JPH05179440A - マグネトロン型スパッタカソード - Google Patents

マグネトロン型スパッタカソード

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JPH05179440A
JPH05179440A JP3553792A JP3553792A JPH05179440A JP H05179440 A JPH05179440 A JP H05179440A JP 3553792 A JP3553792 A JP 3553792A JP 3553792 A JP3553792 A JP 3553792A JP H05179440 A JPH05179440 A JP H05179440A
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center
magnetic
flux density
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JP3553792A
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Inventor
Yoshito Kamatani
吉人 鎌谷
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ターゲットの浸食・最大浸食深さ・浸食断面
積等のバラツキを減少させ、ターゲット全体の堆積利用
率を向上させる。 【構成】 ターゲット6背後の中央部近傍とその外周に
磁気発生手段1、2を設け、磁束密度成分の傾きが中央
と外周の間で略零となる様にしたマグネトロン型スパッ
タカソードに於て、タ−ゲット6上近傍の垂直方向の磁
束密度成分のゼロ点を、ターゲット6上面の中央から外
周方向に移動させうる磁界調整手段60、67を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマグネトロンスパッタリ
ング技術に係わり、特に成膜物質から成り、薄膜の原料
と言えるターゲット材料の利用効率の高いマグネトロン
型スパッタカソード関するものである。
【0002】
【従来の技術】マグネトロンスパッタリング技術は、電
場と磁場が直交するいわゆるマグネトロン放電を利用す
るため、低温高速スパッタリングが可能で、以前の2極
スパッタリング等に比べて多くの長所を有する反面、マ
グネトロン磁場の内、特にターゲット上近傍の垂直方向
磁束密度成分のゼロ点近傍に高密度プラズマが集中し、
この部分が著しく侵食され、略V字形状の侵食形態をと
るため、その体積利用率は、およそ20%程度であり、
高価なターゲット材料を用いて成膜する場合、特に問題
と成っていた。
【0003】この点を改善する目的で、ターゲット直上
面近傍の中央から外周に到る範囲の磁束密度分布に於
て、垂直方向の磁束密度成分の傾きが、中央と外周の間
で、略零となる様にした、いわゆるワイドエロージョン
カソードが考案されている。この従来技術のカソードを
図11に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ターゲット前方・上面
近傍のマグネトロン磁場(閉じた漏洩磁界分布)を改良
し、垂直・水平成分の内、垂直方向の磁束密度成分の傾
きが、ターゲット直上面近傍の中央と外周の間で略零と
なる様するために、通常、磁気発生手段の形状・構成・
磁界発生方向等を変更したり、磁気バイパス手段を配置
すると、高密度プラズマはターゲットの半径方向、又
は、ターゲット中央から外周方向の広い範囲で発生す
る。
【0005】ところが、上記、高密度プラズマの中で
も、最も密度の高いものが発生する位置は、垂直方向の
磁束密度成分のゼロ点(0[Gauss]と交わり正か
ら負、又は、負から正へと変化する点)であるため、タ
ーゲットの他の部分に比べ、この位置での侵食の割合が
増大する傾向にある。
【0006】上記、垂直方向の磁束密度成分のゼロ点を
