JPH05130802A - 豆用播種装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 種豆の繰出の確実化。 【構成】 底板２に多数の水抜孔５を形成した育苗箱１
を水平横送する育苗箱移送台６の上方位置に、豆を貯留
供給する供給ホッパ３２と、該供給ホッパ３２の下方に
設けた外周面に繰出凹部３４を形成した繰出しロール３
３とからなる豆供給装置３１を設けた装置において、前
記繰出ロール３３の回転上昇側の外方には、前記繰出凹
部３４に向けて噴風する噴風ノズル４５を設けた豆用播
種装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、大豆、小豆、えんどう
豆等の豆用播種装置に係るものである。

【０００２】

【従来技術】従来公知の、実開昭６３−４２０１４号公
報には、育苗箱を水平横送する育苗箱移送台の上方位置
に、種籾を貯留供給する供給ホッパと、該供給ホッパの
下方に設けた外周面に繰出凹部を形成した繰出ロールと
からなる供給装置について記載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、種籾の
播種装置であり、豆の播種装置ではない。しかし、「カ
イワレ大根」のような緑化若野菜の作成のため、豆の播
種装置としても利用したいことになるが、実験してみる
と、種々の問題がある。その一に、水分の関係が挙げら
れる。即ち、豆の播種では、水に浸漬させた後脱水した
種豆を用いるが、脱水種豆を籾と同様に繰出ロールによ
り繰出すと、種豆は余分な水分により繰出凹部内に付着
して円滑に落下しない。また、前記水分により溝内に塵
埃等の異物が付着し、種豆の繰出ロールの凹部内への嵌
合が不確実になるという不具合が生じることが確認され
た。

【０００４】

【発明の目的】本発明は、種豆を円滑に繰出す緑化豆若
野菜の栽培用の播種装置について工夫したものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】よって本発明は、底板２
に多数の水抜孔５を形成した育苗箱１を水平横送する育
苗箱移送台６の上方位置に、豆を貯留供給する供給ホッ
パ３２と、該供給ホッパ３２の下方に設けた外周面に繰
出凹部３４を形成した繰出しロール３３とからなる豆供
給装置３１を設けた装置において、前記繰出ロール３３
の回転上昇側の外方には、前記繰出凹部３４に向けて噴
風する噴風ノズル４５を設けた豆用播種装置としたもの
である。

【０００６】

【実施例】本発明の実施例について図により説明する
と、１は合成樹脂製の育苗箱であり、長四角形状の底板
２の周囲に前後壁３および左右壁４を起立させ、上面を
開放した箱型形状に形成され、前記底板２には多数の水
抜孔５を形成する。本実施例では、一般に用いられてい
る田植機用の育苗箱を使用している。

【０００７】６は前記育苗箱１を水平横送する育苗箱移
送台であり、前後に所定間隔を置いて移送ロール７を設
け、所望位置に設けた支脚８により床上に載置される。
育苗箱移送台６の始端部上方位置には、前記育苗箱１を
前記移送ロール７上に自動供給する育苗箱供給部９を設
ける。育苗箱供給部９は上下に重合させた育苗箱１を順
次前記移送ロール７上に供給する構成であれば、いずれ
の構成でもよい。

【０００８】育苗箱供給部９の下手側の育苗箱移送台６
の上方には、培土供給装置１０を設ける。培土供給装置
１０は上部に供給ホッパ１１を設け、該供給ホッパ１１
の下方に繰出ベルト１２を設けて構成する。前記繰出ベ
ルト１２の外周面には外方に突出する左右方向の送り突
条１３を所定間隔を置いて形成する。繰出ベルト１２は
前記育苗箱１の移送方向と平行に回転し、繰出ベルト１
２の前側上方位置には、前記供給ホッパ１１の下端部と
の間に繰出口１４を形成する。前記供給ホッパ１１内の
上部には左右方向の上部撹拌体１５を設ける。上部撹拌
体１５は左右方向の回転軸１６に、放射方向に突出する
撹拌腕１７を設けて構成する。また、前記繰出口１４の
近傍には、回転軸１８に円板１９を複数固定した下部撹
拌体２０を設ける。前記円板１９はその中心を回転軸１
８に傾斜させて固定する。

