JPH0511469A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JPH0511469A
JPH0511469A JP16295591A JP16295591A JPH0511469A JP H0511469 A JPH0511469 A JP H0511469A JP 16295591 A JP16295591 A JP 16295591A JP 16295591 A JP16295591 A JP 16295591A JP H0511469 A JPH0511469 A JP H0511469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
phthalocyanine
crystal
charge generating
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16295591A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
Akihiko Itami
明彦 伊丹
Akira Kinoshita
昭 木下
Kazumasa Watanabe
一雅 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP16295591A priority Critical patent/JPH0511469A/ja
Publication of JPH0511469A publication Critical patent/JPH0511469A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 可視光から近赤外領域に亘って高感度の分光
感度特性を有し、プリンタ機能と白色光を光源とする複
写機能との両機能を備えた装置に適用でき、かつ繰返し
特性に優れている複写プロセスの高速化に対応できるよ
うな感光体の提供。 【構成】 導電性支持体上に、電荷発生物質及び電荷輸
送物質を含有する感光層を設けてなる電子写真感光体に
おいて、電荷発生物質としてCuKα特性X線(波長1.
541Å)に対するブラッグ角2θの27.2゜±0.2゜に主た
る明瞭なピークを有するチタニルフタロシアニンとバナ
ジルフタロシアニンの混晶と一般式[I]のビスアゾ化
合物を含有させる。 例えば

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
特に光導電性材料として特定の結晶型を有するチタニル
フタロシアニンとバナジルフタロシアニンの混晶を用
い、プリンタ、複写機等に有効であって、かつ露光手段
として半導体レーザ光及びLED光等を用いて像形成を
行うときにも好適な電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光導電性材料の研究が盛んに行わ
れており、電子写真感光体をはじめとして太陽電池、イ
メージセンサなどの光電変換素子として応用されてい
る。
【0003】従来、これらの光導電性材料としては主と
して無機系の材料が用いられ、例えば電子写真感光体に
おいてはセレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光
導電性材料を主成分とする感光層を設けた無機感光体が
広く使用されてきた。
【0004】しかしながら、このような無機感光体は複
写機、プリンタ等の電子写真感光体として要求される光
感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等の特性において必ず
しも満足できるものではなかった。例えばセレンは熱や
指紋の汚れ等により結晶化するために電子写真感光体と
しての特性が劣化しやすい。また、硫化カドミウムを用
いた電子写真感光体は耐湿性、耐久性に劣り、また、酸
化亜鉛を用いた電子写真感光体も耐久性に問題がある。
【0005】更に近年、環境問題が特に重要視されてい
るがセレン、硫化カドミウム等の電子写真感光体は毒性
の点で製造上、取扱上の制約が大きいという欠点を有し
ている。
【0006】このような無機光導電性材料の欠点を改善
するために種々の有機光導電性材料が注目されるように
なり、電子写真感光体の感光層等に使用することが試み
られるなど近年活発に研究が行われている。例えば特公
昭50-10496号にはポリビニルカルバゾールとトリニトロ
フルオレノンを含有した感光層を有する有機感光体が記
載されている。しかしながらこの感光体は感度及び耐久
性において十分なものではない。そのためキャリア発生
機能とキャリア輸送機能を異なる物質に個別に分担させ
た機能分離型の電子写真感光体が開発された。
【0007】このような電子写真感光体においては、材
料を広い範囲で選択できるので任意の特性を得やすく、
そのため高感度、高耐久の優れた有機感光体が得られる
ことが期待されている。
【0008】このような機能分離型の電子写真感光体の
キャリア発生物質及びキャリア輸送物質として種々の有
機化合物が提案されているが、特にキャリア発生物質は
感光体の基本的な特性を支配する重要な機能を担ってい
る。そのキャリア発生物質としてはこれまでジブロムア
ンスアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリ
ウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエア
リウム化合物、フタロシアニン化合物、アゾ化合物など
の光導電性物質が実用化されてきた。
【0009】更に電子写真感光体により高い感度を与え
るためには高いキャリア発生効率を持つキャリア発生物
質も必要である。この点について近年、フタロシアニン
化合物は優れた光導電材料として注目され、活発に研究
が行われている。
【0010】フタロシアニン化合物は中心金属の種類や
結晶型の違いによりスペクトルや光導電性などの各種物
性が変化することが知られている。例えば、銅フタロシ
アニンにはα、β、γ、ε型の結晶型が存在し、これら
の結晶型が異なることにより電子写真特性に大きな差が
