JPH05170806A - 塩化ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル樹脂の製造方法

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JPH05170806A
JPH05170806A JP4141393A JP14139392A JPH05170806A JP H05170806 A JPH05170806 A JP H05170806A JP 4141393 A JP4141393 A JP 4141393A JP 14139392 A JP14139392 A JP 14139392A JP H05170806 A JPH05170806 A JP H05170806A
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秀明 高原
Seiichi Masuko
誠一 益子
Keiichi Fukuda
敬一 福田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】塩化ビニル樹脂を水性懸濁重合方法で製造する
際、重合時に酸化マグネシウム及び/又はハイドロタル
サイトを添加し、懸濁安定剤としてポリビニルアルコー
ル及びセルロース誘導体を併用する。 【効果】本方法によって得られた塩化ビニル樹脂の製品
は、酸化マグネシウム及び/又はハイドロタルサイトの
添加量が少なく、日本薬局方で規定されている溶出物試
験で亜鉛溶出量が少なく、また紫外吸収スペクトルの吸
光度が低く、更に空試験液とのpH差が小さく、医療用
に極めて適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用途に適した塩化
ビニル樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療用に用いられる塩化ビニル樹脂とし
ては通常、水性懸濁重合で製造される塩化ビニル樹脂が
使用されており、この塩化ビニル樹脂に一般には無毒配
合として知られているジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト、カルシウム及び亜鉛金属石鹸系安定剤、エポキシ化
大豆油、及び滑剤等を添加、配合し成形後、日本薬局方
第10改正一般試験法42「輸液用プラスチック容器試
験法(局方基準)」等により溶出物試験が行われる。
【0003】組成物としては、特公昭58−17625 号公報
に、塩化ビニルとアクリル酸アルキルエステル類との共
重合体と酸化マグネシウム等の少なくとも一種の金属酸
化物を含有する医療器材用樹脂組成物が示されている。
【0004】又、特公昭61−46492 号公報には酸化マグ
ネシウム等の少なくとも一種の金属酸化物を配合してな
り、放射線滅菌に供される医用塩化ビニル樹脂組成物が
示されている。人体に及ぼす影響を考慮すれば、前記添
加物の溶出量は非常に低い値を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般の
塩化ビニル樹脂を用い無毒配合を行った製品は亜鉛溶出
量が多く、又、試験液と空試験液のpH差(ΔpH)が
大きいという問題があり改良が望まれている。人体に最
も害の少ない安定剤系であると一般にいわれている無毒
配合には亜鉛金属石鹸が使用されており、その一部が溶
出物試験で溶出してしまう為である。
【0006】又、無毒配合は他の配合に比べ熱安定性に
劣る為、成形時に熱劣化が起こり易く、その脱塩酸がΔ
pH差を大きくするものと考えられている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するため鋭意検討を行い、本発明を完成するに
至った。
【0008】すなわち本発明は、塩化ビニルの水性懸濁
重合により塩化ビニル樹脂を製造する方法であって、重
合時に酸化マグネシウム及び/又はハイドロタルサイト
を添加し、懸濁安定剤としてポリビニルアルコールおよ
びセルロース誘導体を併用することを特徴とする塩化ビ
ニル樹脂の製造方法である。
【0009】本発明における塩化ビニルモノマーは、塩
化ビニルと共重合可能なモノマーとの混合物をも含む。
その共重合可能なモノマーとして例えば、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−オクテン、
1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセ
ン、1−トリデセン、1−テトラデセン等の炭素数2〜
30のα−オレフィン類、メタクリル酸及びそのエステ
ル類、マレイン酸及びそのエステル類、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、アルキルビニルエーテル等のビニル
化合物及びこれらの混合物が挙げられる。中でも塩化ビ
ニルモノマーの単独重合が好ましい。
【0010】重合時に酸化マグネシウム及び/又はハイ
ドロタルサイトを添加することにより、何故亜鉛の溶出
量が少なくなり、ΔpHが小さくなるかは明らかではな
いが、塩化ビニル粒子形成前の一次粒子の表面に付着し
たHClを中和し、この為、亜鉛溶出量が少なくなり、
ΔpHが小さくなるものと思われる。
【0011】酸化マグネシウム及び/又はハイドロタル
サイトの添加時期は、塩化ビニルモノマーの転化率が5
0重量%になる迄が好ましく、更に好ましくは20重量
%になる迄であり、また重合前の添加であっても良い。
転化率が50重量%を超えて添加した場合は、亜鉛溶出
量の低下効果が小さく、又ΔpHが大きく好ましくな
い。
【0012】酸化マグネシウム及び/又はハイドロタル
