JPH05165036A - 液晶パネルおよびその製造方法 - Google Patents

液晶パネルおよびその製造方法

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JPH05165036A
JPH05165036A JP33087891A JP33087891A JPH05165036A JP H05165036 A JPH05165036 A JP H05165036A JP 33087891 A JP33087891 A JP 33087891A JP 33087891 A JP33087891 A JP 33087891A JP H05165036 A JPH05165036 A JP H05165036A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】シリコン基板とガラス基板のように熱膨張率の
異なる基板同士を貼り合わせて間に液晶を封入してなる
液晶パネルのシール技術に関し、熱膨張率の異なる基板
同士を貼り合わせて製造する液晶パネルにおけるシール
時の熱膨張率の差に起因して、あるいは使用時の温度差
によって、基板が湾曲したりシール部に応力が発生する
のを未然に防止することを目的とする。 【構成】シリコン基板1とガラス基板2を熱硬化性樹脂
3hで貼合わせ、熱硬化処理して、液晶封入空間4を形成
する方法において、シール部を熱硬化処理する際に、熱
膨張率の大きい方の基板2の加熱温度よりも、熱膨張率
の小さい方の基板1の加熱温度を高くして、両基板1、
2の熱膨張量を等しくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレイに使
用される液晶パネルおよびその製造方法に関し、特にシ
リコン基板とガラス基板のように熱膨張率の異なる基板
同士を貼り合わせて間に液晶を封入する場合のシール技
術に関する。
【0002】近年、投射型の液晶ディスプレイの需要が
高まっており、投射型の液晶パネルの開発が盛んに行わ
れているが、よりコンパクトでより明るい投射型の液晶
ディスプレイとして、反射型でしかもシリコン基板を用
いた液晶パネルの研究が進められている。
【0003】
【従来の技術】図11に従来の液晶パネルのシール剤の熱
硬化処理方法を示す縦断面図である。1はシリコン基
板、2はガラス基板であり、両者間の外周部を接着剤3h
でシールし、内部の空間4にスペーサ用ボール5と液晶
が封入される。通常、接着剤3hとして熱硬化性樹脂が使
用される。
【0004】図12は液晶パネルの従来のシール方法を工
程順に示す斜視図である。1はシリコン基板であり、内
面にスイッチング用の薄膜トランジスタがマトリクス状
に形成されている。このシリコン基板1の外周に、液晶
注入口6を除いて、接着剤3hをスクリーン印刷した状態
で、 (2)のように、内面にシリカボールが散布されたガ
ラス基板2と重ねる。
【0005】次に、両基板1、2間に均一な圧力を加え
て、熱硬化性接着剤3hを均一な厚さに押し延ばすため
に、(3) のようにビニール袋7に入れて内部を排気し、
真空にした状態で、加熱して接着剤を熱硬化させる。そ
の後、真空パック用袋7から取り出して、前記の液晶注
入口6から液晶を注入してから、(4) のように液晶注入
口6を接着剤で塞ぐと、液晶パネルが完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、接着剤3h
として熱硬化性樹脂を使用し、熱硬化によってシリコン
基板1とガラス基板2を貼り合わすため、シリコン基板
1とガラス基板2の熱膨張率の差によって、図11(3) の
ようにシリコン基板1側が湾曲するという問題が生じて
いる。
【0007】シール剤3hとして、紫外線硬化樹脂を用い
ることも提案されているが、紫外線硬化樹脂は、シール
部の接着強度に問題がある上、紫外線が配向膜に与える
影響も無視出来ない。したがって、通常はシール剤3hと
して熱硬化性樹脂が使用されているが、その結果前記の
ようなシリコン基板1の湾曲は避けられない。
【0008】次に、湾曲の発生原因を図11で説明する。
シリコン基板1の熱膨張係数は28×10-7/℃、ガラス基
板2の熱膨張係数は32〜140 ×10-7/℃程度と、通常は
ガラス基板2の熱膨張係数がはるかに大きい。そのた
め、図11(1) のように、両側のシール剤3h・3h間の寸法
