JPH05124183A - インクジエツト記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 インクジェット記録装置は記録紙を搬送する
手段，所定位置における記録紙の有無を検出する手段，
および検出手段が所定位置における記録紙の非存在を検
出し、引きつづいて搬送手段が所定量の搬送動作を行っ
た時に検出手段が所定位置における記録紙の存在を検出
した場合、検出手段による先の記録紙非存在の検出が記
録紙に設けられた穴の検出であると判定し、記録紙の穴
の周囲における記録を禁止する手段を具えている。 【効果】 紙センサでファイル穴を検出し自動的にファ
イル穴近辺の記録を禁止することにより、記録装置がイ
ンクで汚れるのを防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はシリアル方式のインクジ
ェット記録装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】記録装置の普及に伴い、記録媒体として
使用する用紙もプリンタ専用紙であるロール紙やファン
フォールトのような連続紙から一般的なカット紙に変わ
りつつある。また用紙の種類も多岐にわたり、中には紙
の左端にファイリング用の穴があらかじめ開けられた紙
もある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしインクジェット
記録装置でそのようなファイル穴の開いた紙を用いる
と、噴射したインクが穴の部分を通り抜けて装置本体に
付着し、装置を汚してしまうという問題が生じる。これ
を防ぐには利用者が穴の部分をよけた記録データを作成
したり、記録装置の記録位置を穴の位置よりも右端に設
定したりする必要があるが、記録データの作成が煩雑で
あったり用紙の左端まで記録できないという欠点があっ
た。

【０００４】本発明はこのような従来の欠点を解消し、
簡単な構成で不要の位置に記録することのないインクジ
ェット記録装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明によるインクジェット記録装置は記録紙
を搬送する手段，所定位置における前記記録紙の有無を
検出する手段，および前記検出手段が前記所定位置にお
ける前記記録紙の非存在を検出し、引きつづいて前記搬
送手段が所定量の搬送動作を行った時に前記検出手段が
前記所定位置における前記記録紙の存在を検出した場
合、前記検出手段による先の記録紙非存在の検出が前記
記録紙に設けられた穴の検出であると判定し、前記記録
紙の該穴の周囲における記録を禁止する手段を具えたこ
とを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明によれば、紙センサでファイル穴を検出
してファイル穴近辺の記録を禁止することにより、記録
紙のファイル穴の近辺を自動的によけて記録することが
でき、記録装置がインクで汚れることを防ぐことができ
る。

【０００７】

【実施例】以下図面を参照して本発明を具体的に説明す
る。

【０００８】図１は本発明を実施した記録装置の搬送系
の構成を示す模式図である。１は搬送ローラー、２は給
送ローラー、３は排出ローラー、４は紙センサ、５は記
録紙、６は記録ヘッドである。

【０００９】搬送ローラー１は不図示のステッピングモ
ーターによって回転され、記録紙５を巻き付け搬送す
る。給送ローラー２は記録紙５を搬送ローラー１に押し
つける。排出ローラー３は記録の終了した紙を排出す
る。紙センサ４は記録紙５の有無を検出する。記録ヘッ
ド６には６４個のインクジェットノズルが縦に配列して
設けられており、各ノズルの先端開口部は記録紙５に対
向している。

【００１０】図２は本発明を実施した記録装置の構成を
示す模式図である。７はキャリッジ、８はガイド軸、９
は記録紙５上のファイル穴である。

【００１１】キャリッジ７は記録ヘッド６を搭載し、ガ
イド軸８に支持され水平方向に往復走査される。紙セン
サ４の水平方向における位置はファイル穴９と一致して
いるため、紙センサ４は記録紙５そのものの有無のみな
らずファイル穴９を検出する。

【００１２】図３は本発明を実施した記録装置の制御方
法を示すフローチャートである。Ｓ１において記録デー
タを記録装置内のメモリにビットイメージで展開する。
Ｓ２においてマスクフラグがセットされているかどうか
を調べ、セットされていなければＳ５へ進む。マスクフ
ラグのセット，リセットについては図４において説明さ
れる。マスクフラグがセットされていればＳ３において
記録データの位置がマスク位置と重なっているかどうか
を調べ、重なっていなければＳ５へ進む。重なっていれ
ばＳ４においてマスク位置と重なっている部分の記録デ
ータをマスクする。この結果ファイル穴位置の記録デー
タは消去される。Ｓ５においてキャリッジを走査して１
行分の記録を行う。Ｓ４においてファイル穴位置の記録
データは消去されているため、Ｓ５においてファイル穴
位置にインクが噴射されることはない。Ｓ６において排
紙フラグがセットされているかどうかを調べ、セットさ
れていなければＳ７において紙送りを行いＳ１へ戻る。
排紙フラグのセット，リセットおよび紙送り方法につい
ては図４において詳細に説明する。Ｓ６においては排紙
フラグがセットされている場合、Ｓ８において記録位置
が排紙位置に達しているかどうかを調べて達していなけ
ればＳ７へ進む。達していればＳ９において排紙して１
ページの記録を終了する。

