JPH05179306A - Fe系合金部材の製造方法 - Google Patents

Fe系合金部材の製造方法

Info

Publication number
JPH05179306A
JPH05179306A JP32914391A JP32914391A JPH05179306A JP H05179306 A JPH05179306 A JP H05179306A JP 32914391 A JP32914391 A JP 32914391A JP 32914391 A JP32914391 A JP 32914391A JP H05179306 A JPH05179306 A JP H05179306A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compact
die
punch
powder compact
density ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32914391A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Kakehashi
伸一郎 梯
Toshiro Kimura
敏郎 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP32914391A priority Critical patent/JPH05179306A/ja
Publication of JPH05179306A publication Critical patent/JPH05179306A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B11/00Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses
    • B30B11/02Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses using a ram exerting pressure on the material in a moulding space
    • B30B11/027Particular press methods or systems

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Forging (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 Fe系合金を主組成物とする材料を成形する
場合に、粒界結合の形成を容易化することにより、必要
な加圧力の低減、材料の加熱温度の低下、加圧保持時間
の削減を図り、生産性を高める。 【構成】 Fe系合金を主組成物とする材料粉末を冷間
で加圧し、密度比50〜97%の圧粉成形体Pを形成し
た後、この圧粉成形体Pを加熱してダイ1の内部に挿入
し、上パンチ3および下パンチ2により圧粉成形体Pを
密度比85〜98%まで加圧成形したうえ、ダイ1の内
部に余剰空間を画成し、さらにこの余剰空間内への材料
流れを生じさせつつ圧粉成形体Pに変形の自由度を与え
ることにより、圧粉成形体Pを密度比98〜100%、
必要に応じては塑性変形域まで連続的に圧縮し、成形品
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はFe系合金部材の粉末鍛
造方法に係わり、特に、従来法よりも成形条件が緩和で
きる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、C,Cu,Ni,Cr,Mo,
W,V等を含有するFe系合金からなる成形体を材料粉
末から製造する場合には、従来、焼結あるいは焼結鍛造
等の製造方法が一般的に採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記焼結ま
たは焼結鍛造では、Fe系合金粒子同志の接合のため
に、長時間の加熱保持、および相当に高い温度,高い圧
力を必要とするために、製造コストがかかる、またはプ
レス設備に要求される能力が高く、生産性が低いという
問題を有していた。
【0004】例えば、この種の合金を焼結により成形す
る場合、予め5〜6ton/cm2の圧力で冷間加圧成
形された圧粉成形体を、1100〜1150℃,H2
たはNH3分解ガス等の還元雰囲気で、0.5〜1h加
熱保持して製造されている。
【0005】さらに、強度,寸法精度を要求される部品
については、上記加熱保持を950〜1100℃で行
