JPH05125083A - 表面処理剤の製造方法 - Google Patents

表面処理剤の製造方法

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JPH05125083A
JPH05125083A JP31330691A JP31330691A JPH05125083A JP H05125083 A JPH05125083 A JP H05125083A JP 31330691 A JP31330691 A JP 31330691A JP 31330691 A JP31330691 A JP 31330691A JP H05125083 A JPH05125083 A JP H05125083A
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JP
Japan
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compound
bond
fluorine
formula
component
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Application number
JP31330691A
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English (en)
Inventor
Atsushi Mori
厚 森
Noriyuki Kobayashi
範行 小林
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Publication date
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  • Silicon Polymers (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、車両、プラスチック等の塗装面に塗
布し、長期劣化防止及び長期間防汚性を有する艶出し剤
の簡便かつ効率のよい製造方法を提供する。 【構成】含フッ素アルキルシラン化合物を加水分解によ
りシラノ─ル誘導体としたのち、Ti若しくはZrアル
コキシド又はそれらのポリマーを縮合させることにより
-M-O-Si- 結合を有する化合物を製造する。 【効果】塗装面と表面処理剤とが化学的に結合し、塗装
面の光沢を向上させ、また、光沢保持効果、塗装面の劣
化防止及び防汚効果を長期間持続させることが出来る塗
装面の表面処理剤が簡便かつ効率よく得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタネ−ト又はジルコ
ネート変性シラン系の表面処理剤の製造方法に係わり、
更に詳しくは、Tiアルコキシド、Zrアルコキシド又
はそれらのポリマーと含フッ素アルキルシラン化合物と
の新規な反応生成物を有効成分とする表面処理剤の製造
方法に関する。本発明に係わる表面処理剤は、塗装面、
金属表面、無機物表面とのぬれ性、耐薬品性、耐汚染性
に優れる為、従来、ワックス、シリコ−ン、フッ素化シ
リコ−ン、フッ素樹脂が使用されて来た分野に広く使用
することが出来る。
【0002】
【従来の技術】塗装面の艶出しワックスとして、カ─ワ
ックス等が、従来から広く市販されている。これらの艶
出しワックスの組成については、各メ─カ─のノウハウ
がありその詳細については不明であるが、その代表的な
成分として、被膜を形成し光沢を出すワックス(ろう)
成分、ワックス成分を流動化して被膜に撥水性を付与す
るシリコーンオイル成分、分散媒としての有機溶剤又は
水、界面活性剤、研磨剤などが配合されていることが知
られている。( Encyclopedia of Chemical Technology
, 第III 版第18巻, 324-325,Kirk-Othmer 、洗浄設計,
春季号(25),63-80,(1980) 、防錆管理,6月9-14,(198
5) など参照)
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】従来の塗装面の表面
処理剤は、前記したようにワックス成分やシリコ−ンオ
イル成分の塗装面への付着による光沢の向上、撥水性の
付与、塗装面の保護等を目的とするものであるが、これ
らは塗装面と化学的に結合する官能基を有する成分を含
有していないため、塗装面と表面処理剤との結合力が弱
