JPH05125111A - 変性低分子量ポリプロピレン系樹脂の製法 - Google Patents
変性低分子量ポリプロピレン系樹脂の製法Info
- Publication number
- JPH05125111A JPH05125111A JP32130891A JP32130891A JPH05125111A JP H05125111 A JPH05125111 A JP H05125111A JP 32130891 A JP32130891 A JP 32130891A JP 32130891 A JP32130891 A JP 32130891A JP H05125111 A JPH05125111 A JP H05125111A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molecular weight
- weight polypropylene
- unsaturated dicarboxylic
- resin
- polypropylene resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ポリマーアロイ用相溶化剤等として有用な変
性低分子量ポリプロピレン系樹脂を得ること。 【構成】 数平均分子量500〜20,000の低分子量ポリプ
ロピレン系樹脂と、不飽和ジカルボン酸類とを、アゾ系
ラジカル開始剤の存在下反応させ、低分子量ポリプロピ
レン系樹脂中の末端炭素−炭素二重結合1個当たり平均
1.0〜2.0個不飽和ジカルボン酸類を付加させることを特
徴とする変性低分子量ポリプロピレン系樹脂の製法。
性低分子量ポリプロピレン系樹脂を得ること。 【構成】 数平均分子量500〜20,000の低分子量ポリプ
ロピレン系樹脂と、不飽和ジカルボン酸類とを、アゾ系
ラジカル開始剤の存在下反応させ、低分子量ポリプロピ
レン系樹脂中の末端炭素−炭素二重結合1個当たり平均
1.0〜2.0個不飽和ジカルボン酸類を付加させることを特
徴とする変性低分子量ポリプロピレン系樹脂の製法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は変性低分子量ポリプロピ
レン系樹脂の製法に関する。さらに詳しくは、不飽和ジ
カルボン酸類で変性した低分子量ポリプロピレン系樹脂
の製法に関する。
レン系樹脂の製法に関する。さらに詳しくは、不飽和ジ
カルボン酸類で変性した低分子量ポリプロピレン系樹脂
の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、分子内末端炭素−炭素二重結合が
少ない(末端二重結合含量が炭素1000個当たり0.056個
以下)低分子量ポリプロピレン系樹脂と、不飽和ジカル
ボン酸類とを、パーオキサイド系ラジカル開始剤の存在
下、ランダムにグラフト重合させ、変性低分子量ポリプ
ロピレン系樹脂を製造する方法などが知られている(例
えば特公昭63-62522号公報)。
少ない(末端二重結合含量が炭素1000個当たり0.056個
以下)低分子量ポリプロピレン系樹脂と、不飽和ジカル
ボン酸類とを、パーオキサイド系ラジカル開始剤の存在
下、ランダムにグラフト重合させ、変性低分子量ポリプ
ロピレン系樹脂を製造する方法などが知られている(例
えば特公昭63-62522号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で得
られる変性低分子量ポリプロピレン系樹脂は、グラフト
の位置がランダムであるためポリマーアロイ用相溶化剤
等として使用した場合、表面改質能、分散性および相溶
化能が不十分であるという問題があった。また末端二重
結合含量が炭素1000個当たり0.056個を越える低分子量
ポリプロピレン系樹脂を用いるとゲル状変性重合体含量
が多く、ポリマーアロイ用相溶化剤等として使用した場
合、優れた性能を発揮することができなかったというこ
とも同公報に示されている。
られる変性低分子量ポリプロピレン系樹脂は、グラフト
の位置がランダムであるためポリマーアロイ用相溶化剤
等として使用した場合、表面改質能、分散性および相溶
化能が不十分であるという問題があった。また末端二重
結合含量が炭素1000個当たり0.056個を越える低分子量
ポリプロピレン系樹脂を用いるとゲル状変性重合体含量
が多く、ポリマーアロイ用相溶化剤等として使用した場
合、優れた性能を発揮することができなかったというこ
とも同公報に示されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題を解決し、ポリマーアロイ用相溶化剤等として有用