サイトの添加量は、重合に供する塩化ビニルモノマー全
仕込量に対し10〜1000wt ppmが好ましく、20〜
500wt ppmが更に好ましく、40〜300wt ppmが特
に好ましい。添加量が1000wt ppmを超えると、得ら
れる塩化ビニル樹脂の粒子が粗大となり易く、成形後着
色があり好ましくない。又添加量が10wt ppm未満では
亜鉛溶出の抑制及びpH変動の抑制効果が少なく好まし
くない。
【0013】本発明で用いる酸化マグネシウム、ハイド
ロタルサイトは一般に市販されているもので良いが、食
品添加用のものを使用するのが更に好ましい。
【0014】本発明で用いる懸濁安定剤は、ポリビニル
アルコール及びセルロース誘導体の併用である。
【0015】ポリビニルアルコールとしては、例えば完
全鹸化もしくは部分鹸化のポリビニルアルコールが挙げ
られる。ポリビニルアルコールの鹸化度は60〜99モ
ル%が好ましく、65〜95モル%が更に好ましく、7
0〜85モル%が特に好ましい。鹸化度が60モル%よ
り低い場合、又99モル%より高い場合は保護コロイド
性が少ない為と思われるが、得られた塩化ビニル樹脂の
粒子が粗大となり易く好ましくない。
【0016】本発明で用いるポリビニルアルコールの重
合度は、200〜3500が好ましく、500〜300
0が更に好ましく、600〜2500が特に好ましい。
重合度が200より低いポリビニルアルコールを使用し
た場合は、保護コロイド性が低く、得られる塩化ビニル
樹脂の粒子が粗大となり易く好ましくない。重合度が3
500より高いポリビニルアルコールを使用した場合
は、ポリビニルアルコールが水に溶解し難く、又水溶液
の粘度が高くなり実用に適さない。ポリビニルアルコー
ルは単独又は二種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0017】セルロース誘導体としては、例えばメチル
セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
等が挙げられ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースが好ましい。これらのセルロース誘導体は単独又
は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0018】懸濁安定剤中のポリビニルアルコールの割
合は95〜10wt%が好ましく、90〜20wt%が更に
好ましく、75〜35wt%が特に好ましい。懸濁安定剤
中のポリビニルアルコールの割合が95wt%より高い場
合、又10wt%より低い場合は得られるポリ塩化ビニル
樹脂の粒子が粗大となり易く好ましくない。
【0019】本発明で用いる懸濁安定剤の添加量は、重
合に供する塩化ビニルモノマー全仕込量に対し300〜
5000wt ppmが好ましく、400〜3500wtppmが
更に好ましく、500〜2000wt ppmが特に好まし
い。懸濁安定剤の添加量が300wt ppmより少ない場合
は、得られる塩化ビニル樹脂の粒子が粗大となり易く好
ましくない。又、添加量が5000wt ppmより多い場合
は得られる塩化ビニル樹脂の粒子が細かくなりすぎ、又
未反応モノマーを回収する際に発泡が激しくなり実用的
でない。
【0020】本発明では、重合時に、20℃に於ける蒸
気圧が10-6Pa以下であり、かつ以下に示す溶出試験
に於いて紫外吸収スペクトルの吸光度が0.06以下で
ある酸化防止剤が好ましく添加して用いられる。本発明
で用いられる酸化防止剤の20℃に於ける蒸気圧は10
-8Pa以下が更に好ましく、その吸光度は0.03以下
が更に好ましい。 〔酸化防止剤の溶出試験〕300mlの三角フラスコ
に、脱イオン水100mlと、酸化防止剤10wt ppmの
メタノール溶液5mlを入れ、121℃×1hr滅菌処
理を行った後、濾液について測定波長220nm〜35
0nmにおける紫外吸収スペクトルの吸光度を測定す
る。
【0021】酸化防止剤の20℃に於ける蒸気圧が10
-6Paより大きい場合は、樹脂の成形時に酸化防止剤が
大気中に蒸発してしまい、熱安定を維持できず、脱塩酸
が進む為と思われるが、「輸液用プラスチック容器試験
法(局方基準)」に準じて溶出試験を行うと、溶出液の
紫外吸収スペクトルの吸光度が高くなり好ましくない。
又、上記の溶出試験の紫外吸収スペクトルの吸光度が
0.06より大きい場合は、製品中に含まれる酸化防止
剤そのものが「輸液用プラスチック容器試験法(局方基
準)」の溶出試験時に溶出してしまう為と思われるが、
溶出液の紫外吸収スペクトルの吸光度が高くなり好まし
くない。
【0022】本発明で用いられる酸化防止剤の添加量と
しては、重合に供する塩化ビニルモノマー全仕込量に対
して0〜1000wt ppmが好ましく、10〜500wt p
pmが更に好ましく、30〜300wt ppmが特に好まし
い。酸化防止剤の添加量が1000wt ppmより多いと
「プラスチック容器試験法(局方基準)」の溶出試験で
紫外吸収スペクトルの吸光度が高くなり好ましくない。
酸化防止剤を添加する時期及び添加方法としては重合時
であればよく、また添加方法には制限はないが、例えば
重合終了時に、特開昭63−275653号公報に記載の可塑
剤、又は親水性溶媒と可塑剤に酸化防止剤を溶解し添加
する方法等が用いられる。
【0023】本発明で用いられる酸化防止剤としては、
例えば、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−タ
ーシャリーブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス〔3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−ターシャリーブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,