が同じサイズL1のシリコン基板1とガラス基板2を熱硬
化性樹脂3hで貼り合わせた状態で、(2) のように135℃
程度の熱を加えて熱硬化させた際に、シリコン基板1は
熱膨張によってL2の寸法まで延びるのに対し、熱膨張率
の高いガラス基板2の熱膨張量が大きいためにL3まで延
びる。すなわち、L2<L3となる。
【0009】このように、シリコン基板1よりもガラス
基板2側が延びた状態で、熱硬化性樹脂3hが熱硬化する
ため、常温に戻すと(3) のように、ガラス基板2の熱収
縮率が大きく、シリコン基板1が凸に湾曲する。すなわ
ち、常温に戻ると、シリコン基板1は元の寸法L1に戻る
が、ガラス基板2側は (2)図のようにシリコン基板1側
よりも延びた状態で熱硬化固定されるため、シール部3h
〜3h間の寸法L2が、常温に戻った後はL4となり、シリコ
ン基板1側の寸法L1よりも小くなる。その結果、シリコ
ン基板1側がガラス基板2の熱収縮力で引っ張られて、
湾曲する。
【0010】このような湾曲が発生すると、液晶パネル
の中央部と外側とでセル厚が異なり、その結果、コント
ラスト、しきい値電圧等にむらが生じてしまい、表示品
質が低下する。また、熱硬化後のシール部3hに常に応力
が作用するため、シリコン基板1およびガラス基板2に
もストレスが発生し、外力が作用したりすると容易に損
傷する恐れがある。
【0011】一方、図13(1) に示すように、完成状態の
液晶パネルにおいて、常温ではシリコン基板1とガラス
基板2の寸法が同一であっても、投射型の液晶ディスプ
レイの場合は、大きな光量を要するため、光源8で熱せ
られた高温側の基板(2) の熱膨張量が大きく、反対側の
基板(1) の熱膨張量が少ない。その結果、光源8側の基
板が湾曲し、セル厚が不均一になったり、シール剤3hに
応力が発生する。なお、この図は、反射式の投射型液晶
ディスプレイであり、液晶ディスプレイの画像がスクリ
ーンSに反射され、スクリーンS上に拡大された像が表
示される。
【0012】本発明の技術的課題は、このような問題に
着目し、シリコン基板とガラス基板のように熱膨張率の
異なる基板同士を貼り合わせて製造する液晶パネルにお
けるシール時の熱膨張率の差に起因して、あるいは使用
時の温度差によって、基板が湾曲したりシール部に応力
が発生するのを未然に防止することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】図1は本発明による液晶
パネルおよびその製造方法の基本原理を説明する断面図
である。請求項1の発明は、図1(1) に示すように、シ
リコン基板1とガラス基板2を熱硬化性樹脂3hで貼合わ
せ、熱硬化処理して、液晶封入空間4を形成する方法に
おいて、シール部を熱硬化処理する際に、熱膨張率の大
きい方の基板2の加熱温度よりも、熱膨張率の小さい方
の基板1の加熱温度を高くして、両基板の熱膨張量を等
しくするものである。
【0014】請求項2の発明は、シリコン基板1とガラ
ス基板2を熱硬化性樹脂3hで貼合わせ、熱硬化処理し
て、液晶封入空間4を形成する方法において、シール部
を熱硬化処理する際に、熱膨張率の大きい方の基板2を
湾曲させて、加熱状態におけるシール部間寸法L3を、熱
膨張率の小さい方の基板1のシール部間寸法L2よりも大
きくした状態で、熱硬化させる方法である。
【0015】請求項3の発明は、シリコン基板1とガラ
ス基板2を熱硬化性樹脂3hで貼合わせ、熱硬化処理し
て、液晶封入空間4を形成する方法において、シール部
を熱硬化処理する際に、熱膨張率の大きい方の基板2と
して、液晶封入空間4側の面が予め凹曲面に形成されて
いる基板を用いるものである。
【0016】請求項4の発明は、シリコン基板1とガラ
ス基板2をシール剤で貼り合わせて液晶封入空間4を形
成し、内部に液晶を封入してなる液晶パネルにおいて、
該シール剤が、固化した状態でゴム様の弾力を有する材
料3gで構成されている構造である。
【0017】
【作用】請求項1の発明は、図1(1) に示すように、熱
硬化処理時に、熱膨張率の高いガラス基板2側も、熱膨
張率の低いシリコン基板1側と同じ寸法L2となるよう
に、熱膨張率の大きい方の基板すなわちガラス基板2の
加熱温度よりも、熱膨張率の小さい方の基板すなわちシ
リコン基板1の加熱温度を高くする。
【0018】このように、ガラス基板2とシリコン基板
