JPH0513410Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、プラスチツク成型物（コンテナ或い
は各種容器等）、廃木材、古家具、冷蔵庫、洗濯
機、箪笥、机等、古じゆうたん・カーペツト、
畳、造成地から排出される木の根、植木の剪定廃
材等の嵩高い廃棄物を効率的に粉砕する為の装置
に関するものである。

（従来の技術） 上記のような嵩高い廃棄物は、処理場に運び込
まれると一旦ホツパーに貯留され、原形のままで
は粉砕処理が出来ない為に事前にばらしたり圧潰
した後、コンベアにて粉砕機に輸送し、ここでチ
ツプ状に粉砕される。チツプ状になつた廃棄物は
再処理が可能なものは再処理工程に送られ、再処
理不能なものはそのまま地中に埋め立て処理され
たりする。

（考案が解決しようとする課題） 然し乍ら、上記のような粉砕処理システムに於
いては、貯留の為のホツパー、前処理の為のスペ
ース、コンベア及び粉砕機等を最低限必要とし、
そのトータルスペースは広大なものとならざるを
得ず且つ人手も要する。しかも、年々このような
嵩高い廃棄物の排出量が増え、その合理的な処理
方法の確立が急がれていた。

本考案は、上記に鑑みなされたもので、上下に
嵩高い廃棄物も下部も上部も強制移送部材の送り
作用を受けて同時に効率的に破砕すると共に所定
の大きさ以下の破片を得ることを第１目的とし、
またホツパー内で廃棄物を絶えず左右にゆすつて
回転している破砕用回転体への給送を効率的に行
い所定の大きさ以下の破片を得ることを第２目的
としている。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成する為の本考案の構成を添付の
実施例図に基づき説明する。第１図は廃棄物の破
砕装置の基本的構成を示す縦断側面図、第２図は
第１考案に係る実施例の縦断面図、第３図は第２
考案に係る一実施例を示す同様図、第４図は同他
の実施例の縦断側面図、第５図は上記実施例に採
用される回転体の他の実施例の縦断面図である。

即ち、基本的な嵩高廃棄物の粉砕装置は、嵩高
い廃棄物を収納するに十分な大きさのホツパー１
と、該ホツパー１の下部に配されたテーブル２
と、該テーブル２に開設された取出口３と、該取
出口３の開口縁部に固設された固定刃４と、該取
出口３に軸回転可能に配設され且つ週体に複数の
破断乃至圧砕用刃状部材５１……を取着した破砕
用回転体５と、上記テーブル２上に該回転体５の
軸線に直交方向に往復摺動可能に配置されテーブ
ル２上の廃棄物を回転体５側に押送させる強制移
送部材６とより成ることを要旨とするものであ
る。

そして、第１考案では上記取出口３をテーブル
２とホツパー１の片側側壁１１との間に開設し、
取出出口３には上記破砕用回転体５に加え第２の
破砕用回転体５′を斜め上方に近接して上記側壁
１１に沿うよう平行に配設し且つ該破砕用回転体
５，５′間に第２の固定刃４′を固設することも可
能であり、これらは処理廃棄物の嵩高さによつて
適宜選択使用される。

亦、第２考案に係る嵩高廃棄物の粉砕装置は、
嵩高い廃棄物を収納する十分な大きさのホツパー
１と、該ホツパー１の下部に配されたテーブル２
と、該テーブル２に開設された取出口３と、該取
出口３の開口縁部に固設された固定刃４と、該取
出口３に軸回転可能に配設され且つ周体に複数の
破断乃至圧砕用刃状部材５１……を取着した破砕
用回転体５とより成り、前記ホツパー１がテーブ
ル２上を回転体５の軸線に直交方向に沿つて往復
横移動可能とされたことを特徴とするものであ
る。

