JPH05132723A - 製鋼ダストから亜鉛・鉛を回収する方法 - Google Patents

製鋼ダストから亜鉛・鉛を回収する方法

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JPH05132723A JP32518791A JP32518791A JPH05132723A JP H05132723 A JPH05132723 A JP H05132723A JP 32518791 A JP32518791 A JP 32518791A JP 32518791 A JP32518791 A JP 32518791A JP H05132723 A JPH05132723 A JP H05132723A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製鋼ダスト中のZn,Pbを回収して、かつ
無害化する方法として、一般的に実用されているロータ
リーキルン法の最大の欠点である壁付きを防止して、長
期の連続運転を可能とすること、さらに、ZnO,Pb
Oの還元揮発率を一段と向上させること。 【構成】 ロータリーキルン内反応物の軟化・溶融点を
上げ、かつ、ZnO,PbOの高還元揮発率を得るため
に、MgOを装入ダスト重量比で3%以上添加する。添
加するMgOには、反応物の溶融点に影響を及ぼすSi
2 ,CaO,Al2 3 などがそれぞれ単独で20
%,30%,70%まで混入していても差し支えない。
MgO−C煉瓦屑を重量比で30%以上に添加するなら
ば、コークスの添加を省略することができる。添加剤内
装型ペレットとすれば、残滓中のZn含有量は、1.0
%以下が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製鋼ダストから亜鉛・鉛
を回収する方法に係り、詳しくは、電気炉などの製鋼炉
から排ガスと共に排出される製鋼ダスト中に含まれるZ
nOおよびPbOを還元揮発させて回収するロータリー
キルンによる還元焙焼方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気炉などの製鋼炉から発生する製鋼ダ
ストは、Fe分以外に比較的多量のZn分やPb分を含
有している。そのため、資源リサイクリング対象として
また産業廃棄物規制の対象として、Zn,Pb等を回収
しまたは無害化する処理が行われている。この場合、実
際の操業では、ロータリーキルンによる還元焙焼法を採
用するのが一般的である。上記の還元焙焼法において
は、製鋼ダストは必要に応じて予め適当なペレットに成
形され、石炭またはコークス等の還元剤の適当量ととも
にロータリーキルンに連続的に装入される。そして、ロ
ータリーキルン内における反応帯の温度と滞留時間をコ
ントロールしながら還元焙焼し、還元揮発したZn,P
bは排ガスと共に集塵機に導入され、そこで粗酸化亜鉛
などとして回収される。このような方法において、Z
n,Pbの還元収率を最も高くする効果的な方法は、熱
力学的に自明のように、還元温度を高く維持することで
ある。しかし、この還元焙焼方法の最大の欠点は、高収
率を得るべく高温操業を維持すると、反応物が軟化・溶
融してロータリーキルン内壁に付着し、操業時間の経過
とともに付着物が内壁においてリング状に成長し増大す
ることである。その結果、装入された製鋼ダストなどの
反応物がキルン内を移動するときに障害が起こり、遂に
は操業の停止に至ってしまう。この問題を改善するため
に、以下に記すごとく、幾多の提案がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在一般的に採用され
ているロータリーキルンによる還元焙焼法は、前述のよ
うに避けることのできない欠点を持っている。この問題
を改善しようとする提案として、特公昭57−1017
0号公報,特開昭58−141345号公報や特公平2
−47529号公報などに記載された還元焙焼法があ
る。これらのうち前二者は、コークスと石炭の配合割合
や燃焼バーナーの機能変更などにより、キルン内反応帯
の温度分布を制御してZnOの還元揮発率を高め、か
つ、内壁付着の抑制を図るようにしたものである。しか
しながら、キルン内壁における付着物の発生を抑制して
いるとは言いがたく、十分な成果を得るまでには至って