マグネトロン磁場を形成している環状、又は、レースト
ラック状の中心軸(又は、中心面)を含む任意断面に於
て、全て同一の半径(又は、中央からの距離)に保つこ
とは、製作技術面で不可能であるため、該任意断面での
ターゲットの侵食形状・最大侵食深さ・侵食断面積等に
バラツキを生じ、特にターゲット寿命を決定する最大侵
食深さのバラツキは、ターゲット全体の堆積利用率に大
きく影響する。
【0007】また、矩形のカソードに於て、レーストラ
ック状のマグネトロン磁界の中心軸(又は、中心面)を
含む任意断面の磁界分布を観測するとリニア部とコーナ
ー部との差異が大きいので、上記バラツキを補正するの
に多大な時間や労力を費やすと言った問題点が有った。
【0008】従来技術の一例として、8×22インチの
矩形ターゲット用のマグネトロン型スパッタカソードを
例にとり、図11〜図15によりその問題点を、以下説
明する。図11〜図15において、1は中央磁極、2は
外周磁極、5は磁気バイパス手段、6は成膜物質より成
るターゲット、7は永久磁石から成る中間磁極、9はバ
ッキングプレート、8は基板、11はトンネル状の磁力
線(マグネトロン磁界)の模式図、14は環状のプラズ
マの断面模式図、15は侵食された部分を表す断面模式
図、22は水配管である。
【0009】図11では、高透磁率体から成り、バッキ
ングプレート9裏面に載置、又は、埋め込み可能な磁気
バイパス手段5を中央磁極1と外周磁極2の間に設け、
ターゲット直上面近傍の中央から外周に到る範囲の磁束
密度分布の垂直方向の磁束密度成分の傾きが中央と外周
のとの間で略零となる様にした従来技術の短辺方向の断
面図を示しているが、ある断面では、ターゲット6の侵
食形態は15の様に成る。
【0010】ところが、ターゲット6を図12に示す
〜▲11▼の断面位置で侵食形状を観察すると、図13
〜図15に示す様に、ターゲット使用開始直後の侵食形
状・最大侵食深さ・侵食断面積等のバラツキは小さいも
のの、寿命時点では、これらのバラツキが増大する。
【0011】図13〜図15に示す各断面の最大侵食深
さの内、図15に示すの断面位置のものが最も大であ
り、ターゲット6の底部を貫通寸前であるため、他の断
面形状に於ける最大侵食深さに余裕が有っても、これ以
上、ターゲットを使用することが不可能に成り、ターゲ
ット全体の体積利用率を低下させている。
【0012】<発明の目的>従来のワイドエロージョン
タイプと呼ばれるカソードに於て、ターゲット上近傍で
マグネトロン磁場を形成している環状、又はレーストラ
ック状の中心軸(又は、中心面)を含む任意断面でのタ
ーゲットの侵食形状・最大侵食深さ・侵食断面積等のバ
ラツキを減少させ、ターゲット全体の堆積利用率をさら
に向上させたマグネトロン型スパッタカソードを提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、ターゲッ
ト背後の、中央部近傍に配置した磁気発生手段と、その
外周に環状に配置した磁気発生手段を具備し、ターゲッ
ト前方に閉じた漏洩磁界分布(マグネトロン磁場)を得
る様にし、かつ、ターゲット直上面近傍の中央から外周
に到る範囲の磁束密度分布の垂直方向の磁束密度成分の
傾きが、中央と外周の間で、略零となる様にしたのもに
於て、ターゲット上近傍の垂直方向の磁束密度成分のゼ
ロ点を、ターゲット上面の半径方向、又は、ターゲット
中央から外周方向に移動させうる磁界調整手段を具備す
ることによって上記問題点を解決した。
【0014】
【作用】従来のワイドエロージョンタイプと呼ばれるカ
ソードに於て、ターゲット上近傍の垂直方向の磁束密度
成分のゼロ点を、ターゲット上面の半径方向、又は、タ
ーゲット中央から外周方向に移勤させうる磁界調整手段
の調整により、該ゼロ点を周期的に中央から外周の間を
移動させると、高密度プラズマの発生位置がこれに追従
移動するため、ターゲット上近傍でマグネトロン磁場を
形成している環状、又は、レーストラック状の中心軸
