JPH0511512A - 二成分磁気ブラシ現像法 - Google Patents

二成分磁気ブラシ現像法

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JPH0511512A
JPH0511512A JP16044391A JP16044391A JPH0511512A JP H0511512 A JPH0511512 A JP H0511512A JP 16044391 A JP16044391 A JP 16044391A JP 16044391 A JP16044391 A JP 16044391A JP H0511512 A JPH0511512 A JP H0511512A
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toner
equation
photoconductor
magnetic brush
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JP16044391A
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Yukio Sasaki
幸雄 佐々木
Masatoshi Kimura
正利 木村
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は二成分磁気ブラシ現像法に関し、印
字品位を安定に保もてる二成分磁気ブラシ現像法を実現
することを目的とする。 【構成】 次式の条件を全て満たすように構成する。 (a)現像濃度条件 【数1】 (b)かぶり濃度条件 【数2】 (c)転写条件 【数3】 但し、εo は真空の誘電率(8.854×10-12F/m)、ε
r1はトナー層の比誘電率、δはトナーの比重、pはトナ
ー層の充填率、Vtsは飽和トナー電圧(実効潜像強度:
b −Vo ;Vb は現像バイアス電圧、Vo は潜像電
位)、γは比例定数(=0.5)、Mはトナー付着量、d
m は感光体の厚さ、εm は感光体の比誘電率、Vs は一
様帯電電位、rt はトナーの半径、Fa12 はトナー径が
12μm付近においてトナーと感光体間の機械的な付着力
(4.2×10-8N)、dt は現像後のトナー層の厚さ(≒
2rt )、mはトナー1個の平均的な質量、σcoは最適
転写電荷量(320μC/m2)、Tp はトナー比電荷であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真記録装置等に
用いられる二成分磁気ブラシ現像法に係り、記録プロセ
スのパラメータ設定条件に関する。特に、トナーの帯電
量は、現像・転写等の印字プロセスに大きく影響を及ぼ
し、印字品位を左右する重要な値である。この値を設定
するために、他のプロセスパラメータを考慮して、トナ
ー帯電量を決定する必要がある。
【0002】
【従来の技術】現在、普通紙に早く綺麗な印字ができる
電子写真記録方式が広く用いられている。図2に電子写
真記録方式を用いたプリンタの構成例を示し、記録原理
を説明する。例えば、セレンを用いた感光体ドラムをコ
ロナ帯電器により、正の電荷で均一に帯電する。その
後、画像パターンに従って露光を行い、目に見えない電
荷の像(潜像)を形成する。その後、現像器により帯電
した着色微粒子であるトナーをこの潜像に付着させ、可
視像とする。このトナー像に記録紙を重ね、背面からコ
ロナ帯電器により、帯電トナーと逆極性の電荷を与え、
静電的にトナーを記録紙に写す。転写されたトナー像
は、ヒートローラ等により溶かされ記録紙に固定され
る。一方、転写されずに残った感光体上の残留トナー
は、ファーブラシクリーナ等により、除去される。この
過程を繰り返し、連続的に印字を行う。
【0003】図2に示すような電子写真記録の現像方式
としては、一般的に磁気ブラシ現像器が用いられてい
る。図3に磁気ブラシ現像器の構成の一例を示す。現像
器は、固定されたマグネットローラ上に、回転可能な非
磁性の金属スリーブが設けられている。現像剤として
は、通常、直径 100μm程度の鉄粉からなるキャリア
と、直径10〜12μm程度の樹脂であるトナーがある一定
