JPH05135455A - リニヤスケート式記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録媒体カセット装着部が設けられた一のシ
ャ−シと記録再生部が設けられた別のシャ−シとを摺動
自在に結合したリニヤスケ−ト式記録再生装置におい
て、シャ−シの形状を大きくしなくてもこれら２つのシ
ャ−シの間の相対的な移動ストロ−クを十分確保でき、
かつ、シャ−シの面的利用効率を高める。 【構成】 固定シャ−シ１４にはその左右両側縁部に前
後方向に延びるように立ち上げられた２つの案内壁１
９、１９にその長手方向に沿って延びるように形成され
た案内溝２０、２０と上記２つの案内壁に各別に近い位
置から上方に向けて突出した２つのガイド軸２１、２１
とを設け、スライドシャ−シ１６には上記２つの案内溝
と各別にかつ摺動自在に係合する２つの被案内軸２６、
２６と上記２つのガイド軸が各別にかつ摺動自在に係合
され前後方向に延びる２つの被ガイド溝２５、２５とを
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は新規なリニヤスケ−ト式
記録再生装置に関する。詳しくは、記録媒体カセットが
着脱自在に装着される記録媒体カセット装着部が設けら
れた第１のシャーシと記録媒体に対する記録及び／又は
再生を行う記録再生部が設けられた第２のシャーシとを
摺動自在に結合し、記録媒体カセット装着部に装着され
た記録媒体カセットの記録媒体に対する動作は第１のシ
ャーシを第２のシャーシと略重なる引込位置へと相対的
に移動させた状態で行うリニヤスケ−ト式記録再生装置
に関するものであり、シャーシの寸法、特に、２つのシ
ャーシの間の相対的な移動方向における寸法を大きくし
なくても２つのシャーシの間の相対的な移動ストロ−ク
を十分確保することができ、それでいて２つのシャーシ
を摺動自在に結合するための手段がシャーシに占める割
合が最小限で済むためにシャーシの面的利用効率及び強
度が低下することのない新規なリニヤスケ−ト式記録再
生装置を提供しようとするものである。

【０００２】

【従来の技術】記録媒体としてカセット式のものを用い
る記録再生装置に、記録媒体カセットが着脱自在に装着
されるカセット装着部と該カセット装着部に装着された
記録媒体カセット内の記録媒体に対する記録及び／又は
再生を行う記録再生部とを摺動自在に結合したリニヤス
ケ−ト構造としたものがある。

【０００３】即ち、当該記録再生装置のベ−スを為すシ
ャーシを固定シャ−シとそれに摺動自在に支持されたス
ライドシャ−シに分けると共に、これら２つのシャーシ
にはカセット装着部と記録再生部を各別に設け、記録媒
体に対する動作はカセット装着部と記録再生部とが所定
の位置関係となるようにスライドシャ−シを固定シャ−
シと略重なる引込位置へと移動させた状態で行い、カセ
ット装着部に対するテ−プカセットの装着位置及び取出
はスライドシャ−シを上記引込位置より離間した引出位
置へと移動させた状態で行うようにすることがある。

【０００４】このようにすることにより、カセット装着
部に対する記録媒体カセットの装着及び取出を楽に行う
ことができ、それ以外のときの形状をリニヤスケ−ト構
造で無いものの大きさと略同じか又はそれより小型にす
ることができる。特に、ビデオテ−プテ−ププレ−ヤ等
の回転ヘッド式テ−プテ−ププレ−ヤをこのようなリニ
ヤスケ−ト構造にすると、使用時にはカセット装着部に
装着されたテ−プカセットの内部にヘッドドラムが挿入
されるようにすることも可能であるため、使用時を含め
て記録媒体カセットの着脱を行うとき以外のときの形状
をかなり小型にすることができる。

【０００５】このようなリニヤスケ−ト式記録再生装置
における２つのシャーシの従来の結合構造の一例を図８
及び図９に示し、また図１０には別の例を示す。

【０００６】これらの図において、ａは固定シャ−シ、
ｂはスライドシャ−シであり、これら固定シャ−シａ及
びスライドシャ−シｂには所定のカセット装着部及び記
録再生部が各別に設けられる。

【０００７】ｃ、ｃ、・・・は固定シャ−シａの左右両
側部に２本づつ立設された案内軸、ｄ、ｄ、・・・はス
ライドシャ−シｂの左右両側部に２つづつ形成された被
案内溝であり、被案内溝ｄ、ｄ、・・・は固定シャ−シ
ａ及びスライドシャ−シｂの前後方向に延び、案内軸
ｃ、ｃ、・・・の上端部に形成された環状溝ｅ、ｅ、・
・・に被案内溝ｄ、ｄ、・・・の側縁部が摺動自在に係
合され、それによりスライドシャ−シｂが固定シャ−シ
ａに４点で摺動自在に係合された状態で前後方向へ移動
自在に支持され、その移動は図９及び図１０において実
線で示す引出位置と二点鎖線で示す引込位置との間で行
われる。

