JPH051499Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は、自動車の開閉体であるフードなどの
構造に関する。

ｂ 従来の技術 従来の自動車用フードは、一般に第４図および
第５図に示す構造となつている。すなわち、フー
ド１はアウタパネル２とインナパネル３とから成
り、インナパネル３には重量軽減のため複数の開
口部４が設けられている。そして、これら開口部
４の内周壁にはその一部を屈曲させて形成したフ
ランジ部５がそれぞれ配設されており、各フラン
ジ部５とアウタパネル２とを接着剤６にて互いに
固着することによりフード１の剛性を高めるよう
にしている。

ｃ 考案が解決しようとする問題 しかしながら、上述した従来のフード１の構造
では、フランジ部５の強度が不足していることか
らインナパネル３が変形しやすく、開閉操作する
フード１に要求される剛性が充分得られなかつ
た。また、インナパネル３のフランジ部５をアウ
タパネル２に固着する際、接着剤６を塗布する適
当な位置が判断しにくく、接着剤６を多くあるい
は少なく塗布したりすることが起こる上、塗布し
た接着剤６が両者の間からはみ出て外観を損ねる
おそれがあり、このため組付作業を注意して行な
わなければならず、作業能率の低下を招いてい
た。

本考案はこのような実状に鑑みてなされたもの
であつて、その目的は、上述の如き欠点を解消し
得る自動車の開閉体構造を提供することにある。

ｄ 課題を解決するための手段 上記従来技術の有する課題を解決するために、
本考案においては、インナパネルに複数の開口部
を設け、これら開口部にアウタパネル側へ折曲げ
た内周壁を形成し、該内周壁にその一部を屈曲さ
せて形成したフランジ部を設け、これらフランジ
部と前記アウタパネルとを接着剤により互いに固
着してなる自動車の開閉体構造において、前記イ
ンナパネルのフランジ部の上面に前記内周壁側を
除く外周面に沿つてほぼＵ字状に連続形成される
突起を設け、該突起の両端部を前記インナパネル
の内周壁に接続するとともに、前記突起にて囲ま
れた前記フランジ部の下面に接着剤を塗布してい
る。

ｅ 実施例 以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳細に
説明する。なお、第１図〜第３図において、第４
図および第５図に示す従来例と同一部分には同一
符号を付してその説明を省略する。

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示すもの
で、図におけるインナパネル３の開口部４にはア
ウタパネル２側へ斜めに折曲げた内周壁７が形成
されており、該内周壁７にはその一部をさらに水
平に屈曲させて形成した複数のフランジ部５が対
向して配設されている。

上記フランジ部５の上面には、内周壁７側を除
く外周面に沿つてほぼＵ字状に連続形成された突
起８がインナパネル３の内周壁７まで延び、その
両端部が当該内周壁７に接続されている。しかし
て、フランジ部５の強度は突起８によつて増大せ
しめられている。また、上記突起８によつて囲ま
れたフランジ部５の下面には、第２図および第３
図に示すように、当該フランジ部５とアウタパネ
ル２とを互いに固着する接着剤６が塗布されてい
る。このため、上記フランジ部５をアウタパネル
２に固着する際に圧接しても、外方へ流出する接
着剤６は突起８内に流れ込み、フランジ部５とア
ウタパネル２との間から洩れることがない。

以上、本考案の一実施例につき述べたが、本考
案は既述の実施例に限定されるものではなく、本
考案の技術的思想に基づいて各種の変形および変
更が可能である。

ｇ 考案の効果 上述の如く、本考案に係る自動車の開閉体構造
は、インナパネルに複数の開口部を設け、これら
開口部にアウタパネル側へ折曲げた内周壁を形成
し、該内周壁にその一部を屈曲させて形成したフ
ランジ部を設けており、前記インナパネルのフラ
ンジ部の上面に前記内周壁側を除く外周面に沿つ
てほぼＵ字状に連続形成される突起を設け、該突
起の両端部を前記インナパネルの内周壁に接続す
るとともに、前記突起にて囲まれた前記フランジ
部の下面に接着剤を塗布してこれらフランジ部と
前記アウタパネルとを接着剤により互いに固着し
たので、フランジ部の強度・剛性が向上し、これ
によつてインナパネルの変形を防止するととも
に、固着部分の強度が増大し、開閉操作する開閉
体に要求される剛性が十分に得られる。したがつ
て、固着部分たるフランジ部の数を減らすことも
可能となるから、加工コストの低減化が図れる。
また、本考案の開閉体構造では、Ｕ字状の突起に
囲まれたフランジ部の下面に接着剤を塗布する際
に、当該Ｕ字状の突起が塗布箇所の目印となるた
め、接着剤の塗布作業性を向上させることができ
る上、接着剤の塗布量を一定にすることができ
る。しかも、上記インナパネルのフランジ部とア
ウタパネルとを固着すべく圧接するに際して、外
方へ向かつて流出する接着剤は、囲まれた突起内
に流れ込むことになり、両者の間からはみ出るこ
とがないので、接着剤のはみ出しを考慮する必要
がなく、組付作業の能率向上が図れるとともに、
良好な外観も得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車の開閉体構造を適
用したフードの一部を示す斜視図、第２図は第１
図におけるＡ−Ａ線断面図、第３図は第１図にお
けるＢ−Ｂ線断面図、第４図は従来の自動車用フ
ードの構造を示す正面図、第５図は第４図におけ
るＣ−Ｃ線断面図である。 １……自動車用フード、２……アウタパネル、
３……インナパネル、５……フランジ部、６……
接着剤、７……内周壁、８……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インナパネルに複数の開口部を設け、これら開
   口部にアウタパネル側へ折曲げた内周壁を形成
   し、該内周壁にその一部を屈曲させて形成したフ
   ランジ部を設け、これらフランジ部と前記アウタ
   パネルとを接着剤により互いに固着してなる自動
   車の開閉体構造において、前記インナパネルのフ
   ランジ部の上面に前記内周壁側を除く外周面に沿
   つてほぼＵ字状に連続形成される突起を設け、該
   突起の両端部を前記インナパネルの内周壁に接続
   するとともに、前記突起にて囲まれた前記フラン
   ジ部の下面に接着剤を塗布したことを特徴とする
   自動車の開閉体構造。