JPH05130995A - 空間差分を用いた光断層イメージング装置 - Google Patents

空間差分を用いた光断層イメージング装置

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JPH05130995A
JPH05130995A JP3299020A JP29902091A JPH05130995A JP H05130995 A JPH05130995 A JP H05130995A JP 3299020 A JP3299020 A JP 3299020A JP 29902091 A JP29902091 A JP 29902091A JP H05130995 A JPH05130995 A JP H05130995A
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light
subject
optical axis
optical
detector
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JP3299020A
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Mamoru Kaneko
守 金子
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常に被検体表面と照射したビーム光光軸との
交点より出射した光を検出して、散乱光成分を精度良く
抑制し、分解能のよい良好な断層像を得る。 【構成】 光源4より被検体1にビーム光を照射し、こ
のビーム光の光軸上に配置された光検出器(1)5、及
びビーム光の光軸と所定の角度をなす軸上に配置された
光検出器(2)によって、被検体1を透過した光を検出
する。このとき、測距用光源12,ラインセンサ11,
制御装置16により前記光検出器5,6と被検体1との
距離を測定し、この距離に基づいて駆動装置17により
Xステージ9を移動させ、光検出器5,6を変位させる
ことにより、常にそれぞれの検出器で前記光軸と被検体
表面との交点からの光を検出するようにする。そして、
差分増幅器20,コンピュータ22により被検体の断層
像を再構築し、表示装置23に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光を用いて生体内部の
組織や器官の情報を画像化するのに適した光断層イメー
ジング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】赤色から近赤外領域の光は、生体組織に
対して、高い透過性、ヘモグロビン,ミオグロビン,チ
トクローム酸化酵素など生体の酸素代謝をつかさどる物
質への吸光性、それら物質の酸素結合状態に対応する吸
光スペクトルの変化などといった特徴を有している。こ
のような特徴を利用して、生体内部の酸素代謝を求める
装置がUS Patent No.4223680に示されている。
【0003】また、最近では生体内部の酸素代謝情報を
断層像や透視像といった画像で表わし、生体内部の各臓
器の代謝分布の測定や癌の診断などに有効な方法が示さ
れている。たとえば、特開昭60−72542号公報に
は、X線CTと同様なアルゴリズムを用いて生体内部の
ヘモグロビン、ミオグロビン、チトクローム酸化酵素の
酸素濃度の2次元断層画像を得て、血行障害等の器質性
障害の診断に有効な装置が示されている。また、特公平
2−50733号公報には、人間女性の***に発生した
乳ガンを近赤外スペクトルにより診断する装置が示され
ている。
【0004】ところで、光を用いて外部より測定を行
い、生体内部を2次元分布画像として、または局所情報
として表して生体内部の組織情報を得ようとする場合、
生体の表皮や内部組織による強い散乱のため照射した光
が広範囲に拡がってしまい、空間分解能がきわめて悪く
なるといった問題点があった。そこで、本出願人は特願
平2−81552号および特願平2−119468号に
おいて、空間分解の高い断層画像を求めるため光の散乱
を抑制する方法を提案している。
【0005】この方法に用いられる装置は、被検体に照
射されたビーム光に対し、前記ビーム光の光軸上の光を
検出するため、その被検体の透過側に前記ビーム光軸の
延長上に配置された第1の光検出器と、被検体の検出器
側の面と前記光軸とが交わる点において前記光軸とある
角度で散乱してきた光を検出するため、前記光軸とある
所定の角度で配置された第2の光検出器と、前記光検出
器のそれぞれの光出力を差分し、散乱成分を抑制する手
段とを備えて構成される。すなわち、第1の検出器には
被検体を直進し僅かに透過した直進成分と被検体内を散
乱してきた散乱成分とが検出され、第2の検出器には前
記散乱成分と同じ光路を通った散乱成分が検出されるの
で、2つの検出器で検出された成分を差し引きすること
によって、散乱成分が除かれ、直進成分だけを検出する
ことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の装置においては、被検体の検出側表面と検出器との
距離が変化すると、第2の光検出器では前記被検体検出
側表面とビーム光光軸の交わる点より出射した光を検出
できなくなる。このため、前記第1の検出器により検出
した散乱成分と第2の検出器により検出した散乱成分と
が一致せずに誤差が発生し、得られる断層画像が劣化し
てしまうという問題点があった。
【0007】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、被検体と検出器との距離に依らずに、被検体表面と
照射したビーム光光軸との交点より出射した光を検出し
て、散乱光成分を精度良く抑制することができ、分解能
のよい良好な断層像を容易に得ることが可能な光断層イ
メージング装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による光断層イメ
ージング装置は、被検体に照射するビーム光を発生する
光源と、前記ビーム光の光軸上に配置され、前記ビーム
