JPH05177757A - 遮光フィルム材 - Google Patents

遮光フィルム材

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JPH05177757A
JPH05177757A JP4000873A JP87392A JPH05177757A JP H05177757 A JPH05177757 A JP H05177757A JP 4000873 A JP4000873 A JP 4000873A JP 87392 A JP87392 A JP 87392A JP H05177757 A JPH05177757 A JP H05177757A
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JP
Japan
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light
film
shielding
transparent
shielding film
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Pending
Application number
JP4000873A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Takahashi
徹 高橋
Shigeru Nomura
茂 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP4000873A priority Critical patent/JPH05177757A/ja
Publication of JPH05177757A publication Critical patent/JPH05177757A/ja
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/0147Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on thermo-optic effects

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明と不透明の状態を環境温度に関係なく
任意に得ることができる安価で、長期間の使用にもかか
わらずその調光機能が劣化し難く、任意なフレキシブル
な形状を容易に取ることができる遮光フィルム材を提供
することを目的とする。 【構成】 少なくとも一枚の有機材料からなる透明フ
ィルム支持体上に、0°C以上80°C以下のある温度
においてゾル・ゲル転移を示すとともにゾル状態とゲル
状態とでその光線透過率が異なる高分子材料を水ととも
に積層して遮光層を形成し、かつ少なくとも一枚の透明
フィルム支持体に加熱装置および/または冷却装置を組
み込み、加熱装置と遮光層の間に無機材料または有機材
料からなる絶縁機能を有する防湿層が形成されており、
任意なフレキシブルな形状を容易に取ることができるこ
とを特徴とする遮光フィルム材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遮光フィルム材に係
り、より詳細には、フィルムの光線透過率を所望に応じ
て人為的にも調整でき、なおかつ経時劣化が起こり難い
遮光フィルム材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、Nーイソプロピルアクリル
(叉はメタクル)と水とを併存させるとある温度におい
てゾル・ゲル転移を示すことは既に知られている(特公
昭61−7948号公報、特公平1−38841号公
報)。また、この材料が天窓や温室という用途に用いら
れていることは上記公報に記載されている。
【0003】すなわち、この技術は、高温時に光を遮
り、低温時には光を透過するように構成され、太陽光に
よって内部が必要以上に昇温することを自動的に防止し
ようとするものである。
【0004】しかし、この技術では温度以外の理由、例
えば、外部からの視野を遮り遮光することができないと
いう問題がある。一方、液晶を用いて透明と不透明を切
り替えることにより行なう技術がある(特開平1−62
615号公報)。また、エレクトロクロミックやフォト