(又は、中心面)を含む任意断面でのターゲットの最大
侵食位置を周期的に移動させることが可能と成る。
【0015】このため、該任意断面に於ける侵食形状・
最大侵食深さ・侵食断面積等のバラツキが減少し、ター
ゲット全体の堆積利用率をさらに向上することが出来
る。
【0016】一方、ワイドエロージョンタイプと呼ばれ
るカソード場合、ターゲット面に対し垂直方向の磁束密
度成分の傾きが、ターゲット直上面近傍の中央と外周の
間で略零と成っているので、高密度プラズマの移動に必
要な磁界調整手段による磁界は僅かで良いため、マグネ
トロン磁場の水平成分の変化が少なく、ターゲット上の
プラズマ密度の変動が小さく、放電インピーダンスや成
膜スピードに与える影響がごく僅かであると同時に、基
板とターゲット間の磁界の変動も小さいので基板近傍の
イオン電流密度(荷電粒子密度)に与える影響も殆ど無
視できる状態である。
【0017】
【実施例】本発明の実施例として、8×22インチの矩
形ターゲット用のマグネトロン型スパッタカソードを例
にとり、図1〜図10により以下説明する。図1〜図1
0において、1はターゲット裏面の中央部近傍に配置し
た磁気発生手段である永久磁石から成る中央磁極、2は
ターゲット裏面の外周に環状に配置した磁気発生手段で
ある永久磁石から成る外周磁極、4は中央磁極1と外周
磁極2を磁気的に結合する軟磁性体又は高透磁率体から
成るヨーク、5は軟磁性体又は高透磁率体から成り主に
ターゲット直上面近傍の漏洩磁界分布補正用の磁気バイ
パス手段、6は成膜物質より成るターゲット、7は永久
磁石から成る中間磁極、9はターゲット6の裏面に設け
たバッキングプレート、8は基板、11はターゲット6
裏面の各磁気要素により形成されるトンネル状の磁力線
(マグネトロン磁界)の模式図、14はトンネル状の磁
力線11により閉し込められた環状のプラズマの断面模
式図、15はプラズマ14中のスパッタ用ガスイオンの
衝突によりターゲット6が侵食された部分を表す断面模
式図、22はターゲット6およびカソード内部を冷却す
る水配管、67はターゲット上近傍の垂直方向の磁束密
度成分のゼロ点を、ターゲット上面のターゲット中央か
ら外周方向(半径方向)に移動させる磁界調整手段であ
る環状の電磁石(ソレノイドコイル)、60は電磁石6
7に励磁電流を供給する励磁電源、63は電磁石67の
励磁方向を示す模式図である。
【0018】以上の主要構成要素からなる図1〜図6に
示す本発明の第1の実施例は以下のように動作する。
【0019】ターゲット6裏面に配置した各磁気発生手
段により、ターゲット6の前方に磁力線11が形成され
る。該マグネトロン型スパッタカソードは、従来品と同
様に真空処理室に基板8と対向して設置され、スパッタ
ガス導入後、ターゲット6へグロー放電用の高圧電源よ
り電力を供給すると、磁力線11に閉じ込められたスパ
ッタリング用の高密度プラズマ14が発生する。
【0020】この磁力線11の磁束密度分布の中央から
外周に到る範囲において、ターゲット面に対し中央と外
周の間で垂直方向の磁束密度成分の傾きが略零となる、
いわゆるワイドエロージョンタイプと呼ばれるカソード
の様に各磁気要素が構成・配置してある。
【0021】この時、外周磁極2の近傍に配置した磁界
調整手段である電磁石67に供給する励磁電流密度を0
[A/mm]に設定しておけば、ターゲット6上の漏
洩磁界分布の垂直・水平の各成分は、図2に示す様な形
態になるため、スパッタリングに寄与するターゲット6
直上近傍の高密度プラズマ14の発生位置の中心は、タ
ーゲット短尺方向の中央より58[mm]の所となり、
図1に示す様な断面形態となる。この高密度プラズマ1
4中のアルゴンガスイオンは陰極降下(カソードフォー
ル)により加速されターゲット6の上記、中央から58
[mm]の所が最も多く(プラズマ14中のアルゴンガ
スイオンの密度分布に略比例)衝突し、ターゲット原子
をたたき出す。たたき出されたターゲット原子が基板8
