JPH0512765B2 - - Google Patents

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JPH0512765B2
JPH0512765B2 JP58031933A JP3193383A JPH0512765B2 JP H0512765 B2 JPH0512765 B2 JP H0512765B2 JP 58031933 A JP58031933 A JP 58031933A JP 3193383 A JP3193383 A JP 3193383A JP H0512765 B2 JPH0512765 B2 JP H0512765B2
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JP
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magnetic
magnetic layer
layer
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magnetization
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Shozo Ishibashi
Juji Kasanuki
Masahiko Naoe
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/7368Non-polymeric layer under the lowermost magnetic recording layer
    • G11B5/7377Physical structure of underlayer, e.g. texture

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
1 産業上の利用分野 本発明は磁気テープ、磁気デイスク等の磁気記
録媒体に関するものである。 2 従来技術 従来、この種の磁気記録媒体は、ビデオ、オー
デイオ、デイジタル等の各種電気信号の記録に幅
広く利用されている。これらは、基体上に被着形
成された磁性層(磁気記録層)の面内長手方向に
おける磁化を用いる方式として発達してきた。と
ころが、近年、磁気記録の高密度化に伴ない、面
内長手方向の磁化を用いる記録方式では、記録信
号が短波長になるにつれ、媒体内の反磁界が増し
て残留磁化の減衰と回転が生じ、再生出力が著し
く減少する。このため、記録波長をサブミクロン
以下にすることは極めて困難である。 一方、磁気記録媒体の磁性層の厚さ方向の磁化
(いわゆる垂直磁化)を用いる垂直磁化記録方式
が、最近になつて提案されている(例えば、「日
経エレクトロニクス」1978年8月7日号No.192)。
この記録方式によれば、記録波長が短くなるに伴
なつて媒体内の残留磁化に作用する反磁界が減少
するので、高密度化にとつて好ましい特性を有
し、本質的に高密度記録に適した方式であると考
えられる。 ところで、このような垂直記録を能率良く行な
うには、磁気記録媒体の記録層が垂直方向(磁性
層の厚さ方向)に磁化容易軸を有していなければ
ならない。こうして磁気記録媒体としては、基体
(支持体)上に、磁性粉末とバインダーとを主成
分とする磁性塗料を塗布し、磁性層の垂直方向に
磁化容易軸が向くように配向させた塗布型の媒体
が知られている。この塗布型媒体には、Co、
Fe3O4、γ−Fe2O3、Co添加Fe3O4、Co添加γ−
Fe2O3、六方晶フエライト(例えばバリウムフエ
ライト)、MnBi等が磁性粉末として用いられて
いる(特開昭52−46803号、同53−67406号、同52
−78403号、同55−86103号、同52−78403号、同
54−87202号各公報)。しかしながら、これらの塗
布型媒体は、磁性層中に非磁性のバインダーが存
在しているために、磁性粉末の充填密度を高める
ことには限界があり、従つてS/N比を充分高く
することができない。しかし、記録される信号の
大きさは磁性粒子の寸法で制約される等、磁性塗
膜からなる磁性層を有する媒体は垂直磁化記録用
としては不適当である。 そこで、垂直磁化する磁性層を、例えばバイン
ダーを用いることなく磁性体を支持体上に連続的
に被着したもので形成した連続薄膜型磁気記録媒
体が、高密度記録に適したものとして注目されて
いる。 この連続薄膜型の垂直磁化記録用記録媒体は、
例えば特公昭57−17282号に開示されているよう
に、コバルトとクロムとの合金膜からなる磁気記