割合で混合されている。トナーとキャリアとが攪拌され
ると、トナーとキャリアとの摩擦により帯電し、キャリ
ア表面に静電的に付着する。
【0004】図4に、磁気ブラシ現像器での現像領域の
様子を示す。図4(a)は潜像部を目に見える像とする
画像部の状態を示し、図4(b)は潜像部以外の部分す
なわち背景部の状態を示している。現像器に掛けるバイ
アス電圧Vbは、一般に均一帯電電位Vs と潜像電位V
o との間に設定されている。すると、画像部において
は、帯電トナーが感光体表面に移動する方向の電場が発
生し、この電場により帯電トナーが感光体表面に付着す
る。一方、背景部においては、感光体表面から現像器に
向けて電場が発生し、帯電トナーが逆に現像器側に移動
する方向の力が働く。このため通常では、感光体表面に
機械的に付着している帯電トナーは静電的に除去され、
背景部の汚れのない綺麗な印字が可能となると考えられ
ていた。
【0005】従来の二成分磁気ブラシ現像方式において
は、かぶり発生のメカニズムが解明されておらず、トナ
ーの帯電電荷量とかぶり現象との関係が明らかにされて
いなかった。このため、ややもすると、背景部が全体的
に灰色がかった印字になることが多かった。さらに、印
字濃度と直接に関係しているトナーの帯電量と画像濃度
との関係についても明らかにされておらず、開発した各
種の電子写真装置毎に感と経験によって、トナーの帯電
量を決定しているのが現状であった。このため、非常に
多くの開発工数を必要としていた。
【0006】この問題を解決するために、特開平2−24
2267号公報に示すように、電子写真プロセス全体につい
て詳細な検討を行った。その結果、トナーの帯電量は、
現像プロセスと転写プロセスのみに影響を与えているこ
とを明らかにした。現像プロセスでは、感光体表面へ
のトナーの付着量すなわち印字の濃さ、画像部以外の
場所である背景部へのトナーの付着による汚れ(かぶり
現象)、とに大きく影響を与えており、転写プロセスで
は、トナー像の記録紙への転写効率に影響を与えている
ことを明らかにした。
【0007】以下では、印字品位に影響を及ぼす、現
像時のトナー付着量、かぶり現象、トナー像の静電
転写効率、とトナーの帯電量との関係について理論的・
実験的に詳細な説明を行い、良好な印字品位を得るため
に必要なトナー帯電量の条件を求める。
【0008】(a)現像時のトナー付着量からの条件 二成分磁気ブラシ現像法のトナー付着量についての理論
的な検討は、文献(中島、木村、堀江、松田:“磁気ブ
ラシ現像の動的解析”、電子情報通信学会、論文誌(C),
J61−C, 9, pp.601−606(昭和53−09).) に示されるよ
うに十分検討が加えられている。
【0009】二成分磁気ブラシ現像は、図5に示すよう
に静電潜像を帯電トナーで埋めていく過程である。図に
示すような反転現像法では、電荷の除去された潜像部に
同極性のトナーを、磁気ブラシと感光体間の電界により
付着させる。図6に示すように速度υd で移動している
感光体ドラムの速度υm の磁気ブラシが相対して現像し
ている場合を考える。ここで、トナーの供給能θを次で
定義する。
【数4】
【0010】ここで、nは多段現像などを考慮した場合
の繰り返し現像回数である。今、現像過程を現像領域へ
のトナーの搬送供給とトナーの感光体表面への静電力に
よるトナーの移動とに分けて考える。前者をトナー供給
能θで評価し、後者を現像領域における電束密度で評価
する。電束密度はトナー層の厚さXの変数である空隙電
界E(X) と真空の誘電率εo との積εo E(X) で表せ
る。トナー付着量Mは、トナー供給能θおよび電束密度
εo E(X) が大きくなるにつれて増加すると考えられ
る。ここで、付着トナー量Mを付着したトナーの面積電
荷密度Qで評価し、Qの微少増加dQが電束密度εo
(X) とθの微少増加分dθに比例すると仮定すると次式
が得られる。
【0011】 dQ=γ・εo E(X) dθ …(2) 但し、γは比例定数である。 面積電荷密度Qは、付着トナー層の厚さXと体積電荷密
度ρとで表され次式となる。 Q=ρX …(3) 式(3)を式(2)に代入整理すると次式となる。
【数5】
【0012】以下この微分方程式を解き、付着トナー量