あることが報告されている(澤田学、「染料と薬品」、24
(6)、122(1979))。
【0011】また、近年特にチタニルフタロシアニンが
注目されているが、チタニルフタロシアニンについても
A、B、C、Y型と呼ばれる4つの主な結晶型が報告さ
れている。しかしながら特開昭62-67094号のA型、特開
昭61-239248号記載のB型、特開昭62-256865号記載のC
型チタニルフタロシアニンは帯電性、電子写真感度とも
に未だ不十分な点がある。また最近発表されたY型チタ
ニルフタロシアニン(織田ら、「電子写真学会誌」、29
(3)、250、(1990))は高感度であるが帯電性に関し
てはまだ不十分な点もあり、帯電性が良好でかつ高感度
なキャリア発生物質が望まれている。
【0012】また、バナジルフタロシアニンについても
数多くの報告が有るが感光体としては例えば特開平1-21
7074号に記載されてあるチタニルフタロシアニンのB型
結晶に相当する結晶型や特開平1-204968号に記載のA型
に相当する結晶型を含んだ感光体が開示されている。し
かしこれらの結晶型では十分な感度は得られない。更に
特開平1-268763号にはチタニルフタロシアニンの特開昭
62-67094号の比較例に記載されてある結晶型と類似のブ
ラッグ角2θの27.2゜にピークを有する結晶型が記載さ
れているが、この結晶型も感度の点で不十分である。こ
れはバナジルフタロシアニンもチタニルフタロシアニン
と同様、単に27.2゜にピークを有する結晶は三次元的な
結晶配列を考えると9.5゜に明瞭なピークを有する高感度
のチタニルフタロシアニンのY型結晶の結晶配列とは異
なっているためである。このようにバナジルフタロシア
ニンについても高感度な特性の得られる結晶型は報告さ
れていないのが現状である。
【0013】また、近年単一のフタロシアニンだけでな
く複数のフタロシアニンを用いて特定の結晶配列を形成
させるというフタロシアニンの混晶が報告されている。
この混晶は単なる複数のフタロシアニンの混合とは異な
り、混晶を形成することによって単一のフタロシアニン
とは異なった特性を得られるという利点がある。このフ
タロシアニンの混晶の例としては例えば特開平2-84661
号には2種以上のフタロシアニンを気相状態を経て基盤
上に再凝集させるフタロシアニンの共蒸着による混晶の
形成が開示されている。しかしながらこれに開示されて
いる結晶型の銅フタロシアニンと無金属フタロシアニン
の混晶やチタニルフタロシアニンと無金属フタロシアニ
ンの混晶は感度が低いという問題がある。
【0014】また特開平2-70763号に記載されている蒸
着によるチタニルフタロシアニンとバナジルフタロシア
ニンの混晶はチタニルフタロシアニンのA型及びB型に
相当する結晶型を示している。しかしながらこれらの結
晶型では感度の点で不十分である。このように混晶にお
いても要求される特性を満足するためには混晶を構成す
るフタロシアニンの種類や結晶型の選択が重要である。
そのためには材料の選択だけではなく特定の結晶型を得
るための結晶制御技術も重要で現在知られている蒸着に
よる混晶の形成方法以外の結晶変換技術の開発も望まれ
ている。
【0015】しかし、このような長波長域に高感度を有
する電子写真感光体は、中波長域から短波長域での光感
度が十分ではなく、白色光源等を光源とする複写機能に
は対応できなかった。
【0016】可視光用電子写真感光体及び半導体レーザ
光用電子写真感光体は、それぞれ単独では比較的良好な
性能が得られているが、短波長域から長波長域まで幅広
く感度を有する感光体が求められている。
【0017】
【発明の目的】本発明の目的は、可視光から近赤外領域
に亘って高感度の分光感度特性を有し、プリンタ機能と
白色光を光源とする複写機能との両機能を備えた装置に
適用でき、かつ繰返し特性に優れている複写プロセスの
高速化に対応できるような感光体を提供することであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、導電性
支持体上に、電荷発生物質及び電荷輸送物質を含有する
感光層を設けてなる電子写真感光体において、電荷発生
物質としてCuKα特性X線(波長1.541Å)に対する
ブラッグ角2θの27.2゜±0.2゜に主たる明瞭なピークを
有するチタニルフタロシアニンとバナジルフタロシアニ
ンの混晶を含有し、かつ下記一般式[I]で表される化
合物又は下記一般式[II]で表される化合物のいずれか
を含有することを特徴とする電子写真感光体のいずれに
よっても達成される。
【0019】
【化3】
【0020】前記一般式[I]において、Ar1は芳香族
環基又は複素環基を表す。Ar2及びAr3はそれぞれ芳香
族環基を表す。R1及びR3はそれぞれ水素原子、アルキ
ル基又はアリール基を表す。R2はアルキル基、カルボ
キシル基又はそのエステル基を表す。Zは芳香族環又は
複素環を形成するのに必要な原子群を表す。
【0021】また前記一般式[II]においてX1及びX2
は、それぞれ、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のア
ルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ
基、シアノ基、ヒドロキシ基又は置換若しくは無置換の
アミノ基を表し、X1及びX2のうち少なくとも1つはハ
ロゲン原子である。p及びqはそれぞれ0,1又は2の
整数を表し、p及びqは同時に0となることはなく、且
つ、pが2つのときはX1は互いに同一の又は異なる基
であってよく、qが2のときはX2は互いに同一の又は
異なる基であってよい。m及びnはそれぞれ0、1又は
2の整数を表す。但し、m及びnが同時に0となること
はない。
【0022】またA2を表す一般式〔a〕中、Arは少
なくとも弗素化炭化水素基を有する芳香族炭素環基又は
芳香族複素環基を表す。Zは置換若しくは無置換の芳香
族炭素環又は置換若しくは無置換の芳香族複素環を形成
するのに必要な非金属原子群を表す。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】本発明に用いられるフタロシアニンの混晶