く、経時溶失し、その効果の持続性が不十分であった。
本発明は、このような実情から見てなされたもので、塗
装面と表面処理剤とが化学的に結合し、塗装面の光沢を
向上させ、また、光沢保持効果及び防汚効果を長期間持
続させることの出来る表面処理剤を高収率かつ簡便に得
ることが出来る製造方法を提案することを目的とする。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、前記目
的を達成するため鋭意研究した結果、含フッ素アルキル
シラン化合物を酸又はアルカリ触媒存在下に加水分解し
てシラノール誘導体としたのち、Tiアルコキシド、Z
rアルコキシド又はそれらのポリマーとを、酸又はアル
カリ触媒存在下に反応させることにより、光沢向上、光
沢保持、防汚等の優れた効果を有する -M-O-Si- 結合を
有する化合物が効率よくかつ簡便に得られることを見出
し、本発明を完成した。
【0005】本発明は、下記のA成分とB成分のシラノ
ール誘導体とを反応させることを特徴とする -M-O-Si-
結合を有する化合物を含有する塗装面の表面処理剤の製
造方法である。 A成分:一般式M(OR)4 ・・・・・・・・・・・・・ 〔1〕 (式中、M又はTi又はZrを示し、Rは同種又は異種
の炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表される金属
アルコキシドまたはそのポリマ−であり、 B成分:下記一般式〔2〕又は〔3〕で表される含フッ
素アルキルシラン化合物 RfSi(OR’)3 ・・・・・・〔2〕 RfSi(R”)(OR’)2 ・・・・・・〔3〕 (式中、Rf基は、パーフルオロアルキルエーテル構造
を有していてもよい、炭素数3〜20の含フッ素アルキ
ル基を示し、R’は同種又は異種の炭素数1〜22の飽
和又は不飽和脂肪族炭化水素基を示し、R”は炭素数1
〜4のアルキル基を示す)
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるA成分は、一般式M(OR)4 (式中、M及びR
は前出と同じ意味を表す。)で表される金属アルコキシ
ド又はそのポリマ−である。これらのTiアルコキシド
又はZrアルコキシドのアルコキシ基のアルキル基は例
えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、オクチル、2ーエチルヘキシル、デシ
ル基等である。
【0007】本発明において、上記金属アルコキシド
は、単独又は混合系で用いることができる。用いられる
Tiアルコキシド又はZrアルコキシドとして例えば、
次のものをあげることができる。 Ti(OCH3)4,Ti(OC2H5)4, Ti(OC3H7)4, Ti(O-iC3H7)4, Ti
(OC4H9)4, Ti(OC5H11)4,Ti(OC8H17)4, Ti(OC2H5)2(OC8
H17)2,Zr(OCH3)4, Zr(OC2H5)4, Zr(OC3H7)4, Zr(OC2H5)
2(OC8H17)2, 等。
【0008】本発明に用いるA成分として、上記一般式
M(OR)4 の加水分解ポリマーも使用される。これら
の具体例として下記に示すものをあげることができる。
【0009】(C3H7O)3TiO-[Ti(OC3H7)2O-]2 -Ti(OC3H7)
3 , (C4H9O)3TiO-[Ti(OC4H9)2O-]4 -Ti(OC4H9)3,( i-C3
H7O)3TiO-[Ti(O-iC3H7)2O-]7-Ti(O-iC3H7)3,(C4H9O)3Ti
O-[Ti(OC4H9)2O-]10-Ti(OC4H9)3,(C3H7O)3ZrO-[Zr(OC3H
7)2O-]2 -Zr(OC3H7)3 ,(C4H9O)3ZrO-[Zr(OC4H9)2O-]4 -
Zr(OC4H9)3 ,等。
【0010】本発明に用いる含フッ素アルキルシラン化
合物は、特に分子中にパ−フルオロアルキル構造(Cn
2n+1)を含むものであり、下記一般式〔4〕又は
〔5〕で表される化合物を例示することができる。 Cn 2n+1(CH2)m Si(OR’)3 ・・・・・・・・〔4〕 Cn 2n+1(CH2)m Si(R”)(OR’)2 ・・・・・〔5〕 (式中、nは1から14の整数を、mは2から6までの
整数をそれぞれ表し、R’及びR”は、前出と同じ意味
を表す。)より具体的には、CF3 −CH2 CH2 −S
i(OCH3) 3 、CF3 (CF2)3 −CH2 CH2