い、第1次焼結した後、1100℃に加熱された第1次
焼結体を6〜8ton/cm2の衝撃圧力でコイニング
またはフォージングを行い、密度比97〜100%に
し、さらに必要ならば1100〜1150℃で第2次焼
結を行って製造されている。
【0006】また、上記工程を経ても、成形体内に微小
な気孔が残存し、鍛造工具面の近傍には、欠陥が残存す
るという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、本発明の第1の製造方法
は、Fe系合金を主組成物とする材料粉末を冷間で加圧
し、密度比50〜97%の圧粉成形体を形成した後、こ
の圧粉成形体を加熱してダイの内部に挿入し、上パンチ
および下パンチにより圧粉成形体を密度比85〜98%
まで加圧成形したうえ、前記ダイの内部に余剰空間を画
成し、さらにこの余剰空間内への材料流れを生じさせつ
つ圧粉成形体に変形の自由度を与えることにより、圧粉
成形体を密度比98〜100%、必要に応じては塑性変
形域まで連続的に圧縮し、成形品を得ることを特徴とし
ている。
【0008】また、本発明の第2の製造方法は、Fe系
合金を主組成物とする材料粉末を冷間で加圧し、密度比
50〜97%の圧粉成形体を形成した後、この圧粉成形
体を加熱してダイ,上パンチ,および下パンチにより画
成されるキャビティ内に挿入し、圧粉成形体を上パンチ
および下パンチにより加圧しつつ、前記キャビティの内
壁面の一部を構成するスライド部材を圧粉成形体に圧接
させつつ後退させ、圧粉成形体の内部で材料流れを生じ
させることにより、圧粉成形体を密度比98〜100
%、必要に応じては塑性変形域まで連続的に圧縮し、成
形品を得ることを特徴としている。
【0009】なお、上記いずれの方法においても、前記
ダイ内部での成形過程における前記圧粉成形体の温度
を、750℃以上かつ前記Fe系合金の液相温度以下に
保つことが好ましい。
【0010】
【作用】本発明の製造方法では、まず、材料粉末を冷間
加圧して密度比50〜97%の圧粉成形体を成形したう
え、これを加熱してダイに入れ、ダイの内部で圧粉成形
体を構成する粒子を熱間圧着させ、予備的に粒界結合さ
せる。これにより、後の変形に耐え得る強度を有する中
間成形体にする。続いて、ダイの内部に余剰空間を画成
しつつ、中間成形体を圧縮することにより、この余剰空
間に向けて材料流れを生じさせ、内部の個々の粒子に変
形の自由度を与え、中間成形体の内部で個々の粒子を潰
して粒子表面の酸化被膜を破り、バルク金属面を露出さ
せる。
【0011】これにより、比較的小さい加圧力で粒界結
合を形成することが容易となり、同じ密度比を得るのに
必要な加圧力が低減できるうえ、材料の加熱温度が低く
て済み、加圧保持時間も削減できる。したがって、生産
性を高めることが可能である。また、中間成形体に変形
の自由度を与えることにより、成形体の密度分布が均一
かつ表層欠陥が少なくなるため、伸び特性や耐衝撃特性
が向上する。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係わるFe系合金部材の製造
方法の実施例を詳細に説明する。図1は第1実施例の方
法に使用する装置の断面図であり、符号1は円筒形のパ
ンチ孔(1A+1B)を有するダイ、2はパンチ孔に下
方から挿入された下パンチ、3はパンチ孔に上方から挿
入された上パンチである。パンチ孔の上部1Aは下部1
Bよりも半径差Dだけ径が小さく、これらの間には段部
1Cがある。ダイ1の内部には、図示しないヒーターが
設けられ、ダイ1,下パンチ2,上パンチ3の温度を自
在に調整できるようになっている。
【0013】下パンチ2の外径は、材料漏れが生じない
程度にパンチ孔下部1Bよりも僅かに径が小さく設定さ
れ、その上部にはパンチ孔上部1Aの内径よりも僅かに
外径の小さい段部2Aが形成されている。また、上パン
チ3の外径はパンチ孔上部1Aよりも僅かに小さく設定
されている。そして下パンチ2および上パンチ3は、図
示しない駆動機構により、それぞれ別個にダイ1に対し
相対的に上下駆動されるようになっている。
【0014】ここで、開放率を次式のように定義する。 開放率=(パンチ孔1Bの断面積−パンチ孔1Aの断面
積)/(パンチ孔1Bの断面積)
【0015】本実施例では、この開放率が3〜40%、
好ましくは5〜30%とされる。開放率3%未満では、
中間生成物を鍛造する過程で粒子に十分な変形自由度を
付与する効果に乏しく、十分な緻密化が困難である。4
0%より大では、材料流れが生じる際に中間成形体の表
層部に引っ張り応力が生じ、クラックが発生しやすい。
【0016】ダイ1,下パンチ2,上パンチ3の材質