クロミックを応用して光透過率を制御することも試みら
れている(特開平2−85274号公報)。
【0005】しかしながら前者の液晶を用いる方法は、
一般に高価な液晶を用いるため限定された用途に限られ
る。また、液晶の耐光性が不十分なため窓材として用い
るには有利ではない。また、エレクトロクロミックやフ
ォトクロミックを遮光窓材もしくは調光窓材として応用
するには、液晶よりも更に耐光性が悪い。
【0006】更に、透明板状体を用いているために任意
なフレキシブルな形状を取ることが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明と不透
明の状態を環境温度に関係なく任意に得ることが出きる
安価で、長期間の使用にも拘わらずその調光機能が劣化
し難く、任意なフレキシブルな形状を容易にとることが
できる遮光フィルム材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の要旨は、少なくとも一枚の有機材料からなる
透明フイルム支持体上に、0°C以上80°C以下のあ
る温度においてゾル・ゲル相転移を示すとともにゾル状
態とゲル状態とでその光線透過率が異なる高分子材料を
水とともに積層して遮光層を形成し、かつ少なくとも一
枚の透明フィルム支持体に加熱装置および/または冷却
装置を組み込んだことを特徴とする遮光フィルム材に存
する。
【0009】また、上記本発明を前提として、前記加熱
装置を、透明導電薄膜または高抵抗線とこれらに通電す
るための手段により構成し、この加熱装置と前記遮光層
との間に少なくともSiO2 などの無機材料または有機
材料からなる絶縁機能を有する防湿層を形成したことも
特徴としている。
【0010】
【作用】本発明では、透明フィルム支持体上に高分子材
料を水とともに積層して遮光層を形成しており、かつ少
なくとも一枚の透明フィルム支持体に加熱装置および/
または冷却装置を組み込んである。この高分子材料はあ
る温度(転移温度)においてゾル・ゲル転移を示す。従
って、環境温度が転移温度以下に有る場合においては、
高分子材料は親水性を有し、高分子材料は水に溶解また
は膨潤してゾル化して透明であり、真素材も透明である
が、かかる環境温度において素材を不透明にしたい場合
は、加熱装置により遮光層を転移温度以上に加熱する
と、高分子材料は疎水性を有するにいたり、水に不溶化
してゲル化し、フィルム材は不透明状態となる。なお、
不透明状態を維持したい場合は加熱を維持すればよく、
逆に透明状態にしたい場合には加熱を停止すればよい。
【0011】一方、環境温度が転移温度以上にある場合
においては、高分子材料は疎水性を有し、高分子材料は
水に不溶化しゲル化状態であり、フィルム材は不透明状
態であるが、かかる環境温度において、フィルム材を透
明状態にしたい場合は、冷却装置により遮光層を転移温
度以下に冷却すると、高分子材料は、親水性を有するに
いたり、水に溶解または膨潤してゾル化して透明となり
可視光線を透過し得る状態に変化する。
【0012】さらに、前記遮光層と前記加熱装置である
透明導電薄膜または高抵抗線との間に少なくともSiO
2 などの無機材料または有機材料からなる絶縁機能を有
する防湿層が形成されていると、遮光層からの水分が飛
散することがなく、調光機能の経時劣化が防止され、ま
た、直接、遮光層と加熱体とが接触していないため漏電
等の危険がない。
【0013】このように、本発明では、高分子材料と水
とが併存した状態でゾル・ゲル転移を示す性質を利用し
て透明・不透明を任意に切り替えることが可能となり、
なおかつ、経時安定性と安全性に優れ、任意なフレキシ
ブルな形状を容易に取ることができる遮光フィルム材を
提供することができる。
【0014】「実施態様例」以下に本発明の実施態様例
を説明する。 (透明フィルム支持体)本発明で用いる透明フィルム支
持体としては、可視領域において透明であり、フィルム
形成能を有する高分子材料であれば、いずれのフィルム
でも任意に使用することができる。
【0015】(高分子材料)本発明では、ある温度でゾ
ル・ゲル転移を示す高分子材料が用いられる。しかる
に、遮光フィルム材として用いるためには、その転移温
度は周囲の温度(環境温度)に影響を与えない温度範囲
になければならない。窓材の温度が0°C〜80°Cの
範囲の場合、環境温度への影響はさほど大きくないた
