JPH05126286A - ホース用金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長寿命のホースを低コストで提供すること。 【構成】 ホース用金具１は、パイプ２と、このパイプ
２の先端部外周に固定される筒状のインサート３、およ
びインサート３の外周に嵌め合わせたホース４をかしめ
固定するスリーブ５より成る。インサート３は、パイプ
２と別体で製作され、その全表面には、インサート３と
ホース４との間のシール寿命を高めるためのコーティン
グ層６が形成されている。このインサート３は、パイプ
２の外周に嵌合された後、パイプ２の内部を拡管するこ
とでパイプ２の外周面に密着され、さらにパイプ２の先
端部を他より大きく拡管することによってパイプ２の先
端部外周に固定される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はパイプとホースとを気密
に接続するためのホース用金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、車両用冷凍装置に使用される
クーラーホースを接続するためのホース用金具がある。
このホース用金具は、インサートパイプと、このインサ
ートパイプの外側に設けられた円筒状のスリーブとから
成り、インサートパイプとスリーブとの間に挿入された
ホースを、スリーブをかしめることによって固定するも
のである。ホースが嵌め合わされるインサートパイプの
外周面には、インサートパイプとホースとの間のシール
性を高めるために、コーティング層が形成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、車両用冷凍
装置では、エンジンルーム内にクーラホースを取り付け
るため、車種に応じてクーラホースの形状が様々であ
る。また、クーラホースの内部にコーティング液が付着
することを防止する必要があることなどからコーティン
グ液の塗布に多大の工数を必要とする。本発明は、上記
事情に基づいて成されたもので、その目的は、長寿命な
ホースを低コストで提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、内部を流体が通過するパイプと、外周に
環状の突起部を有し、前記パイプの先端部外周に気密に
嵌合されたインサートと、前記パイプの外側に設けられ
て、前記インサートの外周に嵌め合わされたホースをか
しめ固定するスリーブとを備え、前記インサートは、前
記パイプと別体で設けられ、前記ホースが嵌め合わされ
る外周面にコーティング層が形成されて、前記パイプに
機械的に結合されたことを技術的手段とする。

【０００５】

【作用】上記構成より成る本発明のホース用金具は、パ
イプと別体で設けられたインサートがパイプの外周に気
密に嵌合され、そのインサートの外周面にコーティング
層が形成されている。そして、接続されるホースは、コ
ーティング層が形成されたインサートの外周に嵌め合わ
され、スリーブをかしめることで固定される。

【０００６】

【実施例】次に、本発明のホース用金具の一実施例を図
１ないし図３を基に説明する。図１はホースを固定した
状態を示すホース用金具の断面図である。このホース用
金具１は、車両用冷凍装置のクーラーホースに使用され
るもので、冷凍サイクルを構成する各機能部品の吐出口
あるいは流入口（図示しない）に連結されるパイプ２
と、このパイプ２の先端部外周に固定される筒状のイン
サート３、およびインサート３の外周に嵌め合わされた
ホース４をかしめ固定するスリーブ５より成る。

【０００７】パイプ２は、アルミニウムまたは鉄などの
円筒部材を所定寸法に切断して作成される。インサート
３は、切削あるいは鍛造によってパイプ２とは別体に製
作され、外周に環状の突起部３ａが３か所設けられてい
る。この突起部３ａは、インサート３の外周に嵌め合わ
されるホース４の抜けを防止するとともに、ホース４と
の間のシール性を確保するために設けるもので、山形状
を呈し、山ピッチ５mm、山高さ１mmの仕様で形成されて
いる。また、インサート３の全表面には、インサート３
とホース４との間のシール寿命を高めるためのコーティ
ング層６が形成されている（図２参照）。このコーティ
ング層６は、高温条件下においても劣化の小さい合成樹
脂系塗料またはゴム系塗料などのコーティング剤をイン
サート３の全表面に塗布した後、加熱処理を施すことに
よって形成されている。

【０００８】コーティング層６の厚さは、５μ〜１００
μ程度が好ましく、コーティング層６の厚さが５μ以下
の場合にはシール性が低下し、１００μ以上の場合には
ホース４の挿入時の作業性が低下する。コーティング剤
として塗布する合成樹脂系塗料としては、フェノール樹
脂塗料、尿素樹脂塗料、メラニン樹脂塗料、フタル酸樹
脂塗料等があり、ゴム系塗料としては、フッ素ゴム塗
料、塩化ゴム塗料、環化ゴム塗料、合成ゴム塗料などが
ある。

