JPH05181196A - 遮光プロジェクター用スクリーン窓材 - Google Patents

遮光プロジェクター用スクリーン窓材

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JPH05181196A
JPH05181196A JP4000875A JP87592A JPH05181196A JP H05181196 A JPH05181196 A JP H05181196A JP 4000875 A JP4000875 A JP 4000875A JP 87592 A JP87592 A JP 87592A JP H05181196 A JPH05181196 A JP H05181196A
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JP
Japan
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light
shielding
screen window
window material
projector according
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JP4000875A
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English (en)
Inventor
Toru Takahashi
徹 高橋
Shigeru Nomura
茂 野村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明と不透明の状態を環境温度に関係なく
任意に得ることができる安価で、長期間の使用にもかか
わらずその調光機能が劣化し難い遮光プロジェクター用
スクリーン窓材を提供することを目的とする。 【構成】 少なくとも一枚の無機材料または有機材料
からなる透明板状体上に、0°C以上80°C以下のあ
る温度においてゾル・ゲル転移を示す高分子材料を水と
ともに積層して遮光層を形成し、かつ少なくとも一枚の
透明板状体に加熱装置および/または冷却装置を組み込
み、加熱装置と遮光層の間に無機材料または有機材料か
らなる絶縁機能を有する防湿層が形成されていることを
特徴とする遮光プロジェクター用スクリーン窓材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遮光プロジェクター用
スクリーン窓材に係り、より詳細には、窓の光線透過率
を所望に応じて人為的にも調整でき、なおかつ経時劣化
が起こり難い遮光プロジェクター用スクリーン窓材に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、Nーイソプロピルアクリル
(叉はメタクル)と水とを併存させるとある温度におい
てゾル・ゲル転移を示すことは既に知られている(特公
昭61−7948号公報、特公平1−38841号公
報)。また、この材料が天窓や温室という用途に用いら
れていることは上記公報に記載されている。
【0003】すなわち、この技術は、高温時に光を遮
り、低温時には光を透過するように構成され、太陽光に
よって内部が必要以上に昇温することを自動的に防止し
ようとするものである。
【0004】しかし、この技術では温度以外の理由、例
えば、外部からの視野を遮り遮光することができないと
いう問題がある。一方、液晶を用いて透明と不透明を切
り替えることにより行なう技術がある(特開平1−62
615号公報)。また、エレクトロクロミックやフォト
クロミックを応用して光透過率を制御することも試みら
れている(特開平2−85274号公報)。
【0005】しかしながら前者の液晶を用いる方法は、
一般に高価な液晶を用いるため限定された用途に限られ
る。また、液晶の耐光性が不十分なため窓材として用い
るには有利ではない。また、エレクトロクロミックやフ
ォトクロミックを遮光窓材もしくは調光窓材として応用
するには、液晶よりも更に耐光性が悪い。
【0006】更に、液晶を用いて透明と不透明を切り替
えることにより行なう技術の応用として、ガラス・スク
リーンの二つの機能を備えた調光ガラスが製品化されて