な変性低分子量ポリプロピレン系樹脂を得ることを目的
として、鋭意検討した結果、分子内末端炭素−炭素二重
結合を有する低分子量ポリプロピレン系樹脂を用い、且
つアゾ系ラジカル開始剤を用いることにより、末端炭素
−炭素二重結合が選択的に変性された変性低分子量ポリ
プロピレン系樹脂を製造することができ且つこのものは
従来の問題点を改善すものであることを見いだし、本発
明に到達した。即ち、本発明は数平均分子量500〜20,00
0の低分子量ポリプロピレン系樹脂(A)と、不飽和ジ
カルボン酸類(B)とを、アゾ系ラジカル開始剤(C)
の存在下反応させ、(A)中の末端炭素−炭素二重結合
1個当たり平均1.0〜2.0個の(B)を付加させることを
特徴とする変性低分子量ポリプロピレン系樹脂(D)の
製法である。
問題を解決し、ポリマーアロイ用相溶化剤等として有用
な変性低分子量ポリプロピレン系樹脂を得ることを目的
として、鋭意検討した結果、分子内末端炭素−炭素二重
結合を有する低分子量ポリプロピレン系樹脂を用い、且
つアゾ系ラジカル開始剤を用いることにより、末端炭素
−炭素二重結合が選択的に変性された変性低分子量ポリ
プロピレン系樹脂を製造することができ且つこのものは
従来の問題点を改善すものであることを見いだし、本発
明に到達した。即ち、本発明は数平均分子量500〜20,00
0の低分子量ポリプロピレン系樹脂(A)と、不飽和ジ
カルボン酸類(B)とを、アゾ系ラジカル開始剤(C)
の存在下反応させ、(A)中の末端炭素−炭素二重結合
1個当たり平均1.0〜2.0個の(B)を付加させることを
特徴とする変性低分子量ポリプロピレン系樹脂(D)の
製法である。
【0005】本発明における該低分子量ポリプロピレン
系樹脂(A)としては、プロピレンの単独重合体、並び
にプロピレンとエチレン、他のα−オレフィンまたはビ
ニル化合物から選ばれる一種以上との共重合体があげら
れる。このα−オレフィンとしては炭素数4〜18のα−
オレフィン、例えば1−ブテン、イソブテン、1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン等があげられる。またこの
ビニル化合物としては不飽和モノカルボン酸[(メタ)ア
クリル酸など];(メタ)アクリル酸アルキル(アルキル
基はメチル、エチルまたはブチル基)などがあげられ
る。
系樹脂(A)としては、プロピレンの単独重合体、並び
にプロピレンとエチレン、他のα−オレフィンまたはビ
ニル化合物から選ばれる一種以上との共重合体があげら
れる。このα−オレフィンとしては炭素数4〜18のα−
オレフィン、例えば1−ブテン、イソブテン、1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン等があげられる。またこの
ビニル化合物としては不飽和モノカルボン酸[(メタ)ア
クリル酸など];(メタ)アクリル酸アルキル(アルキル
基はメチル、エチルまたはブチル基)などがあげられ
る。
【0006】低分子量ポリプロピレン系樹脂(A)の数
平均分子量は通常 500〜20,000、好ましくは900〜18,00
0である。数平均分子量が500未満では該変性低分子量ポ
リプロピレン系樹脂(D)をポリマーアロイ用相溶化剤
として用いた場合、ポリマーアロイの表面に浮き出て表
面の性質を損なう。また、20,000を超えるとポリマ−ア
ロイ用相溶化剤として用いた場合、相溶化性能等が不十
分となる。
平均分子量は通常 500〜20,000、好ましくは900〜18,00
0である。数平均分子量が500未満では該変性低分子量ポ
リプロピレン系樹脂(D)をポリマーアロイ用相溶化剤
として用いた場合、ポリマーアロイの表面に浮き出て表
面の性質を損なう。また、20,000を超えるとポリマ−ア
ロイ用相溶化剤として用いた場合、相溶化性能等が不十
分となる。
【0007】該低分子量ポリプロピレン系樹脂(A)中
の末端炭素−炭素二重結合含量は炭素1000個当たり通常
0.6〜20個、好ましくは1〜10個である。この二重結合が
0.6個未満ではポリマ−アロイ用相溶化剤としての相溶
化性能等が不十分となる。
の末端炭素−炭素二重結合含量は炭素1000個当たり通常
0.6〜20個、好ましくは1〜10個である。この二重結合が
0.6個未満ではポリマ−アロイ用相溶化剤としての相溶
化性能等が不十分となる。
【0008】該低分子量ポリプロピレン系樹脂(A)の
製法を例示すると、分子量が通常50,000ないし150,000
の高分子量ポリプロピレン系樹脂を不活性ガス中、通常
300ないし450℃で0.5ないし10時間熱減成する方法(例