Si(OCH3) 3、CF3 (CF2)5 −CH2 CH2
Si(OCH3) 3、CF3 (CF2)5 −CH2 CH2
Si(OC2 5)3 、CF3 (CF2) 7−CH2 CH2
−Si(OCH3) 3、CF3 (CF2)11−CH2 CH2
−Si(OC2 5)3 、CF3 (CF2)3 −CH2 CH
2 −Si(CH3 )(OCH3) 2、CF3 (CF2) 7
CH2 CH2 −Si(CH3 )(OCH3) 2、CF
3 (CF2)8 −CH2 CH2 −Si(CH3 )(OC2
5)2 、CF3 (CF2)8 −CH2 CH2 −Si(C2
5 )(OC2 5)2 、等をあげることができる。
【0011】また、本発明の含フッ素アルキルシラン化
合物は、分子内にパーフルオロアルキルエーテル構造を
有しているものも用いることができる。その具体例とし
ては例えば、下記一般式〔6〕、〔7〕で表される化合
物をあげることができる。 Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(OR’)3 ・・・〔6〕 Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(R”)(OR’)2 ・〔7〕 (式中、mは2から6の整数を,pは1から4の整数
を、rは1から10の整数をそれぞれ表し、R’及び
R”は前出と同じ意味を表す。)具体的な化合物の例と
しては、CF3 O(CF2 O)6 −CH2 CH2 −Si
(OC2 5)3 、CF3 O(C3 6 O)4 −CH2
2 −Si(OCH3) 3、CF3 O(C3 6 O)
2 (CF2 O)3 −CH2 CH2 −Si(OCH3) 3
CF3 O(C3 6 O)8 −CH2 CH2 −Si(OC
3) 3、CF3 O(C4 9 O)5 −CH2 CH2 −S
i(OCH3) 3、CF3 O(C4 9 O)5 −CH2
2 −Si(CH3 )(OC2 5)2 、CF3 O(C3
6 O)4 −CH2 CH2 −Si(C2 5)(OC
3)2 、等をあげることができる。
【0012】本発明における -M-O-Si- 結合を有する化
合物は上記A成分とB成分を反応させることにより合成
することが出来る。
【0013】本発明における -M-O-Si- 結合を有する化
合物の製造方法は、上記B成分であるアルコキシシラン
を酸又はアルカリの触媒の存在下、100 ℃以下の温度で
加熱することにより、下記シラノール(8)、(9)、
(10)、(11)、(12)、(13)等を得たの
ち、シラノールと金属アルコキシド若しくはそのポリマ
ーとの縮合反応により -M-O-Si-結合を有する化合物が
製造できる。
【0014】 Cn 2n+1(CH2 m Si(OR’)2 OH ・・・(8) Cn 2n+1(CH2 m Si(OR’)(OH)2 ・・・(9) Cn 2n+1(CH2 m Si(R”)(OR’)OH ・・・(10) Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(OR’)2 OH ・・・(11) Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(OR’)(OH)2 ・・・(12) Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(R”)(OR’)OH ・・・(13)
【0015】(A)シラノールの合成 シラノールは、上記含フッ素アルキルシラン化合物の分
子中のアルコキシ基の少なくともひとつが水酸基に加水
分解された化合物であるが、例えば、下記の反応式に従
つて合成することができる。 Cn 2n+1(CH2 m Si(OR’)3 +H2 O → Cn 2n+1(CH2 m Si(OR’)2 OH+R’OH Cn 2n+1(CH2 m Si(OR’)3 +2H2 O → Cn 2n+1(CH2 m Si(OR’)(OH)2 +2R’OH Cn 2n+1(CH2 m Si(R”)(OR’)2 +H2 O → Cn 2n+1(CH2 m Si(R”)(OR’)OH+R’OH Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(OR’)3 +H2 O → Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(OR’)2 