JPH0517583Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 産業上の利用分野 本考案は断熱箱体の庫内を冷却する冷却装置に
係り、詳述すると蒸発器に付着する氷霜を効率的
に除去し、除霜に伴なう庫内空気温度の上昇を低
減する冷却装置の構成改良に関する。

従来の技術 冷却装置において、その冷却運転の継続に際
し、冷却手段としての蒸発器に着霜が成長するこ
とは否めず霜の融解のため加熱手段を蒸発器に装
備させるようにしている。この加熱手段として低
コスト及び制御が容易なことから電気ヒータを採
用した例として特公昭61−25073号公報及び特開
昭62−98179号公報がある。

考案が解決しようとする課題 前記特公昭61−25073号公報にあつては、断熱
箱体における天壁及び側壁の両方に取付け可能な
冷却装置を提示するものであり、何れの壁に取付
けても送風機及び霜取ヒータ等の内部機器の交換
が容易に行なえるようにしたものである。そし
て、この冷却装置における除霜手段としては、冷
却器に取付けた霜取用ヒータ１８及び必要に応じ
て（冷却装置を側壁に取付けた場合）配設される
ドレンパン用ヒータ１９があるが、除霜時におい
て各ヒータにより冷却装置内の空気は必然的に暖
められ上方へ移動する（このとき送風機は停止さ
せる）。しかし空気出入口は常に開放されており、
この出入口から暖気が庫内へ放出されやすく、除
霜運転による庫内温度の上昇を誘発するという問
題があつた。

一方、特開昭62−98179号公報における冷却装
置にあつて、冷気吹出口部分に開閉自在にダンパ
が複数配設されており、このダンパは、冷却運転
時運転される送風機の風圧によつて回動して冷気
吹出口を開放し、除霜運転時送風機の停止により
自重にて冷気吹出口を閉塞するようになつてお
り、除霜運転時に暖められる冷却装置内空気を装
置内部に滞留させ、ダンパ内面及び送風機のフア
ン部の除霜を迅速に行なえるようにしている。し
かし、除霜終了後の冷却運転再開にあたり送風機
が作動すれば風圧にてダンパが回動し冷気吹出口
が開放されるため、冷却室内に滞留していた暖気
は庫内に吹き出されることになり、庫内温度の上
昇を招いてしまうという問題があつた。このため
冷却運転再開後直ちに送風機の作動を開始せず遅
延させて作動させるようにする提案もあるが、冷
気吹出口部分に滞留した暖気を出にくくする構成
を提示するものではないため、滞留した暖気が放
出されやすい。

そこで本考案は、除霜運転により暖められる冷
却室内空気を冷気吹出口へ直接導かれにくくして
貯蔵室内空気温度の上昇を抑制するようにした冷
却装置を提供することをその課題とする。

〔考案の構成〕

課題を解決するための手段 本考案の冷却箱体は、底面に除霜運転時に通電
される除霜用ヒータを有する冷却器と、冷却器の
一側方に位置し除霜運転時停止される送風装置と
を有し、底敷にて商品収納室と画成される冷却室
を本体を構成する断熱壁の底壁上部に形成したも
のであつて、冷却器は保持部材によりその上面と
底敷下面との間に間隔を存して配設され、底敷は
一側辺に冷気吸込口を他側辺に冷気吹出口を形成
し、冷気吹出口には、下方に延びる案内部と、案
内部から冷却器に向けて延びる規制部とを有した
指向板を配設したものである。

作 用 冷却器（＝蒸発器）の冷気吐出側に冷気吹出口
から下方へ延びた指向板を配設したことで、冷気
吹出口へ向かう冷気を上方へ指向して収納室の上
部へ冷気を行き渡らせやすくするとともに、指向
板に形成した規制部により、除霜運転時に冷却器
の上方に滞留する暖気の冷気吹出口側への移動を
阻害して、暖気が収納室内へ侵入しにくくしてい
る。また、冷却器上方へ暖気を滞留させること
で、第１のヒータから離れた部分の除霜を効率的
に行なえるようにしている。

実施例 以下本考案の実施例を第１図〜第４図を参照し
て説明する。

１はベース４を介して床置きされた下部のコン
デンシングユニツト部２と、前面が開口された上
部の商品収納部３とから成る冷凍シヨーケース等
の冷却箱体であり、コンデンシングユニツト部２
はその内部に圧縮機５・コンデンサ等が収納さ
れ、商品収納部３はそれぞれ前面を開口せる外箱
７と内箱８との間に発泡断熱材９を充填して形成
されている。６はコンデンシングユニツト部２の
前面に配設される前カバー、１０は商品収納部３
の開口を閉塞するガラス等の前面透明体、１１は
内箱８と前面透明体１０と後述する底敷１８によ
り形成される収納室、１２は商品収納部３の後壁
３Ｄに形設された貯蔵品の出入口である。１３は
出入口１２を閉塞する断熱扉であり、内外両板間
に断熱材を充填して形成されており、出入口１２
の周縁後面と断熱扉１３の前面との間に気密保持
のためのパツキング１４が介在されている。１５
は商品収納部３の天壁３Ｅにシヨーケースの幅方
向に配設された照明室内に配置する蛍光灯であ
り、その下方には断熱性並びに透光性を有した複
層透明体１６を配設している。２５は後述する収
納室１７内に水平に配設された商品載置棚であ
る。