いる(特開平2−5082号公報、特開平2−1158
8号公報)。これは、透明時には普通のガラスとして機
能し、不透明時にはプロジェクター用スクリーンとして
機能するものである。しかし、耐光性およびコストの問
題により広く世の中で用いられずにいったている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明と不透
明の状態を環境温度に関係なく任意に得ることが出きる
安価で、長期間の使用にも拘わらずその調光機能が劣化
し難い遮光プロジェクター用スクリーン窓材を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の要旨は、少なくとも一枚の無機材料または有
機材料からなる透明板状体上に、0°C以上80°C以
下のある温度においてゾル・ゲル転移を示すとともにゾ
ル状態とゲル状態とでその光線透過率が異なる高分子材
料を水とともに積層して遮光層を形成し、かつ少なくと
も一枚の透明板状体に加熱装置および/または冷却装置
を組み込んだことを特徴とする遮光プロジェクター用ス
クリーン窓材に存する。
【0009】また、上記本発明を前提として、前記加熱
装置を、透明導電薄膜または高抵抗線とこれらに通電す
るための手段により構成し、この加熱装置と前記遮光層
との間に少なくともSiO2 などの無機材料または有機
材料からなる絶縁機能を有する防湿層を形成したことも
特徴としている。
【0010】
【作用】本発明では、透明板状体上に高分子材料を水と
ともに積層して遮光層を形成しており、かつ少なくとも
一枚の透明板状体に加熱装置および/または冷却装置を
組み込んである。この高分子材料はある温度(転移温
度)においてゾル・ゲル転移を示す。従って、環境温度
が転移温度以下に有る場合においては、高分子材料は親
水性を有し、高分子材料は水に溶解または膨潤してゾル
化して透明であり、真素材も透明であるが、かかる環境
温度において素材を不透明にしたい場合は、加熱装置に
より遮光層を転移温度以上に加熱すると、高分子材料は
疎水性を有するにいたり、水に不溶化してゲル化し、窓
材は不透明状態となる。なお、不透明状態を維持したい
場合は加熱を維持すればよく、逆に透明状態にしたい場
合には加熱を停止すればよい。プロジェクター用スクリ
ーンとして用いたい場合は、この不透明状態を維持して
いる時に液晶ビジョンなどにより、映像を投影すればよ
い。
【0011】一方、環境温度が転移温度以上にある場合
においては、高分子材料は疎水性を有し、高分子材料は
水に不溶化しゲル化状態であり、遮光プロジェクター用
スクリーン窓材は不透明状態であるが、かかる環境温度
において、遮光プロジェクター用スクリーン窓材を透明
状態にしたい場合は、冷却装置により遮光層を転移温度
以下に冷却すると、高分子材料は、親水性を有するにい
たり、水に溶解または膨潤してゾル化して透明となり可
視光線を透過し得る状態に変化する。
【0012】さらに、前記遮光層と前記加熱装置である
透明導電薄膜または高抵抗線との間に少なくともSiO
2 などの無機材料または有機材料からなる絶縁機能を有
する防湿層が形成されていると、遮光層からの水分が飛
散することがなく、調光機能の経時劣化が防止され、ま
た、直接、遮光層と加熱体とが接触していないため漏電
等の危険がない。
【0013】このように、本発明では、高分子材料と水
とが併存した状態でゾル・ゲル転移を示す性質を利用し
て透明・不透明を任意に切り替えることが可能となり、
なおかつ、スクリーン機能を有する経時安定性と安全性
に優れた遮光プロジェクター用スクリーン窓材を提供す
ることができる。
【0014】「実施態様例」以下に本発明の実施態様例
を説明する。 (透明板状体)本発明で用いる透明板状体としては、無
機物、有機物のいずれでもよい。すなはち、透明である
ことは必要であるが、ガラス、プラスチック等を問わ
ず、所定の強度を有し、窓に使用され得るものを任意に
使用することができる。
【0015】(高分子材料)本発明では、ある温度でゾ
ル・ゲル転移を示す高分子材料が用いられる。しかる
に、窓材として用いるためには、その転移温度は周囲の
温度(環境温度)に影響を与えない温度範囲になければ
ならない。窓材の温度が0°C〜80°Cの範囲の場