上記刃状部材５１……は、処理対象物の性状に
よつて選択的に用いられるが、例えば、廃棄物が
プラスチツクや木質系の廃棄物の場合は第１図乃
至第４図に示すように回転体５，５′の周体に切
削刃を間隔毎に止着し、回転体５，５′の回転に
伴う切削刃と固定刃４，４′との剪断力により破
断するようにしたものが、また冷蔵庫や洗濯機の
ように金属質のものを含む場合は第５図に示す如
く回転体５，５′の周体にハンマー部材を間隔ご
とに枢着し、回転体５，５′の回転に伴う該ハン
マーの揺動衝撃力及び固定刃４，４との剪断力に
より圧砕・破断するようにしたもの等が夫々望ま
しく採用される。

（作用） 上記構成の粉砕装置にて嵩高廃棄物を粉砕処理
する要領について述べる。基本的構造の装置に於
いて、先ず、ホツパー１に上記嵩高廃棄物をその
まま投入し、破砕用回転体５を回転させる。この
回転に伴う刃状部材５１……の作用により、廃棄
物は刃状部材５１……の回転軌跡内にある部分か
ら破断乃至圧砕される。同時に、強制移送部材６
を作動させると、該強制移送部材６はテーブル２
上を回転体５の軸線に直交する方向に沿つて摺動
するから、廃棄物は絶えず刃状部材５１……の回
転軌跡内に押しやられ上記の破断乃至圧砕処理が
継続され、取出口３からチツプ状の処理物が逐次
排出される。

第１考案の一実施例（第２図）に於いては、第
２の破砕用回転体５′が第１の回転体５の斜め上
方に近接し側壁１１に沿うよう配設されているか
ら、上下に嵩高い廃棄物もこの２本の破砕用回転
体５，５′により強制移送部材６の作用を受けて
効率的に破砕される。即ち、第１図に示す例の場
合、斯かる嵩高廃棄物は強制移送部材６により移
送されても回転体５の上方に突出する部分が側壁
１１に当たるとそれ以上の破砕処理がなされなく
なるが、本例の場合は回転体５の上方に突出する
部分も第２の回転体５′によつて等しく作用を受
けることになる。回転体５，５′の下方過半部分
を被うように２連スクリーン５２，５２が交換可
能に装着されているため、スクリーン目以下の所
定の大きさのチツプ状破片を得ることができる。

亦、第２考案の装置に於いては、上記強制移送
部材６に変つてホツパー１自体がテーブル２上を
回転体５の軸線に直交に沿つて往復横移動するか
ら、廃棄物はこの横移動により上記と同様に刃状
部材５１……の回転軌跡内に押しやられて破断乃
至圧砕作用を受け、スクリーン５２のふるいがけ
を受けて所定大きさ以下のチツプ状粉砕物として
取出口３から排出される。

上記のようにホツパー１底部のテーブル２上を
強制移送部材６が往復摺動したり、ホツパー１自
体が往復横移動可能とされている為、ホツパー１
内に投入された廃棄物が滞ることなく逐次チツプ
状に処理される。従つて、ホツパー１は長時間廃
棄物を貯留させる必要がないから、廃棄物を一時
的に貯留するに十分な大きさがあれば、十分であ
り、またその底部で直接処理されるから、前処理
の為の装置や前処理物を輸送する為のコンベア等
も必要としない。

（実施例） 次に実施例について述べる。

第１図は、基本的構造の装置の実施例を示すも
のであり、ホツパー１の底部には水平なテーブル
２が配設され、その一端寄りに取出口３が開設さ
れている。この取出口３の開口部分に切削刃５１
……が周体に間隔毎に止着された粉砕用回転体５
が横設されている。切削刃５１……はその刃先が
回転体５の軸線方向に平行になるよう交換可能に
間隔毎に止着され、回転体５の回転に伴う固定刃
４との剪断作用により廃棄物を切削処理するもの
で、プラスチツクや木質廃棄物の処理に適する。
テーブル２の上記開口部分の端縁には上記固定刃
４が固設され、該固定刃４は上記切削刃５１……
の回転軌跡に近接配置されている。回転体５の周
囲にはその過半部分を被うようにスクリーン５２
が交換可能に装着され、そのスクリーン目以下の
チツプ状粉砕物のみが透過して取出口３より排出
され、透過しないものは再度の処理がなされた後
排出され、ここで処理生成物の整粒をするよう図
られている。

