JPH05125625A - 紡機用リング - Google Patents
紡機用リングInfo
- Publication number
- JPH05125625A JPH05125625A JP28641991A JP28641991A JPH05125625A JP H05125625 A JPH05125625 A JP H05125625A JP 28641991 A JP28641991 A JP 28641991A JP 28641991 A JP28641991 A JP 28641991A JP H05125625 A JPH05125625 A JP H05125625A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- synthetic resin
- ring
- depressions
- micro
- spinning machine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速、高生産に於ける精紡、撚糸用に最適な
潤滑、耐摩耗性の紡機用リングを提供する。 【構成】 低炭素鋼よりなる紡機用リングに浸炭焼入
れ、焼戻しを施し、上記リングの少なくともフランジ表
面に、微小凹部を有する硬質クロムメッキ層を形成し、
該メッキ層の表面に、二硫化モリブデンを含有するエポ
キシ樹脂の樹脂被膜を設けると共に、前記微小凹部に樹
脂を充填した複合被膜を形成した。
潤滑、耐摩耗性の紡機用リングを提供する。 【構成】 低炭素鋼よりなる紡機用リングに浸炭焼入
れ、焼戻しを施し、上記リングの少なくともフランジ表
面に、微小凹部を有する硬質クロムメッキ層を形成し、
該メッキ層の表面に、二硫化モリブデンを含有するエポ
キシ樹脂の樹脂被膜を設けると共に、前記微小凹部に樹
脂を充填した複合被膜を形成した。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は精紡機、撚糸機等に使用
される紡機用リングに関するものである。
される紡機用リングに関するものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
精紡機や撚糸機に一般に使用されている肌焼鋼リングで
今日の紡績工場での過酷な操業条件の下では、トラベラ
に対する耐摩耗性が不足している。またリング表面の窒
化や金属間炭化物の拡散層を形成する方法も採用されて
いるが、硬化層の勒性が低く剥離し易く、またトラベラ
との馴じみが悪くトラベラが早期に焼付き安定した操業
が出来ないという欠点があった。
精紡機や撚糸機に一般に使用されている肌焼鋼リングで
今日の紡績工場での過酷な操業条件の下では、トラベラ
に対する耐摩耗性が不足している。またリング表面の窒
化や金属間炭化物の拡散層を形成する方法も採用されて
いるが、硬化層の勒性が低く剥離し易く、またトラベラ
との馴じみが悪くトラベラが早期に焼付き安定した操業
が出来ないという欠点があった。
【０００３】従って、これらの原因を解消する目的でト
ラベラに対する耐摩耗性を向上する手段として、リング
にクロムめっきを施したものが考えられたが、クロムめ
っきは非常に高度は高いが、トラベラとの馴染み性が悪
く、紡出初期に於いて紡出張力が非常に高くなり、糸切
れが多発するという欠点があり、しかもめっき表面に亀
裂が存在する為これが剥離摩耗の原因となり、リングに
異常摩耗を来たすという欠点があった。
ラベラに対する耐摩耗性を向上する手段として、リング
にクロムめっきを施したものが考えられたが、クロムめ
っきは非常に高度は高いが、トラベラとの馴染み性が悪
く、紡出初期に於いて紡出張力が非常に高くなり、糸切
れが多発するという欠点があり、しかもめっき表面に亀
裂が存在する為これが剥離摩耗の原因となり、リングに
異常摩耗を来たすという欠点があった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決する為になされたものであり、少なくともトラベラ
が摺動するリングフランジ表面に、表面に微小凹部を有
する硬質金属のめっき層を形成し、さらにその表面に潤
滑性の合成樹脂被膜又は潤滑性物質を含有する合成樹脂
被膜を設ける事により、硬質金属のめっき表面の微小凹
部に潤滑性の合成樹脂を充填させた複合被膜を形成する
ことによって、高速、高生産に於ける精紡、撚糸用に最
適の紡機用リングを提供するものである。
解決する為になされたものであり、少なくともトラベラ
が摺動するリングフランジ表面に、表面に微小凹部を有
する硬質金属のめっき層を形成し、さらにその表面に潤
滑性の合成樹脂被膜又は潤滑性物質を含有する合成樹脂
被膜を設ける事により、硬質金属のめっき表面の微小凹
部に潤滑性の合成樹脂を充填させた複合被膜を形成する
ことによって、高速、高生産に於ける精紡、撚糸用に最
適の紡機用リングを提供するものである。
【０００５】
【作用】本発明の紡機用リングは、リング表面に硬度の
非常に高いクロムめっき層と、自己潤滑性に優れた、二
硫化モリグデン含有エポキシ樹脂あるいは潤滑性にすぐ
れたＰＴＦＥ樹脂の複合皮膜を形成したことによりトラ
ベラに対する初期馴染み性が良好となり、潤滑性、耐摩
耗性であることから、高回転高速紡出条件下に於いても
長時間安定した紡出状態を維持することが出来る。
非常に高いクロムめっき層と、自己潤滑性に優れた、二
硫化モリグデン含有エポキシ樹脂あるいは潤滑性にすぐ
れたＰＴＦＥ樹脂の複合皮膜を形成したことによりトラ
ベラに対する初期馴染み性が良好となり、潤滑性、耐摩
耗性であることから、高回転高速紡出条件下に於いても
長時間安定した紡出状態を維持することが出来る。