は、外枠部分は工具鋼で十分であるが、少なくとも成形
体に接する部分はMo合金(例えばT.Z.M)やW合
金(例えばアンビロイ)で成形することが望ましい。成
形体に接する部分にセラミックコーティング等の表面処
理を施すことも有効である。
【0017】次に、上記装置を用いたFe系合金部材の
製造方法を説明する。この方法に使用される材料粉末
は、水アトマイズ法、還元法等いかなる粉末製造方法に
よって得られたFe系合金粉末でもよい。粉末に添加さ
れる元素としては、従来この種の合金に使用されている
いずれの元素も使用可能である。例えば、C,Cu,N
i,Cr,Mo,W,V等が使用可能で、勿論複数種を
混合してもよい。また、物性を改善するために、ステア
リン酸亜鉛WS2,MoS2,CaF2,BaF2,LiF
等の固体潤滑剤やその他各種のフィラーを添加してもよ
い。
【0018】この方法ではまず、材料となるFe系合金
粉末を、図示しないプレス装置により通常通りに冷間で
圧粉成形し、密度比50〜97%,好ましくは70〜9
0%の圧粉成形体Pとする。この段階での密度比が50
%未満であると取扱い時に破損する可能性が高い一方、
97%よりも高い密度比まで成形することは困難であ
る。
【0019】次に、圧粉成形体Pを図示しない予熱装置
により、750℃以上かつそのFe系合金の液相温度以
下に予熱する。予熱温度が750℃未満では変形抵抗が
高く、材料流れを生じさせるのに過大な加圧力を要する
一方、そのFe系合金の液相温度を越えれば当然、圧粉
成形体Pが溶解してしまう。
【0020】続いて、図1に示す装置の下パンチ2の段
部2Aをパンチ孔上部1Aに進入させた状態で、加熱さ
れた圧粉成形体Pをパンチ孔上部1A内に入れる。この
時、ダイ1,上パンチ3,下パンチ2も圧粉成形体Pと
同程度の温度に予熱しておくことが望ましい。
【0021】次いで、下パンチ2は動かさずに、上パン
チ3を降下させ、圧粉成形体Pを密度比85〜98%,
好ましくは90〜98%に熱間圧着して中間成形体Qと
する。密度比が85%未満では中間成形体Qが後の鍛造
に耐えられない。
【0022】続いて、中間成形体Qが鍛造に耐え得る強
度となったら、下パンチ2の降下を開始する。この間、
上パンチ3は停止することなく連続的に降下し続ける。
下パンチ2の降下速度は上パンチ3とほぼ等しく設定さ
れ、両者は中間成形体Qを挟んで固定しつつ降下する。
中間成形体Qがパンチ孔下部1B内に移動したら、下パ
ンチ2を停止し、降下し続ける上パンチ3により、パン
チ孔下部1B内で中間成形体Qをさらに圧縮する。
【0023】この時点で、中間成形体Qの周囲には、円
筒状の余剰空間が生じていることになる。このため、図
2に示すように中間成形体Qは潰れてパンチ孔下部1B
の内壁面まで拡径し、さらに上下端に円環状の膨出部S
を生じる。このため、中間成形体Qの内部では粒子に変
形の自由度が与えられ、個々の粒子の酸化被膜が破れて
粒子間結合が形成されるため、密度比98〜100%ま
で緻密化され、中間成形体Qは鍛造成形体Rとなる。
【0024】鍛造成形体Rが十分に緻密化したら、図3
に示すように下パンチ2を降下させてダイ1から引き抜
き、さらに上パンチ3を下げて鍛造成形体Rをダイ1か
ら押し出し、次工程へと移送する。
【0025】そして図4に示すように下パンチ2を初期
位置に復帰させ、上パンチ3を上方に待避させて、パン
チ孔上部1Aに新たな圧粉成形体Pを挿入する。以下、
同様に上記サイクルを繰り返して次々に鍛造成形体Rを
得ればよい。
【0026】上記構成からなるFe系合金部材の製造方
法によれば、圧粉成形体Pをダイ1の内部で熱間圧着
し、個々の粒子を予備的に結合させて、後の変形に耐え
得る強度を有する中間成形体Qにしたうえ、ダイ1の内
部に余剰空間を画成し、この余剰空間に向けて材料流れ
を生じさせることにより、中間成形体Qを変形させつつ
圧縮するから、中間成形体Qの内部では個々の粒子が潰
れて粒子表面の酸化被膜が破れ、バルク金属面が露出す
る。このため、比較的小さい加圧力で粒界結合を形成す
ることが容易で、同じ密度比を得るに必要な加圧力が低
減できるとともに、材料の加熱温度が低下し、加圧保持
時間も削減でき、生産性を高めることも可能である。
【0027】なお、上記の例では単純化のためパンチ孔
1Aの断面形状を円形にしていたが、各部の形状は製造
すべき物品に合わせて適宜変更してよいのは勿論であ
る。
【0028】次に、図5ないし図8は本発明の第2実施
例に使用される装置を示す図である。図中符号10はダ
イ、10Aはパンチ孔、12は下パンチ、16は上パン
チであり、この例の特徴は、下パンチ12および上パン