め、本発明では0°C〜80°Cの範囲内に転移温度を
有する高分子材料を対象とする。なお、15°C〜55
°Cの範囲内に転移温度を有する高分子材料を用いるこ
とが環境温度への影響を一層低減し得るため好ましい。
【0016】かかる高分子材料としては、例えば、次の
式(A1)、(A2)、(B)で示されるものがあげら
れる。
【0017】
【化4】
【0018】(nは20〜20,000の整数、R1
HまたはCH3 、R2 はH,CH3 ,C2 5 またはC
3 7 、R3 はH,CH3 ,C2 5 またはシクロプロ
ピル基)
【0019】
【化5】
【0020】(nは20〜20,000の整数、R4
HまたはCH3 、R5 はC4 8 またはC6 10
【0021】
【化6】
【0022】(nは20〜20,000の整数、mは1
〜5の整数、R6 はHまたはCH3 、R7 はCH3 また
はC2 5 )転移温度は、高分子の一次構造によるとこ
ろが大きいが、例えば、一般式(A1)、(A2)の構
造を示すポリ−N−イソプロピルアクリルアミドでは転
移温度は30°C、ポリ−N−アクリルピペリジンでは
転移温度は5.5°C、ポリ−N−エチルアクリルアミ
ドでは転移温度は72°Cである。また(B)の骨格を
示すポリエーテル系に置いて、Rがメチル基のポリビニ
ルメトキシエチルエーテルでは転移温度は62°C、エ
チル基のポリエトキシビニルエチルエーテルでは転移温
度は20°Cである。
【0023】このような高分子材料は、一般にラジカル
重合法、あるいはカチオン重合法のいずれかの方法によ
っても合成が可能である。ラジカル重合法の場合は、適
当な開始剤の存在下に重合を行なう。カチオン重合にお
いても通常の重合条件で良いが、不安定な成長炭素カチ
オンを安定化するルイス酸塩基を添加することが望まし
い。ルイス酸塩基を添加することにより分子量分布をシ
ャープにすることができ、ゲル・ゾルの変化を短時間で
行なうことができるようになり、ひいては、遮光・透光
の切り替えを短時間で行なうことが可能となる。
【0024】一般に、一般式(A1)、(A2)で表さ
れる高分子系ではラジカル重合法によって重合し、一
方、一般式(B)で表される高分子系はカチオン重合法
によって重合している。また、このようにして得られた
高分子材料の分子量については特に特定するものではな
いが、分子量を1000以上とすることが望ましい。分
子量を1000以上とした場合、フィルム形状への加工
が容易化する。また、多官能性モノマーを加えて部分的
に架橋することも必要に応じて行なう。また電子線等の
照射による後架橋も行なうことができる。なお、架橋を
行なう場合、一分子あたり2ヵ所以上の架橋度とするこ
とが望ましい。
【0025】(遮光層)また、一般にこのような高分子
材料は水に溶解して使用されるか、もしくは、架橋後に
フィルム状に加工し、このフィルムに水を含浸させて膨
潤化した状態で使用される。なお、水の凍結を避けるた
め、NaClのような無機塩やエチレングリコールのよ
うな高沸点の親水性溶剤の添加は望ましいことである。
【0026】遮光層の形成方法を具体的に述べる。膨潤
化した状態で使用する場合、まず、高分子材料を部分的
に架橋してフィルム状に加工する。このフィルムに水を
含浸させるとフィルムは膨潤状態となる。このフィルム
をバインダーを用いて透明フィルム支持体に貼り付けて
もよいし、また、透明フィルム支持体を複数用いるとき
は、二枚の透明フィルム支持体でこのフィルムを挟み、
ラミネート構造のようにして構成してもよい。透明フィ
ルム支持体が一枚の場合は、水分の外部への離散を防止
するために、フィルム表面に加工防湿層を形成すればよ
い。
【0027】一方、水溶液状態で用いる場合は、複数の
透明フィルム支持体を対向させて透明フィルム支持体間
にフレキシブルなスペーサーを介して空間を形成する。
このようにして形成された空間に、高分子材料の水溶液
を封入し、また周囲を適当なシール材により封止すれば
水溶液で遮光層を形成することができる。
【0028】なお、本発明においては、水溶液では、高
分子材料水溶液の濃度が、0.1wt%〜30wt%で
あること及びフィルムにおいては、高分子材料1重量部
に対し、水を0.1〜0.5重量部とすることが好まし
い。上記の濃度の範囲外とすると透明・不透明の切り替
わりが生じないことがある。
