JPH0517963B2 - - Google Patents

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JPH0517963B2
JPH0517963B2 JP17880088A JP17880088A JPH0517963B2 JP H0517963 B2 JPH0517963 B2 JP H0517963B2 JP 17880088 A JP17880088 A JP 17880088A JP 17880088 A JP17880088 A JP 17880088A JP H0517963 B2 JPH0517963 B2 JP H0517963B2
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JP
Japan
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dust cover
fitting
spherical
outer member
joint device
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Masahiko Fukui
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は球面摺動型継手装置に係り、特に車両
サスペンシヨンにおけるピロボールブツシユやボ
ールジヨイント付ロツド等に好適に用いられ得
る、インナ金具を球面摺動可能に保持するアウタ
部材が合成樹脂材料にて形成された球面摺動型継
手装置に関するものである。
(背景技術) 従来から、車両サスペンシヨン等に用いられる
継手装置の一種として、インナ金具に設けられた
球状外周面を有する嵌合部を、アウタ部材のソケ
ツト内に収容、保持せしめて、かかる嵌合部にて
球面摺動を行なわせるようにすることにより、該
インナ金具をアウタ部材に対して球面摺動可能に
連結せしめた、所謂球面摺動型継手装置が知られ
ている。例えば、自動車のサスペンシヨンを構成
するアーム、リンク、ロツドなど(以下、ロツド
と総称する)の部材においては、該ロツドを所定
の支持部材に対して球面摺動可能に連結するため
に、上記のような球面摺動機構を、その一端に又
は両端に設けた構成のものが用いられている。
そして、このような球面摺動型継手装置にあつ
ては、従来、実開昭55−84312号公報等に示され
ている如く、アウタ部材が金属製材料にて形成さ
れてなる構造とされていたが、近年、車両の軽量
化や耐腐食性の向上等を図る上に、かかるアウタ
部材を含むロツドを樹脂製のものに転換すること
が考えられてきており、本願出願人は、先に、特
開昭62−35109号公報や特開昭63−13912号公報等
において、そのような球面摺動機構を備えた樹脂
製ロツドを有利に実現し得る技術を明らかにし
た。
ところで、このような球面摺動型継手装置で
は、その摺動性能が、摺動面への塵や泥等の侵入
によつて阻害され易いために、通常、環状乃至は
筒状のダストカバーが、その内周縁部においてイ
ンナ部材に、外周縁部においてアウタ部材に、そ
れぞれ取り付けられて、該アウタ部材におけるソ
ケツトの開口部を閉塞し、摺動面を外部空間から
シールするように配されることとなる。
ところが、かかるダストカバーのアウタ部材に
対する取付けは、従来の金属製のものにおいて
は、スナツプリングによる圧着や、或いは該ダス
トカバーに加流接着された金属リングをアウタ部
材の取付穴内に圧入すること等によつて、比較的
容易に行なうことが可能であるが、上述の如き、
アウタ部材が合成樹脂製のものにあつては、成形
時の樹脂の収縮等によつて成形品寸法にばらつき
が生じ易いこと、及び樹脂の特性上、強度が小さ
く、クリープが発生し易いことから、そのような
取付方法では、充分な保持力(固定力)を安定し
て得ることが困難で、且つその保持力が経時的に
低下し易いために、目的とするシール性及び保持
力が得られ難いといつた問題を有していたのであ
る。
また、かかるダストカバーの取付けに際して通
常の樹脂製品の接合に用いられている接着剤を使
用することも考えられるが、接着剤の使用は、そ
の塗布に工数がかかり、量産に適していないこと
