを着座者の好みや 要求に応じて変更調節し得るように構成することが望まれており、このために面 すりあわせ式やシャフトアップ回転式などによる回転機構を、シートクッション 下方で車室床面上に介在させて設けてなる構造を有するものが、例えば実開昭61 −63945号公報等を始めとして種々提案されている。すなわち、このような車両 用シートによれば、シートクッション下方で車室床面上に、回転レール等を備え たロアベースとアッパーベースとからなる回転機構が設けられている。 更に、この種の車両用シートにあっては、シート全体をシートの前後方向にス ライド動作させることも着座感を高めるうえで必要であり、このための直線スラ イドレール等からなるスライド機構を、上述した回転機構の上側でシートクッシ ョンとの間に介在させて配設することが一般に行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述したように回転機構及びスライド機構をシートクッション下方 に積層して配設してなる車両用シートにおいて問題とされることは、回転機構の ロアーベースとアッパーベースとの間の回転のためのクリアランスが回転機構の ロック時にも存在し、このクリアランスによりガタが発生し、特にシートクッシ ョン側に荷重が加えられアッパーベースが水平状態を保持していない場合にはロ アーベースとアッパーベースの一側が開いた状態となり、ガタが発生するもので あった。 本考案の目的は回転機構の作動時にはアッパーベースを容易に回転させること ができ、また回転機構のロック時にはガタの発生のない状態とすることができる 車両用シートの回転機構を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上述せる課題に鑑みてなされたもので、ロアーベースとアッパーベー スとの間にベアリングを配設し、前記アッパーベースをロアーベースとの間で挟 持するホルダープレートをロアーベースに固着し、前記アッパーベースのロアー ベースに対する複数のロック位置に対応する位置の前記ホルダープレートにアッ パーベースを押圧するエンボスを形成したことを特徴とする。

【０００５】

【作用】

本考案に依れば、アッパーベースをロアーベースと、該ロアーベースに固着し たホルダープレートにより挟持し、該ホルダープレートの前記アッパーベースの ロック位置に対応する位置にエンボスを形成したのでロック位置でホルダープレ ートのエンボスによりアッパーベースがロアーベース側に押圧され、ガタの発生 が防止されると共に、ロック位置以外の回転調整位置ではアッパーベースとロア ーベースとの間にクリアランスが形成され、アッパーベースを容易に回転調整す ることができるものである。

【０００６】

【実施例】

以下本考案に係る車両用シートの回転機構を図面を参照して詳述する。 図１乃至図３には本考案の一実施例の概略が夫々示されており、図１に示す車 両用シート１はシートクッション２のみが示されており、このシートクッション ２の後端側にはシートバックが設けられるものである。 このシート１のシートクッション２の下方で車室床面との間に、回転機構１１ 及びスライド機構５が設けられている。

【０００７】 前記回転機構１１は車室床面に取付けられるロアーベース１２と、該ロアーベ ース１２に回転可能に取付けられたアッパーベース１４を備えている。前記アッ パーベース１４上に左右一対のスライド機構５が設けられているが、スライド機 構５の上部に回転機構１１を配設することもできる。 前記スライド機構５はシートクッションフレーム２ａに固着される可動レール ６と、前記回転機構１１のアッパーベース１４に固着される固定レール７とから なり、可動レール６が固定レール７に沿って前後方向にスライド可能となされ、 且つ従来公知のロック機構によりロックされるようになされている。

【０００８】 図１及び図２に示す如く、ロアーベース１２とアッパーベース１４との間には ボール状のベアリング１６が配設されている。またアッパーベース１４をロアー ベース１２との間で挟持するホルダープレート１８がロアーベース１２の内周縁 に形成された上向きフランジ部１２ａの上端にボルト２１等により固着されてい る。 前記ベアリング１６は弾性を有するゴム材から形成することもでき、また合成 樹脂材や金属から形成することもできる。

【０００９】 前記回転機構１１のロアーベース１２とアッパーベース１４との間には回転ロ ック機構２３が設けられ、一例として直角方向に９０°の回転、または１８０° の半回転または３６０°の１回転の回転位置で回転ロック機構２３によりロック されるようになされている。尚、回転位置は回転ロック機構２３のロック位置の 調整により種々形成することができ、また回転ロック機構２３はロック爪とロッ ク溝を用いる従来公知のものを用いることができる。

