JPH05163198A - 1,4−ナフタレンジカルボン酸または1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸の製造方法 - Google Patents

1,4−ナフタレンジカルボン酸または1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸の製造方法

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JPH05163198A
JPH05163198A JP4027974A JP2797492A JPH05163198A JP H05163198 A JPH05163198 A JP H05163198A JP 4027974 A JP4027974 A JP 4027974A JP 2797492 A JP2797492 A JP 2797492A JP H05163198 A JPH05163198 A JP H05163198A
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hydroxymethyl
acid
methylnaphthalene
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naphthoic
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Haruhiko Takeya
晴彦 竹矢
Hiroaki Otsuka
宏明 大塚
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒドロキシ基がアシル基で保護されていても
よい1−ヒドロキシメチル−4−メチルナフタレンを分
子状酸素で酸化して1,4−ナフタレンジカルボン酸ま
たは1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸を製造する
方法。 【効果】 繊維、樹脂、染料等の原料として重要な1,
4−ナフタレンジカルボン酸または1−ヒドロキシメチ
ル−4−ナフトエ酸を、高純度で、安価かつ大量に製造
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維、樹脂、染料等の原
料として有用な高純度の1,4−ナフタレンジカルボン
酸または1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸を安価
かつ大量に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】対称位に官能基を有する多置換ナフタレ
ンは繊維、樹脂素材として重要なポリエステル、ポリア
ミド等の原料として有用である。しかしながら、ナフタ
レン誘導体は、異性体の種類が多く、またそれらの沸点
が近接する等の理由により、異性体分離が困難であるた
め、工業的にはごく少数の物質が供給されているにすぎ
ず、高分子素材の多様化と相俟って新たな高純度ナフタ
レン系モノマーの開発が求められていた。
【0003】ところで、1,4−ナフタレンジカルボン
酸または1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸は、改
質ポリエステル等の原料モノマーとして重要であり、最
近その需要が急増している。1,4−ナフタレンジカル
ボン酸は、ポリエステル骨格に組込まれるカルボキシル
ユニットとして利用でき、一方1−ヒドロキシメチル−
4−ナフトエ酸は分子内にカルボキシル基と水酸基を一
対で有することから、ポリマー主原料の、ジカルボン酸
/ジオール比に影響を与えない添加剤として利用でき
る。
【0004】従来、1,4−ナフタレンジカルボン酸の
製造法としては、例えば、(1)1,4−ジメチルナフ
タレンを酸化する方法(***特許第2107357号)
や、(2)1−シアノ−4−メチルナフタレンを酸化す
る方法(特公昭47−37947号)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(1)の方法では原料として用いる1,4−ジメチルナ
フタレンのみを選択的に製造するのが困難であるため、
結局純度の高い1,4−ナフタレンジカルボン酸または
1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸は得られない。
また、(2)の方法においては、酸化剤として有害物質
であり、取扱いにくい重クロム酸塩が用いられるため工
業的量産には適していなかった。従って、本発明の目的
は、工業原料として重要な高純度の1,4−ナフタレン
ジカルボン酸または1−ヒドロキシメチル−4−ナフト
エ酸を安価かつ大量に製造するための方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実状において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、安価に入手できる1