OH+R’OH Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(OR’)3 +2H2 O → Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(OR’)(OH)2 +2R’OH Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(R”)(OR’)2 +H2 O → Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(R”)(OR’)OH +R’OH (式中、n、m,p、r、R’及びR”は前出と同じ意味を表す。)
【0016】上記シラノ─ルの合成において、触媒は、
触媒が酸である場合には、系内のpHが2〜7になるよ
うに、アルカリである場合には、pHが7〜13になる
ように加えられる。反応系内のpHが2以下又は13以
上になると、シロキサンポリマーが生成して、反応物は
ゲル化し、粘度が上昇し、ついには固化して使用できな
い。
【0017】触媒として用いられる酸としては、塩酸、
硫酸、燐酸、硝酸、酢酸等のプロトン酸を例示すること
が出来る。また、アルカリの例としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を例示する
事が出来る。
【0018】上記シラノールの合成反応において、用い
られる水の量は、H2 O/Siのモル比が0.1/1〜
3/1の範囲内、好ましくは、0.5/1〜2/1の範
囲内である。H2 O/Siのモル比が0.1/1以下の
場合には、シラノールの生成収率が悪く、3/1以上の
場合には、反応系内に水が残存してしまい、金属アルコ
キシド(若しくはそのポリマー)との反応時において、
水が金属アルコキシド(若しくはそのポリマー)と副反
応を起こしてしまい、目的とするM-O-Si-結合を有する
化合物の収率が著しく低下する。
【0019】反応温度は20℃〜90℃好ましくは、4
0℃〜70℃である。反応温度が90℃以上になると、
反応物はゲル化する。また、20℃以下では、加水分解
反応の進行は著しく遅くなる。
【0020】上記シラノールの合成は、通常無溶媒で行
うことが出来るが、アルコール類等の有機溶媒を使用す
ることも出来る。得られた上記シラノールは、通常単離
することなく次の反応に用いることができる。
【0021】(B)-M-O-Si-結合を有する化合物の製造 - M-O-Si- 結合を有する化合物は、上記シラノールとT
iアルコキシド、Zrアルコキシド又はそのポリマーと
の脱アルコール反応によって製造できる。-M-O-Si-結合
を有する化合物の合成は、シラノールの反応に連続して
行うことができる。反応は上記シラノールの合成に引き
続いて行われる。通常、シラノールは単離されることな
く次の反応に用いることができる。この反応において
は、酸又はアルカリ触媒が必要であるが、シラノールを
単離することなく行う場合には、シラノールの合成に用
いられた触媒が系内に残存しているので、特に添加の必
要はない。
【0022】反応に用いられる金属アルコキシドの量
は、Si/M(モル比)=0.5/1〜3/1、好まし
くは、1/1〜2/1である。Si/M(モル比)が3
/1以上の場合には、未反応のシラノールが系内に残存
し、目的とする-M-O-Si-結合を有する化合物の収率が低
下する。また、0.5/1以下の場合には、撥水性のよ
い-M-O-Si-結合を有する化合物が得られない。
【0023】反応温度は20℃〜90℃、好ましくは、
40℃〜70℃である。90℃以上の場合には、反応物
がゲル化して目的物の生成収率が低下する。
【0024】反応終了後、副生するアルコールの減圧留
去(通常20〜80mmHg)を行なうことによって簡
便かつ効率よく目的物を得ることができる。
【0025】生成する-M-O-Si-結合を有する化合物は複
雑多岐にわたり、生成物の特定は困難であるが、推定さ
れるこの縮合反応は、例えば以下のようである。