合、環境温度への影響はさほど大きくないため、本発明
では0°C〜80°Cの範囲内に転移温度を有する高分
子材料を対象とする。なお、15°C〜55°Cの範囲
内に転移温度を有する高分子材料を用いることが環境温
度への影響を一層低減し得るため好ましい。
【0016】かかる高分子材料としては、例えば、次の
式(A1)、(A2)、(B)で示されるものがあげら
れる。
【0017】
【化4】
【0018】(nは20〜20,000の整数、R1
HまたはCH3 、R2 はH,CH3 ,C2 5 またはC
3 7 、R3 はH,CH3 ,C2 5 またはシクロプロ
ピル基)
【0019】
【化5】
【0020】(nは20〜20,000の整数、R4
HまたはCH3 、R5 はC4 8 またはC6 10
【0021】
【化6】
【0022】(nは20〜20,000の整数、mは1
〜5の整数、R6 はHまたはCH3 、R7 はCH3 また
はC2 5 ) 転移温度は、高分子の一次構造によるところが大きい
が、例えば、一般式(A1)、(A2)の構造を示すポ
リ−N−イソプロピルアクリルアミドでは転移温度は3
0°C、ポリ−N−アクリルピペリジンでは転移温度は
5.5°C、ポリ−N−エチルアクリルアミドでは転移
温度は72°Cである。また(B)の骨格を示すポリエ
ーテル系に置いて、Rがメチル基のポリビニルメトキシ
エチルエーテルでは転移温度は62°C、エチル基のポ
リエトキシビニルエチルエーテルでは転移温度は20°
Cである。
【0023】このような高分子材料は、一般にラジカル
重合法、あるいはカチオン重合法のいずれかの方法によ
っても合成が可能である。ラジカル重合法の場合は、適
当な開始剤の存在下に重合を行なう。カチオン重合にお
いても通常の重合条件で良いが、不安定な成長炭素カチ
オンを安定化するルイス酸塩基を添加することが望まし
い。ルイス酸塩基を添加することにより分子量分布をシ
ャープにすることができ、ゲル・ゾルの変化を短時間で
行なうことができるようになり、ひいては、遮光・透光
の切り替えを短時間で行なうことが可能となる。
【0024】一般に、一般式(A1)、(A2)で表さ
れる高分子系ではラジカル重合法によって重合し、一
方、一般式(B)で表される高分子系はカチオン重合法
によって重合している。また、このようにして得られた
高分子材料の分子量については特に特定するものではな
いが、分子量を1000以上とすることが望ましい。分
子量を1000以上とした場合、フィルム形状への加工
が容易化する。また、多官能性モノマーを加えて部分的
に架橋することも必要に応じて行なう。また電子線等の
照射による後架橋も行なうことができる。なお、架橋を
行なう場合、一分子あたり2ヵ所以上の架橋度とするこ
とが望ましい。
【0025】(遮光層)また、一般にこのような高分子
材料は水に溶解して使用されるか、もしくは、架橋後に
フィルム状に加工し、このフィルムに水を含浸させて膨
潤化した状態で使用される。なお、水の凍結を避けるた
め、NaClのような無機塩やエチレングリコールのよ
うな高沸点の親水性溶剤の添加は望ましいことである。
【0026】遮光層の形成方法を具体的に述べる。膨潤
化した状態で使用する場合、まず、高分子材料を部分的
に架橋してフィルム状に加工する。このフィルムに水を
含浸させるとフィルムは膨潤状態となる。このフィルム
をバインダーを用いて透明板状体に貼り付けてもよい
し、また、透明板状体を複数用いるときは、二枚の透明
板状体でこのフィルムを挟み、周囲を封止して合わせガ
ラスのようにして構成してもよい。透明板状体が一枚の
場合は、水分の外部への離散を防止するために、フィル
ム表面に加工防湿層を形成すればよい。
【0027】一方、水溶液状態で用いる場合は、複数の
透明板状体を対向させて透明板状体間に空間を形成す
る。このようにして形成された空間に、高分子材料の水
溶液を封入し、また周囲を適当なシール材により封止す
れば水溶液で遮光層を形成することができる。
【0028】なお、本発明においては、水溶液では、高
分子材料水溶液の濃度が、0.1wt%〜30wt%で
あること及びフィルムにおいては、高分子材料1重量部
に対し、水を0.1〜0.5重量部とすることが好まし
い。上記の濃度の範囲外とすると透明・不透明の切り替