−メチルナフタレンより容易に得られる1−ヒドロキシ
メチル−4−メチルナフタレンまたはそのアシル化体
を、分子状酸素を用いて酸化せしめれば、高純度の1,
4−ナフタレンジカルボン酸または1−ヒドロキシメチ
ル−4−ナフトエ酸がそれぞれ高収率で得られることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明はヒドロキシ基がアシル
基で保護されていてもよい1−ヒドロキシメチル−4−
メチルナフタレンを分子状酸素で酸化することを特徴と
する1,4−ナフタレンジカルボン酸または1−ヒドロ
キシメチル−4−ナフトエ酸の製造方法を提供するもの
である。
【0008】本発明方法の原料である1−ヒドロキシメ
チル−4−メチルナフタレン(3)は、特に限定される
ものではないが例えば工業原料として容易かつ安価に入
手できる1−メチルナフタレン(1)を原料とし、これ
をハロメチル化し、次いで得られた1−ハロメチル−4
−メチルナフタレン(2)を加水分解することにより製
造することができる。また、1−アシルオキシメチル−
4−メチルナフタレン(4)の製法もまた特に限定され
るものではないが、上記の如くして得られた1−ヒドロ
キシメチル−4−ナフタレン(3)に脂肪酸を反応させ
る方法が好ましい。従って、粗原料として1−メチルナ
フタレン(1)を用い、かつ1−アシルオキシメチル−
4−メチルナフタレン(4)を1−ヒドロキシメチル−
4−メチルナフタレン(3)から得る場合、本発明は下
記の反応式で示される。
【0009】
【化1】
【0010】上記反応式における第一工程である、1−
メチルナフタレン(1)のハロメチル化は、例えば1−
メチルナフタレン(1)にホルムアルデヒドまたはホル
ムアルデヒド発生物質とハロゲン化水素またはハロゲン
化水素発生物質とを反応させることにより行われる。
【0011】ホルムアルデヒド発生物質としては、パラ
ホルムアルデヒド、トリオキサンが挙げられる。また、
ハロゲン化水素としては、塩化水素、臭化水素等が挙げ
られ、ハロゲン化水素発生物質としては濃塩酸、臭化水
素酸等が挙げられる。これらのハロメチル化剤の使用量
は、1−メチルナフタレン(1)に対して1当量以上で
あればよいが、反応効率などから1.5〜2.5当量が
好適である。
【0012】この反応における溶媒と触媒の組合せは、
特に制限されないが、例えば酢酸溶媒の場合は、リン
酸、硫酸等の鉱酸を触媒とするのが好適であり、クロロ
ホルム、ジクロロメタン等の溶媒を用いる場合には、塩
化亜鉛、塩化スズ等のルイス酸も触媒として使用可能で
ある。反応は、通常、常圧下にて約25〜100℃また
は溶媒の沸点までの範囲で実施できるが、反応時間の短
縮と分解等の副反応防止の面から約40〜80℃または
クロロホルム、ジクロロメタン等の溶媒を用いる場合に
はこれらの溶媒の還流温度が好適である。反応終了後の
後処理は、酢酸溶媒の場合には例えば酢酸エチル、エー
テル、ジクロロメタン等の溶媒により抽出し、水洗する
方法、また冷水中へ反応液を加えて析出する結晶を分取
し、水洗する方法のいずれでもよい。一方、クロロホル
ム等を溶媒とする場合には濾過、水洗によって無機物を
除く方法が好ましい。この方法で得られる1−ハロメチ
ル−4−メチルナフタレン(2)は、蒸留により精製が
可能であり、次の反応の原料としては蒸留品を用いるの
が好ましい。
【0013】1−ハロメチル−4−メチルナフタレン
(2)の加水分解は、例えばアルカリの存在下に行われ
る。ここで用いられるアルカリとしては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、水酸化リチウム等が挙げられ、これは単独でも2種
以上を組合せても使用可能である。当該アルカリは、理
論的には、原料に対して1当量以上が水溶液として存在
しておれば良いが、反応の効率とアルカリの必要量よ
り、1規定から10規定の水酸化物溶液、または1規定
から飽和までの炭酸塩溶液を用いるのが好適である。
【0014】反応は、通常常圧下、約5〜100℃、よ
り好ましくは約50〜100℃の温度で、約2〜6時間
行われる。また、1−ハロメチル−4−メチルナフタレ
ン(2)は、アルカリ水溶液に不溶であるため、反応系
は終始不均一であり、このまま反応を行ってもさしつか
えないが、反応をより効率的に進めるためには、メタノ
ール、エタノール、アセトン等の水溶性有機溶媒を共存
させるのが好ましい。反応終了後、加水分解生成物であ
る1−ヒドロキシメチル−4−メチルナフタレン(3)
は、反応液を蒸発乾固した後、アルカリを水洗すること
によっても単離できるが、この方法では用いるアルカリ
によっては結晶の析出に困難をきたしたり、純度が低い
等の難点を生じる場合があり、高純度の製品を得るため
には、酢酸エチル、エーテル、クロロホルム、ジクロロ
メタン、ベンゼン等の有機溶媒を加えた後、水洗によ
り、アルカリを除去し、濃縮等の方法で結晶化させ、濾
