JPH05141743A - 環境コントロール装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビルの環境を維持する空調機などの設備機器
に対して、省エネ性を考慮しつつできるだけ快適な環境
を実現する制御を行う環境コントロール装置を提供する
ことを目的とする。 【構成】 環境コントロール装置１は、省エネレベルに
応じた快適度を記憶しておき、要求される省エネレベル
に応じた快適度を空調機４ａ〜４ｎに設定する。空調機
側で設定された快適度に環境を制御する。環境コントロ
ール装置１が快適度を制御することにより、ビルとして
省エネと快適環境を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ビルにおける空調機な
どの設備機器に対して、省エネ性と快適性を兼ねそろえ
た環境制御を行なう環境コントロール装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】近年、ビルの空間に対して快適性と省エ
ネ性を両立した空調制御を行なうことが要求されている
が、快適性まで考慮した省エネ制御を行っている事例は
なかった。省エネ制御の一例として、電力デマンド制御
があげられるが、ビルの空調機などの設備機器を停止し
てしまう制御であった。

【０００３】また、快適性を実現するために各種設定値
を変更しているが、省エネを全く考慮せずに設定値を変
更しているのが実情である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の例で
は、省エネ性と快適性を考慮した制御が行なわれていな
かった。

【０００５】そのため、電力デマンド制御など省エネ制
御が必要となった場合には環境が極端に悪くなったり、
必要以上の空調を行なうことによるエネルギーの無駄使
いなどが発生することが多いという課題があった。

【０００６】本発明は上記課題を解決するもので、常に
快適性を考慮し、省エネレベルに応じて快適度を調整す
ることで環境の極端な悪化を防ぎつつ省エネを実現する
ことのできる環境コントロール装置を提供することを目
的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためにネットワークに接続された空調機全体に対す
る省エネレベルを設定する省エネレベル設定手段と、省
エネレベルに応じた快適度を記憶する快適度記憶手段
と、省エネレベル設定手段により設定された省エネレベ
ルと快適度記憶手段に記憶された快適度により快適度を
演算する快適度演算手段と、快適度演算手段により決定
された快適度を各空調機に設定する快適度設定手段を備
える構成としたものである。

【０００８】

【作用】一般的に快適度を高くするとエネルギーが多く
消費され、快適度を低くするとエネルギー消費量は減少
する傾向にある。従って快適度をコントロールすること
によって省エネの度合を調整することが可能である。

【０００９】本発明は上記した構成により、快適度設定
手段により設定された省エネレベルに応じて快適度演算
手段が、設定された省エネレベルが高ければエネルギー
使用量を低下させるように快適度を決定し、設定された
省エネレベルが低ければエネルギー使用量を向上させる
ように快適度を決定する。

【００１０】快適度設定手段はこの快適度を各空調機に
設定し、各空調機は設定された快適度になるように制御
を行う。

【００１１】このように、快適度設定手段により設定さ
れた省エネレベルに応じて快適度を変化させることによ
り、環境コントロール装置は空調機のエネルギー使用量
を制御する。すなわち省エネレベルに応じて快適度を細
かく変化させることにより、快適性とビル全体の省エネ
性の両方を考慮した環境を実現することができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図１〜図
３を参照しながら説明する。

【００１３】図に示すように環境コントロール装置１
は、省エネレベルに応じた快適度を記憶する快適度記憶
手段２と、現在要求されている省エネレベルを設定する
省エネレベル設定手段３と、快適度記憶手段２が記憶し
ている快適度と省エネレベル設定手段３の現在要求され
ている省エネレベルから空調機４ａ，４ｂ、・・・４ｎ
に設定する快適度を演算する快適度演算手段５と、快適
度演算手段５で演算された快適度を各空調機に設定する
快適度設定手段６から構成されている。

【００１４】空調機４ａ，４ｂ、・・・４ｎは環境コン
トロール装置１と通信手段７により接続されている。

【００１５】各空調機は、環境コントロール装置１から
の快適度を受信して記憶する空調快適度設定手段８と、
各種計測センサーの値を計測する計測手段９と、計測手
段９の計測値から被空調空間の空調快適度を演算する空
調快適度演算手段１０と、空調快適度設定手段８の快適
度と空調快適度演算手段１０の空調快適度を比較して空
調能力の制御を行なう空調機制御手段１１から構成され
ている。