に加えて、接着強度を安定して得難いために、満
足できるシール性及び保持力を得ることは、困難
であるのである。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背
景として為されたものであり、その解決課題とす
るところは、インナ金具を球面摺動可能に保持す
るアウタ部材が合成樹脂材料にて形成された球面
摺動型継手装置であつて、かかる球面摺動部位の
外部空間からのシールが、製作性の低下を伴うこ
となく、有利に且つ低コストにと実現され得るシ
ール機構を備えた球面摺動型継手装置を提供する
ことにある。
(解決手段) そして、かかる課題を解決すべく、本発明にあ
つては、インナ金具に設けられた球状外周面を有
する嵌合部を、合成樹脂材料にて形成されたアウ
タ部材のソケツト内に収容、保持せしめて、それ
らインナ金具とアウタ部材を接続すると共に、か
かる嵌合部にて該インナ金具の前記アウタ部材に
対する相対的な球面摺動を行なわせるようにした
球面摺動型継手装置において、前記インナ金具と
前記アウタ部材との間に、それらの摺動境界部分
を覆うように、環状乃至は筒状のダストカバーを
配し、該ダストカバーの内周縁部を、前記インナ
金具の外周面に装着せしめる一方、前記アウタ部
材におけるソケツト開口部の周りに、外方に向つ
て拡大するテーパ状内壁面を周方向に連続して設
けて、かかるダストカバーの外周縁部を、その径
方向内方への移動が規制された状態で、該内壁面
の内側に所定距離を隔てて対向位置せしめると共
に、該内壁面に対応したテーパ状外周面を有する
環状の合成樹脂製固定部材を、それらダストカバ
ーと内壁面との間に嵌入配置せしめて、該固定部
材のテーパ状外周面を前記アウタ部材のテーパ状
内壁面に対して、溶接にて接合、一体化すること
により、該固定部材にて該ダストカバーの外周縁
部を、前記アウタ部材のソケツト開口部の周りに
固定せしめたことを、その特徴とするものであ
る。
(実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするため
に、本発明の実施例について、図面を参照しつ
つ、詳細に説明することとする。
先ず、第1図には、本発明に従う構造とされた
球面摺動型継手装置の一具体例における縦断面図
が示されている。かかる図において、10は、所
定の合成樹脂材料にて形成された、アウタ部材と
してのロツドであり、その長手方向の一端部にお
いて、中央部内周面が球状凹面12とされたソケ
ツト孔14が、ロツド10の厚さ方向に貫通して
設けられている一方、長手方向の他端部には、ロ
ツド10の厚さ方向に設けられた貫通孔の一開口
部が、支持体13にて閉塞されることにより、そ
の内周面が球状凹面16とされたソケツト穴18
が設けられている。
そして、かかるロツド10のソケツト孔14内
には、該ロツド10に連結されるべき部材が挿通
固定される内孔20を備えた円筒形状のピロボー
ル金具22が、挿通配置せしめられている。ま
た、このピロボール金具22は、軸方向中央部に
おいて、前記ソケツト孔14の球状凹面12に略
対応した球状外周面を有するボール部24を有し
ており、そしてこのボール部24が、前記ソケツ
ト孔14内の球状凹面12部分に収容、位置せし
められている。
また、これらロツド10のソケツト孔14にお
ける球状凹面12と、そこに収容されたピロボー
ル金具22のボール部24との間には、略円筒形
状の弾性摺接体26が介装せしめられており、そ
れによつてかかるピロボール金具22が、該弾性
摺接体26を介して、ロツド10に対して球面摺
動可能に接続されているのである。
また一方、前記ロツド10のソケツト穴18内
には、その基部28において、該ロツド10に連
結されるべき部材に対して一体的に連結されるボ
ール金具30が、その先端部において、挿入配置
せしめられている。また、かかるロツド10のソ
ケツト穴18内に収容されるボール金具30の先
端部は、前記ソケツト穴18の球状凹面16に略
対応した球状外周面を有するボール部32とされ
ている。
さらに、これらロツド10のソケツト穴18に
おける球状凹面16と、そこに収容されたボール
金具30のボール部32との間には、略円筒形状
の弾性摺接体34が介装せしめられており、それ