【0029】(加熱装置・冷却装置)次に加温と冷却の
ための装置の説明を行なう。加熱装置は、例えば、透明
な導電性薄膜を透明フィルム支持体上に形成し、導電性
薄膜に通電するための手段(例えば、電源に接続された
電極)を導電性薄膜に接続することにより構成すること
ができる。
【0030】より具体的には、2枚の透明フィルム支持
体の片方もしくは両方にITO(酸化インジウム及び酸
化錫の混合物)薄膜を成膜し、この2枚の透明フィルム
支持体でゾル・ゲル転移を示す水含有高分子フィルムを
挟み込んでラミネート構造とし、ITOに電極を接続す
れば、加熱装置を備えた遮光フィルム材が形成される。
【0031】なお、その際、発熱体であるITO薄膜
は、高分子フィルムを用いる場合は、高分子フィルム側
に形成することが、遮光層への伝熱効果が大きくするこ
とができ有利になるので望ましい。水溶液状態で用いる
場合は、透明フィルム支持体上に形成される。使用する
導伝性薄膜(ITO薄膜)の抵抗は10オーム/sqか
ら400オーム/sqであることが望ましい。10オー
ム/sq未満では、ITOの薄膜の透明性が低下し、4
00オーム/sqを越えるものは、必要な温度に上昇す
るのに時間がかかりすぎる。
【0032】また、加熱装置の別の態様として、透明フ
ィルム支持体上に予めニクロム線のような高抵抗線を網
目上または平行に敷き詰め加熱部とすることも可能であ
る。冷却装置は、例えば次のように構成すればよい。ゾ
ル・ゲル転移を示す高分子フィルムを2枚の透明フィル
ム支持体で張り合わせた後、あるいは水溶液状態で用い
る場合は、複数の透明フィルム支持体を対向させて形成
された空間に、水溶液を封入し、周囲を適当なシール材
により封止した後、さらに空間を介して透明フィルム支
持体を設ける。2枚の透明フィルム支持体と後で設けた
透明フィルム支持体の周囲は例えばゴムでシールする。
この空間に冷媒を流入出させる手段を設ける。冷媒を流
入出させる手段は、空間に連通させて、冷媒入口、冷媒
出口を設け、さらに冷媒入口に冷媒源を接続して構成す
ればよい。なお、冷媒としては、例えば、冷却された
水、もしくは冷却された空気のような流体を用いればよ
い。
【0033】転移温度が、常温以上である時は通常は透
明状態である。フィルム材を不透明にする時は加熱して
不透明にする。逆に転移温度が常温以下の時は不透明で
ある。
【0034】冷却して転移温度以下にすると透明状態が
得られる。一般に、加熱方式の方が冷却よりも方法が簡
単で安価であるので、加熱方式が望ましい。また加熱装
置と冷却装置の両方を兼ね備えると、転移温度が早くな
り、短時間に透明や不透明状態を得ることが可能とな
る。
【0035】(絶縁機能を有する防湿層)絶縁機能を有
する防湿層は、遮光層が水溶液状態で用いられる場合
は、遮光層と透明導電薄膜または高抵抗線との間に形成
される。具体的には導電性薄膜及び敷詰められた高抵抗
線が形成された透明フィルム支持体上に形成される。フ
ィルムを用いる場合は、フィルム上に絶縁機能を有する
防湿層を形成してその後、導電性薄膜を形成してもよい
し、高抵抗線を用いる場合はそのままラミネートするこ
とができる。絶縁機能を有する防湿層は遮光層からの水
分の飛散を防止し、調光機能の経時劣化を防ぎ、また、
直接遮光層と加熱体とを接触させないため漏電等の危険
をも防止することができる。
【0036】絶縁機能を有する防湿層としては、無機物
及び有機物のいずれをも用いることができるが、より具
体的には、SiO2 膜をスパッリング法および蒸着法な
とで、フィルム表面あるいは、透明導電膜および高抵抗
線が形成されている透明フィルム支持体に成膜すること
ができる。使用するSiO2 の膜厚は充分な防湿効果及
び絶縁性を得るためと、伝熱性を考えて、300〜40
00オングストロームの範囲にあるのが望ましい。
【0037】
【実施例】
(実施例1)図1に第1の実施例を示す。
【0038】本例では、透明フィルム支持体としてPE
Tフィルムを用い、高分子材料としてポリ−N−イソプ
ロピルアクリルアミドを用いた。また、遮光フィルム材
は図1に示す構造とした。
【0039】図1において、11及び12はPETフィ
ルムである。13は遮光層であり、水を含浸させた高分
子フィルムにより構成されている。14は発熱のための
ITO透明導電体薄膜であり、通電するための手段(図
示せず)とにより加熱装置を構成している。15は絶縁