光の被検体を透過した光あるいは被検体内部より反射し
てきた光を検出する第1の検出器と、前記ビーム光の光
軸と所定の角度をなす軸上に配置され、前記ビーム光の
被検体を透過した光あるいは被検体内部より反射してき
た光を検出する第2の検出器と、前記第1及び第2の検
出器と前記被検体との距離を測定する測距手段と、前記
測距手段によって検出された距離に基づいて、前記光軸
と前記被検体表面との交点からの光を検出するように前
記第2の検出器を変位させる位置制御手段と、前記第1
の検出器の出力と前記第2の検出器の出力とを演算し、
これに基づいて被検体の断層画像情報を生成する断層像
生成手段とを備えたものである。
【0009】
【作用】光源より被検体にビーム光を照射し、このビー
ム光の光軸上に配置された第1の検出器、及びビーム光
の光軸と所定の角度をなす軸上に配置された第2の検出
器によって、ビーム光の被検体を透過した光あるいは被
検体内部より反射してきた光を検出する。このとき、測
距手段により前記第1及び第2の検出器と前記被検体と
の距離を測定し、この距離に基づいて位置制御手段で前
記第2の検出器を変位させ、それぞれの検出器で前記光
軸と前記被検体表面との交点からの光を検出するように
する。そして、断層像生成手段によって前記第1の検出
器の出力と前記第2の検出器の出力とを演算し、これに
基づいて被検体の断層画像情報を生成する。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の第1実施例に係る光断層イメージ
ング装置の構成を示す構成説明図である。
【0011】第1実施例は、被検体1をXステージ2,
θステージ3からなる被検体用のステージに配置し、光
源(1)4より被検体1にビーム光を照射して透過光よ
り断層像を得る例を示している。
【0012】光源(1)4は、被検体1への光透過性の
高い波長、例えば生体組織の場合は近赤外領域のビーム
光を発生し、被検体1へ照射するようになっており、被
検体1をはさんで前記光源(1)4と対向した位置に、
被検体1を透過した光を検出する光検出器(1)5およ
び光検出器(2)6が設けられている。
【0013】前記光検出器(1)5,光検出器(2)6
の直前には、外来光など余分な光を除くため入射角度を
制限するコリメータ(1)7,コリメータ(2)8がそ
れぞれ設けられている。これらの光検出器(1)5,光
検出器(2)6、及びコリメータ(1)7,コリメータ
(2)8は、光源(1)4から照射されたビーム光の光
軸方向に移動可能な検出器用のXステージ9上に配置さ
れている。また、光検出器(1)5は前記ビーム光の光
軸上に、光検出器(2)6は前記ビーム光の光軸とある
所定の角度をなす軸上に配置されている。さらに、Xス
テージ9上には、レンズ10及びラインセンサ11が設
けられ、測距用の光源(2)12とによって、光検出器
(1)5および光検出器(2)6から前記被検体1の透
過側までの距離を測定する測距手段が構成されている。
なお、符号13は光源(1)4の光軸と光源(2)12
の光軸とを一致させるためのハーフミラーあるいはダイ
クロイックミラーである。コリメータ(1)7,コリメ
ータ(2)8の前方には測距用光源(2)12の光を取
り除くための光学フィルタ(1)14が、レンズ10の
前方には光源(1)4の光を取り除くための光学フィル
タ(2)15がそれぞれ配置されている。
【0014】また、光検出器(1)5,(2)6の位置
を制御する制御装置16、及び光検出器(1)5,
(2)6を含むXステージ9を駆動する駆動装置(3)
17により構成される位置制御手段が設けられており、
制御装置16でラインセンサ11より得られた信号から
前記被検体1と光検出器(1)5,(2)6との距離を
検出して、この距離を一定にするように駆動信号を駆動
装置(3)17へ出力し、Xステージ9を駆動して光検
出器(1)5,(2)6の位置を変位させるようになっ
ている。
【0015】一方、前記光検出器(1)5及び光検出器
(2)6の出力側には、それぞれの出力に対して検出器
のなす角度の重み付け及び感度の補正を行う増幅器
(1)18,増幅器(2)19と、これらの増幅器
(1)18,増幅器(2)19の出力の差をとることに
より、光散乱成分を抑制し直進成分を検出する差分増幅
器20とが設けられている。この差分増幅器20の出力
端は、A/D変換器21を介して光断層像を再構築する
ための各処理を行うコンピュータ22に接続されてお
り、差分増幅器20で得られた直進成分より光断層像を
再構築し、表示装置23に表示するようになっている。
【0016】さらに、光断層像の再構築に必要なデータ
を測定するために被検体1を移動、回転させる駆動装置
(1)24,駆動装置(2)25が設けられており、そ
れぞれが駆動する被検体用のXステージ2,θステージ
3に接続されている。
【0017】次に、本実施例の作用について説明する。
まず、光源(1)4より発生した近赤外光を生体組織の
被検体1に照射すると、近赤外光は組織による散乱のた
め大きく広がりながら透過する。このように空間的に広
がった透過光を、光軸上に正しく位置合わせされた光検
出器(1)5と前記光軸と被検体1の透過側表面との交
点に対しある所定の角度に配置された光検出器(2)6
とで検出すると、光軸上にある光検出器(1)5には被
検体内部を直進してきた直進成分と散乱してきた散乱成
分が検出され、また、光検出器(2)6には散乱成分の
みが検出される。
【0018】そして、それぞれの光検出器の出力を増幅
器(1)18,増幅器(2)19で検出角度に応じて重
み付けした後、差動増幅器20で差分すると、散乱成分
が打ち消され被検体の光軸上の吸光度に対応した直進成
分のみが検出される。さらに、コンピュータ22によっ
て駆動装置(1)24,駆動装置(2)25を制御し、
被検体1を移動、回転させて被検体1のあらゆる方向か
ら前記直進成分を検出し、X線CTと同様な画像再構築
アルゴリズムを用いることによって、被検体すなわち生
体の近赤外光断層像を得ることができる。
【0019】ところで、被検体1の形状は通常円形でな