について、まず混晶とは一般に2種またはそれ以上の物
質が混合し、均一な溶相となった結晶をつくる場合、そ
の結晶のことをいうが、明礬類に見られるような同形の
塩や結晶格子が類似、或いは原子半径のあまり違わない
金属間においては混晶が形成されることが知られてい
る。
【0025】本発明の結晶型をとるフタロシアニンの混
晶についても良く似た傾向が見られ、チタニルフタロシ
アニンと比較的類似の構造のものが混晶を形成しやすい
傾向が見られた。チタニルフタロシアニンはW.Hillerら
によって結晶構造解析がなされており(Z.Kristallog
r.,159,173(1982))その構造はTi=Oがフタロシ
アニン環の共役平面に対して上方に突き出たような構造
をしている。
【0026】このチタニルフタロシアニンに対して例え
ば平面構造を有する無金属フタロシアニンとの間では結
晶純度の高い本発明の結晶型の混晶を得るのは困難で、
本発明の結晶型に他の結晶が混入してくるなどの問題が
生じ、性能低下の原因となりやすい。一方、バナジルフ
タロシアニンにおいても結晶構造解析がなされており
(R.Ziolo et al.,J.Chem.Soc.Dalton,2300(198
0))、チタニルフタロシアニンとはTi=O結合とV=
O結合にわずかに違いはあるものの良く似た立体構造を
とっていることが報告されている。したがって、バナジ
ルフタロシアニンはチタニルフタロシアニンと混晶を形
成するのに有利な立体構造を有していると考えられ、実
際にバナジルフタロシアニンにおいて他のいくつかのフ
タロシアニンとは異なり、本発明の結晶型の混晶を得る
ことができた。
【0027】本発明のチタニルフタロシアニンとバナジ
ルフタロシアニンの混晶の結晶型はCuKαの特性X線
(波長1.541Å)に対するブラッグ角2θの27.2゜±0.2゜
に主たる明瞭なピークを有しているものはすべて含まれ
るが、なかでも27.2゜±0.2゜以外にも9.6゜±0.2゜或いは
9.0゜±0.2゜に明瞭なピークを有している結晶型が望まし
い。更には9.6゜±0.2゜及び27.2゜±0.2゜に明瞭なピーク
を有するような結晶型が最も望ましい。
【0028】本発明で用いられるチタニルフタロシアニ
ン(TiOPc)は次の一般式[III]で表される。
【0029】
【化4】
【0030】但し、X1,X2,X3,X4は水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、或いはアルコキシ基、アリー
ルオキシ基を表し、k,l,m,nは0〜4の整数を表
す。
【0031】また、本発明で用いられるバナジルフタロ
シアニン(VOPc)は次の一般式[IV]で表される。
【0032】
【化5】
【0033】但し、X1,X2,X3,X4は水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、或いはアルコキシ基、アリー
ルオキシ基を表し、k,l,m,nは0〜4の整数を表
す。
【0034】X線回折スペクトルは次の条件で測定さ
れ、ここでいうピークとはノイズとは異なった明瞭な鋭
角の突出部のことである。
【0035】 X線管球 Cu 電 圧 40.0 KV 電 流 100 mA スタート角度 6.00 deg. ストップ角度 35.00 deg. ステップ角度 0.02 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明に用いられるチタニルフタロシアニンの合成には
種々の方法を用いることができるが、代表的には次の反
応式(1)或いは(2)に従って合成することができ
る。
【0036】
【化6】
【0037】式中、R1〜R4は脱離基を表す。
【0038】又、本発明に用いられるバナジルフタロシ
アニンはチタニルフタロシアニンと同様にo-フタロニト
リルや1,3-ジイミノイソインドリンと五酸化バナジウ
ム、アセチルアセトンバナジウムに代表されるバナジウ
ム試薬を1-クロルナフタレン等の不活性溶媒中で反応さ
せることにより得ることができる。
【0039】上記のようにして得られたチタニルフタロ
シアニンとバナジルフタロシアニンの混晶の形成は従来
技術としては共蒸着の方法のみが知られているにすぎな
かったが、発明者らによる詳細な検討の結果、そのほか
にも溶媒中に均一に溶解させた後析出させる方法、或い
は固体状態にて混合後、ミリング等の剪断力を付与する
方法などによっても混晶の形成が可能であることが判っ
た。
【0040】具体的には再結晶、再沈澱、アシッドペー
スト処理、或いは乾式または湿式によるミリングによる
方法などが挙げられるが、このような混晶の形成法の確
立により本発明の結晶型を得るに至った。しかしながら
混晶を形成させる方法はこれらの方法に限定されるもの
ではない。
【0041】次に本発明に用いられる結晶型のチタニル
フタロシアニン-バナジルフタロシアニン混晶を得る方
法を例示的に示す。例えば通常のアシッドペースト処理
により任意の結晶型のチタニルフタロシアニン及びバナ
ジルフタロシアニンを濃硫酸に溶解し、その硫酸溶液を
水にあけて析出した結晶を濾取する方法、或いは任意の
結晶型のチタニルフタロシアニンとバナジルフタロシア
ニンを混合し、その混合物をミリング等の機械的な力に
より粉砕する方法などによってチタニルフタロシアニン
-バナジルフタロシアニンより構成されるアモルファス
結晶が得られる。ここでアシッドペースト処理によりア
モルファス化を行う場合は一般的な条件にて達成され、
フタロシアニンに対する濃硫酸の重量比は特に限定され
ないが、5倍から200倍程度が望ましい。また、濃硫酸
に対する水あけに用いる水の量は重量比で通常、5倍か
ら100倍程度が望ましい。更に、フタロシアニンを濃硫
酸に溶解する温度は5℃以下、水あけ温度は通常0℃以
上50℃以下が望ましい。
【0042】次いでこのアモルファス結晶を特定の有機
溶媒で処理することによって本発明に用いられる結晶型
を得ることができる。用いられる有機溶媒としては炭化