によつてかかるボール金具30が、該弾性摺接体
34を介して、ロツド10に対して球面摺動可能
に接続されている。
すなわち、本実施例における球面摺動型継手装
置にあつては、アウタ部材たるロツド10の両端
部に、それぞれ、インナ部材たるピロボール金具
22及びボール金具30が、球面摺動可能に接続
せしめられた球面摺動型継手装置を備えているの
である。
なお、このような継手装置にあつては、例え
ば、前記特開昭63−13912号公報等に示されてい
る如き製造手法に従つて製造されることとなる。
すなわち、かかる継手装置の製造に際しては、
先ず、予め形成されたピロボール金具22及びボ
ール金具30に対して、弾性摺接体26,34を
嵌め込み、外装せしめた後、それらピロボール金
具22及びボール金具30を、それぞれ、ロツド
10を成形するための所定の金型内にセツトせし
め、更にその後、かかる射出成形用金型内に対し
て、所定の樹脂材料を射出せしめて、ロツド10
を成形することにより、目的とする継手装置が形
成されることとなるのである。なお、上記ボール
金具30の金型内へのセツトは、該ボール金具3
0を、別途形成された支持体13にて支持せしめ
た状態下に為されることとなる。
そして、かかる樹脂材料の射出成形によつて、
その流動化した射出樹脂の固化に伴い、弾性摺接
体26,34とロツド10の樹脂との接合が行な
われると共に、支持体13がロツド10内に一体
的に埋設せしめられ、形状効果及び樹脂の収縮に
よつて一体化が図られ得ることとなる。また、か
かる射出樹脂の射出圧によつて、弾性摺接体2
6,34に対して絞り効果が加えられて、その接
合が更に確実なものと為されることとなるのであ
り、それによつてピロボール金具22及びボール
金具30におけるボール部24,32の、ソケツ
ト孔14及びソケツト穴18内への収容、保持
が、かかる射出成形と同時に為され得るのであ
る。
なお、ここにおいて、前記ロツド10を形成す
る樹脂材料としては、通常、製品たる継手装置の
使用条件等に応じて、ナイロンやポリプロピレ
ン、アセタール等の各種の熱可塑性樹脂、或いは
そのような樹脂に対してガラス繊維やカーボン繊
維、ウイスカー等を加えて強度を向上せしめた強
化材配合樹脂等が好適に用いられることとなる。
また、弾性摺接体26,34の形成材料として
は、NR、SBR、NBR、EPDM、ウレタンゴム
等が、その使用条件(荷重や摺動トルク)等に合
わせて選択、採用されることとなるが、特にピロ
ボール金具22及びボール金具30に対する充分
な摺動性を確保する上に、摺動性能に優れたもの
が望ましく、そのために、必要に応じて、内周面
上に、フツ素樹脂繊維等の低摩擦性繊維を用いて
織成された摺動布等が配設せしめられることとな
る。
更にまた、支持体13の形成材料としては、樹
脂材料や金属材料等を採用することが可能である
が、その凹陥部36によつて、ボール金具30の
ボール部32に対する摺接面が構成されているこ
とから、ナイロンやポリアセタール樹脂、フツ素
樹脂等の摺動樹脂、或いは含油樹脂等が好適に用
いられることとなる。
ところで、このような構造とされた球面摺動型
継手装置にあつては、ピロボール金具22及びボ
ール金具30のボール部24,32と、弾性摺接
体26,34乃至は支持体13との間に形成され
た摺動面間に対する、塵や泥水等の異物の侵入に
よつて、その摺動性能が阻害され易い。そこで、
かかる球面摺動型継手装置においては、その摺動
面間を外部からシールするべく、摺動面が外部に
露呈することとなる各摺動境界部分38を覆うよ
うに、ピロボール金具22の軸方向両側端部及び
ボール金具30の基部28側部分と、ロツド10
におけるソケツト孔14及びソケツト穴18の開
口部の周りとの間に、それぞれ、ゴム弾性体にて
形成されたダストカバー40が配設されている。
かかるダストカバー40は、第2図に示されて
いるように、その径方向中央部において、湾曲し
たたるみ部42を有する、略円環板形状を呈して
いる。また、その内周縁部は、僅かに厚肉とさ
れ、且つ周方向に連続して延びる2状のシールリ
ツプ44,44を内周面に備えた嵌着部46とさ
れている一方、その外周縁部は、径方向外方に延
び、且つその端縁部において軸方向に延びる環状
の挟持片48を備えた取付部50とされている。