いない。後者の特公平2−47529号公報では、ダス
トのCaO/SiO2 重量比を2.5以上に調整するこ
とにより反応物の溶融点を上げ、内壁付着を抑制してロ
ータリーキルンの連続操業期間の延長を図っている。こ
れによって、従来30日間程度であった連続操業を60
日間に延長することを実現している。しかし、実際のダ
ストの還元における反応物の融点は、CaO−FeO−
SiO2 系の状態図を用いた説明では十分な説得力がな
く疑問が残る。本発明者の研究によれば、反応物の溶融
状態は、ダストのコークス比によっても変化する。加え
て、CaOの添加は、付着防止効果を逆に阻害している
場合もあることが明らかとなっている。このようなこと
からして、連続操業は高々90日間程度までであり、そ
の結果、キルンの補修などが必要とされるまでの期間が
短く、還元焙焼の操業における能率は高くないのが現状
である。ところで、従来の還元焙焼法で製鋼ダストから
Zn,Pbを回収した残滓中のZn含有量は一般的に3
〜5%であって、残滓の廃棄処理は公害規制の対象とな
り、その廃棄処理に制約が課せられる。このため、残留
Zn値を1.0%以下となるように回収する新しい技術
としてプラズマアーク法が開発されている。この方法
は、日本国内で実用化するには電力コストが高いために
経済的に成立しにくい難点がある。このようなことから
して、ロータリーキルンによる還元焙焼法を採用しなが
らも、コストダウンが可能で、かつ、Zn,Pbの高収
率が発揮される方法が望まれる。
【0004】本発明は上述の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、製鋼ダストをロータリーキルンで還元
焙焼する際、ロータリーキルン内壁における付着物の発
生を抑制してロータリーキルンを長期にわたって連続操
業することができること、さらに、ZnO,PbOの還
元揮発率を高めて回収することができることを実現する
製鋼ダストから亜鉛・鉛を回収する方法を提供すること
である。ちなみに、製鋼用の電気炉から排出され製鋼ダ
ストの主成分は、Fe,Zn,Pb,CaO,MgO,
SiO2 ,Al2 3 ,Clなどである。このような製
鋼ダストにコークスを還元剤として添加しロータリーキ
ルンに装入した場合のキルン内の酸化還元反応系は、F
2 3 −Fe3 4 −FeO−Fe−PbO−Pb−
ZnO−Znの多元系で構成され、さらに、軟化・溶融
過程では、この反応系にCaO,MgO,SiO2 ,A
2 3 が重要な因子として作用する。熱力学的にi元
系の相平衡は、ギブズ−デュエム(Gibbs−Duh
em)の式Σni dμi =0によって、自由度が(i−
1)で与えられることからも明らかなように、キルン内
の反応系は極めて複雑である。したがって、観察される
現象を試行錯誤的に解析することが現実的な対応とな
る。本発明者は、上述のような知見に基づいて、四種類
の製鋼ダストを用いて実験室テストを行った。そして、
製鋼ダストに重量比で3%以上のMgOを添加すれば、
還元焙焼過程における反応物の軟化・溶融点を上昇させ
ることができ、キルン内壁における付着物の発生を著し
く抑制できること、加えて、MgOの添加によってZn
O,PbOの還元揮発率を一層高めることができること
を見出したもので、これによって、本発明は完成された
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、製鋼ダストに
還元剤を添加してロータリーキルンに装入し、還元焙焼
して製鋼ダストに含有されるZn,Pbの有価金属を還
元揮発させて回収する方法に適用される。その特徴とす
るところは、還元剤としてコークスを使用すること、装
入された製鋼ダストに、その重量の3%以上のMgOを
添加することとしたもので、これによって、ロータリー
キルン内の装入物の軟化・溶融点を上昇させ、該装入物
がキルン内壁に付着するのを抑制し、また、MgOの触
媒作用によってZn,Pbを高収率で回収するようにし
たことである。上記のMgOとしては、不純物としてS
iO2 が含まれる場合には、それが20%まで混入した
ものが許容され、CaOの場合では30%まで、Al2
3 の場合では70%までとしておけばよい。さらに、
製鋼ダストに還元剤であるコークスの添加を省略するた
めに、製鋼炉体の廃棄耐火物のうちのMgO−C煉瓦屑