いため、被検体を移動回転すると光検出器(1)5,
(2)6と被検体1との距離が変化する。そこで、測距
手段および位置制御手段により前記距離を一定にする。
【0020】測距用の光源(2)12より発生する光
は、光源(1)4より発生された近赤外光と異なり、被
検体への透過性の低い波長、例えばYAG光の第2高周
波の緑色光などを用いる。この光をダイクロイックミラ
ー13により光源(1)4の光軸と一致させて検出器側
より被検体1に照射する。そして、光源(1)4からの
近赤外光を光学フィルタ(2)15で取り除き、被検体
表面上の緑色散乱光を結像レンズ10でラインセンサ1
1上に結像する。結像レンズ10およびラインセンサ1
1は、緑色散乱光の光軸方向の移動に対しこの散乱光の
像がラインセンサ11上を移動するように配置されてお
り、散乱光が光軸方向に移動するとこれに対応してライ
ンセンサ11上の散乱光の結像位置が変化する。従っ
て、制御装置16により、ラインセンサ11で検出した
光分布、すなわち位置が一定となるように駆動装置
(3)17をフィードバック制御しXステージ9を駆動
する。これによって、光検出器(1)5,(2)6と被
検体1との距離は常に一定に保たれる。
【0021】以上のように、本実施例によれば、被検体
と検出器との距離が変化するような場合においても、変
化に応じて検出器を変位させることにより検出器と被検
体との距離を常時一定にすることができる。このため、
常に被検体表面と照射したビーム光光軸との交点より出
射した光を検出することができるので、精度良く散乱成
分を抑制でき、画質の良い生体断層像を再構築すること
ができる。
【0022】なお、前記測距手段として、光に代わって
超音波を用いて測定する装置、すなわち、超音波の反射
エコー信号の時間差より距離を測定するものを用いても
良い。また、被検体からの直進成分を検出する際に、光
源(1)4と光源(2)12を順次照射するようにして
も良い。この場合、光学フィルタ(1)14および光学
フィルタ(2)15は必要としない。
【0023】図2及び図3は本発明の第2実施例に係
り、図2は光断層イメージング装置の構成を示す構成説
明図、図3は検出器で検出されたそれぞれの反射光成分
を示す波形図である。
【0024】第2実施例は、被検体にパルス光を照射
し、その反射光から断層像を求める装置の例である。
【0025】図2に示すように、光断層イメージング装
置は、生体への透過性の高い近赤外領域の波長の光でピ
コ秒オーダのパルス光を発生するパルスレーザ31と、
前記パルス光を照射検出光軸に重ねるハーフミラー32
と、前記パルス光を伝達するライトガイド(1)33に
導光するレンズ34と、前記パルス光を被検体1に照射
し、照射光軸と同じ光軸上を反射してくる直進成分およ
び散乱成分を含む光を検出するよう配置されたコリメー
タ(1)35と、前記パルス光の反射光のうち散乱成分
のみを検出するため前記照射光軸とある所定の角度をな
す軸上に配置されたコリメータ(2)36と、このコリ
メータ(2)36に接続され前記パルス光の反射光を伝
達するライトガイド(2)37と、前記コリメータ
(1)35,コリメータ(2)36及びライトガイド
(1)33,(2)37により検出されたそれぞれのパ
ルス光の時間分解波形を測定するストリークカメラ38
とを備えている。
【0026】前記コリメータ(1)35,(2)36、
及びライトガイド(1)33,(2)37の前端部は、
XYZ方向に移動可能なXYZステージ39上に配置さ
れている。また、前記ストリークカメラ38より得られ
たパルス光の立ち上がり時間より被検体1とコリメータ
との距離を検出し、この距離が一定となるように前記コ
リメータ(1)35及びコリメータ(2)36の位置を
光軸方向に移動制御する制御装置39と、この制御装置
39の駆動信号によりXYZステージ39を駆動し、コ
リメータ(1)35及びコリメータ(2)36を変位さ
せる駆動装置40が設けられている。ここでは、コリメ
ータ(1)35,ライトガイド(1)33及びコリメー
タ(2)36,ライトガイド(2)37の位置によって
反射したパルス光を検出する位置が決まるため、コリメ
ータ(1)35,(2)36と被検体1との距離が検出
器と被検体との距離に比例する。
【0027】また、前記ストリークカメラ38より得ら
れたそれぞれのパルス光の時間分解波形を演算処理して
散乱成分をキャンセルし、被検体1の光軸上の吸光度に
対応した散乱の少ない反射パルス光を求める信号処理装
置41が設けられており、コンピュータ42に接続され
ている。コンピュータ42は、信号処理装置41により
得られた反射パルス光の信号から光断層像を再構築し、
表示装置43に表示するようになっている。
【0028】なお、前記ストリークカメラ38の掃引タ
イミングをパルス光と同期させるため、パルスレーザ3
1からの出射光の光路上に配置されたビームサンプラ4
4と、前記ビームサンプラ44により検出されたパルス
光を電気パルスに変換するフォトダイオード45とが設
けられ、ストリークカメラ38に接続されている。
【0029】次に、本実施例の作用について説明する。
まず、パルスレーザ31より発生した近赤外パルス光を
ハーフミラー32、レンズ34、ライトガイド(1)3
3、コリメータ(1)35を通じて被検体1に照射する
と、パルス光は組織による散乱のため大きく広がりなが
ら一部は透過し一部は反射する。このように広がりなが
ら反射してきたパルス光を照射光軸上に正しく位置合わ
せされたコリメータ(1)35及びライトガイド(1)
33を通じてストリークカメラ38で検出する。また、
一方前記照射光軸に対しある角度をなすパルス光をコリ
メータ(2)36及びライトガイド(2)37を通じて
ストリークカメラ38で検出する。ストリークカメラ3
8で検出されたそれぞれの反射パルス光は、図3(a)
および図3(b)に示すようになる。
【0030】図3(a)において、時間零の位置のパル
ス波形はパルスレーザ31を出射した直後の波形であ
り、その後の波形は、被検体1とコリメータ(1)35
及びライトガイド(1)33との距離に対応する時間遅