【0026】 Cn 2n+1(CH2 m Si(OR’)2 OH+M(OR)4 → Cn 2n+1(CH2 m Si(OR’)2 O─M(OR)3 n 2n+1(CH2 m Si(OR’)(OH)2 +2M(OR)4 → Cn 2n+1(CH2 m Si(OR’)─(O─M(OR)3 2 n 2n+1(CH2 m Si(R”)(OR’)OH+M(OR)4 → Cn 2n+1(CH2 m Si(R”)(OR’)O−M(OR)3 p 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(OR’)2 OH +M(OR)4 → Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(OR’)2 O−M(OR)3 p 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(OR’)(OH)2 +2M(OR)4 → Cp 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(OR’)− −(OM(OR)3 2 p 2p+1O(Cp 2pO)r (CH2)m Si(R”)(OR’)OH +M(OR)4 → (式中、n、m、R、R’及びR”は、前出と同じ意味を表す。)
【0027】また、-M-O-Si-結合を有する化合物の例と
しては下記一般式
〔9〕,〔10〕等をあげることがで
きる。
【0028】
【化1】
【0029】
【化2】
【0030】本発明における -M-O-Si- 結合を有する化
合物を成分として含有する表面処理剤は、この -M-O-Si
- 結合を有する化合物を有機溶媒に溶解するか、水に分
散して製造され、通常主成分の濃度は0.05〜50重量%で
ある。主成分の濃度が0.05重量以下であると、撥水性の
効果が減少する。また、50重量%以上であると、それ以
上濃度が増しても、効果は上昇することはない。
【0031】前記成分を有機溶媒に溶解する場合の溶剤
としては、ヘキサン、オクタン、石油ベンジン、ミネラ
ルスピリット、ケロシン等の炭化水素類、シリコンオイ
ル、が挙げられる。
【0032】また、A成分とB成分の反応生成物である
-M-O-Si- 結合を有する化合物以外に必要に応じ、研磨
剤等を目的とする性能を損なわない範囲内で配合して使
用することが出来る。
【0033】本発明における-M-O-Si 結合を有する化合
物を成分として含有する表面処理剤を塗装面に塗布する
場合、塗布方法としては刷毛塗り、ロ−ラ−塗り、スプ
レ−塗り、浸漬法等いずれの方法でも行うことが出来
る。
【0034】
【作用】本発明の表面処理剤は、塗装面にほぼ均一な厚
さに塗布することにより、塗装面と化学的に結合してそ
の光沢を向上させ、また、光沢保持効果、防汚効果を長
期間持続することの出来る塗膜を形成する。なお、作用
機構は、詳らかでないが、本発明の必須成分であるA成
分とB成分が反応して得られる-M-O-Si 結合を有する化
合物が、塗装面に塗布された後、溶剤の揮散に伴い、金
属アルコキシドと含フッ素アルキルシラン化合物の反応
生成物である-M-O-Si 結合を有する化合物の一部である
アルコキシ基が分解し、アルコールを副生しつつ、塗装
表面の樹脂と結合し、その際、バルキーなパーフルオロ
アルキル基を表面に向けてネットワークを形成せしめ、
光沢、撥水性を有し、防汚効果を長期間持続する強靱な
塗膜を形成するものと考えられる。
【0035】本発明の表面処理剤は、車両等の塗装面に
塗布する長期間防汚性を有する艶出し剤として有用であ
る。
【0036】
【実施例】本発明を、実施例及び比較例により、更に具
体的に説明する。ただし、本発明は、これら実施例によ
り何ら限定されるものではない。なお、各例中、「部」
は、特に断りのない限り、「重量部」を意味する。
【0037】(a) -Si-O-Ti-結合を有する化合物の合
成(1) 含フッ素アルキルシラン化合物として C8F17C2H4Si(OC
H3)3を56.8gを丸底フラスコに仕込み、これに溶媒
としてエタノ−ルを4.6g、触媒として0.1N塩酸1g
を加えて攪拌し、これに、水3.6gを徐々に滴下し
た。2時間攪拌をした後、テトラキス(2−エチルヘキ
ソキシ)チタン56.4gを滴下し、2時間攪拌を継続
した。続いて減圧下20〜40mmHg 、浴温60℃で副生し
たアルコ−ル類、溶媒のアルコ−ルを追い出し、やや粘
性を有する透明液体(A−1)98.8gを得た。この
ものはIR分析の結果、935カイザ−にSi-O-Ti 結合
に由来する吸収を有していた。また、900℃加熱によ
り、SiO2+TiO2の含量を測定した結果、14.1% であ
つた(理論値14.2% )。また、元素分析の結果、C
43.0% ,H6.5%,O9.9%,F32.9% であつた。(理論値
C43.7% 、H6.2%,O 9.7% ,F32.7% )以上の結
果、このものの予想される式としては例えば下記構造