【０００６】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１及び図２に示す様に、Ｃ：０．１５％を含
む低炭素鋼を切削し、所定のリング１の形状となした
後、浸炭焼入れ、焼戻しを施し上記リングの少なくとも
フランジ表面２に、厚みが５０μの硬質クロムめっき層
３を施し、前記クロムめっきを施した表面に電気化学
的、化学的、或は機械的手法等により図３に示す如く微
小凹部４を設ける。
明する。図１及び図２に示す様に、Ｃ：０．１５％を含
む低炭素鋼を切削し、所定のリング１の形状となした
後、浸炭焼入れ、焼戻しを施し上記リングの少なくとも
フランジ表面２に、厚みが５０μの硬質クロムめっき層
３を施し、前記クロムめっきを施した表面に電気化学
的、化学的、或は機械的手法等により図３に示す如く微
小凹部４を設ける。
【０００７】さらに上記微小凹部４を有する硬質クロム
めっき層表面に厚みが５μとなる様に、二硫化モリブデ
ン５を６５％含有するエポキシ樹脂の被膜６を形成し、
めっき表面の微小凹部に二硫化モリブデンを含有したエ
ポキシ樹脂を充填した複合被膜を形成した紡機用リング
を得た。
めっき層表面に厚みが５μとなる様に、二硫化モリブデ
ン５を６５％含有するエポキシ樹脂の被膜６を形成し、
めっき表面の微小凹部に二硫化モリブデンを含有したエ
ポキシ樹脂を充填した複合被膜を形成した紡機用リング
を得た。
【０００８】尚、形成する硬質クロムめっき層の厚み
は、１０〜１００μの範囲にあることが好ましく、１０
μ未満では充分な耐摩耗性が得られず、１００μを超え
ると、衝撃によりめっき層の剥離が生じ易くなる。
は、１０〜１００μの範囲にあることが好ましく、１０
μ未満では充分な耐摩耗性が得られず、１００μを超え
ると、衝撃によりめっき層の剥離が生じ易くなる。
【０００９】またエポキシ、ＰＴＦＥ等の合成樹脂被膜
の厚みは１〜２０μが好ましく、１μ未満では充分な潤
滑効果が得られず、２０μを超えるとかえって剥離し易
くなり好ましくない。
の厚みは１〜２０μが好ましく、１μ未満では充分な潤
滑効果が得られず、２０μを超えるとかえって剥離し易
くなり好ましくない。
【００１０】また合成樹脂中に添加する潤滑性物質の二
硫化モリブデンの含有量は４０〜８５％が好ましく、４
０％未満では潤滑効果が低下し、８５％を超えると合成
樹脂被膜そのものの強度が低下することになる。また二
硫化モリブデンに加えカーボン、黒鉛等の潤滑性粉体を
用いることもできる。
硫化モリブデンの含有量は４０〜８５％が好ましく、４
０％未満では潤滑効果が低下し、８５％を超えると合成
樹脂被膜そのものの強度が低下することになる。また二
硫化モリブデンに加えカーボン、黒鉛等の潤滑性粉体を
用いることもできる。
【００１１】
【発明の効果】本発明は、上記の構成としたことにより
リングとトラベラの摩擦摺動部に潤滑剤層を形成する
為、リングのトラベラに対する初期馴染み性を大巾に向
上し、リングの寿命を延長する。さらに、その下地に硬
質のクロムめっき層を形成している為、さらに寿命は延
長し、長期間の使用が可能となる。また上記硬質金属め
っき表面に微小凹部を設け、潤滑性物質を含有する合成
樹脂を充填している為、潤滑性の合成樹脂被膜がトラベ
ラとの摩擦で消失した後でも潤滑効果が長期間持続され
る。従って初期より糸切れも少なく、また長期的に見て
も平均の糸切れレベルが低く、さらに高回転高速紡出条
件下での使用が可能になる等の優れた効果を有する発明
である。
リングとトラベラの摩擦摺動部に潤滑剤層を形成する
為、リングのトラベラに対する初期馴染み性を大巾に向
上し、リングの寿命を延長する。さらに、その下地に硬
質のクロムめっき層を形成している為、さらに寿命は延
長し、長期間の使用が可能となる。また上記硬質金属め
っき表面に微小凹部を設け、潤滑性物質を含有する合成
樹脂を充填している為、潤滑性の合成樹脂被膜がトラベ
ラとの摩擦で消失した後でも潤滑効果が長期間持続され
る。従って初期より糸切れも少なく、また長期的に見て
も平均の糸切れレベルが低く、さらに高回転高速紡出条
件下での使用が可能になる等の優れた効果を有する発明
である。
【図１】本発明の１実施例を示す紡機用リングの一部破
断断面図である。
断断面図である。
【図２】図１の要部拡大断面図である。
【図３】本発明の紡機用リング表面に形成した複合被膜
の要部拡大断面図である。
の要部拡大断面図である。
１ 紡機用リング ２ フランジ表面 ３ 硬質クロムめっき層 ４ 微小凹部 ５ 二硫化モリブデン粒子 ６ エポキシ樹脂被膜
Claims (4)
- 【請求項１】 少なくともトラベラが摺動するリングフ
ランジ表面に、微小凹部を有する硬質金属のめっき層を
形成し、前記めっき層の表面に潤滑性の合成樹脂被膜又
は潤滑性物質を含有する合成樹脂被膜を設け、前記硬質
金属めっき表面の微小凹部に上記合成樹脂を充填させた
複合被膜を形成してなる事を特徴とする紡機用リング。 - 【請求項２】 めっき金属がクロムである事を特徴とす
る請求項１記載の紡機用リング。 - 【請求項３】 合成樹脂被膜が二硫化モリブデンを含有
するエポキシ樹脂である事を特徴とする請求項１記載の
紡機用リング。 - 【請求項４】 合成樹脂被膜がＰＴＦＥ樹脂である事を
特徴とする請求項１記載の紡機用リング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28641991A JPH05125625A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 紡機用リング |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28641991A JPH05125625A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 紡機用リング |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05125625A true JPH05125625A (ja) | 1993-05-21 |