【０００８】そして、図８及び図９に示す結合構造にお
いては、左右各２本の案内軸ｃとｃは前後方向に離間し
て配列され、これに対応してスライドシャ−シｂの左右
各２つの被案内溝ｄとｄも同方向に離間して配列されて
いる。

【０００９】また、図１０に示す結合構造においては、
左右各２本の案内軸ｃとｃは前後方向及び左右方向に離
間して配置され、これに対応してスライドシャ−シｂの
左右各２つの被案内溝ｄとｄも前後方向に離間して配置
されている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】図８及び図９に示す結
合構造にあっては、左右各２つの案内軸ｃとｃ及び被案
内溝ｄとｄは前後方向にシリ−ズに配列されるので、被
案内溝ｄ、ｄの長さは最大でもスライドシャ−シｂの前
後幅の半分より稍短い長さに限定されてしまい、スライ
ドシャ−シｂの移動ストロ−クを大きくとることができ
ないという問題がある。換言すれば、スライドシャ−シ
ｂの前後幅は必要な移動ストロ−クの２倍余りの長さに
しなければならないという問題がある。

【００１１】この点、図１０に示す結合構造にあって
は、案内軸ｃとｃ及び被案内溝ｄとｄは左右方向でも位
置がずれて配置されるので、被案内溝ｄ、ｄの長さをス
ライドシャ−シｂの前後幅に近い長さまで伸ばすことが
可能であり、従って、シャーシの前後幅を大きくしなく
てもスライドシャ−シｂの移動ストロ−クをかなり長く
とることができる、換言すれば、スライドシャ−シｂの
前後幅は必要な移動ストロ−クに近い長さで足りること
になる。

【００１２】ところが、この図１０に示す結合構造にあ
っては、被案内溝 ｄ、ｄ、・・・がスライドシャ−シ
ｂに占める領域が左右方向に拡大してしまうので、その
分、各種の部材や機構の配置に利用できる領域が狭くな
ってしまうという問題がある。

【００１３】また、被案内溝ｄ、ｄ、・・・がスライド
シャ−シａに占める領域が大きいということは、それだ
けシャーシの強度が低下することにもなる。

【００１４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明リニヤス
ケ−ト式記録再生装置は、上記した課題を解決するため
に、記録媒体カセットが着脱自在に装着される記録媒体
カセット装着部が設けられた第１のシャーシと記録媒体
に対する記録及び／又は再生を行う記録再生部が設けら
れた第２のシャーシのいずれか一方のものの両側縁部に
これら２つのシャーシの相対的な移動方向と平行に延び
る２つの立壁と該立壁にその長手方向に沿って延びるよ
うに形成された案内溝と上記２つの立壁に各別に近い位
置から他方のシャーシの方へ向けて突出した２つのガイ
ド軸とを設け、他方のシャーシには上記２つの案内溝と
各別にかつ摺動自在に係合する２つの被案内軸と上記２
つのガイド軸が各別にかつ摺動自在に係合され上記移動
方向と平行な方向に延びる２つの被ガイド溝とを設けた
ものである。

【００１５】

【作用】従って、本発明リニヤスケ−ト式記録再生装置
にあっては、第１及び第２の２つのシャーシはこれらの
両側端部におけるそれぞれ２点の合計４点で摺動自在に
結合されるので、その支持状態は極めて安定に保持され
る。

【００１６】しかも、その片側２点における結合を行う
ための案内溝及びガイド軸と被ガイド溝及び被案内軸は
２つのシャーシに分けて設けられるので、これら案内溝
及び被ガイド溝の長さは、最大、当該２つのシャーシの
相対的な移動方向における長さに近い長さとすることが
可能である。従って、シャーシの寸法、特に、２つのシ
ャーシの相対的な移動方向における寸法を大きくしなく
ても２つのシャーシの間の相対的な移動ストロ−クを十
分確保することができる、換言すれば、当該シャーシの
上記移動方向における長さは必要な移動ストロ−クに近
い長さで足りることになる。

【００１７】そして、一のシャーシに設けられる案内溝
は当該シャーシの両側縁部に設けられた立壁上に位置
し、別のシャーシに設けられる被ガイド溝は当該シャー
シの両側縁部に位置するので、いずれのシャーシにおい
ても結合のための手段が占める面積が最小限で済み、従
って、シャーシの面的利用効率を高く維持することがで
きると共に、シャーシの強度が低下するのを防止するこ
とができる。

【００１８】

【実施例】以下に、本発明リニヤスケ−ト式記録再生装
置の詳細を添付図面に示した実施例に従って説明する。

【００１９】尚、図面に示した実施例は、本発明リニヤ
スケ−ト式記録再生装置を、外形の形状及び寸法等が規
格化されている８ｍｍビデオ規格に準拠したテープカセ
ットを使用するテーププレーヤ１に適用したものであ
る。