水素系溶媒、芳香族系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコー
ル、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、有機酸、有機ア
ミン類、複素環化合物などが挙げられるが、必要に応じ
てスルホン酸やトリクロル酢酸等の酸を添加してもよ
い。
【0043】一方、アモルファス結晶の状態は水分を含
んだウエットペーストの状態或いは水分を含んでいない
乾燥状態のもののどちらも用いることができるが、これ
は処理する有機溶媒の種類や目的によって選択する事が
できる。さらにこの溶媒処理においては必要に応じて加
熱あるいはミリング処理等の操作を行うことができる。
また一旦これらの方法にて本発明の結晶型に変換された
結晶に対して更に上述の有機溶媒で処理するなど必要に
応じた結晶処理を行うことができる。しかしながら結晶
変換の方法は必ずしもこのような方法に限定されるもの
ではない。
【0044】本発明のチタニルフタロシアニンとバナジ
ルフタロシアニンの混晶におけるチタニルフタロシアニ
ンとバナジルフタロシアニンの組成比は両方のフタロシ
アニンが存在していれば特に限定されないが、チタニル
フタロシアニンの存在比は50%以上が望ましい。さらに
望ましくはチタニルフタロシアニンの存在比が80%以上
である。さらにはチタニルフタロシアニンの存在比が90
%以上が最も望ましい。ここでいう存在比とは全重量に
対しての含有されているチタニルフタロシアニンの重量
比を表す。
【0045】次の本発明に係る一般式[I]で表される
ビスアゾ顔料において、
【0046】
【化7】
【0047】ここで、Ar1は芳香族環基又は複素環基を
表す。Ar2及びAr3はそれぞれ芳香族環基を表す。R1
及びR3はそれぞれ水素原子、 アルキル基又はアリール
基を表す。R2はアルキル基、カルボキシル基又はその
エステル基を表す。Zは芳香族環又は複素環を形成する
のに必要な原子群を表す。
【0048】Ar1,Ar2又はAr3で表される芳香族基
は、例えばフェニル基、ナフチル基等であり、Ar1で表
される複素環基は例えばジベンゾフラン環、 カルバゾー
ル環、インドール環等である。
【0049】R1,R2又はR3で表されるアルキル基は例
えばメチル基、 エチル基等の低級アルキル基であり、R
1又はR3で表されるアリール基は例えばフェニル基等で
ある。また、Zにより形成される芳香族環又は複素環の
具体例は上記Ar1〜Ar3の具体例と同ようなものを挙げ
ることができる。
【0050】Ar1〜Ar3,R1〜R3及びZで表される各
基は置換を有してもよく、置換基としては例えばハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、置換ア
ミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、
スルホン酸基、スルファモイル基等である。
【0051】一般式[I]で示される化合物の代表的具
体例を以下に示すが、これらに限定されるものではな
い。
【0052】
【化8】
【0053】
【化9】
【0054】
【化10】
【0055】
【化11】
【0056】
【化12】
【0057】以上のごときアゾ化合物は例えば特開昭53
-22834号に記載の方法により容易に合成することができ
る。一般式[II]で表される化合物は、好ましくは、一
般式[II-a]、[II-b]、[II-c]、[II-d]で表
される。
【0058】
【化13】
【0059】式中、X1a、X1b、X2aおよびX2bはそれ
ぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のア
ルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ
基、シアノ基、ヒドロキシ基又は置換若しくは無置換の
アミノ基を表し、X1a、X1b、X2a及びX2bのうち、少
なくとも1つはハロゲン原子である。X1a及びX1b、並
びにX2a及びX2bは、それぞれ互いに同一又は異なる基
であってもよい。
【0060】Ar1は前記一般式[II]におけるArと同
義である。
【0061】Yは前記一般式[II]におけるZの置換基
と同義である。
【0062】
【化14】
【0063】
【化15】
【0064】
【化16】
【0065】
【化17】
【0066】
【化18】
【0067】以上のごときアゾ化合物は例えば特開昭59
-229564号に記載の方法により容易に合成することがで
きる。
【0068】本発明に係る一般式[I]又は一般式[I
I]で表される化合物は450nm〜600nmの領域で感度
が高く、本発明に用いるTiPOc−VOPc混晶の低
感度スペクトル領域の感度を補うものであり、かつ本発
明に係るTiOPc-VOPcの混晶と併用したとき、帯電電位、
残留電位などについての繰返し特性が著しく安定である
という特徴を有する。
【0069】このような異種のキャリア発生物質の併用
は、必ずしも一律的な選択手段があるというものでもな
く、本発明においても数多くの化合物の中から実験の積
み重ねによって前記TiPOc-VOPcの混晶化合物[I]又は
[II]の組合せを決定したものである。
【0070】本発明のこの組合せによって、長波長から
短波長まで広いスペクトル領域に高感度を保持でき、な
おかつ繰返し使用時も電位の履歴を小さくできた。
【0071】これによれば、可視域で主たる分光感度が
必要な複写機(例えば蛍光灯、ハロゲンランプ、キセノ
ンランプ等の画像信号−アナログ信号)として好適とな
り、かつ可視光領域中の長波長側あるいは赤外域で主た
る分光感度が必要なプリンタ(例えば発光ダイオード、
He-Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ等の画像信
号−デジタル信号)として好適となる。この意味で、ア
ナログ/デジタルの両方式を夫々実現できる。
【0072】次に本発明に用いられるキャリア輸送物質
としては、特に制限はないが、例えばオキサゾール誘導
体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チア
ジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール
誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、
ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾ
ン化合物、ピラゾリン誘導体、アミン誘導体、オキサゾ
ロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベイズイミダゾ
ール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、
アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベ
ン誘導体、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリ-1-ビニル
ピレン、ポリ-9-ビニルアントラセン等から選ばれた一
種又は二種類以上が例示される。
【0073】キャリア発生層或はキャリア輸送層の形成
に用いられるバインダ樹脂は任意のものを用いることが
できるが、疎水性で、かつ誘電率が高く、電気絶縁性の
フィルム形成性高分子重合体を用いるのが好ましい。こ
のような高分子重合体としては、例えば次のものを挙げ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0074】 P―1)ポリカーボネート P―2)ポリエステル P―3)メタクリル酸樹脂 P―4)アクリル樹脂 P―5)ポリ塩化ビニル P―6)ポリ塩化ビニリデン P―7)ポリスチレン P―8)ポリビニルアセテート P―9)スチレン-ブタジエン共重合体 P―10)塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体 P―11)塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 P―12)塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合
体 P―13)シリコーン樹脂 P―14)シリコーン-アルキッド樹脂 P―15)フェノールホルムアルデヒド樹脂 P―16)スチレン-アルキッド樹脂 P―17)ポリ-N-ビニルカルバゾール P―18)ポリビニルブチラール P―19)ポリビニルフォルマール これらのバインダ樹脂は、単独であるいは2種類以上の
混合物として用いることができる。
【0075】本発明に係る感光層には、オゾン劣化防止
の目的で酸化防止剤を添加することができる。酸化防止
剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミ
ン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイ
ドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそ
れらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等が挙げ
られる。
【0076】これらの具体的化合物としては、特開昭63
-14153号、同63-18355号、同63-44662号、同63-50848
号、同63-50849号、同63-58455号、同63-71856号、同63
-71857号及び同63-146046号に記載がある。
【0077】キャリア発生層には感度の向上、残留電位
及至反復使用時の疲労低減等を目的として、一種又は二
種以上の電子受容性物質を含有せしめることができる。
【0078】電子受容性物質の添加量は、重量比でキャ
リア発生物質:電子受容性物質=100:(0.01〜200)、
好ましくは100:(0.1〜100)である。
【0079】電子受容性物質はキャリア輸送層に添加し
てもよい。かかる層への電子受容性物質の添加量は重量
比でキャリア輸送物質:電子受容性物質=100:(0.01〜
100)、好ましくは100:(0.1〜50)である。
【0080】電子受容性物質の具体例は、特開昭63-168
656号等に記載されている。
【0081】また本発明の感光体には、その他、必要に
より感光層を保護する目的で紫外線吸収剤等を含有させ
てもよく、又感色性補正の染料を含有させてもよい。
【0082】本発明の感光体は支持体上に、キャリア発
生層、キャリア輸送層、更に必要に応じ、保護層、中間
層、バリア層、接着層等の補助層が積層されてもよい。
【0083】キャリア発展層については、下記方法が適
宜用いられる。
【0084】1) キャリア発生物質を適当な溶媒に溶
解した溶液を、あるいは必要に応じてバインダ樹脂を加
え混合溶解した溶液を塗布する方法。
【0085】2) キャリア発生物質をボールミル、ホ
モミキサ等によって分散媒中で微細粒子(好ましくは
粒径5μm以下、更に好ましくは1μm以下)とし、必要
に応じてバインダ樹脂を加え混合分散した分散液を塗布
する方法。
【0086】キャリア発生層の形成に使用される溶媒あ
るいは分散媒としては、ブチルアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチ
ルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロ
ホルム、1,2-ジクロルエタン、1,2-ジクロルプロパン、
1,1,2-トリクロルエタン、1,1,1-トリクロルエタン、ト
リクロルエチレン、テトラクロルエタン、ジクロルメタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げ
られる。
【0087】また、キャリア輸送層は上記キャリア発生
層と同様にして形成することができる。
【0088】感光体に用いられる導電性支持体として
は、合金を含めた金属板、金属ドラム又は導電性ポリマ
ー、酸化インジウム等の導電性化合物や合金を含めたア
ルミニウム、パラジウム、金等の金属薄層を塗布、蒸着