を、装入ダスト重量に対して30%以上となるように添
加してもよい。なお、ロータリーキルンに製鋼ダストを
ペレットで装入する際、そのペレットをコークスおよび
MgOが内装された添加剤内装型ペレットにしてもよ
い。
【0006】
【作用】製鋼用電気炉から排出されたダストに還元剤で
あるコークスを添加し、ロータリーキルンに装入して還
元焙焼するとき、キルン内の酸化還元反応系は、Fe2
3 −Fe3 4 −FeO−Fe−PbO−Pb−Zn
O−Znの多元系で構成される。その軟化・溶融過程で
は、反応系にCaO,MgO,SiO2 ,Al23
重要な因子として作用する。還元剤として20重量%の
コークスのみを添加した場合、加熱温度が1220℃に
達すると全ての内装物は半溶融状態もしくは溶融状態と
なる。一方、重量で製鋼ダストの3%のMgOを添加す
ると、そのMgOは、Fe23 を還元してFeOを生
成することを著しく抑制する。全ての製鋼ダストは、ロ
ータリーキルンにおける加熱温度の上限である1260
℃に昇温しても溶融せずに焼結状態で留まり、その融点
が明らかに上昇する。さらに、製鋼ダストは、その発生
過程から分かるように、その成分が特異的に変動するこ
とはないので、MgOを添加することによる融点を上昇
させる現象には普遍性がある。これは、ロータリーキル
ンによる製鋼ダストの処理分野において注目すべきこと
である。同時に、ZnO,PbOの還元揮発率を一層高
めることを見出したことも特徴の一つである。MgOを
添加することによって反応界面の多孔性が維持され、Z
nO,PbOの還元揮発が促進されると考えられるから
である。なお、添加されるMgOには、SiO2 ,Ca
O,Al2 3 の不純物が、それぞれ単独で20%以
下,30%以下,70%以下となるように混入していて
もよい。これらの不純物がそれぞれに反応して、ロータ
リーキルン内で還元焙焼される反応物の溶融点を上昇さ
せるように寄与する。MgOに代えて、製鋼炉の廃棄耐
火物からMgO−C煉瓦屑を選定し、これを粉砕して装
入ダスト重量の30%以上となるように添加すれば、還
元剤であるコークスの使用が省かれる。また、ロータリ
ーキルンに製鋼ダストをペレットで装入する際に、コー
クスおよびMgOを内装させておけば、従来の還元焙焼
法で実現不可能であった100℃低い低温度還元焙焼が
可能になる。
【0007】
【実施例】以下に、詳細に説明する。本発明は、製鋼ダ
ストに還元剤としてコークスを添加してロータリーキル
ンに装入し、還元焙焼して製鋼ダストに含まれるZn
(亜鉛),Pb(鉛)の有価金属を還元揮発させて回収
する際に、MgO(マグネシア)を添加するものであ
る。ここで、還元剤としてコークスを使用することは従
来からなされている通りである。実操業においては、適
当なペレットに成形された製鋼ダストが、コークスとと
もにロータリーキルンへ連続的に装入される。そして、
装入された製鋼ダストの重量の3%以上のMgOを添加
し、還元焙焼する。このMgOの添加によりロータリー
キルン内の装入物の軟化・溶融点が上昇され、その反応
物がキルン内壁に付着するのが抑制される。また、その
MgOの触媒作用によってZnやPbを高収率で回収す
ることができる。
【0008】次に、その詳細を述べる。製鋼用電気炉か
ら排出されるダストの主成分は、重量比で示すと、Fe
が25〜45重量%,Znが10〜29重量%,Pbが
2〜5重量%,CaOが1〜3重量%,MgOが0〜2
重量%,SiO2 が2〜5重量%,Al2 3 が1〜3
重量%,Clが2〜6重量%といったところである。こ
の製鋼ダストに還元剤であるコークスを添加し、ロータ
リーキルンに装入して還元焙焼するとき、キルン内の酸
化還元反応系は、Fe2 3 −Fe3 4 −FeO−F
e−PbO−Pb−ZnO−Znの多元系で構成され
る。さらに、軟化・溶融過程には、この反応系にCa
O,MgO,SiO2 ,Al2 3 が重要因子として作
用する。以上のことを考慮して、本発明者は、表1の左
端欄にA〜Dで示す四種類の製鋼ダスト(異なる四つの
製鋼メーカーで発生したもの)を、実験室で還元焙焼テ
ストした。
【表1】 なお、試験においてはMgOに代えてMgO−C煉瓦屑
を使用している。ここで、ロータリーキルンに装入され
る状態を模擬して、製鋼ダストを粒度7.93〜5.6
6mmにペレットしたもの、コークス塊を粒度4.00