1を異なった温度に加熱することによって、両基板1、
2のシール部間隔が同じ寸法L2の状態でシール剤3hを熱
硬化させるため、常温に戻るまでの温度差は、熱膨張率
の小さいシリコン基板1側が大きい。その結果、熱収縮
量は、ガラス基板2もシリコン基板1も同等となり、湾
曲は発生しないので、従来のようなシール部の応力やセ
ル厚が不均一になるといった問題は発生しない。
【0019】請求項2の発明は、図1(2) に示すよう
に、シール部を熱硬化処理する際に、熱膨張率の大きい
方の基板2を湾曲させて、加熱状態における該基板の寸
法L3を、熱膨張率の小さい方の基板1の寸法L2よりも大
きくした状態で熱硬化させる。このように、熱膨張率の
大きいガラス基板2側を予め長くしてあるので、常温に
戻した後の両基板1、2の寸法が同等となり、湾曲を防
止できる。
【0020】請求項3の発明は、請求項2のように、熱
硬化処理時に熱膨張率の大きい方の基板2を湾曲させる
方法と異なり、図1(3) に示すように、シール部を熱硬
化処理する際に、熱膨張率の大きい方の基板2として、
液晶封入空間4側の面が予め凹曲面に形成されている基
板を用いることによって、シール部間寸法L3を予め長め
にしておくものである。この場合も、常温に戻した後
は、両基板1、2のシール部間寸法が同等となり、湾曲
を防止できる。
【0021】請求項4の発明は、シリコン基板1とガラ
ス基板2を貼り合わせるシール剤を改良したものであ
り、シール剤として、固化した状態でゴム様の弾力を有
する材料3gを用いている。そのため、熱膨張率の差によ
って、あるいは図1(4) に示すように液晶表示パネルと
して使用している際の両基板間の温度差によって、片方
の基板と他方の基板とで寸法変化が生じても、ゴム様シ
ール剤3gが弾性変形し、他方の基板に対して平行状態で
伸縮するのみであって、湾曲することはない。
【0022】
【実施例】次に本発明による液晶パネルおよびその製造
方法が実際上どのように具体化されるかを実施例で説明
する。図2は請求項1の発明の実施例を示す側面図であ
る。図2において、9は恒温槽であり、その中におい
て、シール部間寸法が同等のシリコン基板1とガラス基
板2を熱硬化性のシール剤を介して貼り合わせた状態
で、熱膨張率の小さいシリコン基板1がホットプレート
10と接するように、載置されている。
【0023】このように、恒温槽9中で、熱硬化性シー
ル剤を熱硬化させる。恒温槽9の温度は、熱硬化性樹脂
の熱硬化処理に必要な温度であり、通常120℃程度が適
している。シリコン基板1の熱膨張係数が28×10-7
℃、ガラス基板2の熱膨張係数が32×10-7/℃とする
と、120℃でガラス基板2が熱膨張した状態において、
シール部間寸法がシリコン基板1側におけるシール部間
寸法と同等となるまで、シリコン基板1の加熱温度を高
くすることが、請求項1の発明であり、そのためには、
シリコン基板1側を135℃程度まで加熱する必要があ
る。
【0024】すなわち、熱膨張率の大きいガラス基板2
側は常温( 25℃とする )から95℃温度上昇するのに対
し、熱膨張率の小さいシリコン基板1側は常温から110
℃温度上昇することになり、熱膨張率の小さいシリコン
基板1に、より高い温度を加えることで、シール剤の熱
硬化処理時のシール部間寸法を同等にする。
【0025】その結果、シール剤の熱硬化処理の後、恒
温槽9から出して常温まで戻す際も、熱膨張率の小さい
シリコン基板1の方が温度降下が大きく、シリコン基板
1とガラス基板2の熱収縮量が同等となり、熱収縮後も
同じ寸法となるので、湾曲は発生しない。
【0026】図4は、図2の実施例の効果を示す実測図
である。 (a)図は液晶パネルにおける測定点を示す平面
図、 (b)図は測定結果であり、横軸は測定点、縦軸はセ
ル厚分布である。
【0027】(b)図において、白丸は従来方法で熱硬化
処理した液晶パネルのセル厚分布であり、ガラス基板2
もシリコン基板1も135 ℃に加熱して熱硬化処理した場
合である。黒丸は、図2の実施例の条件で熱硬化処理し
た液晶パネルのセル厚分布である。
【0028】この測定結果から明らかなように、従来方
法で熱硬化処理した液晶パネルは、中央部である測定点
7、8、9の部分のセル厚が他の領域よりも厚くなって
いるのに対し、本発明の方法で熱硬化処理した液晶パネ
ルは、総ての測定点で一定のセル厚を示しており、従来
方法に比べて液晶セル厚が均一になっていることが分か