性と防湿性を有するSiO2 膜である。
【0040】本例では、分子量1200のポリ−N−イ
ソプロピルアクリルアミドを、架橋後100ミクロンの
厚さのフィルムに加工した。このフィルムに水を含浸せ
しめた。なお、フィルム1重量部に対し0.1重量部の
水を含浸せしめた。
【0041】一方、PETフィルム12の片面には50
オーム/sqの抵抗を示すITO薄膜(1000オング
ストローム)14を蒸着した。さらに、PETフィルム
12に蒸着されたITO薄膜(1000オングストロー
ム)14上にSiO2 薄膜(1000オングストロー
ム)15を蒸着した。
【0042】PETフィルム11とPETフィルム12
とを、ITO薄膜14が形成された面とSiO2 薄膜1
5が形成された面を内側にして、水を含浸せしめた高分
子フィルム13をその間に挟み込み、さらに液体の飛
散、蒸発の無いように周囲をシーリング層16でシール
して、図1に示すラミネートタイプの遮光フィルム材を
得た。
【0043】以上のようにして作製した遮光フィルム材
のゾル・ゲル転移温度を測定したところ28°C〜32
°Cで転移点をもち、転移温度より上では不透明に、転
移温度以下では透明となった。さらに、この遮光フィル
ム材を環境温度が20°Cの環境下におき、ITO薄膜
に通電したところ、通電後5秒で不透明になった。通電
を停止すると、約10秒で透明になった。これは遮光フ
ィルム材として任意に光透過係数をかえることが可能
で、充分に実用に耐え得るものである。
【0044】(実施例2)図2に第2の実施例を示す。
図2において、21、22はPETフィルム、23は実
施例1と同じ高分子フィルムである。
【0045】本例では、実施例1のITO薄膜の代わり
に、PETフィルム21に図2に示すような高抵抗線2
4を網状に張り巡らせた。25はSiO2 薄膜、26は
シーリング層である。
【0046】他の条件は実施例1と同様にし、高抵抗線
24に通電した。得られた結果は実施例と同様であっ
た。 (実施例3)図3に第3の実施例を示す。
【0047】本例は、加熱装置と冷却装置の両方を有し
ている例である。図3において、31、32、33はP
ETフィルム。34は実施例1と同じ高分子フィルムで
ある。35は実施例1と同じITO薄膜であり、39は
SiO2 薄膜である。36は周囲がシールされた空間部
であり、その空間部36には、冷媒入口37と冷媒出口
38が設けられている。冷媒入口37は冷媒源(図示せ
ず)に接続されている。40はシーリング層である。
【0048】実施例1で用いたと同じフィルム(厚さ1
00ミクロンのポリ−N−イソプロピルアクリルアミド
フィルム)を水に含浸させた後、図3に示すような構造
の遮光フィルム材を作製した。
【0049】この遮光フィルム材を環境温度が40°C
の環境下におき(この環境温度下では不透明状態)、冷
媒入口37から25°Cの空気を空間部36内に導入
し、フィルムを冷却した。遮光フィルム材は、不透明状
態から透明状態へ約5秒の変化時間で変化した。
【0050】(実施例4)実施例1で用いたポリ−N−
イソプロピルアクリルアミドフィルムの代わりに、ポリ
ビニルメトキシエーテルを用いた以外は総て実施例1と
同条件で遮光フィルム材を作製した。このようにして得
られた遮光フィルム材は60°C〜65°Cに転移点を
有し環境温度が20°Cの時、透明から不透明への変化
が15秒、逆は5秒であった。
【0051】(実施例5)実施例1で用いたポリ−N−
イソプロピルアクリルアミドフィルムの代わりに、ポリ
−N−イソプロピルメタアクリルアミドを用いた以外は
実施例1と同条件で遮光フィルム材を作製した。この時
の転移温度は41°C〜44°Cであった。
【0052】(実施例6)実施例1で用いたポリ−N−
イソプロピルアクリルアミドフィルムの代わりに、ポリ
−N、N−ジエチルアクリルアミドを用いた以外は実施
例1と同条件で遮光フィルム材を作製した。この時の転
移温度は30°C〜35°Cであった。
【0053】(実施例7)本例では、一枚のPETフィ
ルムを用いた例を示す。PETフィルムの一方の面に実
施例1と同様にITO薄膜を形成した。さらにその上
に、水を含浸せしめた高分子フィルム(ポリ−N−イソ
プロピルアクリルアミドフィルム)の両側の表面にSi
2 薄膜をスパッタリングにより形成した後、バインダ