あるいはラミネートして、導電性化された紙、プラスチ
ックフィルム等が挙げられる。接着層あるいはバリヤ層
などの中間層としては、前記バインダ樹脂として用いら
れる高分子重合体のほか、ポリビニルアルコール、エチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの有機
高分子物質又は酸化アルミニウムなどが用いられる。
【0089】次に本発明の感光体の具体的構成について
述べる。
【0090】図1及び図2は夫々本発明の感光体態様例
の断面図である。
【0091】図1はキャリア輸送層(CTL)がキャリ
ア発生層(CGL)の上に積層された態様であって負帯
電用感光体として好ましい態様であり、図2はその逆に
CTLの上にCGLが積層された態様であって正帯電用
感光体として好ましい態様である。
【0092】更に本発明においては、キャリア発生物質
(CGM)としてTiOPc-VOPcの混晶とアゾ化合物の2種
を用いるので、夫々別層のCGLとする態様が可能であ
る。
【0093】図1(a)において、1は支持体、2はCG
Lでありかつ上下2層のCGL2A及び2Bからなる。
3はキャリア輸送物質(CTM)を含むCTLである。又
図2の場合も同様の構成が可能であり、図1と同記号は
同意味の層である。
【0094】CGLに2層構成を採る場合、イオン化ポ
テンシャル或はCTLのエネルギー注入バリアに原因す
ると思われるが、図1の負帯電用にはCTLに接するC
GL2AにTiOPc-VOPcの混晶を、支持体に接するCGL
2Bにアゾ化合物を振当てることが好ましい。又、図2
の正帯電用の場合にはCTLに接する下層のCGL2B
にTiOPc-VOPcの混晶を、上層のCGL2Aにアゾ化合物
を振当てると性能が良好となる。
【0095】本発明の感光体の層構成は前記図1(a)、
図2(a)に限らず種々の態様が可能である。
【0096】図1において、同図(b)の4はTiOPc-VOPc
の混晶及びアゾ化合物で混成されたCGLであり、同図
(c)の5はTiOPc-VOPc混晶又はアゾ化合物のいずれか一
方がCTMと混成されたキャリア発生・輸送複合層(C
GTL)であり、更に同図(d)の7は二種のCGMとC
TMで混成されたCGTLである。
【0097】図2に示される正帯電用の場合にも同様の
構成を与えることができる。
【0098】本発明においては補助層が活用されてもよ
く、図1において、保護層8、バリア層(又は接着層)
9、中間層10を設けた態様例を示した。図2の場合も同
様である。
【0099】前記CGLにおいて、CGMとバインダと
の重量比は好ましくは100:0〜1000がよい。CGMの含
有割合がこれより少ないと光感度が低く、残留電位の増
加を招き、又これより多いと暗減衰及び受容電位が低下
する。
【0100】図1、図2において、下側CGL2Bの膜
層は0.01〜10μm(更には0.05〜1μm)とするのが好まし
く、上側CGL2Aの膜厚は0.01〜10μm(更には0.5〜
5μm)とするのが好ましい。
【0101】またCTLにおいて、CTMはCTL中の
バインダ樹脂100重量部(wtと標記)当たり20〜200wtが
好ましく、特に好ましくは30〜150wtである。
【0102】又、形成されるCTLの厚さは、好ましく
は5〜50μm、特に好ましくは5〜30μmである。
【0103】
【実施例】
チタニルフタロシアニンの合成 1,3-ジイミノイソインドリン29.2gとo-ジクロルベンゼ
ン200ml及びチタニウムテトラ-n-ブトキシド20.4gを混
合し、窒素気流下にて3時間還流させた。放冷して室温
に戻した後析出した結晶を濾取し、o-ジクロルベンゼン
で洗浄し、更にメタノールで洗浄した。更に得られた結
晶を2%塩酸水溶液中室温にて数回撹拌洗浄し、さらに
脱イオン水で数回洗浄を繰返した。その後メタノールで
洗浄後、乾燥して青紫色のチタニルフタロシアニン結晶
24.2gを得た。
【0104】バナジルフタロシアニンの合成 1,3-ジイミノイソインドリン29.2gとo-ジクロルベンゼ
ン200ml及びバナジルアセチルアセトナート8gを混合
し、窒素気流下にて5時間還流させた。その後放冷して
室温に戻した後析出した結晶を濾取し、o-ジクロルベン
ゼンで洗浄し、更にメタノールで洗浄した。更に得られ
た結晶を2%塩酸水溶液中室温にて数回撹拌洗浄し、さ
らに脱イオン水で数回洗浄を繰返した。乾燥後この結晶
を1-クロルナフタレンで再結晶して紫色のバナジルフタ
ロシアニン結晶18.9gを得た。
【0105】合成例1 チタニルフタロシアニン4g及びバナジルフタロシアニ
ン1gを氷冷下250gの96%硫酸に溶解し、この硫酸溶液
を5lの水にあけて析出したアモルファス状態のウェット
ペーストを濾取した。
【0106】更にこのウェットペーストとo-ジクロルベ
ンゼン50gを混合し、50℃の温度で2時間撹拌した。こ
の反応液をメタノールで希釈後濾過し、更に得られた結
晶をメタノールで数回洗浄して青色結晶を得た。この結
晶は図3に示すようにブラッグ角2θの9.6゜及び27.2゜
にピークを有する本発明のチタニルフタロシアニンとバ
ナジルフタロシアニンの混晶であることが判った。
【0107】合成例2 合成例1のウェットペーストを乾燥してから得られた粉
末5g及びp-トルエンスルホン酸25gを混合し、更に酢酸
500mlを加えて5時間加熱還流した。反応物を濾取した
後、濾液が完全に中性になるまで水洗を数回繰返した。
更にメタノール中で30分間撹拌した後、濾過、乾燥して
青色結晶を得た。この結晶は図4に示すようにブラッグ
角2θの9.0゜及び27.2゜にピークを有するチタニルフタ
ロシアニンとバナジルフタロシアニンの混晶であること
が判った。
【0108】合成例3 チタニルフタロシアニン4g及びバナジルフタロシアニ
ン1gを氷冷下250gの96%酢酸に溶解し、この硫酸溶液
を5lの水にあけて析出したアモルファス状態のウェット
ペーストを濾取した。このウェットペーストをとってメ
タノール250ml中にて24時間ミリング処理を行った。そ
の後、結晶を濾過、乾燥して青紫色の結晶を得た。この
結晶のX線回折スペクトルは図5に示すようにブラッグ
