JPH051619Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は触媒コンバータに関し、より詳しくは
触媒坦体が金属製とされたものに関する。

（従来技術） 触媒コンバータのうち、実公昭52−32753号公
報に見られるように、触媒坦体が金属製とされた
ものがある。この種のものは、メタルキヤタリス
トと称され、製造上の容易性から実用化に向けて
多くの検討が加えられている。

このようななかで、メタルキヤタリストは、素
材が金属からなるため、その熱伝導性による放熱
によつて、保温性が悪いという欠点がある。ま
た、メタルキヤタリストからの振動がそのままケ
ーシングに伝達されるという問題がある。

このような問題に対して、メタルキヤタリスト
とケーシングとの間に断熱材を介装することが有
効であると考えられる。

しかしながら、単に断熱材を介在させたとした
ら、重量物であるメタルキヤタリストによつて、
その下方に位置する断熱材が圧縮され、メタルキ
ヤタリストが下方に偏位する虞れがある。勿論、
このようなメタルキヤタリストの偏位によつて、
断熱材がその周回りに圧縮度合に異なる部位を生
じ、圧縮度合の低い部位、つまりメタルキヤタリ
ストの上方部位では、断熱材を通つて排気ガスが
浄化されることなく吹き抜ける虞れがある。

そこで、本考案の目的は、メタルキヤタリス
ト、つまり金属製触媒坦体とケーシングとの間に
断熱材を介装するとした場合に生ずる上記問題点
を解消するようにした触媒コンバータを提供する
ことにある。

（問題点を解決するための手段、作用） 本考案は、上記技術的課題を達成すべく、以下
の構成としてある。

すなわち、ケーシング内に収容された触媒坦体
が金属製とされた触媒コンバータを前提として、 前記ケーシングは分割構造とされて、前記触媒
坦体の上半分を覆う上ケーシングと、下半分を覆
う下ケーシングとが、夫々、上ケーシングと下ケ
ーシングとに設けられた横方向に延びるフランジ
を突き合わせて一体化され、 前記触媒坦体には、その下半周に沿つて延びる
支持ブラケツトが一体に設けられて、該支持ブラ
ケツトは、その周回り端に、夫々、設けられた横
方向に延びる挟着部が前記上ケーシングと下ケー
シングとのフランジに挟持され、 前記触媒坦体の少なくとも上半周と前記上ケー
シングとの間には、熱膨張特性を有する断熱材が
介装されている、ような構成としてある。

このような構成とすることにより、先ず、触媒
坦体の保持は、その下半分を支える支持ブラケツ
トによつてなされるため、触媒坦体の下方への偏
位が防止される。また、触媒坦体の少なくとも上
半分には断熱材が介装されているため、触媒坦体
の放熱性が断熱材によつて抑えられることとな
る。また、触媒坦体は、断熱材によつて一種のセ
ミフローテイング支持がなされ、この結果振動伝
達の抑えられることとなる。更に、断熱材は熱膨
張性を有しているため、高温下においても、排気
ガスの吹き抜けを有効に抑えることが可能とされ
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第２図は自動車用エンジンの排気系Ｅを示すも
ので、この排気系Ｅは、エンジン本体（図示省
略）側から、順に、排気マニホルド１、排気管
２、サイレンサ３とで構成され、上記排気管２に
は、排気ガス中の有害成分を浄化する触媒コンバ
ータ１０が配設されている。

触媒コンバータ１０は、第１図に示すように、
ケーシング１２を有し、このケーシング１２はス
テンレス製とされて、その内部に触媒坦体１４が
収容されている。

先ず、ケーシング１２について説明すると、ケ
ーシング１２は、第３図に示すように、触媒坦体
１４の上半分を覆う上ケーシング１６と、触媒坦
体１４の下半分を覆う下ケーシング１８との分割
構造とされて、上ケーシング１６の周回り端に
は、夫々、横方向に延びる外向きフランジ１６ａ
が形成されている。同様に下ケーシング１８の周
回り端にも外向きフランジ１８ａが形成され、こ
れらフランジ１６ａ，１８ａは互いに突き合わさ
れて溶接により一体化されている。