テーブル２の他端からホツパー１の側壁を貫い
て厚板状の強制移送部材６が挿入され、該厚板状
強制移送部材６はホツパー１外のエア若しくはオ
イルシリンダー又はモーター等の駆動手段６１に
より回転体５の軸線に直交方向に沿つてテーブル
２上を往復摺動可能とされている。この往復摺動
によつて、該強制移送部材６の前端部がテーブル
２上の廃棄物を回転体５側に押しやるべく機能
し、その結果廃棄物は滞ることなく逐次破断・圧
砕処理される。該強制移送部材６を挿入する為の
ホツパー１の開設上端部にはゴム製シール部材６
２が強制移送部材６の上面に弾接するようスカー
ト状に止着され、この部分からの廃棄物の侵出の
防止が図られている。

尚、上記回転体５をテーブル２の略中央に２本
平行に横設し、２個の強制移送部材６をホツパー
１の両側壁から対向関係で挿入して夫々について
同様の機能を持たせ、その効率の一層のアツプを
図ることも可能である。

（実施例 １） 第２図は第１考案に係る実施例を示すものであ
り、ホツパー１の片側側壁１１寄りに２本の破砕
用回転体５，５′が上下近接状態で配設されてい
る。この回転体５，５′間には第２の固定刃４′が
固設され、第２の回転体５′の回転作用と相俟つ
て嵩高い廃棄物の上部も同時に破砕・剪断処理さ
れる。従つて、これにより廃棄物が側壁１１に当
たつて滞ることがなく極めて効率的にその処理が
なされる。回転体５，５′の斜め下部にはこれら
と近接して２連のスクリーン５２，５２が交換可
能に装着され、上記同様このスクリーン５２，５
２を通過するものだけが取出口３より排出され
る。その他の構成は上記と同様であるので図面上
同一符号う附すにとどめ、その詳細な説明を割愛
する。

（実施例 ２） 第３図は第２考案の一実施例を示すものであ
り、テーブル２の略中央に取出口３が開設され、
該取出口３には上記同様の破砕用回転体５が横設
されている。そして、該テーブル上にはホツパー
１が乗り、該ホツパー１はモーター１２及びチエ
ーン１３によりホツパー１上を回転体５の軸線に
直交する方向に往復横移動可能とされている。ホ
ツパー１の下端縁には摩擦抵抗が少なく且つ強靱
な樹脂が付設され、該樹脂によつて上記円滑な横
移動が保証されると共にテーブル２の上面との密
着性により廃棄物のホツパー１外への侵出の防止
が図られている。

而して、ホツパー１の往復横移動により、ホツ
パー１内の廃棄物は絶えず左右に揺動され、回転
中の回転体５に繰り返し接触するから、その破
断・圧砕処理が絶え間なく遂行され、取出口３か
らチツプ状処理物が逐次排出される。この場合、
回転体５を正逆転可能とし、リミツトスイツチ等
を用いてホツパー１の往復横移動に同期してこれ
を正逆転するようにすれば、ホツパー１の往復・
復動の両方で上記の処理が可能とされ効率的であ
る。その他の構成は第１図の基本的構成と同様で
あるのでその詳細な説明を割愛する。

（実施例 ３） 第４図は、第２考案装置の別の実施例を示し、
取出口３の開口部には上記と同様の破砕用回転体
５が２本平行に横設され、両者は矢視の如く互い
に反方向に回転するようになされている。従つ
て、ホツパー１の往動・復動いずれの場合でもど
ちらかの回転体５により上記処理がなされるか
ら、処理効率が向上する。その他の構成は上記と
同様であるのでここでもその詳細な説明を割愛す
る。