チ16の外周に、それぞれ筒状のスリーブ14,18が
通され、これらスリーブ14,18が各パンチ12,1
6とは独立して昇降されることにある。スリーブ14,
18の肉厚は、下記の式で規定される開放率が、上記実
施例と同様となるように決定される。 開放率=(スリーブの断面積)/(パンチ孔10Aの断
面積)
【0029】この装置を用いてFe系合金部材を製造す
るには、上記実施例と同様に圧粉成形体Pを成形および
予熱した後、下パンチ12および下スリーブ14を揃え
た状態で、図5に示すようにダイ10のパンチ孔10A
に、圧粉成形体Pを挿入する。
【0030】次いで、図6に示すように、上パンチ16
および上スリーブ18を揃えて降下させると同時に、下
パンチ12および下スリーブ14を揃えて上昇させ、圧
粉成形体Pを圧縮して前記実施例と同様の中間成形体Q
を熱間圧着成形する。
【0031】さらに連続して、図7に示すように、上パ
ンチ16を降下させつつ、これに対して上スリーブ18
を上昇させる一方、下パンチ12を上昇させつつ、下ス
リーブ14を下パンチ12に対して降下させ、中間成形
体Qを圧縮(鍛造)する。これにより、上下スリーブ1
4,18が後退して生じた円環状の余剰空間へ向けて材
料流れが生じ、中間成形体Q内の粒子同志の結合力が強
化して緻密化され、鍛造成形体Rとなる。
【0032】その後、図8に示すように、上パンチ16
と上スリーブ18を上方に待避させ、下パンチ12と下
スリーブ14を揃えて上昇させ、鍛造成形体Rをダイ1
から突き出して、1サイクルが終了する。
【0033】この実施例の方法では、前記第1実施例の
効果に加え、次の効果も得られる。すなわち、この例で
は上スリーブ18と下スリーブ14を昇降制御すること
により、材料流れの進行と余剰空間の形成とを正確に制
御できるから、材料流れの先端Sに各スリーブ14,1
8により常に一定圧力をかけながら、これらスリーブ1
4,18を後退させることができる。このようにする
と、材料流れの先端Sに圧力をかけない場合に比して、
材料流れの先端面に引張応力が生じにくく、引張応力に
起因したクラックが生じにくいのである。
【0034】また、材料流れの先端Sの形状を制御でき
るから、鍛造成形体Rの形状を製品の最終形状に近づけ
ておくことにより、成形後の加工量が少なくて済む利点
も有する。
【0035】次に、図9ないし図13は本発明の第3実
施例を示し、図中符号20はダイ、22は下パンチ、2
4は上パンチであり、この例ではダイ20の内部に、パ
ンチ孔20Aの内壁面に互いに対向して開口する一対の
スリット25が形成され、これらスリット25内に、水
平方向摺動可能なスライド26がそれぞれ挿入されてい
る。
【0036】これらスライド26をいっぱいに挿入した
状態において、各スライド26の先端面は、パンチ孔2
0Aの内壁面と一致する。スライド26の厚さは成形体
最終高さの5〜30%程度が望ましい。理由は第1実施
例と同様である。
【0037】この装置を用いたFe系合金部材の製造方
法は、以下の通りに行う。まず、図9に示すように各ス
ライド26の先端面をパンチ孔20Aの内壁面と一致さ
せた状態で、予熱しておいた圧粉成形体Pを挿入する。
【0038】次いで、図10に示すように、上パンチ2
4と下パンチ22により圧粉成形体Pを熱間圧着し、予
熱時より高い密度を有する中間成形体Qとした後、図1
1に示すように各スライド26を後退させつつ、同時に
上下方向の圧縮を続行する。すると、各スライド26が
後退するにつれ、余剰空間が生じてそこへ材料が流れて
いき、凸部Sが形成され、中間成形体Qが緻密化されて
鍛造成形体Rとなる。
【0039】そして、図12に示すように下パンチ22
を待避させたうえ、上パンチ24を降下させ、前記凸部
Sを切断して成形体Rのみをダイ20から突き出す。さ
らに図13に示すように上パンチ24を上方に待避さ
せ、各スライド26を復帰させて各凸部Sを落下させ、
1サイクルを完了する。
【0040】この例でも、前記第2実施例と同様に、各
スライド26により材料流れの先端Sに圧力をかけなが
ら鍛造することができ、静水圧のかかった状態で変形さ
せることが可能であるから、材料流れの先端Sに引張応
力が生じにくく、クラックが発生しにくい。また、凸部
Sを成形体Rの突き出しとともに切断するため、潤滑剤
の巻き込み等により凸部Sを切断する必要がある場合に
は、後加工の手間がその分省けるという利点も有する。
【0041】次に、図14ないし図17は本発明の第4
実施例を示し、この例では、ダイが上ダイ30と下ダイ
32に上下2分割され、上ダイ30は駆動機構により上
昇可能となっている。符号36は下パンチ、38は上パ