2−チオ−ジエチレン−ビス〔3−(3,5−ジ−ター
シャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ターシャリ
ーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ−ターシャリーブチルアニリノ)
−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレン
−ビス(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−ターシャリ
ーブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−
ジエチルエステル、トリス−(3,5−ジ−ターシャリ
ーブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレー
ト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−タ
ーシャリーブチルフェノール)、ヘキサメチレングリコ
ール−ビス(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、2,2−チオ−
〔ジエチル−ビス3−(3,5−ジ−ターシャリーブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等が挙
げられるが、中でもペンタエリスリチル−テトラキス
〔3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、4,4’−ブチリデ
ン−ビス(3−メチル−6−ターシャリーブチルフェノ
ール)が好ましい。これらの酸化防止剤は、単独、又二
種類以上組み合わせて使用される。
【0024】本発明の重合方法としては、一般に当業界
で行われている水性懸濁重合法が用いられる。重合条件
としては、制限はないが、塩化ビニルモノマーと水との
割合は一般に塩化ビニルモノマー100重量部に対し水
80〜300重量部であり、また重合温度は通常35〜
70℃である。
【0025】本発明で用いる重合開始剤としては、通常
塩化ビニル樹脂の製造に用いられる重合開始剤が用いら
れ、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ
ラウリルパーオキシジカーボネート、ジミリスチルパー
オキシジカーボネート、ジセチルパーオキシジカーボネ
ート、ジターシャリーブチルパーオキシジカーボネー
ト、ジ(エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、
ジ(メトキシイソプロピル)パーオキシジカーボネー
ト、ジ(3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネー
ト、ジ(3−メトキシ−3−メチルブチル)パーオキシ
ジカーボネート、ジ(ブトキシエチル)パーオキシジカ
ーボネート、ジ(2−イソプロポキシエチル)パーオキ
シジカーボネート、ジベンジルパーオキシジカーボネー
ト、ジシクロヘキシルパーオキシジカーボネート、ジタ
ーシャリーブチルシクロヘキシルパーオキシジカーボネ
ート等のパーカーボネート、ターシャリーブチルパーオ
キシネオデカネート、アミルパーオキシネオデカネー
ト、ターシャリーオクチルパーオキシネオデカネート、
α−クミルパーオキシネオデカネート、ターシャリーブ
チルパーオキシピバレート、アミルパーオキシピバレー
ト、ターシャリーオクチルパーオキシピバレート、α−
クミルパーオキシピバレート、ジターシャリーブチルパ
ーオキザレート、1,1,3−テトラメチルブチルパー
オキシフェノキシアセテート等のパーエステル、ラウロ
イルパーオキサイド、ジイソブチルパーオキサイド、2
−エチルヘキサノイルパーオキサイド、3,5,5−ト
リメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパー
オキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメ
チルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0026】成形品の着色を少なくするため、パーエス
テルを組み合わせて用いることが好ましい。これらの重
合開始剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用され
る。重合開始剤の種類、量は、重合温度、及び重合機の
除熱能力(付帯設備の除熱能力を含む)等に依って決定
されるが、通常、塩化ビニル100重量部に対し、0.
005〜0.5重量部が適当である。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではな
い。
【0028】なお、実施例及び比較例中の部はすべて重
量部である。
【0029】実施例1 内容積7m3 の重合機に脱イオン水2500Kg、酸化
マグネシウム0.3Kg、鹸化度80モル%で平均重合
度約2000の部分鹸化ポリビニルアルコール(PV
A)の5%水溶液32Kg及びヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース2%水溶液40Kg、70%ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート0.6Kg、70
%ターシャリーオクチルパーオキシネオデカネート0.