録層を有していて、特にクロム含有量は5〜25重
量%のCo−Cr合金膜が優れているとしている。
また、Co−Cr合金膜に30重量%以下のロジウム
を添加してなる磁性層を有する磁気記録媒体が特
開昭55−111110号公報に開示され、更にコバルト
−バナジウム合金膜(例えば米国電気電子通信学
会:略称IEEE刊行の学会誌“Transaction on
Magnetism”1982年第18巻No.6、1116頁)やコ
バルトールテニウム合金膜(例えば1982年3月開
催の第18回東北大通研シンポジウム「垂直磁気記
録」論文集)を用いた磁気記録媒体が知られてい
る。 ところが、本発明者が検討を加えた結果、上記
の如き構造の磁気記録媒体は、Co−Cr系垂直磁
化膜が次に示す欠点を有しているために、実用化
する上で不充分であることを見出した。 (1) 磁性層の面に垂直に磁化容易軸を配向させる
には、特に10-7Torr以上の高真空中で磁性層
を作成する必要があり、かつ基板の高度な洗浄
処理、低スパツタ速度等の如き条件を要し、垂
直配向の制御要因が非常に複雑となる。 (2) 信号の記録、再生においては、磁気記録媒体
と垂直記録/再生用ヘツドとを相対的に摺動さ
せるために、ヘツドと媒体との間の界面状態が
悪く、媒体にきずが発生し易く、ヘツドも破損
等を生じる。 (3) 磁性層が硬いために、可撓性のある基体上に
磁性層を設けた場合に亀裂が入り易い。 (4) 磁気記録媒体としての耐蝕性が充分でなく、
従つて表面に保護膜を設ける必要がある。 (5) 原料のコバルトは安定に入手し難く、コスト
が高くつく。 3 発明の目的 本発明者は、上記の如き実情に鑑み、鋭意検討
した結果、高密度の垂直磁気記録に適し、機械的
強度や化学的安定性等に優れ、高感度でS/N比
の大きな記録/再生が可能な磁気記録媒体を得る
ことに成功したものである。 4 発明の構成及びその作用効果 即ち、本発明は、磁性層を有する磁気記録媒体
において、前記磁性層が、 (a) 酸化鉄を主成分とする連続磁性層からなつて
いること。 (b) 磁性層の面内方向での残留磁化(MH)と、
磁性層の面に対し垂直方向での残留磁化(MV
との比(MV/MH)が0.5以上であること。 を夫々構成として具備し、かつ前記磁性層の結晶
の配向方向に対応した結晶軸を有する結晶層が前
記磁性層の下地として設けられていることを特徴
とする磁気記録媒体に係るものである。 本発明によれば、磁性層が酸化鉄を主成分とし
ているから、酸化物に由来する特有の優れた特性
(即ち機械的強度及び化学的安定性等)が得られ、
従来の合金薄膜に必要であつた表面保護膜は不要
となる。この結果、磁気ヘツドと媒体との間隔を
小さくし得て高密度記録が可能になると共に、材
料面からみても低コスト化が可能となる。 しかも、酸化鉄を主成分とする磁性層の面内方
向と垂直方向とでの残留磁化比(MV/MH)を
0.5以上としているので、酸化鉄磁性体の磁気モ
ーメントは面内方向に対し30度以上垂直方向側へ
立ち上つており、垂直磁化を充分に実現できる構
造となつている。上記磁化量MV、MHは、例えば
試料振動型磁力計(東英工業社製)で測定可能で
ある。即ち、MV/MHが0.5未満であれば垂直磁
化に適した磁気モーメントが得られ難い。 また、本発明の磁気記録媒体は、上記の酸化鉄
系磁性層に加えて、この磁性層の下地として、磁
性層の結晶の配向方向(即ちMV/MH≧0.5に相
当する方向)に対応した結晶軸を有する結晶層を
設けていることに注目すべきである。即ち、この
下地結晶層の存在によつて、その上に成長する磁
性層の結晶の配向方向が下地結晶の配向性に追随
して揃えられ、垂直磁化膜として好適な結晶軸を
保持しながら磁性層が形成されるからである。こ
の意味で、下地結晶層は或る特定軸に優先配向性
(Preferred Orientation)していること、換言す
れば或る特定方向に向いている結晶軸をもつ粒子
の割合が比較的多いこと(特に全粒子の30%以上
を占めること)が特に望ましい。 このように、上記下地結晶によつて磁性層の垂
直配向度が向上するために、高感度でS/N比の
大きな記録/再生特性を有する媒体を得ることが
可能になる。 本発明の磁気記録媒体の各層は、次の如くに構
成される。 まず、磁性層は、従来の塗布型磁性層とは根本
的に異なり、バイングーを使用せずに酸化鉄(例
えばFe3O4、γ−Fe2O3、又はこれらの中間組成
の非化学量論的組成からなるベルトライド化合
物)自体が連続的になつた薄膜(飽和磁化量が大
きく、保磁力(Hc)が100〜5000Oe)からなつ
