JPH05169456A - 合成樹脂成形用金型及び合成樹脂の成形法 - Google Patents

合成樹脂成形用金型及び合成樹脂の成形法

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JPH05169456A
JPH05169456A JP3328878A JP32887891A JPH05169456A JP H05169456 A JPH05169456 A JP H05169456A JP 3328878 A JP3328878 A JP 3328878A JP 32887891 A JP32887891 A JP 32887891A JP H05169456 A JPH05169456 A JP H05169456A
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mold
resin
synthetic resin
temperature
molding
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JP3328878A
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Hiroshi Kataoka
紘 片岡
Isao Umei
勇雄 梅井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/37Mould cavity walls, i.e. the inner surface forming the mould cavity, e.g. linings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (1)室温における熱伝導率が0.03ca
l/cm・sec・℃以上である材料よりなる主金型の
型キャ壁の表面に、ガラス転移温度が150℃以上の、
高度に3次元架橋された架橋樹脂0.001〜2mmに
被覆した合成樹脂成形用金型 (2)前項(1)に記載の金型キャビティに、該金型温
度100℃以上の高温に加熱された流体を導入し金型表
面のみを加熱した後合成樹脂を注入することを特徴とす
る合成樹脂の成形法 【効果】 本発明により、型表面再現性に優れた成形品
が経済的に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂の成形用金型及
び該金型を用いた射出成形法、押出ブロ−成形法等の成
形法に係る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を金型キャビティへ射出し
て成形品し、成形品に対する型表面の形状状態の付与に
おける再現性を良くし、成形品の艶をよくするには、通
常樹脂温度を高くしたり、射出圧力を高くする等の成形
条件を選ぶことによりある程度達成できる。
【0003】これらの要因の中で最も大きな影響がある
のは金型温度であり、金型温度を高くする程好ましい。
しかし、金型温度を高くすると、可塑化された樹脂を冷
却固化させるに必要な冷却時間が長くなり成形能率が下
がる。金型温度を高くすることなく型表面の再現性を良
くし、又金型温度を高くしても必要な冷却時間が長くな
らない方法が要求されている。金型に加熱用の孔と冷却
用の孔をそれぞれとりつけておき交互に熱媒、冷媒を流
して金型の加熱、冷却をくり返す方法も行われているが
この方法は熱の消費量も多く、冷却時間は又、金型キャ
ビティを形成する金型壁表面を薄いテトラフルオロエチ
レン等で被覆した金型を用いて射出成形を行うと型表面
の再現性が良くなることが紹介されているが、しかし、
テトラフルオロエチレンはかたさが低く、型表面の鏡面
化が困難であり、更にテトラフルオロエチレン薄層の耐
久性にも問題があり、これまでこの方法は一般に困難と
されてきた。
【0004】一方、鉄製金型キャビティの金型壁表面の
みを高周波誘導加熱により急速に加熱し、型表面のみが
加熱された状態で直ちに射出成形する方法が提案されて
いる(特公昭58−40504、同57−4748号公
報等)。しかし、この方法は高周波誘導加熱装置が非常
に高価であり、一般的でない。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明は上記の問題を解決す