とトナー供給能θとの関係を求める。先ず、空隙電界E
(X) を図7より求める。図において、厚さdm の感光体
上に厚さXの付着帯電トナー層があり、空隙gをはさん
で、磁気ブラシ上に厚さdt のトナー層があると仮定す
る。空隙電界E(X) は次式となる。
【数6】
【0013】ここで、分子のVtsは、理論的な飽和トナ
ー電圧であり、現像バイアスと感光体間の電位差(有効
な潜像強度)からトナーとキャリア間の静電引力に対応
する電位差を差し引いた値である。また、括弧で括られ
た項は、トナーが感光体に付着したことにより、生じた
電圧、すなわちトナー電圧Vt である。トナー電圧が飽
和トナー電圧Vtsに達すれば、空隙電界は零になり現像
は止む。分母の各項は各々、付着トナー層、空隙、感光
体、現像剤上のトナー層の実効的な距離である。この
内、空隙gは1μm以下と考えられるため、他と比較し
て省略できる。また、現像剤に付着しているトナー層
は、現像後に感光体に付着してXに組み込まれて計算さ
れることになると考え、dt も省略可能とする。
【0014】式(5)に式(4)を代入し、θ=0の時
X=0を初期値としてXについて解くと次式となる。
【数7】 トナー密度をδ、トナー層の充填率をpとすると、付着
トナー量MはδpXとなる。さらに、体積電荷密度ρを
トナー比電荷Tp を用いて表すと、付着トナー量Mは次
式となる。
【数8】 但し、トナー電圧Vt は次式となる。
【数9】
【0015】式(7)は、トナー電圧が与えられた時の
付着トナー量Mを示し、式(8)は、トナー電圧Vt
現像過程においてどのように決まるかを示す式である。
図8は、トナー比電荷のことなる3種類の現像剤を用
い、トナー付着量とトナー供給能θとの関係を実験的に
求めたものである。実線は、比例定数γ=0.5とした場
合の理論値であり、導電性キャリアの適用例である。こ
れに対し、破線はγ=0.3とした場合の理論値であり、
キャリアの表面に1μm程度の樹脂をコーティングした
場合の適用例である。また、○,●,△,×,□印は実
験データを示している。トナー供給能θが増加するにつ
れ、また、トナー比電荷が小さくなる程、付着トナー量
が増加することが分かる。また、導電性キャリアとコー
ティングキャリアとを比較すると、導電性キャリアの方
がトナー付着量が多くなっている。このように、実験値
と理論値との良い一致が理論式(7)および式(8)の
妥当性を示している。なお、比例定数γについて、さら
に調査した所、キャリアの表面状態により、0.1〜0.7
程度まで変化することが明らかになった。
【0016】以上の検討から、逆に必要なトナー付着量
Mを考えると、現像に必要なトナーの帯電量であるトナ
ー比電荷が次式のように求まる。
【数10】
【0017】(b)かぶり濃度からの条件 かぶり濃度の点については、従来全く検討されていなか
った。そこで、以下に筆者らが理論的に検討した結果に
ついて詳細に説明する。図9および図10に示すように、
帯電トナーが感光体表面に付着した状態で、トナーを回
収するための逆電場が感光体と現像器間に印加されてい
ると仮定すると、次式が成り立つ。
【数11】
【0018】これより、感光体表面に働く電場Eo は次
式となる。
【数12】
【0019】式(11) より、帯電トナーに働く静電的力
e は次式となる。 Fe =qt ・Eo …(12) 但し、qt はトナーの帯電電荷量 今ここで、帯電トナーに働く静電力Fe が、感光体とト
ナーとの機械的力Fa より大きくなると、かぶりが発生
しない。この条件は、次式となる。 Fe >Fa …(13) 式(13) に式 (12) および式 (11) を代入すると、かぶ
りが発生しない逆バイアス電圧(Vs −Vb )とトナー
比電荷Tp との関係が次式のように求まる。
【数13】
【0020】式(14) は、かぶりが発生しない逆バイア
ス電圧はあるトナー比電荷で最小値を取ることを示して
いる。さらに、式(14)よりかぶりが発生しないトナー
の比電荷Tp を求めると次式となる。
【数14】
【0021】図11は、実験的に求めたかぶりの発生のな
い領域を○印で示し、かぶりが発生した領域を×印で示
している。さらに理論式(15) より求めたかぶりの発生
のない領域を斜線で示している。計算に用いたトナーの