〔11〕が推定された。
【0038】
【化3】
【0039】(b) -Si-O-Ti-結合を有する化合物の合
成(2) 含フッ素アルキルシラン化合物として C9F19C2H4Si(OC
2H5)3 を618gを丸底フラスコに仕込み、これに溶媒とし
てエタノ−ルを46g 、触媒として0.1N硫酸10gを加えて
攪拌し、これに、水18g を徐々に滴下した。2時間攪拌
をした後、テトライソプロポキシチタン284gを滴下し、
2時間攪拌を継続した。続いて減圧下20〜40mmHg、浴温
60℃で副生したアルコ−ル類、溶媒のアルコ−ルを追
い出し、やや粘性を有する透明液体(A−2)856 gを
得た。このものはIR分析の結果、935カイザ−にSi
-O-Ti 結合に由来する吸収を有していた。また、900
℃加熱により、SiO2+TiO2の含量を測定した結果、16.1
% であった(理論値16.4% )。また、元素分析の結果、
C 33.2%,H4.5%,O11.4% ,F42.0% であった。(理
論値 C33.6% 、H4.1%,O11.2% ,F42.2% )以上の
結果、このものの予想される式としては例えば下記構造
〔12〕が推定された。
【0040】
【化4】
【0041】(c) -Si-O-Ti-結合を有する化合物の合
成(3) 含フッ素アルキルシラン化合物として、CF3 2 4
Si(OCH3 3 218 gを丸底フラスコに仕込み、こ
れに溶媒としてエタノ−ルを46g 、触媒として0.1N硫酸
18gを加えて攪拌し、これに、水18g を徐々に滴下し
た。2時間攪拌をした後、ジプロポキシジ(2 - エチル
ヘキソキシ)チタン424gを滴下し、2時間攪拌を継続し
た。続いて減圧下20〜40mmHg、浴温60℃で副生したア
ルコ−ル類、溶媒のアルコ−ルを留去し、やや粘性を有
する透明液体(A−3)568 gを得た。このものはIR
分析の結果、935カイザ−にSi-O-Ti 結合に由来する
吸収を有していた。また、900℃加熱により、SiO2
TiO2の含量を測定した結果、24.9% であった(理論値2
4.6% )。また、元素分析の結果、C 50.1%,H9.5%,
O16.7% ,F10.3% であった。(理論値 C50.7% 、H
9.0%,O16.9% ,F10.0% )以上の結果、このものの予
想される式としては例えば下記構造〔13〕が推定され
た。
【0042】
【化5】
【0043】(d) -Si-O-Ti-結合を有する化合物の合
成(4) 含フッ素アルキルシラン化合物として、CF3 2 4
Si(OCH3 3 218 gを丸底フラスコに仕込み、こ
れに溶媒としてエタノ−ルを46g 、触媒として0.2N水酸
化ナトリウムエタノール溶液10gを加えて攪拌し、これ
に、水18g を徐々に滴下した。2時間攪拌をした後、テ
トライソプロポキシチタン284gを滴下し、2時間攪拌を
継続した。続いて減圧下20〜40mmHg、浴温60℃で副生
したアルコ−ル類、溶媒のアルコ−ルを留去し、やや粘
性を有する透明液体(A−4 )766 gを得た。このもの
はIR分析の結果、935カイザ−にSi-O-Ti 結合に由
来する吸収を有していた。また、元素分析の結果、C 3
7.3%,H7.1%,O20.8% ,F14.6% であった。(理論値
C37.6%、H6.8%,O20.9% ,F14.9% )以上の結
果、このものの予想される式としては例えば下記構造
〔14〕が推定された。
【0044】
【化6】
【0045】(e) -Si-O-Ti-結合を有する化合物の合
成(5) 含フッ素アルキルシラン化合物として、C8 172
4 Si(OCH3 3 568 gを丸底フラスコに仕込み、
これに溶媒としてエタノ−ルを46g 、触媒として0.4N塩
酸10gを加えて攪拌し、これに、水18g を徐々に滴下し
た。2時間攪拌をした後、テトライソプロポキシチタン
142gを滴下し、2時間攪拌を継続した。続いて減圧下20
〜40mmHg、浴温60℃で副生したアルコ−ル類、溶媒の
アルコ−ルを留去し、やや粘性を有する透明液体(A−
5)636 gを得た。このものはIR分析の結果、935
カイザーに-Si-O-Ti結合に由来する吸収を有していた。
また、元素分析の結果、C 28.0%,H2.7%,O10.1% ,
F51.3% であった。(理論値 C28.3% 、H2.7%,O1
0.1% ,F51.0% )また、900℃加熱により、SiO2+T
iO2の含量を測定した結果、15.9% であった(理論値15.