れTで立ち上がり、被検体表面および内部を反射し時間
的に広がった光軸上のパルス波形である。また、図3
(b)は光軸とある角度をなす位置に配置されたコリメ
ータ(2)36及びライトガイド(2)37で検出され
た反射パルス波形である。ここで、図3(a)の時間遅
れTは被検体1に照射され表面で反射してきた光の光路
長、つまり被検体1とコリメータ及びライトガイド前端
面との距離に対応するので、制御装置39及び駆動装置
40により前記時間遅れTが一定となるようにXYZス
テージ39を光軸方向に移動制御し、コリメータ(1)
35,(2)36及びライトガイド(1)33,(2)
37を変位させることで、被検体と検出器との距離を常
時一定にすることができる。
【0031】そして、このようにして前記ストリークカ
メラ38で得られたそれぞれの時間分解波形を信号処理
装置41により各時間で演算処理することで、散乱成分
が打ち消され、散乱の影響の少ない反射パルス光が得ら
れる。この散乱成分が打ち消された反射パルス光の時間
波形を図3(c)に示す。さらに、XYZステージ39
を光軸と垂直な平面上で移動させ、各点で前記と同様の
時間分解波形を求め、コンピュータ42により被検体内
部の光断層像を構成し、表示装置43に表示する。
【0032】このように、本実施例によれば、被検体か
らの反射パルス光の直進成分を得る際に、第1実施例と
同様に被検体と検出器との距離を常時一定にすることが
でき、常に被検体表面と照射したビーム光光軸との交点
より出射した光を検出することができるので、精度良く
散乱成分を抑制できる。
【0033】なお、第1実施例に示した測距手段を用い
て被検体と検出器との距離を測定するようにしても良
い。
【0034】図4は本発明の第3実施例に係る光断層イ
メージング装置の主要部の構成を示す構成説明図であ
る。
【0035】第3実施例は、第1実施例に示した検出器
の位置を変化させる手段の代わりに第2の検出器の検出
角度(コリメータ(2)8及び光検出器(2)6の角
度)を変化させる手段を設け、被検体表面と照射したパ
ルス光光軸との交点より出射した光を検出できるように
した例である。
【0036】図4に示すように、コリメータ(2)8の
直前には、振動子を振動させることにより偏光角度を変
化可能なA/O偏光器(acoustic oscilator 偏光器)
45が配置されている。また、第1実施例と同様な測距
手段より測定された被検体1と光検出器との距離に基づ
いて、前記A/O偏光器45の偏光角度を制御する制御
装置46と、前記A/O偏光器45に駆動信号を出力す
る駆動装置47とが設けられている。その他は第1実施
例と同様に構成されており、同一符号を付して説明を省
略する。
【0037】測距用の光源(2)12より被検体1に照
射された光の散乱光は、ラインセンサ11上に結像され
るが、このとき、被検体1と光検出器(1)5,(2)
6との距離に対応してラインセンサ11上の散乱光の像
が移動する。そして、ラインセンサ11上の光強度分布
に基づいて、制御装置46によって被検体1と検出器と
の距離を計算し、その距離データをもとに制御装置4
6,駆動装置47によりA/O偏光器45を駆動し、A
/O偏光器44の偏光角度を変化させる。これにより、
光検出器(2)6の検出角度を照射したビーム光の光軸
と被検体表面との交点に一致させる。
【0038】そして、光検出器(1)5,(2)6で検
出されたビーム光成分をそれぞれ増幅器(1)18,増
幅器(2)19に供給し、第1実施例と同様にして被検
体の断層像を生成する。なお、このとき増幅器(2)1
9において、前記検出角度の変化に対応して光検出器出
力の重み付けを行なう。
【0039】このように、本実施例によれば、第2の検
出器の検出角度を変化させることにより、常に被検体表
面と照射したビーム光光軸との交点より出射した光を検
出することができるため、散乱成分を精度良く抑制で
き、分解能のよい良好な断層像を得ることができる。
【0040】図5は本発明の第4実施例に係る光断層イ
メージング装置の主要部の構成を示す構成説明図であ
る。
【0041】第4実施例は、機械的に被検体との検出器
との距離を一定にする手段を有した装置の例である。
【0042】図5に示すように、光断層イメージング装
置は、筒型の固定部51と、この固定部51の軸方向に
移動可能であり、光検出器(1)5,光検出器(2)
6、及びコリメータ(1)7,コリメータ(2)8を内
設した先端構成部52とを備えている。前記光検出器
(1)5,光検出器(2)6、及びコリメータ(1)
7,コリメータ(2)8は、先端構成部52内の所定の
位置に固定されており、先端構成部52の先端側には光
を透過するたとえば光学ガラスよりなる透明部材53が
配置されている。この透明部材53の先端面は、前記コ
リメータ(1)7とコリメータ(2)8の光軸の交点に
位置している。前記先端構成部52の後端面と固定部5
1との間には、先端構成部52を前方に付勢する弾性部
材54が設けられている。すなわち、この装置では、透
明部材53を被検体1と一定の力で接触させ、先端構成
部52を被検体1表面の形状に合わせて移動させること
により、透明部材53と被検体1との接触面(被検体1
の表面)が常に前記コリメータ(1)7とコリメータ
(2)8の光軸の交点となるように構成されている。ま
た、前記固定部51は、前記先端構成部52を被検体1
に対し、移動走査するため図示しない移動ステージに取
り付けられている。なお、光検出器(1)5,光検出器
(2)6は、増幅器(1)18,増幅器(2)19に接
続されており、他は第1実施例と同様に構成されてい
る。
【0043】以上のように構成することにより、被検体
1の表面が常に前記コリメータ(1)7とコリメータ
(2)8の光軸の交点となるため、光検出器(1)5,
光検出器(2)6は、常に被検体表面と照射したビーム
光光軸との交点より出射した光を検出することができ
る。このため、散乱成分を精度良く抑制でき、分解能の
よい良好な断層像を得ることができる。また、被検体1
と透明部材53とを接触させ、機械的に被検体との検出
器との距離を一定にするようにしているので、特殊な電