べくなされたものである。本発明は熱可塑性樹脂を射出
成形、圧縮成形、中空成形等の方法で型物を成形する場
合に、成形品に対する型表面性質の付与の再現性をよく
し、特に型表面が平滑な鏡面であれば成形品表面をそれ
にできるだけ近い鏡面にする方法を提供するものであ
る。
【0006】特に合成樹脂にゴム、ガラス繊維、アスベ
スト、発泡剤等の強化材や充填物が含まれる場合、型物
の表面が荒れ、平滑な表面が得られない。本発明はこれ
等の問題も改良するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は (1) 室温における熱伝導率が0.03cal/cm
・sec℃以上である材料よりなる主金型の型キャビテ
ィ壁面の表面に、ガラス転移温度が150℃以上の、高
度に3次元架橋された架橋樹脂を厚さ0.001〜2m
mに被覆した合成樹脂成形用金型 (2) 架橋樹脂がエポキシ樹脂硬化物、架橋シリコ−
ン系樹脂、架橋アクリル系樹脂、架橋ポリカ−ボネ−ト
系樹脂から選ばれた前項(1)に記載の金型 (3) 金型壁の表面に強靱樹脂層を厚さ0.001〜
1mmに被覆し、その上に架橋樹脂を被覆した前項
(1)〜(2)に記載の金型 (4) 架橋樹脂が、橋かけ間平均分子量(Mc)で6
00以下のエポキシ樹脂硬化物である前項(1)〜
(3)に記載の金型 (5) 前項(1)〜(4)に記載の金型の型キャビテ
ィに、該金型温度より100℃以上の高温に加熱された
流体を導入し金型表面のみを加熱した後合成樹脂を注入
することを特徴とする合成樹脂の成形法 である。
【0008】以下本発明について詳細に説明する。本発
明に使用する合成樹脂は一般に射出成形やブロ−成形等
に使用できる熱可塑性樹脂である。例えばスチレン重合
体およびその共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン
等オレフィン類重合体及びその共重合体、塩化ビニル重
合体及び共重合体、ポリアミド、ポリエステル等熱可塑
性樹脂一般が使用でき、特に射出成形品の外観が悪い樹
脂が良好に使用できる。
【0009】これ等樹脂には各種充填物を配合できる。
例えば、耐衝撃強度を向上させるゴム、ガラス繊維、ア
スベスト、炭酸カルシウム、タルク、硫酸カルシウム、
発泡剤、木粉等の1種又は2種以上である。本発明に述
べる室温に於ける熱伝導率が0.03cal/cm・s
ec・℃以上の主金型材質とは、一般に射出成形、押出
ブロ−成形等に広く使用される金属の金型材質であり、
鋼材、鉄を主体として合金、アルミニウム及びその合
金、亜鉛合金等である。
【0010】ガラス転移温度(以後Tgと略称)が15
0℃以上の高度に3次元架橋された架橋樹脂としてはエ
ポキシ樹脂硬化物、架橋シリコ−ン系樹脂、架橋アクリ
ル系樹脂、CR−39で代表される架橋ポリカ−ボネ−
ト系樹脂が好ましい。高度に3次元架橋されたとは、該
樹脂で金型表面を被覆後、該被覆表面が容易に研磨でき
る程度に高度に3次元架橋されていることである。すな
わち、合成樹脂はTgが高く、高度に3次元架橋された
場合、サンドペ−パ−等の研磨材で研磨し、更に、必要
に応じてバフ仕上げすることにより容易に鏡面状にみが
くことができるようになる。
【0011】一般に一高分子鎖当り、平均2個以上、好
ましくは5個以上の架橋があることが良く、研磨性が良
くなる。本発明では特にエポキシ樹脂硬化物が好まし
い。エポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂とその硬化剤
を選定することにより、Tgや架橋度を調節することが
可能であり、硬く、強度も優れ、更に金型表面への接着
性が良く、特に好ましい。
【0012】本発明に使用されるエポキシ樹脂は1分子
当り平均二固以上のエポキシ基
【0013】
【化1】
【0014】結合を有するものである。これらの化合物
は飽和又は不飽和の脂肪族、芳香族又は異節環状化合物
であり、それらはハロゲン、ヒドロキシ、エ−テル等の
置換基を有していてもよい。特に良好なエポキシ化合物
としては(1)ポリフェノ−ルのグリシジルエ−テル、
(2)ポリフェニルエ−テルのグリシジルエ−テル、
(3)芳香族グリシジル化合物、(4)多核芳香族のグ
リシジルエ−テル又は(5)グリシジルエ−テルグリシ