ンチである。
【0042】この方法ではまず、図14に示すように上
ダイ30と下ダイ32とを当接させた状態で、パンチ孔
34に、予熱した圧粉成形体Pを挿入する。次いで、図
15に示すように上パンチ38と下パンチ36により圧
粉成形体Pを熱間圧着して中間成形体Qとした後、図1
6に示すように上ダイ30を一定長だけ上昇させ、圧縮
を続行する。すると、上ダイ30と下ダイ32の間に余
剰空間40が生じ、そこへ材料が流れて凸部Sが形成さ
れるとともに、中間成形体Qが緻密化されて鍛造成形体
Rとなる。
【0043】次いで、図17に示すように上パンチ38
を上方に待避させた後、下パンチ36を上昇させ、前記
凸部Sを切断して成形体Rのみをダイから突き出して1
サイクルを完了する。
【0044】図18および図19は、第1実施例の装置
を改良したものである。まず、図18の例は、パンチ孔
1Aの下部に2段階に拡径する第1段部50、第2段部
52をそれぞれ形成したものであり、まずパンチ孔1A
の上部内で、予熱した圧粉成形体Pを熱間圧着した後、
第1段部50内および第2段部52内で密度比98〜1
00%に本鍛造する。パンチ孔1Aから第1段部50へ
移行する際の開放率は5〜10%、第1段部50から第
2段部52へ移行する際の開放率は10〜30%程度で
あることが望ましい。
【0045】この場合にも、上パンチを連続的に降下し
続けさせ、下パンチ2はパンチ圧力に応じて段階的に降
下させることにより、熱間圧着→予備鍛造→本鍛造が連
続的に切れ目なく進行する。
【0046】一方、図19は、パンチ孔1Aの下部54
を下方に開くテーパ状に形成したことを特徴とするもの
で、パンチ孔1Aの上部内で圧粉成形体Pを熱間圧着し
た後、下パンチ2を徐々に降下させ、上パンチにより中
間成形体Qを加圧していき、最下位置で鍛造を完了する
ようにする。
【0047】この例によれば、下パンチ2の降下速度を
調整することにより、中間成形体Qの外周面に常に圧力
をかけつつ鍛造を行なえるため、この効果の得られる他
の実施例に比して装置の構成が単純でありながら、中間
成形体Qの外周面にクラックが生じにくい利点を有す
る。
【0048】なお、テーパ部54の断面角度αは3〜1
5゜より好ましくは5〜10゜であることが望ましく、
3゜未満では本発明の効果が得られず、15゜より大で
は成形体にクラックが生じやすくなる。また、図19の
ようなテーパ部54と図18の段部50,52を組み合
わせてもよい。
【0049】次に、図20および図21はさらに別の実
施例を示す平面図であり、この例ではダイ60が、中央
にパンチ孔60Aを画成する4つのブロック62で構成
されている。
【0050】各ブロック62はパンチ孔60Aの中心に
向けて図示しない付勢手段により付勢されており、パン
チ孔60A内で中間成形体Qを形成した後、さらに圧力
を上げると、図21に示すように各ブロック62が互い
に離間し、パンチ孔60Aの内径が拡大するとともに、
各ブロック62の間に間隙64が生じるように構成さ
れ、中間成形体Qは拡径方向および前記間隙64のそれ
ぞれに向けて材料流れSを生じつつ鍛造される。
【0051】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、各実施例の構成を適宜組み合わせてもよい
し、ダイ,上下パンチ等の形状は任意に変更してよく、
さらに各部の駆動を行う機構としては、従来周知のいか
なる機構を用いてもよい。
【0052】
【実験例】次に、実験例を挙げて本発明の効果を実証す
る。Fe系合金としてFH15,FS90を使用し、下
記の比較例、実験例の製造方法により直方体状のFe系
合金部材を作成し、それらの物性を比較した。なお、上
記各合金の組成は以下の通りである(単位wt%)。 FH15:0.6〜1.1C,2〜4Cu,残部Fe FS90:0.4〜0.6C,1.75〜2.25N
i,0.3〜0.6Mo,残部Fe
【0053】(比較例)図22に示す装置により、直方
体状のFe系合金部材を成形した。符号70はダイであ
り、このダイ70には平面視12mm×57mmのパン
チ孔が形成されている。72は下パンチ、74は上パン
チである。
【0054】FH15,FS90の各粉末60gをそれ
ぞれパンチ孔に充填し、各パンチ72,74により常温
6ton/cm2の圧力で圧縮し、圧粉成形体とした
後、1100℃〜1150℃でNH3分解ガス中で1h
焼結して、焼結成形体とした。
【0055】その後、FS90からなる焼結成形体を1
100℃に予熱したうえ、図22とほぼ同一構造の装置
を用い、8ton/cm2の衝撃圧力でコイニングし、
密度比99%の焼結鍛造体を得た。さらに、コイニング