ている。この磁性層においては、鉄と酸素の両元
素の総和は磁性層の50重量%以上であるのがよ
く、70重量%以上であるのが更に望ましい。ま
た、鉄と酸素との比は、酸素の原子数/鉄の原子
数=1〜3であるのがよく、4/3〜2であるの
が更によく、上記に例示した酸化鉄が適当であ
る。上記酸化鉄がスピネル型の結晶構造(特に、
例えばFe3O4の(111)面が、またはγ−Fe2O3
は(100)面が面内方向に対し垂直方向を向いて
いるのがよい。)を有していると、飽和磁化量が
大きく、記録信号の再生時に残留磁束密度が大き
くて再生感度が極めて良好となる。一般に、磁性
を示す酸化鉄には、菱面体晶形の寄生強磁性を有
するα−Fe2O3;スピネル構造でフエリ磁性を示
すFe3O4、γ−Fe2O3又はこれらのベルトライド
化合物;六方晶型の酸化物であるBa系フエライ
ト又は、Srフエライト、Pbフエライト又はその
誘導体;ガーネツト構造の希土類ガーネツト型フ
エライトがある。これらの酸化鉄のうち、その磁
気特性の重要な1つである飽和磁化量は、α−
Fe2O3では2.0Gauss、Beフエライト、Srフエラ
イト、Pbフエライトでは最大でも380Gauss程度、
更にガーネツト型フエライトでは最大140Gauss
である。これに対し、本発明で好ましく使用する
スピネル型フエライトの飽和磁化量は480Gauss
を示し、酸化鉄の中で最も大きい。このような大
きな飽和磁化量は、記録した信号を再生する場
合、残留磁束密度の大きさを充分にし、再生感度
が良好となるために、極めて有効なものである。
一方、スピネル型フエライトに類似した飽和磁束
密度を示すものとしてBaフエライト、Srフエラ
イトがあるが、これらの連続薄膜型の磁性層を形
成するには、例えば後述のスパツタ装置において
基体の温度を500℃と高温に保持しなければなら
ず、このために基体の種類等が制約される(例え
ば耐熱性の乏しいプラスチツク基体は使用不可
能)等、作成条件に問題があり、不適当である。
本発明の好ましく使用されるスピネル型酸化鉄で
は室温〜300℃と低温で製膜が可能であり、基体
材料の制約を受けることがない。但、磁性層には
鉄及び酸素以外の金属又はその酸化物或いは非金
属、半金属又はその化合物等を添加し、これによ
つて磁性層の磁気特性(例えば保磁力、飽和磁化
量、残留磁化量)及びその結晶性、結晶の特定軸
方向への配向性の向上等を図ることができる。こ
うした添加元素又は化合物としてAl、Co、Co−
Mn、Zn、Co−Zn、Li、Cr、Ti、Li−Cr、Mg、
Mg−Ni、Mn−Zn、Ni、Ni−Al、Ni−Zn、
Cu、Cu−Mn、Cu−Zn、V等が挙げられるが、
この他の元素及び化合物でもよい。 また、上記下地結晶層の構成材料としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリア
ミド等の有機高分子化合物;C、Mg、Al、Si、
Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、
Rb、Zr、Nb、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、
Te、Ta、W、Rh、Au等の金属又は非金属、半
金属、或いはその化合物、酸化物が使用可能であ
る。但、下地は無機質である方が、基体との接着
性や、所望の表面粗さが得られて垂直磁化膜を形
成し易い点で望ましい。下地結晶の格子定数は、
磁性層の酸化鉄の格子定数に類似していることが
望ましい。なお、この下地結晶層は真空蒸着法、
イオンプレーテイング法、スパツタ法、電気メツ
キ法、無電界メツキ法等の種々の方法で形成する
ことができる。 上記下地結晶層を基体上に設ける場合には使用
可能な基体材料は種々のものが採用可能である。
例えば、望ましい表面平滑性を示す基体として、
ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、
三酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリメチルメタクリレートの如
きプラスチツク、ガラス等のセラミツクス等から
なる基体が使用可能である。或いは金属基体も使
用してもよい。基体の形状はシート、カード、デ
イスク、ドラムの他、長尺テープ状でもよい。な
お、基体は、上記の下地多結晶層を兼用していて
もよい。 この磁気記録媒体を作成するには、基体を固定
板に密着支持し、或いは基体を走行させつつ所定
の材料を被着させることができる。このために
は、真空ポンプ等の真空排気系に接続した処理室