ジルベンゼンである。
【0015】ポリフェノ−ルのグリシジルエ−テルは、
アルカリの存在下にエピクロルヒドリンとポリフェノ−
ルとの反応で得られる。良好なポリフェノ−ルとして
は、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,1′,2,2′−テトラキス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、α,α,α′,α′,α″,
α″−ヘキサキス(4−ヒドロキシフェニル)−1,
3,5−トリエチルベンゼン1,3,5−トリヒドロキ
シベンゼン又は1,1,5,5−テトラキス−(ヒドロ
キシフェニル)ペンタン、その他ポリヒドロキシフェノ
−ルとホルマリンの反応で得られるノボラックとエピク
ロルヒドリンの反応で得られるノボラックのグリシジル
エ−テル等がある。
【0016】ポリフェニルエ−テルのグリシジルエ−テ
ルの例として好ましいものはジヒドロキシジフェニルエ
−テルのグリシジルエ−テルがある。ビスフェノ−ルA
とエピクロロヒドリンから合成されるエポキシ樹脂プレ
ポリマ−は次の構造式を有する。
【0017】
【化2】
【0018】芳香族グリシジル化合物の良好な例として
は1,3,5−トリ(エポキシエチル)ベンゼンがあ
る。多核芳香族のグリシジルエ−テルとしてはナフタレ
ンジオ−ルのグリシジルエ−テル又はノボラックのグリ
シジルエ−テルで下記構造を有するものである。
【0019】
【化3】
【0020】グリシジルエ−テル−グリシジルベンゼン
としては
【0021】
【化4】
【0022】の構造のものが良好である。エポキシ樹脂
硬化剤としては、エポキシ環をアニオンまたはカチオン
的に、開環重合させる化合物、又はエポキシ環と付加反
応し硬化させる多官能性化合物が使用できる。ポリアミ
ン化合物、酸無水物等は特に良好に使用できる。次のジ
アミン化合物は良好に使用できる。
【0023】
【化5】
【0024】適度なエポキシ樹脂を選定し、これ等ジア
ミンを使用した硬化物は高度に架橋されており、Tgは
150℃以上になり、強度、硬さも大きい。本発明で
は、橋かけ間平均分子量(Mc)が600以下が好まし
く、更に500以下、300以上のエポキシ樹脂硬化物
が特に良好に使用できる。ただし、Mcは、J.P.B
ell;J.Polymer Sci.,A−2,
417(1970)に記載された方法で測定した値であ
る。
【0025】すなわち、エポキシ樹脂は反応性が高く、
適度の硬化条件を使用すればほとんど完全に反応が行わ
れ、計算で算出したMc値と、溶媒に浸漬した膨潤から
測定したMc値とは良く一致する。ビスフェノ−ルAと
エピクロルヒドリンからつくられるエポキシ樹脂とジア
ミンとの硬化反応では二つのMc値は特に良好に一致す
る。
【0026】金型表面を被覆する物質として好ましい条
件は (1) 熱伝導度が低い (2) 耐熱性に優れる (3) 引張強度が大きく、冷熱サイクルに強い (4) 表面硬度が大きい (5) 耐摩耗性に優れる (6) 金型本体への塗布が良好にできる (7) 金型本体との密着性が良い (8) 表面研磨ができる 等である。被覆物質の熱伝導率は室温で0.001ca
l/cm・sec・℃以下が必要であり、一般の有機重
合体はこれを満している。金型キャビティには加熱可塑
化された溶融樹脂が射出されて成形されるため、溶融温
度200℃以上の高温度と、金型本体の室温との間の厳
しい冷熱サイクルにさらされるため、被覆物質は強度が
大きく、且つ耐熱性があり、冷熱サイクルに耐える物質
である必要がある。又、金型本体との密着性が良く、冷
熱サイクルで剥離が起こらぬことが必要である。表面硬
度が大きく、耐摩耗性に優れ、使用中にキズがつき難い
ことが必要である。
【0027】更に、複雑な形状の金型表面を均一に被覆
するため、被覆物質の塗布性が必要である。射出成形
は、複雑な形状の型物が一度の成形でできることが最大
の長所であり、そのため金型キャビティは,一般に複雑
な形状をしている。この複雑な金型キャビティ表面に鏡
面状に被覆物質を塗布することはきわめて困難であり、
従って、塗布された被覆層を表面研磨して鏡面状に仕上
げる必要がある。従って、被覆物質は研磨でき、鏡面化
できることが要求される。
【0028】高度に3次元架橋された架橋樹脂は研磨が