別するか、蒸発乾固させる方法により単離するのが好ま
しい。
【0015】1−ヒドロキシメチル−4−メチルナフタ
レン(3)のアシル化は、例えば1−ヒドロキシメチル
−4−メチルナフタレン(3)と脂肪酸とを約30分〜
1時間加熱還流すればよい。ここで用いられる脂肪酸と
しては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでもよい
が、炭素数1〜6の低級脂肪酸またはクロロ酢酸等のハ
ロゲノアルカン酸等が好ましい。
【0016】このようにして得られた1−ヒドロキシメ
チル−4−メチルナフタレン(3)または1−アシルオ
キシメチル−4−メチルナフタレン(4)の分子状酸素
による酸化反応を実施するには、低級脂肪酸溶媒中、コ
バルト及びマンガンから選ばれる少なくとも1種の重金
属またはその塩と臭素または臭化物とを触媒として行う
のが好ましい。溶媒として用いられる低級脂肪酸として
は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、クロロ酢酸等が挙げら
れる。また触媒として使用するコバルトまたはマンガン
の塩としては、低級脂肪酸塩、例えば酢酸コバルト、酢
酸マンガンが好ましく、これらは単独でも2種以上を混
合して用いてもよい。また臭化物としては、臭化ナトリ
ウム等のようなアルカリ金属臭化物、臭化アンモニウ
ム、臭化水素等が挙げられる。さらにコバルトまたはマ
ンガンの塩及び臭化物として、臭化コバルト、臭化マン
ガン等も用いることができる。
【0017】酸化反応の反応圧力は、1−ヒドロキシメ
チル−4−メチルナフタレンを酸化して1,4−ナフタ
レンジカルボン酸(5)を製造する際には、通常、酸素
において約1気圧以上、空気において約5気圧以上あれ
ばよいが、あまり高圧では分解反応が進行し、着色等が
発生するため、特に好ましい範囲は、酸素では約1〜2
0気圧、空気では約5〜100気圧である。また、1−
ヒドロキシメチル−4−メチルナフタレンを酸化して1
−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸(6)を製造する
際は、酸素において約1気圧以上で実施可能であり、約
5気圧以上では1,4−ナフタレンジカルボン酸(5)
の生成が増えるので特に約1〜2気圧の範囲が好まし
い。また、1−アシルオキシメチル−4−メチルナフタ
レンの酸化により1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ
酸(6)を製造する場合は、前記の1−ヒドロキシメチ
ル−4−メチルナフタレンから1,4−ナフタレンジカ
ルボン酸を製造する場合と同様の条件下で実施可能であ
る。
【0018】反応温度は、1−ヒドロキシメチル−4−
メチルナフタレンを酸化して1,4−ナフタレンジカル
ボン酸(5)を製造する際には通常約70〜180℃の
範囲である。また、1−ヒドロキシメチル−4−メチル
ナフタレンを酸化して1−ヒドロキシメチル−4−ナフ
トエ酸(6)を製造する際には約20〜90℃の範囲で
実施可能である。また、1−アシルオキシメチル−4−
メチルナフタレンの酸化により1−ヒドロキシメチル−
4−ナフトエ酸を製造する場合は、前記の1−ヒドロキ
シメチル−4−メチルナフタレンから1,4−ナフタレ
ンジカルボン酸を製造する場合と同様の温度条件下で実
施可能である。上記範囲より低温では、反応に長時間を
要し、また反応中間体であるアルデヒド等の目的物質中
への混入が多くなる。一方、上記範囲より高温では、着
色、開環等の副反応や過反応がしばしば生じる。従っ
て、特に好ましい反応温度は、1−ヒドロキシメチル−
4−メチルナフタレンの酸化による1,4−ナフタレン
ジカルボン酸(5)の製造においては約75〜150℃
の範囲で、また1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸
(6)の製造においては、1−ヒドロキシメチル−4−
メチルナフタレンを原料とする場合は約50〜80℃の
範囲であり、1−アシルオキシメチル−4−メチルナフ
タレンを原料とする場合は約75〜150℃の範囲であ
る。
【0019】反応時間は、前記反応温度等の条件により
異なるが、約1〜6時間程度である。反応終了の判断
は、反応系よりサンプリングを行い、ジアゾメタン法に
よるエステル化の後、GC分析を行うか、試料を直接H
PCL分析する等の手段により可能である。反応終了
は、目的物質が1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸
(6)で、1−ヒドロキシメチル−4−メチルナフタレ
ンを原料とした場合、1−ヒドロキシメチル−4−ナフ
トエ酸が反応系全体の約60〜70%を占めるに至った
ときが好ましく、これ以上反応を続行した場合には、
1,4−ナフタレンジカルボン酸(5)の生成量が増加
してしまう。
【0020】反応終了後、1−ヒドロキシメチル−4−
