JPH051224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は傾斜地適応性を高めた畑用２畦型移
植機に関するものである。

（従来の技術） 従来から紙の様な薄膜から作られた育苗容器と
して例えばペーパーポツト（登録商標）で育苗し
た鉢体苗を２畦同時に植付ける畑用２畦型移植機
として、機体の左右に植付深度調節輪を設け、こ
の調節輪の中間位置後方にオープナを設け、この
オープナを挟む形で鎮圧成畦輪を設け、この鎮圧
成畦輪の後方に左右２輪からなる接地輪を設ける
畑用１畦型移植機を１単位としてこれを２単位並
設し前記植付深度調節輪および接地輪をそれぞれ
１つの軸に取り付けた構造のものが供されてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） 従来から供されている畑用２畦型移植機にあつ
ては、１畦型の移植機構造を２系並設したもので
あるため、各系の植付け部が機構的に独立した形
となり、１系の機体高さに対して機体幅が極度に
狭く、これにより各系の安定性が損なわれ、また
機体幅を畦間以上に広くすることができず、傾斜
地圃場の等高線上の走行の場合、上記理由により
機体が傾斜地角度以上に傾斜して機体の左右方向
のバランスが崩れ不安定となるばかりでなく、苗
の植付け姿勢を不揃とするとか、或は圃面の凹凸
形状により、一軸に取り付けた植付深度調節輪あ
るいは一軸に取り付けた接地輪の各４輪のうちの
１つが浮くことがあり、これによつて植付けが不
安定になる等の不都合があり、特に傾斜地適応性
の高い畑用２畦型移植機の開発が待たれていた。

（問題点を解決するための手段） この考案は、上記事情に鑑みなされたもので、
トラクタ等の牽引車に装着して作業する植付深度
調節輪、オープナ、鎮圧成畦輪及び接地輪をこの
順に配設する配設において、前記植付深度調節輪
を機体の左右側枠より外側に突出して位置せしめ
ると共に左右独立して高さ位置調節可能となし、
その後方に左右の植付深度調節輪幅の中間位置よ
り左右対称に並列してオープナー、オープナーの
後方に鎮圧成畦輪を直列に設け、更にその後方に
前記接地輪を前記左右の植付深度調節輪の中間に
位置せしめて設けて三点支持輪構造とすることに
より特に傾斜地適応の高い畑用２畦型移植機を完
成したものである。

（作用） 機体の両側枠１０２、１０３を横切る横棒１２
１の両側に固定したアーム１２８，１２９の下部
に植付深度調節輪１３０，１３１を回転可能に軸
支し、前記横棒１２１に固設した取り付け具１２
６，１２７と、張り出し１１９，１２０から垂下
する支持桿１２２，１２３の下部をロツトエンド
１２４，１２５で接続し、更に横棒１２１に固設
した部材１３６，１３７にＬ字状アーム１１７，
１１８の垂直部に一側を回転可能に取り付ける平
行リンク１３２，１３３及び１３４，１３５の他
側をロツトエンド１３８，１３９及び１４０，１
４１で接続したことにより、ハンドル１４４，１
４５を操作することで左右の植付深度調節輪１３
０，１３１は全く支障なく左右独立して高さ位置
が調節できる。この結果、左右の植え付け部と植
付深度調節輪１３０，１３１のそれぞれの位置が
変化し左右の植え付け深さを変化させる。更に、
機体の支持が前方２点、後方１点の３点支持とな
るので傾斜地における安定性が高くなる。

（実施例） この考案を、図面に示す実施例により詳細に説
明する。

第４図は従来の畑用２畦型移植機の下部構造を
示し、機体の進行方向（矢印Ａ）前方より植付深
度調節輪２０１、オープナ２０２、鎮圧成畦輪２
０３及び接地輪２０４をこの順に設ける。この下
部構造は畑用１畦型移植機の構造をそれぞれ並設
したもので植付深度調節輪２０１の４輪を１つの
軸２０５に取り付け、また接地輪２０４の４輪を
１つの軸２０６に取り付ける。また前記軸２０５
に取り付ける植付深度調節輪２０１の４輪は軸２
０５の高さ位置を調節する調節機構（図示せず）
により一体となつて上下する。かかる構造のため
多重量となり機体横幅が制限され左右方向のバラ
ンスが特に傾斜地にあつて崩れる傾向にある。