【００２０】テーププレーヤ１を説明する前に、該テー
ププレーヤ１に使用するテープカセットの一例２を説明
する（図５乃至図７参照）。

【００２１】３はテープカセット２のカセットケースで
あり、厚み方向から見て長方形状をした２つのハーフが
一体的に結合されて成る比較的薄い箱型をしており、そ
の前面３ａの左右両端部にはテープ出口４、４が形成さ
れ、該テープ出口４、４にはカセットケース３の厚み方
向に延びるカセット内ガイド５、５が設けられている。

【００２２】カセットケース３内には磁気テープ６が巻
装された一対のテープリール７、８、即ち、供給側テー
プリール７（以下、「Ｓリール」と言う。）及び巻取側
テープリール８（以下、「Ｔリール」と言う。）が回転
自在に、かつ、互いの間の軸間距離を拡縮し得るように
移動自在に収納されている。

【００２３】９、９はリール保持板であり、カセットケ
ース３内の底部に左右両側へ各別に偏倚して位置され、
かつ、前端部がカセットケース３の底板１０に回動自在
に支持されており、このようなリール保持板９、９に２
つのテープリール７、８が各別に、かつ、回転自在に支
持されている。

【００２４】リール保持板９、９は２つのテープリール
７、８の間の軸間距離を８ｍｍビデオ規格による標準の
軸間距離（以下、「標準軸間距離」と言う。）に保持し
ている標準位置と、図６に示す開き位置、即ち、２つの
テープリール７、８間の軸間距離を上記標準軸間距離よ
りある程度長い距離（以下、「拡大軸間距離」と言
う。）にした開き位置との間で移動され、該開き位置へ
はテーププレーヤ１によるリール台移動動作が行なわれ
るときに移動され、それ以外のときは標準位置に保持さ
れる。

【００２５】９ａ、９ａはリール保持板９、９の回動端
部に形成された連動用孔である。

【００２６】磁気テープ６はＳリール７から出て一方の
カセット内ガイド５に巻き付けられてカセットケース３
外に導出され、他方のカセット内ガイド５に巻き付けら
れたところからカセットケース３内に導入されてＴリー
ル８に達しており、従って、磁気テープ６の一部は２つ
のカセット内ガイド５、５間に張設された状態でカセッ
トケース３の前面３ａに沿って位置している。

【００２７】カセットケース３の底板１０には左右のカ
セット内ガイド５と５との間に張架される磁気テープ６
の後方の部分を大きく切り欠いた切欠１０ａが形成され
ており、該切欠１０ａは概ね前拡がりの台形状をしてい
る。そして、該切欠１０ａはリール保持板９、９が開き
位置へと移動することでその全体が開口される（図６参
照）。

【００２８】尚、カセットケース３の内部のうち上記切
欠１０ａと対応した凹部状の空間１１が記録又は再生時
にヘッドドラム等が挿入されるマウス部になっている。

【００２９】また、テープリール７、８はそのテープ巻
付部であるハブ１２、１２の下端部がリール保持板９、
９のリール支持孔９ｂ、９ｂ内に位置することでリール
保持板９、９に回転自在に支持されると共に、底板１０
に形成された長孔１０ｂ、１０ｂを通してカセットケー
ス３外へ臨んでいる（図５参照）。

【００３０】１３はカセットケース３の前面３ａを開閉
するための蓋体であり、図５に実線で示すように、カセ
ット内ガイド５、５間に張架された磁気テープ６を前方
から覆うように位置とした閉塞位置と、図７に示すよう
に、磁気テープ６の前側を開放した開放位置との間を移
動され、該開放位置への移動はテーププレーヤ１の開蓋
機構によって行なわれ、それ以外のときは閉塞位置に保
持される。

【００３１】テープカセット２は以上のように構成され
ており、従って、該テープカセット２はそのカセットケ
ース３の前面３ａが蓋体１３により閉塞され、かつ、２
つのテープリール７、８間の軸間距離が標準軸間距離と
なっている状態でテーププレーヤ１に装着される。

【００３２】テーププレーヤ１は固定シャーシ１４をベ
ースとする固定部１５と上記固定シャ−シ１４に摺動自
在に支持されたスライドシャーシ１６をベースとする可
動部１７とから成る。

【００３３】固定シャーシ１４はテープカセット２の平
面形状より一回り大きく、かつ、左右方向（図２におけ
る左方へ向かう方向を左側とし、右方へ向かう方向を右
側とする。また、同図における下方へ向かう方向を前側
とし、上方へ向かう方向を後側とする。以下の説明にお
いて向きを示すときはこの方向によるものとする。尚、
テープカセット２に関しては前後が逆になっている。）
に長い長方形の平板状をした主部１８とその左右両側縁
の前端部を除く略４分の３の部分から立ち上げられた背
の低い案内壁１９、１９とから成る。