【０００９】前記繰出口１４には、上下移動板２１を設
け、該上下移動板２１には該上下移動板２１を上下させ
るリンク機構２２を取付け、リンク機構２２にダイヤル
２３付き回転軸２４を取付け、繰出量の調節を可能にし
ている。

【００１０】前記培土供給装置１０の供給ホッパ１１内
には、木屑とか合成樹脂（例えばウレタン）とか肥料分
の全くないもの或は肥料分の少ないものであって、内部
に気泡を有する片形状のもの（図１０、図１１）を培土
２５とし、これを供給する。培土２５は前記育苗箱１内
に約２cm〜３cmの厚さに敷設する。本実施例の培土２５
は、木材やその廃材等を破砕して得る２cm〜３cmの長さ
の木屑（所謂パルプ原料となるチップでもよい）を使用
している。

【００１１】前記培土供給装置１０の下手側には前記培
土２５を均平する回転均平ブラシ２６を設ける。回転均
平ブラシ２６は前記リンク機構２２の上面を均平するよ
うに駆動回転する構造であり、例えば左右一対のアーム
の先端に軸装される。

【００１２】前記回転均平ブラシ２６の前後位置には前
記育苗箱１を押さえるローラ２７を設ける。前側のロー
ラ２７の下手側には前記育苗箱１の前後壁３および左右
壁４の上面に摺接する摺接体２８を設ける。摺接体２８
の下手側には灌水装置２９を設ける。灌水装置２９は前
後に所定間隔を置いて育苗箱１の移送方向と直交する２
本の灌水ノズル３０を設け、該灌水ノズル３０には水道
管に接続した接続ホースを接続する。また、灌水ノズル
３０には公知の薬剤散布装置を設け、前記培土２５を消
毒するようにしてもよい。

【００１３】前記回転均平ブラシ２６の下手側には豆供
給装置３１を設ける。豆供給装置３１は上部に供給ホッ
パ３２を設け、供給ホッパ３２の下部に左右方向の繰出
ロール３３を設けて構成する。繰出ロール３３の外周面
には母線方向と平行な横条溝形状の繰出凹部３４を形成
し、該繰出凹部３４に嵌合した種豆を下方を通過する育
苗箱１に繰出す。３５は前記繰出ロール３３の外周面に
摺接する摺接ブラシであり、該摺接ブラシ３５の上下動
装置３６により繰出し量を調節する。前記供給ホッパ３
２内には、山型形状のブリッジ防止体３７を設ける。ブ
リッジ防止体３７は前記繰出ロール３３の上方に設けら
れ、左右の板部材３８の先端と供給ホッパ３２とは数粒
の種豆が通過する隙間３９を置いて設け、一定量の種豆
が繰出ロール３３の上方に位置するように構成する。ま
た、前記板部材３８のうち一方は回動自在に構成し、前
記繰出ロール３３を点検し得るようにしている。４０は
板部材３８の下方回動を停止させるストッパである。

【００１４】しかして、前記繰出ロール３３の回転上昇
側の外方には、該繰出ロール３３の繰出凹部３４内に送
風する噴風ノズル４５を設ける。４６は前記噴風ノズル
４５の一部を構成する前記繰出ロール３３と並行に位置
する筒部であり、合成樹脂等により終始同径の筒部材に
より形成し、その先端は閉塞し、その基部は屈曲させて
所望位置に設けた送風機に接続したホース４７の先端を
接続する接続部４８に形成する。前記筒部４６の繰出ロ
ール３３側には左右方向に所定の間隔を置いて複数の噴
風口４９を形成し、噴風口４９は前記筒部４６の先端か
ら基部側に向けて斜め方向に噴出するように構成する
が、先端側の噴風口４９ａは先端側に向けて噴出するよ
うに形成する。前記噴風ノズル４５は前記筒部４６の左
右側を取付金具５０により豆供給装置３１の側板５１に
取付ける。なお、噴風口４９、４９ａからの噴風量は前
記送風機からの送風量にて調節自在に構成することもあ
る。

【００１５】しかして、豆供給装置３１の下手側には、
摺接体４１を設け、該摺接体４１の下手側には鎮圧ロー
ル４２を設け、鎮圧ロール４２の下手側には灌水装置４
３を設ける。