後の焼結鍛造体の一部に対し、焼入・焼戻処理を行っ
た。
【0056】(実験例)一方、図23に示す装置によ
り、直方体状のFe系合金部材を成形した。符号80は
ダイであり、上記ダイ70と全く同一である。符号8
4,82は断面矩形状の上パンチ,下パンチで、その両
側面に沿って矩形板状のスライド部材86,87がそれ
ぞれ配置され、別個に駆動されるようになっている。上
パンチ84の水平断面寸法は12×50mm、スライド
86,87の水平断面寸法は12×3.5mmである。
【0057】FH15,FS90の各粉末を上記比較例
と同様に圧粉成形体とした後、これらを800℃に予熱
する一方、ダイ80も同温度に予熱し、パンチ孔に圧粉
成形体を挿入した。そして、上パンチ84とスライド8
6を揃えて圧粉成形体を密度比90%まで圧縮し、さら
に各スライド86を相対的に後退させつつ上パンチ84
を降下させ、最終的に8ton/cm2の圧力に至るま
で圧縮し、鍛造成形体を得た。この鍛造成形体の寸法は
12×57×10mmとなり、両端の上下にはそれぞれ
12×3.5×5mmの突起が形成された。さらにFS
90からなる鍛造成形体の一部には、焼入焼戻処理を施
した。
【0058】次に、比較例,実験例のうち焼入焼戻を施
していない4種の成形体を、長手方向に沿って縦に2分
割し、その断面の各点(計25点)における硬度をHR
Bにより測定した。測定した硬度を等高線表示した結果
を、図24ないし図27に示す。
【0059】図24および図25は、FH15における
結果であり、図24は比較例、図25は実験例の方法で
それぞれ得られたものである。硬さ分布は密度分布に体
応する。図26および図27はFS90での結果であ
り、図26は比較例、図27は実験例の方法でそれぞれ
得られたものである。図から明らかなように、実験例の
方法によれば成形体の内部に材料流れが生じ、比較例の
方法と同圧力でありながら、はるかに均質化されてい
る。
【0060】一方、表1は、得られた6種の試験片の特
性を示したものである。比較例に比して実験例では強
度,延性,靱性ともに向上していることがわかる。ま
た、熱処理を行った試験片においては、伸びを同等に保
ったまま、強度を上げることができる。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるF
e系合金部材の製造方法では、材料粉末を冷間加圧して
密度比50〜97%の圧粉成形体を成形したうえ、これ
を加熱してダイに入れ、ダイの内部で圧粉成形体を構成
する粒子を熱間圧着させ、予備的に粒界結合させる。こ
れにより、後の変形に耐え得る強度を有する中間成形体
にする。続いて、ダイの内部に余剰空間を画成しつつ、
中間成形体を圧縮することにより、この余剰空間に向け
て材料流れを生じさせ、内部の個々の粒子に変形の自由
度を与え、中間成形体の内部で個々の粒子を潰して粒子
表面の酸化被膜を破り、バルク金属面を露出させる。
【0063】これにより、比較的小さい加圧力で粒界結
合を形成することが容易となり、同じ密度比を得るのに
必要な加圧力が低減できるうえ、材料の加熱温度が低く
て済み、加圧保持時間も削減可能で、生産性を高めるこ
とが可能である。また、中間成形体に変形の自由度を与
えることにより、成形体の密度分布が均一かつ表層欠陥
が少なくなるため、伸び特性や耐衝撃特性が向上でき
る。
【0064】一方、予熱した圧粉成形体をダイ,上パン
チ,および下パンチにより画成されるキャビティ内に挿
入し、圧粉成形体を上パンチおよび下パンチにより加圧
しつつ、キャビティの内壁面の一部を構成するスライド
部材を圧粉成形体に圧接させつつ後退させ、圧粉成形体
の内部で材料流れを生じさせた場合には、材料流れの先
端に常に圧力をかけることができ、材料流れの先端面に
引張応力が生じにくく、引張応力に起因したクラックが
生じることが防げる。また、材料流れの先端の形状を制
御できるから、最終成形体の形状を製品の最終形状に近
づけておくことにより、成形後の加工量が少なくて済
む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるFe系合金部材の製造方法の第
1実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図である。
【図2】第1実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図3】第1実施例での成形体突き出し過程を示す縦断
面図である。
【図4】第1実施例での圧粉成形体の挿入過程を示す縦
断面図である。
【図5】本発明の第2実施例での圧粉成形体の挿入過程