【００３４】そして、上記案内壁１９、１９にはその略
全長に亘って前後方向に延びる案内溝２０、２０が形成
され、左側の案内溝２０の左半部２０ａの上下幅は右半
部の上下幅より稍大きくなっている（図３参照）。

【００３５】２１、２１は主部１８の上面の左端部前端
と右端部の案内壁１９寄りの位置に各別に立設されたガ
イド軸である。該ガイド軸２１、２１はテ−プカセット
２の厚みの３分の１位の長さを有する円柱状をしてお
り、その小径な下端部２１ａ、２１ａ（図４参照）が主
部１８に固定され、その上端面には螺穴２１ｂ、２１ｂ
が形成され、かつ、該螺穴２１ｂ、２１ｂの開口部周縁
に沿って環状に延びる係合突部２１ｃ、２１ｃが形成さ
れている。

【００３６】スライドシャ−シ１６は固定シャ−シ１４
の主部１８と略同じ大きさの平板状をした主部２２とそ
の左右両側縁から立ち上げられた側壁２３、２３及び前
側縁から立ち上げられた前面壁２４とからなる。

【００３７】２５、２５は主部２２の左右両側縁部に前
後方向に延びるように形成された被ガイド溝であり、固
定シャ−シ１４に形成された案内溝２０、２０と同じ長
さを有し、その上部２５ａ、２５ａは下部２５ｂ、２５
ｂより稍幅広になっており（図４参照）、下部２５ｂ、
２５ｂの幅は前記ガイド軸２１、２１の係合突部２１
ｃ、２１ｃの外径と略等しくされている。

【００３８】尚、これら被ガイド溝２５と２５との間の
前後方向における位置関係はガイド軸２１と２１との間
の前後方向における位置関係と同じになっている。

【００３９】そして、スライドシャ−シ１６の左右の側
壁２３、２３の後端部下縁からは略矩形をした突出片２
３ａ、２３ａが垂設されており、左側の突出片２３ａは
図３に示すように左側壁２３より稍右方に位置してい
る。

【００４０】２６、２６は上記突出片２３ａ、２３ａか
ら左方へ突出された被案内軸である。

【００４１】これら被案内軸２６、２６は案内壁１９、
１９の厚みの２倍余りの長さの円柱状を為し、その右端
部が突出片２３ａ、２３ａに固定され、その中間部には
フランジ２６ａ、２６ａが形成され、該フランジ２６
ａ、２６ａから左側の部分２６ｂ、２６ｂ（以下、「係
合部」という。）は案内溝２０、２０の幅と略同じ外径
を有している。

【００４２】そして、固定シャ−シ１４の案内溝２０、
２０には右方から上記被案内軸２６、２６の係合部２６
ｂ、２６ｂが各別に、かつ、摺動自在に挿通され、左側
の被案内軸２６の係合部２６ｂの左端部には抜止リング
２７（図３にのみ示してある。）が取着され、それによ
り、被案内軸２６、２６の案内溝２０、２０からの抜止
が為される。

【００４３】尚、抜止リング２７は左側の案内溝２０の
幅広な左半部２０ａ内に位置する。

【００４４】また、スライドシャ−シ１６の被ガイド溝
２５、２５の下部２５ｂ、２５ｂにはガイド軸２１、２
１の係合突部２１ｃ、２１ｃが摺動自在に係合され（図
４参照）、かつ、該ガイド軸２１、２１の螺穴２１ｂ、
２１ｂには抜止ネジ２８、２８が螺着される。該ネジ２
８、２８の頭部２８ａ、２８ａの外径は被ガイド溝２
５、２５の上部２５ａ、２５ａの幅と略同じ大きさにな
っており、それにより、ガイド軸２１、２１の被ガイド
溝２５、２５からの抜止が為される。

【００４５】尚、抜止ネジ２８、２８の頭部２８ａ、２
８ａは被ガイド溝２５、２５の幅広な上部２５ａ、２５
ａ内に位置する。

【００４６】しかして、スライドシャ−シ１６はその左
右両端部のそれぞれ前後方向に離間した２つの位置にお
いて、即ち、合計４つの位置において固定シャ−シ１４
と摺動自在に連係され、これにより、スライドシャ−シ
１６は固定シャ−シ１４より稍高い位置にあって該固定
シャ−シ１４に前後方向に摺動自在に支持される。

【００４７】そして、スライドシャ−シ１６は案内溝２
０、２０及び被ガイド溝２５、２５の長さ、即ち、スラ
イドシャ−シ１６の前後幅の略４分の３の長さと略同じ
距離の移動ストロ−クを有する。即ち、スライドシャ−
シ１６は図１に示すようにその被ガイド溝２５、２５の
後端部にガイド軸２１、２１が位置した引出位置と図６
に示すように被ガイド溝２５、２５の前端部にガイド軸
２１、２１が位置した引込位置との間を移動され、スラ
イドシャ−シ１６は引込位置に来た状態ではその全体が
固定シャ−シ１４と重なるように対向する。