表面に堆積し、スパッタリング成膜機能を果たすと同時
に、ターゲット6の中心から58[mm]の近傍が最も
深く侵食する。
【0022】同様に、電磁石67に供給する励磁電流密
度を+5[A/mm](図3に示す励磁方向模式図6
3の矢印方向)に設定しておけば、漏洩磁界分布の垂直
・水平の各成分は、図4に示す様になるため、ターゲッ
ト6の中央から34[mm]の近傍が侵食する。
【0023】同様に、電磁石67に供給する励磁電流密
度を−5[A/mm](図5に示す励磁方向模式図6
3の矢印方向)に設定しておけば、漏洩磁界分布の垂直
・水平の各成分は、図6に示す様になるため、ターゲッ
ト6の中央から77[mm]の近傍が侵食する。
【0024】従って、本発明の第1の実施例によれば、
高密度プラズマの発生領域の中心の移動幅が43[m
m](ターゲット短尺方向の中心より34[mm]〜7
7[mm]の間)なので、ターゲット上近傍の垂直方向
の磁束密度成分のゼロ点を、ターゲット中央から外周方
向に移動させうる磁界調整手段である電磁石67の励磁
により、高密度プラズマの各位置に滞在する時間調整を
最適化し、ターゲット寿命に到るまで繰り返し周期的に
移動させ制御することで、図13〜図15に示す様な従
来技術を適用したターゲット寿命時の侵食状態の各断面
に於ける侵食形状・最大侵食深さ・侵食断面積等のバラ
ツキが減少するため、成膜物質から成るターゲット材料
の体積利用効率は、40[%]以上とすることが可能で
ある。
【0025】図7は、本発明の第2の実施例で、本発明
の第1の実施例で示したカソードの中央磁極1と外周磁
極2が斜め着磁の永久磁石で構成しているのに比べ、一
般的な磁石を複数用い、その配向を縦横に組合せること
で、同様の磁界分布を得たものに磁界調整手段として電
磁石67を具備し、ターゲット上近傍の垂直方向の磁束
密度成分のゼロ点を、ターゲット中央から外周方向に移
動させることが可能なカソードを示している。
【0026】図8は、本発明の第3の実施例で、中央磁
極1と外周磁極2はターゲット6の面と平行な面に対
し、永久磁石の配向を各々+90度と−90度の角度と
し環状に配置し、高透磁率体から成る磁気バイパス手段
5と中間磁極7を設け、ターゲット直上面近傍の中央か
ら外周に到る範囲の磁束密度分布の垂直方向の磁束密度
成分の傾きが中央と外周のとの間で略零となる様にした
ものに、磁界調整手段として電磁石67を具備し、ター
ゲット上近傍の垂直方向の磁束密度成分のゼロ点を、タ
ーゲット中央から外周方向に移動させることが可能なカ
ソードを示している。
【0027】図9は、本発明の第4の実施例で、中央磁
極1と外周磁極2はターゲット6の面と平行な面に対
し、永久磁石の配向を各々+90度と−90度の角度と
し環状に配置し、高透磁率体から成る磁気バイパス手段
5を中央磁極1と外周磁極2の間に設け、ターゲット直
上面近傍の中央から外周に到る範囲の磁束密度分布の垂
直方向の磁束密度成分の傾きが中央と外周のとの間で略
零となる様にしたものに、磁界調整手段として電磁石6
7を具備し、ターゲット上近傍の垂直方向の磁束密度成
分のゼロ点を、ターゲット中央から外周方向に移勤させ
ることが可能なカソードを示している。
【0028】図10は、本発明の第5の実施例で、中央
磁極1と外周磁極2はターゲット6の面と平行な面に対
し、永久磁石の配向を各々+90度と−90度の角度と
し環状に配置し、高透磁率体から成り、バッキングプレ
ート9裏面に載置、又は、埋め込み可能な磁気バイパス
手段5を中央磁極1と外周磁極2の間に設け、ターゲッ
ト直上面近傍の中央から外周に到る範囲の磁束密度分布
の垂直方向の磁束密度成分の傾きが中央と外周のとの間
で略零となる様にしたものに、磁界調整手段として電磁
石67を具備し、ターゲット上近傍の垂直方向の磁束密
度成分のゼロ点を、ターゲット中央から外周方向に移動
させることが可能なカソードを示している。
【0029】本発明の実施例では、ターゲット上近傍の
垂直方向の磁束密度成分のゼロ点を、ターゲット上面の