えば特願平1-197874号明細書の記載に準じて行う)など
によって得られる。
製法を例示すると、分子量が通常50,000ないし150,000
の高分子量ポリプロピレン系樹脂を不活性ガス中、通常
300ないし450℃で0.5ないし10時間熱減成する方法(例
えば特願平1-197874号明細書の記載に準じて行う)など
によって得られる。
【0009】該低分子量ポリプロピレン系樹脂(A)の
具体例としては、三洋化成工業(株)製:ビスコール7
70−P、ビスコール660−P、ビスコール550−
P、ビスコール440−P、ビスコール330−P等の
各製品があげられ、これらの二種以上を用いることもで
きる。
具体例としては、三洋化成工業(株)製:ビスコール7
70−P、ビスコール660−P、ビスコール550−
P、ビスコール440−P、ビスコール330−P等の
各製品があげられ、これらの二種以上を用いることもで
きる。
【0010】本発明において不飽和ジカルボン酸類
(B)は特に限定しないが、例えば、マレイン酸、フマ
ル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などの不
飽和ジカルボン酸、並びに無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、無水シトラコン酸、メチルマレイン酸などエステ
ル形成性誘導体があげられ、これらの二種以上を用いる
こともできる。これらのうち好ましいものは無水マレイ
ン酸である。
(B)は特に限定しないが、例えば、マレイン酸、フマ
ル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などの不
飽和ジカルボン酸、並びに無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、無水シトラコン酸、メチルマレイン酸などエステ
ル形成性誘導体があげられ、これらの二種以上を用いる
こともできる。これらのうち好ましいものは無水マレイ
ン酸である。
【0011】本発明において該アゾ系ラジカル開始剤
(C)としては、特に限定しないが100℃における半減
期が1分以上のものが好ましい。具体的には、2,2'−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチ
ルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリ
メチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパ
ン)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオ
ン酸)、4,4'−アゾビス(シアノバレロ酸)等のものが
挙げられる。
(C)としては、特に限定しないが100℃における半減
期が1分以上のものが好ましい。具体的には、2,2'−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチ
ルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリ
メチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパ
ン)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオ
ン酸)、4,4'−アゾビス(シアノバレロ酸)等のものが
挙げられる。
【0012】低分子量ポリプロピレン系樹脂(A)と不
飽和ジカルボン酸類(B)との反応は、溶液法でも溶融
法でも行うことができる。
飽和ジカルボン酸類(B)との反応は、溶液法でも溶融
法でも行うことができる。
【0013】溶液法の場合は、該低分子量ポリプロピレ
ン系樹脂(A)と不飽和ジカルボン酸類(B)を有機溶
媒に加熱溶解し、該アゾ系ラジカル開始剤(C)の存在
下で加熱することにより該変性低分子量ポリプロピレン
系樹脂(D)を得ることができる。使用する有機溶媒と
しては炭素数 6〜12の炭化水素、ハロゲン化炭化水素な
どを用いることができる。また反応温度は使用されるポ
リオレフィンが溶解する温度であればよく、通常は110
〜200℃である。
ン系樹脂(A)と不飽和ジカルボン酸類(B)を有機溶
媒に加熱溶解し、該アゾ系ラジカル開始剤(C)の存在
下で加熱することにより該変性低分子量ポリプロピレン
系樹脂(D)を得ることができる。使用する有機溶媒と
しては炭素数 6〜12の炭化水素、ハロゲン化炭化水素な
どを用いることができる。また反応温度は使用されるポ
リオレフィンが溶解する温度であればよく、通常は110