【００４８】固定シャーシ１４の主部１８の上面には、
その中央部後端寄りの位置にヘッドドラム２９が固定さ
れ、更に、該ヘッドドラム２９の左脇にメインモータ３
０が右脇にキャプスタンモータ３１がそれぞれ固定され
ており、該キャプスタンモータ３１からはキャプスタン
３２が上方へ向って突出されている。

【００４９】３３、３３´は後述するテープローディン
グブロックの移動系路を案内するためのガイド部材であ
り、ヘッドドラム２９に後方から略接するように配置さ
れ、かつ、いずれも右上がりに傾斜しており、左側のガ
イド部材３３の左端部には固定テープガイド３４が立設
されている。

【００５０】尚、ヘッドドラム２９は、固定シャーシ１
４に固定された固定ドラム２９ａと、該固定ドラム２９
ａに回転自在に支持された回転ドラム２９ｂと、固定ド
ラム２９ａと回転ドラム２９ｂとの間に位置した状態で
回転ドラム２９ｂに支持されヘッドドラム２９の外周面
に沿って移動する図示しない複数の回転磁気ヘッド等か
ら成り、磁気テープ６に対する記録又は再生が行なわれ
るときは回転ドラム２９ｂが高速で回転され、その回転
は図示しないドラムモータにより行なわれる。

【００５１】スライドシャーシ１６の移動は上記メイン
モータ３０と固定シャーシ１４に設けられたカムギヤ３
５（図１参照）を含む図示しない移動機構によって行な
われる。

【００５２】スライドシャーシ１６の主部２２の後側縁
の中央部には後方へ向って開口した略Ｕ字形の比較的大
きな切欠３６が形成されており、スライドシャーシ１６
が引込位置へと移動すると、上記切欠３６内にヘッドド
ラム２６が位置する（図６参照）。

【００５３】３７はＳリール７が係合されるＳ側リール
台、３８はＴリール８が係合されるＴ側リール台であ
り、これら２つのリール台３７、３８は平ギヤ状をした
ギヤ部３９、３９と、該ギヤ部３９、３９より稍高いと
ころに位置した略円板状のリール載置部４０、４０と、
該リール載置部４０、４０の中心部から上方へ突出した
リール係合軸４１、４１等から成る。

【００５４】そして、このようなリール台３７、３８は
そのリール載置部４０、４０から上の部分がスライドシ
ャーシ１６の主部２２から上方へ突出するように位置す
ると共に、互いの間の軸間距離を拡縮されるように移動
自在に設けられている。

【００５５】即ち、４２、４３は２つのリール台３７、
３８を各別に支持した平板状のリール台レバーであり、
左側のリール台レバー４２（以下、「Ｓ側リール台レバ
ー」と言う。）は略前後方向に長い長方形状をしてお
り、右側のリール台レバー４３（以下、「Ｔ側リール台
レバー」と言う。）は略前後方向に長いクランク状をし
ている。

【００５６】そして、これらリール台レバー４２、４３
はスライドシャーシ１６の主部２２より稍低い高さに位
置し、かつ、水平方向では該主部２２の前端側へ偏倚し
た部分の左半部及び右半部と各別に対応したところに位
置すると共に、各後端部が主部２２に下方へ向けて突設
された支持軸４４、４４に水平方向へ回動自在に支持さ
れており、初期状態においてはスライドシャーシ１６と
の間に架け渡された引張バネ４５、４５の引張力によっ
て図２に示す初期位置に位置し、スライドシャーシ１６
が引込位置に到達する直前に２つのリ−ル台３７と３８
との間の軸間距離が最大となる開き位置へと移動され
る。この移動も前記カムギヤ３５を有する移動機構によ
り行なわれる。

【００５７】尚、リール台レバー４２、４３が上記初期
位置に来ているときの２つのリール台３７と３８との間
の軸間距離は前記標準軸間距離と同じ長さであり、開き
位置へと移動したときのリール台３７と３８との間の軸
間距離は前記拡大軸間距離と同じ長さとなる。

【００５８】そして、スライドシャ−シ１６の主部２２
の中央部と左右両端との間の略中間の部分には比較的大
きく、かつ、長孔状をしたリール台挿通孔２２ａ、２２
ａが形成されており、リール台３７、３８のリール載置
部４０、４０から上の部分はこれらリール台挿通孔２２
ａ、２２ａを通して主部２２の上側へ突出している。

【００５９】４６、４６はリール台レバー４２、４３の
回動端部に立設された連動ピンであり、スライドシャー
シ１６の主部２２に形成され上記支持軸４４、４４を中
心とする円弧状に延びる長孔２２ｂ、２２ｂを通して上
方へ突出されている。