メチルナフタレンを原料とした場合では溶媒を留去し、
水を加えて触媒を溶解した後、固体成分を濾別すること
により乳白色の1,4−ナフタレンジカルボン酸(5)
または1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸(6)を
単離できる。しかし、1−アシルオキシメチル−4−メ
チルナフタレンを原料とした場合、アシル基が残存する
場合があり、1〜10N−水酸化ナトリウム水溶液等の
アルカリ水溶液に溶解してエステルを加水分解した後
に、塩酸等の無機酸を用いて酸析を行うことが好まし
い。
【0021】得られた1−ヒドロキシメチル−4−ナフ
トエ酸(6)には、副生成物が若干量含まれているが、
酢酸から再結晶を行うことにより、該副生成物を除くこ
とができる。また、反応終了後溶媒を留去せず、20〜
10℃程度まで冷却し、析出する結晶を濾別した場合に
は、ほぼ純粋な1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸
(6)が得られる。
【0022】このようにして得られた1,4−ナフタレ
ンジカルボン酸(5)または1−ヒドロキシメチル−4
−ナフトエ酸(6)は、活性炭処理により容易に脱色で
きるため、白色結晶とすることも可能である。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、繊維、樹脂、染
料等の原料として重要な1,4−ナフタレンジカルボン
酸または1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸を高純
度で、安価かつ大量に製造することができる。
【0024】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】実施例1 (1) 1−メチルナフタレン100.1gを酢酸87
mlに溶解し、これにパラホルムアルデヒド42.2g、
濃塩酸120ml及び85%リン酸55mlを加え、70℃
で4時間撹拌を行った。室温まで放冷の後、エーテル5
00mlと水300mlを加えて撹拌し、エーテル層を分取
の後、分液ロートを用いて2回水洗を行った後、無水硫
酸ナトリウムを用いて乾燥させ、次いで濃縮し得られた
無色油状物を減圧下で蒸留した。0.8mmHgの圧力下に
おいて、117〜118℃の留分を集め、1−クロロメ
チル−4−メチルナフタレン18.8gを得た。収率は
61%であった。この生成物の1,4位にメチル基が配
位しているかどうかを確認するために、この留分を、メ
タノール中でPd−Cを触媒として水素化分解を行い、
ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、分解生成
物は1,4−ジメチルナフタレンであった。
【0026】(2) (1)で得られた1−クロロメチ
ル−4−メチルナフタレン5.00gをアセトン45ml
に溶解し、これに5N−水酸化ナトリウム水溶液25ml
を加え、50℃で4時間撹拌を行った。アセトンを留去
の後、酢酸エチル100mlを加え、水洗により無機物を
除去し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥の後、濃縮
し、次いでヘキサンを加えて、析出した白色結晶3.6
6gを濾取した。得られた白色結晶は1H−NMR、及
び赤外線吸収スペクトルより1−ヒドロキシメチル−4
−メチルナフタレンであった。収率は81%であった。
以下に分析値を示す。1 H−NMR(90MHz ,CDCl3 ,δ:ppm) 8.25−7.10(6H,m), 5.06(2H,d,J=6.3Hz),2.68(3
H,s), 1.89(1H,b) IR(ヌジョール法,cm-1) 3250,1075,1000,825,750,40
【0027】(3) (2)で得られた1−ヒドロキシ
メチル−4−メチルナフタレン2.00gを酢酸70ml
に溶解し、これに酢酸コバルト4水塩926.3mg、酢
酸マンガン4水塩226.8mg、臭化ナトリウム95
5.6mgを加え、酸素を100ml/分で通気しつつ大気
圧100℃で4時間撹拌を行った。反応後、酢酸を留去
し、得られた固体に水を加えて無機塩を溶解し、不溶物
を濾取した。得られた不溶物は、1,4−ナフタレンジ
カルボン酸で1.83g、純度98%、収率71%であ
った。
【0028】分析は赤外線吸収スペクトル(IR)、及
びジアゾメタン法によるエステル化の後の1H−NM
R、GC−MSにより行った。 IR(ヌジョール法,cm-1) 1680,1260,1200,7751 H−NMR(メチルエステル,CDCl3 ,δ:pp
m) 8.72−8.91(2H,m),8.08(2H,
s), 7.55−7.75(2H,m),4.04(6H,
s) GC−MS(m/e)(メチルエステル) 244(70(M+)),213(100),185
(6), 170(10),153(28),126(18)
【0029】実施例2 1−ヒドロキシメチル−4−メチルナフタレン2.00