良好にでき、特に、Mcが600以下のエポキシ樹脂硬
化物は研磨性が良好である上に、耐熱性、引張強度、表
面硬度、金型本体との密着性が特に優れ、本発明に特に
良好に使用できる。高度に3次元架橋されたシリコ−ン
系樹脂、アクリル系樹脂としては、一般に合成樹脂の表
面硬化剤として使用され、紫外線や熱により高度に3次
元架橋される被覆剤が使用される。(例えば、プラスチ
ックエ−ジ、Fel.,105(1985)、工業材
料、34,No.5 63等に記載の表面硬化剤が使用
できる。)本発明では、金型表面に被覆される架橋樹脂
の厚みは0.001〜2mmであり、好ましくは0.0
1〜0.5mmである。この厚みは、架橋樹脂の熱伝導
率、金型温度、射出成形される合成樹脂の射出時の温
度、及び該樹脂の軟化温度等により決定される。
【0029】架橋樹脂の厚みが厚すぎると、射出された
合成樹脂の金型内冷却時間が長くなり、鏡面状に被覆し
にくくなる等の問題が生ずる。架橋樹脂の厚みはその熱
伝導率が小さい程薄肉に、それが大きい程厚肉に被覆す
る。厚み(cm)/熱伝導率(cal/cm・sec・
℃)値が1〜100が好ましく、更に2〜50が特に良
好に使用できる。この範囲より小さいと、型表面再現性
が悪くなり、この範囲より大きくなると、型内冷却時間
が長くなる傾向を生ずる。
【0030】射出成形では、成形品を得る一回のサイク
ルを小さくすることが要求され、型内冷却時間を短くす
ることが要求される。成形品の艶、成形サイクルは金型
温度の影響が大きい。成形時の金型温度については、金
型温度が高いと、金型内冷却時間が長くなり好ましくな
いことがあり、また低すぎると金型表面に結露が起るこ
とがあり、射出される合成樹脂の加熱変形温度(AST
M D648(18.6kg/cm2 ))未満から室温
までの間の金型温度で成形されることが好ましい。一般
に室温程度あるいはそれより若干高温の金型が多く用い
られる。しかし、軟化温度の高い耐熱樹脂では金型温度
を高くして成形される。
【0031】合成樹脂の射出時の温度は、合成樹脂の熱
安定性温度−粘度関係等により決り、一般には広い選択
範囲はない。本発明は良熱伝導体である金属製金型の型
キャビティ表面を低熱伝導体である架橋樹脂で薄層に被
覆し、射出された加熱樹脂の熱自身で型表面を加熱し、
成形品の型表面再理性を良くすることを目的としてい
る。架橋樹脂の熱伝導率は一般に鉄の1/200程度及
びそれ以下であり、本発明の目的には熱伝導率は十分に
低く、従って低熱伝導物質を選ぶ場合、かたさ、耐熱
性、耐摩耗性、被覆密着性、表面の鏡面化の難易等で選
択される。
【0032】熱可塑性樹脂の射出成形等では型キャビテ
ィに高温に加熱可塑化された樹脂を注入して成形され
る。従って型キャビティ表面には高温高圧の樹脂が繰り
返し接触する。それ故、型表面にはかなりの強度が要求
される。一般に、架橋樹脂はTgを越えると急速に強度
が低下する。合成樹脂の成形温度付近以上のTgを持つ
架橋樹脂が好ましくは、本発明ではTgが150℃であ
る。
【0033】架橋樹脂と主金型材質との熱膨張係数は一
般に異るため、成形時に架橋樹脂には応力が発生する。
この応力が繰り返しかかると、ついには架橋樹脂に細い
クラックが発生する場合がある。これを防ぐため、主金
型材質と架橋樹脂の間に、強靱樹脂層を厚さ0.001
〜1mm厚に存在させることが有効である。これは強靱
樹脂層が中間に存在することにより、熱膨張の差を緩和
できることによると考えられる。強靱樹脂層の厚みは
0.001mm未満では効果は小さく、1mmを超える
必要はなく、好ましくは0.01〜0.5mmである。
ここに述べる強靱樹脂とは、強伸度が大きく、耐熱性が
高く、金型との接着性も良く、加熱−冷却を繰り返して
もクラック発生が無く、剥離も起らない樹脂である。一
般にス−パ−エンプラと称される主鎖に芳香環を有する
強靱耐熱樹脂が良好に使用される。
【0034】ポリイミドは最も良好に使用できる。前記
のポリイミドとは、ピロメリット酸(PMDA)系ポリ
イミド、ピフェニルテトラカルボン酸系ポリイミド、ト
リメリット酸を用いたポリアミドイミド、ビスマレイミ
ド系樹脂(ビスマレイミド/トリアジン系等)、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸系ポリイミド、等であり、代