7% )。以上の結果、このものの予想される式としては
例えば下記構造〔15〕が推定された。
【0046】
【化7】
【0047】上記実施例も含め本発明の製造例(A−
1)〜(A−8)を表1にまとめた。
【表1】
【0048】(g)表面処理剤の調製 (a)項で合成した(A−1)5gをPSO35(ジメ
チルポリシロキサン、チッソKK製)25g、エクゾー
ルD100−140(エクソン化学KK製)70gに溶
解した表面処理剤(F−1)を調製した。同様にして、
表2に示した如く-M-O-Si-結合を有する化合物(A−
1)〜(A−8)を溶媒等に混合又は乳化し、表面処理
剤、(F−2)〜(F−10)を調製した。
【0049】比較として、Tiアルコキシドと含フッ素
アルキルシラン混合物を溶媒に混合した場合の表面処理
剤例(R−1)を調製した。また、比較のため、従来型
ワックスを試料(R−2)として使用した。
【0050】
【表2】
【0051】前記の本発明の表面処理剤(F−1)〜
(F−10)、比較用試料(R−1)、(R−2)を用
いた実施例1〜実施例10、比較例1、2について、次
の諸試験を行い、これらの測定結果を参考例として、表
3、表4に示した。
【0052】(h)汚染試験 300 ×450mm のJISK−5400に準拠した白色及び
黒色の一般自動車用アクリルメラミン樹脂の塗装鉄板
を、ハンネリコンパウンド(KKウイルソン製)を用いて
研磨して傷を付け、使用中の塗装板と同等の光沢度40
〜50度に調製した。この塗装板に、前述の表面処理剤
(F−1)〜(F−10)、(R−1)、(Rー2)を
各々塗布し、25℃の温度で24時間乾燥した後、布
切れを用いて拭きあげ、表面処理板とした。アセチレン
ブラック(商品名:XC−550− 0.1%、電気化学工
業KK製)を炭化水素系溶剤(商品名:エクゾ−ルD−1
00−140、エクソン化学KK製)に分散させた汚染液
を、前記表面処理板にスプレ−し、70℃の温度に30
分間放置した後に拭き取る操作を3回繰り返し、汚染処
理をした。次いで、汚染処理前と汚染処理後の光沢度
を、20グロスメ−タ−(村上色彩研究所製)を用いて
測定した。
【0053】(i)水滴の接触角の測定 (b)項の汚染試験の表面処理板に、ピペットより水を
滴下し、水滴を生成させ、その接触角をコンタクタング
ルメ−タ−(CA−D−1型、協和製)を用いて測定し
た。
【0054】(j)実車試験 白色塗装車(日産自動車製)4台を準備し、その中の3
台に(a)項で調製した各試料を(a)項と同様の方法
で塗布し、88日間の走行テストを行った。この間25
日間は雨天での走行であった。走行テスト前後及び走行
後ウエスで汚染を吹き取った後の光沢度を前記測定器を
用いて測定した。また、汚染除去後の撥水性及び防汚性
を観察した。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の表面処理
剤は、含フッ素アルキルシラン化合物を加水分解してシ
ラノール誘導体としたのち、金属アルコキシド又はその
ポリマーとの縮合反応によって、効率よくかつ簡便に製
造することができる。本発明の表面処理剤は、塗装面と
表面処理剤とが化学的に結合し、塗装面の光沢を向上さ
せ、光沢保持効果及び防汚効果を長期間持続させること
が出来るものである。また、本発明の表面処理剤は、車
両、プラスチック、木材、金属、無機物(大理石、ガラ
ス)、屋内、屋外用建材等の塗装面に塗布し、長期間防
汚性を有する艶出し剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09G 1/00 A 6917−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のA成分とB成分とを反応させること
    を特徴とする -M-O-Si- 結合を有する化合物の製造方
    法。 A成分:一般式M(OR)4 ・・・・・・・・・・・・・・・〔1〕 (式中、MはTi又はZrを示し、Rは同種又は異種の
    炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表される金属ア
    ルコキシド又はそのポリマ− B成分:下記一般式〔2〕又は〔3〕で表される含フッ
    素アルキルシラン化合物 RfSi(OR’)3 ・・・・・・〔2〕 RfSi(R”)(OR’)2 ・・・・・・〔3〕 (式中、Rf基は、パーフルオロアルキルエーテル構造
    を有していてもよい、炭素数3〜20の含フッ素アルキ
    ル基を示し、R’は同種又は異種の炭素数1〜22の飽
    和又は不飽和脂肪族炭化水素基を示し、R”は炭素数1
    〜4のアルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】請求項1に記載の -M-O-Si- 結合を有する
    化合物の製造方法において、一般式〔2〕又は〔3〕で
    表されるB成分である含フッ素アルキルシラン化合物を
    酸又はアルカリ触媒の存在下において加水分解して、一
    般式〔2〕,又は〔3〕の化合物の分子中のOR’基の
    少なくともひとつを水酸基としてシラノール誘導体とし
    たのち、一般式〔1〕の金属アルコキシド又はそのポリ
    マーを反応させることを特徴とする -M-O-Si- 結合を有
    する化合物の製造方法。
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