4Kgを装入し、内部の空気を真空ポンプで排除した
後、塩化ビニルモノマー2000Kgを装入した。重合
温度を55℃に設定し、反応を進行せしめ、内部の圧力
が5.5Kg/cm2 ・Gに達するまで反応を続けた。
内部の圧力が5.5Kg/cm 2 ・Gに達したところ
で、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕を0.2Kg装入した。その後、未反応単量体を
排出し、重合体のスラリーを脱水後乾燥し、製品として
塩化ビニル樹脂を1680Kgを得た。得られた重合体
100部にジ−2−エチルヘキシルフタレート50部、
エポキシ化大豆油8部、ステアリン酸亜鉛0.05部、
ステアリン酸カルシウム0.05部を配合し、170℃
のロール上で2分混練したのち厚さ0.6mmのシート
として取り出した。
【0030】このシートを日本薬局方第10改正一般試
験法42「輸液用プラスチツク容器試験法」に準じて溶
出物試験を行った。亜鉛溶出量が少なく、空試験液との
pH差は小さく、又、紫外吸収スペクトルの吸光度が低
く良好であった。
【0031】結果を表1に示す。
【0032】なお、以下の実施例及び比較例の結果も表
1に示す。
【0033】実施例2 実施例1で添加した酸化マグネシウム0.3Kgの代わ
りにハイドロタルサイト0.3Kgとしたほかは、実施
例1と同様にして製品を1670Kg得た。
【0034】実施例1と同様の方法でロールシートを
得、溶出物試験を行ったところ亜鉛溶出量が少なく、空
試験液とのpH差は小さく、又、紫外吸収スペクトルの
吸光度が低く良好であった。
【0035】比較例1 実施例1で添加した酸化マグネシウム0.3Kgの代わ
りに水酸化ナトリウム0.3Kgとしたほかは、実施例
1と同様にしたが、樹脂は粗大粒子となり、製品として
得られなかった。
【0036】比較例2 実施例1で添加した酸化マグネシウム0.3Kgの代わ
りに炭酸水素ナトリウム0.3Kgとしたほかは、実施
例1と同様にして製品を1670Kg得た。
【0037】実施例1と同様の方法でロールシートを
得、溶出物試験を行ったところ、亜鉛溶出量が多く、
又、空試験液とのpH差も大きかった。
【0038】比較例3 実施例1で添加した酸化マグネシウム0.3Kgの代わ
りにゼオライト0.3Kgとしたほかは、実施例1と同
様にして製品を1670Kg得た。
【0039】実施例1と同様の方法でロールシートを
得、溶出物試験を行ったところ、亜鉛溶出量が多く、
又、空試験液とのpH差も大きかった。
【0040】比較例4 実施例1で添加した酸化マグネシウムを、添加せずに0
としたほかは実施例1と同様にして製品を1680Kg
得た。
【0041】実施例1と同様の方法でロールシートを
得、溶出物試験を行ったところ亜鉛溶出量が多く、又、
空試験液とのpH差も大きかった。
【0042】実施例3 実施例1で添加した酸化マグネシウムの量を0.1Kg
としたほかは実施例1と同様にして製品を1680Kg
得た。
【0043】実施例1と同様の方法でロールシートを
得、溶出物試験を行ったところ亜鉛溶出量が少なく、空
試験液とのpH差は小さく、又、紫外吸収スペクトルの
吸光度が低く良好であった。
【0044】実施例4 実施例1で添加した酸化マグネシウムの量を0.6Kg
としたほかは実施例1と同様にして製品を1670Kg
得た。
【0045】実施例1と同様の方法でロールシートを
得、溶出物試験を行ったところ亜鉛溶出量が少なく、空
試験液とのpH差は小さく、又、紫外吸収スペクトルの
吸光度が低く良好であった。
【0046】実施例5 実施例1で添加した酸化マグネシウムの量を1.5Kg
としたほかは実施例1と同様にして製品を1660Kg
得た。実施例1と同様の方法でロールシートを得たが、
わずかにピンク色に着色した。更に、溶出物試験を行っ
たところ、亜鉛溶出量が少なく、空試験液とのpH差は
小さく、又、紫外吸収スペクトルの吸光度は低く良好で
あった。
【0047】実施例6 実施例1で添加した酸化マグネシウム0.3Kgの添加
時期を、塩化ビニルモノマーの転化率が20%の時に添
加したほかは実施例1と同様にして製品を1680Kg
得た。
【0048】実施例1と同様の方法でロールシートを
得、溶出物試験を行ったところ亜鉛溶出量が少なく、空
試験液とのpH差は小さく、又、紫外吸収スペクトルの
吸光度が低く良好であった。
【0049】実施例7 実施例1で添加した酸化マグネシウム0.3Kgの添加
時期を、塩化ビニルモノマーの転化率が40%の時に添
加したほかは実施例1と同様にして製品を1670Kg
得た。
【0050】実施例1と同様の方法でロールシートを
得、溶出物試験を行ったところ、亜鉛溶出量が少なく、
空試験液とのpH差は小さく、又、紫外吸収スペクトル
の吸光度が低く良好であった。