半径rt 、トナー密度δ、トナーの比誘電率εr1、感光
体の厚さdm 、感光体の比誘電率εm はそれぞれ、r t
=5μm,δ=1110kg/m3 ,εr1=2.2,dm =50μ
m,εm =6とした。また、機械的な付着力Fa =4.2
×10-8Nと仮定した。図11より理論式 (15) の妥当性が
明らかになった。
【0022】(c)静電転写からの条件 トナー像の転写条件についても、既に文献(電子写真学
会編:“電子写真技術の基礎と応用”、第3.5節「トナ
ー像転写理論」、電子写真学会編、コロナ社、p.171−1
91(昭和63年6月))に詳細に検討されている。図12に示
すように、感光体ドラム上のトナー層に密着するように
記録紙を搬送させ、トナー像と記録紙とが密着した状態
で、記録紙裏面から帯電トナーと逆極性の電荷を与える
と、記録紙と感光体とが静電的に吸着する。この状態で
記録紙に与えられた電荷により帯電トナーが記録紙に引
きつけられ、トナー像の転写が行われる。静電転写にお
いて、電荷量qを持ったトナーに働く静電力Fe がトナ
ーと感光体表面の機械的な付着力Fa より大きくなる
と、トナーが記録紙に転写される。図13に静電転写のモ
デルを用いて、転写機構を理論的に説明する。
【0023】厚さdm の感光体上に体積電荷密度ρの帯
電トナー層dt があり、その上に厚さdp の記録紙を設
ける。このトナー層と記録紙との空隙をgとする。さら
に記録紙上には、帯電トナーと逆極性の電荷ρc を与え
る。この状態において、感光体表面からXの所にある帯
電トナーに働く記録紙方向の力Fe (X) は次式となる。
【数15】 但し、εo :真空の誘電率 εr1:トナー層の比誘電率
【0024】トナー層の体積電荷密度ρはトナー比電荷
p を用いると、次式で表される。 ρ=δpTp …(17) 但し、δ:トナーの密度 p:トナー層の充填率 式(17) を式 (18) に代入すると、トナー比電荷に対す
る帯電トナーの静電力Fe (X) が次式のように2次式と
して求まる。
【数16】 感光体表面から距離Xの所に働く静電力Fe (X) が機械
的な付着力Fa と釣り合い、この点でトナー層が分割さ
れ、(dt −x)の厚さのトナー層のみが記録紙に転写
されるとすると、このときの転写効率ηは次式であらわ
される。
【数17】
【0025】従って、最高の転写効率η=1を得るトナ
ー比電荷は、以下の条件となる。
【数18】
【0026】トナー比電荷Tp と転写効率ηとの関係の
実験結果を図14に示す。ここでは、転写前にコロナ帯電
器で再帯電し、トナーの比電荷を変化させた。黒丸印は
再帯電前は正帯電のトナーであることを示し、白丸印は
負帯電トナーを示している。図からも明らかなようにト
ナーの比電荷は、転写に最適な比電荷が存在することを
示している。実験に用いたトナーの物性値であるトナー
密度δ、トナー層の充填率p、トナー層の厚さdt およ
びトナー1個の質量mは、それぞれδ=1110kg/m3
p=0.6,dt =20μm,m=5.8×10-13 kg、また、
この時のトナーと感光体間の機械的な付着力Fa および
転写電荷量σc をそれぞれ、Fa =4.2×10-8N,σc
=−320 μC/m2(最適転写電荷量=σco)とし、これ
らの値を図14に実線で示してある。このように理論と実
験値が良く一致し、理論の妥当性が示された。なお、転
写電荷量σcoについて調査した所、実用的な転写効率70
%以上が得られる転写電荷量σcoは、図15に示すように
100〜500 μC/m2 であることが明らかになった。
【0027】(d)総合的なトナーの比電荷条件 従って、良好な印字を得るためには、以下の条件を満た
す必要がある。 ・現像濃度条件
【数19】
【0028】・かぶり条件
【数20】
【0029】・転写条件
【数21】
【0030】但し、εo は真空の誘電率(8.854×10-12
F/m)、εr1はトナー層の比誘電率、δはトナーの比
重、pはトナー層の充填率(=通常は0.2〜0.8)、V
tsは飽和トナー電圧(実効潜像強度:Vb −Vo ;Vb
は現像バイアス電圧、Vo は潜像電位)、γは比例定数
(=0〜1.0;導電性キャリアを用いた場合は、通常0.