る。
【0029】このように、ガラス基板2側を相対的に低
温にするには、図2における恒温槽を用いることなく、
ガラス基板2側を温度の低いホットプレートで加熱する
こともできる。図3は請求項1の発明の別の実施例を示
す側面図であり、ガラス基板2側もホットプレートで加
熱する方法と類似している。この実施例はモータドライ
ブプレス機を用いたものであり、下側のプレート11と上
側のプレート12を別々に温度制御でき、しかも加圧力も
高精度に制御できる。
【0030】そのため、図2の場合と同様に、ガラス基
板2側のプレート12の温度を120 ℃に設定し、シリコン
基板1側のプレート11の温度を135 ℃に設定すると共
に、両プレート11、12間に圧力を加えて、両基板1、2
間のシール剤を熱硬化させた後、プレート11、12から取
り出して常温まで冷却する。
【0031】図2、図3において、図12に示したよう
に、両基板1、2を袋に入れて真空パックした状態で熱
硬化処理すると、シール剤の厚さがより均一となる。
【0032】次に請求項2のように、シール部を熱硬化
処理する際に、熱膨張率の大きい方のガラス基板2を湾
曲させて、加熱状態におけるガラス基板2のシール部間
寸法を、熱膨張率の小さいシリコン基板1のシール部間
寸法よりも大きくするには、予め湾曲しているガラス基
板を用いる方法と、熱硬化処理時に湾曲させる方法とが
ある。
【0033】熱硬化処理時に湾曲させるには、図5に示
すような治具を用いるのが有効である。13、14は十文字
状に固定されているアームであり、それぞれの先端に、
挟持爪15〜18が軸19を中心にして回動可能に支持されて
いる。各爪15〜18の先端は、ガラス基板2の四辺を挟持
できるように段付き形状20となっており、また互いに対
向する爪15−16間、爪17−18間は、ボルト21、22を挿通
し、ナット23、24で固定することによって、ガラス基板
2の四辺を挟んで、自由な熱膨張を抑制している。
【0034】このように治具を用いて、図6の工程(1)
のようにシリコン基板1に接着されたガラス基板2のみ
を四辺から挟持した状態で、工程(2) のように熱硬化処
理温度まで加熱すると、治具で挟まれているガラス基板
2のみ、熱膨張により湾曲して球面状となり、シール部
間寸法L3がシリコン基板1のシール部間寸法L2より長く
なる。
【0035】そして、熱硬化処理によって、ガラス基板
2側のシール部間寸法がL3と長くなった状態で固定され
る。このように、熱膨張率の大きいガラス基板2側のシ
ール部間寸法L3が大きいため、熱硬化処理後に工程(3)
のように常温に戻すと、ガラス基板2側の熱収縮量が大
きく、ガラス基板2もシリコン基板1もシール部間寸法
が同等となる。
【0036】図5の治具を用いる場合、治具側の熱膨張
のために、ガラス基板2を充分に湾曲できない場合は、
先にナット23、24を締め付けて湾曲させておくとか、ナ
ット23、24と爪16、17との間にスプリングを介在させ
て、ガラス基板2に常に挟持力が作用するようにしても
よい。
【0037】このように熱硬化処理時にガラス基板2を
球面状に湾曲させるのでなく、先に球面状に湾曲させて
おくこともできる。例えば、図5の治具を用いて、ガラ
ス基板2の四辺を挟持し、ガラス基板2が軟化する温度
の直前まで加熱する。あるいは、図7のように、ガラス
基板2の液晶封入空間4側の面を研摩して球面にするこ
ともできる。
【0038】球面加工することによって、シール部間寸
法を長くしておくと、(1) の工程で熱硬化性樹脂3hで貼
り合わせた後、(2)の工程で熱硬化処理する際も、シリ
コン基板1側よりガラス基板2のシール部間寸法L3が大
きく、その状態で熱硬化して固定されるので、(3)の
ように常温に戻した後は、ガラス基板2は熱収縮によっ
て、液晶封入空間4側が直線状態となる。
【0039】以上、ガラス基板2の熱膨張率がシリコン
基板1よりも高いことを前提に説明したが、シリコン基
板1の方がガラス基板2よりも大きい場合は、図におけ
る1をガラス基板とし、2をシリコン基板とすれば足り
る。また、各実施例における各部の寸法や熱硬化処理温
度などの条件は、シリコン基板1およびガラス基板2の
材質によって決まる熱膨張係数などから計算によって求
めることができる。
【0040】図8は請求項4の発明の実施例を示す断面
図であり、熱硬化性樹脂3hを用いず、固化した状態でゴ