気回路や駆動装置等を設けることなく容易にかつ安価に
前記効果を実現できる。
【0044】図6は本発明の第5実施例に係る光断層イ
メージング装置の構成を示す構成説明図である。
【0045】本出願人は先に出願した特願平2−259
914号において、光を用いて体腔内臓器内部の断層像
を求める装置を提案している。第5実施例は、第2実施
例に示した反射光を利用した空間差分方法を、体腔内臓
器に挿入可能な細径のファイバ束により構成された内視
鏡に適用した例である。
【0046】図6に示すように、光断層イメージング装
置は、体腔内臓器55に挿入する細長の挿入部56を備
えた内視鏡57と、パルス光を照射し、その反射光より
光断層像を求める解析装置58とにより構成される。な
お、第2実施例と同様の構成要素には同一符号を付して
説明を省略する。
【0047】挿入部56は、照射パルス光を体腔内臓器
55に照射し、その反射光を検出するため、一方の先端
側が同心二層構造であり他方の解析装置側でそれぞれの
層が二本のファイバ束に分かれているY字状のライトガ
イド59と、前記照射パルス光を挿入部の先端部56a
の円周方向に回転照射するため、回転可能なように円盤
状の歯車60に固着されたプリズム61とを備えてい
る。前記歯車60は、モータ62より延出された回転軸
先端に連設された歯車63と噛合しており、モータ62
が回転することによってプリズム61が回転し、先端部
56aの円周方向に照射パルス光が走査されるようにな
っている。モータ62にはエンコーダ64が連設されて
おり、エンコーダ64に接続された制御装置65にモー
タ62の回転量や回転位置の値が入力されるようになっ
ている。
【0048】前記ライトガイド59とプリズム61との
間には、前記体腔内臓器55に照射されてその表面およ
び内部を反射してきた光を検出するため焦点距離の可変
なフォーカシングレンズ66と、前記反射光の検出され
る立体角を制限するコリメータ67とが配設されてい
る。フォーカシングレンズ66は、前記体腔内臓器55
と光出射面68との距離に対応して、フォーカシングレ
ンズ66の焦点位置を移動させるラックアンドピニオン
機構69上に配置されており、このラックアンドピニオ
ン機構69にはモータ70より延出された回転軸が接続
されている。すなわち、モータ70が回転することによ
ってフォーカシングレンズ66が変位し、焦点距離が変
化するようになっている。モータ70にはエンコーダ7
1が連設されており、このエンコーダ71は前記と同様
に制御装置65に接続され、モータ70の回転量や回転
位置の値が入力されるようになっている。
【0049】また、解析装置58には、ストリークカメ
ラ38より得られたパルス波形より前記光出射面68と
体腔内臓器55との距離を測定する制御装置65と、前
記制御装置65からの駆動信号によりモータ62,70
を駆動し、プリズム61およびフォーカシングレンズ6
6を変位させる駆動装置72,73とが設けられてい
る。
【0050】さらに、図示しないが、本装置には内視鏡
像の観察のための光源、ライトガイド、対物レンズ、イ
メージガイド、接眼レンズが設けられている。
【0051】次に、本実施例の作用について説明する。
パルスレーザ31より出射したパルス光は同心二層構造
のライトガイド59の中心部側のファイバ束59aに導
光され、図中実線に示すように体腔内臓器55に照射さ
れる。この照射されたパルス光は臓器組織による散乱に
より空間的に大きく広がってしまう。ここで、このパル
ス光の反射光をフォーカシングレンズ66とコリメータ
67を通じて、同心二層構造のライトガイド59で受光
することにより、臓器内部を散乱反射してきた光のう
ち、図中実線に示すように光軸上を反射してきた光は中
心側のファイバ束59aで、図中破線に示すように光軸
外の光は外周側のファイバ束59bで検出される。これ
らの検出された反射光を解析装置58に導光し、それぞ
れのパルス光の時間分解波形を測定する。なお、このと
き、中心側ファイバ束59aで検出できる立体角と周辺
側ファイバ59bで検出できる立体角は同一に設定して
ある。
【0052】そして、制御装置65により反射パルス光
の立ち上がり部分の時間遅れを測定し、これより、光出
射面68と体腔内臓器55との距離を計算する。この検
出された距離に対応して、フォーカシングレンズ66の
焦点位置が体腔内臓器表面となるように駆動装置73に
よって変位させることで、常に体腔内臓器表面と照射パ
ルス光光軸との交点からの光が検出される。
【0053】また、駆動装置72によってモータ62を
駆動し、プリズム61を回転させることで、パルス光を
挿入部56の周方向に走査させる。この走査して得られ
た各方向における反射パルス光の時間分解波形を基にコ
ンピュータ42で断層像を再構築し、表示装置43に表
示する。
【0054】このように、フォーカシングレンズ66の
焦点位置が体腔内臓器表面となるように制御し、体腔内
臓器表面と照射パルス光光軸との交点からの光を検出す
ることによって、第2実施例と同様に光散乱の影響を精
度良く取り除くことができ、分解能の高い光断層像を得
ることができる。また、本実施例によれば、生体体腔内
よりアプローチできるので適用範囲を脳、心臓、胃、腸
など広い範囲に広げることができる。
【0055】図7は本発明の第6実施例に係る光断層イ
メージング装置の構成を示す構成説明図である。
【0056】第6実施例は、第2実施例のパルス光の代
わりに変調光を用い、その変調光の位相差信号を差分す
ることで光散乱成分を抑制する装置の例である。
【0057】図7に示すように、光断層イメージング装
置は、近赤外領域の連続光を発生する光源81と、前記
光源81からの光の強度を時間的に変化させるための光
変調器82と、前記光変調器82において極めて高い周
期、例えば1Gヘルツの周期で変調するための基準信号
を発生する発振器83とを備えている。前記光変調器8
2より出射された変調光は、第1実施例と同様に、ハー
フミラー13で反射されて被検体1に照射される。この
被検体1からの反射光を検出するため、前記変調周期よ
り十分早い時間で応答する光検出器(1)84及び