【００６０】スライドシャーシ１６の主部２２のうち切
欠３６の左脇の位置には略左右方向へ延び、かつ、右端
が開口した比較的短い案内溝４７が形成され、また、上
記切欠３６の右脇の位置には左端が開口した比較的短い
案内溝４７′が形成されると共にその後端部に固定傾斜
ガイド４８が立設されている。

【００６１】４９、４９´はテープローディングを行な
うためのテープローディングブロックであり、移動ベー
ス５０、５０´と、該移動ベース５０、５０´に支持さ
れたガイドローラ５１、５１´及び移動傾斜ガイド５
２、５２´等から成り、スライドシャーシ１６が引込位
置に至る前の状態では前記左右の案内溝４７、４７′に
各別に移動自在に支持されている。

【００６２】５３は一端部にピンチローラ５４が回転自
在に支持されたピンチローラアーム、５５は一端部にフ
リダシガイド５６が立設されたフリダシアーム、５７は
一端部にテンレギピン５８が立設されたテンレギアーム
であり、これらピンチローラアーム５３、フリダシアー
ム５５及びテンレギアーム５７はその他端部がスライド
シャーシ１６に回動自在に支持されており、初期状態、
即ち、スライドシャーシ１６が引出位置に来ている状態
においては、図２に示すように、ピンチローラ５４は右
側のテープローディングブロック４９´の右脇の位置
に、フリダシガイド５６はピンチローラ５４の略右脇の
位置に、そして、テンレギピン５８は左側のテープロー
ディングブロック４９の左脇の位置にそれぞれ保持され
る。

【００６３】前記したように、リール台３７、３８等は
スライドシャーシ１６の内側の空間５９内に位置されて
おり、該空間５９がテープカセット２が着脱自在に装着
されるカセット装着部になっている。

【００６４】該カセット装着部５９に対するテープカセ
ット２の装着及び取出はスライドシャーシ１６が引出位
置に来ている状態で行なわれる。

【００６５】そして、カセット装着部５９にテープカセ
ット２が装着されると、リール台３７、３８のリール係
合軸４１、４１が相対的にテープリール７、８のハブ１
２、１２のリール台係合孔１２ａ、１２ａに挿入され、
それにより、Ｓリール７がＳ側リール台３７と、Ｔリー
ル８がＴ側リール台３８とそれぞれ一体的に回転するよ
うに結合される。

【００６６】また、リール台レバー４２、４３に立設さ
れた連動ピン４６、４６がリール保持板９、９の連動用
孔９ａ、９ａに各別に挿通されて、Ｓリール７を支持し
ているリール保持板９とＳ側リール台レバー４２とが、
また、Ｔリール８を支持しているリール保持板９とＴ側
リール台レバー４３とがそれぞれ一体的に移動し得るよ
うに連係される。

【００６７】また、テープカセット２がカセット装着部
５９に装着されると、上記ガイドロ−ラ５１、５１´、
移動傾斜ガイド５２、５２´、ピンチローラ５４、フリ
ダシガイド５６及びテンレギピン５８がカセットケース
３の前面に位置している磁気テープ６の内側に位置する
（図１及び図２参照）。

【００６８】尚、テープカセット２の蓋体１３はカセッ
ト装着部５９の上面を開閉する図示しないカバーを閉じ
る動作によって開放位置へと移動され、また、該カバー
が閉じられることによりカセットケース３がスライドシ
ャーシ１６の主部２２の上面に圧着される。

【００６９】以上のようにしてテープカセット２がカセ
ット装着部５９に装着される。

【００７０】そこで、スライドシャーシ１６を引き込む
ための指令が為されると、スライドシャ−シ１６が引込
位置に到達する直前にスライドシャ−シ１６が引込位置
へと移動され、リール台レバー４２、４３がリール保持
板９、９と共に開き位置へと移動されて２つのテープリ
ール７と８との間の距離が拡大される。

【００７１】この移動により、ヘッドドラム２９がカセ
ットケース３のマウス部１１内に挿入されて該ヘッドド
ラム２９の前端部が２つのテープリール７と８との間に
位置すると共に、該ヘッドドラム２９の外周面の略前方
を向いた部分とガイドロ−ラ５１、５１´、固定テープ
ガイド３４、固定傾斜ガイド４８及びキャプスタン３２
に磁気テープ６が巻き付けられる。

【００７２】そして、スライドシャーシ１６が引込位置
に来ると、スライドシャーシ１６の左側の案内溝４７と
固定シャーシ１４に設けられた左側のガイド部材３３の
案内切溝３３ａとが、また、スライドシャーシ１６の右
側の案内溝４７′と固定シャーシ１４の右側のガイド部
材３３の′案内切溝３３´ａとが、それぞれ連続される
（図６参照）。

【００７３】この状態から左側のローディングブロック
４９は左側の案内溝４７−３３ａを経て、右側のローデ
ィングブロック４９´は右側の案内溝４７′−３３´ａ
を経てそれぞれヘッドドラム２９の略真後ろのローディ
ング完了位置へと移動する。