また、第1図及び第3図に示されているよう
に、前記ピロボール金具22及びボール金具30
における、ロツド10のソケツト孔14乃至はソ
ケツト穴18から外部に突出された部分の外周面
上には、それぞれ、周方全周に亘つて延びる嵌合
溝52が設けられており、そしてかかる嵌合溝5
2内に対して、前記ダストカバー40の嵌着部4
6が嵌め込まれることにより、該ダストカバー4
0がピロボール金具22(ボール金具30)に外
挿され、その内周面においてピロボール金具22
(ボール金具30)の外周面に圧着された状態で
固定されているのである。なお、かかる嵌合溝5
2は、外周面上に開口する略台形状断面にて形成
されており、そこに嵌め込まれるダストカバー4
0の嵌着部46との嵌着面間におけるシール性の
向上が図られている。
また一方、前記ロツド10におけるソケツト孔
14及びソケツト穴18の開口部の周りには、そ
れぞれ、該開口部から径方向に所定距離を隔てた
位置に、周方向全周に亘つて延びる凹溝54が形
成されている。かかる凹溝54にあつては、第3
図に示されているように、径方向内側壁部56
が、径方向外側壁部58よりも所定寸法低くされ
ていると共に、該径方向外側壁部58の内壁面6
0が、外方に向つて拡大するテーパ状面をもつて
形成されている。
そして、前記ダストカバー40は、その取付部
50が、かかる凹溝54の内側壁部56上に位置
せしめられて、且つその挟持片48が、該凹溝5
4内に入り込んだ状態で、配されることとなる。
なお、特に、該ダストカバー40の挟持片48
は、かかる凹溝54内への配設によつて、該凹溝
54の内側壁部56にて、その径方向内方への移
動が規制されると共に、該凹溝54の外側壁部5
8(内壁面60)に対して、径方向に所定距離を
隔てて対向位置する状態で、位置せしめられてい
る。
更にまた、かかるダストカバー40の取付部5
0(挟持片48)が配された凹溝54内には、第
4図に示されている如き、全体として略環状を呈
する固定リング62が、その内壁面60とダスト
カバー40の挟持片48との対向面間に対して嵌
め込まれることとなる。
ここにおいて、この固定リング62は、前記凹
溝54の内壁面60に付されたテーパに対応した
テーパ状の外周面64を有し、軸方向に厚さが変
化せしめられた略楔状断面をもつて形成されてい
る。また、この固定リング62は、適当な熱可塑
性樹脂にて形成されており、そして、第5図に示
されている如く、凹溝54の内壁面60と、該凹
溝54内に配されたダストカバー40の挟持片4
8との間に嵌め込まれた状態で、そのテーパ状の
外周面64と、凹溝54の内壁面60とを、公知
の超音波溶着等の摩擦溶接にて接合せしめること
により、第6図に示されているように、かかる凹
溝54内に対する圧入状態下に接合、一体化され
ている。即ち、かかる固定リング62を凹溝54
内に嵌め込み、そのテーパ状外周面64と、凹溝
54の内壁面60とを当接せしめた状態下に、所
定の超音波溶着装置にセツトせしめ、それら固定
リング62及び凹溝54(ロツド10)の何れか
一方、或いは両方に対して、超音波発信器と超音
波振動子(ホーン)66をもつて加圧しつつ超音
波振動を与えて相対運動を与えることによつて、
該固定リング62を凹溝54内に圧入せしめつ
つ、それらの接触領域に摩擦熱を発生させ、加熱
溶融させることにより、該固定リング62の凹溝
54内への超音波溶接が施されているのである。
また、そこにおいて、かかる固定リング62に
おける外周面64のテーパ径は、凹溝54におけ
る内壁面60のテーパ径よりも大きくされ、かか
る凹溝54内へのセツト状態下における。上述の
如き超音波溶接に際して、該固定リング62が、
更に内方に圧入されることにより、その外周面6
4と凹溝54の内壁面60との圧接力が有利に確
保され、以てその接合力が良好に得られるように
なつているのである。また、かかる固定リング6
2にあつては、溶接時における圧入に際し、発生
する摩擦熱による軟化およびその外周面64の内
壁面60に対する当接にて、径方向内方への変形
がし生ぜしめらることとなり、それによつて前記
ダストカバー40の挟持片48の外周面に対して
圧接され、該挟持片48を、凹溝54の内側壁部
56との間で挟持するようになつている。