(2)85が設けられ、これらの検出器の前方にはコリ
メータ(1)7,コリメータ(2)8が配置されてい
る。
【0058】前記光検出器(1)84,(2)85は、
前記発振器83と同期して検出された光の位相を検波す
る位相検波装置(1)86及び位相検波装置(2)87
にそれぞれ接続されている。これらの位相検波装置
(1)86,(2)87は、位相検波された出力信号を
演算処理することで散乱成分を抑制する信号処理装置8
8に接続されており、信号処理装置88の出力を基にコ
ンピュータ42で断層像が再構築され、表示装置43に
表示されるようになっている。
【0059】ここでは、図示しないが、前述した実施例
と同様に、被検体1と光検出器(1)84,(2)85
との距離が一定となるように検出器の位置を制御する位
置制御手段が設けられている。
【0060】なお、第1実施例に示した装置のように、
被検体を透過した光を検出する構成としても良い。
【0061】まず、発振器83により1Gヘルツ程度の
基準信号を発生させる。この基準信号により光変調器8
2を駆動すると、光源81により出射した連続ビーム光
はおよそ1Gヘルツで強度変調される。この変調光を被
検体1に照射すると、光散乱のため反射光および透過光
の位相がずれる。この位相のずれた光を前述した実施例
と同様に配置された光検出器(1)84,(2)85で
検出し、それぞれの位相遅れを位相検波装置(1)8
6,(2)87で位相検波して検出する。
【0062】ここで、位相検波装置で検出された位相遅
れが例えば10度であればその間に進む光の距離は1
8.75mmである。つまり、変調光の位相を検出する
ことでも前記パルス光を用いた実施例と同様の効果が得
られる。そして、それぞれの位相検波装置(1)86,
(2)87で得られた位相を信号処理装置88で演算処
理することで散乱成分が抑制され、照射光軸に対応した
位相のみが測定される。これを基にコンピュータ42で
断層像が再構築される。
【0063】このように、変調光を用いた場合において
も、パルス光を用いた場合と同様に散乱成分を精度良く
抑制できる。
【0064】図8は本発明の第7実施例に係る光断層イ
メージング装置の構成を示す構成説明図である。
【0065】従来、ヘモグロビン、ミオグロビン、チト
クロームなどの酸素飽和度を測定する場合、2〜4種類
の波長の近赤外光の吸光度を求め、それぞれの吸光度に
対する連立方程式を解くことで計算している。第7実施
例は2つの波長のパルス光を用いて、前記ヘモグロビン
などの測定に適した光断層イメージング装置の例であ
る。
【0066】図8に示すように、光断層イメージング装
置は、光源として、ピコ秒オーダのパルス光を発生する
パルスレーザ91と、前記パルス光(波長λ0)を励起
光として前記励起光と異なる波長のパルス光を発生する
色素レーザ(1)92(波長λ1 )及び色素レーザ
(2)93(波長λ2 )とを備えている。また、パルス
レーザ91の前方には、波長λ0 のパルス光を2分する
ハーフミラー94が配置されており、色素レーザ(2)
93の前方には、λ1 およびλ2 のパルス光を時間的に
も空間的にも一致するように重ねるダイクロイックミラ
ー95が配置されている。なお、図中の符号96はアル
ミなどが蒸着された全反射ミラーである。前記それぞれ
の波長のパルス光は、光軸および時間的立ち上がりを一
致させて被検体1に照射されるようになっている。
【0067】前記照射されるパルス光と被検体1を挟ん
で対向した位置に、パルス光の透過光をある受光角で検
出するレンズとピンホールからなるコリメータ97と、
透過光を再び波長λ1 とλ2 とに分けるダイクロイック
ミラー98とが配置されている。そして、前記分割され
たそれぞれの透過光を検出し、光軸上の光と光軸外の光
とを分けるように一端が同心二層構造であり他端は各層
で2本のファイバ束に分割されているY字状のライトガ
イド(1)99及びライトガイド(2)100が入射光
軸が直交するように配置されている。ここで、検出した
パルス光が時間的にずれないように前記ライトガイド
(1)99とライトガイド(2)100のファイバ長は
等しくしてある。
【0068】また、検出されたそれぞれのパルス光の時
間分解波形を測定するストリークカメラ38等は、第2
実施例と同様に構成されており、同一符号を付して説明
を省略する。
【0069】この実施例では、まず、パルスレーザ91
により波長λ0 のパルス光を発生させる。このパルス光
をハーフミラー94により2分し、一方は色素レーザ
(1)92に、もう一方は色素レーザ(2)93に照射
し、前記波長λ0 と異なる近赤外の波長のパルス光λ1
およびλ2 を励起する。そして、前記λ1 およびλ2 の
パルス光を時間的にも空間的にも一致するようにダイク
ロイックミラー95で重ね、このパルス光を被検体1に
照射すると、組織などによる光散乱のため前記パルス光
は空間的にも時間的にも広がる。この広がった光を照射
パルス光の透過側に配置されたコリメータ97で検出
し、ダイクロイックミラー98で再度λ1およびλ2 の
波長に分離する。さらに、それぞれ波長の光に対し、直
進成分と散乱成分を含む光軸上の光と散乱成分のみの光
軸外の光とを分離して検出するように、同心二層構造の
ライトガイド(1)99およびライトガイド(2)10
0で受光し、この光をストリークカメラ38に導く。ス
トリークカメラ38には同時に4つの光パルス時間分解
波形が得られ、それぞれの波形を処理装置41で演算処
理することで、散乱成分が抑制され、局所におけるヘモ
グロビン等の酸素飽和度の情報が得られる。
【0070】このように、2つの波長のパルス光を用い
ることにより、局所におけるヘモグロビン等の酸素飽和
度を求めることができる。また、前述した実施例のよう
に、コリメータ97等を被検体1との距離に応じて変位
させる位置制御手段を設けることにより、散乱成分を精
度良く抑制することができる。
【0071】なお、コリメータ,ライトガイド等の検出
器は被検体1からの反射光を検出するように反対側に配
置しても良い。
【0072】ところで、生体組織の屈折率は空気中(n
