JPH0516581U - シンカー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型のクレーン等を装備した台船を使用しな
くても設置することができ、且つ、水底が軟弱な地盤で
あっても設置することができる、テンションレグ方式で
浮体の一部を水中に引き込む場合等に使用される比較的
に大型で重量の大きなシンカーを提供する。 【構成】 内部がバラストタンクとして形成されている
平板状の本体の上部の周縁部を囲んで側壁を設けると共
に、前記本体に注水弁を設ける。 【作用】 シンカーの本体内部をバラストタンクとして
形成し、更にこのシンカーの本体上部の周縁部を囲んで
側壁を設けているので、前記シンカーは一種の浮体を構
成して、曳航が可能になっており、所定の設置地点で注
水口の弁を開くことによって本体内部のバラストタンク
に注水して沈設することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は大型のクレーン等の吊上げ装置を装備した台船が準備されていない湖 沼等の水底に設置し、テンションレグ方式で係留する水質等の観測施設の本体で ある浮体の一部を浮力に逆らって水中に引き込んで所定の位置に係留する場合等 に使用される、比較的に重量の大きなシンカーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

湖沼等の周囲には観光地が点在している場合が多く、水面には多数のボートや ヨットや高速艇が航行している。したがって、この湖沼の水面を長期間にわたっ て占有することは他の利用者への影響が大きく、なるべく占有する水面が小さく なければならない。一方、環境保護のために、この湖沼の水質を常時検査するこ とが行なわれるようになっているが、この水質の検査のために、テンションレグ 方式で浮体である観測施設の本体の一部を水中に引込んで係留する装置を本出願 人が開発して提案した。ところで、この浮体の一部を水中に引き込んで係留索に 大きな張力を発生させるためのシンカーには、通常の船舶の錨よりかなり大型で 重量のあるものを使用しなければならないという問題がある。更に、通常、湖沼 の水底はヘドロが堆積した軟弱な地盤から構成されている。従って、通常の構造 の着座面積の小さなシンカーを使用した場合には、このシンカーがそのヘドロの 中に沈没してしまい、再びこれを別の場所に移動することが困難となる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような比較的に大型で重量の大きなシンカーを測定地点まで運搬し設置す るためには、大型クレーン等を装備した台船を使用しなければならないのである が、湖沼等にはこのような大型の台船が準備されていないのが通常であり、テン ションレグ方式の水質測定施設を湖沼等に設置することが困難であった。更に、 水底にヘドロが堆積しているような場所では、シンカーがこのヘドロに埋没して しまい、一度所定の位置に係留して固定すると、この観測施設を別の観測地点に 移動することが困難であった。

【０００４】 本考案は以上の問題点に鑑みて、大型のクレーン等を装備した台船を使用しな くても設置することができ、且つ、水底が軟弱な地盤であっても設置することが できる、テンションレグ方式で浮体の一部を水中に引き込む場合等に使用される 比較的に大型で重量の大きなシンカーを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案に係るシンカーは、内部がバラストタンクと して形成されている平板状の本体の上部の周縁部を囲んで側壁を設けると共に、 前記本体に注水弁を設けてなる構成である。

【０００６】

【作 用】

本考案は以上の構成を有しており、シンカーの本体内部をバラストタンクとし て形成し、更にこのシンカーの本体上部の周縁部を囲んで側壁を設けているので 、前記シンカーは一種の浮体を構成して、曳航が可能になっており、所定の設置 地点で注水口の弁を開くことによって本体内部のバラストタンクに注水して沈設 することができる。

【０００７】 また、このシンカー本体の上部の周縁部は側壁で囲まれて泥避けを形成してい るので、沈設後もこの中に泥が流入することを防止できる。

【０００８】

【実 施 例】

次に図面を参照して本考案の実施例を説明する。図１、図２及び図３に示すシ ンカー１の本体２の内部は一種のバラストタンク３として形成されており、本体 ２の周縁部2aには上方に延長して側壁４が設けられ、この本体２の上部2bと側壁 ４で囲まれる部分が一種の収納部を形成しており、この部分にはウェイト用にコ ンクリート５が打設してある。また、このシンカー１の本体２の底部2cに開口し た注水口６は注水弁７によって閉鎖されている。

【０００９】 一方、このシンカー１の上部2bには、注水時に本体２内部の空気を抜くための 排気管８が突設されており、更に、このシンカー１の中央部には係留索を接続す る接続環９が設けられている。また、前記側壁４はシンカー１の本体２の上部2b との間に傾斜して設けた支持棒10によって補強されており、この側壁４の高さは 曳航される際に波浪による浸水を防止し、且つ沈設後は水底のヘドロでシンカー １が埋没しないように設定されている。

【００１０】 このシンカー１を設置地点に移送する場合には、図４のようにスリップウェイ 11で搬送してきたシンカー１をタグボート12によって牽引して進水させ、前記シ ンカー１に浮体の一部を水中に引き込んで係留するのに充分な重量を持たせるた めに、図５のようにコンクリートミキサー車13から適当な量のウェイト用のコン クリート５を注入する。そして、図６のように設置地点まではウインチ14を搭載 した比較的に小型の台船15に前後を挟まれる形で曳航される。設置地点ではシン カー１の接続環９に係留索等を介して浮体を接続し、遠隔操作で前記注水弁７を 開放して注水口６からバラストタンク３に水を注入し、一室として形成されてい るバラストタンク３内の空気は排気管８から排出される。

【００１１】 尚、本実施例のシンカー１は平面視で八角形をしているが、浮体を水中の所定 の深さに引き込むことができる重量で、水底に掛かる載荷圧力が所定の値になる ような接地面積を有していれば他の形状でも構わない。一方、バラストタンク３ に注水するための注水口６及び注水弁７、或いは排気管８の各々の位置や数はシ ンカー１が速やかに安定して水中に降下できるのであれば本実施例の配置や数量 と同一でなくても良い。また、本実施例では側壁４がシンカー１の本体２の周縁 部2a上方にほぼ直立しているが、この側壁４は内向き或いは外向きに斜めであっ ても良い。

【００１２】 このように本実施例によれば、大型のクレーン等の重機を搭載した台船が準備 されていない湖沼等であって、しかも、設置地点の地盤が軟弱である場合のよう な悪条件下であっても、テンションレグ方式によって浮体の一部を水中に引き込 む際に使用されるような比較的に大型で重量の重いシンカー１を水底に設置でき る。

【００１３】

【考案の効果】

本考案に係るシンカーは、内部がバラストタンクとして形成されている平板状 の本体の上部の周縁部を囲んで側壁を設けると共に、前記本体に注水弁を設けて なる構成であるので、以下の効果を奏することができる。 シンカーの本体内部をバラストタンクとして形成しており、更にこのシンカー の本体上部の周縁部に側壁を植立させているので一種の浮体を構成しており、設 置地点まで曳航することができる。また、所定の設置地点で前記シンカーの本体 内部に注水することによって容易にこのシンカーを沈設することができる。更に 、前記側壁は一種の泥避けを形成しているので、沈設後もこの中に泥が流入する ことを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のシンカーの斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】本考案のシンカーの進水時の概略図である。

【図５】本考案のシンカーのコンクリート打設時の概略
図である。

【図６】本考案のシンカーの曳航時の概略図である。

【符号の説明】

１ シンカー ２ 本体 2a 周縁部 2b 上部
３ バラストタンク ４ 側壁 ７ 注水弁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部がバラストタンクとして形成されてい
   る平板状の本体の上部の周縁部を囲んで側壁を設けると
   共に、前記本体に注水弁を設けてなるシンカー。