【００７４】そして、スライドシャーシ１６が引込位置
へ向けて移動を開始すると、フリダシアーム５５は固定
シャーシ１４に設けられた図示しない案内カムにより稍
後方へ回動され、それにより、フリダシガイド５６に磁
気テープ６が巻き付けられ、また、テンレギアーム５７
はその初期位置における保持を解除されることで図示し
ない引張バネの引張力により略後方へ回動され、それに
より、テンレギピン５８に磁気テープ６が巻き付けら
れ、このテンレギピン５８に付勢された回動力によって
磁気テープ６に適度な張力が与えられる。

【００７５】また、スライドシャーシ１６が引込位置に
到達するのと略同時にピンチローラ５４が磁気テープ６
を挟んでキャプスタン３２に圧着される。

【００７６】以上の状態がテープローディング完了状態
であり、この状態で磁気テープ６は所要のパスを通る。
即ち、この状態で、磁気テープ６はＳリール７から出た
後左側のカセット内ガイド５−テンレギピン５８−固定
テープガイド３４−ガイドロ−ラ５１−移動傾斜ガイド
５２−ヘッドドラム２９−移動傾斜ガイド５２′−ガイ
ドロ−ラ５１´−固定傾斜ガイド４８−キャプスタン３
２−フリダシガイド５６−右側のカセット内ガイド５に
この順序で巻き付けられてＴリール８に達するというパ
スを通され、ヘッドドラム２９の外周面には略一周螺旋
状に巻き付けられる。

【００７７】磁気テープ６に対する記録又は再生はこの
状態から磁気テープ６がキャプスタン３２とピンチロー
ラ５４とによって走行せしめられ、かつ、ヘッドドラム
２９の回転部が回転されることによって行なわれる。

【００７８】６０は固定シャーシ１４の上面の前端部略
中央に設けられた首振りレバーであり、その回動端部に
はキャプスタンモータ３２の回転を伝達されて回転する
アイドラギヤ６１が支持されており、磁気テープ６がノ
ーマル方向、即ち、Ｓリール７から引き出されてＴリー
ル８に巻取られてゆく方向へ走行されるときは上記アイ
ドラギヤ６１がＴ側リール台３８のギヤ部３９と噛合
（図面ではこの状態を示してある。）して該Ｔ側リール
台３８をテープ巻取方向、即ち、上方から見て時計回り
方向へ回転させ、また、磁気テープ６が上記ノーマル方
向と反対のリバース方向へ走行されるときはアイドラギ
ヤ６１がＳ側リール台３７のギヤ部３９と噛合して該Ｓ
側リール台３７をテープ巻取方向、即ち、反時計回り方
向へ回転させる。

【００７９】尚、テープカセット２を取り出すときはス
ライドシャーシ１６が引出位置へと移動されると共に、
テープアンローディング、即ち、テープリールへのテー
プの巻取が行なわれる。即ち、この場合は、先ず、テー
プローディングブロック４９、４９´がスライドシャー
シ１６の案内溝４７、４７′側に移動されてスライドシ
ャーシ１６に戻された後、スライドシャーシ１６が引出
位置に戻され、それにより、ヘッドドラム２９がテープ
カセット２のマウス部１１から出て行くと共にピンチロ
ーラ５４、フリダシガイド５６及びテンレギピン５８が
初期状態における位置へと戻される。そして、テープロ
ーディングブロック４９、４９´の移動の開始と同時に
Ｓリール７がテープ巻取方向へ回転され、それにより、
磁気テープ６が弛み無くＳリール７に巻き取られる。

【００８０】

【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、本発明リニヤスケ−ト式記録再生装置は、記録媒体
カセットが着脱自在に装着される記録媒体カセット装着
部が設けられた第１のシャーシと記録媒体に対する記録
及び／又は再生を行う記録再生部が設けられた第２のシ
ャーシとを摺動自在に結合し、記録媒体カセット装着部
に装着された記録媒体カセットの記録媒体に対する動作
は第１のシャーシを第２のシャーシと略重なる引込位置
へと相対的に移動させた状態で行うリニヤスケ−ト式記
録再生装置であって、第１のシャーシと第２のシャーシ
のいずれか一方のものの両側縁部にこれら２つのシャー
シの相対的な移動方向と平行に延びる２つの立壁と該立
壁にその長手方向に沿って延びるように形成された案内
溝と上記２つの立壁に各別に近い位置から他方のシャー
シの方へ向けて突出した２つのガイド軸とを設け、他方
のシャーシには上記２つの案内溝と各別にかつ摺動自在
に係合する２つの被案内軸と上記２つのガイド軸が各別
にかつ摺動自在に係合され上記移動方向と平行な方向に
延びる２つの被ガイド溝とを設けたことを特徴とする。