ーにて貼り付けることにより遮光フィルム材を形成し
た。
【0054】転移温度、透明から不透明への切り替わり
速度等は実施例1とほぼ同様であった。ただ、作製は、
実施例1の遮光フィルム材よりも容易であった。 (実施例8)本例では、高分子フィルムにSiO2 薄膜
を形成せずに用いた以外は、実施例7と同様におこなっ
た。実施例7の場合よりも寿命が短かった。ここで、寿
命とは、加熱あるいは冷却をおこなっても透明・不透明
への変化を示さなくなるまでの時間である。
【0055】(実施例9)本例では、実施例1の高分子
フィルムに代え、高分子水溶液を用いた。高分子として
は、実施例1と同様にポリ−N−イソプロピルアクリル
アミドを用いた。また、水溶液の濃度は4wt%とし
た。
【0056】本例では、二枚のPETフィルムをフレキ
シブルなスペーサーを介して隙間をおいて対向せしめる
とともに周囲をシール体にてシールして空間部を形成
し、その空間部に高分子水溶液を封入して遮光フィルム
材を形成した。他の点は実施例1と同様とした。
【0057】本例の遮光フィルム材について、透明・不
透明の切り替わり時間を測定したが、実施例1の場合と
得られた結果は同様であった。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、ゾル・ゲル相転移を示
すと共にゾル状態とゲル状態とでその光線透過率が異な
る高分子材料を水とともに積層して遮光層を形成し、こ
れを加熱装置または冷却装置でもって加熱または冷却し
ているので、透明・不透明を任意に切り替えることが可
能な遮光フィルム材が得られる。
【0059】また、絶縁機能を有する防湿層を設けれ
ば、経時安定性と安全性に優れた遮光フィルム材を提供
することが出きる。このように、本発明の遮光フィルム
材は、透明と不透明の状態を環境温度に関係なく任意に
得ることができ、安価で、長期間の使用にも拘わらずそ
の調光機能が劣化し難く、しかも任意なフレキシブルな
形状を容易にとれるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる遮光窓材の断面
図。
【図2】本発明の第2の実施例に係わる遮光窓材の断面
図。
【図3】本発明の第3の実施例に係わる遮光窓材の断面
図。
【符号の説明】
11 透明フィルム支持体(PETフィルム) 12 透明フィルム支持体(PETフィルム) 13 遮光層(高分子フィルム) 14 加熱装置(ITO薄膜) 15 絶縁・防湿層(SiO2 薄膜) 16 シーリング層 21 透明フィルム支持体(PETフィルム) 22 透明フィルム支持体(PETフィルム) 23 遮光層(高分子フィルム) 24 加熱装置(高抵抗線) 25 絶縁・防湿層(SiO2 薄膜) 26 シーリング層 31 透明フィルム支持体(PETフィルム) 32 透明フィルム支持体(PETフィルム) 33 透明フィルム支持体(PETフィルム) 34 遮光層(高分子フィルム) 35 加熱装置(ITO薄膜) 36 空間部 37 冷媒入口 38 冷媒出口 39 絶縁・防湿層(SiO2 薄膜) 40 シーリング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/26 LJG 7921−4J 39/04 LJY 7921−4J 71/00 LQD 9167−4J

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一枚の有機材料からなる透明フ
    ィルム支持体上に、0°C以上80°C以下のある温度
    においてゾル・ゲル相転移を示すとともにゾル状態とゲ
    ル状態とでその光線透過率が異なる高分子材料を水とと
    もに積層して遮光層を形成し、かつ少なくとも一枚の透
    明フィルム支持体に加熱装置および/または冷却装置を
    組み込んだことを特徴とする遮光フィルム材。
  2. 【請求項2】前記高分子材料は、15°C以上55°C
    以下でゾル・ゲル転移を示す材料である請求項1記載の
    遮光フィルム材。
  3. 【請求項3】前記高分子材料が下記一般式(A1)また
    は(A2)で示される材料である請求項1または請求項
    2に記載の遮光フィルム材。 【化1】 (nは20〜20,000の整数、R1 はHまたはCH
    3 、R2 はH,CH3 ,C2 5 またはC3 7 、R3