さらに、この固定リング62にあつては、外部
に露出される側の軸方向端部において、径方向外
方に外ラウンジ状に延びる環状カバー部74を一
体的に有しており、そして、上述の如き、固定リ
ング62の凹溝54内への圧入、溶着に際して、
該環状カバー部74が、ロツド10における凹溝
54の外側壁部58に対して当接されることによ
つて、その圧入端が規定され得ることにより、か
かる固定リング62の溶着状態及び溶着強度の安
定化が有利に図られ得るようになつている。
なお、かかる環状カバー部74にて規定される
固定リング62の、溶着時における凹溝54内へ
の入り込み量、即ち第5図中、t1の値は、一般
に、0.2〜0.7mm程度に設定されることとなる。ま
た、かかる環状カバー部74による効果を得る上
に、通常、固定リング62の先端面と凹溝54の
底面との間の間隙(第5図中、t2)は、上記t1
略同一かそれよりも大きく設定されることとな
る。尤も、本実施例においては、t1≒t2とされ
て、固定リング62が、その外周面64のみなら
ず、その底面においても、凹溝54内に固着され
ており、更にまた、前記環状カバー部74の外側
壁部58に対する対向面も、凹溝54の開口部分
(外側壁部58端面)に対して溶着されているこ
とにより、その溶着面積が有利に確保され得るよ
うになつている。
更にまた、かかる固定リング62にあつては、
外部に露出される側の軸方向端部において、径方
向内方に内ラウンジ状に延びる環状係止片68を
備えている。そして、該固定リング62の、上述
の如き、凹溝54内への溶着によつて、第6図に
示されているように、かかる環状係止片68が、
ダストカバー40の取付部50に対して軸方向に
圧接されることにより、該取付部50における挟
圧片48の凹溝54からの抜け出しを阻止し得る
ようになつているのである。
なお、特に、本実施例においては、第5図及び
第6図に示されているように、かかる固定リング
62における環状係止片68のダストカバー40
に対する圧接面に、周方向に延びる係合溝70が
設けられている一方、ダストカバー40における
取付部50の被圧接面には、かかる係合溝70に
係止される環状の係合突起72が設けられてお
り、そして上述の如き、固定リング62の凹溝5
4内への圧入、溶着によつて、該係合突起72が
係合溝70内に係合されることにより、かかるダ
ストカバー40に対する係止がより強固に為され
得るようになつているのである。
従つて、上述の如き構造とされた球面摺動型継
手装置にあつては、ダストカバー40の外周縁部
が、ロツド10におけるソケツト孔14及びソケ
ツト穴18の周りに設けられた凹溝54内におい
て、その内側壁部56と固定リング62との間お
よび該凹溝54の底面と固定リング62の環状係
止片68との間で挟圧された状態下に取り付けら
れているところから、該ダストカバー40の取付
部位においても、充分なシール性が発揮され得る
のであり、以て前記球面摺動部位への塵や泥水の
侵入が極めて良好に防止され得ることとなるので
ある。
また、かかるダストカバー40の外周縁部を保
持する固定リング62は、ロツド10の凹溝54
内に対して、超音波溶接にて強固に接合されてお
り、そしてダストカバー40の外周縁部が、該固
定リング62と凹溝54の内面との間で、径方向
に挟持され、且つ軸方向に係止された状態で取り
付けられていることから、高い保持力が有効に発
揮され得るのである。
因みに、本発明者が、ロツド10に取り付けら
れたダストカバー40の取付部における保持力
(抜き力)を測定したところ、本実施例構造のも
のにあつては、151〜178Kgの保持力が安定して得
られた。それに対して、従来構造のものについ
て、同様な保持力の測定を行つたところ、ダスト
カバー40の外周縁部に金属リングを加硫接着
し、該金属リングをロツド10に対して圧入固定
したものにあつては、その保持力が3.8〜7.2Kgで
あり、またダストカバー40の外周縁部に金属リ
ングを加硫接着し、該金属リングをロツド10に
対して圧入した後、かかるロツドを熱かしめして
固定したものにあつては、その保持力が10.8〜
30.0Kgであり、更にダストカバー40の外周縁部
をロツド10に設けた凹溝内に接着剤を用いて固
定したものにあつては、その保持力が16〜30Kgで