わりが生じないことがある。
【0029】(加熱装置・冷却装置)次に加温と冷却の
ための装置の説明を行なう。加熱装置は、例えば、透明
な導電性薄膜を透明板状体上に形成し、導電性薄膜に通
電するための手段(例えば、電源に接続された電極)を
導電性薄膜に接続することにより構成することができ
る。
【0030】より具体的には、2枚の透明板状体の片方
もしくは両方にITO(酸化インジウム及び酸化錫の混
合物)薄膜を成膜し、この2枚の透明板状体でゾル・ゲ
ル転移を示す水含有高分子フィルムを挟み込んで合わせ
ガラスとし、ITOに電極を接続すれば、加熱装置を備
えた遮光プロジェクター用スクリーン窓材が形成され
る。
【0031】なお、その際、発熱体であるITO薄膜
は、高分子フィルムを用いる場合は、高分子フィルム側
に形成することが、遮光層への伝熱効果が大きくするこ
とができ有利になるので望ましい。水溶液状態で用いる
場合は、透明板状体上に形成される。使用する導伝性薄
膜(ITO薄膜)の抵抗は10オーム/sqから400
オーム/sqであることが望ましい。10オーム/sq
未満では、ITOの薄膜の透明性が低下し、400オー
ム/sqを越えるものは、必要な温度に上昇するのに時
間がかかりすぎる。
【0032】また、加熱装置の別の態様として、ガラス
上に予めニクロム線のような高抵抗線を網目上または平
行に敷き詰め加熱部とすることも可能である。冷却装置
は、例えば次のように構成すればよい。ゾル・ゲル転移
を示す高分子フィルムを2枚の透明板状体で張り合わせ
た後、あるいは水溶液状態で用いる場合は、複数の透明
板状体を対向させて形成された空間に、水溶液を封入
し、周囲を適当なシール材により封止した後、さらに空
間を介して透明板状体を設ける。2枚のガラスと後で設
けた透明板状体の周囲は例えばゴムでシールする。この
空間に冷媒を流入出させる手段を設ける。冷媒を流入出
させる手段は、空間に連通させて、冷媒入口、冷媒出口
を設け、さらに冷媒入口に冷媒源を接続して構成すれば
よい。なお、冷媒としては、例えば、冷却された水、も
しくは冷却された空気のような流体を用いればよい。
【0033】転移温度が、常温以上である時は通常は透
明状態である。窓を不透明にする時は加熱して不透明に
する。逆に転移温度が常温以下の時は不透明である。冷
却して転移温度以下にすると透明状態が得られる。一般
に、加熱方式の方が冷却よりも方法が簡単で安価である
ので、加熱方式が望ましい。また加熱装置と冷却装置の
両方を兼ね備えると、転移温度が早くなり、短時間に透
明や不透明状態を得ることが可能となる。
【0034】(絶縁機能を有する防湿層)絶縁機能を有
する防湿層は、遮光層が水溶液状態で用いられる場合
は、遮光層と透明導電薄膜または高抵抗線との間に形成
される。具体的には導電性薄膜及び敷詰められた高抵抗
線が形成された透明板状体上に形成される。フィルムを
用いる場合は、フィルム上に絶縁機能を有する防湿層を
形成してその後、導電性薄膜を形成してもよいし、高抵
抗線を用いる場合はそのままラミネートすることができ
る。絶縁機能を有する防湿層は遮光層からの水分の飛散
を防止し、調光機能の経時劣化を防ぎ、また、直接遮光
層と加熱体とを接触させないため漏電等の危険をも防止
することができる。
【0035】絶縁機能を有する防湿層としては、無機物
及び有機物のいずれをも用いることができるが、より具
体的には、SiO2 膜をスパッリング法および蒸着法な
とで、フィルム表面あるいは、透明導電膜および高抵抗
線が形成されている透明板状体に成膜することができ
る。使用するSiO2 の膜厚は充分な防湿効果及び絶縁
性を得るためと、伝熱性を考えて、300〜4000オ
ングストロームの範囲にあるのが望ましい。
【0036】
【実施例】
(実施例1)図1に第1の実施例を示す。
【0037】本例では、透明板状体として無機ガラスを
用い、高分子材料としてポリ−N−イソプロピルアクリ
ルアミドを用いた。また、遮光プロジェクター用スクリ
ーン窓材は図1に示す構造とした。
【0038】図1において、11及び12は無機ガラス
である。13は遮光層であり、水を含浸させた高分子フ
ィルムにより構成されている。14は発熱のためのIT
O透明導電体薄膜であり、通電するための手段(図示せ