第５図は、上記いずれの場合にも採用可能な破
砕用回転体５，５′の他の実施例を示し、該回転
体５，５′の周体に間隔毎にハンマー部材５１…
…が枢着され、回転体５，５′の回転に伴うなう
ハンマー部材５１……の揺動衝撃力により廃棄物
を衝打破砕せんとするものであり、剛直な金属製
の廃棄物の処理に適する。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案の装置は、ホツパーでの貯
留と同時に廃棄物を破断乃至圧砕処理することが
出来るから、ホツパーは廃棄物を一時的に貯留し
得るに十分な大きさがあれば十分であり、しかも
前処理を必要としないからその為の装置及びスペ
ース並びに前処理物を輸送する為のコンベア等も
不要であり、全体が極めてコンパクトであり、省
スペース及び省力化に大きく寄与するものであり
ながら、第１考案に依れば上下に嵩高い廃棄物で
も上下両端部で同時に破砕して所定の大きさのチ
ツプ状の破片を得ることができ、効率的且つ後処
理に対応した処理を行うことができ、また第２考
案に依れば嵩高廃棄物でも往復移動させながらよ
り効率的に所定大きさ以下の破片に破砕すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は廃棄物の破砕装置の基本的構成を示す
縦断側面図、第２図は第１考案に係る実施例の縦
断面図、第３図は第２考案に係る一実施例を示す
同様図、第４図は同他の実施例の縦断側面図、第
５図は上記実施例に採用される回転体の他の実施
例の縦断面図である。 符号の説明、１……ホツパー、１１……ホツパ
ーの片側側壁、２……テーブル、３……取出口、
４……固定刃、５，５′……破砕用回転体、５１
……刃状部材、５２……スクリーン、６……強制
移送部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 嵩高い廃棄物を収納するに十分な大きさのホ
   ツパー１と、該ホツパー１の下部に配されたテ
   ーブル２と、該テーブル２に開設された取出口
   ３と、該取出口３の開口縁部に固設された固定
   刃４と、該取出口３に軸回転可能に配設され且
   つ周体に複数の破断乃至圧砕用刃状部材５１…
   …を取着した破砕用回転体５と、上記テーブル
   ２上に該回転体５の軸線に直交方向に往復摺動
   可能に配置されテーブル２上の廃棄物を回転体
   ５側に押送させる強制移送部材６とより成る嵩
   高廃棄物の破砕装置において、上記取出口３が
   テーブル２とホツパー１の片側側壁１１との間
   に開設され、該取出口３には上記破砕用回転体
   ５に加え第２の破砕用回転体５′が斜め上方に
   近接して上記側壁１１に沿うよう平行に配設さ
   れ且つ該破砕用回転体５，５′間に第２の固定
   刃４′が固設されており、また上記回転体５，
   ５′の斜め下方に近接状態の２連スクリーン５
   ２，５２が交換可能に装着されていることを特
   徴とする嵩高廃棄物の破砕装置。 ２ 嵩高い廃棄物を収納するに十分な大きさのホ
   ツパー１と、該ホツパー１の下部に配されたテ
   ーブル２と、該テーブル２に開設された取出口
   ３と、該取出口３の開口縁部に固設された固定
   刃４と、該取出口３に軸回転可能に配設された
   且つ周体に複数の破断乃至圧砕用刃状部材５１
   ……を取着した破砕用回転体５とより成る嵩高
   廃棄物の破砕装置において、上記ホツパー１が
   テーブル２上において回転体５の軸線に直交し
   た方向に沿つて往復横駆動され、また上記回転
   体５の下方に近接状態のスクリーン５２が交換
   可能に装着されていることを特徴とする嵩高廃
   棄物の破砕装置。