〜200℃である。
【0014】溶融法の場合は、該低分子量ポリプロピレ
ン系樹脂(A)と不飽和ジカルボン酸類(B)を該アゾ
系ラジカル開始剤(C)と混合し、次いで溶融条件下で
混練して反応させることによって該変性低分子量ポリプ
ロピレン系樹脂(D)を得ることができる。この混練の
方法は押し出し機、ブラベンダー、ニーダーあるいはバ
ンバリーミキサーなどの各種混練機で行うことができ
る。混練温度は使用される該低分子量ポリプロピレン系
樹脂(A)の融点以上ないし300℃以下の範囲が好まし
い。
ン系樹脂(A)と不飽和ジカルボン酸類(B)を該アゾ
系ラジカル開始剤(C)と混合し、次いで溶融条件下で
混練して反応させることによって該変性低分子量ポリプ
ロピレン系樹脂(D)を得ることができる。この混練の
方法は押し出し機、ブラベンダー、ニーダーあるいはバ
ンバリーミキサーなどの各種混練機で行うことができ
る。混練温度は使用される該低分子量ポリプロピレン系
樹脂(A)の融点以上ないし300℃以下の範囲が好まし
い。
【0015】本発明の製法を用いると、低分子量ポリプ
ロピレン系樹脂(A)中の末端炭素−炭素二重結合1個
当たり、不飽和ジカルボン酸類(B)が平均1〜2個選択
的に付加した変性低分子量ポリプロピレン系樹脂(D)
が得られる。すなわち、従来のようなランダムなグラフ
ト重合とはならない。
ロピレン系樹脂(A)中の末端炭素−炭素二重結合1個
当たり、不飽和ジカルボン酸類(B)が平均1〜2個選択
的に付加した変性低分子量ポリプロピレン系樹脂(D)
が得られる。すなわち、従来のようなランダムなグラフ
ト重合とはならない。
【0016】本発明の方法で得られる該変性低分子量ポ
リプロピレン系樹脂(D)は特にポリマーアロイ用相溶
化剤として有用である。対象のポリマーアロイとして
は、ポリオレフィン/ポリアミド系、ポリオレフィン/
ポリエステル系、ポリオレフィン/ポリイミド系および
ポリオレフィン/ポリイミドアミド系があげられ、自動
車用外板、家電OA機器用のハウジング等に用いられ
る。本発明の方法で得られる該変性低分子量ポリプロピ
レン系樹脂(D)は、その他各種樹脂の成形加工性向上
剤、顔料やフィーラーの分散剤、および塗装性や接着性
の向上剤等としても使用できる。
リプロピレン系樹脂(D)は特にポリマーアロイ用相溶
化剤として有用である。対象のポリマーアロイとして
は、ポリオレフィン/ポリアミド系、ポリオレフィン/
ポリエステル系、ポリオレフィン/ポリイミド系および
ポリオレフィン/ポリイミドアミド系があげられ、自動
車用外板、家電OA機器用のハウジング等に用いられ
る。本発明の方法で得られる該変性低分子量ポリプロピ
レン系樹脂(D)は、その他各種樹脂の成形加工性向上
剤、顔料やフィーラーの分散剤、および塗装性や接着性
の向上剤等としても使用できる。
【0017】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 製造例1 窒素導入管、温度計、排ガス流出管および攪拌棒を備え
た3Lの4ツ口コルベンにポリプロピレン(プロピレン単
独重合体)1,500g窒素雰囲気下で仕込んだ。以降熱減成
終了時までコルベン内に窒素は通気し続けた。次にマン
トルヒーターにて加熱・昇温し攪拌しながら350℃で1.5
時間熱減成を行った。次いで熱減成物を200℃まで冷却
後コルベンから取り出した。得られた低分子量ポリプロ
ピレンは数平均分子量5,000であった。また、得られた
低分子量ポリプロピレンの分子内末端二重結合数を核磁
気共鳴スペクトル法(1H−NMR法)における水素の
積分比から求めた結果、1.4個であった。
本発明はこれに限定されるものではない。 製造例1 窒素導入管、温度計、排ガス流出管および攪拌棒を備え
た3Lの4ツ口コルベンにポリプロピレン(プロピレン単
独重合体)1,500g窒素雰囲気下で仕込んだ。以降熱減成
終了時までコルベン内に窒素は通気し続けた。次にマン
トルヒーターにて加熱・昇温し攪拌しながら350℃で1.5
時間熱減成を行った。次いで熱減成物を200℃まで冷却
後コルベンから取り出した。得られた低分子量ポリプロ
ピレンは数平均分子量5,000であった。また、得られた
低分子量ポリプロピレンの分子内末端二重結合数を核磁
気共鳴スペクトル法(1H−NMR法)における水素の
積分比から求めた結果、1.4個であった。
【0018】実施例1 製造例1で得られた低分子量ポリプロピレン400gと無水
マレイン酸9.4g を窒素導入管、滴下ロート、温度計、
冷却管および攪拌棒を備えた1Lの4ツ口コルベンに仕込
んだ。コルベン内に窒素を通気しながらマントルヒータ