=1.0)と比べ、約n=1.4と大きい値を示す。こ
のため、光を使って空気中にある生体組織のような被検
体の断層像を再構成する場合、空気と被検体の境界で光
の屈折および反射が起こり、断層像境界面で大きな偽像
が発生する問題があった。このような偽像の発生を解決
するため、本出願人は特願平3−60801号におい
て、被検体の周囲に被検体の屈折率とほぼ等しい緩衝液
などの光伝達部材を設けるようにし、光透過時の屈折を
減少させることができる装置を提案している。以下に、
前記屈折率の変化による偽像を減少させる手段を前述し
た光断層イメージング装置に適用した例を示す。
【0073】図9及び図10は腸や血管などの管腔臓器
の診断に適した装置の例である。図9は光イメージング
走査を行う挿入部先端部の構成を示している。
【0074】挿入部先端部111の先端側には、光透過
性の高い透明な弾性部材よりなるドーナツ状の弾性膜1
12が設けられており、弾性膜112で囲まれた内部に
は管腔臓器113と等しい屈折率の透明な液体よりなる
緩衝液114が増減可能なように満たされている。そし
て、測定時には前記緩衝液114を増加して弾性膜11
2を膨らませ、管腔臓器113と密着するようにするこ
とにより、光出射面115と管腔臓器表面116との間
を管腔臓器113と等しい屈折率にするようになってい
る。このように構成することで、臓器表面による光の屈
折が減少し、偽像の発生が減少するため、良好な断層画
像を得ることができる。なお、光出射面115は光軸に
対し、垂直となるように設定されており、光の反射を防
ぐため反射防止膜が塗布されている。
【0075】次に、図10を参照して本例の詳細につい
て説明する。図10は前記挿入部先端部111の内部の
構成を示す断面図である。
【0076】挿入部先端部111内は、図6に示した第
5実施例と同様に構成されており、同一符号を付して説
明を省略する。なお、挿入部先端部111の先端側は光
が透過可能なように透明部材117で覆われている。
【0077】前述したように、透明部材117の外側に
は弾性膜112が設けられており、この弾性膜112
は、先端部は押さえ板119によって後端部は糸120
により挿入部先端部111に固定されている。また、弾
性膜112内に緩衝液114を送るためのチューブ12
1が挿入部内を挿通しており、先端側は弾性膜112内
に開口している。チューブ121の後端側には水槽12
2が設けられており、緩衝液114が満たされている。
水槽122にはポンプ123が接続されており、ポンプ
123を動作させることにより弾性膜112内の緩衝液
114が増減するようになっている。
【0078】管腔臓器に挿入する際には、挿入し易いよ
うに弾性膜112内部の緩衝液114はポンプ123に
より吸引され、光出射面115と弾性膜112とが密着
し細径となる。測定の際には、水槽122内の緩衝液1
14をポンプ123によりチューブ121を通じて弾性
膜112内に送液し、弾性膜112が管腔臓器113と
密着するまで緩衝液114を弾性膜112と光出射面1
15との間に満たす。このように、管腔臓器表面116
と弾性膜112との間に隙間がない、すなわち、光出射
面115と管腔臓器表面116との間で屈折率の変化が
少ない状態で光を照射すると、管腔臓器内を反射散乱し
た光が屈折率の影響を受けずに進行する。このため、精
度良く光軸上の光および光軸外の光を検出することがで
きる。
【0079】また、本出願人は特願平2−259916
号において、体腔内臓器の光断層像を測定するのに適し
た装置を提案している。図11に前述した屈折率の変化
による偽像を減少させる手段を管状でない臓器、例えば
胃や心室内などに適した光断層イメージング装置に適用
した例を示す。
【0080】本例の光断層イメージング装置は、体腔内
臓器に挿入する細長の挿入部131と、この挿入部13
1が接続され、検出された反射光より光断層像を再構築
する解析装置132と、断層像を再構築するのに必要な
データを測定するため挿入部131の先端部133を走
査する走査駆動装置134と、内視鏡観察のための光源
装置135と、前記解析装置132に接続され、光断層
像を表示する表示装置136とを備えている。
【0081】前記挿入部131は、体腔内臓器に挿入可
能なように細長で可撓性を有し、その先端部133を覆
うように弾性膜137が設けられており、弾性膜137
内部には臓器と等しい屈折率の緩衝液114が満たされ
るようになっている。また、先端部133には、通常の
内視鏡観察のための観察窓139、照明窓140、光断
層像を測定するための測定窓141、前記緩衝液114
を噴出、吸引するチャンネル142が設けられている。
前記チャンネル142は挿入部131内を挿通されたチ
ューブ143と連通している。チューブ143の他端
は、緩衝液114が満たされた水槽144と、ポンプ1
45とにより構成された緩衝液増減装置146に接続さ
れている。
【0082】前記照明窓140にはライトガイド147
が接続され、このライトガイド147は挿入部131内
を挿通して光源装置135に接続される。この光源装置
135は、照明光を出射するランプ148と、この照明
光をライトガイド147に導光するレンズ149とを備
えている。また、前記観察窓139には図示しない対物
レンズが設けられ、この対物レンズの結像位置に、イメ
ージガイド150の前端面が配置されている。イメージ
ガイド150は、挿入部131内を挿通して内部に接眼
レンズ151を備えた接眼部152に接続される。
【0083】前記測定窓141には送光用ファイバ15
3と受光用ファイバ154の一端が接続され、送光用フ
ァイバ153の他端はレンズ155を介してパルス光を
発生するピコ秒レーザ156に、受光用ファイバ154
の他端はレンズ157を介して光を時間分解で測定する
ストリークカメラ158にそれぞれ接続されている。ス
トリークカメラ158は処理装置159に接続されてお
り、ストリークカメラ158により得られた時間分解波
形は、処理装置159で演算処理され断層像が再構築さ
れる。また、断層像を再構築する際の走査を制御する制