角2θの27.2゜に明瞭なピークを有するが、その他はブ
ロードになっており明瞭なピークは観測されなかった。
【0109】合成例4 合成例1においてチタニルフタロシアニン2.5g及びバ
ナジルフタロシアニン2.5gを用いた他は合成例1と同様
にして青色結晶を得た。この結晶は図6に示すようにブ
ラッグ角2θの9.6゜及び27.2゜にピークを有していた。
【0110】比較合成例1 合成例1のウェットペーストを乾燥して得られた粉末2
gを1-クロルナフタレンにより再結晶した。得られた結
晶は図7に示すようにブラッグ角2θの9.2゜、10.5゜、
13.1゜、15.0゜、26.2゜、27.1゜にピークを有するチタニル
フタロシアニンとバナジルフタロシアニンの混晶のA型
結晶であることが判った。
【0111】比較合成例2 合成例1のウェットペーストを乾燥して得られた粉末2
gを150mlの1,1,2,2-テトラクロルエタン中で加熱還流し
て図8のようなブラッグ角2θの7.5゜及び28.6゜にピー
クを有するチタニルフタロシアニンとバナジルフタロシ
アニンの混晶のB型結晶を得た。
【0112】感光体試料の作成要件は下記の通りであ
り、その要件を総括して表1に掲げた。
【0113】〔A〕感光体構成層塗料の場合 (1)実施例1〜20並びに比較例(1)及び(2) a.下引層(OCL)塗料 ポリアミド樹脂(ラッカマイト−5003 大日本インキ製) 25g メタノール 1000ml 混合溶解し、アルミニウム基体上に膜厚0.5μmに塗布
した。
【0114】b.CGL塗料 CGM(表1掲示化合物) 20g シリコーン樹脂(固形分)(KR5240;信越シリコン製) 20g 酢酸イソプロピル 1000ml サンドグラインダで1000rpm;2hr混合し、膜厚0.5μm
(但し2層構成CGLの場合は各層0.25μm宛)に塗布
した。
【0115】c.CTL塗料 CTL(表1掲示化合物) 13g ポリカーボネート(ユーピロンZ-200;三菱瓦斯化学製) 22g 1,2-ジクロルエタン 1000ml 混合、溶解し、20μm膜厚に塗布した。
【0116】尚、表1,表2に記号で掲示したCGM,
CTMは下記の通りである。
【0117】
【化19】
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】〔B〕感光体構成層の積層順位 構成I CGM混成系(図1(b)タイプ) 構成II CGM2層分離系(図1(a)タイプ) II 1;TiOPc-VOPcの混晶層CTL隣接 II 2;アゾ化合物層−CTL隣接 構成III CGM2層の分離系(図2(a)タイプ) III 1;TiOPc-VOPcの混晶層CTL隣接 III 2;アゾ化合物層−CTL隣接 〔C〕塗料方法 UCL ディップコーティング法 CGL 混合系;デップコーティング法 2層分離系;リングコーティング法 CTL デップコーティング法 〔特性評価〕こうして得られた感光体試料の特性評価試
験を以下のようにして行った。結果を表1,表2に掲げ
た。
【0121】〔感度試験〕静電帯電試験装置EPA-810
0(川口電機(株)製)を用いて、感光体表面電位が初期電
位から半減するのに必要な露光量E1/2(lux・sec)を測
定した。
【0122】〔繰返し特性試験〕上記静電帯電試験装置
EPA-8100を用いて、帯電→露光→除電を100回繰返し
た時の1回目と100回目の帯電電位の変化量Δ0
100(V)を測定した。(|ΔVH|として求めた。) 〔長波長光感度測定〕前述のEPA-8100を用いる測定
計において光源タングステンランプを使用し、モノクロ
メーターを通し特に問題とする780nm±1nmの波長の光に
対するE1/2(Vcm2/erg)を測定した。これは値の大き
い方が感度がよい。
【0123】
【発明の効果】表1,表2の結果から明らかなように、
本発明の実施例は白色光、レーザ光に対する感度、繰返
し特性等すべての点で比較例より優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体態様例の断面図
【図2】本発明の感光体態様例の断面図
【図3】合成例1で得られたTiOPc-VOPcのX線回折スペ
クトル図
【図4】合成例2で得られたTiOPc-VOPcのX線回折スペ
クトル図
【図5】合成例3で得られたTiOPc-VOPcのX線回折スペ
クトル図
【図6】合成例4で得られたTiOPc-VOPcのX線回折スペ
クトル図
【図7】比較例(1)で得られたTiOPc-VOPcのX線回折
スペクトル図
【図8】比較例(2)で得られたTiOPc-VOPcのX線回折
スペクトル図
【符号の説明】
1 支持体 2 キャリア発生層(CGL) 3 キャリア輸送層(CTL) 4 TiOPc-VOPc混晶及びアゾ化合物を含むCGL 5 TiOPc-VOPc混晶又はアゾ化合物とCTMを含むキャ
リア発生・輸送複合層(CGTL) 7 CGMとCTMからなるCGTL 8 保護層 9 バリア層 10 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 一雅 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷発生物質を含有
    する感光層を設けてなる電子写真感光体において、電荷
    発生物質としてCuKα特性X線(波長1.541Å)に対
    するブラッグ角2θの27.2°±0.2°に主たる明瞭なピ
    ークを有するチタニルフタロシアニンとバナジルフタロ
    シアニンの混晶を含有し、かつ下記一般式[I]で表さ
    れる化合物を含有することを特徴とする電子写真感光
    体。 【化1】 [式中、Ar1は芳香族環基又は複素環基を表す。Ar2
    びAr3はそれぞれ芳香族環基を表す。R1及びR3はそれ
    ぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。R2
    はアルキル基、カルボキシル基又はそのエステル基を表
    す。Zは芳香族環又は複素環を形成するのに必要な原子
    群を表す。]