【００１６】

【作用】次に作用を述べる。本発明は前記の構成である
から、育苗箱移送台６の培土供給装置１０の供給ホッパ
１１に培土２５を供給し、豆供給装置３１の供給ホッパ
３２に所定時間水に浸漬させた後一旦脱水した種豆を供
給する。種豆を浸漬させた後一旦脱水するのは、余分な
水分があると、種豆が互いに付着して供給ホッパ３２内
で下方に円滑に落下しないからである。

【００１７】そして、育苗箱移送台６の育苗箱供給部９
に複数の育苗箱１を供給し、モータに通電すると、育苗
箱供給部９に供給された育苗箱１は順次移送ロール７上
に落下して連続移送され、培土供給装置１０の下方に至
り、培土供給装置１０の供給ホッパ１１内の培土２５が
繰出ベルト１２の送り突条１３により繰出口１４に移送
され、繰出口１４より下方を通過する育苗箱１内に培土
２５を供給する。

【００１８】前記培土２５は、木屑とか合成樹脂（例え
ばウレタン）とか肥料分の全くないもの或は肥料分の少
ないものであって、内部に気泡を有する片形状のものを
培土２５としているから、それ自体のコストが低く、ま
た、育苗するにあたって、それ自体保水性が高いこと、
互いに積重なったとき空間を形成するので通気性が良好
であること、また、育苗後に収穫したとき、収穫物を洗
浄する必要もないこと等の作用効果が期待できる。

【００１９】培土供給装置１０の供給ホッパ１１内には
上部撹拌体１５が設けてあるから、回転する上部撹拌体
１５の撹拌腕１７により培土２５が撹拌され、最後の培
土２５まで繰出ベルト１２上に徐々に崩れるように落下
して育苗箱１内に供給する。また、繰出口１４の近傍の
供給ホッパ１１内には下部撹拌体２０が設けられている
から、回転軸１８が回転すると傾斜している円板１９が
回転し、円板１９の上部は左右方向に移動することにな
るので、円板１９の移動により繰出口１４の上方にある
培土２５を撹拌して崩し、培土２５がブリッジ上に詰ま
るのを防止すると共に、繰出口１４に培土２５の一部が
詰まるのも防止して円滑に供給する。

【００２０】しかして、育苗箱１に供給された培土２５
は、回転均平ブラシ２６の下方を通過するとき均平され
て所定厚さ（２cm〜３cm）に敷設され、次に、摺接体２
８により育苗箱１の前後壁３および左右壁４上の培土２
５を除去し、灌水装置２９により灌水する。

【００２１】灌水を受けた育苗箱１は、豆供給装置３１
の下方に至り種豆の供給を受ける。豆供給装置３１の供
給ホッパ３２内には山型形状のブリッジ防止体３７が設
けられ、ブリッジ防止体３７の前後縁と供給ホッパ３２
の側板との間には隙間３９が形成されているから、繰出
ロール３３の上方には一定量の種豆が溜り、繰出ロール
３３の繰出凹部３４に整然と嵌合し、この繰出凹部３４
に嵌合した種豆が培土２５の上面に播種される。前記し
たように、培土２５は、互いに積重なったとき空間を形
成するので適度の弾力があり、一枚板状のウレタンと相
違して弾力が強過ることもないので、播種された種豆が
飛散するのを防止する。

【００２２】この場合、水に所定時間浸漬させた後一旦
脱水した種豆を供給しているが、余分な水分により繰出
ロール３３の繰出凹部３４内に種豆が付着して下方に円
滑に落下しないことや、この水分により繰出凹部３４内
に塵埃等の異物が付着して種豆が繰出ロール３３の繰出
凹部３４内へ嵌合しない不具合が生じることがある。

【００２３】本発明は、前記繰出ロール３３の回転上昇
側には噴風ノズル４５を設けているから、噴風ノズル４
５の筒部４６の噴風口４９および噴風口４９ａより噴出
する噴風により繰出凹部３４内を常時乾燥させ、種豆の
落下を円滑にし、繰出凹部３４内に異物が付着するのを
防止する。

【００２４】また、噴風口４９は、繰出凹部３４に対し
て筒部４６の基部側に向けて斜め方向に噴風し、各噴風
口４９は同一方向に噴風するように形成しているので、
繰出凹部３４内の塵埃等の異物を一方向へ吹き飛ばす作
用を奏する。また、先端側の噴風口４９は他の噴風口４
９と反対に先側に向けて噴風するように形成しているの
で、繰出凹部３４内の全域に噴風する。