〜3.36mmの範囲にしたもの、MgOとしてはMg
O−C(マグネシアカーボン)煉瓦屑を粉砕して粒度を
4.00〜3.36mmにしたものを使用した。そし
て、それぞれの所定量を交互に層状を形成するように坩
堝に装入し、6リットル/分の空気量を通気しながら所
定温度に加熱した。
【0009】坩堝内の反応物の軟化・溶融状態は、Mg
Oの添加により融点は明らかに上昇した。すなわち、 製鋼ダストに重量比20%のコークスのみを添加
し、1050℃(製鋼ダスト中のFe2 3 が還元され
る温度)に加熱して80分間保持した場合、反応物は坩
堝から剥離させることができるが、焼結状態となった。 製鋼ダストに重量比20%のコークスと重量比5%
のMgO−C煉瓦屑粒体とを添加し、1050℃に加熱
して80分間保持した場合は、反応物が粉状となって、
溶融点は明らかに上昇していることが分かった。 製鋼ダストに重量比10%のコークスのみを添加
し、1260℃(製鋼ダスト中のZnOが還元される温
度)に加熱して80分保持した場合、反応物は坩堝に融
着した。 製鋼ダストに重量比10%のコークスと重量比5%
のMgO−C煉瓦屑粒体とを添加し、1260℃に加熱
して80分保持した場合、反応物は焼結するが、坩堝か
ら剥離させることができる程度であった。 製鋼ダストに重量比20%のコークスのみを添加
し、1260℃に加熱して80分保持した場合、反応物
が坩堝に融着した。 製鋼ダストに重量比20%のコークスと重量比5%
のMgO−C煉瓦屑粒体とを添加し、1260℃に加熱
して80分保持した場合も反応物は焼結するが、坩堝か
ら剥離させることができた。
【0010】このことから、例えば5%のMgO−C煉
瓦屑が添加されると、装入物の溶融点が上昇してキルン
内壁における付着物の発生を防止できることが分かる。
すなわち、MgOがFe2 3 を還元して、FeOを生
成することを著しく抑制していることが、表2からも分
かる。
【表2】 四種類の各製鋼ダストの溶融試験で、次のことが得られ
た。コークスのみの添加(20%)では、加熱温度が1
220℃に達すると全て半溶融状態もしくは溶融状態と
なる。しかし、各製鋼ダストにさらに5%のMgOを添
加すると、全てのダストは、ロータリーキルンにおける
加熱温度の上限である1260℃においても溶融せず、
焼結状態に留まる。この反応物の融点上昇は、FeOの
生成を抑止した結果であることは明らかである。また、
ダストはその発生過程からみてその成分が特異的に変動
することはないので(表1参照)、MgOを添加するこ
とによる融点上昇現象には普遍性があることになる。こ
れは、ロータリーキルンによる製鋼ダストの処理分野に
おいて注目すべき効果である。
【0011】同時に、ZnOやPbOの還元揮発率は、
図1に示すように、ダストの重量比5%のMgO−C煉
瓦屑を添加した場合に、それを添加しない場合より向上
することも見出された。これは、MgOの触媒作用によ
るものであり、従来の還元焙焼法に比べて、Znの回収
率は少なくとも5%以上、Pbの回収率も少なくとも1
2%以上それぞれ向上するものである。なお、MgOの
触媒機能は明らかではないが、反応はトポケミカルに進
行すると考えられるから、未反応核モデルによる説明が
可能と思われる。すなわち、MgOを添加することによ
って、Fe2 3 の還元が抑制されることは、反応界面
の多孔性を維持することになり、そのために、ZnO,
PbOの還元揮発が促進されると考察されるからであ
る。
【0012】一方、製鋼ダストにコークスまたはMgO
−C煉瓦屑の添加量を変えた場合の結果が図2に示され
る。コークスのみの添加量を増やしていくと、30%重
量比となったところで、ほぼ100%のZn回収率が得
られる。MgO−C煉瓦屑のみの添加量を増やしていく
と、30%重量比となったところでかなりの回収率が得
られるが、40%まで増加させても大幅な回収率の向上
は見られなかった。しかし、コークス30%重量の場合
には及ばないが、90%以上の回収率の得られることが
分かる。このことから、高価なコークスを使用しなくて
も、製鋼電気炉やその他の加熱炉などの補修において産
業廃棄物となる耐火物のうち、MgO−C煉瓦屑(カー
ボン含有量17%以上)を使用すれば、コークスに匹敵
する高い還元揮発率でZn,Pbを回収することができ
る。したがって、コークスの使用を省略することができ