御装置160が設けられており、前記ピコ秒レーザ15
6、処理装置159、走査駆動装置134を制御して断
層像を再構築するのに必要なデータを測定するようにな
っている。
【0084】前述した図10の例と同様に、緩衝液11
4を弾性膜137内に満たすことで光の屈折を防ぐよう
にしている。体腔内臓器に挿入する際には、挿入し易い
ように弾性膜137内部の緩衝液114は吸引され、弾
性膜137が先端部133に密着し細径となっている。
一方、測定の際には、ポンプ145により水槽144内
の緩衝液114をチューブ143,チャンネル142を
通じて弾性膜137内に流出し、弾性膜137が測定部
位161に密着するまで満たす。そして、測定部位16
1と弾性膜137との間に隙間がない、すなわち、測定
窓141と測定部位161との間で屈折率の変化が少な
い状態で光を照射および走査すると、測定部位内を反射
散乱された光が屈折率の影響を受けずに進行する。この
ため、精度良く光軸上の光および光軸外の光を検出する
ことができる。
【0085】図12に光断層像を得るための光ファイバ
のみを弾性膜で覆った装置の例を示す。この例では、挿
入部131に光断層像を得るための光ファイバ162を
挿入するチャンネル163が設けられている。また、前
記図11に示した例と同様に、観察窓139及び照明窓
140が設けられている。前記チャンネル163内に
は、一方が先端部133より突出し、他方が水槽144
と接続されたシース164と、前記シース164内を挿
通したパルス光の送受光を行なう光ファイバ162とが
配置されている。また、前記シース164の先端部13
3より突出した部分には、弾性膜165が光ファイバ1
62を覆うように設けられ、その内部には緩衝液114
が満たされている。
【0086】この例によれば、観察窓139が弾性膜1
65で囲まれていないので、内視鏡像の観察が容易であ
るとともに、シース164を抜去することで通常の内視
鏡としても使用可能である。
【0087】また、図13に弾性膜を有さない装置の例
を示す。図に示すように、この例は、弾性膜137を有
しない他は図11の例と同様に構成されている。
【0088】測定部位161が窪んだ部位である場合
は、本例のように直接緩衝液114を測定部位161の
周囲に満たし、緩衝液114内に先端面が位置するよう
に挿入部先端部133を配置して、前記と同様に光断層
像を測定する。
【0089】本例によれば、体腔内臓器に直接緩衝液が
満たされているので、測定部位と光照射面との間に光の
屈折を起こす空気が入る恐れがなく、より精度の高い測
定が可能である。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、被
検体と検出器との距離に依らずに、被検体表面と照射し
たビーム光光軸との交点より出射した光を検出でき、こ
れにより、散乱光成分を精度良く抑制することができ、
分解能のよい良好な断層像を容易に得ることが可能とな
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る光断層イメージング
装置の構成を示す構成説明図
【図2】図2及び図3は本発明の第2実施例に係り、図
2は光断層イメージング装置の構成を示す構成説明図
【図3】検出器で検出されたそれぞれの反射光成分を示
す波形図
【図4】本発明の第3実施例に係る光断層イメージング
装置の主要部の構成を示す構成説明図
【図5】本発明の第4実施例に係る光断層イメージング
装置の主要部の構成を示す構成説明図
【図6】本発明の第5実施例に係る光断層イメージング
装置の構成を示す構成説明図
【図7】本発明の第6実施例に係る光断層イメージング
装置の構成を示す構成説明図
【図8】本発明の第7実施例に係る光断層イメージング
装置の構成を示す構成説明図
【図9】管腔臓器の診断に適した光イメージング走査手
段の例を示す構成説明図
【図10】図9の光イメージング走査手段の詳細な構成
を示す断面説明図
【図11】管状でない臓器の診断に適した屈折率の変化
による影響を減少させる手段を有する光断層イメージン
グ装置の例を示す構成説明図
【図12】屈折率の変化による影響を減少させる手段と
して光断層像を得るための光ファイバのみを弾性膜で覆
った装置の例を示す構成説明図
【図13】弾性膜を有さない屈折率の変化による影響を
減少させる手段を備えた装置の例を示す構成説明図
【符号の説明】
1…被検体 4…光源 5,6…光検出器 7,8…コリメータ 9…検出器用Xステージ 11…ラインセンサ 12…測距用光源 16…制御装置 17…駆動装置 18,19…増幅器 20…差分増幅器 22…コンピュータ 23…表示装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年1月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 15/62 390 B 9287−5L

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に照射するビーム光を発生する光
    源と、 前記ビーム光の光軸上に配置され、前記ビーム光の被検
    体を透過した光あるいは被検体内部より反射してきた光
    を検出する第1の検出器と、 前記ビーム光の光軸と所定の角度をなす軸上に配置さ
    れ、前記ビーム光の被検体を透過した光あるいは被検体
    内部より反射してきた光を検出する第2の検出器と、 前記第1及び第2の検出器と前記被検体との距離を測定
    する測距手段と、 前記測距手段によって検出された距離に基づいて、前記
    光軸と前記被検体表面との交点からの光を検出するよう
    に前記第2の検出器を変位させる位置制御手段と、 前記第1の検出器の出力と前記第2の検出器の出力とを
    演算し、これに基づいて被検体の断層画像情報を生成す
    る断層像生成手段と、 を備えたことを特徴とする空間差分を用いた光断層イメ
    ージング装置。
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