【０００９】スリーブ５は、アルミニウムまたは鉄など
の円筒部材からプレス加工等によって作成され、端面中
央部には、パイプ２に嵌め合わせるための嵌合穴５ａが
形成されている。このスリーブ５は、嵌合穴５ａをパイ
プ２の外周溝に嵌め合わせた後、パイプ２を拡管するこ
とによって固定される。上記のインサート３は、パイプ
２にスリーブ５を固定した後、図２に示すように、パイ
プ２の先端部外周に嵌め合わせてパイプ２の内部を拡管
することによりパイプ２の外周面に密着される。そし
て、さらにパイプ２の先端部（図１右端部）を他より大
きく拡管する（図３参照）ことによってパイプ２の先端
部外周に固定されている。ホース４は、内部に補強編組
層を形成したゴム製チューブで、インサート３の外周に
嵌め合わされた後、図１に示すように、スリーブ５をか
しめることによって、ホース用金具１に固定される。本
実施例のホース用金具１は、インサート３をパイプ２と
別体で製作し、そのインサート３をパイプ２の先端部に
機械的に固定したものである。このため、クーラーホー
スの形状によらずインサート３の形状を共通化すること
ができる。従って、コーティング層６をインサート３に
形成する工程を容易に自動化することができるととも
に、マスキング等の手間が不要となるため、コーティン
グ層６を形成するためのコストを大幅に低減することが
可能となる。

【００１０】次に、本発明の第２実施例を図４および図
５を基に説明する。図４はホース４を固定した状態を示
すホース用金具１の断面図、図５はホース用金具１の断
面図である。本実施例のホース用金具１は、第１実施例
で示したインサート３とスリーブ５とを一体に製作した
ものである。スリーブ５とインサート３は、まず転造に
よって山形状の突起部３ａを設けた後、プレス加工によ
りコの字型に形成し、さらに突起部３ａの表面にコーテ
ィング層６を形成して製作されている。そして、インサ
ート３の内周にパイプ２を挿入した後、パイプ２の内面
を拡管してインサート３とパイプ２とを密着させ、さら
にパイプ２の先端部を他より大きく拡管することで、ス
リーブ５およびインサート３がパイプ２に固定される。

【００１１】ホース４は、インサート３の外周に嵌め合
わせた後、スリーブ５をかしめることによってホース用
金具１に固定される。スリーブ５は、インサート３と同
様、クーラーホースの形状によらず共通の形状であるこ
とから、本実施例で示すようにインサート３とスリーブ
５とを一体に製作しても第１実施例と同様の効果を得る
ことができる。なお、本実施例では、突起部３ａの表面
のみにコーティング層６を形成したが、パイプ２との間
のシール性を高めるために、インサート３の内周面にも
コーティング層６を形成しても良い。

【発明の効果】本発明のホース用金具は、インサートと
パイプとを別体としたことにより、コーティング層の形
成を容易に行なうことができ、コーティグ層の形成に関
わるコストの低減を図ることができる。その結果、長寿
命のホースを低コストで提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ホースを固定した状態を示すホース用金具の断
面図である。

【図２】ホース用金具の組付け説明図である。

【図３】ホース用金具の断面図である。

【図４】本発明の第２実施例を示すもので、ホースを固
定した状態を示すホース用金具の断面図である。

【図５】第２実施例におけるホース用金具の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ホース用金具 ２ パイプ ３ インサート ４ ホース ５ スリーブ ６ コーティング層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ａ）内部を流体が通過するパイプと、 ｂ）このパイプの先端部外周に気密に嵌合された筒状の
   インサートと、 ｃ）前記パイプの外側に設けられて、前記インサートの
   外周に嵌め合わされたホースをかしめ固定するスリーブ
   とを備え、 前記インサートは、前記パイプと別体で設けられ、前記
   ホースが嵌め合わされる外周面にコーティング層が形成
   されて、前記パイプに機械的に結合されたことを特徴と
   するホース用金具。