JPH0518229U - ケーブル保護金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーブル保護金具の組み立て作業における困
難を回避して、良好な生産性及び経済性を有するケーブ
ル保護金具を提供する。 【構成】 フランジ１ｂに管体１ａの端末部を取り付け
るための取り付け用溝１２を設け、管体の端末部１１を
嵌入させることにより、管体１ａとフランジ１ｂを機械
的に接合する構造としたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電力ケーブルの端末部、接続部等に使用されるケーブル保護金具の 改良に関する。

【０００２】

【従来技術】

始めに図７（電力ケーブルの端末部の模式的断面図の例）を用いてケーブル保 護金具１の使用部位について説明する。 図７で、先端部を電気的接続に適するように被覆層の端部から、遮蔽層、外部 半導電層、絶縁層、内部半導電層、導体と順次断剥ぎされた電力ケーブル６の外 周には、碍管３、ケーブル保護金具１が同心嵌合されている。断剥ぎされた電力 ケーブル６の外周と碍管３との間には、エポキシ補強絶縁体２及びストレスコー ン４が介在されている。ストレスコーン４はストレスコーン圧縮装置５により、 碍管３に係止されたエポキシ補強絶縁体２に押さえられている。また碍管３は支 持碍子１０により絶縁及び支持されている。

【０００３】 ケーブル保護金具１は、両端が開口した円筒状をなす管体１ａと管体１ａの一 端に水密に且つ強固に接合されたフランジ１ｂとより成り、フランジ１ｂの取付 けられた一端（以下端末側という）はＯリング９を介してエポキシ補強絶縁体２ に締結ボルト８により水密に締結される。管体１ａの他の一端側（以下ケーブル 側という）はケーブル６の外径に合うように成形され複数の種類のテープを巻き つけ、積層した防水層７によってケーブル６に水密に取りつけられる。

【０００４】 以上述べた電力ケーブルの端末部の例のようにケーブル保護金具１は、ケーブ ルの端末部分において主として水密構造を構成するために取りつけられる。

【０００５】 以下ケーブル保護金具の従来例について説明する。図８に図７を用いて説明し た従来のケーブル保護金具の半分切開断面図を示す。 管体１ａの端末側には、締結ボルト用貫通孔１ｃ及びＯリング用溝１ｄを備え るフランジ１ｂが銀ロー１ｅにより強固に且つ水密に接合される。銀ロー１ｅ付 けによる接合は、通常の材質構成が管体１ａは銅、フランジ１ｂは黄銅であり電 気溶接、接着材による接合等の他の接合方法に比較して必要な接合強度が得られ やすくまた、水密な接合を行いやすいことにより用いられており、現在のところ 技術的及び経済的にこれに代わる接合手段はみあたらない状況である。

【０００６】 尚、貫通孔１ｃ及びＯリング溝１ｄは図７を用いての説明のようにケーブル保 護金具１をエポキシ補強絶縁体２に締結する際に使用される締結ボルト８及びＯ リング９に対応して設けられる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記のような銀ロー１ｅ付けでは、フランジ１ｂ、管体１ａ共に高 温度に加熱されるためにフランジ１ｂは、熱歪みによって変形してエポキシ補強 絶縁体２への締結が良好に行えない状態となり、特に高精度を要求されるＯリン グ溝１ｄにおいては変形のために初期の性能を発揮できない状態となる。

【０００８】 このためにフランジ１ｂは、銀ロー１ｅ付け後に再度必要な寸法精度となるよ うに切削加工を施す必要があり、さらに銀ロー１ｅ付けは大気中で行われるので 管体１ａ、フランジ１ｂ共に表面に加熱による酸化層を生じこの酸化層を例えば 酸洗い等の手段で除去する必要がある。また銀ロー１ｅ付けは、一般に手作業に より行われるために製品のバラツキを生じやすく又生産の能率も悪いという欠点 がある。

【０００９】 以上述べたように従来のケーブル保護金具は、その組み立てを技術的、経済的 な制約のために銀ロー付けによらざるを得ないために製造上の困難を生じている 。

【００１０】

【考案の目的】 本考案は、ケーブル保護金具の構造を改善することにより、ケーブル保護金具 の製造上の困難を回避して良好な生産性及び経済性を有するケーブル保護金具を 提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は、両端が開口した円筒状の管体と円環状のフランジとから構成された ケーブル保護金具において、前記管体とフランジとを、該管体の部材端部をフラ ンジに設けた凹部に嵌入させて機械的に接合したことを特徴とする。

【００１２】 また本考案は、両端が開口した円筒状の管体と円環状のフランジとから構成さ れたケーブル保護金具において、前記管体はその端末側開口端に該管体の中心線 と直交するリング状の平面を有しており、該リング状の平面の背部をフランジで 押圧することを特徴とする。

【００１３】

【作用】

上記のようにケーブル保護金具を、管体の部材端部をフランジに設けた凹部に 嵌入させ機械的に接合するような構造にすることにより、ケーブル保護金具を接 続する際に銀ロー付けを行わずに接続することができる。従って従来における作 業性が悪いなどの問題点を改善するものである。

【００１４】 また、ケーブル保護金具を、管体の端末側開口端に該管体の中心線と直交する リング状の平面を有し、該リング状の平面の背部をフランジで押圧するような構 造にすることにより、ケーブル保護金具を接続する際に銀ロー付けを行わずに接 続することができる。従って従来における作業性が悪いなどの問題点を改善する ものである。