ず)とにより加熱装置を構成している。15は絶縁性と
防湿性を有するSiO2 膜である。
【0039】本例では、分子量1200のポリ−N−イ
ソプロピルアクリルアミドを、架橋後100ミクロンの
厚さのフィルムに加工した。このフィルムに水を含浸せ
しめた。なお、フィルム1重量部に対し0.1重量部の
水を含浸せしめた。
【0040】一方、無機ガラス12の片面には50オー
ム/sqの抵抗を示すITO薄膜(1000オングスト
ローム)14を蒸着した。さらに、無機ガラス12に蒸
着されたITO薄膜(1000オングストローム)14
上にSiO2 薄膜(1000オングストローム)15を
蒸着した。
【0041】無機ガラス11と無機ガラス12とを、I
TO薄膜14が形成された面とSiO2 薄膜15が形成
された面を内側にして、水を含浸せしめた高分子フィル
ム13をその間に挟み込み、さらに液体の飛散、蒸発の
無いように周囲をシーリング層16でシールして、図1
に示す合わせガラスタイプの遮光プロジェクター用スク
リーン窓材を得た。
【0042】以上のようにして作製した遮光プロジェク
ター用スクリーン窓材のゾル・ゲル転移温度を測定した
ところ28°C〜32°Cで転移点をもち、転移温度よ
り上では不透明に、転移温度以下では透明となった。さ
らに、この窓材を環境温度が20°Cの環境下におき、
ITO薄膜に通電したところ、通電後5秒で不透明にな
った。通電を停止すると、約10秒で透明になった。ま
た、不透明時に液晶パネル、3原色光シャッター方式に
よる背面投影により、美しい画像を見ることができた。
これは遮光プロジェクター用スクリーン窓材として任意
に光透過係数をかえることが可能な調光窓材として、さ
らにスクリーンとしても充分に実用に耐え得るものであ
る。
【0043】(実施例2)図2に第2の実施例を示す。
図2において、21、22は無機ガラス、23は実施例
1と同じ高分子フィルムである。
【0044】本例では、実施例1のITO薄膜の代わり
に、無機ガラス21に図2に示すような高抵抗線24を
網状に張り巡らせた。25はSiO2 薄膜、26はシー
リング層である。
【0045】他の条件は実施例1と同様にし、高抵抗線
24に通電した。得られた結果は実施例と同様であっ
た。 (実施例3)図3に第3の実施例を示す。
【0046】本例は、加熱装置と冷却装置の両方を有し
ている例である。図3において、31、32、33はガ
ラス。34は実施例1と同じ高分子フィルムである。3
5は実施例1と同じITO薄膜であり、39はSiO2
薄膜である。36は周囲がシールされた空間部であり、
その空間部36には、冷媒入口37と冷媒出口38が設
けられている。冷媒入口37は冷媒源(図示せず)に接
続されている。40はシーリング層である。
【0047】実施例1で用いたと同じフィルム(厚さ1
00ミクロンのポリ−N−イソプロピルアクリルアミド
フィルム)を水に含浸させた後、図3に示すような構造
の遮光プロジェクター用スクリーン窓材を作製した。
【0048】この窓材を環境温度が40°Cの環境下に
おき(この環境温度下では不透明状態)、冷媒入口37
から25°Cの空気を空間部36内に導入し、フィルム
を冷却した。窓材は、不透明状態から透明状態へ約5秒
の変化時間で変化した。また、不透明時に液晶パネル、
3原色光シャッター方式による背面投影により、美しい
画像を見ることができた。
【0049】(実施例4)実施例1で用いたポリ−N−
イソプロピルアクリルアミドフィルムの代わりに、ポリ
ビニルメトキシエーテルを用いた以外は総て実施例1と
同条件で遮光プロジェクター用スクリーン窓材を作製し
た。このようにして得られた窓材は60°C〜65°C
に転移点を有し環境温度が20°Cの時、透明から不透
明への変化が15秒、逆は5秒であった。
【0050】(実施例5)実施例1で用いたポリ−N−
イソプロピルアクリルアミドフィルムの代わりに、ポリ
−N−イソプロピルメタアクリルアミドを用いた以外は
実施例1と同条件で遮光プロジェクター用スクリーン窓
材を作製した。この時の転移温度は41°C〜44°C
であった。
【0051】(実施例6)実施例1で用いたポリ−N−
イソプロピルアクリルアミドフィルムの代わりに、ポリ
−N、N−ジエチルアクリルアミドを用いた以外は実施