ーで加熱・昇温し、195℃で溶解した。次いで1,1'−ア
ゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)1.41gを
滴下ロートより添加し1時間反応させた。反応後温度を1
95℃に保持した状態で系内を減圧にし、5mmHg減圧下で1
時間脱気処理し、160℃まで冷却後、変性物を取り出し
た。得られた無水マレイン酸変性低分子量ポリプロピレ
ンは核磁気共鳴スペクトル法(1H−NMR法)等によ
り測定した結果、末端二重結合に無水マレイン酸を2モ
ル有していた。また、得られた無水マレイン酸変性低分
子量ポリプロピレンは、核磁気共鳴スペクトル法(13C
−NMR法)等により無水マレイン酸が末端に規則的に
付加していることが確認できた。
マレイン酸9.4g を窒素導入管、滴下ロート、温度計、
冷却管および攪拌棒を備えた1Lの4ツ口コルベンに仕込
んだ。コルベン内に窒素を通気しながらマントルヒータ
ーで加熱・昇温し、195℃で溶解した。次いで1,1'−ア
ゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)1.41gを
滴下ロートより添加し1時間反応させた。反応後温度を1
95℃に保持した状態で系内を減圧にし、5mmHg減圧下で1
時間脱気処理し、160℃まで冷却後、変性物を取り出し
た。得られた無水マレイン酸変性低分子量ポリプロピレ
ンは核磁気共鳴スペクトル法(1H−NMR法)等によ
り測定した結果、末端二重結合に無水マレイン酸を2モ
ル有していた。また、得られた無水マレイン酸変性低分
子量ポリプロピレンは、核磁気共鳴スペクトル法(13C
−NMR法)等により無水マレイン酸が末端に規則的に
付加していることが確認できた。
【0019】使用例1 ナイロン66[商品名:レオナー1300S,旭化成(株)
製]65重量%、ポリプロピレン[商品名:ウベポリプロ
J609H,宇部興産(株)製]30重量%および実施例1で
得た変性低分子量ポリプロピレン5重量%を二軸押し出
し機を用いてシリンダ−温度280℃でブレンドした後、
射出成形して得たポリマーアロイ試験片を液体窒素中で
破断し破断面を電子顕微鏡で観察してナイロン中に分散
したポリプロピレンの分散粒子径を測定し相溶性の評価
を行った。この結果、ポリプロピレンの分散粒子径は1
μm以下であり、分散性がよく優れた相溶化能を有して
いた。
製]65重量%、ポリプロピレン[商品名:ウベポリプロ
J609H,宇部興産(株)製]30重量%および実施例1で
得た変性低分子量ポリプロピレン5重量%を二軸押し出
し機を用いてシリンダ−温度280℃でブレンドした後、
射出成形して得たポリマーアロイ試験片を液体窒素中で
破断し破断面を電子顕微鏡で観察してナイロン中に分散
したポリプロピレンの分散粒子径を測定し相溶性の評価
を行った。この結果、ポリプロピレンの分散粒子径は1
μm以下であり、分散性がよく優れた相溶化能を有して
いた。
【0020】比較使用例1 変性低分子量ポリプロピレンを加えなかった以外は使用
例1と同様にしてポリマーアロイ試験片を作製し、且つ
相溶性の評価を行った。この結果、ナイロン中に分散し
たポリプロピレンの分散粒子径は25〜30μmであり、ポ
リマーアロイとしての相溶性の低いことがわかった。
例1と同様にしてポリマーアロイ試験片を作製し、且つ
相溶性の評価を行った。この結果、ナイロン中に分散し
たポリプロピレンの分散粒子径は25〜30μmであり、ポ
リマーアロイとしての相溶性の低いことがわかった。
【0021】
【発明の効果】従来の製法で得られる変性低分子量ポリ
プロピレンは、パーオキサイド系のラジカル開始剤を用
いて不飽和ジカルボン酸類をポリプロピレン鎖中にラン
ダムに付加させた不規則な構造であった。これに対し本
発明の方法により得られる変性低分子量ポリプロピレン
系樹脂はポリオレフィン鎖の末端炭素−炭素二重結合1
個当たり平均1.0〜2.0個の不飽和ジカルボン酸類が規則
的に付加した構造を有しているためポリマーアロイ用相
溶化剤として優れた相溶化能を有する。また、下記の効
果も有する。 (1)各種樹脂の成形時に流動性向上剤として用いた場
合に優れた効果を示す。 (2)各種樹脂に顔料、フィーラーなどを混合する時の
分散剤として用いた場合に優れた効果を示す。 (3)ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン類に混合して用いると樹脂表面への塗料の塗装性、
またフィルムにしたときの他のフィルム等との接着性な
どを向上させる。
プロピレンは、パーオキサイド系のラジカル開始剤を用
いて不飽和ジカルボン酸類をポリプロピレン鎖中にラン