【００１５】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面を参照して具体的に説明する。 図１、図２は、本考案のケーブル保護金具の一実施例を示す半分切開断面図お よび正面図である。筒状の管体１ａは図示のようにケーブル側、端末側各々所定 の直径になるように例えば円管の絞り加工により成形される。管体１ａとは別体 であるフランジ１ｂは円周上に形成された相手側装置（図示せず）との結合のた めの複数の貫通孔１ｃ及び該結合を水密に行うためのＯリング用溝１ｄを備える と共に内周面の全周に管体１ａの端末部を取り付けるための取り付け用溝１２を 備える。

【００１６】 本考案のケーブル保護金具の製造にあたっては、管体１ａの端末側端面を全周 にわたって、例えば絞り加工等の手段により変形させ、フランジ１ｂに設けた管 体１ａの端末部を取り付けるための取り付け用溝１２に褶曲しつつ嵌入させ、管 体１ａとフランジ１ｂとを結合する。

【００１７】 上記の状態を本考案のケーブル保護金具の部分拡大図（図３）を用いて説明す る。図示のように管体１ａの端末部１１を、褶曲してフランジ１ｂの管体１ａの 端末部を取り付けるための取り付け用溝１２に嵌入する。その際に管体１ａの端 面付近の部材はこの加工により大きな内部歪みを生じる。また、管体１ａの端末 部１１はこの加工において、取り付け用溝１２の内側面に強大な圧力をもって接 触、褶動し該褶動による摩擦で発熱する。

【００１８】 このため管体１ａの端末部１１付近は、前記内部歪み及び褶動による発熱によ って部分的に軟化し、管体１ａの端末部１１は、取り付け用溝１２の内側面に密 接に且つ高い圧力をもって当接することとなる。すなわち管体１ａとフランジ１ ｂとは機械的に接合されると共に水密に接合される。

【００１９】 尚、更に高度な水密性能が要求される場合及び信頼性の向上のために例えば、 予め取り付け用溝１２の内部に防水用パテを用いてもよい。又ゴムのような弾性 体若しくは半硬化状態の接着剤等を防水用の補助材として管体１ａとフランジ１ ｂとの接合部に用いてもよい。

【００２０】 次に他の実施例について説明する。図４および図５に本考案のケーブル保護金 具の他の実施例の半分切開断面図および正面図を示す。円筒状の管体１ａは図示 のようにケーブル側、端末側各々所定の直径になるように例えば円管の絞り加工 により成形されると共に、端末側開口端には管体１ａの中心軸線と直交する平面 に沿ったリング状のシール面１３を形成する。

【００２１】 管体１ａとは別体であるフランジ１ｂは、リング状をなしており管体１ａを挿 通可能であると共に相手側装置（例えばエポキシ補強絶縁体２）への締結ボルト ８を挿通するための貫通孔１ｃを備える。

【００２２】 このケーブル保護金具の使用状態を示す部分拡大図である図６を用いて説明す る。エポキシ補強絶縁体２に取り付けられたＯリング９にシール面１３が当接す るように管体１ａを配置後、管体１ａのシール面１３の背部を押圧するように配 置したフランジ１ｂを締結ボルト８を用いてエポキシ補強絶縁体２に締結する。 これによって、Ｏリング９は圧縮され管体１ａとエポキシ補強絶縁体２とは水密 に結合される。 尚、図示しないが図１と同様に管体１ａのケーブル側は防水層７により電力ケ ーブル６と水密に取りつけられる。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のケーブル保護金具は、従来例のケーブル保護金 具１と同一の機能を果たすことが可能であり、製造にあたっては従来例のケーブ ル保護金具１のように銀ロー１ｅ付けによって管体１ａとフランジ１ｂとを接合 する必要がないために銀ロー１ｅ付け時の加熱による熱歪みがなく、酸化層を除 去するための再加工が不要である。さらに手作業である銀ロー付け１ｅの欠点で ある生産性の悪さを回避できる。つまり生産性に優れた経済的に製造可能である ケーブル保護金具を提供する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のケーブル保護金具の一実施例を示す半
分切開断面図。

【図２】本考案のケーブル保護金具の一実施例を示す正
面図。

【図３】本考案のケーブル保護金具の部分拡大図。

【図４】本考案のケーブル保護金具の他の実施例を示す
半分切開断面図。

【図５】本考案のケーブル保護金具の他の実施例を示す
正面図。

【図６】本考案のケーブル保護金具の使用状態を示す部
分拡大図。

【図７】電力ケーブルの端末部の一例を示す模式的断面
図。

【図８】従来のケーブル保護金具の半分切開断面図。

【符号の説明】

１ ケーブル保護金具 １ａ 管体 １ｂ フランジ １ｃ 締結ボルト用貫通孔 １ｄ Ｏリング用溝 １ｅ 銀ロー ２ エポキシ補強絶縁体 ３ 碍管 ４ ストレスコーン ５ ストレスコーン圧縮装置 ６ 電力ケーブル ７ 防水層 ８ 締結ボルト ９ Ｏリング １０ 支持碍子 １１ 管体の端末部 １２ 取り付け用溝 １３ シール面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端が開口した円筒状の管体と円環状の
   フランジとから構成されたケーブル保護金具において、
   前記管体とフランジとを、該管体の部材端部をフランジ
   に設けた凹部に嵌入させて機械的に接合したことを特徴
   とするケーブル保護金具。
2. 【請求項２】 両端が開口した円筒状の管体と円環状の
   フランジとから構成されたケーブル保護金具において、
   前記管体はその端末側開口端に該管体の中心線と直交す
   るリング状の平面を有しており、該リング状の平面の背
   部をフランジで押圧することを特徴とするケーブル保護
   金具。