例1と同条件で遮光プロジェクター用スクリーン窓材を
作製した。この時の転移温度は30°C〜35°Cであ
った。
【0052】(実施例7)本例では、一枚の無機ガラス
を用いた例を示す。無機ガラスの一方の面に実施例1と
同様にITO薄膜を形成した。さらにその上に、水を含
浸せしめた高分子フィルム(ポリ−N−イソプロピルア
クリルアミドフィルム)の両側の表面にSiO2 薄膜を
スパッタリングにより形成した後、バインダーにて貼り
付けることにより窓材を形成した。
【0053】転移温度、透明から不透明への切り替わり
速度等は実施例1とほぼ同様であった。ただ、作製は、
実施例1の遮光プロジェクター用スクリーン窓材よりも
容易であった。また、実施例1と同様に不透明時に液晶
パネル、3原色光シャッター方式による背面投影によ
り、美しい画像を見ることができた。
【0054】(実施例8)本例では、高分子フィルムに
SiO2 薄膜を形成せずに用いた以外は、実施例7と同
様におこなった。実施例7の場合よりも寿命が短かっ
た。ここで、寿命とは、加熱あるいは冷却をおこなって
も透明・不透明への変化を示さなくなるまでの時間であ
る。
【0055】(実施例9)本例では、実施例1の高分子
フィルムに代え、高分子水溶液を用いた。高分子として
は、実施例1と同様にポリ−N−イソプロピルアクリル
アミドを用いた。また、水溶液の濃度は4wt%とし
た。
【0056】本例では、二枚の無機ガラスを隙間をおい
て対向せしめるとともに周囲をシール体にてシールして
空間部を形成し、その空間部に高分子水溶液を封入して
遮光プロジェクター用スクリーン窓材を形成した。他の
点は実施例1と同様とした。
【0057】本例の遮光プロジェクター用スクリーン窓
材について、透明・不透明の切り替わり時間を測定した
が、実施例1の場合と得られた結果は同様であった。ま
た、スクリーンとしての機能も実施例1と同様に、不透
明時に液晶パネル、3原色光シャッター方式による背面
投影により、美しい画像を見ることができた。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、ゾル・ゲル相転移を示
すと共にゾル状態とゲル状態とでその光線透過率が異な
る高分子材料を水とともに積層して遮光層を形成し、こ
れを加熱装置または冷却装置でもって加熱または冷却し
ているので、透明・不透明を任意に切り替えることが可
能な遮光プロジェクター用スクリーン窓材が得られる。
【0059】また、絶縁機能を有する防湿層を設けれ
ば、経時安定性と安全性に優れた遮光プロジェクター用
スクリーン窓材を提供することが出きる。このように、
本発明の遮光プロジェクター用スクリーン窓材は、透明
と不透明の状態を環境温度に関係なく任意に得ることが
出き、なおかつスクリーン機能を有し、安価で、長期間
の使用にも拘わらずその調光機能が劣化し難いものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる遮光プロジェク
ター用スクリーン窓材の断面図。
【図2】本発明の第2の実施例に係わる遮光プロジェク
ター用スクリーン窓材の断面図。
【図3】本発明の第3の実施例に係わる遮光プロジェク
ター用スクリーン窓材の断面図。
【符号の説明】
11 透明板状体(ガラス) 12 透明板状体(ガラス) 13 遮光層(高分子フィルム) 14 加熱装置(ITO薄膜) 15 絶縁・防湿層(SiO2 薄膜) 16 シーリング層 21 透明板状体(ガラス) 22 透明板状体(ガラス) 23 遮光層(高分子フィルム) 24 加熱装置(高抵抗線) 25 絶縁・防湿層(SiO2 薄膜) 26 シーリング層 31 透明板状体(ガラス) 32 透明板状体(ガラス) 33 透明板状体(ガラス) 34 遮光層(高分子フィルム) 35 加熱装置(ITO薄膜) 36 空間部 37 冷媒入口 38 冷媒出口 39 絶縁・防湿層(SiO2 薄膜) 40 シーリング層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一枚の無機材料または有機材料
    からなる透明板状体上に、0°C以上80°C以下のあ
    る温度においてゾル・ゲル相転移を示すとともににゾル