【００１０】 前記回転ロック機構２３によるアッパーベース１４のロアーベース１２に対す る複数のロック位置に対応して、前記ホルダープレート１８に下方に突出するエ ンボス２６が形成されている。 またアッパーベース１４のロック位置の内周縁には円弧状の突起２８が上方に 延びて形成されている。 尚本実施例ではホルダープレート１８に３個のエンボス２６が、またこの３個 のエンボス２６に対応して３個の円弧状の突起２８がアッパーベース１４に形成 されているが、これに限定されるものではない。

【００１１】 従って、図２に示す如く、回転機構１１の作動中においてはロアーベース１２ に対して適度のクリアランスを保持した状態でアッパーベース１４が回転するこ とができ、また図１に示す如く、回転機構２３のロック位置では、ホルダープレ ート１８に形成したエンボス２６にアッパーベース１４の円弧状の突起２８が押 圧され、アッパーベース１４がベアリング１６を押圧し、回転のためのクリアラ ンスがなくなり、ガタの発生が防止される。 尚前記アッパーベース１４に形成した突起２８を省略し、ホルダープレート１ ８のエンボス２６により直接アッパーベース１４の上面を押圧することもできる 。また前記ベアリング１６を弾性体より形成した場合にはベアリング１６を押し 潰した状態とすることができる。

【００１２】 図４及び図５には本考案の変形例が示されており、前述せる実施例と対応する 部分には同一符号を付してこれ以上の詳細説明はこれを省略するも、前記ボール 状のベアリング１６に代えて弾性体からなる円筒ローラ３１をロアーベース１２ とアッパーベース１４との間に配設したものである。 このような構成によっても、前述せる実施例と同様に、アッパーベース１４の ロック位置で図５に示す如く、ホルダープレート１８のエンボス２６がアッパー ベース１４の円弧状の突起２８を押圧し、アッパーベース１４が円筒ローラ３１ を押し潰し、回転のためのクリアランスをなくし、ガタの発生を防止することが できる。

【００１３】

【考案の効果】

以上が本考案に係る車両用シートの回転機構の一実施例の構成であるが、斯る 構成に依れば、アッパーベースをロアーベースと、該ロアーベースに固着したホ ルダープレートにより挟持し、該ホルダープレートの前記アッパーベースのロッ ク位置に対応する位置にエンボスを形成したので、ロック位置でアッパーベース がロアーベース側に押圧され、ガタの発生が防止されると共に、ロック位置以外 の回転調整位置ではアッパーベースとロアーベースとの間にクリアランスが形成 され、アッパーベースを容易に回転調整することができ、着座感の優れた車両用 シートの回転機構を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車両用シートの回転機構のロック
位置における断面図。

【図２】本考案の回転機構の回転調整位置における断面
図。

【図３】本考案の回転機構の分解斜視図。

【図４】本考案の変形例を示す回転機構の回転調整位置
における断面図。

【図５】図４の回転機構のロック位置における断面図。

【符号の説明】

１ シート ２ シートクッション ５ スライド機構 ６ 可動レール ７ 固定レール １１ 回転機構 １２ ロアーベース １４ アッパーベース １６ ベアリング １８ ホルダープレート ２３ 回転ロック機構 ２６ エンボス ２８ 突起 ３１ 円筒ローラ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車室床面側に取付けられるロアーベース
   にアッパーベースを回転可能に取付け、該アッパーベー
   ス側にシートクッションが取付けられ、シートが回転調
   整可能となされた車両用シートの回転機構において、前
   記ロアーベースとアッパーベースとの間にベアリングを
   配設し、前記アッパーベースをロアーベースとの間で挟
   持するホルダープレートをロアーベースに固着し、前記
   アッパーベースのロアーベースに対する複数のロック位
   置に対応する位置の前記ホルダープレートにアッパーベ
   ースを押圧するエンボスを形成したことを特徴とする車
   両用シートの回転機構。