【００２５】種豆の供給を受けた育苗箱１は更に移送さ
れ、摺接体４１により育苗箱１の前後壁３および左右壁
４上に落下した種豆を除去し、鎮圧ロール４２により鎮
圧する。鎮圧ロール４２は種豆ごと培土２５を上方から
鎮圧するので、重なっている種豆を平坦にする。鎮圧さ
れた育苗箱１は、灌水装置４３により灌水して播種が完
了する。播種された種豆は一旦脱水されて豆供給装置３
１の供給ホッパ３２に供給されているので、灌水して水
分を充分に補給し、芽出しを良好にさせる。また、培土
２５を２回に亘って灌水するので、水は培土２５の内部
まで充分に浸透し、培土２５の保水性を高める。

【００２６】しかして、播種が完了した育苗箱１は、適
宜の枠体等に載置して薄暗い場所で約５日間芽出しをす
る。芽出ししたものは、明るい場所に移して約５日間緑
化させると、数葉が生じた約５〜１０cm位の豆若野菜が
できる。この間、施肥・薬剤散布等は行なう必要はな
い。この若野菜は、培土２５に肥料分がないため、雑菌
の繁殖は程んどなく、施肥・薬剤散布等も行なわないた
め、洗浄等を行なわなくともそのまま食べられるので、
根元から切断して収穫する。

【００２７】

【効果】本発明は、底板２に多数の水抜孔５を形成した
育苗箱１を水平横送する育苗箱移送台６の上方位置に、
豆を貯留供給する供給ホッパ３２と、該供給ホッパ３２
の下方に設けた外周面に繰出凹部３４を形成した繰出し
ロール３３とからなる豆供給装置３１を設けた装置にお
いて、前記繰出ロール３３の回転上昇側の外方には、前
記繰出凹部３４に向けて噴風する噴風ノズル４５を設け
た豆用播種装置としたものであるから、噴風ノズル４５
の噴風口４９、４９ａからの噴風により繰出凹部３４内
を常時乾燥させるので、種豆の落下を円滑にし、繰出凹
部３４内に異物が付着するのを防止して、種豆の繰出凹
部３４内への嵌合を確実にするという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 育苗箱の斜視図。

【図２】 培土敷設状態斜視図。

【図３】 種豆播種状態斜視図。

【図４】 播種装置全体側面図。

【図５】 培土供給装置の断面図。

【図６】 上部撹拌体の斜視図。

【図７】 下部撹拌体の正面図。

【図８】 同斜視図。

【図９】 豆供給装置の断面図。

【図１０】 噴風ノズルの断面図。

【符号の説明】

１…育苗箱、２…底板、３…前後壁、４…左右壁、５…
水抜孔、６…育苗箱移送台、７…移送ロール、８…支
脚、９…育苗箱供給部、１０…培土供給装置、１１…供
給ホッパ、１２…繰出ベルト、１３…送り突条、１４…
繰出口、１５…上部撹拌体、１６…回転軸、１７…撹拌
腕、１８…回転軸、１９…円板、２０…下部撹拌体、２
１…上下移動板、２２…リンク機構、２３…ダイヤル、
２４…回転軸、２５…培土、２６…回転均平ブラシ、２
７…ローラ、２８…摺接体、２９…灌水装置、３０…灌
水ノズル、３１…豆供給装置、３２…供給ホッパ、３３
…繰出ロール、３４…繰出凹部、３５…摺接ブラシ、３
６…上下動装置、３７…ブリッジ防止体、３８…板部
材、３９…隙間、４０…ストッパ、４１…摺接体、４２
…鎮圧ロール、４３…灌水装置、４５…噴風ノズル、４
６…筒部、４７…ホース、４８…接続部、４９、４９ａ
…噴風口、５０…取付金具、５１…側板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底板２に多数の水抜孔５を形成した育苗
   箱１を水平横送する育苗箱移送台６の上方位置に、豆を
   貯留供給する供給ホッパ３２と、該供給ホッパ３２の下
   方に設けた外周面に繰出凹部３４を形成した繰出しロー
   ル３３とからなる豆供給装置３１を設けた装置におい
   て、前記繰出ロール３３の回転上昇側の外方には、前記
   繰出凹部３４に向けて噴風する噴風ノズル４５を設けた
   豆用播種装置。