あり、それらの何れも、充分な保持力を得られる
ものではなかつた。
すなわち、この測定結果からも、本実施例の継
手装置におけるダストカバーによるシール機能及
び取付保持力の優位性が明らかなところである。
また、このような構造とされた球面摺動型継手
装置にあつては、固定リング62のロツド10に
対する固定が溶融接合にて為されることから、金
属リングの圧入の如き、必要な保持力(圧入代)
を寸法精度によつて確保する手法とは異なり、製
造誤差等による寸法のばらつきが有利に吸収され
得ることとなるのであり、それ故充分な保持力が
安定して得られ、その信頼性を有利に確保するこ
とができるといつた利点を有しているのである。
さらに、かかる球面摺動型継手装置において
は、ダストカバー40に対して金属リング等を加
硫接着する必要がなく、また手作業による接着剤
の塗布工程等も不要であることから、その製造工
程の簡略化及び製造の低コスト化が図られ得ると
共に、特に例示の如き超音波溶接手法を採用する
ことによつて、固定リング62の溶着によるダス
トカバー40の取付けが、機械によつて瞬時に為
され得ることから、量産性にも優れているといつ
た特徴を有しているのである。
以上、本発明の一実施例について詳述してきた
が、これは文字通りの例示であつて、本発明は、
かかる具体例にのみ限定して解釈されるものでは
ない。
例えば、ダストカバー40の内周縁部の、ピロ
ボール金具22乃至はボール金具30に対する取
付構造は、前述の如き構造に限定されるものでは
なく、外挿にて取付可能であることから、そのシ
ール性の確保が比較的容易であり、また被取付面
が金属であることから、従来から公知の、スナツ
プリングによる嵌着手法や金属リングを用いた圧
入手法などによつて、固着或いは摺動可能に取り
付けるようにすることも可能である。
また、前記実施例においては、ダストカバー4
0の外周縁部における径方向内方への移動規制
が、凹溝54の内側壁部56にて為されていた
が、かかる凹溝54を設けることなく、該ダスト
カバー40の外周縁部の径方向内側に、硬質リン
グ等を配置乃至は接着せしめて、該リングにて移
動規制を行なうようにすることも可能である。
さらに、前記実施例においては、固定リング6
2によるダストカバー40の軸方向の固定が、該
固定リング62の環状係止片68による圧接にて
為されていたが、その他、例えばダストカバー4
0の挟持片48先端部を径方向外方に屈曲させ、
該屈曲部を、固定リング62の圧入側先端面にて
押さえることにより、或いはダストカバー40の
先端面を径方向内方に屈曲させる一方、該屈曲部
が嵌め込まれる係止溝を、凹溝54の内周面に設
けることによつて、軸方向に固定すること等も可
能である。
また、前記実施例では、固定リング62の溶着
時における凹溝54内への入り込み量が、環状カ
バー部74の外側壁部58の端面に対する当接に
よつて規定され得るようになつていたが、かかる
固定リング62の凹溝54内への入り込み量の規
定を、該固定リング62の先端面の凹溝54の底
面に対する当接によつて行なわしめることも可能
である。なお、そのような場合には、環状カバー
部74は必ずしも必要ではなく、また該環状カバ
ー部74を設ける場合には、第5図中、t2≦t1
なるように設定されることとなる。
更にまた、かかる固定リング62のロツド10
に対する溶接法としても、例示の如き超音波溶接
の他、熱溶接や高周波溶接等の公知の各種の溶接
手法が適宜採用され得るものである。
また、それら互いに溶着されるロツド10と固
定リング62とは、高い溶着強度を得る上に、そ
の両方が熱可塑性樹脂であることが望ましいが、
製品に要求される材質、強度等に応じて、その何
れか一方が熱可塑性樹脂のものであれば、本発明
は、有効に適用され得るものである。
加えて、本発明は、上述の如き、軸方向両端部
に球面摺動機構を備えたロツド部材の他にも各種
の球面摺動型継手装置に対して適用されることは
勿論であり、例えば、ソケツト孔を構成する部位
のみが樹脂材料にて形成されたアウタ部材を備え
た継手装置にも、良好に適用され得るものであ
る。
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者