    状態とゲル状態とでその光線透過率が異なる高分子材料
    を水とともに積層して遮光層を形成し、かつ少なくとも
    一枚の透明板状体に加熱装置および/または冷却装置を
    組み込んだことを特徴とする遮光プロジェクター用スク
    リーン窓材。
  2. 【請求項2】前記高分子材料は、15°C以上55°C
    以下でゾル・ゲル相転移を示す材料である請求項1記載
    の遮光プロジェクター用スクリーン窓材。
  3. 【請求項3】前記高分子材料が下記一般式(A1)また
    は(A2)で示される材料である請求項1または請求項
    2に記載の遮光プロジェクター用スクリーン窓材。 【化1】 (nは20〜20,000の整数、R1 はHまたはCH
    3 、R2 はH,CH3 ,C2 5 またはC3 7 、R3
    はH,CH3 ,C2 5 またはシクロプロピル基) 【化2】 (nは20〜20,000の整数、R4 はHまたはCH
    3 、R5 はC4 8 またはC6 10
  4. 【請求項4】前記高分子材料が下記一般式(B)で示さ
    れる材料である請求項1または請求項2に記載の遮光プ
    ロジェクター用スクリーン窓材。 【化3】 (nは20〜20,000の整数、mは1〜5の整数、
    6 はHまたはCH3 、R7 はCH3 またはC2 5
  5. 【請求項5】前記遮光層は、架橋した高分子材料からな
    るフィルムに水を含浸させて構成されていることを特徴
    とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の
    遮光プロジェクター用スクリーン窓材
  6. 【請求項6】前記フィルムの表面に防湿層が形成されて
    いることを特徴とする請求項5記載の遮光プロジェクタ
    ー用スクリーン窓材。
  7. 【請求項7】前記遮光層は、2枚の対向する透明板状体
    により形成される空間に、高分子材料の水溶液を封入し
    て構成したことを特徴とする請求1ないし請求項4のい
    ずれか1項に記載の遮光プロジェクター用スクリーン窓
  8. 【請求項8】前記加熱装置は、インジウスズ酸化物等の
    無機化合物からなる透明導電薄膜または該高抵抗線と、
    該透明導電薄膜または該高抵抗線に通電するための手段
    とにより構成されていることを特徴とする請求項1ない
    し請求項7のいずれか1項に記載の遮光プロジェクター
    用スクリーン窓材。
  9. 【請求項9】前記冷却装置は、2枚の対向する透明板状
    体により形成される空間と、該空間に冷媒を流出入させ
    る手段とにより構成されていることを特徴とする請求項
    1ないし請求項7のいずれか1項に記載の遮光プロジェ
    クター用スクリーン窓材。
  10. 【請求項10】水溶液においては、高分子材料水溶液の
    濃度が、0.1wt%〜30wt%であること及びフィ
    ルムにおいては、高分子材料1重量部に対し、水を0.
    1〜0.5重量部としたことを特徴とする請求項1ない
    し請求項9のいずれか1項に記載の遮光プロジェクター
    用スクリーン窓材。
  11. 【請求項11】前記遮光層と前記透明導電薄膜または前
    記該高抵抗線との間に少なくともSiO2 などの無機材
    料または有機材料からなる絶縁機能を有する防湿層が形
    成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8
    のいずれか1項に記載の遮光プロジェクター用スクリー
    ン窓材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006072123A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Meiko:Kk リアプロジェクション方式用スクリーン構造体
JP2017021140A (ja) * 2015-07-09 2017-01-26 凸版印刷株式会社 表示体、表示体封入セルおよび表示体付き物品

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