gを酢酸70mlに溶解し、これに酢酸コバルト4水塩9
26.6mg、酢酸マンガン4水塩227.7mg及び臭化
ナトリウム955.6mgを加え酸素ガスを100ml/分
で通気しながら大気圧にて70℃、4時間攪拌を行っ
た。窒素ガスにより系内の酸素を置換した後、減圧下で
酢酸を留去し、得られた固体に水を加えて触媒を溶解
し、不溶物を濾別した。この不溶物を酢酸から再結晶さ
せ、乳白色結晶の1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ
酸1.58gを得た。収率は65%、純度は96%であ
り、主たる不純物は、1,4−ナフタレンジカルボン酸
であった。
【0030】分析は、赤外線吸収スペクトル(IR)
と、硫酸法によるメチルエステル化後の 1H−NMR及
びGC−MSにより行った。以下にその分析値を示す。1 H−NMR(メチルエステル,90MHz ,CDCl
3 ,δ:ppm) 8.80−9.00(1H,m),7.85−8.15
(2H,m), 7.35−7.70(3H,m),5.07(2H,
b), 3.98(3H,s),2.58(1H,b) IR(ヌジョール法,cm-1) 3400,1715,1280,1250,1115 GC−MS(m/e)(メチルエステル) 216(M+
【0031】実施例3 実施例2と同様に反応を行った後、反応液を放冷し、室
温で析出した結晶を濾別した後、水洗して乳白色の結晶
を得た。収量1.08g、収率45%、純度99%であ
り、主たる不純物は1,4−ナフタレンジカルボン酸で
あった。
【0032】実施例4 酸素ガス通気前に窒素気流中で1時間大気圧で加熱還流
を行い、1−ヒドロキシメチル−4−メチルナフタレン
を1−アセトキシメチル−4−メチルナフタレンとし、
次いで酸素ガスを通気する以外実施例1と同様に反応を
行った。得られた不溶物18.4gを5N−水酸化ナト
リウム水溶液に溶解させ、室温で30分間攪拌した後、
5N−塩酸で結晶が完全に析出し終るまで中和し(pH
1)、この結晶を濾別して水洗したところ、1−ヒドロ
キシメチル−4−ナフトエ酸17.4gを得た。収率は
72%、純度97%であり、主たる不純物は1,4−ナ
フタレンジカルボン酸であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシ基がアシル基で保護されてい
    てもよい1−ヒドロキシメチル−4−メチルナフタレン
    を分子状酸素で酸化することを特徴とする1,4−ナフ
    タレンジカルボン酸または1−ヒドロキシメチル−4−
    ナフトエ酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 1−ヒドロキシメチル−4−メチルナフ
    タレンに脂肪酸を反応させ、得られた1−アシルオキシ
    メチル−4−メチルナフタレンを分子状酸素で酸化する
    ことを特徴とする1,4−テフタレンジカルボン酸また
    は1−ヒドロキシメチルナフトエ酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化反応が、低級脂肪酸溶媒中、コバル
    ト及びマンガンから選ばれる少なくとも1種の重金属ま
    たはその塩並びに臭素または臭化物の存在下に行われる
    ものである請求項1または2記載の1,4−ナフタレン
    ジカルボン酸または1−ヒドロキシメチル−4−ナフト
    エ酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 1−ヒドロキシメチル−4−メチルナフ
    タレンが、1−メチルナフタレンをハロメチル化し、次
    いで得られた1−ハロメチル−4−メチルナフタレンを
    加水分解することにより製造されるものである請求項
    1、2または3記載の1,4−ナフタレンジカルボン酸
    または1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸の製造方
    法。
JP4027974A 1991-08-26 1992-02-14 1,4−ナフタレンジカルボン酸または1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸の製造方法 Pending JPH05163198A (ja)

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JP4027974A JPH05163198A (ja) 1991-08-26 1992-02-14 1,4−ナフタレンジカルボン酸または1−ヒドロキシメチル−4−ナフトエ酸の製造方法

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21381091 1991-08-26
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