の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、ま
たそのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱し
ない限り、何れも本発明の範囲内に含まれるもの
であることは、言うまでもないところである。
(発明の効果) 上述の説明から明らかなように、本発明に従え
ば、球面摺動型継手装置において、インナ金具と
アウタ部材との間に配されて、それらの摺動面に
対する塵や泥水等の異物の侵入を阻止するダスト
カバーのアウタ部材に対する取付固定が、かかる
アウタ部材に溶融接合される固定部材にて挟圧乃
至は係止せしめることにより為されることから、
かかるアウタ部材が合成樹脂製のものにおいて
も、充分な取付保持力が発揮され得て、優れたシ
ール性が得られることとなるのである。
また、かかる継手装置にあつては、固定部材の
アウタ部材に対する接合が、溶着にて為されるこ
とから、強固な接合力が安定して発揮され、特に
製造誤差等に起因する寸法のばらつきも有利に吸
収され得て、その優れたシール性が高い信頼性の
もとに安定して発揮され得ると共に、機械化によ
る低コストでの量産が有利に実現され得るのであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例たる球面摺動型継
手装置を示す縦断面図であり、第2図は、かかる
球面摺動型継手装置を構成するダストカバーを取
り出して示す断面図である。また、第3図は、か
かるダストカバーのロツドに対する取付状態を説
明するための要部拡大断面図であり、第4図は、
かかるダストカバーをロツドに対して固定する固
定リングを取り出して示す断面図であり、第5図
は、かかる固定リングのロツドに対する取付操作
を説明するための要部拡大断面図である。更に、
第6図は、第1図に示されている球面摺動型継手
装置の要部を拡大して示す断面説明図である。 10……ロツド(アウタ部材)、12……球状
凹面、14……ソケツト孔、16……球状凹面、
18……ソケツト穴、22……ピロボール金具、
24……ボール部、30……ボール金具、32…
…ボール部、38……摺動境界部分、40……ダ
ストカバー、46……嵌着部、50……取付部、
54……凹溝、56……内側壁部、58……外側
壁部、60……内壁面、62……固定リング、6
6……超音波振動子、68……環状係止片。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 インナ金具に設けられた球状外周面を有する
    嵌合部を、合成樹脂材料にて形成されたアウタ部
    材のソケツト内に収容、保持せしめて、それらイ
    ンナ金具とアウタ部材を接続すると共に、かかる
    嵌合部にて該インナ金具の前記アウタ部材に対す
    る相対的な球面摺動を行なわせるようにした球面
    摺動型継手装置において、 前記インナ金具と前記アウタ部材との間に、そ
    れらの摺動境界部分を覆うように、環状乃至は筒
    状のダストカバーを配し、該ダストカバーの内周
    縁部を、前記インナ金具の外周面に装着せしめる
    一方、前記アウタ部材におけるソケツト開口部の
    周りに、外方に向つて拡大するテーパ状内壁面を
    周方向に連続して設けて、かかるダストカバーの
    外周縁部を、その径方向内方への移動が規制され
    た状態で、該内壁面の内側に所定距離を隔てて対
    向位置せしめると共に、該内壁面に対応したテー
    パ状外周面を有する環状の合成樹脂製固定部材
    を、それらダストカバーと内壁面との間に嵌入配
    置せしめて、該固定部材のテーパ状外周面を前記
    アウタ部材のテーパ状内壁面に対して、溶接にて
    接合、一体化することにより、該固定部材にて該
    ダストカバーの外周縁部を、前記アウタ部材のソ
    ケツト開口部の周りに固定せしめたことを特徴と
    する球面摺動型継手装置。
JP17880088A 1988-07-18 1988-07-18 球面摺動型継手装置 Granted JPH0231019A (ja)

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