【0051】比較例5 比較例4で得られた製品100部に、実施例1のジ−2
−エチルヘキシルフタレート等の配合時に酸化マグネシ
ウムを0.015部添加し、実施例1と同様の方法でロ
ールシートを得、溶出物試験を行ったところ、亜鉛溶出
量が多く、空試験液とのpH差は大きかった。
【0052】比較例6 懸濁安定剤を、鹸化度80モル%、平均重合度約200
0の部分鹸化ポリビニルアルコールの5%水溶液48K
gのみとしたほかは、実施例1と同様にしたが、樹脂は
粗大粒子となり製品として得られなかった。
【0053】比較例7 懸濁安定剤を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2
%水溶液120Kgのみとしたほかは、実施例1と同様
にしたが、未反応モノマー回収時吹き上げがあり、又、
樹脂が粗大粒子と微粉粒子となり、製品として得られな
かった。
【0054】実施例8 実施例1で、内部の圧力が5.5Kg/cm2 ・Gに達
したところで添加したペンタエリスリチル−テトラキス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕の代わりにオクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネートとしたほかは実施例1と同様にして製品
を1680Kg得た。
【0055】実施例1と同様の方法でロールシートを
得、溶出物試験を行ったところ亜鉛溶出量が少なく、空
試験液とのpH差は小さく、又、紫外吸収スペクトルの
吸光度が低く良好であった。
【0056】実施例9 実施例1で、内部の圧力が5.5Kg/cm2 ・Gに達
したところで添加したペンタエリスリチル−テトラキス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕の量を0.84Kgとしたほか
は実施例1と同様にして製品を1680Kg得た。
【0057】実施例1と同様の方法でロールシートを
得、溶出物試験を行ったところ、亜鉛溶出量は少なく、
また空試験液とのpH差も小さかったが、紫外吸収スペ
クトルの吸光度はやや高くなった。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本方法によって得られた塩化ビニル樹脂
の製品は、酸化マグネシウム及び/又はハイドロタルサ
イトの添加量が少なく、日本薬局方で規定されている溶
出物試験で亜鉛溶出量が少なく、また紫外吸収スペクト
ルの吸光度が低く、更に空試験液とのpH差が小さく、
医療用に極めて適している。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルの水性懸濁重合により塩化ビ
    ニル樹脂を製造する方法であって、重合時に酸化マグネ
    シウム及び/又はハイドロタルサイトを添加し、懸濁安
    定剤としてポリビニルアルコール及びセルロース誘導体
    を併用することを特徴とする塩化ビニル樹脂の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 酸化マグネシウム及び/又はハイドロタ
    ルサイトを塩化ビニルモノマーの転化率が50重量%と
    なる迄に添加する請求項1記載の塩化ビニル樹脂の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 酸化マグネシウム及び/又はハイドロタ
    ルサイトの添加量が重合に供する塩化ビニルモノマー全
    仕込量に対し10〜1000wt ppmである請求項1又は
    2記載の塩化ビニル樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 懸濁安定剤の添加量が、重合に供する塩
    化ビニルモノマー全仕込量に対し300〜5000wt p
    pmであり、且つ懸濁安定剤中のポリビニルアルコールが
    95〜10wt%である請求項1、2又は3記載の塩化ビ
    ニル樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 重合時に、20℃に於ける蒸気圧が10
    -6Pa以下であり、かつ溶出試験に於いて紫外吸収スペ
    クトルの吸光度が0.06以下である酸化防止剤を添加
    する請求項1、2、3又は4記載の塩化ビニル樹脂の製
    造方法。
  6. 【請求項6】塩化ビニルの水性懸濁重合により得られた
    塩化ビニル樹脂に、少なくとも亜鉛金属石鹸系安定剤を
    添加、配合して用いる請求項1、2、3、4又は5記載
    の塩化ビニル樹脂の製造方法。
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