を示す縦断面図である。
【図6】第2実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図で
ある。
【図7】第2実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図8】第2実施例での成形体突き出し過程を示す縦断
面図である。
【図9】本発明の第3実施例での圧粉成形体の挿入過程
を示す縦断面図である。
【図10】第3実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図
である。
【図11】第3実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図12】第3実施例での成形体突き出し過程を示す縦
断面図である。
【図13】第3実施例での後処理過程を示す縦断面図で
ある。
【図14】本発明の第4実施例での圧粉成形体の挿入過
程を示す縦断面図である。
【図15】第4実施例での熱間圧着過程を示す縦断面図
である。
【図16】第4実施例での鍛造過程を示す縦断面図であ
る。
【図17】第4実施例での成形体突き出し過程を示す縦
断面図である。
【図18】本発明の第5実施例に使用される装置の縦断
面図である。
【図19】本発明の第6実施例に使用される装置の縦断
面図である。
【図20】本発明の第7実施例に使用される装置の平面
図である。
【図21】第7実施例での鍛造過程を示す平面図であ
る。
【図22】比較例の実験方法を示す縦断面図である。
【図23】実験例の実験方法を示す縦断面図である。
【図24】比較例で得られた試験片の密度分布を示すグ
ラフである。
【図25】実験例で得られた試験片の密度分布を示すグ
ラフである。
【図26】比較例で得られた試験片の密度分布を示すグ
ラフである。
【図27】実験例で得られた試験片の密度分布を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 ダイ 1A パンチ孔 2 下パンチ 3 上パンチ P 圧粉成形体 Q 中間成形体(熱間圧着成形体) R 鍛造成形体 S 材料流れの先端(凸部) 10 ダイ 10A パンチ孔 12 下パンチ 14 下スリーブ 16 上パンチ 18 上スリーブ 20 ダイ 20A パンチ孔 22 下パンチ 24 上パンチ 26 スライド 30 上ダイ 32 下ダイ 34 パンチ孔 36 下パンチ 38 上パンチ 40 間隙 50 第1段部 52 第2段部 54 テーパ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe系合金を主組成物とする材料粉末を冷
    間で加圧し、密度比50〜97%の圧粉成形体を形成し
    た後、この圧粉成形体を加熱してダイの内部に挿入し、
    上パンチおよび下パンチにより圧粉成形体を密度比85
    〜98%まで加圧成形したうえ、前記ダイの内部に余剰
    空間を画成し、さらにこの余剰空間内への材料流れを生
    じさせつつ圧粉成形体に変形の自由度を与えることによ
    り、圧粉成形体を密度比98〜100%、必要に応じて
    は塑性変形域まで連続的に圧縮し、成形品を得ることを
    特徴とするFe系合金部材の製造方法。
  2. 【請求項2】Fe系合金を主組成物とする材料粉末を冷
    間で加圧し、密度比50〜97%の圧粉成形体を形成し
    た後、この圧粉成形体を加熱してダイ,上パンチ,およ
    び下パンチにより画成されるキャビティ内に挿入し、圧
    粉成形体を上パンチおよび下パンチにより加圧しつつ、
    前記キャビティの内壁面の一部を構成するスライド部材
    を圧粉成形体に圧接させつつ後退させ、圧粉成形体の内
    部で材料流れを生じさせることにより、圧粉成形体を密
    度比98〜100%、必要に応じては塑性変形域まで連
    続的に圧縮し、成形品を得ることを特徴とするFe系合
    金部材の製造方法。
  3. 【請求項3】前記ダイ内部での成形過程における前記圧
    粉成形体の温度を、750℃以上かつ前記Fe系合金の
    液相温度以下に保つことを特徴とする請求項1または2
    記載のFe系合金部材の製造方法。