【００８１】従って、本発明リニヤスケ−ト式記録再生
装置にあっては、第１及び第２の２つのシャーシはこれ
らの両側端部に置けるそれぞれ２点の合計４点で摺動自
在に結合されるので、その支持状態は極めて安定に保持
される。

【００８２】しかも、その片側２点における結合を行う
ための案内溝及びガイド軸と被ガイド溝及び被案内軸は
２つのシャーシに分けて設けられるので、これら案内溝
及び被ガイド溝の長さは、最大、当該２つのシャーシの
相対的な移動方向における長さに近い長さとすることが
可能である。従って、シャーシの寸法、特に、２つのシ
ャーシの相対的な移動方向における寸法を大きくしなく
ても２つのシャーシの間の相対的な移動ストロ−クを十
分確保することができる、換言すれば、当該シャーシの
上記移動方向における長さは必要な移動ストロ−クに近
い長さで足りることになる。

【００８３】そして、一のシャーシに設けられる案内溝
は当該シャーシの両側縁部に設けられた立壁上に位置
し、別のシャーシに設けられる被ガイド溝は当該シャー
シの両側縁部に位置するので、いずれのシャーシにおい
ても結合のための手段が占める面積が最小限で済み、従
って、シャーシの面的利用効率を高く維持することがで
きると共に、シャーシの強度が低下するのを防止するこ
とができる。

【００８４】尚、上記実施例においては、第２のシャ−
シ、即ち、記録再生部が設けられた方のシャ−シを固定
シャ−シとし、かつ、この固定シャ−シに立壁を設けた
が、立壁はスライドシャ−シの方に設けても良いし、更
には、第１のシャ−シを固定シャ−シとしても良い。

【００８５】この他、上記実施例に示した案内溝、ガイ
ド軸、被ガイド溝及び被案内軸その他各部の形状ないし
構造などは本発明を実施するに当たっての具体化のほん
の一例を示したものにすぎず、れらによって本発明の技
術的範囲が限定的に解釈されてはならない。

【００８６】また、上記実施例では本発明を８ｍｍビデ
オ規格に準拠したテ−プカセットを使用するテ−ププレ
−ヤに適用したが、本発明を適用し得るリニヤスケ−ト
式記録再生装置がこのような種類のものに限られること
は無く、使用する記録媒体カセットがテ−プ式のもので
ある必要も無く、例えば、ディスクカセットであっても
良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明リニヤスケ−ト式記録再生装置をリニヤ
スケ−ト式のテ−ププレ−ヤに適用した実施の一例を示
す要部の斜視図である。

【図２】初期状態におけるテ−ププレ−ヤ全体を示す平
面図である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う要部を拡大して
示す断面図である。

【図４】図２のＩＶ−ＩＶ線に沿う要部を拡大して示す
断面図である。

【図５】図２のＶ−Ｖ線に沿う拡大断面図である。

【図６】テ−プロ−デイング完了状態をテ−プカセット
を切断して示す拡大平面図である。

【図７】図６のＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿う拡大断面図であ
る。

【図８】従来のリニヤスケ−ト式記録再生装置における
２つのシャ−シの結合構造の一例を示す平面図である。

【図９】図８のＩＸ−ＩＸ線に沿う拡大断面図である。

【図１０】従来のリニヤスケ−ト式記録再生装置におけ
る２つのシャ−シの結合構造の別の例を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１ リニヤスケ−ト式記録再生装置 ２ 記録媒体カセット ６ 記録媒体 １４ 第２のシャ−シ １６ 第１のシャ−シ １９ 立壁 ２０ 案内溝 ２１ ガイド軸 ２５ 被ガイド溝 ２６ 被案内軸 ２９ 記録再生部 ５９ 記録媒体カセット装着部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体カセットが着脱自在に装着され
   る記録媒体カセット装着部が設けられた第１のシャーシ
   と記録媒体に対する記録及び／又は再生を行う記録再生
   部が設けられた第２のシャーシとを摺動自在に結合し、
   記録媒体カセット装着部に装着された記録媒体カセット
   の記録媒体に対する動作は第１のシャーシを第２のシャ
   ーシと略重なる引込位置へと相対的に移動させた状態で
   行うリニヤスケ−ト式記録再生装置であって、第１のシ
   ャーシと第２のシャーシのいずれか一方のものの両側縁
   部にこれら２つのシャーシの相対的な移動方向と平行に
   延びる２つの立壁と該立壁にその長手方向に沿って延び
   るように形成された案内溝と上記２つの立壁に各別に近
   い位置から他方のシャーシの方へ向けて突出した２つの
   ガイド軸とを設け、他方のシャーシには上記２つの案内
   溝と各別にかつ摺動自在に係合する２つの被案内軸と上
   記２つのガイド軸が各別にかつ摺動自在に係合され上記
   移動方向と平行な方向に延びる２つの被ガイド溝とを設
   けたことを特徴とするリニヤスケ−ト式記録再生装置。