JPH0514592U - 空気調和機用横流フアン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】吹出し空気流量を軸方向全体で均一化すること
ができ、軸方向長さを拡大する必要なく良好な冷暖房効
果が得られる空気調和機用横流ファンを提供する。 【構成】空気調和機の室内ユニット１１に設けられる横
流ファン１２であって、軸方向両端部の径を中央部側よ
りも大径に設定した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は例えばスプリット型空気調和機の室内ユニットに設けられる横流ファ ンに係り、特に吹出し空気流量が軸方向で均一に設定できるようにした空気調和 機用横流ファンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、スプリット型空気調和機の室内ユニットとして、例えば図５に示す構成 のものが知られている。すなわち、室内ユニット形成用パネル１の吹出し口１ａ 近傍に横流ファン２が設けられ、この横流ファン２は軸方向一端がファンモータ ３に接続されて回転駆動され、図示しない室内熱交換器で熱交換された空気を吹 出し口１ａから室内側に吹出すようになっている。

【０００３】 ここで横流ファン２は、複数枚の仕切板２ａ間に羽根２ｂを環状配置で取付け ることにより全体として円筒状に構成されており、羽根２ｂによって構成される 外径が一般に軸方向全体に亘って略同一とされている。

【０００４】 ところで、横流ファン２が取付けられる室内ユニットのパネル１には、その横 流ファン２の軸方向端部側に位置してファンモータ３のほか、パネル側壁４や回 路部品５等が配設されている。このため、横流ファン２の軸方向端部側では、フ ァンモータやパネル側壁４あるいは回路部品５等が空気流路上の障害となり、そ の影響によって横流ファン２の軸方向端部側で吹出し空気流量が小さくなり易い 。この結果、図５の仮想線ａで示すように、横流ファン２からの吹出し空気流量 は軸方向中央付近で最も大きく、端部側で最も小さい、いわば山状の分布を呈す る不均一なものとなり、必ずしも良好な冷暖房効果を得ることができなかった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来の空気調和機用横流ファンでは、羽根径が軸方向全体に亘って略同一径と されているため、吹出し空気流量が軸方向中央付近で最も大きく、端部側で最も 小さい不均一なものとなっていた。

【０００６】 なお、室内ユニットの横方向長さを大きくして有効部を長くすれば、吹出し空 気流量が不均一でも、流量の大きい範囲を拡大することにより良好な冷暖房効果 を得ることは可能であるが、この場合には、室内ユニットが大型となって余分な 製作コストがかかるうえ、広い設置場所を要する等の問題が生じる。

【０００７】 本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、吹出し空気流量を軸方向全 体で均一化することができ、したがって軸方向長さを拡大する必要なく良好な冷 暖房効果が得られる空気調和機用横流ファンを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記の目的を達成するために、空気調和機の室内ユニットに設けら れる横流ファンであって、軸方向両端部の径を中央部側よりも大径に設定したこ とを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】

上述した本考案の横流ファンによると、軸方向両端部側の径を中央部側よりも 大径としたので、その横流ファンの回転によって吹出される空気流量は軸方向両 端部側が中央部側よりも大きくなる。

【００１０】 したがって、横流ファンの軸方向端部側に障害物があったとしても、それによ って阻害された空気流量は中央側と近似するようになり、横流ファン全体では軸 方向に沿って均一な風量が得られるものとなる。

【００１１】 特に、本考案によると、室内ユニットを横長にする必要なく均一な吹出し空気 流量が得られるので、室内ユニットのコンパクト化を維持しつつ冷暖房効果の向 上が図れるようになる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１〜図３を参照して説明する。

【００１３】 図１はスプリット型空気調和機の室内ユニットの構成を示し、図２および図３ は図１に示す室内ユニットの横流ファン部の構成を示している。

【００１４】 本実施例では、室内ユニット形成用パネル１１の吹出し口１１ａ近傍に横流フ ァン１２が設けられ、この横流ファン１２は軸方向一端がファンモータ１３に接 続されて回転駆動され、図示しない室内熱交換器で熱交換された空気を吹出し口 １１ａから室内側に吹出すようになっている。１１ｂは吹出し口１１ａと内部と を仕切るノーズである。

【００１５】 なお、横流ファン１２が取付けられる室内ユニットのパネル１１には、その横 流ファン１２の軸方向端部側に位置してファンモータ１３のほか、パネル側壁１ ４および回路部品１５等が配設されている。

【００１６】 このものにおいて、横流ファン１２の軸方向端部側では、ファンモータ１３や パネル側壁１４あるいは回路部品１５等が空気流路上の障害となるが、本実施例 では、これらの障害物の影響によって横流ファン１２の吹出し空気流量が小さく なる部分に対応して、その横流ファン１２の径を軸方向で異ならせている。

【００１７】 すなわち、横流ファン１２は、軸方向に間隔的に配置された複数枚の仕切板１ ２ａ間に、軸心と平行な複数枚の羽根１２ｂをそれぞれ環状配置で取付けること により複数の円筒状エレメントが軸方向に連続した構成とされている。そして、 軸方向の吹出し空気流分布において、吹出し空気流量が小さくなる部分のエレメ ントが、その吹出し流量が大きくなるように比例的に拡径されている。例えば、 横流ファンを均一径とした場合に吹出し空気流量が障害物によって最小となる軸 方向端部側のエレメントの径が最大とされ、かつ吹出し空気流量が最大となる軸 方向中央部側エレメントの径が最小とされている。

【００１８】 このように構成された本実施例の横流ファン１２によると、図１に仮想線ｂで 示すように、障害物１６（ファンモータ１３、パネル側壁１４、回路部品１５等 ）が軸方向端部側に存在していても、横流ファン１２からの吹出し空気流量が軸 方向全体に亘って略均一なものとなり、良好な冷暖房効果を得ることができるよ うになる。

【００１９】 この場合、本実施例によれば横流ファン１２の軸方向長さを特に大きくする必 要がないので、室内ユニットが大型となって余分な製作コストがかかることもな く、また広い設置場所を必要とすることもないので設置場所に制限も少ない。

【００２０】 また、吹出し空気量が全体的に均一になることにより、風速も全体的に均一に 分配され、快適性の向上も図れる利点がある。

【００２１】 なお、前記実施例では、横流ファン１２の各エレメントがそれぞれ平行な羽根 １２ｂを有し、そのエレメント単位で羽根径を異ならせる構成としたが、例えば 図４に示すように、羽根自体を軸心に対して傾斜させ、全体としてテーパ状をな すように構成してもよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように、本考案に係る空気調和機用横流ファンによれば、軸方向端部側 を大径、中央部側を小径としたので、ファン端部側に配置される障害物の影響に 拘らず、吹出し空気流量を軸方向全体で均一化することができ、したがって軸方 向長さを拡大する必要なく良好な冷暖房効果が得られるという作用効果が奏され る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を一部断面で示す斜視図。

【図２】図１の横流ファン部を拡大して示す正面図。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図。

【図４】本考案の他の実施例を示す図。

【図５】従来例を一部断面で示す斜視図。

【符号の説明】

１１ 室内ユニット １２ 横流ファン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気調和機の室内ユニットに設けられる
   横流ファンであって、軸方向両端部の径を中央部側より
   も大径に設定したことを特徴とする空気調和機用横流フ
   ァン。