    はH,CH3 ,C2 5 またはシクロプロピル基) 【化2】 (nは20〜20,000の整数、R4 はHまたはCH
    3 、R5 はC4 8 またはC6 10
  4. 【請求項4】前記高分子材料が下記一般式(B)で示さ
    れる材料である請求項1または請求項2に記載の遮光フ
    ィルム材。 【化3】 (nは20〜20,000の整数、mは1〜5の整数、
    6 はHまたはCH3 、R7 はCH3 またはC2 5
  5. 【請求項5】前記遮光層は、架橋した高分子材料からな
    るフィルムに水を含浸させて構成されていることを特徴
    とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の
    遮光フィルム材。
  6. 【請求項6】前記フィルムの表面に防湿層が形成されて
    いることを特徴とする請求項5記載の遮光窓材。
  7. 【請求項7】前記遮光層は、2枚の対向する透明フィル
    ム支持体により形成される空間に、フレキシブルなスペ
    ーサーを介して高分子材料の水溶液を封入して構成した
    ことを特徴とする請求1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の遮光フィルム材。
  8. 【請求項8】前記加熱装置は、インジウスズ酸化物等の
    無機化合物からなる透明導電薄膜または該高抵抗線と、
    該透明導電薄膜または該高抵抗線に通電するための手段
    とにより構成されていることを特徴とする請求項1ない
    し請求項7のいずれか1項に記載の遮光フィルム材。
  9. 【請求項9】前記冷却装置は、2枚の対向する透明フィ
    ルム支持体によりフレキシブルなスペーサーを介して形
    成される空間と、該空間に冷媒を流出入させる手段とに
    より構成されていることを特徴とする請求項1ないし請
    求項7のいずれか1項に記載の遮光フィルム材。
  10. 【請求項10】前記透明フィルム支持体の、少なくとも
    一枚に防湿層が形成されていることを特徴とする請求項
    1ないし請求項7のいずれか1項に記載の遮光フィルム
    材。
  11. 【請求項11】水溶液においては、高分子材料水溶液の
    濃度が、0.1wt%〜30wt%であること及びフィ
    ルムにおいては、高分子材料1重量部に対し、水を0.
    1〜0.5重量部としたことを特徴とする請求項1ない
    し請求項10のいずれか1項に記載の遮光フィルム材。
  12. 【請求項12】前記遮光層と前記透明導電薄膜または前
    記該高抵抗線との間に少なくともSiO2 などの無機材
    料または有機材料からなる絶縁機能を有する防湿層が形
    成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8
    のいずれか1項に記載の遮光フィルム材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5858624A (en) * 1996-09-20 1999-01-12 Minnesota Mining And Manufacturing Company Method for assembling planarization and indium-tin-oxide layer on a liquid crystal display color filter with a transfer process
US5897727A (en) * 1996-09-20 1999-04-27 Minnesota Mining And Manufacturing Company Method for assembling layers with a transfer process using a crosslinkable adhesive layer
US7044719B2 (en) 2002-01-30 2006-05-16 Daikin Industries, Ltd Enclosed compressor with vibration reduction

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