JP32914391A 1991-12-12 1991-12-12 Fe系合金部材の製造方法 Pending JPH05179306A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32914391A JPH05179306A (ja) 1991-12-12 1991-12-12 Fe系合金部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32914391A JPH05179306A (ja) 1991-12-12 1991-12-12 Fe系合金部材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05179306A true JPH05179306A (ja) 1993-07-20

Family

ID=18218120

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32914391A Pending JPH05179306A (ja) 1991-12-12 1991-12-12 Fe系合金部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05179306A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006026694A (ja) * 2003-12-04 2006-02-02 Murata Mfg Co Ltd 粉末成形方法及び粉末成形装置
JP2017061717A (ja) * 2015-09-24 2017-03-30 マツダ株式会社 焼結鍛造品及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006026694A (ja) * 2003-12-04 2006-02-02 Murata Mfg Co Ltd 粉末成形方法及び粉末成形装置
JP2017061717A (ja) * 2015-09-24 2017-03-30 マツダ株式会社 焼結鍛造品及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5878323A (en) Process for producing split type mechanical part
CA1237565A (en) Process and device for producing compressed mouldings from loose or sintered metal powder
US4244738A (en) Method of and apparatus for hot pressing particulates
JP2558858B2 (ja) 中空部材の鍛造装置及びその方法
KR20040029079A (ko) 금속 소결 부품을 포함하는 일체형 조인트 바디
JP2002137039A (ja) 焼結部材の鍛造方法
US3611546A (en) Method of highly-densifying powdered metal
US2794241A (en) Fabrication of intricate shapes from beryllium
JPH05179306A (ja) Fe系合金部材の製造方法
JPH05179305A (ja) Fe系合金部材の製造方法
JPH05195012A (ja) アルミニウム合金部材の製造方法
JP3674399B2 (ja) 段付きシャフトの製造方法及び段付きシャフトの製造装置
JPH0578705A (ja) アルミニウム合金部材の製造方法
JPH0578703A (ja) 金属粉末の成形装置
JP2612072B2 (ja) 塑性加工用の筒状鉄系焼結スラグ、およびその製造方法
JP2837630B2 (ja) プレス成形品の製造方法及び装置
JP4999283B2 (ja) 粉末冶金用鉄基粉末
RU2101137C1 (ru) Способ изготовления двухслойных втулок
JP3521088B2 (ja) 粉末冶金用の金属粉末の成形方法
EP0659509A1 (en) Powder forging process
JPH04136105A (ja) 突出部を有するアルミニウム粉末鍛造品の製造方法
US20030063992A1 (en) Methods of filling a die cavity with multiple materials for powder metal compaction
JP3334518B2 (ja) 焼結体の製造方法
JPS6144103A (ja) コネクテイングロツドの製造方法
JPH059506A (ja) アルミニウム合金の粉末鍛造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20000926