ダムに付加させた不規則な構造であった。これに対し本
発明の方法により得られる変性低分子量ポリプロピレン
系樹脂はポリオレフィン鎖の末端炭素−炭素二重結合1
個当たり平均1.0〜2.0個の不飽和ジカルボン酸類が規則
的に付加した構造を有しているためポリマーアロイ用相
溶化剤として優れた相溶化能を有する。また、下記の効
果も有する。 (1)各種樹脂の成形時に流動性向上剤として用いた場
合に優れた効果を示す。 (2)各種樹脂に顔料、フィーラーなどを混合する時の
分散剤として用いた場合に優れた効果を示す。 (3)ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン類に混合して用いると樹脂表面への塗料の塗装性、
またフィルムにしたときの他のフィルム等との接着性な
どを向上させる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 貴教 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 数平均分子量500〜20,000の低分子量ポ
リプロピレン系樹脂(A)と、不飽和ジカルボン酸類
(B)とを、アゾ系ラジカル開始剤(C)の存在下反応
させ、(A)中の末端炭素−炭素二重結合1個当たり平
均1.0〜2.0個の(B)を付加させることを特徴とする変
性低分子量ポリプロピレン系樹脂(D)の製法。 - 【請求項2】 低分子量ポリプロピレン系樹脂(A)の
末端炭素−炭素二重結合含量が、炭素1000個当たり1〜1
0個である請求項1記載の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32130891A JPH05125111A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 変性低分子量ポリプロピレン系樹脂の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32130891A JPH05125111A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 変性低分子量ポリプロピレン系樹脂の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05125111A true JPH05125111A (ja) | 1993-05-21 |
Family
ID=18131133
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32130891A Pending JPH05125111A (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 変性低分子量ポリプロピレン系樹脂の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05125111A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0718018A (ja) * | 1993-06-30 | 1995-01-20 | Mitsubishi Chem Corp | 変性ポリプロピレンの製造法 |
JPH07206946A (ja) * | 1994-01-17 | 1995-08-08 | Sanyo Chem Ind Ltd | 変性低分子量ポリエチレン系重合体の製造法 |
US6548603B1 (en) | 1999-03-24 | 2003-04-15 | Mitsubishi Chemical Corporation | Modified polyolefin resin composition |
JP2005194507A (ja) * | 2003-12-10 | 2005-07-21 | Sanyo Chem Ind Ltd | 変性ポリオレフィンの製造法 |
WO2008013085A1 (fr) * | 2006-07-25 | 2008-01-31 | Nippon Paper Chemicals Co., Ltd. | Résine de polyoléfine modifiée et ses utilisations |
-
1991
- 1991-11-08 JP JP32130891A patent/JPH05125111A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0718018A (ja) * | 1993-06-30 | 1995-01-20 | Mitsubishi Chem Corp | 変性ポリプロピレンの製造法 |