【００１３】図４は本発明を実施した記録装置の紙送り
方法を示すフローチャートである。Ｓ１０において紙送
りモーターを１ステップ回転させ、記録紙を搬送させ
る。Ｓ１１において紙無しフラグがセットされているか
どうかを調べ、セットされていなければＳ１２へ進む。
Ｓ１２において紙センサの状態を調べ、紙があればＳ１
４へ進む。紙が無ければＳ１３において紙無しフラグを
セットし、紙無しになった位置を記憶する。Ｓ１４にお
いて紙送りに必要とするステップ数だけ紙送りモータを
回したかどうか調べ、必要ステップに達していなければ
Ｓ１０へ戻る。達していれば紙送りを終了する。Ｓ１１
において紙無しフラグがセットされていればＳ１５へ進
む。Ｓ１５において紙センサの状態を調べ、紙が無けれ
ばＳ１６へ進む。Ｓ１６において、紙無しフラグをセッ
トした位置から８ｍｍ以上紙を搬送したかどうかを調べ
る。搬送していればＳ１７において排紙フラグをセット
し、以前に記憶していた紙無しになった位置を新たに排
紙位置として記憶し、紙無しフラグはリセットする。Ｓ
１５において紙があれば、Ｓ１８においてマスクフラグ
をセットし、以前に記憶していた紙無しになった位置か
ら紙を検知した現在の位置までをマスク位置として記憶
する。

【００１４】以上の動作により、記録紙上の紙無し距離
が８ｍｍより小さいときはファイル穴と判断し、その位
置をマスク位置として記憶する。また紙無し距離が８ｍ
ｍより大きいときは真の紙無しと判断しその位置を排紙
位置として記憶することが可能となる。

【００１５】図５に上述した本発明の実施例によって記
録された記録紙の様子を示す。図に示すように記録紙１
０１上の記録領域１０２はファイル穴１０３の近辺を自
動的によけることができ、記録装置がインクで汚れるこ
とを防ぐことができる。

【００１６】（その他）なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
（例えば電気熱変換体やレーザ光等）を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化，高精細化が
達成できるからである。

【００１７】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書，同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型，
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも１つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体（インク）
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長，収縮により吐出用開口を介して液体（インク）を吐
出させて、少なくとも１つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体（インク）の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第４４６３３５９号明細書，同第
４３４５２６２号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第４３１３１２４号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。

【００１８】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口，液路，電気熱変換体
の組合せ構成（直線状液流路または直角液流路）の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第４５５８３３３号明細書，米国特許第４４
５９６００号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭５９−１２３６７０号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭５９−１３８４６１号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。

【００１９】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された１個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。

【００２０】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。

【００２１】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。

【００２２】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して１個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。

【００２３】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を３０℃以上７０℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭５４−５６８４７号公報あるいは特開昭６０−７
１２６０号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。

【００２４】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば紙
センサでファイル穴を検出し自動的にファイル穴近辺の
記録を禁止することにより、記録装置がインクで汚れる
のを防ぐことができる。ファイル穴検出センサは従来の
紙センサを兼ねているため、コストの上昇は招かない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例における搬送系の構成を示す模
式図である。

【図２】本発明による記録装置の実施例の構成を示す模
式図である。

【図３】記録装置の制御方法を示すフローチャートであ
る。

【図４】紙送り方法を示すフローチャートである。

【図５】本発明を実施した記録装置における記録領域を
示す図である。

【符号の説明】

１ 搬送ローラー ４ 紙センサ ５ 記録紙 ６ 記録ヘッド ９ ファイル穴

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録紙を搬送する手段，所定位置におけ
   る前記記録紙の有無を検出する手段，および前記検出手
   段が前記所定位置における前記記録紙の非存在を検出
   し、引きつづいて前記搬送手段が所定量の搬送動作を行
   った時に前記検出手段が前記所定位置における前記記録
   紙の存在を検出した場合、前記検出手段による先の記録
   紙非存在の検出が前記記録紙に設けられた穴の検出であ
   ると判定し、前記記録紙の該穴の周囲における記録を禁
   止する手段を具えたことを特徴とするインクジェット記
   録装置。
2. 【請求項２】 前記記録が熱エネルギーを利用してイン
   クに気泡を生成させ、該気泡の生成に基づいてインクを
   吐出するインクジェット記録ヘッドによることを特徴と
   する請求項１に記載のインクジェット記録装置。