る。なお、添加されるMgOには、その不純物としてS
iO2 が含まれる場合に20%以下とし、CaOの場合
は30%以下とし、Al2 3 の場合は70%以下とし
ておけば、その混入は許容され、ロータリーキルン内で
の還元焙焼反応物の溶融点を上昇させることができるこ
とも確認された。
【0013】このようなことから、MgO−C煉瓦など
の産業廃棄物の有効利用の途が図られ、かつ、実機のロ
ータリーキルンに適用しても、それを実現させることが
確認された。また、ロータリーキルンに製鋼ダストをペ
レットで装入する際に、そのペレットをコークスおよび
MgOが内装された添加剤内装型ペレットにしておく
と、従来の還元焙焼法で実現不可能であった100℃低
い温度の還元焙焼が可能となることも判明した。これに
よっても、ロータリーキルンの寿命を延ばすことがで
き、また、残滓中のZnの含有量を1.0%以下とする
ことができるような高収率が得られることも確認され
た。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、還元焙焼される反応物
の融点を上げることができるので、キルン内壁における
リング状の付着物の発生は著しく抑制される。その結
果、ロータリーキルンの連続操業が長くても90日間程
度に留まっていた従来の還元焙焼法に比べて、少なくと
も300日以上の連続操業が期待される。さらに、従来
の還元焙焼法に比べて、MgOの触媒作用によって、Z
nの回収率を少なくとも5%以上、Pbの回収率を少な
くとも12%以上それぞれ向上させることができる。な
お、MgOを含有すれば、例えばアルミナ系煉瓦を70
%混合させたものまで使用することができる。したがっ
て、資源リサイクリングの観点からも好適である。ま
た、製鋼ダストに添加されるMgOとして、産業廃棄物
となるマグネシア系煉瓦を採用することができる。これ
は、MgO−C煉瓦屑の実際的な回収量にもよるが、ロ
ータリーキルンに装入した製鋼ダスト重量の30%以上
の使用済みMgO−C煉瓦屑を添加すれば、コークス添
加を省略することができ、産業廃棄物による公害発生の
低減も図られる。また、ダストをコークスおよびMgO
が内装したペレットにしておけば、低温還元焙焼法が実
現されてロータリーキルンの延命化と、残滓中における
Znの含有量を1.0%以下とするZnの高収率化が図
られ、電力コストが嵩むプラズマアーク法に比べて極め
て低廉化された操業が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ダスト中のZnO,PbOの還元揮発率がM
gOを添加すると増大することを示すZn,Pbの回収
率と焙焼温度との関係を表したグラフ。
【図2】 ダストにコークスのみを添加した場合と、M
gO−C煉瓦屑のみを添加した場合のZn回収率とそれ
ぞれの添加量との関係を表したグラフ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製鋼ダストに還元剤を添加してロータリ
    ーキルンに装入し、還元焙焼して上記製鋼ダストに含ま
    れるZn,Pbの有価金属を還元揮発させて回収する方
    法において、 前記還元剤はコークスであり、 上記ロータリーキルン内の装入物の軟化・溶融点を上昇
    させ、該装入物がキルン内壁に付着するのを抑制するた
    めに、装入した前記製鋼ダスト重量の3%以上のMgO
    を添加し、該MgOの触媒作用によってZn,Pbを高
    収率で回収することを特徴とする製鋼ダストから亜鉛・
    鉛を回収する方法。
  2. 【請求項2】 前記MgOにおける不純物は、SiO2
    の場合で20%以下であり、CaOの場合で30%以下
    であり、Al2 3 の場合で70%以下であることを特
    徴とする請求項1に記載された製鋼ダストから亜鉛・鉛
    を回収する方法。
  3. 【請求項3】 前記還元剤として、上記コークスに代え
    て、各種炉体の補修時に廃棄される耐火物のうちMgO
    −C煉瓦屑を採用し、該MgO−C煉瓦屑を装入ダスト
    重量の30%以上となるように添加することを特徴とす
    る請求項1に記載された製鋼ダストから亜鉛・鉛を回収
    する方法。
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