ム様の弾力を有する材料でシールするものである。この
ような材料としては、シリコーン系の接着性ゴム剤が適
している。
【0041】図8(a) は液晶パネルの製造方法を示すも
ので、まずガラス基板2とシリコン基板1との間に接着
性ゴム剤3gを塗布し、スペーサ4を挟んで貼り合わせた
状態で、常温で所定時間放置すると、接着性ゴム剤が固
化して、ガラス基板2とシリコン基板1が接着される。
【0042】図9は接着性ゴム剤を使用して液晶パネル
を貼り合わせる方法を工程順に示す斜視図である。(1)
のように、シリコン基板1には、例えばディスペンサー
25等を利用して、液晶注入口6を除いて、接着性ゴム剤
3gを塗布した後、 (2)のように、内面にシリカボールが
散布されたガラス基板2と重ねる。
【0043】次に、(3) のようにビニール袋6に入れて
内部を排気し、真空にすることで、両基板1、2間に均
一な圧力を加えて、接着性ゴム剤3gを均一な厚さに押し
延ばす。この状態で、例えば24時間程度常温に放置した
後、真空パック用袋7から取り出して、前記の液晶注入
口6から液晶を注入してから、(4) のように液晶注入口
6を接着性ゴム剤で塞ぐと、液晶パネルが完成する。
【0044】このように、固化した状態でゴム状の弾力
を持つ接着性ゴム剤3gでガラス基板2とシリコン基板1
を貼り合わせた液晶パネルは、熱硬化性樹脂の場合と違
って、加熱を要しないため、ガラス基板2とシリコン基
板1のように熱膨張率の異なる基板同士を貼り合わせた
場合でも、両基板の熱による伸縮が発生しない。したが
って、請求項1〜3のような手段を用いなくても、液晶
パネルの湾曲が発生せず、シール部に応力も発生しな
い。
【0045】また、請求項1〜3のような手法で製造し
た液晶パネルであっても、透過型/反射型を問わず、投
射型の液晶ディスプレイの場合は、大きな光量を要する
ため、図8(b) に示すように、光源8の熱によって、光
源8側の基板1が他方の基板2より熱膨張量が大きい。
【0046】そのため、光源8側の基板1がより多く伸
長するが、従来の液晶パネルと違って、接着性ゴム剤3g
で接着されているため、接着性ゴム剤3gが弾性変形する
のみであって、光源8側の基板1は他方の基板2と平行
状態のまま伸長する。したがって、光源8側の基板1が
湾曲するようなことはなく、また接着性ゴム剤3gは可逆
性の弾力に富んでいるので、応力は発生せず、両基板に
ストレスが加わるようなこともない。
【0047】図10は、図9の実施例の方法でシール剤と
して東芝シリコン株式会社製RTVを用いてシールした
液晶パネルと、熱硬化性樹脂で貼り合わされた液晶パネ
ルの、温度変化によるセル厚変化を測定した結果であ
る。横軸のように液晶パネルの温度を次第に上昇させて
いくにつれて、液晶パネルの中央の一点におけるセル厚
が次第に増加していく。
【0048】実線と破線の2本の曲線で示すように、2
点の試料について測定した結果、熱硬化性樹脂でシール
された液晶パネルは、温度上昇に従ってセル厚が急激に
増大しており、200 ℃になるとセル厚が5μmも厚くな
るのに対し、接着性ゴム剤でシールされた液晶パネル
は、200 ℃になっても1μmも厚くなっていない。
【0049】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、熱膨
張率の高いガラス基板2よりも熱膨張率の低いシリコン
基板1をより高い温度に加熱し、熱硬化性のシール剤を
熱硬化させるため、両基板1、2の熱膨張量が等しく、
シール部間寸法が同等な状態で貼り合わせ固定され、常
温に戻した後のシール部間寸法も同等となる。その結
果、基板の湾曲は発生せず、表示品質の低下を防止で
る。また、基板にストレスも発生せず、耐久性が向上す
る。
【0050】請求項2の発明は、熱膨張率の高い方の基
板を湾曲させてシール部間寸法を長くした状態で、他方
の基板との間の熱硬化性樹脂を熱硬化させるため、常温
に戻した後は、両基板のシール部間寸法が同等となり、
湾曲は発生しない。
【0051】請求項3の発明は、熱膨張率の大きいガラ
ス基板2の少なくとも液晶封入空間4側の面を予め凹曲
面に形成してあり、シール部間寸法が大きいため、熱硬
化処理の後、常温に戻した場合は、両基板のシール部間
寸法が同等となり、湾曲は生じない。
【0052】請求項4の発明は、熱硬化性樹脂を用い
ず、固化した状態でゴム状の弾力を有する材料で両基板