4〜0.7であるが、コーティングキャリアを用いた場合
は、0.1〜0.4である。)、Mはトナー付着量(=十分
濃い印字を得るためには、現像後の感光体表面のトナー
の層が1層以上となるトナーの付着量(kg/m2)で表さ
れ、トナー粒子径が10μm程度の場合は、6g/m2
度となる。)、dm は感光体の厚さ、ε m は感光体の比
誘電率、Vs は一様帯電電位、rt はトナーの半径、F
a はトナーと感光体間の機械的な付着力(=通常の二成
分現像法においては、10-9〜10-6N程度である。)、d
t は現像後のトナー層の厚さ、mはトナー1個の平均的
な質量、σcoは最適転写電荷量(= 100〜500 μC/m
2)である。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】上記理論検討におい
て、機械的な力Fa はファンデルワールス力であり、ト
ナー粒径10〜13μm時の固定した値(4.2×10-8N)と
して検討されている。ところが、Fa はトナー粒径によ
って変化するため、トナー粒径の変化に対応できるプロ
セス条件を見出せなかった。このため、トナー粒径が小
さくなった場合、上記した理論検討式の条件でプロセス
パラメータを決定すると、画像の背景部にトナーが付着
するかぶりや、転写効率が低下したりする現象が発生す
ることがあった。
【0032】本発明は、電子写真プロセス全体に渡っ
て、トナー粒径が12μm付近以外のトナーの場合、トナ
ー帯電量、トナー粒径、現像バイアス、表面電位等の印
字プロセス条件がどのような影響を及ぼすかについて、
理論および実験の両面から検討を加え、得られた結果よ
りプロセス条件を設定し、印字品位を安定に保もてる二
成分磁気ブラシ現像法を実現しようとする。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明の二成分磁気ブラ
シ現像法に於いては、電子写真装置に用いられるトナー
とキャリアからなる二成分磁気ブラシ現像法において、
次式の条件を全て満たすことを特徴とする。 (a)現像濃度条件
【数22】 (b)かぶり濃度条件
【数23】 (c)転写条件
【数24】 とする。なお、εo は真空の誘電率(8.854×10-12 F/
m)、εr1はトナー層の比誘電率、δはトナーの比重、
pはトナー層の充填率、Vtsは飽和トナー電圧(実効潜
像強度:Vb −Vo ;Vb は現像バイアス電圧、Vo
潜像電位)、γは比例定数(=0.5)、Mはトナー付着
量、dm は感光体の厚さ、εm は感光体の比誘電率、V
s は一様帯電電位、rt はトナーの半径、Fa12 はトナ
ー径が12μm付近においてトナーと感光体間の機械的な
付着力(4.2×10-8N)、dt は現像後のトナー層の厚
さ(≒2rt )、mはトナー1個の平均的な質量、σco
は最適転写電荷量(320μC/m2)、Tp はトナー比電荷
である。この構成を採ることにより、印字品位を安定に
保もてる二成分磁気ブラシ現像法が得られる。
【0034】
【作用】トナー粒径が変化した時のファンデルワールス
力の変化に注目して式(9),(15), (20)のFa を、次式
とする。式(21) でFa12 はトナー径約12μm時の従来
のファンデルワールス力(4.2×10-8N)、rt はトナ
ーの半径である。
【数25】
【0035】本発明者らは、トナー粒径が変化した場合
のファンデルワールス力Fa について検討を行った。フ
ァンデルワールス力Fa は、文献(電子写真学会編;
“電子写真技術の基礎と応用”コロナ社(1988)、p.465)
より、
【数26】
【0036】となる。従って、ファンデルワールス力F
a とトナー径(半径)rt は比例関係である。また、上
記のように、トナー粒径が12μmでのFa の実測値は、
4.2×10-8Nであることも知られている。これらのこと
より、Fa は式(21) となる。
【0037】
【実施例】図1に本発明を適用した第1の実施例のレー
ザプリンタの構成を示す。感光体として、厚さdt =19
μm、比誘電率εr1=3(静電容量1.4μF/m 2)の有
機感光体ドラムをドラム周速度 120mm/Sで定速で回転
させた。この感光体ドラムをコロナ帯電器で均一に−60
0 Vに一様に帯電し、次に半導体レーザ光により画像パ
ターンに従って露光を行う。すると、光の当たった所の
み表面電位が約−100 Vまで低下し、静電的な潜像が形
成される。その後、磁気ブラシ現像器にバイアス電圧−
450 Vを印加し、静電潜像を目に見える像とした。転写
部では、コロナワイヤに流れる電流値が 200μAになる
ように設定し、最適な転写電荷量を与えた。これによ
り、トナー像を記録紙に転写した。この時の転写効率
は、約85%が得られた。このトナー像を40mmのヒートロ
ーラで溶かし、記録紙に固定した。一方、感光体ドラム
上に残ったトナーは、直径20mmのファーブラシにより感
光体ドラム上から除去した。
【0038】ここで、現像部においては、平均粒径60μ
mのマグネタイトキャリアと平均粒径7μmの樹脂トナ
ーとを、トナーの重量混合比が4.0%になるようにして
混合した。この時、トナーの比電荷については、上記し
た理論式を使用して、表1のようにそれぞれ、(a)現
像濃度条件、(b)かぶり条件、(c)転写条件を実施