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に、電荷発生物質及び電
    荷輸送物質を含有する感光層を設けてなる電子写真感光
    体において、電荷発生物質としてCuKα特性X線(波
    長1.541Å)に対するブラッグ角2θの27.2°±0.2°に
    主たる明瞭なピークを有するチタニルフタロシアニンと
    バナジルフタロシアニンの混晶を含有し、かつ下記一般
    式[II]で表される化合物を含有することを特徴とする
    電子写真感光体。 【化2】 [一般式[II]においてX1及びX2は、それぞれ、ハロ
    ゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若し
    くは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒド
    ロキシ基又は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、X
    1及びX2のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。
    p及びqはそれぞれ0,1又は2の整数を表し、p及び
    qは同時に0となることはなく、且つ、pが2つのとき
    はX1は互いに同一の又は異なる基であってよく、qが
    2のときはX2は互いに同一の又は異なる基であってよ
    い。m及びnはそれぞれ0、1又は2の整数を表す。但
    し、m及びnが同時に0となることはない。また一般式
    〔a〕中、Arは少なくとも弗素化炭化水素基を有する
    芳香族炭素環基又は芳香族複素環基を表す。Zは置換若
    しくは無置換の芳香族炭素環又は置換若しくは無置換の
    芳香族複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表
    す。]
JP16295591A 1991-07-03 1991-07-03 電子写真感光体 Pending JPH0511469A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16295591A JPH0511469A (ja) 1991-07-03 1991-07-03 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16295591A JPH0511469A (ja) 1991-07-03 1991-07-03 電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0511469A true JPH0511469A (ja) 1993-01-22

Family

ID=15764452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16295591A Pending JPH0511469A (ja) 1991-07-03 1991-07-03 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0511469A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1056453C (zh) * 1997-06-05 2000-09-13 浙江大学 一种制备宽频响有机光电导体的方法
CN100465178C (zh) * 2004-11-25 2009-03-04 同济大学 一种四氯苯醌/三苯基磷可控掺杂四取代酞菁铜薄膜及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1056453C (zh) * 1997-06-05 2000-09-13 浙江大学 一种制备宽频响有机光电导体的方法
CN100465178C (zh) * 2004-11-25 2009-03-04 同济大学 一种四氯苯醌/三苯基磷可控掺杂四取代酞菁铜薄膜及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0795791B1 (en) Electrophotographic photoreceptor
US6391505B1 (en) Phthalocyanine crystal and its production, and electrophotosensitive material using the same
EP0997783B1 (en) Electrophotographic photoreceptor containing oxotitanylphthalocyanine
JPH04221962A (ja) 電子写真感光体
JP2961562B2 (ja) 電子写真感光体及び混晶の製造方法
JP2934983B2 (ja) 塗布液
JP3379020B2 (ja) 新規なピレン系化合物及びその製造法並びに該化合物を含む電子写真感光体
JPH0511469A (ja) 電子写真感光体
JP2899833B2 (ja) 塗布液
JPH04184452A (ja) 塗布液
JPH0511472A (ja) 電子写真感光体
JPH04371962A (ja) 電子写真感光体
JPH04361269A (ja) 電子写真感光体
JPH052278A (ja) 電子写真感光体
JP2899834B2 (ja) 塗布液
JP3268464B2 (ja) チタニルフタロシアニン結晶分散液
JPH052279A (ja) 電子写真感光体
JP3861481B2 (ja) チタニルフタロシアニン結晶とそれを用いた電子写真感光体
JPH02183262A (ja) 電子写真感光体
JP3347681B2 (ja) 電子写真感光体
JPH05346672A (ja) 光導電性層用塗布液及び電子写真感光体
JPH04221961A (ja) 電子写真感光体
JP2000347431A (ja) 電子写真感光体
JPH05333578A (ja) 電子写真感光体
JPH0477906B2 (ja)