【００１６】上記構成により、省エネレベル設定手段３
は、省エネレベル１〜１０までを一例として設定する。

【００１７】省エネレベル１が最も多くのエネルギーを
節約しなければならないレベルであり、２、３、・・・
と順に節約すべきエネルギーが減少し、１０が最も低い
省エネレベルである。また、快適度記憶手段２はあらか
じめ省エネレベル１〜１０のそれぞれに対応した快適度
を記憶しており、図３がその対応表の一例である。

【００１８】図３の対応表は、この関係を利用して、省
エネレベルが高いときは快適度を低く設定し、省エネレ
ベルが低いときは快適度を高くするようになっている。

【００１９】快適度演算手段５は、省エネレベル設定手
段３により設定された省エネレベルを元に、快適度記憶
手段２の対応表から空調機に設定すべき快適度を演算す
る。例えば、省エネレベル設定手段３により省エネレベ
ルが７と設定された場合、図３の対応表により、快適度
０．７を得る。

【００２０】快適度設定手段６は、快適度演算手段５の
演算結果の快適度を各空調機に設定し、空調機４ａの空
調快適度設定手段８は快適度設定手段６からのの快適度
を記憶する。

【００２１】また、計測手段９は各計測センサーの値を
計測し、空調快適度演算手段１０が計測手段９の計測結
果を用いて空調快適度を演算する。例えば、ＰＭＶ演算
手法を用いた場合、空調快適度は−１．０〜＋１．０の
間の値をとり、その値の絶対値が０に近いほど快適であ
ることを表わす。

【００２２】空調機制御手段１１は空調快適度設定手段
８の快適度と空調快適度演算手段１０の値を比較して空
調能力の制御を行なう。

【００２３】空調機制御手段１１の論理処理を図２に従
って説明する。ステップ２１で空調快適度演算手段１０
の空調快適度と空調快適度設定手段８の快適度を読み出
す。ステップ２２で空調快適度と快適度の大小比較を行
ない、空調快適度が大きいときはステップ２３で空調能
力ダウンの制御を行なう。空調快適度が小さいときはス
テップ２４で空調能力アップの制御を行なう。これによ
り、環境コントロール装置から設定された省エネレベル
に応じて各空調機が省エネレベルを考慮した制御を行な
うことによって、できるだけ快適性を損なわずに省エネ
を実現することができる。

【００２４】なお、快適性演算手段５の快適性を演算す
る方式として対応表を用いたが、ＰＭＶ演算などの論理
演算によるものでもよい。

【００２５】なお、省エネレベルは１０レベルとした
が、いくつであってもよい。なお、快適度演算手段５の
結果が快適度ではなく、通常の室内温度などの設定値で
あってもよい。

【００２６】このように本発明の実施例の環境コントロ
ール装置によれば、環境コントロール装置が省エネレベ
ルに応じたきめ細かな快適度を各空調機に設定すること
によって、できるだけ快適性を損なわずに省エネをビル
全体で実現することができる。

【００２７】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によればできるだけ快適性を損なわずに省エネをビル
全体で実現できる効果のある環境コントロール装置を提
供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の環境コントロール装置の構
成図

【図２】同制御フローチャート図

【図３】同省エネレベルと快適度の対応表

【符号の説明】

１ 環境コントロール装置 ２ 快適度記憶手段 ３ 省エネレベル設定手段 ５ 快適度演算手段 ６ 快適度設定手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】通信手段に接続された空調機全体に対する
   省エネルギーレベルを設定する省エネレベル設定手段
   と、省エネレベルに応じた快適度を記憶する快適度記憶
   手段と、前記省エネレベル設定手段により設定された省
   エネレベルと前記快適度記憶手段に記憶された快適度に
   より快適度を決定する快適度演算手段と、前記快適度演
   算手段により決定された快適度を前記空調機に設定する
   快適度設定手段を備えた環境コントロール装置。