間のシールが行われているため、熱膨張率の異なる基板
同士を貼り合わせても、加熱を要しないので、両基板間
で熱変化による湾曲は発生しない。また、使用時に片側
の基板が他方より高温にさらされても、弾性のシール剤
3gに拘束されず、平面状態で伸縮するので、高温側の基
板が湾曲することはなく、またシール剤3gは容易に弾性
変形するので、基板側にストレスが発生することもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶パネルおよびその製造方法の
基本原理を説明する縦断面図である。
【図2】請求項1の発明の実施例を示す側面図である。
【図3】請求項1の発明の別の実施例を示す側面図であ
る。
【図4】図2の実施例の効果を示す実測図である。
【図5】請求項2の発明の実施に使用される基板湾曲用
治具の斜視図である。
【図6】請求項2の発明の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図7】請求項3hの発明の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図8】請求項4の発明の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図9】請求項4の液晶パネルのシール方法を示す斜視
図である。
【図10】図9の方法でシールされた液晶パネルの効果を
示す実測図である。
【図11】従来の液晶パネルの熱硬化処理方法を示す縦断
面図である。
【図12】従来の熱硬化性樹脂によるシール方法を示す斜
視図である。
【図13】従来の投射型の液晶ディスプレイを示す縦断面
図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 ガラス基板 3h 熱硬化性のシール剤(熱硬化性樹脂) 3g 固化状態で弾性を有するシール剤 4 液晶封入空間 5 スペーサ 6 液晶注入口 7 真空パック袋 8 光源 S スクリーン 9 恒温槽 10 ホットプレート 11 下側プレート 12 上側プレート 15〜18 基板挟持用の爪 25 ディスペンサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板(1) とガラス基板(2) を熱
    硬化性樹脂(3h)で貼合わせ、熱硬化処理して、液晶封入
    空間(4) を形成する方法において、 シール部を熱硬化処理する際に、熱膨張率の大きい方の
    基板(2) の加熱温度よりも、熱膨張率の小さい方の基板
    (1) の加熱温度を高くして、両基板(1)(2)の熱膨張量を
    等しくすることを特徴とする液晶パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 シリコン基板(1) とガラス基板(2) を熱
    硬化性樹脂(3h)で貼合わせ、熱硬化処理して、液晶封入
    空間(4) を形成する方法において、 シール部を熱硬化処理する際に、熱膨張率の大きい方の
    基板(2) を湾曲させて、加熱状態における該基板(2) の
    寸法(L3)を、熱膨張率の小さい方の基板(1) の寸法(L2)
    よりも大きくした状態で熱硬化させることを特徴とする
    液晶パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 シリコン基板(1) とガラス基板(2) を熱
    硬化性樹脂(3h)で貼合わせ、熱硬化処理して、液晶封入
    空間(4) を形成する方法において、 シール部を熱硬化処理する際に、熱膨張率の大きい方の
    基板(2) として、液晶封入空間(4) 側の面が予め凹曲面
    に形成されている基板を用いることを特徴とする液晶パ
    ネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 シリコン基板(1) とガラス基板(2) をシ
    ール剤で貼合わて液晶封入空間(4) を形成し、内部に液
    晶を封入してなる液晶パネルにおいて、 該シール剤が、固化した状態でゴム様の弾力を有する材
    料(3g)で構成されていることを特徴とする液晶パネル。
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