表的なポリイミドの繰り返し単位の構造式を次に示す。
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】これ等ポリイミドの変性物、例えばポリア
ミドイミド、各種ブレンド等は必要に応じて使用でき
る。特に、コ−ティング用に、粘度を調整したり、基材
との接着性を上げるための変性を行うことが好ましい。
これ等ポリイミドの中で、PMDA系ポリイミドは、耐
熱性、機械的性質等に優れ、最も好ましい。特に塗布用
に変性したワニスは好ましい。
【0038】本発明では、これ等ポリイミドの前駆体溶
液を金型表面に塗布し、次いで加熱によりポリイミドを
成形せしめた物が良好に使用できる。ポリイミド前駆体
は、イミド環が成形される前のポリアミドの状態のポリ
マ−や、ビスマレイミド化合物等であり、このポリマ−
を溶剤に溶解し、該溶液を金型表面に塗布し、それを加
熱して、まず溶剤を蒸発させ、更に加熱して、反応を起
こさせて、イミド環を形成し、耐熱性、物理的性質に優
れたポリイミド被膜を型表面に形成し、本発明の金型を
得る。
【0039】ポリイミドの前駆体溶液は、コ−ティング
時の粘度を調整したり、溶液の表面張力を調整するため
の添加物を加えたり、又は/及び金型との密着性を上げ
るための添加物を加えることは良好に使用できる。これ
等ポリイミドの中で、PMDA系ポリイミドは、耐熱
性、機械的性質等に優れ、最も好ましい。特に塗布用に
変性したワニスは良好に使用できる。
【0040】ポリイミド前駆体のポリマ−は、カルボキ
シル基、エステル基等のため金型との密着性が良く、金
型表面上でポリイミドを反応形成させることにより金型
表面に密着したポリイミド薄層が得られる。本発明は金
型キャビティに射出される加熱溶融された合成樹脂はそ
の軟化温度以上の状態で金型壁面に高圧で押しつけられ
ることが必要であり、高速射出成形が著しく有効であ
る。すなわち、金型キャビティへの射出時間が1秒未満
の高速射出成形を行う合成樹脂の射出成形法である。好
ましい高速射出時間は0.5秒以下に、更に好ましくは
0.3秒以下である。
【0041】更に本発明では金型キャビティに加熱した
ガス体等の流体を導入することにより更に良好な成形品
表面が得られる。加熱したガス体等の流体を金型キャビ
ティに導入することにより金型キャビティを成形する金
型壁表面を選択的に加熱することができる。金型キャビ
ティに導入する加熱ガスの温度は金型温度より高ければ
よいが、高温ガスを短時間導入した方が効果は大きく、
ガス温度は金型温度より100℃以上、好ましくは20
0℃以上、更に好ましくは300℃以上高いガス等が好
ましい。
【0042】金型キャビティに加熱ガスを導入する方法
として種々の方法が考えられるが、その一例としては金
型キャビティにガスは通過できるが溶融樹脂は通過でき
ない大きさの細孔をあげておきその細孔より加熱ガスを
導入する。したがって、加熱ガスの入口、及び出口に適
した位置に細孔を設けなくてはならない。ガスは通過で
きるが溶融樹脂は通過できない細孔の大きさは樹脂の種
類、成形条件等により異るが、一般には0.01〜0.
2mmの空隙をもつ細長い細孔が適している。しかしな
がら、通常の金型は気密でなくパ−チング面がこの空隙
の条件を充す。とくにパ−チング面が気密な金型には特
別に前述した如き細孔を設けてガスの導入をするのであ
る。
【0043】本発明は可塑化された樹脂の射出直前に金
型キャビティに加熱ガスを導入して金型表面のみを加熱
することを特徴とするが、金型キャビティに導入した加
熱ガスにより該金型キャビティを加圧状態に保持した状
態で樹脂を入れて成形することもできる。
【0044】
【実施例】次の,,の物を用いて実験を行った。 金 型 : 鋼材(S55C)でつくられ、2mm厚
の平板状型キャビティを有し、型表面は鏡面状である鋼
材の熱伝導率は0.12cal/cm・sec・℃ エポキシ樹脂 ビスフェノ−ル−Aとエピクロルヒドリンから合成され
た両末端エポキシ環のビスフェノ−ルA系エポキシ樹脂
【0045】
【化8】
【0046】の表1に示す各分子量の物を使用した。
【0047】
【表1】
【0048】エポキシ樹脂の硬化剤 ジアミノジフェニルメタン ポリイミド;東レ(株)製、耐熱絶縁ワニス、トレニ
−ス ♯3000、該ワニスの硬化物の熱伝導率は0.