内で、下地材料及び磁性材料のターゲツトを夫々
スパツタするか、或いは下地材料及び磁性材料の
蒸発源から同材料を夫々蒸発させ、基体上に被着
するスパツタ法、蒸着法等が適用可能である。い
ずれの場合も、下地結晶層、磁性層を構成する元
素を飛翔させて、基体上にその連続薄膜を形成さ
せてよい。 5 実施例 以下、本発明の磁気記録媒体を図面参照下に更
に詳細に説明する。 第1図は、磁気記録媒体の一例を示すものであ
つて、ガラス等の基体6上に、厚さ約0.5μmの
Al、Ag等からなる下地結晶層11が形成され、
この上に厚さ約1μmの酸化鉄(Fe3O4とγ−
Fe2O3)からなる垂直磁化膜10が形成されてい
る。 下地結晶層11は例えば公知のスパツタ法で形
成されるから、その形成方法はここでは特に説明
しない。 垂直磁化膜(磁性層)10を形成するために、
磁性材料を基体上に被着させる手段としては、磁
性層構成原子を飛翔させる真空蒸着法(電界蒸
着、イオンプレーテイング法を含む。)、スパツタ
リング法等があるが、このうち対向ターゲツトス
パツタ装置を用いる方法が望ましい。 第2図は、対向ターゲツトスパツタ装置を示す
ものである。 図面において、1は真空槽、2は真空槽1を排
気する真空ポンプ等からなる排気系、3は真空槽
1内に所定のガスを導入してガス圧力を10-1
10-4Torr程度に設定するガス導入系である。タ
ーゲツト電極は、ターゲツトホルダー4により一
対のターゲツトT1,T2を互いに隔てて平行に対
向配置した対向ターゲツト電極として構成されて
いる。これらのターゲツト間には、磁界発生手段
(図示せず)による磁界が形成される。一方、磁
性薄膜を形成すべき基体6は、基体ホルダー5に
よつて、上記対向ターゲツト間の側方に垂直に配
置される。 このように構成されたスパツタ装置において、
平行に対向し合つた両ターゲツトT1,T2の各表
面と垂直方向に磁界を形成し、この磁界により陰
極降下部(即ち、ターゲツトT1−T2間に発生し
たプラズマ雰囲気と各ターゲツトT1及びT2との
間の領域)での電界で加速されたスパツタガスイ
オンのターゲツト表面に対する衝撃で放出された
γ電子をターゲツト間の空間にとじ込め、対向し
た他方のターゲツト方向へ移動させる。他方のタ
ーゲツト表面へ移動したγ電子は、その近傍の陰
極降下部で反射される。こうして、γ電子はター
ゲツトT1−T2間において磁界に束縛されながら
往復運動を繰返すことになる。この往復運動の間
に、γ電子は中性の雰囲気ガスと衝突して雰囲気
ガスのイオンと電子とを生成させ、これらの生成
物がターゲツトからのγ電子の放出と雰囲気ガス
のイオン化を促進される。従つて、ターゲツト
T1−T2間の空間には高密度のプラズマが形成さ
れ、これに伴つてターゲツト物質が充分にスパツ
タされ、側方の基体6上に磁性材料として堆積し
てゆくことになる。 この対向ターゲツトスパツタ装置は、他の飛翔
手段に比べて、高速スパツタによる高堆積速度の
製膜が可能であり、また基体がプラズマに直接曝
されることがなく、低い基体温度での製膜が可能
である等のことから、垂直磁化膜を形成するのに
有利である。しかも、対向ターゲツトスパツタ装
置によつて飛翔した磁性膜材料の基板への入射エ
ネルギーは、通常のスパツタ装置のものよりも小
さいので、材料が所望の方向へ方向性を以つて堆
積し易く、垂直磁化記録に適した構造の膜を得易
くなる。 次に、上記のスパツタ装置を用いて磁気記録媒
体を作成する具体例を説明する。 この作成条件は以下の通りであつた。 ターゲツト材 鉄(Coを1原子%含有) 基体 ガラス 対向ターゲツト間隔 100mm スパツタクー空間の磁界 100Oe ターゲツト形状 100mm直径の円盤(5mm厚) 基体とターゲツト端との間隔 30mm 真空槽内の背圧 10-6Torr 導入ガス Ar++O2 導入ガス圧 4×10-3Torr スパツタ投入電力 420W このようにして第1図に示す如く、ベース6上
の下地結晶層11上に酸化鉄系の磁性層10を有
する磁気記録媒体が得られた。この媒体につい
て、磁性層の特性評価は、X線マイクロアナライ
ザ(XMA)による組成の同定、X線回折法によ
る酸化鉄の状態、試料振動型磁力計による磁気特
性によつて行なつた。得られた磁気記録媒体の特
性は次の如くであつた。 まず、面内方向での残留磁化量(MH)と面に
垂直方向での残留磁化量(MV)との比はMV
MH≧0.5であつた。即ち、第3図に例示するよう
に、破線で示す面内方向での磁化時のヒステリシ
ス曲線と、実線で示す垂直方向での磁化時のヒス