半径方向、又は、ターゲット中央から外周方向に移動さ
せるための磁界調整手段として電磁石67を外周磁極2
の近傍の外側に配置したものを示したが、該磁界調整手
段は外周磁極2の内側でも良く、又、中央磁極1及び外
周磁極2のそれぞれの近傍に複数配置しても同様の効果
が得られるので、図1、図3、図5、及び、図7〜図1
0に示す本発明の第1〜第5の実施例に限定されるもの
では無い。
【0030】又、本発明の特徴である上記の磁界調整手
段は、ターゲット背後の中央部近傍に配置した磁気発生
手段と、その外周に環状に配置した磁気発生手段によ
り、ターゲット前方に閉じた漏洩磁界分布(マグネトロ
ン磁場)を得る様にし、かつ、ターゲット直上面近傍の
中央から外周に到る範囲の磁束密度分布の垂直方向の磁
束密度成分の傾きが、中央と外周の間で略零となる様に
した、いわゆるワイドエロージョンタイプと呼ばれるカ
ソードの磁気構造、及び、配置であれば、全てに適用が
可能であるため、図1、図3、図5、及び、図7〜図1
0に示す本発明の第1〜第5の実施例に限定されるもの
では無い。
【0031】従って、図1、図3、図5、及び、図7〜
図10に示す本発明の第1〜第5の実施例で示した各永
久磁石のN極、S極の極性と電磁石の励磁方向を全く逆
にしても、同様の効果が得られることはもとより、各永
久磁石は環状又は楕円状の一体成形品を着磁したもの、
小片磁石を環状又は楕円状に集積したもののいずれでも
良い。
【0032】さらに、図10では、ターゲット直上面近
傍の中央から外周に到る範囲の磁束密度分布の垂直方向
の磁束密度成分の傾きが中央と外周のとの間で略零とな
る様にするため、高透磁率体から成る磁気バイパス手段
5を中央磁極1と外周磁極2の間に設け、これに磁界調
整手段として電磁石67を具備したカソードを示した
が、該磁気バイパス手段5は、バッキングプレート9裏
面に載置、又は、埋め込んでも同等の効果が得られる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、ターゲット前方に閉じ
た漏洩磁界分布(マグネトロン磁場)を得る様にし、か
つ、ターゲット直上面近傍の中央から外周に到る範囲の
磁束密度分布の垂直方向の磁束密度成分の傾きが、中央
と外周の間で、略零となる様にした、いわゆるワイドエ
ロージョンタイプと呼ばれるスパッタカソードに於て、
該垂直方向の磁束密度成分のゼロ点を、ターゲット上面
の半径方向、又は、ターゲット中央から外周方向に移動
させる磁界調整手段を具備することにより、ターゲット
上近傍でマグネトロン磁場を形成している環状、又は、
レーストラック状の中心軸(又は、中心面)を含む任意
断面でのターゲットの侵食形状・最大侵食深さ・侵食断
面積等のバラツキを減少させ、ターゲット全体の堆積利
用率をさらに向上させたマグネトロン型スパッタカソー
ドを提供することが出来る。
【0034】なお、ワイドエロージョンタイプと呼ばれ
るカソード場合、ターゲット面に対し垂直方向の磁束密
度成分の傾きが、ターゲット直上面近傍の中央と外周の
間で略零と成っているので、高密度プラズマの移動に必
要な磁界調整手段による磁界は僅かで良いため、マグネ
トロン磁場の水平成分の変化が少なく、ターゲット上の
プラズマ密度の変動が小さく、放電インピーダンスや成
膜スピードに与える影響がごく僅かであると同時に、基
板とターゲット間の磁界の変動も小さいので基板近傍の
イオン電流密度(荷電粒子密度)に与える影響も殆ど無
視できる状態であるため、例えば、ITO(インジウム
とスズ合金の酸化物)に代表されるスパッタリング特性
に敏感な(スパッタリングの諸特性が成膜中に変化して
は好ましく無いもの)膜を成膜する際にも、高いターゲ
ット利用率で所望の膜質の成膜を可能としたマグネトロ
ン型スパッタカソードを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例で、磁界調整手段である
電磁石を励磁しない状態で、高密度プラズマが移動範囲