例に合わせて求め、総合的な実用範囲を先ず求めた。次
にトナー比電荷が高温高湿度下で低下しても、なおかつ
総合的な実用範囲である下限値13μC/gにはいるよう
に、常温湿度下でのトナー比電荷を上限値に近い30μC
/gに設定した。この設定値にトナー比電荷を調整する
ため、キャリアについては、マグネタイトコアーの表面
にコートする樹脂膜の厚さおよび表面処理温度を制御
し、トナーについては、帯電制御剤の添加量の制御によ
り、必要なトナー比電荷30μC/gを達成した。
【0039】
【表1】
【0040】このようにして決定されたトナー比電荷を
持った現像剤を使用することにより、低温低湿度(10
℃, 20%RH) 、から高温高湿度 (32℃, 85%RH) の環境
条件においても充分濃い印字濃度が得られ、しかも背景
部の汚れのない高品質の印字が得られた。
【0041】第2の実施例として、5μmの小粒径トナ
ーを用いた場合について、実用範囲を検討し印字実験を
行った。条件は第1の実施例と同じとした。検討結果を
表2に示す。第1の実施例と同様の調整法でトナー比電
荷を調整した結果、5μmの小粒径トナーでも、低温低
湿度、から高温高湿度の環境条件においても充分濃い印
字濃度が得られ、しかも背景部の汚れのない高品質の印
字が得られた。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、粒径が12μm付近以外
のトナーを用いた二成分磁気ブラシ現像法を用いた電子
写真プロセスにおいても、良好な印字品位を得るために
必要な、プロセス条件を一義的に求めることができる。
このため、電子写真プロセスの開発工数の大幅な削減が
できる、とともに、良好な安定した画像品質が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のレーザプリンタの構成を示す
図である。
【図2】従来のプリンタの構成を示す図である。
【図3】磁気ブラシ現像器の構成を示す図である。
【図4】現像領域の様子を示す図で、(a)は画像部、
(b)はその電位、(c)は背景部である。
【図5】反転現像モデルを示す図である。
【図6】現像時の様子を示す図である。
【図7】磁気ブラシ現像モデルを示す図である。
【図8】トナー比電荷の影響を示す図である。
【図9】かぶり現像モデルを示す図である。
【図10】現像電位モデルを示す図である。
【図11】かぶり濃度が発生しないためのトナー比電荷と
逆バイアス電圧の関係を示す図である。
【図12】基本転写モデルを示す図である。
【図13】静電転写モデルを示す図である。
【図14】トナー比電荷と転写効率の関係を示す図であ
る。
【図15】転写電荷量と転写効率との関係を示す図であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真装置に用いるトナーとキャリア
    からなる二成分磁気ブラシ現像法において、次式の条件
    を全て満たすことを特徴とする二成分磁気ブラシ現像
    法。 (a)現像濃度条件 【数1】 (b)かぶり濃度条件 【数2】 (c)転写条件 【数3】 とする。なお、εo は真空の誘電率(8.854×10-12 F/
    m)、εr1はトナー層の比誘電率、δはトナーの比重、
    pはトナー層の充填率、Vtsは飽和トナー電圧(実効潜
    像強度:Vb −Vo ;Vb は現像バイアス電圧、Vo
    潜像電位)、γは比例定数(=0.5)、Mはトナー付着
    量、dm は感光体の厚さ、εm は感光体の比誘電率、V
    s は一様帯電電位、rt はトナーの半径、Fa12 はトナ
    ー径が12μm付近においてトナーと感光体間の機械的な
    付着力(4.2×10-8N)、dt は現像後のトナー層の厚
    さ(≒2rt )、mはトナー1個の平均的な質量、σco
    は最適転写電荷量(320μC/m2)、Tp はトナー比電荷
    である。
  2. 【請求項2】 請求項1の各式を全べて満たすようなト
    ナー比電荷(Tp )を持つことを特徴とする二成分磁気
    ブラシ現像用現像剤。
  3. 【請求項3】 請求項1の条件を満たす二成分磁気ブラ
    シ現像法を用いたことを特徴とする電子写真装置。
JP16044391A 1991-07-01 1991-07-01 二成分磁気ブラシ現像法 Pending JPH0511512A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6356727B1 (en) * 1999-10-26 2002-03-12 Sharp Kabushiki Kaisha Image forming apparatus having a specific relationship of the dielectric constant and layer thickness for photoconductor and developer lagers
JP2019168531A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 キヤノン株式会社 トナー及びトナーの製造方法

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