第１図〜第３図はこの考案の例を示し、第１図
は全体の側面図を、また第２図は左方視部分側面
図を、また第３図は下部構造を示す。１０１は移
植機で、左右の側枠１０２，１０３、前方枠１０
４，後方枠１０５からなる機枠１０６上に苗Ｐを
載置移送するコンベア１０７，１０８を設け、該
コンベア１０７，１０８に近接して苗引き出し装
置１０９，１１０を配設し、これの前方に苗分離
ローラ１１１，１１２を設ける。１１３，１１４
は苗分離ローラ１１１，１１２により１個１個に
分離した苗P′を受ける制止体で下方に苗落下管１
１５，１１６が接続する。１１７，１１８はそれ
ぞれ前方枠１０４に固設或は一体化により取り付
けるＬ字状アーム板で水平方向となる端部に張り
出し１１９，１２０を固設或は一体化により取り
付ける。１２１は側枠１０２，１０３を横切り外
側に突出する長さを有する横棒で前記張り出し１
１９，１２０に高さ位置調節可能として垂れ下が
る支持桿１２２，１２３の下端にロツトエンド１
２４，１２５により回動可能に取り付けた取り付
け具１２６，１２７に固設して支持し、前記横棒
１１９の両側部にアーム１２８、１２９の上縁を
固設し、下部に植付深度調節輪１３０，１３１を
回転可能に支持する。１３２，１３３及び１３
４，１３５は平行リンクで一側を前記Ｌ字状アー
ム１１７，１１８の垂直部の下方部にそれぞれ回
動可能に取り付け、他側を前記横棒１２１に固設
した部材１３６，１３７にロツトエンド１３８，
１３９及び１４０，１４１により回動可能に取り
付ける。前記張り出し１１９，１２０に垂下する
支持桿１２２，１２３の高さ位置を調節する手段
は種々あり、特定の構造に限定されるものではな
いが、例えば図に示すように支持桿１２２，１２
３の上部に螺子１４２，１４３を付与し、張り出
し１１９，１２０にこの螺子１４２，１４３が通
過できる穴（図示せず）を設け、張り出し１１
９，１２０の上面に螺子１４２，１４３に螺合す
る雌螺子を付与したハンドル１４４，１４５を設
ける構造も適用できる。１４６，１４７は、オー
プナで前記左右の側枠１０２，１０３に上部を固
定する。１４８，１４９は鎮圧成畦輪で、第３図
に示すようにそれぞれオープナ１４６，１４７を
中間位置とする一対の輪体から構成される。１５
０は接地輪で前記植付深度調節輪１３０，１３１
の接地位置の中間位置として取り付け、アーム１
５１に回転可能にした軸１５２に固定する。１５
３は軸１５２に固定した鎖車で、伝導部１５４に
回転力を伝達しコンベア１０７，１０８、苗引き
出し装置１０９，１１０及び苗分離ローラ１１
１，１１２を回転する。１５７は図示しないトラ
クタ等の牽引車の後部３点ヒツチに接続するトツ
プリンクで前方枠１０４に固定し、１５８，１５
９はローアリンクピンである。

この考案は、上記の如くで、この考案の範ちゆ
うにおいて各種の変形或は修正がなされてよく実
施例に制限されない。また、この考案は、第３図
及び第４図に示すこの考案と従来の畑用２畦型移
植機の下部構造比較から明らかなように、従来の
ものに比べて植付深度調節輪が２輪、接地輪が３
輪減少するので軽重量となり、また構造も簡単に
なる。

（効果） この考案によるときは、従来の２系型を１体化
するので機体幅に対する機体高さが低位となり、
加えて圃面と接する植付深度調節輪が、機体の左
右両側枠より外側に突出して位置せしめているた
め、機体の安定性が良好となり、また機体を前方
２点、後方１点の３点で支持し、前方を支持する
左右の植付深度調節輪をそれぞれ独立して高さ位
置を調節可能とするので傾斜地においても傾斜角
に対応した植え付け深さとすることができ、常時
揃つた植え付けをもたらし、軽重量化により牽引
動力を減少するので、苗の機械移植に使用して有
益なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第
２図は第１図左方視側面部分図、第３図は第１図
の下部構造平面図、第４図は従来の畑用２畦型移
植機の下部構造平面図である。 １０１……移植機、１０６……機枠、１１７，
１１８……Ｌ字状アーム板、１１９，１２０……
張り出し、１２１……横棒、１２２，１２３……
支持桿、１２４，１２５，１３８，１３９，１４
０，１４１……ロツトエンド、１２６，１２７…
…取り付け具、１３０，１３１……植付深度調節
輪、１３２，１３３，１３４，１３５……平行リ
ンク、１３６，１３７……部材，１４２，１４３
……螺子、１４４，１４５……ハンドル、１４
６，１４７……オープナ、１４８，１４９……鎮
圧成畦輪、１５０……接地輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクター等の牽引車に装着して作業する植付
   深度調節輪、２畦に対応するオープナー、各オー
   プナーに対応する鎮圧成畦輪及び接地輪を下部構
   造としてこの順に配設する畑用２畦型移植機にお
   いて、左右独立して高さ位置調節可能とした植付
   深度調節輪を機体の両側枠より外側に突出して位
   置せしめると共に、該植付深度調節輪の後方に、
   左右植付深度調節輪間の中間部位置を挟んで並設
   するオープナー、その後方にオープナーに対応し
   て鎮圧成畦輪を設け、更にその後方で左右植付深
   度調節輪間の中間部位置に接地輪を設け三点支持
   輪構造としたことを特徴とする畑用２畦型移植
   機。