の略中間に位置する場合のカソード部の断面構造の概略
と、それにより生成されるプラズマ及びターゲットの侵
食状態を示したカソードの断面概略図である。
【図2】本発明の第1の実施例で図1に示した断面構造
を有するカソード部の磁気要素が発生する、漏洩磁界の
ターゲット直上面の中央から外周に到る範囲のターゲッ
ト面に対し水平方向の磁束密度成分と、垂直方向の磁束
密度成分を表す線図である。
【図3】本発明の第1の実施例で、磁界調整手段である
電磁石を励磁して、プラズマが移動範囲の最内周に位置
する場合のカソード部の断面構造の概略と、それにより
生成されるプラズマ及びターゲットの侵食状態を示した
カソードの断面概略図である。
【図4】本発明の第1の実施例で図3に示した断面構造
を有するカソード部の磁気要素の全てが発生する漏洩磁
界のターゲット直上面の中心から外周に到る範囲のター
ゲット面に対し水平方向の磁束密度成分と、垂直方向の
磁束密度成分を表す線図である。
【図5】本発明の第1の実施例で、磁界調整手段である
電磁石を励磁して、プラズマが移動範囲の最外周に位置
する場合のカソード部の断面構造の概略と、それにより
生成されるプラズマ及びターゲットの侵食状態を示した
カソードの断面概略図である。
【図6】本発明の第1の実施例で図5に示した断面構造
を有するカソード部の磁気要素の全てが発生する漏洩磁
界のターゲット直上面の中心から外周に到る範囲のター
ゲット面に対し水平方向の磁束密度成分と、垂直方向の
磁束密度成分を表す線図である。
【図7】本発明の第2の実施例を示したカソードの断面
概略図である。
【図8】本発明の第3の実施例を示したカソードの断面
概略図である。
【図9】本発明の第4の実施例を示したカソードの断面
概略図である。
【図10】本発明の第5の実施例を示したカソードの断
面概略図である。
【図11】従来技術の例を示したカソードの断面概略図
である。
【図12】従来技術を適用した場合のターゲット侵食形
態の断面を観測した位置を示したターゲット全体斜視図
である。
【図13】図12に示すターゲット侵食形態の断面観測
位置に於けるターゲット使用直後、及び、寿命時の断
面概略図である。
【図14】図12に示すターゲット侵食形態の断面観測
位置に於けるターゲット使用直後、及び、寿命時の断
面概略図である。
【図15】図12に示すターゲット侵食形態の断面観測
位置、及び、に於けるターゲット使用直後、及び、
寿命時の断面概略図である。
【符号の説明】
1 中央磁極 2 外周磁極 4 軟磁性体ヨーク 5 高透磁率体の磁気バイパス手段 6 ターゲット 7 中間磁極 8 基板 9 バッキングプレート 11 磁力線の模式図 14 プラズマの断面模式図 15 ターゲソトの侵食を表す断面模式図 22 水配管 60 励磁電源 63 電磁石の励磁方向を示す模式図 67 電磁石 〜▲11▼ ターゲット侵食形態の断面観測位置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲット背後の、中央部近傍に配置し
    た磁気発生手段と、その外周に環状に配置した磁気発生
    手段を設け、ターゲット前方に閉じた漏洩磁界分布のマ
    グネトロン磁場を得るうにし、 かつ、ターゲット直上
    面近傍の中央から外周に到る範囲の磁束密度分布の垂直
    方向の磁束密度成分の傾きが、中央と外周の間で、略零
    となる様にしたのもに於て、ターゲット上近傍の垂直方
    向の磁束密度成分のゼロ点を、ターゲット上面の半径方
    向、又は、ターゲット中央から外周方向に移動させうる
    磁界調整手段を具備したことを特徴とするマグネトロン
    型スパッタカソード。
JP3553792A 1992-01-07 1992-01-07 マグネトロン型スパッタカソード Pending JPH05179440A (ja)

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