JPH07206946A (ja) * | 1994-01-17 | 1995-08-08 | Sanyo Chem Ind Ltd | 変性低分子量ポリエチレン系重合体の製造法 |
US6548603B1 (en) | 1999-03-24 | 2003-04-15 | Mitsubishi Chemical Corporation | Modified polyolefin resin composition |
JP2005194507A (ja) * | 2003-12-10 | 2005-07-21 | Sanyo Chem Ind Ltd | 変性ポリオレフィンの製造法 |
WO2008013085A1 (fr) * | 2006-07-25 | 2008-01-31 | Nippon Paper Chemicals Co., Ltd. | Résine de polyoléfine modifiée et ses utilisations |
US8236900B2 (en) | 2006-07-25 | 2012-08-07 | Nippon Paper Chemicals Co., Ltd. | Modified polyolefin resin and uses thereof |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN102690378B (zh) | 改性丙烯聚合物 | |
DE69219604T2 (de) | Widerstandsfähige polyamid-zusammensetzung mit hohem modul | |
JPH0391547A (ja) | 樹脂用添加剤およびその製造法 | |
JP2649011B2 (ja) | 変性低分子量ポリエチレン系重合体の製造法 | |
US6919410B2 (en) | Process for producing modified polypropylene resin | |
JPH05125111A (ja) | 変性低分子量ポリプロピレン系樹脂の製法 | |
EP0365234B1 (en) | Process for producing ethylenic graft copolymers | |
JP2654830B2 (ja) | 成形用熱可塑性樹脂組成物 | |
KR100585330B1 (ko) | 용융물성이 우수한 폴리올레핀 수지조성물 | |
JPS6099148A (ja) | 耐衝撃性ポリプロピレン組成物 | |
US5290865A (en) | Process for producing a lactam compound graft copolymer of ethylene copolymer | |
JP4034150B2 (ja) | 変性ポリオレフィン組成物 | |
JPH05222119A (ja) | メタクリルイミド基含有重合体 | |
JP2943252B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JP3641753B2 (ja) | プロピレン系樹脂組成物 | |
JP3370373B2 (ja) | ポリプロピレン樹脂組成物 | |
JPH05310817A (ja) | ポリプロピレンの変性方法 | |
JPS627736A (ja) | エポキシ基グラフト化ポリオレフイン共重合体の製造法 | |
JPH06329856A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法 | |
JPH0762040A (ja) | 変性ポリエチレンの製造方法 | |
JPH0618954B2 (ja) | Abs樹脂―ポリオレフィン用相溶化剤および該相溶化剤を含有してなる熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH0543767A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH0551502A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH11140258A (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH10168247A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 |