0004cal/cm・sec・℃破断伸度は47% 上記の金型キャビティ壁面にのエポキシ樹脂の各種
組合せとの硬化剤の混合物を塗布し、60℃で30
分、80℃で30分、150℃で2.5時間加熱し、金
型壁表面をエポキシ樹脂硬化物で被覆したエポキシ樹脂
硬化物の橋かけ間分子量(Mc)とガラス転移温度(T
g)及び表面研磨性を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】この硬化物の熱伝導率は、0.0004c
al/cm・sec・℃であった。金型壁表面を被覆し
た各エポキシ樹脂硬化物の表面研磨性はMcが小さい程
良好であり、Mc≦600の物は実用上良好に研磨でき
た。Mc≦600の硬化物の表面研磨したものは、表面
硬さ、耐久性、耐熱性に優れ、金型として優れていた。
K−2の硬化物を被覆し、研磨紙で研磨し、バフ仕上げ
をして鏡面化した金型に、合成樹脂としてゴム強化ポリ
スチレン[旭化成工業(株)製、スタイロン495]を
用いて射出成形を行い、成形品の光沢度を測定し、表3
に示した。
【0051】
【実施例2】の金型のキャビティ壁表面に、上記に
示したポリイミドの希釈溶液を、スプレ−塗装し、25
0℃まで昇温して、型表面を0.06mmの厚さのポリ
イミドで被覆した。更に、このポリイミドの表面に、実
施例1と同様にエポキシ樹脂硬化物のK−3を0.04
mmに被覆し、次いで研磨して鏡面状表面を有する金型
とした。
【0052】該金型を用い、実施例1と同様に射出成形
を行い、成形品の光沢度を測定し、表3に示した。
【0053】
【表3】
【0054】この金型を用いて1000回の射出成形を
行ったが金型表面の異常、光沢の変化は認められなかっ
た。
【0055】
【発明の効果】本発明により、型表面再現性に優れた成
形品が経済的に得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】本発明では、これ等ポリイミドの前駆体溶
液を金型表面に塗布し、次いで加熱によりポリイミドを
成形せしめた物が良好に使用できる。ポリイミド前駆体
は、イミド環が成形される前のポリアミド酸の状態のポ
リマー等であり、このポリマーを溶剤に溶解し、該溶液
を金型表面に塗布し、それを加熱して、まず溶剤を蒸発
させ、更に加熱して、反応を起こさせて、イミド環を形
成し、耐熱性、物理的性質に優れたポリイミド被膜を型
表面に形成し、本発明の金型を得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】
【実施例】次の,,の物を用いて実験を行った。 金型 : 鋼材(S55C)でつくられ、2mm厚
の平板状型キャビティを有し、型表面は鏡面状である。
鋼材の熱伝導率は0.12cal/cm・sec・℃ エポキシ樹脂 ビスフェノールーAとエピクロルヒドリンから合成され
た両末端エポキシ環の、下記のビスフェノールA系エポ
キシ樹脂
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】エポキシ樹脂の硬化剤 ジアミノジフェニルメタン ポリイミド;東レ(株)製、耐熱絶縁ワニス、トレニ
ース #3000。該ワニスの硬化物の熱伝導率は0.
0004cal/cm・sec・℃、破断伸度は47% 上記の金型キャビティ壁面にのエポキシ樹脂の各種
組合せとの硬化剤の混合物を塗布し、60℃で30
分、80℃で30分、150℃で2.5時間加熱し、金
型壁表面をエポキシ樹脂硬化物で被覆したエポキシ樹脂
硬化物の橋かけ間分子量(Mc)とガラス転移温度(T
g)及び表面研磨性を表2に示した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】表面被覆により成形品の光沢度は改良され
た。特に実施例2の成形品光沢は著しく改善され、この
金型を用いて1000回の射出成形を行ったが金型表面
の異常、光沢の変化は認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 49/48 2126−4F // B29K 63:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温における熱伝導率が0.03cal
    /cm・sec・℃以上である材料よりなる主金型の型
    キャビティ壁の表面に、ガラス転移温度が150℃以上
    の、高度に3次元架橋された架橋樹脂を厚さ0.001
    〜2mmに被覆した合成樹脂成形用金型。
  2. 【請求項2】 架橋樹脂が橋かけ間平均分子量(Mc)
    で600以下のエポキシ樹脂硬化物である請求項1に記
    載の合成樹脂成形用金型。
  3. 【請求項3】 金型壁の表面に強靱樹脂層を厚さ0.0
    01〜1mmに被覆し、その上に架橋樹脂を被覆した請
    求項1又は2に記載の合成樹脂成形用金型。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載の金型キャビ
    ティに該金型温度より100℃以上の高温に加熱された
    流体を導入し金型表面のみを加熱して後合成樹脂を注入
    することを特徴とする合成樹脂の成形法。
JP3328878A 1991-10-22 1991-12-12 合成樹脂成形用金型及び合成樹脂の成形法 Withdrawn JPH05169456A (ja)

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JP3-274017 1991-10-22
JP27401791 1991-10-22

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JPH05169456A true JPH05169456A (ja) 1993-07-09

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