１７は商品収納部３の下部に底敷１８により収
納室１７と区画形成された冷却室であり、底面に
除霜用の第１ヒータ１９を有する冷却器としての
蒸発器２０・除霜運転時に停止する送風フアン２
１を含み蒸発器２０の一側方に位置する送風装置
２２・フアン２１の通風口２３を形成するフアン
ケース２４及びフアンケース底壁２６下面に位置
するフアン除霜用の第２ヒータ２７を夫々配設
し、冷却室１７底壁には排水装置２８を設けてい
る。尚冷却室１７の底壁は排水装置２８に向かつ
て緩やかに傾斜している。ただし、蒸発器２０は
その両端面に管板が配設され底壁上に設置される
が、その上面は間隔保持部材２９により底敷１８
下面との間に空気を滞留させるための空間を形成
している。更に第１ヒータ１９及び第２ヒータ２
７は除霜運転時のみ通電されるものである。

また、底敷１８の一側縁（本例では前縁）には
冷気吸込口３０、他側縁（本例では後縁）には冷
気吹出口３１を形成している。冷気吸込口３０に
は、多数の孔３２を形設した多孔板３３が配設さ
れ、下向きに延設し先端を内方へ折曲した吸込口
ガイド３４を配設するとともに、断熱扉１３の開
閉等で収納室１１内に侵入する湿気はマイナスの
温度のままで帰還する冷気に含まれて吸込口に到
達してこの吸込口近辺に霜として成長しやすいこ
とからこの部分の除霜のための電源投入後常時通
電の第３ヒータ３５Ａ，３５Ｂを夫々吸込口下部
及び内箱前壁に配設している。

一方、冷気吹出口３１には多数の孔３６を穿設
した多孔板３７が配設され、この多孔板３７の下
には冷気を上方へ案内すべく下方へ延びた案内部
３９と、この案内部３９から蒸発器２０の上面或
いは側面へ向けて延びた規制部４０とから成る指
向板３８が配設されている。この指向板３８の規
制部４０は、冷却運転時に蒸発器２０を経て冷却
され蒸発器側面から出る冷気を吹出口側へ流れや
すくするとともに、送風フアン２１の停止する除
霜運転時に蒸発器上面へ上昇してくる暖気を蒸発
器上方の空間に滞留しやすくして吹出口側への流
れを抑制するようにしている。

他方、フアンケース２４の底壁２６に配設され
たフアン除霜用の第２ヒータ２７からの底壁２６
への熱伝達によつて送風フアン２１に付着した氷
霜を溶解除去するためにはかなりの熱量が必要で
あり、通常の除霜運転時間内で溶解除去すること
は難しい。そこで第２ヒータ２７から熱伝達され
た底壁２６の放熱だけでなく、第２ヒータ２７か
らの直接の輻射熱を送風フアン２１に与えるた
め、フアンケース２４の底壁２６の送風フアン直
下部分にフアンの径程度の幅を有した熱輻射用の
開口４１を形成しておく。ただし、第２ヒータ２
７はこの開口４１の直下位置に配設させるもので
ある。

〔考案の効果〕

以上詳述したように本考案によれば、冷却器上
面と底敷下面との間に間隔（空間）を設け、冷却
室の冷気吹出口に冷却器に向けて延びる規制部を
有した指向板を配設しているため、除霜運転時
（送風装置は停止）に暖められる冷却室内空気
（特に冷却器の周囲の空気）を冷却器の上面へ滞
留させることができ、しかも滞留した暖気は規制
部により冷気吹出口側へ流れにくくできる。これ
により除霜運転に伴ない生成される暖気の吹出口
から収納室内へ放出される量を低減し、除霜によ
る庫内温度の上昇を抑制することができる。一
方、除霜用のヒータを冷却器の底面に配設するこ
とにより、冷却器に成長する氷霜は勿論、冷却室
の底面に付着する氷霜及び氷片への熱輻射を行な
うことができ、非常に広範囲にわたる除霜を行な
うことができる。

【図面の簡単な説明】

各図は本考案の一実施例を示し、第１図は冷却
室における冷気吹出口並びに冷却器の周辺を表現
した一部断面斜視図、第２図は冷却箱体の外観斜
視図、第３図は冷却箱体の縦断面図、第４図は冷
却室における冷気吸込口並びに送風装置の周辺を
表現した一部断面斜視図である。 １……冷却箱体、１１……商品収納室、１７…
…冷却室、１８……底敷、１９……除霜用ヒータ
（第１ヒータ）、２０……冷却器、２２……送風装
置、２９……保持部材、３０……冷却吸込口、３
１……冷気吹出口、３８……指向板、２９……案
内部、４０……規制部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底面に除霜運転時に通電される除霜用ヒータを
   有する冷却器と、該冷却器の一側方に位置し除霜
   運転時に停止する送風装置とを有し、底敷にて商
   品収納室と画成される冷却室を本体を構成する断
   熱壁の底壁上部に形成した冷却箱体において、前
   記冷却器は保持部材によりその上面と前記底敷下
   面との間に間隔を存して配設され、前記底敷は一
   側縁に冷気吸込口を他側縁に冷気吹出口を形成
   し、該冷気吹出口には、下方へ延びる案内部と、
   該案内部から前記冷却器に向けて延びる規制部と
   を有した指向板を配設したことを特徴とする冷却
   箱体。