Family
ID=17704148
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28641991A Pending JPH05125625A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 紡機用リング |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05125625A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH07210845A (ja) * | 1993-12-21 | 1995-08-11 | Internatl Business Mach Corp <Ibm> | ロード／アンロード装置及びディスク駆動装置 |
| EP1063323A2 (de) * | 1999-06-24 | 2000-12-27 | Duralloy AG | Verfahren zur Beschichtung eines Werkstückes mit einem Schmierstoff |
| JP2014029046A (ja) * | 2012-07-04 | 2014-02-13 | Toyota Industries Corp | リング式紡機のリング／トラベラ系 |
-
1991
- 1991-10-31 JP JP28641991A patent/JPH05125625A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH07210845A (ja) * | 1993-12-21 | 1995-08-11 | Internatl Business Mach Corp <Ibm> | ロード／アンロード装置及びディスク駆動装置 |
| JP2776494B2 (ja) * | 1993-12-21 | 1998-07-16 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレイション | ロード／アンロード装置及びディスク駆動装置 |
| EP1063323A2 (de) * | 1999-06-24 | 2000-12-27 | Duralloy AG | Verfahren zur Beschichtung eines Werkstückes mit einem Schmierstoff |
| US6355366B1 (en) * | 1999-06-24 | 2002-03-12 | Duralloy Ag | Process for coating a workpiece with a lubricant |
| EP1063323A3 (de) * | 1999-06-24 | 2004-01-07 | Duralloy AG | Verfahren zur Beschichtung eines Werkstückes mit einem Schmierstoff |
| JP2014029046A (ja) * | 2012-07-04 | 2014-02-13 | Toyota Industries Corp | リング式紡機のリング／トラベラ系 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JPH05125625A (ja) | 紡機用リング | |
| US4885905A (en) | Ring for spinning machinery | |
| JP2002510755A (ja) | リング精紡機およびリングねん糸機のためのリング | |
| JPH05117927A (ja) | 紡機用リング | |
| JP2536001Y2 (ja) | 紡機用リング | |
| JPH04222237A (ja) | 紡機用金属トラベラ | |
| JPS63295720A (ja) | 紡機用リング | |
| JPS6056809B2 (ja) | 紡機用トラベラ | |
| JPH06108323A (ja) | 紡機用リング | |
| JPS62125023A (ja) | 紡機用トラベラ | |
| JP2627343B2 (ja) | 紡機用トラベラ | |
| JPH05106124A (ja) | 紡機用リング | |
| JPH05331721A (ja) | 紡機用リング | |
| JPH0714371Y2 (ja) | 紡機用金属トラベラ | |
| JPH05106125A (ja) | 紡機用金属トラベラ | |
| JPH0410225Y2 (ja) | ||
| JPS63295721A (ja) | 紡機用リング | |
| JPH06158443A (ja) | 紡機用リング | |
| JPS62177239A (ja) | 紡機用リング | |
| JP2526058B2 (ja) | 紡機用トラベラ | |
| JPH01118632A (ja) | 紡機用金属トラベラ | |
| JPH03193932A (ja) | 紡機用リング | |
| JPH0748731A (ja) | 紡機用リング | |
| JPS63249723A (ja) | 紡績用リング | |
| JPH0545691B2 (ja) |