次に触媒坦体１４について説明すると、触媒坦
体１４は、第３図に示すように、共にステンレス
薄板から帯状に形成された平薄板２０と波薄板２
２とを重ね合わせたものを渦状に巻き込むことに
より形成されている。そして、この触媒坦体１４
には、前記実公昭52−32753号公報開示のものと
同様に、平薄板２０と波薄板２２の表裏にコテイ
ングすることにより触媒（Pt等）の担持がなさ
れている。

このようにして形成された触媒坦体１４には、
その外周面に支持ブラケツト２４が設けられ、こ
の支持ブラケツト２４と触媒坦体１４とは溶接に
より一体化されている。支持ブラケツト２４は、
第１図にも示すように、触媒坦体１４の軸方向中
央部に配設されて、触媒坦体１４の半周に沿つて
延び、その周回り端には、触媒坦体１４の端部を
外方に折り曲げることにより挟着部２４ａが形成
されている。そして、触媒コンバータ１０の組立
時には、支持ブラケツト２４が下側に位置するよ
うにして触媒坦体１４の組付けがなされる。すな
わち、触媒坦体１４はその支持ブラケツト２４を
下ケーシング１８と対面させて組付けがなされ、
挟着部２４ａは、上ケーシング１６のフランジ１
６ａと下ケーシング１８のフランジ１８ａとに挟
んで、これら三者を溶接することにより一体化さ
れる。

一方、触媒坦体１４の上半周及び、第１図にも
示すように、下半周の支持ブラケツト２４以外の
部分には、ケーシング１２との間に断熱材２６が
圧縮状態で介装されている。

断熱材２６は、ここでは、インターラムマツト
が採用されている。インターラムマツトは、既知
のように、ヒル石をセラミツクスフアイバに接着
させたもので、ヒル石（vermiculite）はAl，Fe
を含有する加水マグネシウムケイ酸塩を成分と
し、高温下ではその容積が約６〜20倍に膨張する
特性を備えている。

以上の構成において、触媒坦体１４は、その下
半分を支える支持ブラケツト２４によつて、下ケ
ーシング１８との間の間隔が保持され、下方に偏
位することが防止される。また、本実施例にあつ
ては、触媒坦体１４の支持ブラケツト２４を除く
外周面とケーシング１２との間に断熱材２６が介
装されているため、この断熱材２６により触媒坦
体１４の放熱が抑えられ、その保温を図ることが
できる。そして、またこの断熱材２６によつて、
触媒坦体１４は一種のセミフローテイング支持が
なされるため、触媒坦体１４からケーシング１２
への振動伝達を低減することができる。そして、
この断熱材２６が高温下では熱膨張するため、こ
の高温下においても排気ガスが浄化されることな
く断熱材２６を吹き抜ける現象をも抑えることが
できる。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば金属製触媒坦体の保温性を確保することができ
るのは勿論、振動及び排気ガスの吹き抜けを効果
的に抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例に係る触媒コンバータの断面
図、第２図はエンジンの排気系の全体構成図、第
３図は第１図に示す−線断面図である。 １０……触媒コンバータ、１２……ケーシン
グ、１４……触媒坦体、１６……上ケーシング、
１６ａ……上ケーシングのフランジ、１８……下
ケーシング、１８ａ……下ケーシングのフラン
ジ、２４……支持ブラケツト、２４ａ……挟着
部、２６……断熱材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケーシング内に収容された触媒坦体が金属製と
   された触媒コンバータにおいて、 前記ケーシングは分割構造とされて、前記触媒
   坦体の上半分を覆う上ケーシングと、下半分を覆
   う下ケーシングとが、夫々、上ケーシングと下ケ
   ーシングとに設けられた横方向に延びるフランジ
   を突き合わせて一体化され、 前記触媒坦体には、その下半周に沿つて延びる
   支持ブラケツトが一体に設けられて、該支持ブラ
   ケツトは、その周回り端に、夫々、設けられた横
   方向に延びる挟着部が前記上ケーシングと下ケー
   シングとのフランジに挟持され、 前記触媒坦体の少なくとも上半周と前記上ケー
   シングとの間には、熱膨張特性を有する断熱材が
   介装されている、 ことを特徴とする触媒コンバータ。