テリシス曲線とが夫々得られたが、印加磁界がゼ
ロのときの各磁化量をMH、MVとした。これによ
れば、前者のヒステリシス曲線は後者のヒステリ
シス曲線よりも小さく、MV≧0.5MHとなつてい
ることが明らかであり、垂直磁化にとつて好適な
磁性層が形成されていることが分る。これは、酸
化鉄系の磁性層においては驚くべき事実である。 また、この磁気記録媒体の組成をXMA(X線
マイクロアナライザ:日立製作所製「X−556」
KEVEX−7000型)で測定したところ、Feが主ピ
ークであり、Coが少量含まれていることが分つ
た。更に、酸化鉄の状態を調べるために、X線回
折装置(日本電子社製「JDX−10RA」:CuKα管
球使用)を用いて測定したところ、下記表に示す
ように、磁性層が酸化鉄を主成分とするものであ
ることが分つた。しかも、この磁性層は、面内方
向に対して垂直方向に秩序正しい構造を有してい
ることが電子顕微鏡で観察された。
【表】 なお、上記のスパツタ法による製膜前に、基体
上の表面を同一スパツタ装置内でAr+によりボン
バードして表面清浄化処理したり、或いはベーキ
ングを施すか、高周波をかけて表面処理しておく
のが望ましい。 上記の如くに得られる磁気記録媒体は磁性層1
0の磁化容易軸をその面内方向に対しほぼ垂直に
することができると共に、こうした結晶成長を行
なわせるための下地結晶層11を設けていること
が重要である。 第4図は、下地結晶層11(Al又はAg)上に
磁性層10を設けた本発明による磁気記録媒体に
ついて、面心立方構造の下地結晶の(111)面が
膜面に垂直に配向している程度を示す反射ピーク
強度と、磁性層のMV/MHとの関係を図示したも
のである。これによれば、下地結晶の配向性を高
めることによつて、垂直磁化特性が良好となり特
にMV/MH≧0.5を得るには、反射ピーク強度が
約0.8キロカウント/秒以上となるように下地結
晶を配向させる必要があることが明らかである。 次に、本発明による磁気記録媒体は、磁性層と
して酸化鉄を主成分とするものを用いているの
で、従来のCo−Cr系磁性層に比べて化学的、機
械的安定性等に著しく優れている。第5図は、強
制劣化試験(80℃、85%RH)を行なつた場合に
得られた、酸化鉄系磁性層を用いた本発明による
媒体の試料振動型磁力計(東英工業社製)を用い
て測定した残留磁束密度(Br)の経時変化(a)と、
Co−Cr系磁性層を用いて媒体の残留磁束密度
(Br)の経時変化(b)とを示すものである(ΔBr)
は残留磁束密度の変化量)。これによれば、酸化
鉄系磁性層では、Co−Cr系磁性層よりBrの劣化
が大幅に小さくなることが分る。なお、酸化鉄系
磁性層でΔBr/Brが幾分低下しているのは、膜
の組成であるFe3O4の一部がγ−Fe2O3に移行し
たからであると考えられる。また、1カ月(30
日)後の観察結果において、Co−Cr系磁性層の
表面に斑点、くもり、サビ等が生じていたが、酸
化鉄系磁性層では表面状態に変化はみられなかつ
た。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明を例示するものであつて、第1図
は磁気記録媒体の断面図、第2図は対向ターゲツ
トスパツタ装置の概略断面図、第3図は磁気記録
媒体のヒステリシス曲線図、第4図は磁気記録媒
体の下地層の垂直配向度と垂直磁化率との関係を
示すグラフ、第5図は磁気記録媒体の残留磁束密
度の経時変化を比較して示すグラフである。 なお、図面に示された符号において、1……真
空層、2……排気系、3……ガス導入系、4,5
……ホルダー、6……基体、10……磁性層、1
1……下地結晶層、T1,T2……ターゲツトであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 磁性層を有する磁気記録媒体において、前記
    磁性層が、 (a) 酸化鉄を主成分とする連続磁性層からなつて
    いること。 (b) 磁性層の面内方向での残留磁化(MH)と、
    磁性層の面に対し垂直方向での残留磁化(MV
    との比(MV/MH)が0.5以上であること。 を夫々構成として具備し、かつ前記磁性層の結晶
    の配向方向に対応した結晶軸を有する結晶層が前
    記磁性層の下地として設けられていることを特徴
    とする磁気記録媒体。
JP58031933A 1983-02-28 1983-02-28 磁気記録媒体 Granted JPS59157829A (ja)

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